JP2002192650A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2002192650A
JP2002192650A JP2000395755A JP2000395755A JP2002192650A JP 2002192650 A JP2002192650 A JP 2002192650A JP 2000395755 A JP2000395755 A JP 2000395755A JP 2000395755 A JP2000395755 A JP 2000395755A JP 2002192650 A JP2002192650 A JP 2002192650A
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JP
Japan
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laminate
heat
aromatic polyamide
resin
printed wiring
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JP2000395755A
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English (en)
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Hideo Kasatani
秀雄 笠谷
Yukinari Komatsu
行成 小松
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、接着性、耐久性および寸法精度が良
好でかつ軽量化、薄型化可能で、配線の高密度化や薄型
化が可能なプリント配線板を製造するための積層体を提
供する。 【解決手段】 厚さが30μm以下であり、中心面平均
粗さ(SRa)が0.5〜200nmである表面を有す
る耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの該表面に導電性金
属層を直接形成し、その反対側の表面に接着性樹脂層を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性芳香族ポリ
アミドフィルム、導電性金属層、および接着性樹脂から
なる電子材料として好適な積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器、特に携帯電話、モバイ
ルコンピューター等の携帯端末機器において、小型化、
薄型化、高密度化および高性能化が進んでおり、今後イ
ンターネット等各種のメディア、通信等を統合した情報
端末機器として、更なる高性能化が要求されている。一
方、これらの、電子機器において、メモリー、CPU等
の半導体素子の集積化が進み、性能は飛躍的に向上して
おり、これに伴って半導体素子を実装するため、半導体
パッケージおよびプリント配線板の高密度化が強く要求
されている。
【0003】従来の、半導体素子をリードフレームに実
装して樹脂封止した半導体パッケージをプリント配線板
に実装する方式に対し、半導体素子をプリント配線板上
に直接搭載するプラスチックパッケージや、各種のモジ
ュール基板、BGA(ボールグリッドアレイ)等の新し
い高密度表面実装型の半導体パッケージ方式が提案さ
れ、電子機器への採用が進んでいる。この半導体パッケ
ージ用のプリント配線板は、従来のものに比べて、配線
が高密度であり、特に半導体素子実装時の加熱下におけ
る寸法精度の向上、耐熱性の向上が要求されている。
【0004】すなわち、半導体パッケージ用のプリント
配線板では微細高密度化が求められており、最近では内
層回路基板上に絶縁層と導体層及び層間の接続を一層ご
とに形成、積み上げて製造するビルドアップ法による多
層プリント配線板の開発が盛んとなっている。ビルドア
ップ法により製造する多層プリント配線板は、従来の積
層方式の多層プリント配線板に比較して高い配線設計自
由度を有するものであるが、この特徴を活かして高性能
プリント配線板として用いられるために、層間絶縁層の
更なる薄手化、回路パターンの平坦性の向上が要求され
ている。
【0005】ビルドアップ多層プリント配線板の一つの
形式として、銅と熱硬化性樹脂を積層したいわゆる樹脂
付き銅箔を内層回路上に積層、加熱一体化したのちに、
銅箔をエッチングして回路パターンを形成したものが用
いられている。この形式のビルドアップ多層プリント配
線板は、比較的簡便なプロセスで製造することができ、
層間絶縁層の絶縁信頼性、回路パターンの接着性等に優
れたものである。しかしながら、この方法では、内層回
路の銅箔と外層の銅箔の間の導通を防ぐために、層間絶
縁層の厚みが通常50μm以上であることが必要とさ
れ、それ未満に薄手化した場合に絶縁信頼性に問題が生
じる可能性がある。また、内層回路の凹凸が積層後に残
り、外層回路の高密度化の支障になるケースもある。
【0006】さらに、プリント配線板の高密度化、信号
周波数の上昇に伴い、外部の電磁波ノイズからの遮蔽の
ために、プリント配線板の電磁波シールド材への薄手化
の要求があり、これに対応できる材料が求められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、耐熱性、接着性、絶縁信
頼性および寸法精度が良好で、かつビルドアッププリン
ト配線板等のプリント配線板の軽量化、薄型化、および
配線の高密度化に対応できる電子材料として好適な積層
体を提供することを目的とする。本発明者らは上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の厚みおよび表面
性を有する耐熱性フィルム上に導電層金属層および接着
性樹脂を複合化した積層体を用いることにより上記課題
を解決できることを見いだし本発明に至ったものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は厚さ
が30μm以下であり、中心面平均粗さ(SRa)が
0.5〜200nmである表面を有する耐熱性芳香族ポ
リアミドフィルムの該表面に導電性金属層が直接形成さ
れ、反対側の表面に接着性樹脂層が形成されていること
を特徴とする積層体である。本発明で用いられる耐熱性
芳香族ポリアミドフィルムは、350℃未満の温度で溶
融および分解しない、アラミド樹脂からなる。
【0009】本発明に用いられるアラミド樹脂は、実質
的に次の構成単位からなる群から選択された単位により
構成される。 −NH−Ar1−NH− (1) −CO−Ar2−CO− (2) −NH−Ar3−CO− (3) ここでAr1、Ar2、Ar3は少なくとも1個の芳香環
を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例
としては下記に示すものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】また、これらの芳香環の環上の水素の一部
が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基
などで置換されているものも含む。また、Xは−O−、
−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−などである。
特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合
されているアラミド樹脂は、本発明の積層体を製造する
上で特に好ましい。また、本発明に用いられるアラミド
樹脂には、積層体の物性を損ねたり、本発明の目的に反
しない限り、易滑剤、染料や顔料などの着色剤、難燃
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の添加剤などや改
質剤、ならびに他のポリマーが含まれていてもよい。
【0012】本発明に用いられるアラミド樹脂について
は、有機溶剤可溶のものでは、直接溶剤中で重合する
か、一旦ポリマーを単離した後再溶解するなどして溶液
とし、ついで乾式法または湿式法にて製膜される。ま
た、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下、PP
TAと称する)等の有機溶剤に難溶のものについては、
濃硫酸などに溶解して溶液とし、ついで乾湿式法または
湿式法にて製膜される。湿式法では、溶液はダイから直
接凝固液中に押し出されるか、乾式と同様に金属ドラム
またはエンドレスベルト上にキャストされた後、凝固液
中に導かれ、凝固される。ついでこれらのフィルムはフ
ィルム中の溶剤や無機塩などを洗浄され、延伸、乾燥、
熱処理などの処理を受ける。
【0013】本発明において、上記の耐熱性芳香族ポリ
アミドフィルムの導電性金属層が形成される方の表面の
中心面平均粗さ(SRa)が0.5〜200nmの範囲
である必要がある。通常、耐熱性芳香族ポリアミドフィ
ルムの滑り性を付与するために微細な粒子を添加させる
ことによりその表面に微細な凹凸を形成することが行わ
れるが、本発明においては、その粒子径、添加量を調整
することに加え、微細な粒子を液体中に分散させた状態
で適切な分散処理および濾過処理を行うことにより中心
面平均粗さ(SRa)を調節することが行われる。
【0014】中心面平均粗さ(SRa)が0.5nm未
満では、フィルム表面の滑り性が悪くなり、金属層の形
成や塗工の工程等でのハンドリングが困難となり、特に
厚さ10μm未満のフィルムを用いる場合、しわ入りや
フィルム傷つき等が発生して品質が劣化することがあ
る。一方、これが200nmを超える場合には、フィル
ム表面の凹凸が大きくなり、表面抵抗の低下や欠陥が出
やすくなると言う問題がある。本発明の耐熱性芳香族ポ
リアミドフィルムには、その片面に樹脂層が形成される
が、この樹脂層が形成される面の表面酸素原子含有量
(XPSによって測定)が15%以上であることが好ま
しい。
【0015】ここで、表面酸素原子含有量は、耐熱性芳
香族ポリアミドフィルムに対する表面処理によって導入
される酸性官能基等の接着剤改良成分の指標であり、プ
ラズマ処理、コロナ処理等によって増加させることがで
きる。本発明に用いる耐熱性芳香族ポリアミドフィルム
の強度は半導体素子実装時の基板の破損等を防ぐため、
25Kg/mm2以上が好ましく、30Kg/mm2以上
がより好ましい。
【0016】本発明に用いられる耐熱性芳香族ポリアミ
ドフィルムの弾性率は、実装などの工程で加わる力によ
る変形を防ぎ、積層体上に形成された回路の破壊を防止
する上で、600Kg/mm2以上、更には800kg
/mm2以上の物を用いることが好ましい。これらの耐
熱性芳香族ポリアミドフィルムの特性は、長尺方向、幅
方向のいずれにおいても満足されるべきである。配線基
板の回路パターンによってはそれらが必ずしも同じであ
る必要はないが、好ましくはできる限り長尺方向、幅方
向の特性が近い、いわゆるバランスタイプが選ばれるべ
きである。
【0017】本発明に用いられる耐熱性芳香族ポリアミ
ドフィルムの厚みは、30μm以下である必要があり、
3〜20μmであることが好ましい。本発明において
は、上記の耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの一方の面
に導電性金属層を直接形成する。このような導電性金属
層としては、例えば 銀、銅、アルミニウム、ニッケル
またはこれらの積層体、合金等からなり、無電解または
電解メッキ法、蒸着法、スパッタリング法またはイオン
プレーティング法により形成されたものが用いられる。
これらの導電性金属層を形成するに当たり、耐熱性芳香
族ポリアミドフィルムを予め、コロナ処理、プラズマ処
理等の乾式処理や、ケミカルエッチング等により前処理
しておくこともできる。また、例えばまずスパッタリン
グによりより薄い金属層を形成し、その後、メッキ法に
よってより厚い金属層を形成することもできる。導電性
金属層の厚みは、通常10μm以下が用いられ、更に好
ましくは2μm以下が用いられる。導電性金属層と耐熱
性芳香族ポリアミドフィルムの接着力は、0.1Kg/
cm以上が好ましく、0.3Kg/cm以上が更に好ま
しい。
【0018】本発明においては、耐熱性芳香族ポリアミ
ドフィルムの導電性金属層を形成する面と反対側の面に
接着性樹脂層を形成する。接着性樹脂層としては、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹
脂等、熱硬化性樹脂が好ましく用いられるが、粘着性樹
脂等を使用する事もできる。最も好ましく用いられるの
は、主としてエポキシ樹脂、硬化剤よりなるエポキシ樹
脂組成物である。このようなエポキシ樹脂としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールFノボラック型エポキシ樹脂、フェノールサ
リチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、シクロペ
ンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪
族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、二官能フェノール類のグリシジルエーテル化物、二
官能アルコールのグリシジルエーテル化物、ポリフェノ
ール類のグリシジルエーテル化物、ヒダントイン型エポ
キシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能
複素環式エポキシ樹脂、及びそれらの水素添加物、ハロ
ゲン化物などが挙げられ、これらの化合物を単独あるい
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】また、硬化剤としては、例えばアミド系硬
化剤(ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミンなど)、脂
肪族アミン系硬化剤、(トリエチルアミン、ジエチルア
ミンなど)、芳香族アミン系硬化剤(ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレ
ンジアミンなど)、フェノール系硬化剤(フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など)、イミ
ダゾール系硬化剤(2-エチル-4-メチルイミダゾール、2
-フェニルイミダゾール)、酸無水物系硬化剤(メチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物)等の硬化剤等が挙げら
れ、これらの化合物単独あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。本発明の積層体においては、例
えばビルドアップ多層基板に用いる場合、その高密度化
のために樹脂層を薄くするのが好ましい。樹脂層が薄く
なるとその接着力は一般的に低下することが知られてい
るが、本発明の積層体においては、上に述べたように耐
熱性芳香族ポリアミドフィルムの表面状態をコントロー
ルすることに加え、エポキシ樹脂組成物として、エポキ
シポリマーの架橋点間の分子量、架橋密度の調節、分子
骨格の柔軟化、第三成分の導入による海島構造の形成等
によって組成物の靱性を向上させたものを用いるのが好
ましく、エラストマー成分、熱可塑性ポリマー等の添加
剤を付与するのが更に好ましい。
【0020】エラストマー成分としては、両末端にカル
ボキシル基やアミノ基を持つアクリロニトリルブタジエ
ンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリイソブテン、フェノール類
付加ポリブタジエン化合物等の共役ジエン系ゴム化合物
や、ポリ(エチルビニルエーテル)、エチレンビニルエ
ステルの加水分解共重合物、エチレン酢酸ビニルコポリ
マー、エチレン酢酸ビニル無水マレイン酸グラフトコポ
リマー、塩ビ酢ビ無水マレイン酸ターポリマー、ポリブ
チルアクリレート等のビニル化合物を使用することがで
き、熱可塑性ポリマーとしてポリフェニレンオキサイ
ド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリア
リルサルホン、ポリヒダントイン、ポリシロキサン等を
用いることが出来る。また、本発明に用いられるエポキ
シ樹脂組成物には、上記の成分に加えて、硬化触媒、難
燃剤、無機または有機のフィラー等の添加剤を添加する
ことも出来る。
【0021】このような硬化触媒としては、例えば、イ
ミダゾール類(2-メチルイミダゾール、2−エチル-4-メ
チルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1―ベン
ジル―2―メチルイミダゾール、1―ベンジル―2―エ
チルイミダゾール、1―シアノエチル―2―メチルイミ
ダゾール、1―シアノエチル―2―エチル―4―メチル
イミダゾール、1―メチル―2―エチルイミダゾールも
しくは1―イソブチル―2―メチルイミダゾール等な
ど)、三級アミン類(1,8-ジアザ-ビシクロ[5.4.0]ウン
デセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミ
ンなど)、有機ホスフィン類(トリブチルホスフィン、
トリフェニルホスフィンなど)、テトラフェニルボロン
塩(テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートな
ど)、4級アンモニウム塩類(テトラエチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、
テトラプロピルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリ
エチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウ
ムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマ
イドもしくはフェニルトリメチルアンモニウムクロライ
ド)、三フッ化ホウ素モノメチルアミン等が挙げられ、
これらの化合物を単独あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。これらの硬化触媒の含有量は、エ
ポキシ樹脂組成物の固形分100重量部に対して1重量
部以下であることが好ましい。
【0022】本発明の積層体を形成する接着性樹脂層は
半硬化状態である必要がある。ここで、半硬化とは例え
ばエポキシ樹脂を用いる場合、その反応性の官能基が一
部未反応で残っている、いわゆるBステージ状態を意味
する。本発明において、耐熱性芳香族ポリアミドフィル
ムの片面または両面上に接着性樹脂層を形成する方法と
しては、接着性樹脂を溶剤に溶解した溶液を耐熱性芳香
族ポリアミドフィルム上に塗工し、硬化しない温度また
は半硬化温度で乾燥する方法、接着性樹脂の溶液を一旦
転写フィルムに塗工し、硬化しない温度または半硬化温
度で乾燥していわゆるBステージ状態とし、これを加熱
ラミネートして耐熱性芳香族ポリアミドフィルムに貼り
付ける方法をとることができる。
【0023】ここで使用される溶剤としては、エチルア
ルコールもしくはプロピルアルコールなどのアルコール
類、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類、またはエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテルもしくはプロピレングリコールモノメチルエー
テルプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエ
ーテル類、アセトニトリル等のニトリル類などがあげら
れる。
【0024】本発明の積層体における接着性樹脂層の厚
みはその接着力を損なわない範囲で薄い方が機器の薄手
化に適しており、好ましくは2〜30μmであり、更に
好ましくは5〜20μmである。本発明の積層体の厚み
は、15〜50μmが好ましく、10〜20μmが更に
好ましい。本発明の積層体において、耐熱性芳香族ポリ
アミドフィルムと接着性樹脂層の接着強度は0.2Kg
/cm以上である必要がある。0.2Kg/cm未満で
は、耐熱性芳香族ポリアミドフィルムと接着性樹脂層と
の間で剥離が発生する場合があり、信頼性上好ましくな
い。なお、接着性樹脂層の厚さと接着力の間に関連があ
るが、接着性樹脂層の厚さが2〜10μmで、0.5K
g/cm以上の接着力を有することが好ましい。本発明
の積層体は、はんだ耐熱性200℃以上が好ましく、2
60℃以上が更に好ましい。
【0025】次に、本発明の積層体をビルドアップ配線
基板に用いる例を説明する。ビルドアップ配線板の層間
絶縁材として用いる場合、予め作成した内層回路基板上
に、本発明の積層体を貼り付け、加熱圧着する。内層回
路基板の材料としては、例えば基材としてガラス繊維、
芳香族ポリアミド繊維、樹脂成分として、ポリイミド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、エポキシ樹脂を用い
た複合材料等に銅箔を張り合わせ、エッチングにより回
路パターンを形成したものが通常用いられ、本発明の積
層体をパターニングした内層回路基板を用いることもで
きる。内層回路の銅箔厚みは、通常2〜40μmの範囲
であるが、埋め込み性を良くするため、薄い方が好まし
く、2〜12μmが好ましい。
【0026】内層回路基板としては、基板両面に回路が
形成された両面配線板またはこれを複数張り合わせた多
層配線板を用いることができる。また、内層回路の表面
は密着性を改良するため、銅−ニッケル−リンからなる
針状合金を形成する無電解メッキ、酸化(黒化)処理、
酸化(黒化)−還元処理等によって粗化されていても良
い。加熱圧着の方法としては、ロールラミネータにより
仮接着し、熱プレスによって加熱硬化する方法が通常用
いられ、これらを真空状態で行うことも好ましく用いら
れる。加熱硬化の条件は、エポキシ樹脂組成物の特性に
よって決定されるが、通常、温度:150℃〜200
℃、時間:30分〜8時間の範囲で行われる。内層基板
には、スルーホールが形成され、このスルーホールを介
して配線層間を電気的に接続することができる。また、
内層基板の配線パターンの間や、スルーホール内部には
エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を充填し、表面を平滑
化することができる。
【0027】内層回路基板上に、本発明の積層体を層間
絶縁層として貼り付け、加熱圧着した後、ビアホール形
成用の孔を設ける。開孔の方法としては、まず、必要に
より表層の導電金属層面の、ビアホール形成位置に、エ
ッチングにより穴を開け、この孔をマスクとして、炭酸
ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等の
レーザー、またはプラズマ処理により層間絶縁層に穴を
開ける。
【0028】次に、必要により孔部を洗浄するデスミア
処理を行った後、無電解メッキまたは電解メッキにより
ビアホールを形成する。なお、ビアホールの形成法とし
て、銅箔をエッチングすることなく、高出力のレーザー
またはプラズマにより開孔することもできる。また、無
電解メッキ、電解メッキの代わりに導電ペーストを孔部
に充填してビアホールを形成することもできる。ビアホ
ール形成後、導線性金属層の表面をパターンエッチング
して、外層回路を形成する。本発明においては、必要に
応じて、こうして形成した導体回路基板上に、本発明の
積層体を貼り付け、導体回路形成を繰り返すことによ
り、多層プリント配線基板を形成することができる。
【0029】このように多層配線基板を作成した後、必
要によりその表面にソルダーレジスト層を形成する。こ
のようなソルダーレジストとして用いる樹脂には特に制
約はないが、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラッ
ク型エポキシ樹脂をメタクリル酸やアクリル酸で変性し
た樹脂とイミダゾール硬化剤からなる感光性ソルダーレ
ジストを用いることができる。こうして得られた配線基
板上に、本発明の積層体をさらに張り合わせて、電磁波
シールド材として用いることもできる。また、他の方法
で作成したフレキシブルプリント配線板等の上にはりつ
けて電磁波シールド材として用いることもできる。電磁
波シールド材として用いる場合、ICチップ等、コンデ
ンサー等の表面実装部品を実装する前に、シールド部分
の形状に合わせて切断したものを積層接着したのち、部
品実装、はんだリフローを行うことが通常行われるが、
部品実装の後に貼り付けを行うこともできる。電磁波シ
ールド材の導電性金属層は、導電性接着剤またははんだ
等の金属により基板または外部の配線、アース線等に接
続することもできる。
【0030】本発明の積層体の耐熱性は非常に優れてお
り、高いはんだ耐熱性を有する。表面実装用プリント配
線板として使用するには高い耐熱性が要求され、はんだ
耐熱温度としては、220℃以上が好ましく、260℃
以上がさらに好ましい。本発明の積層体を用いて作成し
たプリント配線板は、高いはんだ耐熱温度に加え、低い
熱膨張率、低い熱収縮率等の優れた熱寸法安定性を持っ
ており、実装時の半導体素子との熱膨張によるパターン
位置ズレ、実装後の熱膨張差によるストレスを小さくで
きるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し、本発明を更
に説明する。 <特性の測定法> (1)芳香族ポリアミドフィルムの中心面平均粗さ(S
Ra) SRaの定義は、例えば奈良治郎箸「表面粗さの測定、
評価法」(総合技術センター、1983)に示されてい
るもので、干渉位相差顕微鏡の干渉像を計算処理して得
る方法を用いる。即ち、ZYGO社のNewView1
00型表面粗さ測定装置を用い、対物レンズ倍率40
倍、カメラ分解能550μm、カットオフ25μmで耐
熱性フィルムの任意の3点につきSRaを測定し、その
平均で示す。
【0032】(2)耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの
表面酸素原子含有量 測定装置としてX線光電子分光装置、ESCA5400
(アルバックファイ株式会社製)を用い、MB−Kα
(ノンモノクロ)15KV、400Wの条件で測定を行
い、得られたチャートのO1sのピーク面積より表面酸
素原子含有量を算出する。 (3)耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの厚み、強度、
伸度、弾性率の測定法 厚みは、直径2mmの測定面を持つダイヤルゲージで測
定する。強度、伸度、弾性率は、定速伸長型強伸度測定
機を用い、測定長100mm、引張り速度50mm/分
で測定したものである。
【0033】(4)接着性樹脂と耐熱性芳香族ポリアミ
ドフィルムの接着強さの測定法 積層体を2枚重ね合わせてラミネート、加熱硬化させた
後10mm×100mmの試料片を切り出し、ピンセッ
トで端の一部を引き剥がし、片方を両面テープで支持板
に張り付け、90度剥離持具を用い、定速伸長型強伸度
測定機にて50mm/分の速度で引張った時の引き剥が
し力の平均をとる。 (5)積層体のはんだ耐熱試験 積層体を片面銅張り積層板(FR−4)に貼り付け、2
5mm×25mmに切断し、JIS C−6181に準
じてはんだ耐熱試験を実施する。試験時間は、1分間と
し、260℃で試験を開始し、合格すれば20℃温度を
上げて実施し、合格する最高の温度をはんだ耐熱温度と
する。
【0034】
【実施例1】(1)耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの
製造 耐熱性芳香族ポリアミドフィルムとして、ポリパラフェ
ニレンテレフタルアミド(以下、PPTAと称する)フ
ィルムを用いる例を以下に示す。平均粒径80nmのコ
ロイド状シリカ粒子を40%含有する分散液を蒸留水に
混合して8%のシリカ濃度の希釈液を準備し、超音波分
散器で7分間分散処理を行った後、100.6%の濃硫
酸に添加し、シリカを0.035%含有する濃硫酸を調
製する。この濃硫酸を5μmカットのステンレス鋼の焼
結不織布製のフィルターを用いてろ過した後、PPTA
をポリマー濃度が12.5%になるように60℃で溶解
し、PPTAのドープを調製する。
【0035】このPPTAドープを5μmカットのステ
ンレス鋼の焼結不織布製のフィルターでろ過した後、ド
ープ温度を105℃に保ってダイに供給し、ダイからエ
ンドレスベルト上にドラフト率が1.05となるように
キャストし、相対湿度約5%、温度約105℃の空気を
吹き付けて、流延ド−プを光学等方化し、ベルトと共に
10℃の55%硫酸中に導いて凝固させる。次いで、凝
固フィルムをベルトから引き剥し、約30℃の温水で洗
浄し、次に1%NaOH水溶液にて中和し、更に室温の
水にて洗浄する。洗浄の終了したフィルムを乾燥させず
に1.04倍縦方向に延伸し、次いで横方向に1.16
倍テンターで延伸した後、200℃で定長乾燥し、40
0℃で定長熱処理し、次いで350℃で弛緩熱処理し、
両面をコロナ処理した後巻取り、厚さ4.5μm、強度
43〜47Kg/mm2、弾性率1330〜1390K
g/mm2、伸度15〜18%、熱膨張率1〜3ppm
/℃、熱収縮率0.07%、SRaが1.3nmのフィ
ルムを得る。このフィルムの片面に、銅をスパッタリン
グで形成し、厚さ0.2μmの銅層を形成する。
【0036】(2)エポキシ樹脂の調製、塗工、積層体
の作成 フェノールサリチルアルデヒドノボラック型エポキシ樹
脂(商品名 EPPN502)10重量部、フェノール
類付加ブタジエン(商品名 PP−700−300)4
0重量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(商
品名 LA−7054)27重量部、エポキシ樹脂(商
品名 LDX−4127)40重量部、テトラブロモビ
スフェノールA 10重量部を混合し、さらに2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.2重量部を混合し、メ
チルエチルケトンに溶解してワニスを調製した。固形分
は60%である。
【0037】このワニスを、上記(1)の片面に銅を形
成したPPTAフィルムの他面に塗布した後、140℃
で10分間加熱乾燥して、積層体を作成する。積層体の
接着性樹脂層の厚みは10μmでり、はんだ耐熱温度は
260℃である。積層体の接着剤樹脂層と耐熱性芳香族
ポリアミドフィルムの接着力は1.2Kg/cmであ
る。
【0038】(3)ビルドアップ多層プリント配線板の
作製 両面銅張ガラスクロス基材エポキシ積層板の両面に回路
を形成したものを内層回路板として、その両面に(2)
の積層体をエポキシ樹脂組成物層が内層回路板と接触す
るようにして張り合わせて温度170℃、圧力2Kg/
cm2で2時間加熱硬化処理を行う。この張り合わせ品
の両面の銅箔に直径30μmの孔をエッチングで形成し
た後、YAGレーザーを照射して、層間絶縁層にビアホ
ール形成用の孔を開孔させる。次に、無電解メッキおよ
び電解メッキにより、孔の内面及び、積層体の銅層の上
に更に銅を析出させる。次に中に外層銅箔上にエッチン
グレジストを形成後、エッチングを行い、レジストを除
去して、ビルドアップ多層プリント配線板を製造する。
【0039】さらに、このビルドアップ多層プリント基
板の配線部分の上に(2)の積層体を張り付け、硬化し
て電磁波シールド層を形成する。このビルドアップ多層
プリント配線板のはんだ耐熱温度は260℃である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層体を
用いたプリント配線板は、耐熱性、接着性、耐久性およ
び寸法精度が良好であり、かつ機械的強度が高いため、
軽量化、薄型化が可能である。このため本発明の積層体
は、配線の高密度化や薄型化が必要な半導体素子実装用
プリント配線板ならびにビルドアッププリント配線板等
の多層プリント配線板製造に極めて有用であり、CS
P、BGA、LOC、フリップチップ実装対応の半導体
パッケージ等に利用することができる。また、本発明の
積層体を電磁波シールド材料として用いるとシールド効
果が良好であり、かつ機械的強度が高いため、軽量化、
薄型化が可能である。このため本発明の積層体は、配線
の高密度化や薄型化が必要な半導体素子実装用プリント
配線板ならびにビルドアッププリント配線板等の多層プ
リント配線板用の電磁波シールド材料として有用であ
る。また、本発明の積層体は耐屈曲性に優れ、フレキシ
ブルプリント配線板用の電磁波シールド材としても用い
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA38 AA55 AB73 BA07 CA08 DA01 4F100 AA20 AB00B AB17 AK01C AK33 AK47A AK53 AL06 AT00A BA03 BA07 BA10B CA02 CA08 CA23 CB02 DD07A EH31 EH66 GB43 JG01B JJ03 JL01C JL04 JL11 5E343 AA16 BB14 BB24 BB25 BB28 BB44 CC03 CC06 DD25 DD32 EE35 EE36 EE37 GG01 GG16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが30μm以下であり、中心面平均
    粗さ(SRa)が0.5〜200nmである表面を有す
    る耐熱性芳香族ポリアミドフィルムの該表面に導電性金
    属層が直接形成され、反対側の表面に接着性樹脂層が形
    成されていることを特徴とする積層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008036994A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Namics Corp 帯電防止性絶縁材フィルム及びその製造方法

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