JP2001031647A - 4−ヒドロキシ−2−ピロリジノンの精製方法 - Google Patents

4−ヒドロキシ−2−ピロリジノンの精製方法

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JP2001031647A
JP2001031647A JP2000232222A JP2000232222A JP2001031647A JP 2001031647 A JP2001031647 A JP 2001031647A JP 2000232222 A JP2000232222 A JP 2000232222A JP 2000232222 A JP2000232222 A JP 2000232222A JP 2001031647 A JP2001031647 A JP 2001031647A
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pyrrolidinone
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solvent
methanol
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Masahiro Nishikawa
正浩 西川
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを
高純度で精製する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 光学活性な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノ
ンの再結晶を貧溶媒を用いずに行うことにより、光学活
性な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを高い光学純度で得
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性な4-ヒドロ
キシ-2-ピロリジノンの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸およびその
エステル誘導体は、4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンの重
要な合成中間体である。この化合物は4-アジド-3-ヒド
ロキシ酪酸またはそのエステル誘導体の還元反応やその
他の方法により誘導される(Tetrahedron 1990, 46, 42
27、特開平8-119935号公報等)。
【0003】しかし、これら4-アミノ-3-ヒドロキシ酪
酸誘導体から4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンへの閉環反
応は、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸を原料とした場合に
は、ヘキサメチルジシラザン等の高価な縮合剤を必要と
するものであった(Synthesis1978,p614)。
【0004】また、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステ
ルから4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンへの閉環反応は、4
-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルをアルコール等の溶
媒中加熱することにより行うことができるが、このよう
な加熱処理のみでは閉環反応の反応速度が遅いために長
時間を要し、また未反応の4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸
エステルやその他の副生成物等により、反応収率の低下
をもたらすものであった。
【0005】さらに、光学純度の低い光学活性な出発原
料を用いた場合に得られる光学純度の低い4-ヒドロキシ
-2-ピロリジノンの再結晶においても、高い光学純度で4
-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを得ることはできなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を克服し、光学活性な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを
高純度で精製する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、光学純度の
低い光学活性な出発原料を用いた場合に得られる光学純
度の低い4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンの再結晶におい
て、従来は高い光学純度で4-ヒドロキシ-2-ピロリジノ
ンが得られていなかったことから、かかる問題点を解決
すべく鋭意研究を行った。ここで本発明者は、再結晶に
おいて従来法で用いられていた貧溶媒が、再結晶操作に
おける回収率は向上させるものの、それが4-ヒドロキシ
-2-ピロリジノンの溶解度を下げることによるものであ
るため、結果として必要としない対掌体までもが析出
し、この結果、得られる4-ヒドロキシ-2-ピロリジノン
の光学純度が低下すると考えた。そこで、本発明者は貧
溶媒を用いずに再結晶を行い、これにより光学純度の高
い4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンが得られることを見出
した。
【0008】即ち、本発明は、(1) 光学活性な4-ヒ
ドロキシ-2-ピロリジノンを貧溶媒を用いずに再結晶す
ることを特徴とする、4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンの
精製方法、および(2) 再結晶が、アルコール類及び
ニトリル類から選ばれる溶媒を用いて行われる、請求項
1に記載の方法に関する。
【0009】なお、本発明において貧溶媒とは、室温お
よび加熱下において4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを溶
解しない溶媒を指し、例えば、酢酸エチル、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-t-ブチルエ
ーテル、ベンゼン、トルエン、ペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン等の溶媒が含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】式(1)
【化1】 (式中、Rは炭素数1−6の低級アルキル基、またはベン
ジル基である)で示される4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸
エステルは、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸のエステル化
反応や4-アジド-3-ヒドロキシ酪酸エステルの還元反応
等により得ることができる。また、4ーアジド-3-ヒドロ
キシ酪酸エステルは4-ハロ-3-ヒドロキシ酪酸エステル
にナトリウムアジドを反応させることにより得ることが
できる(Tetrahedron 1990, 46, 4227、特開平8-119935
号公報等)。式(1)中、Rで表されるエステル基として
は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基等に代表される炭素数1−6の低級ア
ルキル基、またはベンジル基等が挙げられる。
【0011】式(2)
【化2】 で示される4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンは、式(1)で示
される4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルの閉環反応
により得ることができる。
【0012】式(1)で表される3位水酸基がRまたはS配
置、またはラセミ体の4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エス
テルの閉環反応は、溶媒中または無溶媒で行い得るが、
特に、溶媒中で行うことが好ましい。使用する溶媒とし
ては特に制限はないが、メタノール、エタノール、1-プ
ロパノール、2-プロパノール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類、酢酸エ
チル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド
類等が挙げられる。中でもメタノール、エタノール、1-
プロパノール、2-プロパノール等の低級アルコール類が
好ましく、メタノールが特に好ましい。
【0013】この閉環反応は、反応系に塩基触媒を添加
することにより、迅速、かつ高収率、高選択的に進行さ
せることができる。ここで用いられる塩基触媒として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸
ナトリウム、酢酸アンモニウム等の無機塩基、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキ
シド類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン等のアミン類等が挙げられるが、アミン類、金属アル
コキシド類等反応溶媒に溶解するものが好ましく、中で
もナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金
属アルコキシド類が特に好ましい。塩基触媒の量として
は、通常、4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルに対し
てモル比で0.1%から25%の範囲で用いられるが、好まし
くは0.1%から10%、更に好ましくは0.5%から5%である。
反応温度は、通常、0℃から使用する溶媒の還流温度の
範囲であるが、室温から70℃の範囲が好ましい。反応時
間は反応温度によって異なるが、反応温度が室温から35
℃付近の場合、通常、1時間から4時間の範囲で行われ、
また反応温度が35℃から70℃またはそれ以上である場合
には反応時間は、通常、10分から1時間の範囲が好まし
い。この点で、50℃〜70℃で4〜6時間の反応時間を要し
ていた従来法(特開平8-119935号公報)と大きく異な
る。
【0014】なお、この閉環反応において反応溶媒がア
ルコール類であり、出発物質である4-アミノ-3-ヒドロ
キシ酪酸エステルのエステル基とアルコール類のアルキ
ル基の種類が異なる場合、閉環反応に先立ってエステル
交換が起ることがある。しかし、4-アミノ-3-ヒドロキ
シ酪酸メチルエステルのメタノール溶媒中での閉環反応
においても、塩基触媒が存在しない場合には反応速度、
収率ともに塩基触媒を添加させた他の例よりも低いもの
であり、このことから本発明における閉環反応の促進効
果は、例えば4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルのエ
ステル基が、アミド化の反応性がより高いより低級なア
ルキル基に置換されるようなエステル交換反応(例えば
エチルエステルがメタノール中メチルエステルに変換さ
れる)によってのみ生じるものではないことは明らかで
ある。
【0015】本発明によれば、式(3)
【化3】 (式中、Rは炭素数1−6の低級アルキル基、またはベン
ジル基である)で表される3位水酸基がRまたはS配置、
またはラセミ体の4-アジド-3-ヒドロキシ酪酸エステル
の接触水素添加反応の反応系に塩基触媒を共存させるこ
とにより、それに次ぐ閉環反応までを1段階で完結させ
ることができる。式(3)中、Rで表されるエステル基とし
ては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基等に代表される炭素数1−6の低級
アルキル基、またはベンジル基等が挙げられる。この接
触水素添加、及びそれに次ぐ閉環反応は、通常、メタノ
ール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等
のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン
等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチル
ホルムアミド等のアミド類等の溶媒中で行われる。その
中ではメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プ
ロパノール等の低級アルコール類が好ましく、メタノー
ルが特に好ましい。
【0016】接触水素添加に用いられる金属触媒として
は、パラジウム、白金、ニッケル等の通常、アジド化合
物の還元に用いられる触媒が用いられる。これら触媒は
金属単体でも活性炭等に担持されているものでもよい。
好ましくは5%〜10%パラジウム−炭素触媒、3%〜5%白金
炭素触媒が用いられるが、特に5%〜10%パラジウム炭素
触媒が好ましい。金属触媒の量は、通常、4-アジド-3-
ヒドロキシ酪酸エステルに対して重量比で0.5%から50
%、好ましくは0.5%から20%の範囲で用いられ、さらに好
ましくは1%から10%の範囲である。
【0017】共存させる塩基触媒としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸アンモニウム等の無機塩基、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド類、トリエ
チルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類
等が挙げられるが、アミン類、金属アルコキシド類等の
反応溶媒に溶解するものが好ましく、中でもナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシ
ド類が特に好ましい。塩基触媒の量としては、通常、4-
アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エステルに対してモル比で0.1
%から25%の範囲で用いられるが、好ましくは0.1%から10
%、さらに好ましくは0.5%から5%である。
【0018】反応は上記の条件において、水素ガス雰囲
気下撹拌することにより行われ、4-アジド-3-ヒドロキ
シ酪酸エステルの還元により生成した4-アミノ-3-ヒド
ロキシ酪酸エステルは順次閉環し、4-ヒドロキシ-2-ピ
ロリジノンに導かれる。反応温度は、通常、0℃から使
用する溶媒の還流温度の範囲の任意の温度で行われる。
反応時間は、通常、30分から6時間の範囲で行われる。
【0019】上記の閉環反応終了後は必要に応じて反応
溶媒を留去し、その後再結晶を行うことにより出発物質
の立体に対応する4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを純度
よく単離することができる。再結晶には、4-ヒドロキシ
-2-ピロリジノンを溶解する任意の溶媒が用いられる
が、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノー
ル、2-プロパノール、1-ブタノール等のアルコール類、
アセトニトリル等のニトリル類等が溶解度、精製効果、
結晶の回収率の高さ等の点から好ましい。これら溶媒は
単独で、または任意の割合の混合溶媒として用いられ
る。
【0020】特に、光学活性な4-ヒドロキシ-2-ピロリ
ジノンの再結晶においては、貧溶媒を用いず、溶媒とし
てエタノール等を用いることにより、得られる4-ヒドロ
キシ-2-ピロリジノンの光学純度を顕著に向上させるこ
とができる。例えば、光学純度が80%ee程度の4-ヒドロ
キシ-2-ピロリジノンを、再結晶により99%ee以上にも光
学純度に向上させることができる。さらに光学純度の低
いものからでも、再結晶を繰り返すことにより光学純度
の高い4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンを得ることができ
る。
【0021】以下に実施例により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【実施例】[実施例1] (S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリジ
ノンの製造 (S)-4-アジド-3-ヒドロキシ酪酸エチル(2.88 g, 16.6 m
mol)をメタノール(30ml)に溶解し、5 %パラジウム炭素
触媒(130 mg)を添加し、水素ガスを吹き込みながら室温
で2時間撹拌した。接触水素化反応終了後、触媒を濾去
して得られた、(S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ酪酸エチル
の溶液にナトリウムメトキシドの28 %メタノール溶液(6
0 mg, NaOMeとして0.3 mmol)を加え、15分間加熱還流し
た。閉環反応終了後メタノールを減圧留去し、得られた
粗結晶をエタノール(10 ml)から再結晶し無色結晶を得
た。
【0023】収量、1.40 g(83.4 %)。 融点 156.2−15
7.6℃。 NMR(500 MHz, D2O,δppm)4.62(1H, m), 3.72(1
H, dd, J=5.4 11.7 Hz), 3.33(1H, dd, J=1.3 11.7 H
z),2.77(1H, dd, J=6.4 17.7 Hz), 2.27(1H, dd, J=1.9
17.7 Hz)。 [α]D25 -58.5゜(c=1.01, H2O) IR(KBr,
cm-1) 3242, 3135, 1674, 1303, 968, 682。
【0024】光学分割カラムを用いたHPLC(カラム:CHI
RALPAK AD、溶出溶媒:ヘキサン/エタノール/メタノー
ル/TFA=95/5/2/0.1)による光学純度分析において(R)-4
-ヒドロキシ-2-ピロリジノンは検出されなかった。
【0025】[実施例2] (S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリ
ジノンの製造 (S)-4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エチル(1.32 g, 9.0 mm
ol)のメタノール溶液(25 ml)にナトリウムメトキシドの
28 %メタノール溶液(40 mg, NaOMeとして0.2 mmol)を添
加し、室温で2時間撹拌した。閉環反応終了後メタノー
ルを減圧留去し、得られた粗結晶をエタノールから再結
晶を行い無色結晶を得た。収量は、0.71g(79 %)、融点
は156.6−157.9℃であった。
【0026】なお、NMR、IRデータならびに光学分割カ
ラムによるHPLC分析の挙動において、この無色結晶は実
施例1で得られたものと一致した。
【0027】[実施例3] (S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリ
ジノンの製造 (S)-4-アジド-3-ヒドロキシ酪酸エチル(4.8 g, 27.7 mm
ol)をメタノール(50 ml)に溶解し、5 %パラジウム炭素
触媒(100 mg)とナトリウムメトキシドの28 %メタノール
溶液(280 mg, NaOMeとして1.4 mmol)を添加した。ここ
に水素ガスを吹き込みながら2.5時間室温で撹拌し、還
元、それに次ぐ閉環反応を終了させた。触媒を濾去して
濾液を減圧濃縮、得られた粗結晶をエタノール(17 ml)
で再結晶を行い、無色結晶を得た。収量は、2.1 g(76
%)、融点は156.7−157.6℃であった。
【0028】なお、NMR、IRデータならびに光学分割カ
ラムによるHPLC分析の挙動において、この無色結晶は実
施例1で得られたものと一致した。
【0029】[実施例4] (S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリ
ジノンの再結晶 光学純度80 %eeの(S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリジノン(1.
5 g, 14.8 mmol)をエタノール(10 ml)に加熱して溶解さ
せた。この溶液を冷却して析出した結晶を濾取し、冷エ
タノールで洗浄し無色結晶を得た。収量は、1.15 g(77
%)であった。CHIRALPAK ADを用いたHPLCによる光学純度
分析では、この結晶の光学純度は99.2 %eeであった。
融点は、154.8−156.4℃であった。
【0030】また、光学純度95 %eeの(S)-4-ヒドロキシ
-2-ピロリジノンを同様にして再結晶を行った場合、得
られた結晶のHPLC分析において(R)-4-ヒドロキシ-2-ピ
ロリジノンは検出されなかった。融点は、156.7−157.6
℃であった。
【0031】[参考例1] 塩基触媒を添加しない(S)-4-
ヒドロキシ-2-ピロリジノンの製造 (S)-4-アジド-3-ヒドロキシ酪酸メチル(2.64 g, 16.6 m
mol)をメタノール(30ml)に溶かし、5 %パラジウム炭素
触媒(150 mg)を加え、水素ガスを吹き込みながら室温で
2時間撹拌した。接触水素化反応終了時には閉環した4-
ヒドロキシ-2-ピロリジノンは見られなかった。即ち、
塩基触媒が存在しない場合には、1段階で4-ヒドロキシ
-2-ピロリジノンの合成は起こらなかった。触媒を濾去
して得られた、(S)-4-アミノ-2-ヒドロキシ酪酸メチル
のメタノール溶液を4.5時間加熱還流した。メタノール
を減圧留去し、得られた粗結晶をエタノール(8 ml)から
再結晶し無色結晶を得た。無色結晶の収量は、塩基触媒
を用いた場合よりも、低かった。収量は、1.05 g(62.5
%)であった。
【0032】[参考例2] 塩基触媒を添加しない(R)-4-
ヒドロキシ-2-ピロリジノンの製造 (R)-4-アミノ-3-ヒドロキシ酪酸エチル(4.4 g, 30 mmo
l)のエタノール溶液(50ml)を12時間加熱環流した。エタ
ノールを留去し、得られた粗結晶をエタノール(14 ml)
から再結晶し、淡黄色結晶を得た。長時間の加熱処理に
もかかわらず、塩基触媒が存在する場合よりも収量が低
かった。収量は、2.0 g(67 %)であった。
【0033】[参考例3] (S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリ
ジノンの再結晶 光学純度80%eeの(S)-4-ヒドロキシ-2-ピロリジノン(1.
5g,14.8 mmol)をエタノール(10 ml)に加熱して溶解
させ、これに酢酸エチル(20 ml)を加えた後冷却し
た。析出した結晶を濾取し、エタノール−酢酸エチルで
洗浄し無色結晶を得た(従来法)。収量は、1.24 g(83
%)であった。
【0034】CHIRALPAK ADを用いたHPLCによる光学純度
分析では、この結晶の光学純度は92.8 %eeであった。
【0035】なお、酢酸エチルを添加せず、エタノール
(10 ml)のみの条件で再結晶を行った場合(実施例
4)、収率は77 %であったが、光学純度は99.2 %と顕著
に増加していた。即ち、酢酸エチル等の貧溶媒を用いて
再結晶を行うと、エタノールのみから行う再結晶に比べ
て収率は向上するものの、光学活性体を単離する際に特
に重要な光学純度が低下した。
【0036】
【発明の効果】本発明により、医薬品の中間体等として
有用な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノンが光学活性体の場
合に、高い光学純度で精製することが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性な4-ヒドロキシ-2-ピロリジノ
    ンを貧溶媒を用いずに再結晶することを特徴とする、4-
    ヒドロキシ-2-ピロリジノンの精製方法。
  2. 【請求項2】 再結晶が、アルコール類及びニトリル類
    から選ばれる溶媒を用いて行われる、請求項1に記載の
    方法。
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