JP2002193905A - ヒドラジン誘導体の製造方法 - Google Patents

ヒドラジン誘導体の製造方法

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JP2002193905A JP2001186754A JP2001186754A JP2002193905A JP 2002193905 A JP2002193905 A JP 2002193905A JP 2001186754 A JP2001186754 A JP 2001186754A JP 2001186754 A JP2001186754 A JP 2001186754A JP 2002193905 A JP2002193905 A JP 2002193905A
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潔 杉
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広美 服部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元反応が選択的に進行し、かつ副反応であ
る水素化分解反応が抑制された、ヒドラゾン誘導体から
ヒドラジン誘導体を製造する方法の提供。 【解決手段】 有機塩基および無機塩基からなる群より
選ばれる少なくとも1種の塩基、並びに金属系還元触媒
の存在下、式[1] 【化1】 のヒドラゾン誘導体から式[2] 【化2】 (式中、各記号は明細書と同義である。)のヒドラジン
誘導体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品原料として
有用な特定のヒドラジン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品原料として有用なヒドラジン誘導
体、例えば後記式[3]で表されるtert−ブチル
3−[4−(ピリジン−2−イル)ベンジル]カルバゼ
ートは、WO97/40029に記載の抗エイズ薬
【0003】
【化3】
【0004】の中間体として有用であり、当該中間体
は、下記式[4]で表されるN−(tert−ブトキシ
カルボニル)−N’−{[4−(ピリジン−2−イル)
フェニル]メチリデン}ヒドラゾンを、メタノール中、
10%Pd/Cの存在下で還元することによって得られ
ることが知られている(WO97/40029、実施例
46C)。しかしながら、詳細な説明はなく、還元によ
る副生物等についても記載がない。
【0005】
【化4】
【0006】本発明者らはWO97/40029の実施
例46Cを追試したところ、式[3]の化合物が水素化
分解された4−(ピリジン−2−イル)トルエンが副生
することを見つけ、これにより式[3]の化合物の生成
率が低下すること、および溶解状態にある副生物が式
[3]の化合物の晶析を妨げて収率を低下させることを
認めた。このため、還元反応が選択的に進行し、かつ副
反応である水素化分解反応が抑制された、式[4]のよ
うなヒドラゾン骨格を有する化合物から式[3]のよう
なヒドラジン骨格を有する化合物を製造する方法の開発
が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、本発
明の目的は、還元反応が選択的に進行し、かつ副反応で
ある水素化分解反応が抑制された、ヒドラゾン誘導体か
らヒドラジン誘導体を製造する方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行なった結果、下記式[1]
のヒドラゾン誘導体から下記式[2]のヒドラジン誘導
体を製造する際、金属系還元触媒と共に、有機塩基およ
び無機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種の塩
基を反応系に添加することにより、目的の反応である還
元反応が選択的に進行し、かつ副反応である水素化分解
反応が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0009】即ち、本発明は、以下の通りである。 1. 有機塩基および無機塩基からなる群より選ばれる
少なくとも1種の塩基、並びに金属系還元触媒の存在
下、式[1]
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R1は、炭素数1〜12のアルキ
ル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、水
酸基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を
有していてもよいアラルキル基または置換基を有してい
てもよいヘテロ芳香環基を示し、R2は、炭素数1〜1
2のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲ
ン原子、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基
を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していて
もよいフェニルアルコキシ基または置換基を有していて
もよいヘテロ芳香環基を示し、Arは、フェニレン基、
ナフチレン基またはヘテロ芳香環基を示す。)で表され
るヒドラゾン誘導体を還元することを特徴とする、式
[2]
【0012】
【化6】
【0013】(式中、R1、R2およびArは、前記と同
義である。)で表されるヒドラジン誘導体の製造方法。 2. 有機塩基が第3アミン類である、上記1.の製造
方法。 3. 第3アミン類がトリエチルアミンである、上記
2.の製造方法。 4. 無機塩基が炭酸アルカリである、上記1.の製造
方法。 5. 炭酸アルカリが炭酸ナトリウムである、上記4.
の製造方法。 6. 還元反応後、水素ガス単独または不活性ガスとの
混合ガス雰囲気下で反応液を濾過する上記1.の製造方
法。 7. 還元反応後、反応液を冷却し、不活性ガス単独の
雰囲気下で濾過する、上記1.の製造方法。 8. 冷却温度が30℃以下である、上記7.の製造方
法。 9. 還元反応後、反応液を濾過して得られた濾液に硫
黄系化合物を添加する、上記1.の製造方法。 10. 硫黄系化合物がハイドロサルファイトナトリウ
ムである、上記9.の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。R1、R2における「炭素数1〜12のアルキル
基」としては、直鎖状または分岐鎖状であり、例えば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシルなどが挙げられ、好ましくは炭素
数1〜6のアルキルである。
【0015】R1、R2における「炭素数1〜6のアルコ
キシ基」としては、直鎖状または分岐鎖状であり、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなどが挙げられ、好
ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。R
1、R2における「ハロゲン原子」としては、塩素原子、
フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好まし
くは、塩素原子、フッ素原子、臭素原子である。
【0016】R1、R2における「置換基を有していても
よいフェニル基」の「置換基」としては、本発明の還元
条件下で還元しないものであれば特に限定はなく、例え
ば、炭素数1〜12のアルキル基(直鎖状または分岐鎖
状であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシルなど)、炭素数1〜6のア
ルコキシ基(直鎖状または分岐鎖状であり、例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブ
トキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシなど)、ハロゲン
原子(フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子)
などが挙げられる。フェニル基は、これら1種または2
種以上で置換されていてもよい。
【0017】R1、R2における「置換基を有していても
よいアラルキル基」の「アラルキル基」とは、アリール
部がフェニル、ナフチルなどであり、かつアルキル部が
炭素数1〜4、好ましくは1または2のアルキル基であ
るアラルキル基であり、例えば、ベンジル、1−フェニ
ルエチル、2−フェニルエチルなどが挙げられる。当該
「置換基」としては、本発明の還元条件下で還元しない
ものであれば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜12
のアルキル基(直鎖状または分岐鎖状であり、例えば、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシルなど)、炭素数1〜6のアルコキシ基(直
鎖状または分岐鎖状であり、例えば、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペント
キシ、ヘキシルオキシなど)、ハロゲン原子(フッ素原
子、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子)などが挙げられ
る。これら1種または2種以上で置換されていてもよ
い。
【0018】R1、R2における「置換基を有していても
よいヘテロ芳香環基」の「ヘテロ芳香環基」としては、
例えば、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラ
ジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イ
ソキサゾリル、チエニル、フリル、インドリルなどが挙
げられ、好ましくはピリジルが挙げられる。「置換基」
としては、本発明の還元条件下で還元しないものであれ
ば特に限定はなく、例えば、炭素数1〜12のアルキル
基(直鎖状または分岐鎖状であり、例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル
など)、炭素数1〜6のアルコキシ基(直鎖状または分
岐鎖状であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec
−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシ
ルオキシなど)、ハロゲン原子(フッ素原子、臭素原
子、ヨウ素原子、塩素原子)などが挙げられる。これら
1種または2種以上で置換されていてもよい。
【0019】R2における「置換基を有していてもよい
フェニルアルコキシ基」の「アルコキシ基」としては、
好ましくは炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状のアル
コキシであり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec
−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキシ
ルオキシなどが挙げられる。当該アルコキシ基は、本発
明の還元条件下で還元しない置換基であればどのような
置換基で置換されていてもよく、1または2以上の置換
基で置換されていてもよい。
【0020】Arにおける「ヘテロ芳香環基」とは、ヘ
テロ芳香環の2価基であり、ヘテロ芳香環としては、ピ
リジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、イミダゾ
ール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チ
オフェン、フラン、インドールなどが挙げられ、好まし
くはピリジンである。
【0021】本発明において、ヒドラジン体[2]は、
有機塩基および無機塩基からなる群より選ばれる少なく
とも1種の塩基、並びに金属系還元触媒の存在下、ヒド
ラゾン体[1]を還元することによって得ることができ
る。具体的には、溶媒に、ヒドラゾン体[1]、金属系
還元触媒および塩基を添加し、これを水素ガス雰囲気下
で攪拌する。
【0022】本発明の還元反応に使用する溶媒として
は、ヒドラゾン体[1]を溶解し、かつ反応に悪影響を
及ぼさない溶媒を用いればよく、アルコール系溶媒(例
えば、メタノール、イソプロパノールなど)、エステル
系溶媒(例えば、酢酸エチルなど)、エーテル溶媒(例
えば、テトラヒドロフラン(THF)、エーテルな
ど)、炭化水素系溶媒(例えば、トルエンなど)、およ
びこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはメタノー
ル、イソプロパノールが挙げられる。これらの溶媒に少
量の水を含んでいてもよい。溶媒の使用量としては、ヒ
ドラゾン体[1]に対して、4重量倍から5重量倍程度
が好ましい。
【0023】本発明の還元反応に使用する金属系還元触
媒としては、通常の還元触媒としての金属触媒を用いる
ことができる。これらの金属触媒としては、パラジウム
系触媒、白金系触媒、ニッケル系触媒が挙げられる。こ
れらの金属系還元触媒のうち、パラジウム系触媒が好ま
しく、Pd/Cが最も好ましい。触媒の使用量は、使用
する触媒の種類によって異なるが、例えば5%Pd/C
を使用する場合には、5%Pd/Cの使用量は、ヒドラ
ゾン体[1]100重量部に対して、好ましくは0.5
重量部から5重量部、より好ましくは1重量部から3重
量部である。
【0024】本発明の還元反応においては、有機塩基お
よび無機塩基からなる群より選ばれる少なくとも1種の
塩基の存在によって、副反応である水素化分解を抑える
ことができる。有機塩基としては、アミン類、特に第3
アミン類(例えば、トリエチルアミンなど)が好まし
く、中でもトリエチルアミンが経済性の観点から好まし
い。無機塩基としては、炭酸アルカリが好ましく、中で
も炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが経済性の観点からよ
り好ましい。これらは混合して使用してもよく、好まし
くはトリエチルアミンと炭酸ナトリウムの組み合わせが
挙げられる。
【0025】有機塩基と無機塩基のどちらか一方を使用
する場合の当該塩基の使用量は、ヒドラゾン体[1]1
モルに対して、0.01〜0.5モルが好ましく、この
場合において、例えば2種以上の有機塩基(または無機
塩基)を使用している時には、それらの塩基の使用量の
和が上記範囲内にあればよい。また、有機塩基と無機塩
基を混合して使用する場合の当該塩基の使用量は、ヒド
ラゾン体[1]1モルに対して、有機塩基が好ましくは
0.01〜0.5モル、無機塩基は好ましくは0.00
5〜0.1モルである。
【0026】本発明の還元反応に使用する水素の量は、
ヒドラゾン体[1]を還元できる量であればよく、水素
の吸収が停止するまで反応系に導入すればよい。用いる
水素の圧力は、好ましくは常圧から5気圧、より好まし
くは常圧から2気圧である。
【0027】本発明の還元温度は、用いる溶媒などによ
って依存するが、例えばアルコール系溶媒中での還元反
応は、通常40℃から80℃、好ましくは40℃から6
0℃、より好ましくは40から50℃で行われ、水素の
吸収が停止した時点を終点とし、通常2時間から12時
間、好ましくは5時間から8時間で終了する。
【0028】本発明者らは、還元反応後、還元時の雰囲
気下(即ち、水素ガスを含む雰囲気下)で濾過すること
により;水素ガス単独または不活性ガスとの混合ガス雰
囲気下で反応液を濾過することにより;あるいは還元反
応後、反応液を冷却し、不活性ガス単独の雰囲気下で濾
過することにより、出発物質であるヒドラゾン体[1]
への逆反応(酸化反応)が抑制されることを見出した。
例えば、還元反応後、反応液を冷却し、同温度、不活性
ガス単独の雰囲気下(即ち、水素ガスのない雰囲気下)
で濾過する場合、その冷却温度は、通常30℃以下、好
ましくは10℃以下であり、30℃を超える場合には、
逆反応が進行し易くなり、ヒドラジン体[2]の収率が
低下する。反応液の濾過は、不活性ガスと水素ガスとの
混合ガス中で行うのが好ましく、濾過温度は特に限定は
ない。
【0029】また、還元反応後、反応液を濾過して得ら
れた濾液に硫黄系化合物を添加する工程を経て単離した
ヒドラジン体[2]は溶液状態でも安定である。これ
は、硫黄系化合物を添加することにより、反応液中に残
存する金属系還元触媒の活性が失活するためと考えられ
る。
【0030】本発明で使用する硫黄系化合物としては、
例えば硫黄単体、二硫化炭素、−SH基を含有する誘導
体、潜在的に−SH基を含有する誘導体、およびS−S
結合を含有する誘導体が挙げられ、好ましくは潜在的に
−SH基を含有する誘導体が挙げられる。
【0031】「−SH基を含有する誘導体」とは、−S
H基を1つまたはそれ以上含有する誘導体であり、例え
ば硫化水素、NaSH、NH4SH、KSH等のチオー
ルの塩、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチ
オール等のアルカンチオール、ベンゼンチオール等のア
レーンチオール、およびメタンジチオール、エタンジチ
オール等の−SH基を2つ以上含有する誘導体が挙げら
れる。
【0032】「潜在的に−SH基を含有する誘導体」と
は、もとは−SH基を含有しておらず、中和または対イ
オンを水素原子に置き換えることにより−SH基を含有
するような誘導体のことであり、例えば−SNa基は中
和によりSH基となるため、−SNa基を有する誘導体
は潜在的に−SH基を含有する誘導体といえる。具体的
には、硫化ソーダ、硫化アンモニウム、およびハイドロ
サルファイトナトリウムが挙げられ、好ましくはハイド
ロサルファイトナトリウムが挙げられる。
【0033】「S−S結合を含有する誘導体」とは、S
−S結合を1つまたはそれ以上含有する誘導体であり、
例えばジメチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド
等の有機ジスルフィド誘導体、S−S結合を連続して3
つ以上含有する有機ポリスルフィド誘導体、ポリ硫化ア
ンモニウム等の無機ポリスルフィド誘導体などが挙げら
れる。
【0034】本発明における硫黄系化合物の使用量は、
その種類および金属系還元触媒の種類とその使用量に依
存し、使用した触媒の活性が失活するまで硫黄系化合物
を添加すればよい。例えば、金属系還元触媒としてパラ
ジウム炭素をヒドラゾン体[1]1重量部に対して5重
量%使用し、硫黄系化合物としてハイドロサルファイト
ナトリウムを使用した場合、硫黄系化合物はヒドラゾン
体[1]1重量部に対して1〜10重量%、好ましくは
3〜6重量%使用すればよい。
【0035】硫黄系化合物は、通常10〜60℃、好ま
しくは20〜40℃で添加すればよく、金属系還元剤の
種類や使用量などに依存するが、通常10分〜60分で
金属系還元触媒は失活する。
【0036】ヒドラジン体[2]の単離および精製は、
常法で行うことができる。
【0037】出発物質であるヒドラゾン体[1]は、公
知の方法によって製造することができ、例えば、以下の
2つの方法によって得ることができる。 (i)下記スキームにおいて、アルデヒド体1をヒドラ
ジンと反応させてヒドラゾン体2とし、脱酸剤として塩
基を用いてアシル化剤と反応させることによって、また
は(ii)下記スキームにおいて、アルデヒド体1とア
シルヒドラジン化合物3とを反応させることによって、
得ることができる。
【0038】
【化7】
【0039】本発明の方法により得られたヒドラジン体
[2]は、WO97/40029に記載の方法によっ
て、医薬品化合物へと変換することができる。
【0040】
【実施例】以下に本発明を参考例、比較例、実施例によ
り説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。また、下記表における[I]〜[III]は、それぞ
れ下記化合物[I]〜[III]に対応する。
【0041】
【化8】
【0042】参考例1(塩基を添加しない場合の還元) メタノール25mlに、N−(tert−ブトキシカル
ボニル)−N’−{[4−(ピリジン−2−イル)フェ
ニル]メチリデン}ヒドラジン(5g、16.82mm
ol)および5%Pd/C(0.125g、N−(te
rt−ブトキシカルボニル)−N’−{[4−(ピリジ
ン−2−イル)フェニル]メチリデン}ヒドラジンに対
して2.5重量%)を加え、水素置換後、常圧で50
℃、5時間還元を行った。反応後、反応液の一部を採取
して高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析し
たところ、N−(tert−ブトキシカルボニル)−
N’−[4−(ピリジン−2−イル)ベンジル]ヒドラ
ジン97.11%相当、4−(ピリジン−2−イル)ト
ルエン2.69%相当、原料物質であるN−(tert
−ブトキシカルボニル)−N’−{[4−(ピリジン−
2−イル)フェニル]メチリデン}ヒドラジン0.36
%相当の組成であった。
【0043】実施例1〜3(塩基を添加した場合の還
元) 表1に示した反応条件に変更する以外は、参考例1と同
様にして反応を行った。但し、塩基の添加は、水素置換
前に金属系還元触媒の添加と同時に行った。得られた反
応液をHPLCで分析した結果、表1のようであった。
表1中の塩基の使用量は、原料である式[II]の化合物1
モルに対するモル数である。
【0044】
【表1】
【0045】比較例1および実施例4 上記参考例1と同様にして得た反応液を、窒素ガス中、
それぞれ表2に示した条件下で攪拌した液をHPLCで
分析した。結果は、表2のようであった。
【0046】比較例2および実施例5 上記実施例1で得た反応液を、窒素ガス中、それぞれ表
2に示した条件下で攪拌した液をHPLCで分析した。
結果は、表2のようであった。
【0047】実施例6および7 上記参考例1と同様にして得た反応液を、水素/窒素
(1/2)混合ガス中、それぞれ表2に示した条件下で
攪拌した液をHPLCで分析した。結果は、表2のよう
であった。
【0048】
【表2】
【0049】本発明により、ヒドラゾン体[1]からヒ
ドラジン体[2]を製造する際、目的の反応である還元
反応が選択的に進行し、かつ副反応である水素化分解反
応が抑制される。これにより、目的化合物を高収率で得
ることができる。
【0050】実施例8 水素/窒素(約1/2)の混合ガス中、実施例3の反応
液を濾過後、同温度で、得られた濾液にハイドロサルフ
ァイトナトリウム(100mg)を添加して、メタノー
ルを減圧留去した。得られた残渣にヘプタン/イソプロ
パノール(容積比=9/1)を加えて加熱溶解し、窒素
ガス中で濾過した後、冷却して結晶化することにより、
N−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
(ピリジン−2−イル)ベンジル]ヒドラジンを4.2
g得た(収率:83%)。当該結晶に対するHPLC分
析の結果、原料物質であるN−(tert−ブトキシカ
ルボニル)−N’−{[4−(ピリジン−2−イル)フ
ェニル]メチリデン}ヒドラジンに対応するピークは検
出されなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明により、還元反応が選択的に進行
し、かつ副反応である水素化分解反応が抑制された、ヒ
ドラゾン誘導体からヒドラジン誘導体を製造する方法を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 広美 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 (72)発明者 板谷 信重 大阪市西淀川区歌島3丁目1番21号 住化 ファインケム株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA02 BA08 BA27 BB17 CA01 DA01 FA15 4H006 AA02 AC11 AD17 BA02 BA21 BA25 BA26 BA32 BA51 BA61 BC51 BE20 4H039 CA71 CB30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩基および無機塩基からなる群より
    選ばれる少なくとも1種の塩基、並びに金属系還元触媒
    の存在下、式[1] 【化1】 (式中、R1は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数
    1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、置換基
    を有していてもよいフェニル基、置換基を有していても
    よいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテ
    ロ芳香環基を示し、R2は、炭素数1〜12のアルキル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換
    基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していて
    もよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニ
    ルアルコキシ基または置換基を有していてもよいヘテロ
    芳香環基を示し、Arは、フェニレン基、ナフチレン基
    またはヘテロ芳香環基を示す。)で表されるヒドラゾン
    誘導体を還元することを特徴とする、式[2] 【化2】 (式中、R1、R2およびArは、前記と同義である。)
    で表されるヒドラジン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機塩基が第3アミン類である、請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第3アミン類がトリエチルアミンであ
    る、請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機塩基が炭酸アルカリである、請求項
    1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭酸アルカリが炭酸ナトリウムである、
    請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 還元反応後、水素ガス単独または不活性
    ガスとの混合ガス雰囲気下で反応液を濾過する請求項1
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 還元反応後、反応液を冷却し、不活性ガ
    ス単独の雰囲気下で濾過する、請求項1記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 冷却温度が30℃以下である、請求項7
    記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 還元反応後、反応液を濾過して得られた
    濾液に硫黄系化合物を添加する、請求項1記載の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 硫黄系化合物がハイドロサルファイト
    ナトリウムである、請求項9記載の製造方法。
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