JPH07291946A - (s)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法 - Google Patents

(s)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法

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JPH07291946A
JPH07291946A JP10900394A JP10900394A JPH07291946A JP H07291946 A JPH07291946 A JP H07291946A JP 10900394 A JP10900394 A JP 10900394A JP 10900394 A JP10900394 A JP 10900394A JP H07291946 A JPH07291946 A JP H07291946A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高光学純度の(S)−3−低級アルキル−2
−ピペラジノンを収率良く得るための優れた製造方法を
提供する。 【構成】 下記一般式[1]で表される(R)−脂肪酸
エステル誘導体とエチレンジアミンとを反応させること
を特徴とする一般式[2]で表される(S)−3−低級
アルキル−2−ピペラジノンの製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】(S)−2−低級アルキルピペラ
ジンはキノリン系抗菌剤などの医薬品の中間体として有
用であるが、本発明は前記(S)−2−低級アルキルピ
ペラジンの合成原料として使用される(S)−3−低級
アルキル−2−ピペラジノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性2−低級アルキルピペラジン、
特に光学活性2−メチルピペラジンの製造方法に関して
は数多くの文献がある。例えば特開平2−124873
号公報の参考例11には、(3S)−メチル−2−オキ
ソピペラジン(化合物名は文献記載の通りとする。以下
同様。)をテトラヒドロフラン中でリチウムアルミニウ
ムヒドリドを用いて還元し、(2S)−メチルピペラジ
ンを合成している。ところで、前記(3S)−メチル−
2−オキソピペラジンで代表される3−低級アルキル−
2−ピペラジノンの製造方法に関して、インディアン
ジャーナル オブ ケミストリー(Indian J
ournal of Chemistry),26巻
B,1987年8月,752〜756頁には、エチル
2−ブロモプロピオネートとエチレンジアミンの混合物
をメタノール中でリフラックス温度下で反応させ、3−
メチルピペラジン−2−オンを合成している例が記載さ
れている。またジャーナル オブ アメリカン ケミ
カル ソサエティー(Journal of Amei
can Chemical Society、以下、J
ACSと略す),76巻,1137〜1140(195
4)には、エタノール中、そのリフラックス温度下に、
α−ブロモイソ吉草酸エチルとエチレンジアミンとを2
05〜210℃まで加熱して反応させ、3−イソプロピ
ル−2−ピペラジノンを合成する例が記載されている。
またUSP4,534,897号には、3−(2−メ
チルプロピル)ピペラジノンの合成方法としてメチル
2−ブロモ−4−メチルペンタン酸とエチレンジアミン
を常温付近で反応させ、ついで反応生成物をジメチルホ
ルムアミド(DMF)でリフラックスさせる例が記載さ
れている。さらにJACS,62巻,1202〜12
04(1940)には、α−ハロゲンエステルとエチレ
ンジアミンとの反応機構が説明され、モノアルキルエチ
レンジアミンを200℃に加熱すると環化すること、お
よび実験例として、α−クロロ酢酸エステルやα−ブロ
モ−n−酪酸エステルが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記は(R
S)−3−メチルピペラジン−2−オンに関するもので
あり、特に本発明の目的化合物である光学活性の(S)
−3−低級アルキル−2−ピペラジノンを目的としたも
のでなく、またラセミ化しやすいBr化合物を原料に用
いている。また、についてもと同様であり、特に2
05〜210℃に加熱するなど光学活性の点についての
配慮はなされていない。またについてもと同様であ
り、特にDMFでリフラックスさせるなど、ラセミ化す
る高温条件で反応させている。さらにも本発明の目的
化合物である光学活性の(S)−3−低級アルキル−2
−ピペラジノンを目的としたものではなく、ラセミ化す
るような高温条件の200℃にて環化させるなど、光学
活性の点については、何等配慮されていない。収率に関
しては、の方法では40%と低収率である。また、
およびの方法は、収率の向上を目的に高温で反応さ
せることを考慮している。この様に、(S)−3−低級
アルキル−2−ピペラジノンの製造方法、特に高光学純
度の(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンを収
率良く得る方法は未だ確立されていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な従来技術に鑑み、高光学純度の(S)−3−低級アル
キル−2−ピペラジノンを得るための優れた製造方法に
関し鋭意研究した結果、特定の(R)−脂肪酸エステル
誘導体とエチレンジアミンとを反応させること、更には
反応温度を選択することにより、高光学純度を有する目
的化合物が収率良く得られることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式[1]で
表される(R)−脂肪酸エステル誘導体とエチレンジア
ミンとを反応させることを特徴とする一般式[2]で表
される(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの
製造方法に関する。
【化2】
【0006】また本発明は、一般式[1]で表される
(R)−脂肪酸エステル誘導体が(R)−2−トシルオ
キシプロピオン酸アルキルエステルである前記(S)−
3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法に関す
る。また本発明は、一般式[1]で表される(R)−脂
肪酸エステル誘導体が(R)−2−トシルオキシプロピ
オン酸メチルである前記(S)−3−低級アルキル−2
−ピペラジノンの製造方法に関する。また本発明は、一
般式[1]で表される(R)−脂肪酸エステル誘導体が
(R)−2−クロロプロピオン酸アルキルエステルまた
は(R)−2−フルオロプロピオン酸アルキルエステル
である前記(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノ
ンの製造方法に関する。また本発明は、一般式[1]で
表される(R)−脂肪酸エステル誘導体が(R)−2−
クロロプロピオン酸メチルまたは(R)−2−フルオロ
プロピオン酸メチルである前記(S)−3−低級アルキ
ル−2−ピペラジノンの製造方法に関する。更にまた本
発明は、反応温度が20〜80℃の範囲である前記の
(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方
法に関する。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明で原料として用いる一般式[1]で
表される(R)−脂肪酸エステル誘導体において、Rお
よびR2は共に低級アルキル基であり、各々メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基等を例示すること
ができる。特に、Rはメチル基であることが好ましい。
またR1はトシルオキシ基,ClまたはFである。トシ
ルオキシ基としては、p−トシルオキシ基、m−トシル
オキシ基、o−トシルオキシ基が挙げられ、中でもp−
トシルオキシ基が好ましい。
【0008】一般式[1]で表される(R)−脂肪酸エ
ステル誘導体は公知の方法により製造し、あるいは入手
することができる。例えば、(R)−2−トシルオキシ
プロピオン酸メチルは市販されているし、文献記載の方
法に準じて得ることも出来る[Chem. Pharm. Bull.,27
(3),747(1979), J. org. Chem.,50(8),1229(1985), Tet
rahedron,46(19),6623(1990), 特開昭59-172442号公報,
特開昭62-53976号公報,特開昭62-126189号公報,特開昭6
3-154690号公報等参照]。また例えば(R)−2−クロ
ロプロピオン酸メチルは、特開昭61ー57534号公
報または特開平2ー104560号公報に記載の方法、
すなわち光学活性2ークロロスルフィンオキシプロピオ
ン酸エステルを極性非プロトン化合物触媒または塩基性
触媒を用いて分解させて製造することができる。(R)
−2−フルオロプロピオン酸メチルも同様にして、製造
することができる。
【0009】本発明においては、反応溶媒の有無に関し
て限定するものではないが、発熱反応であるため、反応
温度の制御のために、溶媒で希釈して前記(R)−脂肪
酸エステル誘導体とエチレンジアミンを反応させる方が
好ましい。反応溶媒としては、水;メタノール,エタノ
ール,プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリ
ル等のニトリル;ピリジン;テトラヒドロフラン,DM
F,DMSO等の極性非プロトン溶媒;ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン,四
塩化炭素,トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素
等を挙げることができる。これらの中では、得られる
(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの収率お
よび光学純度の点から、水、メタノール等の低級アルコ
ール、アセトニトリル等のニトリルが特に好ましい。ま
た溶媒の使用量は、エチレンジアミン100重量部に対
して、0〜1000重量部、特には100〜500重量
部の範囲が好ましい。
【0010】また、(R)−脂肪酸エステル誘導体とエ
チレンジアミンのモル比は、前者1モルに対して、後者
が0.5〜10.0モル、更に好ましくは1.0〜1
0.0モル、特には1.2〜4.0モルの範囲である。
【0011】本発明における反応温度は、通常0〜10
0℃、特には20〜80℃の範囲であることが好まし
く、さらに光学純度と収率の両者から40〜80℃の範
囲が好ましい。また限定するものではないが、両者の反
応は、通常、エチレンジアミンの使用溶媒溶液に(R)
−脂肪酸エステル誘導体を少しずつ滴下して行う。滴下
の時間も限定しない。反応時間は、原料化合物、溶媒、
反応温度等により異なるが、通常、1〜24時間であ
る。
【0012】反応終了後は、留去等の通常の方法により
溶媒を除去し、また抽出,再結晶、カラム分別等の精製
方法により目的化合物を得ることができる。
【0013】なお、本発明は(R)−脂肪酸エステル誘
導体とエチレンジアミンとを反応させて一般式[2]で
表される(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノン
を製造するものであるが、反応原料として(R)−脂肪
酸エステル誘導体の代りに(S)−脂肪酸エステル誘導
体を用いると、本発明と同様にして(R)−3−低級ア
ルキル−2−ピペラジノンが得られる。
【0014】本発明により得られる(S)−3−低級ア
ルキル−2−ピペラジノンは、特開平2−124873
号公報等に記載されている公知の方法により還元するこ
とにより、キノリン系抗菌剤などの医薬品の中間体とし
て有用な(S)−2−低級アルキルピペラジンに導くこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0016】(実施例1)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオ
ン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下して
1時間熟成した後、60℃で4時間加熱した。液体クロ
マトグラフィー(条件は表−2に記載の通り)による反
応液の分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジノ
ン3.16g(27.7mmol)が収率70%で得ら
れることを確認した。反応液を濃縮し、クロロホルム5
0mlを加えてエチレンジアミントシル酸塩を晶析さ
せ、濾別した。濾液から溶媒を除去した残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホル
ム:メタノール=20:1)に通し、(S)−3−メチ
ル−2−ピペラジノンの白色固体2.84g(24.9
mmol)を得た。以下の条件にて分析した結果、光学
純度は97.1%eeであった。
【0017】1H-NMRスヘ゜クトル(CDCl3,δ):1.40(3H,d)、1.82
(1H,s)、3.00〜3.54(5H,m)、6.61(1H,s).
【0018】(光学純度の決定)(S)−3−メチル−
2−ピペラジノン0.10g(0.88mmol)にク
ロロホルム2mlとトリエチルアミン0.11(1.0
8mmol)gを加え、この中に室温下、塩化ベンゾイ
ル0.15g(1.06mmol)を滴下して30分放
置した。反応液をNaHCO3水溶液で洗浄分液し、有
機層の溶媒を濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒は酢酸エチル:メタノール=4:
1)に通し、精製した1−ベンゾイル−(S)−2−メ
チル−3−ピペラジノンを表−1のHPLC条件にて分
析した。以下、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
の光学純度分析は全てこの方法にて行った。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】(実施例2)エチレンジアミンのモル比を
変えた以外は実施例1と同様に行った。(S)−3−メ
チル−2−ピペラジノンの収率は、表−3のようになっ
た。
【0022】
【表3】
【0023】(実施例3)アセトニトリル17.5ml
にエチレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加
え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロ
ピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下
して1時間熟成した後、60℃で4時間加熱した。表−
2の条件による反応液のHPLC分析より、(S)−3
−メチル−2−ピペラジノンの収率は74%であった。
また反応液を冷却して析出したエチレンジアミントシル
酸塩を濾別し、溶媒を除去した残渣を実施例1の条件で
分析すると、その光学純度は97.3%eeであった。
【0024】(実施例4)実施例3と同じ反応条件で溶
媒をピリジンとした場合、(S)−3−メチル−2−ピ
ペラジノンの収率は67%,光学純度は93.8%とな
った。
【0025】(実施例5)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ60℃に加熱下、(R)−2−p−トシルオキシ
プロピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を
滴下して4時間熟成した。表−2の条件による反応液の
HPLC分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジ
ノン3.20g(28.0mmol)が収率71%で得
られ、その光学純度は実施例1の条件にて分析した結
果、97.1%eeであった。
【0026】(実施例6)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオ
ン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下し2
4時間熟成した。表−2の条件による反応液のHPLC
分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン2.
38g(20.9mmol)が収率53%で得られた。
【0027】(実施例7)テトラヒドロフラン17.5
mlにエチレンジアミン4.5g(74.9mmol)
を加え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシ
プロピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を
滴下して3時間熟成した。反応液からエチレンジアミン
トシル酸塩を濾別して溶媒を除去した残渣を1H−NM
Rで分析すると(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
2.16g(18.9mmol)が収率48%で得られ
た。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、9
8.2%eeであった。
【0028】(実施例8)トルエン17.5mlにエチ
レンジアミン4.5g(75.0mmol)を加え、そ
こへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオン
酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下して3
時間熟成した。反応液から溶媒を除去した残渣を1H−
NMRで分析すると(S)−3−メチル−2−ピペラジ
ノン1.87g(16.4mmol)が収率41%で得
られた。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、
97.6%eeであった。
【0029】(実施例9)塩化メチレン17.5mlに
エチレンジアミン4.5g(75.0mmol)を加
え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロ
ピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下
して3時間熟成した。反応液からエチレンジアミントシ
ル酸塩を濾別し。溶媒を除去した残渣を1H−NMRで
分析すると、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
1.42g(12.4mmol)が収率31%で得られ
た。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、9
9.1%eeであった。
【0030】(実施例10)水17.5mlにエチレン
ジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、90℃
で(R)−2−p−トシルオキシプロピオン酸メチル1
0.2g(39.6mmol)を滴下して4時間加熱し
た。加熱後反応液からトシル酸の結晶を濾別し、濃縮し
た残渣にクロロホルム50mlを加えた。析出したエチ
レンジアミントシル酸塩を濾別し、濃縮した残渣はシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホ
ルム:メタノール=20:1)に通し、(S)−3−メ
チル−2−ピペラジノン3.32g(29.1mmo
l)を収率74%で得た。光学純度は実施例1の条件に
て分析した結果、70.0%eeであった。
【0031】(実施例11)実施例10と同じ条件で反
応温度を変えた場合、(S)−3−メチル−2−ピペラ
ジノンの収率は表−4のようになった。
【0032】
【表4】
【0033】(実施例12−1)メタノール2.5ml
にエチレンジアミン0.76g(12.6mmol)を
加え、そこへ20℃で(R)−2−クロロプロピオン酸
メチル0.69g(5.6mmol)を滴下して1時間
熟成した後、60℃で13時間加熱した。表−2の条件
による反応液のHPLC分析より、(S)−3−メチル
−2−ピペラジノン0.34g(3.0mmol)が収
率53%で得られることを確認した。光学純度は実施例
1の条件にて分析した結果、92.3%eeであった。
【0034】(実施例12−2)メタノール17.5m
lにエチレンジアミン5.13g(85.3mmol)
を加え、そこへ20℃で(R)−2−クロロプロピオン
酸メチル4.86g(39.6mmol)を滴下して1
時間熟成した後、70℃で13時間加熱した。(S)−
3−メチル−2−ピペラジノン3.06g(26.9m
mol)が収率68%で得られることを確認した。光学
純度は実施例1の条件にて分析した結果、87.0%e
eであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、(S)−2−低級アル
キルピペラジンの合成原料として使用される(S)−3
−低級アルキル−2−ピペラジノンを高光学純度で、工
業的に有利に製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 (S)−3−低級アルキル−2−ピペ
ラジノンの製造方法
【特許請求の範囲】
【化1】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】(S)−2−低級アルキルピペラ
ジンはキノリン系抗菌剤などの医薬品の中間体として有
用であるが、本発明は前記(S)−2−低級アルキルピ
ペラジンの合成原料として使用される(S)−3−低級
アルキル−2−ピペラジノンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性2−低級アルキルピペラジン、
特に光学活性2−メチルピペラジンの製造方法に関して
は数多くの文献がある。例えば特開平2−124873
号公報の参考例11には、(3S)−メチル−2−オキ
ソピペラジン(化合物名は文献記載の通りとする。以下
同様。)をテトラヒドロフラン中でリチウムアルミニウ
ムヒドリドを用いて還元し、(2S)−メチルピペラジ
ンを合成している。ところで、前記(3S)−メチル−
2−オキソピペラジンで代表される3−低級アルキル−
2−ピペラジノンの製造方法に関して、インディアン
ジャーナル オブ ケミストリー(Indian J
ournal of Chemistry),26巻
B,1987年8月,752〜756頁には、エチル
2−ブロモプロピオネートとエチレンジアミンの混合物
をメタノール中でリフラックス温度下で反応させ、3−
メチルピペラジン−2−オンを合成している例が記載さ
れている。またジャーナル オブ アメリカン ケミ
カル ソサエティー(Journal of Amei
can Chemical Society、以下、J
ACSと略す),76巻,1137〜1140(195
4)には、エタノール中、そのリフラックス温度下に、
α−ブロモイソ吉草酸エチルとエチレンジアミンとを2
05〜210℃まで加熱して反応させ、3−イソプロピ
ル−2−ピペラジノンを合成する例が記載されている。
またUSP4,534,897号には、3−(2−メ
チルプロピル)ピペラジノンの合成方法としてメチル2
−ブロモ−4−メチルペンタン酸とエチレンジアミンを
常温付近で反応させ、ついで反応生成物をジメチルホル
ムアミド(DMF)でリフラックスさせる例が記載され
ている。さらにJACS,62巻,1202〜120
4(1940)には、α−ハロゲンエステルとエチレン
ジアミンとの反応機構が説明され、モノアルキルエチレ
ンジアミンを200℃に加熱すると環化すること、およ
び実験例として、α−クロロ酢酸エステルやα−ブロモ
−n−酪酸エステルが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記は(R
S)−3−メチルピペラジン−2−オンに関するもので
あり、特に本発明の目的化合物である光学活性の(S)
−3−低級アルキル−2−ピペラジノンを目的としたも
のでなく、またラセミ化しやすいBr化合物を原料に用
いている。また、についてもと同様であり、特に2
05〜210℃に加熱するなど光学活性の点についての
配慮はなされていない。またについてもと同様であ
り、特にDMFでリフラックスさせるなど、ラセミ化す
る高温条件で反応させている。さらにも本発明の目的
化合物である光学活性の(S)−3−低級アルキル−2
−ピペラジノンを目的としたものではなく、ラセミ化す
るような高温条件の200℃にて環化させるなど、光学
活性の点については、何等配慮されていない。収率に関
しては、の方法では40%と低収率である。また、
およびの方法は、収率の向上を目的に高温で反応さ
せることを考慮している。この様に、(S)−3−低級
アルキル−2−ピペラジノンの製造方法、特に高光学純
度の(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンを収
率良く得る方法は未だ確立されていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な従来技術に鑑み、高光学純度の(S)−3−低級アル
キル−2−ピペラジノンを得るための優れた製造方法に
関し鋭意研究した結果、特定の(R)−脂肪酸エステル
誘導体とエチレンジアミンとを反応させること、更には
反応温度を選択することにより、高光学純度を有する目
的化合物が収率良く得られることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、下記一般式[1]で
表される(R)−脂肪酸エステル誘導体とエチレンジア
ミンとを反応させることを特徴とする一般式[2]で表
される(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの
製造方法に関する。
【化2】
【0006】また本発明は、一般式[1]で表される
(R)−脂肪酸エステル誘導体が(R)−2−トシルオ
キシプロピオン酸アルキルエステルである前記(S)−
3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法に関す
る。また本発明は、一般式[1]で表される(R)−脂
肪酸エステル誘導体が(R)−2−トシルオキシプロピ
オン酸メチルである前記(S)−3−低級アルキル−2
−ピペラジノンの製造方法に関する。また本発明は、一
般式[1]で表される(R)−脂肪酸エステル誘導体が
(R)−2−クロロプロピオン酸アルキルエステルであ
る前記(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの
製造方法に関する。また本発明は、一般式[1]で表さ
れる(R)−脂肪酸エステル誘導体が(R)−2−クロ
ロプロピオン酸メチルである前記(S)−3−低級アル
キル−2−ピペラジノンの製造方法に関する。更にまた
本発明は、反応温度が20〜80℃の範囲である前記の
(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方
法に関する。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明で原料として用いる一般式[1]で
表される(R)−脂肪酸エステル誘導体において、Rお
よびR2は共に低級アルキル基であり、各々メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基等を例示すること
ができる。特に、Rはメチル基であることが好ましい。
またR1はトシルオキシ基またはClである。トシルオ
キシ基としては、p−トシルオキシ基、m−トシルオキ
シ基、o−トシルオキシ基が挙げられ、中でもp−トシ
ルオキシ基が好ましい。
【0008】一般式[1]で表される(R)−脂肪酸エ
ステル誘導体は公知の方法により製造し、あるいは入手
することができる。例えば、(R)−2−トシルオキシ
プロピオン酸メチルは市販されているし、文献記載の方
法に準じて得ることも出来る[Chem. Pharm. Bull.,27
(3),747(1979), J. org. Chem.,50(8),1229(1985), Tet
rahedron,46(19),6623(1990), 特開昭59-172442号公報,
特開昭62-53976号公報,特開昭62-126189号公報,特開昭6
3-154690号公報等参照]。また例えば(R)−2−クロ
ロプロピオン酸メチルは、特開昭61ー57534号公
報または特開平2ー104560号公報に記載の方法、
すなわち光学活性2ークロロスルフィンオキシプロピオ
ン酸エステルを極性非プロトン化合物触媒または塩基性
触媒を用いて分解させて製造することができる。
【0009】本発明においては、反応溶媒の有無に関し
て限定するものではないが、発熱反応であるため、反応
温度の制御のために、溶媒で希釈して前記(R)−脂肪
酸エステル誘導体とエチレンジアミンを反応させる方が
好ましい。反応溶媒としては、水;メタノール,エタノ
ール,プロパノール等の低級アルコール;アセトニトリ
ル等のニトリル;ピリジン;テトラヒドロフラン,DM
F,DMSO等の極性非プロトン溶媒;ベンゼン,トル
エン,キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン,四
塩化炭素,トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素
等を挙げることができる。これらの中では、得られる
(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの収率お
よび光学純度の点から、水、メタノール等の低級アルコ
ール、アセトニトリル等のニトリルが特に好ましい。ま
た溶媒の使用量は、エチレンジアミン100重量部に対
して、0〜1000重量部、特には100〜500重量
部の範囲が好ましい。
【0010】また、(R)−脂肪酸エステル誘導体とエ
チレンジアミンのモル比は、前者1モルに対して、後者
が0.5〜10.0モル、更に好ましくは1.0〜1
0.0モル、特には1.2〜4.0モルの範囲である。
【0011】本発明における反応温度は、通常0〜10
0℃、特には20〜80℃の範囲であることが好まし
く、さらに光学純度と収率の両者から40〜80℃の範
囲が好ましい。また限定するものではないが、両者の反
応は、通常、エチレンジアミンの使用溶媒溶液に(R)
−脂肪酸エステル誘導体を少しずつ滴下して行う。滴下
の時間も限定しない。反応時間は、原料化合物、溶媒、
反応温度等により異なるが、通常、1〜24時間であ
る。
【0012】反応終了後は、留去等の通常の方法により
溶媒を除去し、また抽出,再結晶、カラム分別等の精製
方法により目的化合物を得ることができる。
【0013】なお、本発明は(R)−脂肪酸エステル誘
導体とエチレンジアミンとを反応させて一般式[2]で
表される(S)−3−低級アルキル−2−ピペラジノン
を製造するものであるが、反応原料として(R)−脂肪
酸エステル誘導体の代りに(S)−脂肪酸エステル誘導
体を用いると、本発明と同様にして(R)−3−低級ア
ルキル−2−ピペラジノンが得られる。
【0014】本発明により得られる(S)−3−低級ア
ルキル−2−ピペラジノンは、特開平2−124873
号公報等に記載されている公知の方法により還元するこ
とにより、キノリン系抗菌剤などの医薬品の中間体とし
て有用な(S)−2−低級アルキルピペラジンに導くこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0016】(実施例1)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオ
ン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下して
1時間熟成した後、60℃で4時間加熱した。液体クロ
マトグラフィー(条件は表−2に記載の通り)による反
応液の分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジノ
ン3.16g(27.7mmol)が収率70%で得ら
れることを確認した。反応液を濃縮し、クロロホルム5
0mlを加えてエチレンジアミントシル酸塩を晶析さ
せ、濾別した。濾液から溶媒を除去した残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホル
ム:メタノール=20:1)に通し、(S)−3−メチ
ル−2−ピペラジノンの白色固体2.84g(24.9
mmol)を得た。以下の条件にて分析した結果、光学
純度は97.1%eeであった。
【0017】1H-NMRスヘ゜クトル(CDCl3,δ):1.40(3H,d)、1.82
(1H,s)、3.00〜3.54(5H,m)、6.61(1H,s).
【0018】(光学純度の決定)(S)−3−メチル−
2−ピペラジノン0.10g(0.88mmol)にク
ロロホルム2mlとトリエチルアミン0.11(1.0
8mmol)gを加え、この中に室温下、塩化ベンゾイ
ル0.15g(1.06mmol)を滴下して30分放
置した。反応液をNaHCO3水溶液で洗浄分液し、有
機層の溶媒を濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒は酢酸エチル:メタノール=4:
1)に通し、精製した1−ベンゾイル−(S)−2−メ
チル−3−ピペラジノンを表−1のHPLC条件にて分
析した。以下、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
の光学純度分析は全てこの方法にて行った。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】(実施例2)エチレンジアミンのモル比を
変えた以外は実施例1と同様に行った。(S)−3−メ
チル−2−ピペラジノンの収率は、表−3のようになっ
た。
【0022】
【表3】
【0023】(実施例3)アセトニトリル17.5ml
にエチレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加
え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロ
ピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下
して1時間熟成した後、60℃で4時間加熱した。表−
2の条件による反応液のHPLC分析より、(S)−3
−メチル−2−ピペラジノンの収率は74%であった。
また反応液を冷却して析出したエチレンジアミントシル
酸塩を濾別し、溶媒を除去した残渣を実施例1の条件で
分析すると、その光学純度は97.3%eeであった。
【0024】(実施例4)実施例3と同じ反応条件で溶
媒をピリジンとした場合、(S)−3−メチル−2−ピ
ペラジノンの収率は67%,光学純度は93.8%とな
った。
【0025】(実施例5)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ60℃に加熱下、(R)−2−p−トシルオキシ
プロピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を
滴下して4時間熟成した。表−2の条件による反応液の
HPLC分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジ
ノン3.20g(28.0mmol)が収率71%で得
られ、その光学純度は実施例1の条件にて分析した結
果、97.1%eeであった。
【0026】(実施例6)メタノール17.5mlにエ
チレンジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、
そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオ
ン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下し2
4時間熟成した。表−2の条件による反応液のHPLC
分析より、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン2.
38g(20.9mmol)が収率53%で得られた。
【0027】(実施例7)テトラヒドロフラン17.5
mlにエチレンジアミン4.5g(74.9mmol)
を加え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシ
プロピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を
滴下して3時間熟成した。反応液からエチレンジアミン
トシル酸塩を濾別して溶媒を除去した残渣を1H−NM
Rで分析すると(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
2.16g(18.9mmol)が収率48%で得られ
た。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、9
8.2%eeであった。
【0028】(実施例8)トルエン17.5mlにエチ
レンジアミン4.5g(75.0mmol)を加え、そ
こへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロピオン
酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下して3
時間熟成した。反応液から溶媒を除去した残渣を1H−
NMRで分析すると(S)−3−メチル−2−ピペラジ
ノン1.87g(16.4mmol)が収率41%で得
られた。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、
97.6%eeであった。
【0029】(実施例9)塩化メチレン17.5mlに
エチレンジアミン4.5g(75.0mmol)を加
え、そこへ20℃で(R)−2−p−トシルオキシプロ
ピオン酸メチル10.2g(39.6mmol)を滴下
して3時間熟成した。反応液からエチレンジアミントシ
ル酸塩を濾別し。溶媒を除去した残渣を1H−NMRで
分析すると、(S)−3−メチル−2−ピペラジノン
1.42g(12.4mmol)が収率31%で得られ
た。光学純度は実施例1の条件にて分析した結果、9
9.1%eeであった。
【0030】(実施例10)水17.5mlにエチレン
ジアミン5.2g(86.5mmol)を加え、90℃
で(R)−2−p−トシルオキシプロピオン酸メチル1
0.2g(39.6mmol)を滴下して4時間加熱し
た。加熱後反応液からトシル酸の結晶を濾別し、濃縮し
た残渣にクロロホルム50mlを加えた。析出したエチ
レンジアミントシル酸塩を濾別し、濃縮した残渣はシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒はクロロホ
ルム:メタノール=20:1)に通し、(S)−3−メ
チル−2−ピペラジノン3.32g(29.1mmo
l)を収率74%で得た。光学純度は実施例1の条件に
て分析した結果、70.0%eeであった。
【0031】(実施例11)実施例10と同じ条件で反
応温度を変えた場合、(S)−3−メチル−2−ピペラ
ジノンの収率は表−4のようになった。
【0032】
【表4】
【0033】(実施例12−1)メタノール2.5ml
にエチレンジアミン0.76g(12.6mmol)を
加え、そこへ20℃で(R)−2−クロロプロピオン酸
メチル0.69g(5.6mmol)を滴下して1時間
熟成した後、60℃で13時間加熱した。表−2の条件
による反応液のHPLC分析より、(S)−3−メチル
−2−ピペラジノン0.34g(3.0mmol)が収
率53%で得られることを確認した。光学純度は実施例
1の条件にて分析した結果、92.3%eeであった。
【0034】(実施例12−2)メタノール17.5m
lにエチレンジアミン5.13g(85.3mmol)
を加え、そこへ20℃で(R)−2−クロロプロピオン
酸メチル4.86g(39.6mmol)を滴下して1
時間熟成した後、70℃で13時間加熱した。(S)−
3−メチル−2−ピペラジノン3.06g(26.9m
mol)が収率68%で得られることを確認した。光学
純度は実施例1の条件にて分析した結果、87.0%e
eであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、(S)−2−低級アル
キルピペラジンの合成原料として使用される(S)−3
−低級アルキル−2−ピペラジノンを高光学純度で、工
業的に有利に製造することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で表される(R)−脂
    肪酸エステル誘導体とエチレンジアミンとを反応させる
    ことを特徴とする一般式[2]で表される(S)−3−
    低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式[1]で表される(R)−脂肪酸
    エステル誘導体が(R)−2−トシルオキシプロピオン
    酸アルキルエステルである請求項1記載の(S)−3−
    低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式[1]で表される(R)−脂肪酸
    エステル誘導体が(R)−2−トシルオキシプロピオン
    酸メチルである請求項1記載の(S)−3−低級アルキ
    ル−2−ピペラジノンの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式[1]で表される(R)−脂肪酸
    エステル誘導体が(R)−2−クロロプロピオン酸アル
    キルエステルまたは(R)−2−フルオロプロピオン酸
    アルキルエステルである請求項1記載の(S)−3−低
    級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式[1]で表される(R)−脂肪酸
    エステル誘導体が(R)−2−クロロプロピオン酸メチ
    ルまたは(R)−2−フルオロプロピオン酸メチルであ
    る請求項1記載の(S)−3−低級アルキル−2−ピペ
    ラジノンの製造方法。
  6. 【請求項6】 反応温度が20〜80℃の範囲である請
    求項1〜5のいずれかに記載の(S)−3−低級アルキ
    ル−2−ピペラジノンの製造方法。
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