JP2002187799A - 種結晶、種結晶の検査方法及び単結晶の製造方法 - Google Patents

種結晶、種結晶の検査方法及び単結晶の製造方法

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JP2002187799A
JP2002187799A JP2000385227A JP2000385227A JP2002187799A JP 2002187799 A JP2002187799 A JP 2002187799A JP 2000385227 A JP2000385227 A JP 2000385227A JP 2000385227 A JP2000385227 A JP 2000385227A JP 2002187799 A JP2002187799 A JP 2002187799A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶に内在する欠陥を簡便にかつ確実に判別
でき、可視光や偏光で調べても結晶内部に含まれている
欠陥を観察できない結晶についても容易にかつ確実に品
質を判別できる種結晶の検査方法を提供する。単結晶製
造の歩留りを向上させることができると共に結晶品質を
安定化させることができる単結晶、及びその単結晶の製
造方法を提供する。 【解決手段】 種結晶の検査方法としては、種結晶又は
種結晶を切り出す前の結晶からZ軸方向にほぼ垂直な平
面のウエハを切り出し、ウエハの一方の面を鏡面状に仕
上げた後エッチングし、エッチングした面のエッチピッ
トに応じて種結晶の良否判別を行う。単結晶の製造方法
としては、検査によって良好な品質と判別された種結晶
を用いて結晶成長を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種結晶、この種結
晶の検査方法、及びこの種結晶を用いて結晶成長を行う
単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種結晶を使用する結晶成長方法として、
チョクラルスキー法、ブリッジマン法等が良く知られて
いる。
【0003】チョクラルスキー法は種結晶を用いて融液
から直接的に結晶を引き上げる方法であり、ブリッジマ
ン法は砲弾型のるつぼに原料を入れて溶融し、その先端
から融液を順次冷却して固化させる方法である。
【0004】しかしながら、このようないずれの結晶成
長方法によっても、育成された単結晶の品質は、使用す
る種結晶の品質に依るところが大きい。即ち、品質の悪
い種結晶を用いて育成を行うと、肩の部分に生じる歪等
によりクラック、粒界及び/又は異常成長稜が頻繁に発
生し、歩留りが低下する。
【0005】このような不都合を解決すべく、特開平6
−1690号公報では、種結晶をエッチング液に浸して
表面加工歪層を除去し、結晶成長を行う方法を提案して
いる。
【0006】また、特開平6−211595号公報で
は、種結晶の一部を鏡面研磨し、可視光又は偏光下で種
結晶中にZ軸方向の筋状パターンがないかどうか調べて
選別し、結晶成長を行う方法を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平6−1
690号公報に記載の方法によると、表面の加工歪層は
除去できるが、種結晶の内部に含まれる例えば粒界等の
欠陥は除去できず、従って実際に結晶を成長させてみな
いと種結晶が良好な品質を有しているかどうかを判断す
ることができない。
【0008】また、特開平6−211595号公報の方
法は、ランガサイト型構造を有する結晶のように可視光
や偏光で調べても結晶内部に含まれている欠陥を観察で
きない結晶については、全く適用できない。
【0009】従って本発明の目的は、結晶に内在する欠
陥を簡便にかつ確実に判別できる種結晶の検査方法を提
供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、可視光や偏光で調べ
ても結晶内部に含まれている欠陥を観察できない結晶に
ついても容易にかつ確実に品質を判別できる種結晶の検
査方法を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、単結晶製造の
歩留りを向上させることができると共に結晶品質を安定
化させることができる単結晶及びその単結晶の製造方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、種結晶
又は種結晶を切り出す前の結晶からZ軸方向にほぼ垂直
な平面のウエハを切り出し、ウエハの一方の面を鏡面状
に仕上げた後エッチングし、エッチングした面のエッチ
ピットに応じて種結晶の良否判別を行う種結晶の検査方
法が提供される。
【0013】成長方向であるZ軸方向にほぼ垂直な平面
として結晶から切り出したウエハの一方の面を鏡面状に
仕上げた後エッチングし、そのエッチングした面のエッ
チピットに応じて良否判別を行っているので、結晶に内
在する欠陥を簡便にかつ確実に判別でき、さらに、例え
ばランガサイト型構造を有する結晶のように可視光や偏
光で調べても結晶内部に含まれている欠陥を観察できな
い結晶についても容易にかつ確実に品質を判別できる。
しかも、ウエハに切り出して鏡面仕上げ処理、エッチン
グ処理及び良否判別処理を行っているので、作業性が非
常に優れている。
【0014】さらに本発明によれば、種結晶又は種結晶
を切り出す前の結晶からZ軸方向にほぼ垂直な平面のウ
エハを切り出し、ウエハの一方の面を鏡面状に仕上げた
後エッチングし、エッチングした面のエッチピットに応
じてこの種結晶の良否判別を行い、良好な品質と判別さ
れた種結晶を用いて結晶成長を行う単結晶の製造方法が
提供される。
【0015】成長方向であるZ軸方向にほぼ垂直な平面
として結晶から切り出したウエハの一方の面を鏡面状に
仕上げた後エッチングし、そのエッチングした面のエッ
チピットに応じて良否判別し、良好な品質の種結晶を用
いて結晶成長を行っているので、例えばランガサイト型
構造を有する結晶のように可視光や偏光で調べても結晶
内部に含まれている欠陥を観察できない結晶について
も、容易にかつ確実に種結晶の品質を判別できる。従っ
て、欠陥の多い結晶を種結晶として使用しないようにす
ることによって、単結晶製造の歩留りを向上させること
ができる。しかも、ウエハに切り出して鏡面仕上げ処
理、エッチング処理及び良否判別処理を行っているの
で、作業性が非常に優れている。また、良好な品質の種
結晶のみを使用して結晶育成を行えるので、製造した単
結晶品質を安定化させることができる。
【0016】ウエハが、種結晶又は種結晶を切り出す前
の結晶の端面から切り出されることがより好ましい。こ
の場合、ウエハの鏡面状に仕上げられる上述の一方の面
が、このウエハを切り出すべく切断された側の面である
ことがより好ましい。種結晶は、実際に成長に貢献する
その端面の特性が重要であり、その端面に対応するウエ
ハの切断された側の面について検査することによって、
より正確に種結晶の品質を把握することが可能となる。
【0017】また、本発明によれば、種結晶又は種結晶
を切り出す前の結晶のZ軸方向にほぼ垂直な端面を鏡面
状に仕上げた後エッチングし、エッチングした面のエッ
チピットに応じて種結晶の良否判別を行う種結晶の検査
方法が提供される。
【0018】またさらに、本発明によれば、種結晶又は
種結晶を切り出す前の結晶のZ軸方向にほぼ垂直な端面
を鏡面状に仕上げた後エッチングし、エッチングした面
のエッチピットに応じて種結晶の良否判別を行い、良好
な品質と判別された種結晶を用いて結晶成長を行う単結
晶の製造方法が提供される。
【0019】成長方向であるZ軸方向にほぼ垂直な端面
を鏡面状に仕上げた後エッチングし、そのエッチングし
た面のエッチピットに応じて良否判別し、良好な品質の
種結晶を用いて結晶成長を行っているので、例えばラン
ガサイト型構造を有する結晶のように可視光や偏光で調
べても結晶内部に含まれている欠陥を観察できない結晶
についても、容易にかつ確実に種結晶の品質を判別でき
る。従って、欠陥の多い結晶を種結晶として使用しない
ようにすることによって、単結晶製造の歩留りを向上さ
せることができる。また、良好な品質の種結晶のみを使
用して結晶育成を行えるので、製造した単結晶品質を安
定化させることができる。
【0020】エッチングした面のエッチピットの大きさ
及び分布状態を観察して良否判別を行うか、又はエッチ
ングした面のエッチピットの密度を求めて良否判別を行
うことが好ましい。
【0021】種結晶が、ランガサイト型結晶構造を有す
る物質、ガーネット、ニオブ酸リチウム又はタンタル酸
リチウムであることも好ましい。このランガサイト型結
晶構造を有する物質が、LaTa0.5Ga5.5
14、LaGaSiO 又はLaNb0.5
5.514であることがより好ましい。
【0022】種結晶が、Z軸方向に対して±10°以内
の方位を有する結晶であることも好ましい。
【0023】さらに、本発明によれば、鏡面状に仕上げ
られかつエッチングされたZ軸方向にほぼ垂直な端面を
有しており、エッチングされた端面のエッチピットの大
きさ及び分布状態が良好と判別される範囲にある種結晶
も提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態におけ
る種結晶の検査手順を概略的に示す図である。
【0025】種結晶を切り出そうとする結晶を用意す
る。この結晶は、表面弾性波素子等に用いられる圧電性
単結晶の一種であるランガサイト型結晶構造を有する物
質、ニオブ酸リチウム若しくはタンタル酸リチウム、又
は基板材料として用いられるガーネットである。このラ
ンガサイト型結晶構造を有する物質としては、La
0.5Ga5.514、LaGaSiO14
はLaNb0.5Ga 5.514である。
【0026】まず、同図(A)に示すように、この種結
晶を切り出そうとする結晶10の肩部とテール部とをZ
軸方向に垂直な切断面11及び12で切断する。次い
で、この切断した結晶の端面における切断線が同図
(B)のごとくなるように、この結晶を切断し、Z軸方
向が長手方向であり一辺が約5mm程度の複数の角柱形
状の種結晶を切り出す。
【0027】次いで、同図(C)に示すように、切り出
した各角柱形状種結晶13の端面をその長手方向に垂直
な切断面14で薄く切断することにより、同図(D)に
示すようなウエハ15を得る。
【0028】このウエハ15の切断面を鏡面研磨し、次
いで、酸によってエッチングした後、光学顕微鏡でエッ
チピットを観察してその種結晶の品質の良否を判別す
る。
【0029】この良否判別は、本実施形態ではエッチピ
ットの大きさ及び分布状態を観察して判断している。即
ち、比較的大きなエッチピットが密集又は連続して存在
する場合は不良品質の種結晶であるとして結晶成長に使
用しない。また、エッチピットが存在しない場合及び比
較的小さなエッチピットが独立して存在している場合は
良好な品質の種結晶として結晶成長用に選別する。比較
的小さなエッチピットが連続して存在する場合及び比較
的大きなエッチピットが独立して存在している場合は、
準良好な品質と判別し、基本的に、結晶成長用に選別す
る。
【0030】図2〜図9は、種々の種結晶のウエハにつ
いてエッチピットを観察した光学顕微鏡写真を表してい
る。
【0031】図2〜図4に示す種結晶は、比較的大きな
エッチピットが密集又は連続して存在しているので不良
品質と判別される。図5及び図6に示す種結晶は、比較
的小さなエッチピットが連続して存在しているから準良
好な品質と判別される。図7及び図8に示す種結晶は、
比較的大きなエッチピットが独立して存在しているので
準良好な品質と判別される。図9に示す種結晶は、比較
的小さなエッチピットが独立して存在しているので良好
な品質と判別される。
【0032】エッチピットによる種結晶の品質の良否判
別は、上述したようにエッチピットの大きさ及び分布状
態を観察して判断する方法の他に、エッチピットの密度
(EPD)を市販のウエハ欠陥解析装置等により計測す
るか又は観察により求め、これを閾値と比較して良否を
判別する方法を用いても良い。
【0033】切り出した全ての種結晶について同様の良
否判別を行った後、良好な品質と判別された種結晶のみ
を用いて結晶成長を行う。
【0034】図10は、本実施形態における単結晶成長
炉の構成を概略的に示す図である。この実施形態では、
チョクラルスキー法により単結晶成長を行っている。図
10において、100は良好な品質であると判別された
種結晶、101は育成すべき結晶原料の融液102が入
った白金、イリジウム等の貴金属製のるつぼ、103は
成長した結晶、104は加熱用の高周波誘導コイル、1
05は耐火材をそれぞれ示している。
【0035】所定の条件下、例えば雰囲気が窒素と酸素
との混合ガス中、引き上げ速度が1〜2mm/hr、結
晶回転数が10〜20rpmという条件下において結晶
の育成が行われる。チョクラルスキー法による結晶育成
手順は周知であるため詳しい説明は省略する。
【0036】以上説明した実施形態によれば、成長方向
であるZ軸方向に垂直な平面として種結晶13の端面か
ら薄く切断したウエハ15の切断面を鏡面研磨した後エ
ッチングし、そのエッチングした面のエッチピットを観
察又はその密度を計測して良否判別し、良好な品質の種
結晶を用いて結晶成長を行っているので、例えばランガ
サイト型構造を有する結晶のように可視光や偏光で調べ
ても結晶内部に含まれている欠陥を観察できない結晶に
ついても、容易にかつ確実に種結晶の品質を判別でき
る。従って、欠陥の多い結晶を種結晶として使用しない
ようにすることによって、単結晶製造の歩留りを向上さ
せることができる。また、良好な品質の種結晶のみを使
用して結晶育成を行えるので、製造した単結晶品質を安
定化させることができる。
【0037】図11は、本発明の他の実施形態における
種結晶の検査手順を概略的に示す図である。
【0038】種結晶を切り出そうとする結晶を用意す
る。この結晶は、表面弾性波素子等に用いられる圧電性
単結晶の一種であるランガサイト型結晶構造を有する物
質、ニオブ酸リチウム若しくはタンタル酸リチウム、又
は基板材料として用いられるガーネットである。このラ
ンガサイト型結晶構造を有する物質としては、La
0.5Ga5.514、LaGaSiO14
はLaNb0.5Ga 5.514である。
【0039】まず、同図(A)に示すように、この種結
晶を切り出そうとする結晶110の肩部とテール部とを
Z軸方向に垂直な切断面111及び112で切断する。
さらに、この切断した結晶の端面をそのZ軸方向に垂直
な切断面114で薄く切断することにより、同図(B)
に示すようなウエハ115を得る。
【0040】このウエハ115の切断面を鏡面研磨し、
次いで、酸によってエッチングした後、光学顕微鏡でエ
ッチピットを観察して後に個々の種結晶として切り出す
各分割領域の品質の良否を判別する。
【0041】良否判別の方法及びその変更態様は、図1
の実施形態の場合と全く同様である。
【0042】結晶110の端面(切断面112)におけ
る切断線が同図(B)のごとくなるように、この結晶を
切断し、Z軸方向が長手方向であり一辺が約5mm程度
の複数の角柱形状の種結晶を切り出しておく。
【0043】ウエハ115上の全ての分割領域について
同様の良否判別を行った後、良好な品質と判別された分
割領域に対応する種結晶のみを用いて結晶成長を行う。
【0044】結晶育成方法は、図1の実施形態の場合と
全く同様である。
【0045】また、本実施形態における作用効果につい
ても図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
【0046】以上説明した実施形態においては、種結晶
がZ軸方向の方位を有する結晶とされているが、Z軸方
向に対して±10°以内の方位を有する結晶の場合にも
本発明を適用することができる。
【0047】また、以上説明した実施形態では、単結晶
の育成にチョクラルスキー法を用いているが、種結晶を
用いる結晶成長方法であればチョクラルスキー法以外の
いかなる方法によっても本発明が実現可能であることは
明らかである。
【0048】さらに、以上説明した実施形態では、鏡面
仕上げ処理、エッチング処理及び良否判別処理の作業性
を容易にするため、種結晶又は種結晶を切り出す前の結
晶からウエハを切り出してこれを検査しているが、本発
明では、種結晶又は種結晶を切り出す前の結晶の端面を
鏡面状に仕上げた後エッチングし、エッチングした面の
エッチピットに応じて種結晶の良否判別を行っても良
い。
【0049】
【実施例】イリジウム製のるつぼに、LaTa0.5
Ga5.514(LTG)原料を充填し、高周波加熱
により融解させた後、Z軸方位を有するLTGの種結晶
をこれに浸し、徐々に引き上げることにより直径1イン
チ(約2.5cm)、長さ80mmの単結晶を成長させ
た。
【0050】この単結晶の肩部とテール部とをZ軸方向
に垂直な切断面で切断し、この切断した結晶からZ軸方
向が長手方向であり一辺が5mmの複数の角柱形状の種
結晶を切り出した。この切り出した各角柱形状種結晶の
端面をその長手方向に垂直な切断面で薄く切断すること
により、ウエハを得、そのウエハの切断面を鏡面研磨
し、ピロリン酸で140℃、15分間エッチングした
後、光学顕微鏡でエッチピットを観察してその種結晶の
品質の良否を判別した。
【0051】良否判別方法として、エッチピットの大き
さ及び分布状態を観察して判断した。即ち、比較的大き
なエッチピットが密集又は連続して存在する場合は不良
品質の種結晶であるとした。また、エッチピットが存在
しない場合及び比較的小さなエッチピットが独立して存
在している場合は良好な品質の種結晶と判断した。これ
ら、良否判別した種結晶をそれぞれ用い、チョクラルス
キー法によりZ軸方向のLTG単結晶の引き上げを行っ
た。
【0052】引き上げは窒素と酸素との混合ガス中で行
われ、引き上げ条件としては、引き上げ速度が1〜2m
m/hr、結晶回転数が10〜20rpmであった。育
成された結晶について、異常成長稜及びクラックを検査
すると、表1の結果が得られた。なお、表1において、
数値の分母は引き上げ回数、分子は異常成長稜又はクラ
ックの発生が認められた回数をそれぞれ示している。
【0053】
【表1】
【0054】以上の結果から、種結晶の端面を薄く切断
し、切断面を鏡面研磨した後にエッチングして表面を観
察し、エッチピットの大きさ及び分布状態からその種結
晶の品質の良否を判別し、品質が良好な種結晶を選別し
て単結晶の育成を行えば、異常成長稜及びクラック等の
ない良好な品質の結晶を歩留り良く育成することができ
ることが分かる。
【0055】なお、エッチングに用いる酸は、エッチピ
ットが観察できるものであれば良く、ピロリン酸以外
に、例えば塩酸やフッ化水素酸であっても良い。
【0056】以上述べた実施形態及び実施例は全て本発
明を例示的に示すものであって限定的に示すものではな
く、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施す
ることができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲
及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、成長方向であるZ軸方向にほぼ垂直な平面として結
晶から切り出したウエハの一方の面を鏡面状に仕上げた
後エッチングし、そのエッチングした面のエッチピット
に応じて良否判別を行っているので、結晶に内在する欠
陥を簡便にかつ確実に判別でき、さらに、例えばランガ
サイト型構造を有する結晶のように可視光や偏光で調べ
ても結晶内部に含まれている欠陥を観察できない結晶に
ついても容易にかつ確実に品質を判別できる。しかも、
ウエハに切り出して鏡面仕上げ処理、エッチング処理及
び良否判別処理を行っているので、作業性が非常に優れ
ている。
【0058】また、成長方向であるZ軸方向にほぼ垂直
な平面として結晶から切り出したウエハの一方の面を鏡
面状に仕上げた後エッチングし、そのエッチングした面
のエッチピットに応じて良否判別し、良好な品質の種結
晶を用いて結晶成長を行っているので、例えばランガサ
イト型構造を有する結晶のように可視光や偏光で調べて
も結晶内部に含まれている欠陥を観察できない結晶につ
いても、容易にかつ確実に種結晶の品質を判別できる。
しかも、ウエハに切り出して鏡面仕上げ処理、エッチン
グ処理及び良否判別処理を行っているので、作業性が非
常に優れている。欠陥の多い結晶を種結晶として使用し
ないようにすることによって、単結晶製造の歩留りを向
上させることができる。さらに、良好な品質の種結晶の
みを使用して結晶育成を行えるので、製造した単結晶品
質を安定化させることができる。
【0059】またさらに、成長方向であるZ軸方向にほ
ぼ垂直な端面を鏡面状に仕上げた後エッチングし、その
エッチングした面のエッチピットに応じて良否判別し、
良好な品質の種結晶を用いて結晶成長を行っているの
で、例えばランガサイト型構造を有する結晶のように可
視光や偏光で調べても結晶内部に含まれている欠陥を観
察できない結晶についても、容易にかつ確実に種結晶の
品質を判別できる。従って、欠陥の多い結晶を種結晶と
して使用しないようにすることによって、単結晶製造の
歩留りを向上させることができる。また、良好な品質の
種結晶のみを使用して結晶育成を行えるので、製造した
単結晶品質を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における種結晶の検査手順
を概略的に示す図である。
【図2】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図3】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図4】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図5】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図6】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図7】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図8】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図9】種結晶のウエハについてエッチピットを観察し
た光学顕微鏡写真である。
【図10】図1の実施形態における単結晶成長装置の構
成を概略的に示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態における種結晶の検査
手順を概略的に示す図である。
【符号の説明】
10、110 種結晶を切り出そうとする結晶 11、12、14、111、112、114 切断面 13、100 種結晶 15、115 ウエハ 101 るつぼ 102 融液 103 成長した結晶 104 高周波誘導コイル 105 耐火材

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種結晶又は該種結晶を切り出す前の結晶
    からZ軸方向にほぼ垂直な平面のウエハを切り出し、該
    ウエハの一方の面を鏡面状に仕上げた後エッチングし、
    エッチングした面のエッチピットに応じて該種結晶の良
    否判別を行うことを特徴とする種結晶の検査方法。
  2. 【請求項2】 前記ウエハが、種結晶又は該種結晶を切
    り出す前の結晶の端面から切り出されることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ウエハの鏡面状に仕上げられる前記
    一方の面が、該ウエハを切り出すべく切断された側の面
    であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 種結晶又は該種結晶を切り出す前の結晶
    のZ軸方向にほぼ垂直な端面を鏡面状に仕上げた後エッ
    チングし、エッチングした面のエッチピットに応じて該
    種結晶の良否判別を行うことを特徴とする種結晶の検査
    方法。
  5. 【請求項5】 エッチングした面のエッチピットの大き
    さ及び分布状態を観察して前記良否判別を行うことを特
    徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 エッチングした面のエッチピットの密度
    を求めて前記良否判別を行うことを特徴とする請求項1
    から4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記種結晶が、ランガサイト型結晶構造
    を有する物質、ガーネット、ニオブ酸リチウム又はタン
    タル酸リチウムであることを特徴とする請求項1から6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記ランガサイト型結晶構造を有する物
    質が、LaTa .5Ga5.514、LaGa
    SiO14又はLaNb0.5Ga5. 14
    あることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記種結晶が、Z軸方向に対して±10
    °以内の方位を有する結晶であることを特徴とする請求
    項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 種結晶又は該種結晶を切り出す前の結
    晶からZ軸方向にほぼ垂直な平面のウエハを切り出し、
    該ウエハの一方の面を鏡面状に仕上げた後エッチング
    し、エッチングした面のエッチピットに応じて該種結晶
    の良否判別を行い、良好な品質と判別された種結晶を用
    いて結晶成長を行うことを特徴とする単結晶の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記ウエハが、種結晶又は該種結晶を
    切り出す前の結晶の端面から切り出されることを特徴と
    する請求項10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ウエハの鏡面状に仕上げられる前
    記一方の面が、該ウエハを切り出すべく切断された側の
    面であることを特徴とする請求項11に記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 種結晶又は該種結晶を切り出す前の結
    晶のZ軸方向にほぼ垂直な端面を鏡面状に仕上げた後エ
    ッチングし、エッチングした面のエッチピットに応じて
    該種結晶の良否判別を行い、良好な品質と判別された種
    結晶を用いて結晶成長を行うことを特徴とする単結晶の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 エッチングした面のエッチピットの大
    きさ及び分布状態を観察して種結晶の前記良否判別を行
    うことを特徴とする請求項10から13のいずれか1項
    に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 エッチングした面のエッチピットの密
    度を求めて種結晶の前記良否判別を行うことを特徴とす
    る請求項10から13のいずれか1項に記載の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記単結晶が、ランガサイト型結晶構
    造を有する物質、ガーネット、ニオブ酸リチウム又はタ
    ンタル酸リチウムであることを特徴とする請求項10か
    ら15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記ランガサイト型結晶構造を有する
    物質が、LaTa 0.5Ga5.514、La
    SiO14又はLaNb0.5Ga .514
    であることを特徴とする請求項16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記種結晶が、Z軸方向に対して±1
    0°以内の方位を有する結晶であることを特徴とする請
    求項10から17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 鏡面状に仕上げられかつエッチングさ
    れたZ軸方向にほぼ垂直な端面を有しており、該エッチ
    ングされた端面のエッチピットの大きさ及び分布状態が
    良好と判別される範囲にあることを特徴とする種結晶。
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