JP2002192301A - Al−Si合金の製造方法 - Google Patents

Al−Si合金の製造方法

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JP2002192301A
JP2002192301A JP2000394219A JP2000394219A JP2002192301A JP 2002192301 A JP2002192301 A JP 2002192301A JP 2000394219 A JP2000394219 A JP 2000394219A JP 2000394219 A JP2000394219 A JP 2000394219A JP 2002192301 A JP2002192301 A JP 2002192301A
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Nobuhiro Sadatomi
信裕 貞富
Tsunekazu Saigo
恒和 西郷
Naoya Hamamoto
直也 濱本
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Hitachi Metals Ltd
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NAKAYAMA ALLOY CASTING CO Ltd
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Siを13wt%以上80wt%以下含有す
るAl−Si系材料をダイキャストによる鋳造法にて製
造するに際し、材料の熱伝導率が変動したりあるいは大
きく低下することなく、特性が一定で安定的に量産でき
る製造方法の提供。 【解決手段】 高Si含有であるため鋳込み温度が80
0℃以上と高く、鋳込みの際、金型及び湯口スリーブや
チップへの所謂噛みこみや食われが発生するのを、高温
の溶湯の通る箇所の表面に、遷移金属元素を溶出し難い
耐熱材料を表面層とする膜材又は複合材料を用いて防止
することにより、Al−50Siの高Siの組成でも鋳
込み温度1200℃で10000ショット以上の連続成
形が可能となり、製品内部へのFe等の遷移金属元素の
不純物としての混入も0.3wt%以下に抑えられ、熱
伝導率の低下も極力抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信用、自動車
用、半導体デバイス、電子機器、機械部品、電動工具な
どの各種用途に用いられる基板に対する放熱材料、特に
Siチップ等の半導体やセラミックス系の材料と接合す
る部分に使用可能な、熱的整合性がよくかつ放熱性が良
好であるAl−Si合金放熱材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報通信産業の発展により、特に
半導体基板を用いたLSIなどのデバイスが開発され、
今日ではより高速化、高密度化されてきた。また、レー
ザーや光を用いた通信機器も開発され、多くの分野で利
用されている。さらに自動車や機械機器の高速化、高効
率化による小型軽量化が進められている。そしてこれら
のデバイスや機器では、大容量化や高速化に伴い使用す
る半導体や半導体基板、電子機器からの放熱対策が不可
欠となってきた。
【0003】半導体基板用の放熱材料には、熱伝導率が
高い(100W/m・K以上)ことはもちろん、用いる
半導体やセラミックスとの整合性がよい、つまり半導体
やセラミックスの熱膨張係数は3〜8×10-6/K程度
であるため、それに近い小さな熱膨張係数を有すること
が必要となる。
【0004】放熱性に優れた高熱伝導な金属材料として
は、Al、Cu、Ag等があり、これらの熱伝導率は室
温でそれぞれ237W/m・K、397W/m・K、4
18W/m・Kである。しかし、これら金属の熱膨張係
数は室温付近でそれぞれ24×10-6/K、17×10
-6/K、18×10-6/Kと大きく、熱膨張の整合性が
悪いという問題がある。
【0005】一方、熱膨張係数の小さい金属材料(合
金)として、42合金(42Ni−Fe)やコバール
(29Ni−8Co−Fe)等があり、熱膨張係数は6
〜9×10-6/Kとセラミックスとの整合性はよいが、
熱伝導率が20〜30W/m・Kと非常に小さいという
問題があった。
【0006】低熱膨張、高熱伝導材料には、金属(複
合)材料としてはCu−W、Mo、Cu−Mo等があ
る。しかし、いずれも成形・加工性が困難であり、また
密度が大きいために重いこと、難加工性であること、さ
らにコストが高いという問題がある。
【0007】また、低熱膨張金属材料として、コバール
(29Ni−8Co−Fe)や42合金(42Ni−F
e)等がある。しかし、これら合金は熱伝導率が30〜
50W/m・Kと小さい。また、これらの合金とCuを
複合した材料も開発されているが、製造方法が煩雑で高
コストなため、汎用に至っていない。
【0008】また、BeO、AlN、SiCといったセ
ラミックス系の材料も高熱伝導で低熱膨張であることが
知られている。BeOはBeの環境汚染の観点から使用
が制限されており、またこれらセラミックス系の材料
は、いずれも粉末冶金法で製造され、高温での焼結が必
要なため、高コストであること、複雑な形状が成形困難
であることなどの理由で、特殊用途以外は使用されてい
ないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】AlにSiを添加した
Al−Si合金はSiの含有量の増加とともに熱膨張係
数が低下することが知られている。しかし、Al−Si
合金はSiの含有量の増加に伴い融点が上昇し、12w
t%以上のSiではAl−12Siの共晶相とSiの相
が生成し、Si含有量の増加とともに硬くて脆いSi相
が増加し、材料も脆くなるために溶解して鋳造した後に
塑性加工が不可であるばかりか外部の応力で割れてしま
うという問題があった。
【0010】そこで、高SiのAl−Si系材料を粉末
冶金法で作製する方法、つまりガスアトマイズで得られ
た粉末を焼結する方法が提案(特開平1−20505
5、特開平9−055460)されている。しかし、こ
の粉末冶金方法は、高コストであるとともに、得られた
材料の熱伝導率が酸化や不純物の影響によって、高純度
溶製材に対して10〜20%低下する問題があった。
【0011】出願人の一人は、先にSiを13wt%以
上80wt%以下含有するAl−Si系材料の製造方法
としてダイキャストによる鋳造法を検討し、300K/
sec〜800K/secの冷却速度で急冷することに
より、Si相の結晶粒径も小さく、硬くて耐磨耗性が良
く、また脆いSiの結晶粒径を微細にすることにより抗
折強度も大きい材料を成形することができることを知見
した。
【0012】発明者らは量産規模でのダイキャスト鋳造
法を検討したところ、得られたAl−Si系材料の熱伝
導率が変動したりあるいは大きく低下するなどの問題が
あることを知見した。
【0013】この発明は、Siを13wt%以上80w
t%以下含有するAl−Si系材料をダイキャストによ
る鋳造法にて製造するに際し、材料の熱伝導率が変動し
たりあるいは大きく低下することなく、特性が一定で安
定的に量産できる製造方法の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】発明者らは、高Si含有
Al−Si系合金の量産規模でのダイキャスト鋳造法に
ついて、種々検討した結果、高Si含有であるため鋳込
み温度が800℃以上と高く、鋳込みの際、金型及び湯
口スリーブやチップへの所謂噛みこみや食われが発生し
ていること、すなわち連続的にダイキャスト鋳造を実施
すると、ダイキャスト機の金型やスリーブなどを構成す
る遷移金属元素(Cr,MnFe,Co,Ni,Cu
等)がAl−Si合金に混入して熱伝導率が急激に低下
していることを知見した。
【0015】そこで発明者らは、金型や湯口スリーブの
浸食を解消し、連続成型可能にするため種々検討した結
果、金型および湯口スリーブ等の高温の溶湯の通る箇所
の表面に、遷移金属元素を溶出し難い耐熱材料を表面層
とする膜材又は複合材料を用いることにより、かかる浸
食の問題は解決し、Al−50Siの高Siの組成でも
鋳込み温度1200℃で10000ショット以上の連続
成形が可能となり、製品内部へのFe等の遷移金属元素
の不純物としての混入も0.3wt%以下に抑えられ、
熱伝導率の低下も極力抑えることができることを知見
し、この発明を完成した。
【0016】すなわち、この発明は、Al−Si合金溶
湯をダイキャストにて急冷成形する方法であり、ダイキ
ャストの金型及び湯口スリーブ表面に遷移金属元素を溶
出し難い耐熱材料を表面層とする膜又は複合材料を用い
て急冷成形し、遷移金属元素の含有量が0.3wt%以
下の合金を得ることを特徴とするAl−Si合金の製造
方法である。
【0017】また、この発明は、上記構成の製造方法に
おいて、 ・Al−Si合金は、Siを13wt%以上80wt%
以下含有する製造方法、 ・急冷速度が、300K/sec〜800K/secで
ある製造方法、 ・耐熱材料膜が、1μm〜100μm厚みでWC、Ti
C、CrC、CrN、TiN、Fe3N、BN、W、M
oのうちいずれかの材料である製造方法、 ・耐熱材料膜がスパッタリング、電解めっき、無電解め
っき、真空蒸着、蒸着重合、塗装、窒化処理、炭化処理
のいずれかの方法で成膜された製造方法、 ・複合材料が、WC、TiC、CrC、CrN、Ti
N、Fe3N、BN、W、Moのうちいずれかの材料を
0.05mm〜2mm厚みで異種材に接合した材料であ
る製造方法、を併せて提案する。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明において、Al−Si合
金組成は、Siを13wt%以上、80wt%以下含有
する。Siが13wt%未満では熱膨張係数が大きく、
ダイキャスト法による急冷の効果が得られ難い。また8
0wt%を超えると、Si相が体積の70%以上を占
め、成形が困難となる。さらに好ましくは、Siが30
wt%以上、60wt%以下の範囲である。
【0019】また、不純物としては、Cr,MnFe,
Co,Ni,Cuなどの遷移金属元素が0.3wt%以
下、Na,Ca,Mgなどのアルカリ金属元素、アルカ
リ土類金属元素が0.5wt%以下、C,P,Bなどの
軽元素が0.3wt%以下を許容できる。いずれの元素
も上記の値を超えると、熱伝導率が低下するため好まし
くない。
【0020】この発明において、上記組成のAl−Si
合金における、Si相の平均結晶粒径は50μm以下で
あることが好ましい。Si相の平均結晶粒径が50μm
を超えると、外部からの応力や熱応力でSi相にクラッ
クが入り、熱伝導率が低下するとともに材料が脆くな
る。
【0021】すなわち、この発明による放熱材料は、上
述した所要の組成とSi相の平均結晶粒径を最適化する
ことにより、熱膨張係数が16×10-6/K以下、熱伝
導率が100/m・K以上の特性を有する高熱伝導・低
熱膨張でかつ硬いが靭性の向上した材料となる。
【0022】この発明による放熱材料は、ビッカース硬
さ平均が150〜400、耐摩耗性が摩擦速度5m/s
ec、接触圧力0.5MPにおいて、2mg/1000
m以下という特性を有し、耐摩耗性がすぐれるととも
に、硬くても脆くない、すなわち靭性にすぐれるという
特徴を有する。但し、抗張力、引張り強度、伸びなど
は、Si量の増加とともに低下する。
【0023】この発明による放熱材料は、所要組成のA
l−Si合金をダイキャスト法にて、300〜800K
/secの冷却速度で急冷、成形することにより得られ
る。冷却速度が300K/sec未満では、Si相の平
均結晶粒径が50μmを越え、靭性が低下するため好ま
しくない。また、800K/secを超えると、Si相
の平均結晶粒径が微細になりすぎて合金溶湯が微小に凝
集して成形が困難になるため好ましくない。
【0024】この発明におけるダイキャスト法は、上記
の所定の急冷が可能であれば、公知のいずれの方法や装
置であっても採用できる。例えば、この発明のAl−S
i合金は高融点材料であり、当該高融点温度より300
〜800K/secで急冷できるよう、金型へ供給され
る冷却液量を適宜選定すればよい。
【0025】この発明の特徴である金型及び湯口スリー
ブ表面に設ける耐熱材料としては、遷移金属元素を溶出
し難い耐熱材料であれば公知のいずれの材料も採用可能
である。特に、WC、TiC、CrC、CrN、Ti
N、Fe3N、BN、W、Moのうちいずれかの材料が
好ましい。
【0026】当該耐熱材料を表面層とする膜材は、公知
のスパッタリング、電解めっき、無電解めっき、真空蒸
着、蒸着重合、塗装、窒化処理、炭化処理のいずれかの
方法で1μm〜100μm厚みで成膜することが好まし
い。1μm未満の厚みでは膜の剥離又は下地材側から遷
移金属元素を溶出しやすくなるため好ましくなく、ま
た、100μmを超えると成膜に時間とコストを要する
ため好ましくない。
【0027】複合材料としては、金型や湯口スリーブを
構成する材料に前記耐熱材料を0.05mm〜2mm厚
みに、圧延クラッド、拡散接合など公知の接合方法で一
体化して形成した複合材料を用いることができる。接合
材厚みが0.05mm未満では剥離又は下地材側から遷
移金属元素を溶出しやすくなるため好ましくなく、ま
た、2mmを超えると接合が困難かつコストを要するた
め好ましくない。
【0028】
【実施例】実施例1 Al(JIS A1050相当)とSi(4N)を重量
比でAl:Si=50:50になるように配合し、高周
波溶解炉で溶解した。溶解したAl−Si合金の溶湯温
度は1100℃であった。このAl−Si溶湯を適当量
ダイキャスト機に注入し、ダイキャストにて成形した。
ダイキャスト機は200Ton油圧式で行った。
【0029】ダイキャストの金型及び湯口部のスリーブ
には、焼入れした炭素鋼を用い、高温の溶湯の通過する
金型、スリーブおよびチップの表面には放電プラズマ処
理してWCを約10μm厚みにコーティングした。
【0030】ダイキャストの金型は水冷して200℃に
保持した。ダイキャスト成型時の圧力は550kgf/
cm2で鋳込速度は初速0.6m/sec、最終1.0
m/secであった。
【0031】得られたダイキャスト成形材のSi相の結
晶粒径は約30μm、Al−Si中の不純物の含有量は
Fe<0.05wt%、O<0.02wt%であった。
材料の物理特性を評価した結果、熱伝導率は室温で15
0W/m・K、平均熱膨張係数は10×10-6/Kであ
った。また、成形材の機械特性はビッカース硬さ平均3
50、ヤング率10kgf/cm2、磨耗率1.0mg
/1000mであった。
【0032】金型、スリーブおよびチップの表面をWC
コーティングしたことにより、4×100×150mm
の平板2枚取りを、10000ショットまで問題なく成
型することができた。
【0033】比較例として同組成、同成形条件でこの発
明の表面コーティングを施していない金型及びスリーブ
にて成形した場合、金型およびスリーブがAl−Siに
浸食され、成形ショット数は100以下であった。
【0034】また、成形材の不純物Feの含有量が0.
35wt%となり、熱伝導率が96W/m・Kと大幅に
低下した。さらに、金型を浸食するために成形圧力が溶
湯に十分にかからず、いわゆる巣やボイドを多く発生し
て成形材の機械強度の低下が見られた。
【0035】実施例2 Al(JIS A1050相当)とSi(4N)を重量
比でAl:Si=63:37になるように配合し、高周
波溶解炉で溶解した。溶解したAl−Si合金の溶湯温
度は900℃であった。このAl−Si溶湯を適当量ダ
イキャスト機に注入し、ダイキャストにて成形した。ダ
イキャスト機は200Ton油圧式で行った。
【0036】ダイキャストの金型及び湯口部のスリーブ
には、焼入れした炭素鋼を用い、高温の溶湯の通過する
金型、スリーブおよびチップの表面には20μmのCr
めっきを施し、さらにそれを窒化処理してCrN層を表
面に約20μm厚みでコーティングした。
【0037】ダイキャストの金型は水冷して200℃に
保持した。成型時の圧力は1000kgf/cm2で鋳
込温度は初速0.3m/sec、最終1.5m/sec
であった。
【0038】得られたダイキャスト成形材のSi相の結
晶粒径は約30μm、Al−Si中の不純物の含有量は
Fe<0.03wt%、O<0.015wt%であっ
た。成形材の物理特性を評価した結果、熱伝導率は室温
で165W/m・K、平均熱膨張係数は13ppm/K
であった。また、成形材の機械特性はビッカース硬さ平
均275、ヤング率15kgf/cm2、磨耗率1.5
mg/1000mであった。
【0039】金型、スリーブおよびチップの表面をCr
Nコーティングした金型を用いることにより、40×3
0×13の樽型異形状の6個取りの製品を20000シ
ョットまで問題なく成型することができた。
【0040】比較例として同組成、同成形条件でこの発
明の表面コーティングを施していない金型及びスリーブ
にて成形した場合、金型およびスリーブがAl−Siに
浸食され、成形ショット数は200以下であった。
【0041】また、成形材の不純物Feの含有量が0.
33wt%となり、熱伝導率が110W/m・Kと大幅
に低下した。さらに、金型を浸食するために成形圧力が
溶湯に十分にかからず、いわゆる巣やボイドを多く発生
して成形材の機械強度の低下が見られた。
【0042】実施例3 Al(JIS A1050相当)とSi(4N)を重量
比でAl:Si=87:13になるように配合し、高周
波溶解炉で溶解した。溶融したAl−Si合金の溶湯温
度は700℃であった。このAl−Si溶湯を適当量ダ
イキャスト機に注入し、ダイキャストにて成形した。ダ
イキャスト機は200Ton油圧式で行った。
【0043】ダイキャストの金型及び湯口部のスリーブ
は焼入れした炭素鋼を用い、また高温の湯の通過する金
型、スリーブおよびチップの表面には30μmのWのペ
ーストを塗布し、さらに真空中で500℃×1時間の脱
バインダーして、Wを表層に約20μm厚みにコーティ
ングした。
【0044】ダイキャストの金型は水冷して200℃に
保持した。成型時の圧力は1500kgf/cm2で、
鋳込速度は初速0.5m/sec、最終2.0m/se
cであった。
【0045】得られたダイキャスト成形材のSi相の結
晶粒径は約20μm、Al−Si中の不純物の含有量は
Fe<0.04wt%、O<0.02wt%であった。
成形材の物理特性を評価した結果、熱伝導率は室温で1
92W/m・K、平均熱膨張係数は19ppm/Kであ
った。また、成形材の機械特性はビッカース硬さ平均1
25、ヤング率10kgf/cm2、磨耗率2.5mg
/1000mであった。
【0046】金型、スリーブおよびチップの表面をWコ
ーティングした金型を用いることにより、φ60×φ4
0×30の樽型異形状のリング4個取りの製品を500
00ショットまで問題なく成型することができた。
【0047】比較例として、同組成、同成形条件でこの
発明の表面コーティングを施していない金型及びスリー
ブにて成形した場合、金型およびスリーブがAl−Si
に浸食されて、ショット数は20000回であったが、
Feの含有量が0.38wt%となり、熱伝導率が11
5W/m・Kと大幅に低下した。
【0048】
【発明の効果】この発明により、Siを13wt%以上
80wt%以下含有するAl−Si系材料をダイキャス
トによる鋳造法にて製造する際、金型、スリーブおよび
チップ材からの遷移金属元素の混入がなく、材料の熱伝
導率が変動したりあるいは大きく低下することなく、特
性が一定の成形材を安定的に量産できる。
【0049】また、この発明によると、高Si含有Al
−Si材料をダイキャスト法で低コストで量産できだけ
でなく、軽量で異形状の成型も可能であるため、通信
用、自動車用、半導体デバイス用、電動工具、機械部品
用等の各種電子、電機、機械部品に使用される放熱用成
形材として最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 21/02 C22C 21/02 (72)発明者 西郷 恒和 大阪府吹田市南吹田2丁目19−1 住友特 殊金属株式会社吹田製作所内 (72)発明者 濱本 直也 兵庫県神崎郡香寺町田野984 株式会社中 山合金鋳造所内 Fターム(参考) 4E093 NA01 NB08 NB10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Si合金溶湯をダイキャストにて
    急冷成形する方法であり、少なくとも金型及び湯口スリ
    ーブ表面に耐熱材料膜又は複合材料を有するダイキャス
    ト機にて急冷成形し、遷移金属元素含有量が0.3wt
    %以下の合金材を得るAl−Si合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 Al−Si合金溶湯は、Siを13wt
    %以上80wt%以下含有する請求項1に記載のAl−
    Si合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 急冷速度が、300K/sec〜800
    K/secである請求項2に記載のAl−Si合金の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 耐熱材料膜が、1〜100μm厚みでW
    C、TiC、CrC、CrN、TiN、Fe3N、B
    N、W、Moのうちいずれかの材料である請求項1に記
    載のAl−Si合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱材料膜がスパッタリング、電解めっ
    き、無電解めっき、真空蒸着、蒸着重合、塗装、窒化処
    理、炭化処理のいずれかの方法で成膜された請求項4に
    記載のAl−Si合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 複合材料が、WC、TiC、CrC、C
    rN、TiN、Fe 3N、BN、W、Moのうちいずれ
    かの材料を0.05〜2mm厚みで異種材に接合した材
    料である請求項1に記載のAl−Si合金の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104404316A (zh) * 2014-12-04 2015-03-11 上海复瀚电气设备有限公司 一种铝硅复合材料
JP2019073758A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 日本軽金属株式会社 アルミニウム溶湯のP削減方法及び当該方法を用いたAl−Si系合金鋳物

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JP2019073758A (ja) * 2017-10-13 2019-05-16 日本軽金属株式会社 アルミニウム溶湯のP削減方法及び当該方法を用いたAl−Si系合金鋳物

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