JP2002187991A - プラスチゾル組成物 - Google Patents

プラスチゾル組成物

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JP2002187991A
JP2002187991A JP2000389091A JP2000389091A JP2002187991A JP 2002187991 A JP2002187991 A JP 2002187991A JP 2000389091 A JP2000389091 A JP 2000389091A JP 2000389091 A JP2000389091 A JP 2000389091A JP 2002187991 A JP2002187991 A JP 2002187991A
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vinyl chloride
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urethane prepolymer
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plastisol composition
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JP2000389091A
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Tatsuro Ota
達郎 大田
Osamu Mizobuchi
治 溝渕
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Kyoeisha Chemical Co Ltd
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Kyoeisha Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着性の優れた被膜を簡便に形成するための下
地塗料として用いられる、貯蔵安定性に優れた塩化ビニ
ル樹脂含有プラスチゾル組成物を提供する。 【解決手段】塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物
は、塩化ビニルの重合樹脂と塩化ビニルの共重合樹脂と
の少なくともいずれか一方の樹脂、芳香族ジイソシアネ
ートとポリオールとからなるウレタンプレポリマーの両
末端のイソシアネート基がブロック化されているブロッ
ク化ウレタンプレポリマー、および可塑剤を含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の基
材の下地塗料に用いられる、塩化ビニル樹脂含有プラス
チゾル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車車体等の基材は、シーリング塗料
や耐チッピング塗料等の下地塗料で塗装し下地を形成し
た後、さらに上塗り塗料で塗装される。
【0003】このような下地塗料としてポリ塩化ビニル
樹脂を多量に含有する組成物が汎用されている。このポ
リ塩化ビニル樹脂含有組成物を基材に塗布し熱により硬
化させて形成した下地が基材と十分に接着できるよう
に、組成物には予め、イソシアヌレート等の接着性付与
剤が添加される。例えば、特開昭57−105441号
公報にはイソシアナト−イソシアヌレート溶液を含む組
成物が開示され、特開平1−170633号公報にはイ
ソシアヌレート型ポリイソシアネートのブロック化ウレ
タンプレポリマーと活性アミノ基含有ポリアミド系ポリ
アミン化合物とを含む組成物が開示され、特公平5−7
3793号公報にはブロック化ウレタンプレポリマーと
ポリオキシアルキレンポリアミンとを含む組成物が開示
され、特開平2−145640号公報には芳香族ジイソ
シアネート重合物のジアルキルアミンブロック体とポリ
アミド化合物とを含む組成物が開示されている。しかし
いずれの塩化ビニル樹脂含有組成物も、安価に製造する
ために接着性付与剤の添加量を削減したりフィラーとし
て再生塗料粉末を添加したりすると、組成物の貯蔵安定
性が悪くなり、さらに組成物を熱硬化させて得た被膜は
基材との接着性が不十分となってしまうという問題があ
った。また十分な接着性を得るために熱処理は、140
〜150℃の比較的高温で長時間行わなければならず、
生産性が悪い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、接着性の優れた被膜を簡
便に形成するための下地塗料として用いられる、貯蔵安
定性に優れた塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル
組成物は、塩化ビニルの重合樹脂と塩化ビニルの共重合
樹脂との少なくともいずれか一方の樹脂、芳香族ジイソ
シアネートとポリオールとからなるウレタンプレポリマ
ーの両末端のイソシアネート基がブロック化されている
ブロック化ウレタンプレポリマー、および可塑剤を含ん
でいる。
【0006】塩化ビニル樹脂は、塩化ビニルモノマーの
みが重合した樹脂であってもよいが、塩化ビニルモノマ
ーに共重合可能なモノマーとの共重合した樹脂であって
もよく、これらの樹脂が混合されたものであってもよ
い。塩化ビニル樹脂の重合度は、500〜2000であ
ることが好ましい。
【0007】塩化ビニルモノマーに共重合可能なモノマ
ーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸の例示さ
れる不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニルの例示されるビニルエステル;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートの例示される(メタ)アクリル酸
エステル;ジエチルマレート、ジブチルマレートの例示
されるマレイン酸エステル;ジエチルフマレート、ジブ
チルフマレートの例示されるフマール酸エステル;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルブチルエーテルの例示される
ビニルエーテルが挙げられる。
【0008】これらの化合物から得られる塩化ビニル樹
脂は、具体的にはゼオン 121、同37J(いずれも
日本ゼオン(株)製の商品名);カネビニル PSH−1
2、同PSL−10、同PSH−80、同PCH−12
(いずれも鐘ヶ淵化学工業(株)製の商品名);デンカビ
ニル PA−1000、同ME−180(いずれも電気
化学工業(株)製の商品名)が用いられる。塩化ビニル樹
脂はこれらの複数種を任意の割合で混合して用いてもよ
い。
【0009】ブロック化ウレタンプレポリマーを構成す
る芳香族ジイソシアネートは、ジフェニルメタンジイソ
シアネートが主成分であることが好ましい。これを用い
ることにより、得られたプラスチゾル組成物を硬化させ
た被膜は、接着性が強くなり、また耐水性が良くなる。
ジフェニルメタンジイソシアネートは、2,4’−およ
び4,4’−ジイソシアネート体のいずれでもよい。そ
の混合物であってもよくこの場合には2,4’−ジイソ
シアネート体と4,4’−ジイソシアネート体との比は
10:90〜90:10であることが好ましい。芳香族
ジイソシアネートはこのジフェニルメタンジイソシアネ
ートのみが用いられてもよいが、その他の芳香族ジイソ
シアネート、例えばトリレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソ
シアネート、トルイジンジイソシアネート、ジフェニル
スルフォンジイソシアネートのうちの少なくともいずれ
かと、ジフェニルメタンジイソシアネートとが任意の割
合で混合されて用いられてもよい。また、芳香族ジイソ
シアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートの例示
される脂肪族ジイソシアネートやイソホロンジイソシア
ネートの例示される脂環式ジイソシアネートと、ジフェ
ニルメタンジイソシアネートとが任意の割合で混合され
て用いられてもよい。芳香族ジイソシアネート全量中の
ジフェニルメタンジイソシアネート量は、少なくとも1
0%であることが好ましく、50%以上であると一層好
ましい。
【0010】ブロック化ウレタンプレポリマーを構成す
るポリオールは、ラクトン重合体が主成分であることが
好ましい。ラクトン重合体は、δ−バレロラクトン、ε
−カプロラクトン、7−ヒドロキシヘプタン酸ラクト
ン、12−ヒドロキシドデカン酸ラクトン、13−ヒド
ロキシトリデカン酸ラクトン、14−ヒドロキシテトラ
デカン酸ラクトン、15−ヒドロキシペンタデカン酸ラ
クトン、およびこれらのアルキル誘導体やアルコキシ誘
導体の例示されるいずれかのラクトンが重合したもので
ある。ラクトン重合体は、これらのラクトンの複数種が
任意の割合で混合されて重合したものであってもよい。
ラクトン重合体は、複数分子のラクトンが順次開環付加
重合したポリエステルであってもよく、ジエチレングリ
コールやグリセリンが複数分子のラクトンに順次開環付
加重合したポリエステルポリオールであってもよい。ラ
クトン重合体の平均分子量は500〜3000であるこ
とが好ましい。ポリオールは、ラクトン重合体のみが用
いられてもよいが、グリセリンおよびトリメチロールプ
ロパンおよびぺトリオールのいずれかにアルキレンオキ
サイドが付加した付加物の例示される3官能以上のポリ
オールと、ラクトン重合体との混合物が用いられてもよ
い。ポリオール中のラクトン重合体量は、少なくとも6
0%であることが好ましく、70%以上であると一層好
ましい。
【0011】これらの芳香族ジイソシアネートとポリオ
ールとからなるウレタンプレポリマーは、その両末端に
イソシアネート基を有している。
【0012】ブロック化ウレタンプレポリマーは、この
両末端のイソシアネート基のいずれかにジアルキルアミ
ンとオキシムとがランダムに反応してブロック化したも
のであることが好ましい。ブロック化ウレタンプレポリ
マーは、プラスチゾル組成物が熱処理されたときにジア
ルキルアミンとオキシムとが解裂してイソシアネート基
を再生する。ジアルキルアミンは、炭素数4以上のアル
キル基を有するジアルキルアミンであることが好まし
く、例えばジブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、
ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジラウリルアミン、ジ
ステアリルアミン、ジシクロヘキシルアミンが挙げられ
る。オキシムは、メチルエチルケトンオキシムが好まし
い。ジアルキルアミンとオキシムとは、任意の割合で混
合して用いられる。ウレタンプレポリマーは、その両末
端のイソシアネート基がジアルキルアミンとオキシムと
によりブロック化されていると、貯蔵安定性が著しく向
上し、プラスチゾル組成物を塗布して得た被膜のズレや
スベリがなくなる。同様に、この両末端のイソシアネー
ト基は、ジアルキルアミンとラクタムとが反応してブロ
ック化されていてもよい。ジアルキルアミンは前記と同
種のものが好ましく、ラクタムはε−カプロラクタムが
好ましい。ジアルキルアミンとラクタムとは、任意の割
合で混合して用いられる。
【0013】ジエチレングリコール1分子がm個のδ−
バレロラクトン分子に順次開環付加重合したポリエステ
ルポリオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネートとからなるウレタンプレポリマーの両末端のイ
ソシアネート基をブロック化する化学反応式を下記式
〔I〕に示す。式〔I〕には、ウレタンプレポリマーの
両末端のイソシアネート基のうちの一方にジ−2−エチ
ルヘキシルアミンが、また他方にメチルエチルケトンオ
キシムが反応したブロック化ウレタンプレポリマーの例
を示している。
【0014】
【化1】
【0015】塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物に
は、モノアミド、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミドのうちの少なくとも一つの活性アミノ基含有化合
物が、含まれていてもよい。
【0016】モノアミドは、例えば二塩基酸とアミンと
から得られ、活性アミノ基を有するモノアミドである。
【0017】ポリアミドは、例えば二塩基酸とアミンと
が重縮合したものである。ポリアミドの数平均分子量は
500〜10000であることが好ましい。この数平均
分子量が500未満であると、プラスチゾル組成物を硬
化させて得た被膜は硬すぎて脆くなってしまい、逆に1
0000を超えると、プラスチゾル組成物の粘度が著し
く高くなり、塗布等の作業性が低下してしまう。この数
平均分子量が500〜6000であると一層好ましい。
ポリアミドの数平均分子量をポリアミド1分子中のアミ
ン基数で除したアミン価は、50〜500であることが
好ましい。アミン価が50未満であるとこれを基材に塗
布後に硬化させたときの基材との接着性が不十分となっ
てしまい、逆に500を超えると、プラスチゾル組成物
の貯蔵安定性が低下してしまう。このアミン価が80〜
400であると一層好ましい。ポリアミドはエポキシ樹
脂硬化剤として市販されている熱可塑性ポリアミド樹脂
であってもよい。ポリアミドとして、具体的には、バー
サミド 115、同125、同140、同AP−14
E、同DSX−140E、および同DSX−125L
(いずれもヘンケル白水社製の商品名)が挙げられる。
【0018】ポリイミドやポリアミドイミドは、例えば
二塩基酸無水物をアンモニアまたはジアミンと共に加熱
して生成する二塩基酸アンモニウム塩等を加熱すること
によって得られるものである。ポリイミドまたはポリア
ミドイミドの数平均分子量が300〜8000であるこ
とが好ましい。この数平均分子量が300未満であると
プラスチゾル組成物を硬化させて得た被膜は脆くなって
しまい、逆に8000を超えると、プラスチゾル組成物
の粘度を著しく上昇させ、塗布等の作業性を低下させて
しまう。この数平均分子量が500〜6000であると
一層好ましい。ポリイミドやポリアミドイミドの数平均
分子量をその1分子中のアミン基数で除したアミン価
は、20〜400であることが好ましい。このアミン価
が20未満であると、プラスチゾル組成物を硬化させた
被膜と基材との接着性が不十分となってしまい、逆に4
00を超えると、プラスチゾル組成物の貯蔵安定性が悪
くなるうえ、得られた被膜が着色してしまう。このアミ
ン価が30〜300であると一層好ましい。ポリイミド
またはポリアミドイミドとして、具体的には、ヌーリー
ボンド−260、同−262、同−264、同−26
6、同−290、または同−289(いずれもエアープ
ロダクツ社製の商品名)が挙げられる。
【0019】モノアミド、ポリアミド、ポリイミド、ま
たはポリアミドイミドである活性アミノ基含有化合物
と、ブロック化ウレタンプレポリマーとは、プラスチゾ
ル組成物を硬化させた被膜に、接着性を付与するために
用いられるものである。この活性アミノ基含有化合物と
ブロック化ウレタンプレポリマーとは任意の割合で混合
して用いることができ、このときの活性アミノ基含有化
合物とブロック化ウレタンプレポリマーとの重量比が
5:95〜80:20であることが好ましい。塩化ビニ
ル樹脂含有プラスチゾル組成物中、活性アミノ基含有化
合物とブロック化ウレタンプレポリマーの合計配合量
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.5〜3
0重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部で
あると一層好ましい。
【0020】可塑剤は、ジイソノニルフタレート(DI
NP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチル
ヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレートの例示され
るフタル酸系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルセバテートの例示される脂肪酸エステル系可
塑剤;リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキ
シルの例示されるリン酸エステル系可塑剤であることが
好ましく、これらの複数種を任意の割合で混合して用い
てもよい。可塑剤は、プラスチゾル組成物の安定性、硬
化性、硬化後の硬度、耐熱性、粘度、および相溶性等の
要求性能により適宜選択される。塩化ビニル樹脂含有プ
ラスチゾル組成物中の可塑剤の配合量は、塩化ビニル樹
脂100重量部に対して、30〜300重量部であるこ
とが好ましい。
【0021】塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物
は、充填剤、増粘剤、安定剤、吸着剤の例示される添加
剤を含んでいてもよい。充填剤は、例えば炭酸カルシウ
ム、カオリン、ケイソウ土、タルクを用いることができ
る。また充填剤は、資源の節約の観点から塗装の際の未
付着塗料を回収し再生して得られる再生塗料微粉末がフ
ィラーとして用いられてもよく、プラスチゾル組成物の
軽量化という観点からガラスバルーン、シラスバルーン
の例示される中空体が用いられてもよい。増粘剤として
は、例えばベントナイト、無水シリカ、金属石鹸が用い
られる。安定剤としては、例えばステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸バリウムの例示される金属石鹸、硫酸鉛
が用いられる。プラスチゾル組成物中に水分が含まれる
場合は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ケイ
素の例示される吸着剤を用いてもよい。
【0022】塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物の
製造方法は、塩化ビニル樹脂、ブロック化ウレタンプレ
ポリマー、活性アミノ基含有化合物、および可塑剤と、
必要に応じて充填剤、増粘剤、安定剤、吸着剤とを分散
混練機によって均一に混練した後、減圧脱泡するという
ものである。
【0023】本発明の被膜は、塩化ビニル樹脂含有プラ
スチゾル組成物が、塗布されて熱で硬化したものであ
る。塗布は、例えば、流し込み、浸漬、スプレー塗り、
または刷毛塗りの例示される方法により行われるが、形
成される被膜の用途に応じていずれによるかを適宜選択
する。
【0024】基材に塗布されたプラスチゾル組成物は、
120〜150℃で熱処理し硬化させて被膜を形成する
ことができる。本発明のプラスチゾル組成物は、120
℃の比較的低温の熱処理でも十分な接着性が得られる。
約120℃で20〜30分間熱処理することが一層好ま
しい。
【0025】この熱処理の際、ブロック化ウレタンプレ
ポリマーの末端イソシアネート基をブロック化している
オキシムやジアルキルアミンが解裂して脱離する結果、
イソシアネート基を再生する。このイソシアネート基
が、別なウレタンプレポリマーの水酸基または塩化ビニ
ル共重合体樹脂の水酸基等の活性基と反応して架橋を形
成し、これが繰り返されて網目状に架橋し高分子化して
被膜を形成し、接着性を発現する。
【0026】この塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成
物を基材の金属塗装面に塗布後、比較的低温で短時間熱
処理して形成された被膜は、基材に対して優れた接着性
を有している。基材のカチオン電着塗装面に形成された
被膜は、特に接着性が優れている。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用する塩化ビニル樹脂含有
プラスチゾル組成物について具体的に説明する。
【0028】先ずポリエステルポリオールであるラクト
ン重合体aおよびbの2種類を製造した。これらを用
い、本発明を適用する塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル
組成物の試作に供するブロック化ウレタンプレポリマー
溶液A〜Dの4種類を製造し、また本発明を適用外の塩
化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物の試作に供するブ
ロック化ウレタンプレポリマー溶液E〜Gの3種類を製
造した。
【0029】(ラクトン重合体aの製造例)攪拌機、コ
ンデンサー、窒素導入管、および温度計の取り付けられ
た1Lの4ッ口フラスコに、δ−バレロラクトン500
重量部、ジエチレングリコール40重量部、テトラブチ
ルチタネート0.03重量部、およびトリフェニルフォ
スフィン0.02重量部を仕込み、窒素を吹き込みなが
ら140℃で8時間攪拌しつつ反応させると、無色透明
で粘調なポリエステルポリオールであるラクトン重合体
aが得られた。ラクトン重合体aは、その数平均分子量
が1350、水酸基価が83.1mgKOH/gであっ
た。
【0030】(ラクトン重合体bの製造例)ジエチレン
グリコールを15重量部用いたこと以外はラクトン重合
体aの製造例と同様にして、無色透明で粘調なポリエス
テルポリオールであるラクトン重合体bを得た。ラクト
ン重合体bは、その数平均分子量が1850、水酸基価
が60.6mgKOH/gであった。
【0031】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液A
の製造例)攪拌機、コンデンサー、窒素導入管、および
温度計の取付けられた1Lの4ッ口フラスコに、2,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネートとの1:1混合物1
00重量部、ラクトン重合体aの270重量部、および
ジイソノニルフタレート(DINP)295重量部を仕
込み、70℃で6時間攪拌して反応させると、ウレタン
プレポリマーが得られた。次いでこれに、ジ−2−エチ
ルヘキシルアミン58重量部、およびメチルエチルケト
ンオキシム13.9重量部を添加し、60℃で2時間攪
拌しつつ反応させ、固形分60%のブロック化ウレタン
プレポリー溶液Aを得た。
【0032】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液B
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
ラクトン重合体aの270重量部、およびジイソノニル
フタレート290重量部を仕込み、70℃で6時間反応
させると、ウレタンプレポリマーが得られた。次いでこ
れに、ジ−2−エチルヘキシルアミン48.3重量部、
およびメチルエチルケトンオキシム17.4重量部を添
加し、60℃で2時間攪拌しつつ反応させ、固形分60
%のブロック化ウレタンプレポリマー溶液Bを得た。
【0033】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液C
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
ラクトン重合体aの189重量部、アデカポリエーテル
T−400(旭電化(株)社製の商品名)24重量部、お
よびジイソノニルフタレート252重量部を仕込み、7
0℃で6時間反応させると、ウレタンプレポリマーが得
られた。次いでこれに、ジ−2−エチルヘキシルアミン
58重量部、およびメチルエチルケトンオキシム13.
9重量部を添加し、60℃で2時間攪拌しつつ反応さ
せ、固形分60%のブロック化ウレタンプレポリマー溶
液Cを得た。
【0034】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液D
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
ラクトン重合体bの370重量部、およびジイソノニル
フタレート361重量部を仕込み、70℃で6時間反応
させると、ウレタンプレポリマーが得られた。次いでこ
れに、ジ−2−エチルヘキシルアミン58重量部、およ
びメチルエチルケトンオキシム13.9重量部を添加
し、窒素を吹き込みながら、70℃で6時間攪拌しつつ
反応させ、固形分60%のブロック化ウレタンプレポリ
マー溶液Dを得た。
【0035】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液E
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
ラクトン重合体aの270重量部、およびジイソノニル
フタレート270重量部を仕込み、70℃で6時間反応
させると、ウレタンプレポリマーが得られた。次いでこ
れに、メチルエチルケトンオキシム34.8重量部を添
加し、60℃で2時間攪拌しつつ反応させ、固形分60
%のブロック化ウレタンプレポリマー溶液Eを得た。
【0036】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液F
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
ラクトン重合体aの270重量部、およびジイソノニル
フタレート277重量部を仕込み、70℃で6時間反応
させると、ウレタンプレポリマーが得られた。次いでこ
れに、ε−カプロラクタム45.3重量部を添加し、6
0℃で2時間攪拌しつつ反応させ、固形分60%のブロ
ック化ウレタンプレポリマー溶液Fを得た。
【0037】(ブロック化ウレタンプレポリマー溶液G
の製造例)同様な4ッ口フラスコに、2,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとの1:1混合物100重量部、
アデカニューエースY52−51(旭電化(株)製のポリ
エステルポリオール:水酸基価80mgKOH/g)の
280.5重量部、ジイソノニルフタレート302重量
部を仕込み、70℃で6時間反応させると、ウレタンプ
レポリマーが得られた。次いでこれに、ジ−2−エチル
ヘキシルアミン58重量部、およびメチルエチルケトン
オキシム13.9重量部を添加し、60℃で2時間攪拌
しつつ反応させ、固形分60%のブロック化ウレタンプ
レポリマー溶液Gを得た。
【0038】このようにして得られたブロック化ウレタ
ンプレポリマー溶液A〜Gを用い、本発明を適用するプ
ラスチゾル組成物を試作した例を実施例1〜7に、また
本発明を適用外のプラスチゾル組成物を試作した例を比
較例1〜3に示す。
【0039】(実施例1)塩化ビニル樹脂としてゼオン
121の70重量部およびゼオン37Jの30重量部、
可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)15
0重量部、充填剤として炭酸カルシウム100重量部お
よび再生塗料微粉末50重量部、安定剤として硫酸鉛
(PbSO)3重量部、ブロック化ウレタンプレポリ
マー溶液Aの7重量部、活性アミノ基含有化合物として
バーサミド AP−14Eの3重量部を混練機に仕込
み、30分間混練した後、脱泡してプラスチゾル組成物
を得た。
【0040】(実施例2〜7、および比較例1〜4)表
1に記載のとおりに配合したこと以外は、実施例1と同
様にして、プラスチゾル組成物を得た。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1〜7および比較例1〜4で得られ
たプラスチゾル組成物についての性能の評価を以下のよ
うにして行った。
【0043】(引張り剪断接着強度試験)カチオン電着
塗装の施された金属板を、25.4mm×90mmの試
験片とした。再生塗料微粉末を含有したプラスチゾル組
成物の各々をこの試験片に、25.4mm四方で厚さ
1.0mmに塗布した後、120℃で30分間熱処理す
ると、試験用被膜が形成された。この被膜について、J
IS K−6830に従って、その引張り剪断接着強度
を測定した。その結果を表1に示す。表1のとおり、実
施例はいずれも30kg/cm以上と強く、比較例は
いずれも弱かった。また、その剪断破壊面の状態を目視
で観察し、凝集破壊であればcf、界面破壊であればa
fと表1に示している。実施例の全てと比較例1〜2は
いずれも凝集破壊であり、比較例3〜4は界面破壊であ
った。
【0044】(貯蔵安定性試験)再生塗料微粉末を含有
したプラスチゾル組成物の各々を40℃で10日間貯蔵
した。貯蔵前後の25℃における粘度をBH型粘度計を
用いて測定し、貯蔵後の増粘率を求めた。その結果を表
1に示す。表1のとおり、全ての実施例と比較例3〜4
はいずれも増粘率が30%未満であり、良好であった
が、比較例1〜2は貯蔵後にゲル化しており貯蔵安定性
が悪かった。
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物は、貯蔵安定性
に優れ安価である。このプラスチゾル組成物は、金属塗
装面、特にカチオン電着塗装面に塗布した後、比較的低
温、短時間の緩和な熱処理で簡便に被膜を形成すること
ができる。さらにこの被膜は、基材に対して優れた接着
性を有している。そのため、自動車車体等の基材の防
錆、飛石の緩衝、およびピンホールの目止めを目的とし
たシーリング剤、コーティング剤、耐チッピング塗料等
の下地塗料として用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 175/04 C09D 175/04 177/00 177/00 179/08 179/08 B Fターム(参考) 4J002 BD041 BD051 BD081 BD091 CK032 CM043 EP016 FD010 FD030 FD330 GH01 HA08 4J038 CD041 DG052 DG122 DG282 DG302 DH022 DJ052 GA03 GA06 JB13 JB14 KA03 MA07 MA09 MA14 NA12 NA26 PA07 PA19 PB07 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルの重合樹脂と塩化ビニルの
    共重合樹脂との少なくともいずれか一方の樹脂、芳香族
    ジイソシアネートとポリオールとからなるウレタンプレ
    ポリマーの両末端のイソシアネート基がブロック化され
    ているブロック化ウレタンプレポリマー、および可塑剤
    を含んでいる塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成物。
  2. 【請求項2】 前記イソシアネート基が、ジアルキル
    アミンとオキシムとによりまたはジアルキルアミンとラ
    クタムとによりブロック化されていることを特徴とする
    請求項1に記載の塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記芳香族ジイソシアネートはジフェ
    ニルメタンジイソシアネートが主成分であり、前記ポリ
    オールはラクトン重合体が主成分であることを特徴とす
    る請求項1に記載の塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組
    成物。
  4. 【請求項4】 モノアミド、ポリアミド、ポリイミ
    ド、ポリアミドイミドのうちの少なくとも一つの活性ア
    ミノ基含有化合物が、含まれていることを特徴とする請
    求項1に記載の塩化ビニル樹脂含有プラスチゾル組成
    物。
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