JP2001328226A - プリント配線板用積層体 - Google Patents

プリント配線板用積層体

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JP2001328226A
JP2001328226A JP2000148749A JP2000148749A JP2001328226A JP 2001328226 A JP2001328226 A JP 2001328226A JP 2000148749 A JP2000148749 A JP 2000148749A JP 2000148749 A JP2000148749 A JP 2000148749A JP 2001328226 A JP2001328226 A JP 2001328226A
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epoxy resin
heat
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wiring board
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Hideo Kasatani
秀雄 笠谷
Yukinari Komatsu
行成 小松
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、接着性、耐久性および寸法精度が良
好でかつ軽量化、薄型化可能で、配線の高密度化や薄型
化が可能なプリント配線板を製造するための積層体およ
びそれを用いたビルドアッププリント配線板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 X線光電子分光法(XPS)で測定した
表面酸素原子含有量が15%以上である耐熱性フィルム
の片面または両面に硬化後のガラス転移温度が150℃
以上のエポキシ樹脂組成物層が形成された積層体を作製
し、それを用いてビルドアッププリント配線板を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムと樹脂層
からなるプリント配線板製造用の積層体、およびそれを
用いたビルドアッププリント配線板の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器、特に携帯電話、モバイ
ルコンピューター等の携帯端末機器において、小型化、
薄型化、高密度化および高性能化が進んでおり、今後イ
ンターネット等各種のメディア、通信等を統合した情報
端末機器として、更なる高性能化が要求されている。一
方、これらの、電子機器において、メモリー、CPU等
の半導体素子の集積化が進み、性能は飛躍的に向上して
おり、これに伴って半導体素子を実装するため、半導体
パッケージおよびプリント配線板の高密度化が強く要求
されている。
【0003】従来の、半導体素子をリードフレームに実
装して樹脂封止した半導体パッケージをプリント配線板
に実装する方式に対し、半導体素子をプリント配線板上
に直接搭載するプラスチックパッケージや、各種のモジ
ュール基板、BGA(ボールグリッドアレイ)等の新し
い高密度表面実装型の半導体パッケージ方式が提案さ
れ、電子機器への採用が進んでいる。この半導体パッケ
ージ用のプリント配線板は、従来のものに比べて、配線
が高密度であり、特に半導体素子実装時の加熱下におけ
る寸法精度の向上、耐熱性の向上が要求されている。
【0004】すなわち、半導体パッケージ用のプリント
配線板では微細高密度化が求められており、最近では内
層回路板上に絶縁層と導体層及び層間の接続を一層ごと
に形成、積み上げて製造するビルドアップ法による多層
プリント配線板の開発が盛んとなっている。ビルドアッ
プ法により製造する多層プリント配線板は、高い配線自
由度があり、また絶縁層や導電層を薄くすることができ
るので、配線の高密度化や薄型化が可能となる。
【0005】このようなビルドアッププリント配線板に
用いられる層間絶縁材料としては、従来、アラミド不織
布プリプレグ、樹脂コーティング、及びポリイミドプリ
プレグが用いれられてきた。しかしながら、i)アラミド
不織布プリプレグを用いた場合、表面の凹凸によるピー
ル強度の低下、ii)樹脂コーティングを用いた場合、銅
箔の突起による絶縁不良、エアだまりによる絶縁不良、
ピール強度不足、iii)ポリイミドプリプレグを用いた場
合、寸法精度が不十分であり、また、強度を持たせるた
めに厚みを厚くしなければならない等の問題があった。
【0006】また、これらの層間絶縁材料と導体層を接
着する接着剤として、従来、一般的に使用されているエ
ポキシ樹脂のガラス転移温度は130℃程度であるた
め、耐熱性が不足して、高温での半導体パッケージ組立
プロセスに対応できず半導体パッケージとして十分な性
能や信頼性が得られないという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、耐熱性、接着性、耐久性
および寸法精度が良好で、かつ軽量化、薄型化、および
配線の高密度化が可能なプリント配線板製造用積層体な
らびにビルドアッププリント配線板の製造方法を提供す
ることを目的とする。本発明者らは上記課題を解決すべ
く鋭意検討した結果、特定の表面酸素原子濃度を有する
耐熱性フィルムと特定のガラス転移温度を有する耐熱性
エポキシ樹脂組成物を複合化することにより上記課題を
解決できることを見いだし本発明に至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は、X線光電子分光法(XPS)で測定した表面酸素原
子含有量が15%以上である耐熱性フィルムの片面また
は両面に硬化後のガラス転移温度が150℃以上のエポ
キシ樹脂組成物層が形成された積層体である。また、本
発明の第二は、内層回路板上に絶縁層と導体層及び層間
の接続を一層ごとに形成、積み上げていくビルドアップ
プリント配線板の製造方法において、絶縁層として第一
の発明の積層体を用いることを特徴とするビルドアップ
プリント配線板の製造方法である。
【0009】本発明で用いられる耐熱性フィルムは、3
50℃未満の温度で溶融および分解しない耐熱性樹脂か
らなる。このような耐熱性樹脂材料としては、芳香族ポ
リアミド(以下アラミド樹脂)、芳香族ポリイミド(以
下ポリイミド樹脂)、PBI(ポリパラベンゾビスイミ
ダゾール)、PBO(ポリパラベンゾビスオキサゾー
ル)、PBZ(ポリパラベンゾビスチアゾール)等があ
るが、本発明では、アラミド樹脂及びポリイミド樹脂が
好ましい。
【0010】本発明に用いられるアラミド樹脂は、実質
的に次の構成単位からなる群から選択された単位により
構成される。 −NH−Ar1−NH− (1) −CO−Ar2−CO− (2) −NH−Ar3−CO− (3) ここでAr1、Ar2、Ar3は少なくとも1個の芳香環
を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例
としては下記に示すものが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】また、これらの芳香環の環上の水素の一部
が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基
などで置換されているものも含む。また、Xは−O−、
−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−などである。
特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合
されているアラミド樹脂は、本発明に用いられる積層体
を製造する上で特に好ましい。本発明に用いられるポリ
イミド樹脂は、ポリマーの繰り返し単位の中に芳香環と
イミド基をそれぞれ1個以上含むものであり、下記一般
式(I)又は(II)で表されるものである。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】ここでAr4及びAr6は少なくとも1個の
芳香環を含み、イミド環を形成する2個のカルボニル基
は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このA
4は、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物に由
来する。Ar4の代表例としては、下記のものがある。
【0016】
【化4】
【0017】ここでYは、−O−、−CO−、−CH2
−、−S−、−SO2−などである。また、Ar6は無水
トリカルボン酸、あるいはそのハライドに由来する。A
6の代表例としては、下記のものがある。
【0018】
【化5】
【0019】Ar5、Ar7は、少なくとも1個の芳香環
を含み、芳香族ジアミン、芳香族イソシアネートに由来
する。Ar5またはAr7の代表例としては次のものがあ
る。
【0020】
【化6】
【0021】ここで、これらの芳香環の環上の水素の一
部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ
基などで置換されているものも含む。Zは、−O−、−
CH 2−、−S−、−SO2−、−CO−などである。特
に、Ar5、Ar7の80%以上がパラ位に結合された芳
香環であるポリイミド樹脂が、本発明に用いられる積層
体を製造する上で特に好ましい。また、本発明に用いら
れる耐熱性樹脂には、積層体の物性を損ねたり、本発明
の目的に反しない限り、易滑剤、染料や顔料などの着色
剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の添加剤
などや改質剤、ならびに他のポリマーが含まれていても
よい。
【0022】本発明に用いられる耐熱性フィルムの製造
法については、特に限定されるものではなく、それぞれ
の樹脂に適した製造法が採られてよい。例えば、アラミ
ド樹脂については、有機溶剤可溶のものでは、直接溶剤
中で重合するか、一旦ポリマーを単離した後再溶解する
などして溶液とし、ついで乾式法または湿式法にて製膜
される。また、ポリパラフェニレンテレフタルアミド
(以下、PPTAと称する)等の有機溶剤に難溶のもの
については、濃硫酸などに溶解して溶液とし、ついで乾
湿式法または湿式法にて製膜される。
【0023】また、ポリイミド樹脂については、有機溶
剤中にてテトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反
応させて、ポリアミド酸とし、この溶液をそのまま、ま
たは一旦閉環処理してポリイミドとした後再度溶剤に溶
解して溶液を得、それらを乾式法または湿式法にて製膜
される。乾式法では、溶液はダイから押し出され、金属
ドラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャストさ
れ、キャストされた溶液が自己支持性あるフィルムを形
成するまで乾燥またはイミド化反応が進められる。
【0024】湿式法では、溶液はダイから直接凝固液中
に押し出されるか、乾式と同様に金属ドラムまたはエン
ドレスベルト上にキャストされた後、凝固液中に導か
れ、凝固される。ついでこれらのフィルムはフィルム中
の溶剤や無機塩などを洗浄され、延伸、乾燥、熱処理な
どの処理を受ける。本発明の耐熱性フィルムには、その
片面または両面にガラス転移温度150℃以上のエポキ
シ樹脂組成物層が形成されるが、このエポキシ樹脂組成
物層が形成される面の表面酸素原子含有量(XPSによ
って測定)が15%以上であることが必要である。ここ
で、表面酸素原子含有量は、耐熱性フィルムに対する表
面処理によって導入される酸性官能基等の接着性改良成
分の指標であり、プラズマ処理、コロナ処理等によって
増加させることができるが、接着力改良の効果、接着力
の耐久性等を考慮するとプラズマ処理が好ましく用いら
れる。
【0025】プラズマ処理の方法としては、プラズマ放
電電極間をフィルムが走行する連続プラズマ処理装置が
好ましく用いられ、処理圧力としては真空〜大気圧近傍
の圧力下で実施することができる。プラズマ処理時に放
電空間に供給する雰囲気ガスとしては、アルゴン、キセ
ノン、ネオン、クリプトン等の不活性ガスや、窒素、酸
素、水素、炭化水素系ガス、ケトン類、アルコール類や
これらの混合物を使用することができるまた、シランカ
ップリング剤による化学処理、サンドブラスト等の物理
的な粗化処理等の表面処理を併用することも可能であ
る。
【0026】エポキシ樹脂組成物層が形成される耐熱性
フィルムの面の表面酸素原子含有量が15%未満では、
耐熱性フィルムと耐熱性エポキシ樹脂組成物との接着力
が不十分であり、プリント配線板として用いた場合に機
械的ストレスによる配線の剥離や長期間使用時の接着耐
久性等に問題が生じる。このような接着性、耐久性をさ
らに向上させるためには、この表面酸素原子含有量が2
0%以上であることがより好ましい。また、表面酸素原
子含有量の上限は、通常80%以下である。
【0027】本発明に用いる耐熱性フィルムの熱膨張係
数は、0〜15ppm/℃であることが好ましい。この
熱膨張率が15ppm/℃以上では、この耐熱性フィル
ムを用いたプリント配線板に半導体素子を実装する際の
基板の熱膨張による寸法変化が大きくなって、実装時の
素子と基板との寸法変化が大きくなり、ボンディング精
度が悪くなること、また、ボンディング後の温度変化に
よる素子と基板の熱ストレスが大きく、クラックが発生
しやすくなる事等の問題が生じる可能性がある。配線ピ
ッチの更なる精細化に対応するためには、耐熱性フィル
ムの熱膨張係数として0〜7ppm/℃であることが更
に好ましい。
【0028】本発明に用いる耐熱性フィルムの熱収縮率
は、半導体素子実装後の寸法精度をよくするため、0.
2%が好ましく、0.1%以下が更に好ましい。本発明
に用いる耐熱性フィルムの強度は半導体素子実装時の基
板の破損等を防ぐため、25Kg/mm2以上が好まし
く、30Kg/mm2以上がより好ましい。本発明に用
いられる耐熱フィルムの弾性率は、実装などの工程で加
わる力による変形を防ぎ、積層体上に形成された回路の
破壊を防止する上で、600Kg/mm2以上、更には
800kg/mm2以上の物を用いることが好ましい。
【0029】これらの耐熱フィルムの特性は、長尺方
向、幅方向のいずれにおいても満足されるべきである。
配線基板の回路パターンによってはそれらが必ずしも同
じである必要はないが、好ましくはできる限り長尺方
向、幅方向の特性が近い、いわゆるバランスタイプが選
ばれるべきである。本発明に用いられる耐熱性フィルム
の厚みは、3〜50μmであることが好ましい。
【0030】本発明に用いるエポキシ樹脂組成物は、主
としてエポキシ樹脂、硬化剤よりなるものである。この
ようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック
型エポキシ樹脂、フェノールサリチルアルデヒドノボラ
ック型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、二官能フェノール類
のグリシジルエーテル化物、二官能アルコールのグリシ
ジルエーテル化物、ポリフェノール類のグリシジルエー
テル化物、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシジ
ルイソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂、
及びそれらの水素添加物、ハロゲン化物などが挙げら
れ、これらの化合物を単独あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0031】また、硬化剤としては、例えばアミド系硬
化剤(ジシアンジアミド、脂肪族ポリアミンなど)、脂
肪族アミン系硬化剤、(トリエチルアミン、ジエチルア
ミンなど)、芳香族アミン系硬化剤(ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレ
ンジアミンなど)、フェノール系硬化剤(フェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂など)、イミ
ダゾール系硬化剤(2-エチル-4-メチルイミダゾール、2
-フェニルイミダゾール)、酸無水物系硬化剤(メチル
ヘキサヒドロフタル酸無水物)等の硬化剤等が挙げら
れ、これらの化合物単独あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0032】本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物に
は、上記のエポキシ樹脂および硬化剤に加えて硬化触媒
並びに他の添加剤を添加しても良い。このような硬化触
媒としては、例えば、イミダゾール類(2-メチルイミダ
ゾール、2−エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル
イミダゾール、1―ベンジル―2―メチルイミダゾー
ル、1―ベンジル―2―エチルイミダゾール、1―シア
ノエチル―2―メチルイミダゾール、1―シアノエチル
―2―エチル―4―メチルイミダゾール、1―メチル―
2―エチルイミダゾールもしくは1―イソブチル―2―
メチルイミダゾール等など)、三級アミン類(1,8-ジア
ザ-ビシクロ[5.4.0]ウンデセン、トリエチレンジアミ
ン、ベンジルジメチルアミンなど)、有機ホスフィン類
(トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンな
ど)、テトラフェニルボロン塩(テトラフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィ
ンテトラフェニルボレートなど)、4級アンモニウム塩
類(テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチ
ルアンモニウムクロライド、テトラプロピルアンモニウ
ムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロラ
イド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベ
ンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルト
リブチルアンモニウムブロマイドもしくはフェニルトリ
メチルアンモニウムクロライド)、三フッ化ホウ素モノ
メチルアミン等が挙げられ、これらの化合物を単独ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。これ
らの硬化触媒の含有量は、エポキシ樹脂組成物の固形分
100重量部に対して1重量部以下であることが好まし
い。
【0033】また、添加剤としては、熱可塑性樹脂(ポ
リフェニレンオキサイド、ポリイミドなど)、ゴム類
(カルボキシル基末端ニトリルブタジエンゴム、コアシ
ェルラバーなど)、及びこれらの熱可塑性樹脂やゴム類
を変性したもの、難燃剤が挙げられ、これらの添加剤を
単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物のガラス転
移温度は150℃以上である必要がある。ここで、エポ
キシ樹脂組成物のガラス転移温度は、十分加熱硬化した
後のガラス転移温度を意味し、本発明の積層体に用いら
れるエポキシ樹脂組成物としては、エポキシ樹脂が未硬
化または半硬化状態でガラス転移温度が150℃以下で
あっても、その後の硬化処理によりガラス転移温度が1
50℃以上になるものも含まれる。
【0034】ガラス転移温度を150℃以上とするため
には、エポキシ樹脂、硬化剤成分として多官能成分また
は剛直成分の比率を高くすることによりエポキシ樹脂硬
化物の架橋密度を高くする、分子鎖の剛直性を高める等
の手段をとる必要がある。このような耐熱性向上成分と
しては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、シクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、トリグリシジル
イソシアヌレート等の多官能複素環式エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、テルペン
フェノールノボラック、トリフェニルメタン型フェノー
ル樹脂等の硬化剤を用いることが有効である。通常、こ
れらの耐熱性向上成分と2官能性のエポキシ樹脂、硬化
剤が組み合わせて用いられ、その組成によってエポキシ
樹脂硬化物のガラス転移温度を調節することができる。
【0035】このガラス転移温度が150℃未満では、
プリント配線板に半導体素子を実装する際の加熱プロセ
スにおいて、熱変形が発生し、特に表面実装用高密度配
線板としての性能が不十分となる。エポキシ樹脂組成物
のガラス転移温度としては、現在、最高240℃程度の
ものが知られているが、本発明においては、180℃以
上のものが好ましい。本発明において、耐熱性フィルム
の片面または両面上にエポキシ樹脂組成物を形成する方
法としては、エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解した溶液
を耐熱性フィルム上に塗工し、硬化しない温度または半
硬化温度で乾燥する方法、エポキシ樹脂組成物の溶液を
一旦転写フィルムに塗工しし、硬化しない温度または半
硬化温度で乾燥していわゆるBステージ状態とし、これ
を加熱ラミネートして耐熱性フィルムに貼り付ける方法
をとることができる。
【0036】ここで使用される溶剤としては、エチルア
ルコールもしくはプロピルアルコールなどのアルコール
類、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類、またはエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテルもしくはプロピレングリコールモノメチルエー
テルプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエ
ーテル類、アセトニトリル等のニトリル類などがあげら
れる。
【0037】本発明の積層体におけるエポキシ樹脂組成
物層の厚みは好ましくは2〜50μmである。また、本
発明の積層体にさらに金属箔を積層することによって、
プリント配線板作成用の積層板が得られ、さらに、この
積層板の外層の金属箔にエッチング、めっき等の通常の
処理を行うことによってプリント配線板を製造すること
ができる。
【0038】本発明の第二は、ビルドアッププリント配
線板の製造方法であり、内層回路板に本発明の積層体か
らなる絶縁層と導体層を一層毎に多層積み上げ、順次層
間を接続することにより作製することを特徴としてい
る。ここで、導体層としては、銅、金、銀、ニッケル、
42合金等が用いられるが、通常銅箔が用いられる。金
属の厚みとしては、3μm〜50μmの範囲のものが通
常用いられる。ビルドアップ法により製造する多層プリ
ント配線板の層間を接続するビアホールの形成方法とし
ては、フォトビア、レーザビア、プラズマ等の方法をと
ることができる。このビアホールの層間接続には、めっ
き、導電性ペーストによる方法を用いることができる。
【0039】本発明に用いられる内層回路板の材料とし
ては、例えば基材としてガラス繊維、芳香族ポリアミド
繊維、樹脂成分として、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂、エポキシ樹脂を用いた複合材料等が挙
げられる。エポキシ樹脂を用いる場合、ガラス転移温度
が150℃以上の耐熱性エポキシ樹脂を用いることが好
ましい。また、内層回路板の材料として、本発明の積層
体を用いることもできる。
【0040】本発明のビルドアッププリント配線板にお
ける耐熱フィルムと金属箔との間の接着強さは、1.0
Kg/cm以上であることが好ましい。それよりも小さ
いと配線板の曲げによるせん断力による剥離や、半導体
素子実装時の応力による剥離等が発生することがある。
耐熱性フィルムと金属箔の接着強さとしては、1.5K
g/cm以上がさらに好ましい。
【0041】本発明のビルドアッププリント配線板の耐
熱性は非常に優れており、高いはんだ耐熱性を有する。
表面実装用プリント配線板として使用するには高い耐熱
性が要求され、はんだ耐熱温度としては、280℃以上
が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。本発明の
ビルドアッププリント配線板は、高いはんだ耐熱温度に
加え、低い熱膨張率、低い熱収縮率等の優れた熱寸法安
定性を持っており、実装時の半導体素子との熱膨張によ
るパターン位置ズレ、実装後の熱膨張差によるストレス
を小さくできるものである。
【0042】本発明のビルドアッププリント配線板の厚
みは任意に選ぶことができるが、機器の薄手化のため
に、薄い方が良く、200μm以下、好ましくは100
μm以下が用いられる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に実施例を示し、本発明を更
に説明する。 特性の測定法 (1)耐熱性フィルムの表面酸素原子含有量 測定装置としてX線光電子分光装置、ESCA5400
(アルバックファイ株式会社製)を用い、MB−Kα
(ノンモノクロ)15KV、400Wの条件で測定を行
い、得られたチャートのO1sのピーク面積より表面酸
素原子含有量を算出した。 (2)耐熱性フィルムの厚み、強度、伸度、弾性率の測
定法 厚みは、直径2mmの測定面を持つダイヤルゲージで測
定する。強度、伸度、弾性率は、定速伸長型強伸度測定
機を用い、測定長100mm、引張り速度50mm/分
で測定したものである。
【0044】(3)接着強さの測定法 銅箔が付いたままの積層体から10mm×100mmの
試料片を切り出し、ピンセットで端の一部を引き剥が
し、耐熱性フィルムと金属箔の接着面を出し、片方を両
面テープで支持板に張り付け、90度剥離持具を用い、
定速伸長型強伸度測定機にて50mm/分の速度で引張
った時の引き剥がし力の平均をとった。 (4)熱膨張率の測定法 耐熱性フィルムから4mm×20mmの試料片を切り出
し、200℃で30分間歪み取りを行った後、セイコー
電子工業社製のTMA10を用いて20℃/分の昇温速
度で200℃まで測定し、30℃から150℃までの寸
法変化量より求めた。
【0045】(5)耐熱性フィルムの熱収縮率の測定法 フィルムから2cm×5cmの試料片を切り出し、4c
mの間隔に刃物で傷をつけて標識とし、予め23℃、5
5%RHの雰囲気下に72時間放置した後、標識間の距
離を読み取り顕微鏡にて測定し、次いで200℃の熱風
式オーブンに2時間拘束することなく放置した後、再度
23℃、55%RHの雰囲気下に72時間放置した後、
標識間の距離を読み取り顕微鏡にて測定して求めた。 (6)エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度測定 積層体の製造に用いるエポキシ樹脂組成物溶液を離型フ
ィルムに塗布、乾燥、硬化し厚さ50μのエポキシ樹脂
組成物フィルムを作成し、離型フィルムより剥離してガ
ラス転移温度測定サンプルとし、熱機械分析装置により
ガラス転移温度を測定した。
【0046】(7)積層板のはんだ耐熱試験 積層板を25mm×25mmに切断し、JIS C−6
181に準じてはんだ耐熱試験を実施した。試験時間
は、1分間とし、260℃で試験を開始し、合格すれば
20℃温度を上げて実施し、合格する最高の温度を半田
耐熱温度とした。
【0047】
【実施例1】(1)耐熱性フィルムの製造 耐熱フィルムとして、アラミド樹脂のポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド(以下、PPTAと称する)フィル
ムを用いた例を以下に示す。濃度99.9%の濃硫酸に
PPTAを60℃で溶解し、ポリマー濃度12%の原液
を調製した。この原液を、60℃に保ったまま、真空下
に脱気した。タンクからフィルタを通し、ギアポンプに
より送液し、0.1mm×750mmのスリットを有す
るダイから、タンタル製のベルト上にド−プをキャスト
し、相対湿度約5%、温度約105℃の空気を吹き付け
て、流延ド−プを光学等方化し、ベルトと共に10℃の
55%硫酸中に導いて凝固させた。
【0048】次いで、凝固フィルムをベルトから引き剥
し、約30℃の温水で洗浄し、次に1%NaOH水溶液
にて中和し、更に室温の水にて洗浄した。洗浄の終了し
たフィルムを乾燥させずに1.04倍縦方向に延伸し、
次いで横方向に1.12倍テンターで延伸した後、20
0℃で定長乾燥し、400℃で定長熱処理し、次いで3
50℃で弛緩熱処理した後巻取り、厚さ16μm、強度
42〜45Kg/mm 2、弾性率1240〜1350K
g/mm2、伸度30〜36%、熱膨張率2〜3ppm
/℃、熱収縮率0.04%のフィルムを得た。
【0049】次にアルゴンガスおよび窒素ガスを60:
1の比率で供給しながら、周波数10kHzで放電して
いる電極間を速度1m/分でフィルムを連続的に走行さ
せてプラズマ処理を行った。プラズマ処理後のフィルム
の表面酸素原子含有量は21.2%であった。
【0050】(2)エポキシ樹脂の調製、塗工、積層体
の作成 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:BR
EN−S)65部、トリグリシジルイソシアヌレート
(商品名:TEPIC−L)35部、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルホン15部、3,3’−ジアミノジフ
ェニルスルホン20部、テトラブロモビスフェノールA
(TBBA)47.3部を攪拌混合して均一な溶液とし
た。更に硬化触媒として三フッ化ホウ素モノメチルアミ
ンを添加後、攪拌混合してワニスを調製した。ワニスは
溶剤にアセトニトリル/メチルエチルケトン(重量比
5:1)を使用し、固形分を55重量%に調製した。こ
のワニスを、上記(1)のプラズマ処理したPPTAフ
ィルムの両面に塗布した後、140℃で10分間加熱乾
燥して、積層体を作成した。積層体中のエポキシ樹脂組
成物層の厚みは15μmであった。
【0051】(3)プリント配線板およびビルドアップ
プリント配線板の作製 両面銅張ガラスクロス基材エポキシ積層板の両面に回路
を形成したものを内層回路板として、その両面に(2)
の積層体を貼り付け、さらに12μの銅箔を両面にラミ
ネート貼りつけして(2)と同じ条件で硬化し、4層プ
リント配線板用積層板を作成した。この4層プリント配
線板用積層板のはんだ耐熱温度は320℃であった。
【0052】この積層板の外層の銅箔の引き剥がし強度
は1.9kg/cmであった。この積層板の外層の銅箔
にエッチング、めっき等の通常の処理を行うことによっ
て4層プリント配線板が得られる。また、内層回路板上
に上記(2)で得られた積層体からなる絶縁層と導体層
及び層間の接続を一層ごとに形成、積み上げていくこと
により、多層のビルドアッププリント配線板が得られ
る。
【0053】
【実施例2】(1)耐熱性フィルムの製造 実施例1と同じ耐熱フィルムを用いた。 (2)エポキシ樹脂の調製、塗工、積層体の作成 シクロペンタジエン型エポキシ樹脂 (商品名:HP7
200H)100部、フェノール樹脂(商品名:カヤハ
ードNHN)17.8部、TBBA(テトラブロムビス
フェノールA)60.8部を攪拌混合して均一な溶液と
した。更に硬化触媒として2−エチル−4メチルイミダ
ゾール 0.18部を添加後、攪拌混合してワニスを調
製した。ワニスは溶剤にエチレングリコールモノメチル
エーテル、メチルエチルケトンの1:1混合溶剤を使用
し、固形分を65重量%に調製した。
【0054】このワニスを、上記(1)のプラズマ処理
したPPTAフィルムの両面に塗布した後、125℃で
10分間加熱乾燥して、積層体を作成した。積層体のエ
ポキシ樹脂組成物の厚みは12μmであった。このエポ
キシ樹脂組成物のガラス転移温度は165℃であった。
【0055】(3)積層板およびフレキシブルプリント
配線板の作成 上記(2)の積層体の両面に厚み12μmの銅箔を12
0℃でラミネートして貼り付け後、真空下で面圧10k
g/cm2、130℃30分(昇温速度3℃/分)後、
面圧20kg/cm2、190℃/60分(昇温速度3
℃/分)の熱プレス成型を行い積層板を得た。この積層
板の銅箔引き剥がし強度は2.2Kg/cm、はんだ耐
熱温度は300℃であった。この積層板の外層の銅箔に
エッチング、めっき等の通常の処理を行うことによって
フレキシブルプリント配線板が得られる。
【0056】
【実施例3】(1)耐熱性フィルムの製造 耐熱フィルムとして、アラミド樹脂のポリパラフェニレ
ンテレフタルアミド(以下、PPTAと称する)フィル
ムを用いた例を以下に示す。濃度99.9%の濃硫酸に
PPTAを60℃で溶解し、ポリマー濃度12%の原液
を調製した。この原液を、60℃に保ったまま、真空下
に脱気した。タンクからフィルタを通し、ギアポンプに
より送液し、0.05mm×750mmのスリットを有
するダイから、タンタル製のベルト上にド−プをキャス
トし、相対湿度約5%、温度約105℃の空気を吹き付
けて、流延ド−プを光学等方化し、ベルトと共に10℃
の55%硫酸中に導いて凝固させた。ついで凝固フィル
ムをベルトから引き剥し、約30℃の温水で洗浄し、次
に1%NaOH水溶液にて中和し、飽和炭酸水で洗浄
後、更に室温の水にて洗浄した。洗浄の終了したフィル
ムを乾燥させずに1.08倍縦方向に延伸し、次いで横
方向に1.22倍テンターで延伸した後、200℃で定
長乾燥し、400℃で定長熱処理し、次いで350℃で
弛緩熱処理した後巻取り、厚さ4μm、強度48〜51
Kg/mm2、弾性率1380〜1470Kg/mm2
伸度15〜23%、熱膨張率1〜3ppm/℃、熱収縮
率0.05%のフィルムを得た。
【0057】アルゴンガスおよび窒素ガスを60:1の
比率で供給しながら、周波数10kHzで放電している
電極間を速度1m/分でフィルムを連続的に走行させて
プラズマ処理を行った。プラズマ処理後のフィルムの表
面酸素原子含有量は22.4%であった。
【0058】(2)エポキシ樹脂の調製、塗工、積層体
の作成 ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(商品名:
N865)100部、ビスフェノールAノボラック樹脂
(商品名:VH4170)、メラミン 32.3部、テ
トラブロモビスフェノールA(TBBA)47.3部を
攪拌混合して均一な溶液とした。更に硬化触媒として2
−エチル−4メチルイミダゾール 0.3部を添加後、
攪拌混合してワニスを調製した。ワニスは溶剤にメチル
エチルケトンを使用し、固形分を60重量%に調製し
た。このワニスを、上記(1)のプラズマ処理したPP
TAフィルムの両面に塗布した後、125℃で10分間
加熱乾燥して、積層体を作成した。積層体におけるエポ
キシ樹脂組成物の厚さは10μmであった。このエポキ
シ樹脂組成物のガラス転移温度は183℃であった。
【0059】(3)プリント配線板およびビルドアップ
プリント配線板の作成 両面銅張ガラスクロス基材エポキシ積層板の両面に回路
を形成したものを内層回路板として、その両面に(2)
の積層体を貼り付け、さらに12μの銅箔を両面にラミ
ネート貼りつけして(2)と同じ条件で硬化し、4層プ
リント配線板用積層板を作成した。この4層プリント配
線板用積層板のはんだ耐熱温度は320℃であった。
【0060】この積層板の外層の銅箔の引き剥がし強度
は1.9kg/cmであった。さらに、この積層板の外
層の銅箔にエッチング、めっき等の通常の処理を行うこ
とによって4層プリント配線板が得られる。また、内層
回路板上に上記(2)で得られた積層体からなる絶縁層
と導体層及び層間の接続を一層ごとに形成、積み上げて
いくことにより、多層のビルドアッププリント配線板が
得られる。
【0061】
【比較例1】(1)耐熱性フィルムの製造 実施例1と同じ耐熱フィルムを用いた。 (2)エポキシ樹脂の調製、塗工 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピ
コート5045B80)125部、ジシアンジアミド4
部を攪拌混合して均一な溶液とした。更に硬化触媒とし
て2−エチル−4メチルイミダゾール 0.2部を添加
後、攪拌混合してワニスを調製した。ワニスは溶剤にメ
チルエチルケトンを使用し、固形分を60重量%に調製
した。このワニスを、上記(1)のプラズマ処理したP
PTAフィルムの両面に塗布した後、110℃で10分
間加熱乾燥して、積層体を作成した。このエポキシ樹脂
組成物のガラス転移温度は129℃であった。
【0062】(3)積層板の作成 所定枚数の上記(2)の積層体の両面に厚み12ミクロ
ンの銅箔を110℃でラミネートして貼り付け後、真空
下で面圧10kg/cm2、130℃30分(昇温速度
3℃/分)後、面圧20kg/cm2、160℃/60
分(昇温速度3℃/分)の熱プレス成型を行い積層板を
得た。
【0063】この積層板の銅箔引き剥がし強度は2.1
Kg/cm、はんだ耐熱テストは280℃であった。こ
の積層板は、ガラス転移温度が低く、半導体素子実装用
基板としての耐熱性は不十分である。
【0064】
【比較例2】(1)耐熱性フィルムの製造 実施例1と同様にPPTAフィルムを製造し、プラズマ
処理することなく製品を巻き取った。このフィルムの表
面酸素原子含有量は11.8%であった (2)エポキシ樹脂の調製、塗工 実施例1と同様にエポキシ樹脂組成物を調製し、(1)
のプラズマ処理していないPPTAフィルムの両面に塗
布した後、140℃で10分間加熱乾燥して、積層体を
作成した。このエポキシ樹脂組成物のガラス転移温度は
208℃であった。 (3)積層板の作成 所定枚数の上記(2)の積層体の両面に厚み12μmの
銅箔を130℃でラミネートして貼り付け後、真空下で
面圧10kg/cm2、130℃30分(昇温速度3℃
/分)後、面圧20kg/cm2、190℃/60分
(昇温速度3℃/分)の熱プレス成型を行い積層板を得
た。
【0065】この積層板の銅箔引き剥がし強度は0.7
Kg/cm、はんだ耐熱温度は280℃であった。この
積層板は銅箔引き剥がし強度が弱く、加熱、加圧下で半
導体素子実装テストを行ったところ、銅箔の剥がれが発
生した。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層体を
用いた積層板は、耐熱性、接着性、耐久性および寸法精
度が良好であり、かつ機械的強度が高いため、軽量化、
薄型化が可能である。このため配線の高密度化や薄型化
が必要な半導体素子実装用プリント配線板ならびにビル
ドアッププリント配線板等の多層プリント配線板製造に
極めて有用であり、CSP、BGA、LOC、フリップ
チップ実装対応の半導体パッケージ、フレキシブルプリ
ント配線板およびそれとリジッドプリント配線板との複
合基板、ハードディスクサスペンション配線基板等とし
て利用することができる。
【0067】また、本発明のビルドアッププリント配線
板の製造方法によれば、従来のビルドアッププリント配
線板よりもさらに配線の高密度化や薄型化が可能にな
る。本発明の積層体は、積層体そのままでまたは積層体
に金属箔を貼り合わせた形、または導電ペーストを塗布
した形で、リードフレーム補強材、フラットケーブル、
面状発熱体、センサー、アンテナ等の電気、電子材料用
途に使用することができる。また、本発明の積層体は、
耐熱性、寸法安定性、剛性等の特徴を活かし、プリンタ
ーや複写機の像定着装置用のベルトとしても有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK47A AK53B AT00A BA02 BA07 EH46 EJ61A GB43 JA05B JJ03A JL00 JL03 JL11 YY00A YY00B 5E346 AA02 AA12 AA15 AA32 CC04 CC05 CC09 CC32 CC37 CC38 CC39 EE13 FF01 FF14 FF18 GG15 GG28 HH18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線光電子分光法(XPS)で測定した
    表面酸素原子含有量が15%以上である耐熱性フィルム
    の片面または両面に硬化後のガラス転移温度が150℃
    以上のエポキシ樹脂組成物層が形成された積層体。
  2. 【請求項2】 耐熱性フィルムが芳香族ポリアミドから
    なることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 耐熱性フィルムがプラズマ処理されたも
    のであることを特徴とする請求項1の積層体。
  4. 【請求項4】 内層回路板上に絶縁層と導体層及び層間
    の接続を一層ごとに形成、積み上げていくビルドアップ
    プリント配線板の製造方法において、絶縁層として請求
    項1、2または3の積層体を用いることを特徴とするビ
    ルドアッププリント配線板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010264605A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Sekisui Chem Co Ltd 絶縁フィルム、粗化絶縁硬化フィルム、積層体及び積層体の製造方法
US20200099272A1 (en) * 2018-09-20 2020-03-26 Nidec Sankyo Corporation Damper mechanism and actuator

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