JP2002185058A - 同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装置と分極方法 - Google Patents

同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装置と分極方法

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JP2002185058A
JP2002185058A JP2000381866A JP2000381866A JP2002185058A JP 2002185058 A JP2002185058 A JP 2002185058A JP 2000381866 A JP2000381866 A JP 2000381866A JP 2000381866 A JP2000381866 A JP 2000381866A JP 2002185058 A JP2002185058 A JP 2002185058A
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piezoelectric
coaxial flexible
flexible piezoelectric
conductive
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JP2000381866A
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Takeshi Nagai
彪 長井
Shigetoshi Kanazawa
成寿 金澤
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
Yuko Fujii
優子 藤井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同軸状可撓性圧電体に欠陥が含まれる場合、
同軸状可撓性圧電体を全体的に分極できなくなる。 【解決手段】 第1回転ドラム5および第2回転ドラム
6に圧電体チューブ3を巻き付け、この圧電体チューブ
3を巻取りながら同軸状可撓性圧電体2を分極する構成
の分極装置を提供する。これによって、欠陥が含まれる
部分の同軸状可撓性圧電体2を除いて分極できると共
に、外側電極4を形成する前に、欠陥が一定長さの圧電
体チューブ3に存在することも検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同軸状可撓性圧電ケ
ーブルの分極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に同軸状可撓性圧電ケーブルは、図
5に示すように、芯電極1の周囲に同軸状可撓性圧電体
2を形成した圧電体チューブ3の外表面に外側電極4を
形成し、更に、その周囲に保護被覆層(図示していな
い)を形成して構成される。
【0003】従来、可撓性圧電体ケーブルは、以下のよ
うにして分極されていた。
【0004】文献1(“圧電セラミック粉末と合成ゴム
とから成る圧電複合材料、粉体と工業、22巻、1号、
50−56頁)では、芯電極1と外側電極4の間に高電
圧を印加して、同軸状可撓性複合圧電体2を分極するこ
とが示されている。このことは、USP4、568、8
51号にも明示されている。分極により、セラミック粒
子の自発分極の方向が電界方向に揃うので、同軸状可撓
性複合圧電体2に圧電性が付与される。この点で、分極
は重要な役割を担っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、芯電極1と外
側電極4の間に高電圧を印加したとき、同軸状可撓性複
合圧電体2中に微少なクラックや空隙などの欠陥が存在
する場合、その欠陥部で微少放電が生じる。この微少放
電により、芯電極1や外側電極4を構成する導電材料お
よび可撓性複合圧電体2の構成材料が熱的に蒸発、飛散
して、芯電極1と外側電極4間が短絡する。その結果、
芯電極1と外側電極4間に高電圧を印加できなくなるの
で、同軸状可撓性複合圧電体2(通常、数百m以上の長
さ)を分極できなくなるという課題があった。
【0006】また、芯電極1と外側電極4の間に高電圧
を印加するまで、言い換えると、分極することを除い
て、同軸状可撓性圧電ケーブルとして完成するまで欠陥
の存在を検出できないので、製造が不安定になる、歩留
まりが低下するという課題もあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、芯電極周囲に同軸状可撓性圧電体を形成
した圧電体チューブの略半周面と接する溝を複数有する
と共に一定方向に回転する第1導電体ドラムと、前記第
1導電体ドラムの後ろに配置され、前記圧電体チューブ
の他の略半周面と接する溝を複数有する第2導電体ドラ
ムと、前記第2導電体ドラムの後ろに配置され、前記圧
電体チューブを巻き取る巻取手段と、前記第1導電体ド
ラムと前記第2導電体ドラムを電気的に接続する導通手
段と、前記導通手段と前記芯電極に接続された電圧発生
手段とから成る分極装置を提供する。
【0008】上記発明によれば、同軸状可撓性圧電体が
第1導電体ドラムの溝と第2導電体ドラムの溝に接触し
ているので、第1導電体ドラムと第2導電体ドラムは外
側電極として作用する。従って、前記第1導電体ドラム
と前記第2導電体ドラムを電気的に接続する導通手段と
芯電極間に電圧手段により直流電圧を印加することによ
り、第1導電体ドラムの溝と第2導電体ドラムの溝に配
設された部分の同軸状可撓性圧電体を分極できる。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の分極装置は、同
軸状可撓性圧電体を第1導電体ドラムの溝と第2導電体
ドラムの溝に配設することにより、第1導電体ドラムと
第2導電体ドラムは外側電極として作用する。従って、
第1導電体ドラムと第2導電体ドラムを電気的に接続す
る導通手段と芯電極の間に高電圧を印加することによ
り、第1導電体ドラムの溝と第2導電体ドラムの溝に配
設された部分の同軸状可撓性圧電体(以下、被分極同軸
状可撓性圧電体と言う)だけを分極できる。
【0010】微少な欠陥を含む部分の同軸状可撓性圧電
体が被分極同軸状可撓性圧電体になったとき、欠陥部で
の放電による芯電極と外側電極間の短絡により、導通手
段と芯電極間に高電圧を印加できなくなる。しかし、こ
の短絡部が第1導電体ドラムと第2導電体ドラムから離
脱した後の被分極同軸状可撓性圧電体は、再び正常に分
極できる。従って、欠陥部が存在しても、全体の同軸状
可撓性圧電体が分極できなくなることは無い。また、こ
のことは、微少な欠陥が、一定長さの被分極同軸状可撓
性圧電体の部分に存在することを示すので、外側電極を
形成する前に、微少な欠陥が一定長さ範囲内に存在する
ことを検出できる。
【0011】請求項2に記載の分極装置は、巻取手段に
より巻き取られる圧電体チューブにより第1導電体ドラ
ムおよび第2導電体ドラムを回転させる。従って、第1
導電体ドラムと第2導電体ドラムを回転させるための特
別な装置を必要としないで、第1導電体ドラムと第2導
電体ドラムを同期して互いに反対方向に回転させること
ができる。また、被分極同軸状可撓性圧電体が、第1導
電体ドラムの溝と第2導電体ドラムの溝に配設されてい
る時間だけ分極されるので、巻取手段の巻取速度を制御
することにより、分極時間を制御できる。。
【0012】請求項3に記載の分極装置は、前各請求項
に記載の構成に加えて、圧電体チューブが第1導電体ド
ラムに配設される前の圧電体チューブに張力を印加する
張力印加手段を設けた構成である。同軸状可撓性圧電体
が被分極同軸状可撓性圧電体として配設される前の同軸
状可撓性圧電体に一定の張力が印加されるので、第1導
電体ドラムの溝および第2導電体ドラムの溝に密着して
被分極同軸状可撓性圧電体を配設できる。
【0013】請求項4に記載の分極装置は、前各請求項
に記載の構成に加えて、圧電体チューブが第2導電体ド
ラムから離脱した後の圧電体チューブの表面電荷を除去
する放電手段を設けた構成である。被分極同軸状可撓性
圧電体の表面には、分極中に発生した表面電荷が存在し
ているが、放電手段によりこの表面電荷が除去されるの
で、例えば、人体の一部が同軸状可撓性圧電体の表面に
触れても、感電しないので、作業の安全性を確保でき
る。
【0014】請求項5に記載の分極装置は、前各請求項
に記載の構成に加えて、同軸状可撓性圧電体の芯線と導
通手段間の静電容量を検出する静電容量検出手段を設け
た構成である。被分極同軸状可撓性圧電体と第1導電体
ドラムの溝および第2導電体ドラムの溝との密着性が悪
い場合、例えば被分極同軸状可撓性圧電体がこれらの溝
から浮いた場合、芯線と導通手段間の静電容量は減少す
るので、両者間に直流電圧を印加して分極しながら同時
に、静電容量検出手段により両者の密着性を監視でき
る。
【0015】請求項6に記載の分極装置は、前各請求項
に記載の構成に加えて、第1導電体ドラムと第2導電体
ドラムを取り囲む電気絶縁性仕切り壁を設けた構成であ
る。第1導電体ドラムと第2導電体ドラムを電気的に接
続する導通手段と芯電極の間に直流高電圧を印加したと
き、電気絶縁性仕切り壁は第1導電体ドラムと第2導電
体ドラムに人体が接触することを防ぐので、分極作業の
安全性を確保できる。
【0016】請求項7に記載の分極装置は、請求項6に
記載の電気絶縁性仕切り壁が透明である構成である。同
軸状可撓性圧電体を巻取手段により巻き取りつつ、か
つ、同軸状可撓性圧電体の芯線と導通手段間に直流電圧
を印加しているとき、第1導電体ドラムと第2導電体ド
ラムの回転状態や被分極同軸状可撓性圧電体の運動を目
視観察できる。
【0017】請求項8に記載の分極装置は、請求項6に
記載の構成に加えて、電気絶縁性仕切り壁内部に温風を
吹き込む温風発生手段を設けた構成である。温風温度を
適切に制御することにより、第1導電体ドラムと第2導
電体ドラムの温度を適切に制御できるので、必要な温度
で被分極同軸状可撓性圧電体を分極できる。
【0018】請求項9に記載の分極装置は、前各請求項
に記載の第1導電体ドラムおよび第2導電体ドラムをス
テンレス鋼で構成した分極装置である。被分極同軸状可
撓性圧電体に存在する欠陥部での放電が生じたとき、ス
テンレス鋼の熱的蒸発量は少ないので、放電による第1
導電体ドラムおよび第2導電体ドラムの損傷を小さくで
きる。
【0019】請求項10に記載の分極方法は、同軸状可
撓性圧電体チューブが最初に第1導電体ドラムの溝に配
設された後、第2導電体ドラムの溝に配設し、次に、第
1導電体ドラムの溝に配設することを繰り返して、所定
の長さの前記同軸状可撓性圧電体チューブを配設し、そ
の後、前記同軸状可撓性圧電体チューブが巻取手段によ
り巻き取られているとき、同軸状可撓性圧電体チューブ
の芯線と導通手段間に直流電圧を印加する分極方法であ
る。
【0020】被分極同軸状可撓性圧電体が第1導電体ド
ラムの溝に配設されたとき、この被分極同軸状可撓性圧
電体の半周面が同溝に接触し、他方、第2導電体ドラム
の溝に配設されたとき、この被分極同軸状可撓性圧電体
の他の半周面が同溝に接触しするので、結果として、被
分極同軸状可撓性圧電体の全周にわたり分極できる。
【0021】請求項11に記載の分極方法は、請求項1
0に記載の分極方法において、圧電体チューブの芯線を
アース電位にして、芯線と導通手段間に直流電圧を印加
する分極方法である。
【0022】第1導電体ドラムと第2導電体ドラムを電
気的に接続する導通手段7と芯電極の間に直流高電圧を
印加したとき、人体に危険な直流高電圧部分を第1導電
体ドラムと第2導電体ドラムに限定できるので、仕切り
壁などにより人体への安全を容易に確保できる。
【0023】請求項12に記載の分極方法は、請求項1
1に記載の分極方法において、同軸状可撓性圧電体チュ
ーブが芯線と、塩素化ポリエチレンとセラミック圧電体
粉末から成る同軸状複合圧電体を用いた分極方法であ
る。この複合圧電体は弾性に富むので、第1導電体ドラ
ムの溝および第2導電体ドラムの溝に容易に密着でき
る。
【0024】
【実施例】以下、本本発明の実施例について図面を用い
て説明する。
【0025】(実施例1)図1は本発明の実施例1の同
軸状可撓性圧電体分極装置の構成を示す外観見取図であ
る。芯電極1に対して同軸状に可撓性圧電体2が形成さ
れる(以下では、この成形体を圧電体チューブ3と言
う)。芯電極1として、コイル状金属線や金属細線を束
ねた線などが用いられる。可撓性圧電体2として、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂などの高分子母材に、チタン酸ジルコン
酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合圧電体
やPVDFなどの高分子圧電体が用いられる。
【0026】圧電体チューブ3は、複数の溝51を有す
る例えば円柱状の第1導電体ドラム5(以下、第1回転
ドラム5という)の端部の溝に巻付けられ、次に、複数
の溝61を有する例えば円柱状の第2導電体ドラム6
(以下、第2回転ドラム6という)の端部の溝に巻付け
られ、更に、第1回転ドラム5の端部の溝に隣接した溝
に巻付けられることを繰り返して、所定の長さに巻付け
られた後、巻取ドラム8に巻き取られる。なお、図1で
は、第1回転ドラム5、第2回転ドラム6、巻取ドラム
8などに巻き付けられた圧電体チューブ3は、黒太線で
示してあり、また、その巻付け方向を矢印で示してい
る。また、図2は、圧電体チューブ3を拡大した外観見
取図である。同軸状可撓性圧電体2の半周面21は第1
回転ドラム5の溝に接触し、同軸状可撓性圧電体2の残
りの半周面22は第2回転ドラム6の溝に接触して、巻
付けされる。第1回転ドラム5および第2回転ドラム6
は、導通手段7により電気的に接続される。導通手段7
は、リード線9aを介して電気的に直流電圧発生手段1
0の正極または負極に接続され、また、芯電極1はリー
ド線9bを介して電気的に直流電圧発生10の他の極に
接続される。
【0027】このように接続して、巻取りドラム8を回
転させて、圧電体チューブ3を巻き取るとき、直流電圧
発生手段10により芯電極1と第1回転ドラム5間に高
電圧が印加されるので、半周面21部の同軸状可撓性圧
電体2が分極される。同様にして、芯電極1と第2回転
ドラム6間にも高電圧が印加されるので、半周面22部
の同軸状可撓性圧電体2が分極される。従って、半周面
21および22が第1回転ドラム5または第2回転ドラ
ム6に巻付けられている時間、同軸状可撓性圧電体2は
全周にわたり分極される。分極時には、芯電極1と第1
回転ドラム5および第2回転ドラム6間に(5〜10)
kV/mmの高電圧が印加される。
【0028】同軸状可撓性圧電体2中に微少な欠陥が含
まれ、その部分が第1回転ドラム5または第2回転ドラ
ム6に巻付けられているとき、欠陥部で生じる微少な放
電により、芯電極1や第1回転ドラム5または第2回転
ドラム6が熱的に蒸発して、第1回転ドラム5または第
2回転ドラム6と芯電極1間が短絡する。この結果、分
極できなくなる。しかし、この欠陥部が第2回転ドラム
6から離脱し、そのとき第1回転ドラム5および第2回
転ドラム6に巻き付けられている同軸状可撓性圧電体2
中に欠陥がなければ、第1回転ドラム5または第2回転
ドラム6と芯電極1間の絶縁性は再び回復するので、分
極が可能になる。
【0029】このように、本実施例の分極装置によれ
ば、欠陥を含む部分が第1回転ドラム5および第2回転
ドラム6に巻き付けられているときのみ、分極をできな
いが、それ以外の場合は分極可能である。従って、欠陥
部の存在により、圧電体チューブ3が全体にわたり分極
できなくなることは無い。また、放電が生じた時点の被
分極同軸状可撓性圧電体2に欠陥が存在することは、明
らかである。従って、外側電極4が形成される前に、欠
陥が一定長さの圧電体チューブ3に存在することが検出
できるので、圧電ケーブルとして完成した後、その欠陥
部を容易に除去できる。これにより、製造を安定化でき
ると共に、歩留まりも向上できる。
【0030】同軸状可撓性圧電体2の半周面21が第1
回転ドラム5の溝に接触し、また、残りの半周面22が
第2回転ドラム6の溝に接触して巻付けられるとき、第
1回転ドラム5と第2回転ドラム6は同じ回転速度で、
互いに反対方向に回転することが必要である。このため
には、第1回転ドラム5と第2回転ドラム6をそれぞれ
モータで駆動してもよいが、巻取りドラム8で圧電体チ
ューブ3を巻き取るときに同チューブ4に生じる張力に
より第1回転ドラム5と第2回転ドラム6を駆動するこ
とが望ましい。これにより、両ドラム5、6を同じ回転
速度で、互いに反対方向に容易に回転できる。
【0031】(実施例2)図3は本発明の実施例2の同
軸状可撓性圧電体分極装置の構成を示す外観見取図であ
る。
【0032】巻取りドラム8により圧電体チューブ3を
巻き取るとき、圧電体チューブ3が第1回転ドラム5に
巻き付けられる前に、張力印加手段11により圧電体チ
ューブ3に張力を印加することが望ましい。同軸状可撓
性圧電体2の半周面21が第1回転ドラム5の溝に接触
するとき、両者の密着性が良好になるからである。密着
性が劣る場合、例えば、両者の間に空気層が存在する場
合、第1回転ドラム5と芯電極1間に高電圧が印加され
ても、同軸状可撓性圧電体2に実際に印加される有効電
圧は小さくなるので、充分な分極ができなくなる。同軸
状可撓性圧電体2の他の半周面22の場合も同じことが
いえる。
【0033】張力印加手段11として、圧電体チューブ
3を挟み込むように二つの回転体を配置して、両回転体
間の距離を適切に選択することにより、圧電体チューブ
3が両回転体間を通過する物理的抵抗を制御する構成が
ある。
【0034】(実施例3)図4は本発明の実施例3の同
軸状可撓性圧電体分極装置の構成を示す外観見取図であ
る。
【0035】同軸状可撓性圧電体2が分極された後、芯
電極1および同軸状可撓性圧電体2の外周面(半周面2
1と他の半周面22)に電荷が残留する。この残留電荷
に人体が触れたとき、残留電荷が人体を通じて放電し、
危険な場合がある。分極作業の安全性を確保するため
に、圧電体チューブ3が第2回転ドラム6から離脱した
後、残留電荷を除去する放電手段12を備えることが望
ましい。
【0036】残留電荷は、芯電極1と同軸状可撓性圧電
体2の外周面を実質的に同電位にすることにより除去で
きる。従って、放電手段12は、例えば、芯電極1に接
続された導電性液体(水道水など)中を圧電体チューブ
3が通過するような構成でもよい。また、第1回転ドラ
ム5や第2回転ドラム6に圧電体チューブ3を巻付けた
構成と同じ構成にして、圧電体チューブ3を放電用導電
性ドラムに巻付け、この放電用導電性回転ドラムを芯電
極1に接続してもよい。
【0037】残留電荷の放電も含めて、分極作業の安全
性を確保するために、第1回転ドラム5や第2回転ドラ
ム6を直流高電圧の正極または負極に接続し、芯電極1
はアースすることが望ましい。高電圧部は第1回転ドラ
ム5、第2回転ドラム6、導通手段7およびリード線9
aなどに限定されるので、これらの部分のみを外界から
分離することにより、人体が高電圧部に接触する可能性
を容易に低減できる。また、残留電荷の放電のときに
も、放電用導電性回転ドラムをアース電位に保持すれば
よいので、全く危険を伴わない。他方、芯電極1を直流
電圧発生手段10の正極または負極に接続した場合、芯
電極1が高電圧に保持されるので、分極装置全体に高電
圧部が存在する。従って、人体が高電圧部に接触する可
能性が大きくなる。
【0038】高電圧が印加される第1回転ドラム5およ
び第2回転ドラム6を外界から分離するには、これらの
部分を取り囲んで電気絶縁性の仕切り壁を設けることが
望ましい。これにより、人体がこれらの部分に接触する
ことを容易に防止できる。また、仕切り壁は透明である
ことが望ましい。第1回転ドラム5、第2回転ドラム6
上を含め、圧電体チューブ3の運動状態を目視観察でき
るので、圧電体チューブ3が第1回転ドラム5の溝や第
2回転ドラム6の溝に適切に配置されているかどうか、
常時監視できる。
【0039】同軸状可撓性圧電体2を分極するときの温
度は、一般的に、それが使用される温度以上である。こ
の点で、分極時の温度を適切に保持するために、上記仕
切り壁の内部に適切な温度に制御された温風を吹き込む
ことが望ましい。温風自身は優れた絶縁体であり、第1
回転ドラム5や第2回転ドラム6の電気絶縁性を損なう
ことなく、これらを適切な温度に保持できるので、所望
の温度で同軸状可撓性圧電体2を分極できる。
【0040】なお、芯電極1と第1回転ドラム5および
第2回転ドラム6間に高電圧を印加して、同軸状可撓性
圧電体2を分極しているとき、同時に、芯電極1と第1
回転ドラム5および第2回転ドラム6間の静電容量も監
視することが望ましい。分極中は、同軸状可撓性圧電体
2の厚さに応じて一定の電界強度(単位厚さ当たりの電
圧)になる高電圧が印加される。従って、同軸状可撓性
圧電体2の厚さを監視することが好ましい。静電容量
は、同軸状可撓性圧電体2の厚さや芯電極1に対する偏
芯の程度に依存するので、静電容量を監視することによ
り、厚さの局部的な変動を検出できる。
【0041】また、第1回転ドラム5および第2回転ド
ラム6は、導電性であるので、同軸状可撓性圧電体2を
分極できる。しかし、欠陥部で微少放電が生じたとき、
芯電極1が熱的に蒸発するだけでなく、第1回転ドラム
5および第2回転ドラム6もまた熱的に蒸発する。アル
ミニウムなどの融点が低い材料は、熱的に蒸発し易い。
他方、ステンレス鋼は高い融点を有し、熱的に蒸発し難
く、また、物理的にも優れた強度を有するので、使用中
に傷なども生じ難い。これら点を考慮すると、第1回転
ドラム5および第2回転ドラム6をステンレス鋼で構成
することが好ましい。
【0042】なお、可撓性圧電体2として、前述したよ
うに種々の材料が用いられるが、ゴム系樹脂にチタン酸
ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複
合圧電体が優れている。ゴム系樹脂として、塩素化ポリ
エチレン樹脂やクロロプレン樹脂が用いられる。この種
複合圧電体は、弾性に富むので、可撓性圧電体2が第1
回転ドラム5の溝および第2回転ドラム6の溝に密着し
易いからである。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1〜
4に記載の発明によれば、第1導電体ドラムおよび第2
導電体ドラムに密着して巻付きられた部分に微少な欠陥
が含まれる場合、欠陥を含む一定長さの被分極可撓性圧
電体は分極できないが、残りの圧電体チューブは分極で
きる。また、外側電極を形成する前に、欠陥がその一定
長さの被分極可撓性圧電体に存在することも検出でき
る。
【0044】また、本発明の請求項5に記載の発明によ
れば、可撓性圧電体の厚さを監視しながら分極できる。
【0045】また、本発明の請求項6〜8に記載の発明
によれば、分極作業の安全性を確保しつつ、適切な温度
で分極できる。
【0046】また、本発明の請求項9に記載の発明によ
れば、分極時に微少な欠陥部で放電が発生しても、第1
導電体ドラムおよび第2導電体ドラムの放電による損傷
を低減できる。
【0047】また、本発明の請求項10〜11に記載の
発明によれば、圧電体チューブを巻き取りながら、安全
に分極できる。
【0048】また、本発明の請求項12に記載の発明に
よれば、可撓性圧電体2を第1導電体ドラム5の溝およ
び第2導電体ドラム6の溝に密着し易くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における同軸状可撓性圧電ケ
ーブルの分極装置の構成を示す外観見取図
【図2】同実施例1の圧電体チューブを拡大した外観見
取図
【図3】本発明の実施例2における同軸状可撓性圧電ケ
ーブルの分極装置の構成を示す外観見取図
【図4】本発明の実施例3における同軸状可撓性圧電ケ
ーブルの分極装置の構成を示す外観見取図
【図5】従来の同軸状可撓性圧電素子の構成を示す外観
斜視図
【符号の説明】
1 芯電極 2 同軸状可撓性圧電体 21 同軸状可撓性圧電体2の半周面 22 同軸状可撓性圧電体2の残りの半周面 3 圧電体チューブ 5 第1回転ドラム 51 第1回転ドラム5の表面に設けられた複数の溝 6 第1回転ドラム 61 第2回転ドラム6の表面に設けられた複数の溝 7 導通手段 8 巻取りドラム 10 直流電圧発生手段 11 張力印加手段 12 放電手段
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 雅彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤井 優子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯電極周囲に同軸状可撓性圧電体を形成
    した圧電体チューブの略半周面と接する溝を複数有する
    と共に一定方向に回転する第1導電体ドラムと、前記第
    1導電体ドラムの後ろに配置され、前記圧電体チューブ
    の他の略半周面と接する溝を複数有する第2導電体ドラ
    ムと、前記第2導電体ドラムの後ろに配置され、前記圧
    電体チューブを巻き取る巻取手段と、前記第1導電体ド
    ラムと前記第2導電体ドラムを電気的に接続する導通手
    段と、前記導通手段と前記芯電極に接続された電圧発生
    手段とから成る同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装置。
  2. 【請求項2】 巻取手段により巻き取られる圧電体チュ
    ーブにより第1導電体ドラムおよび第2導電体ドラムを
    回転させる請求項1記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの
    分極装置。
  3. 【請求項3】 圧電体チューブが第1導電体ドラムに配
    設される前の前記圧電体チューブに張力を印加する張力
    印加手段を設けた請求項1または2記載の同軸状可撓性
    圧電ケーブルの分極装置。
  4. 【請求項4】 圧電体チューブが第2導電体ドラムから
    離脱した後の前記圧電体チューブの表面電荷を除去する
    放電手段を設けた請求項1、2または3記載の同軸状可
    撓性圧電ケーブルの分極装置。
  5. 【請求項5】 圧電体チューブの芯線と導通手段間の静
    電容量を検出する静電容量検出手段を設けた請求項1〜
    4のいずれか1項記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分
    極装置。
  6. 【請求項6】 第1導電体ドラムと第2導電体ドラムを
    取り囲む電気絶縁性仕切り壁を設けた請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装
    置。
  7. 【請求項7】 電気絶縁性仕切り壁は透明である請求項
    6記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装置。
  8. 【請求項8】 電気絶縁性仕切り壁内部に温風を吹き込
    む温風発生手段を設けた請求項6記載の同軸状可撓性圧
    電ケーブルの分極装置。
  9. 【請求項9】 第1導電体ドラムおよび第2電体ドラム
    はステンレス鋼から成る請求項1〜8のいずれか1項記
    載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分極装置。
  10. 【請求項10】 圧電体チューブが最初に第1導電体ド
    ラムの溝に配設された後、第2導電体ドラムの溝に配設
    し、次に、第1導電体ドラムの溝に配設することを繰り
    返して、所定の長さの前記圧電体チューブを配設し、そ
    の後、前記圧電体チューブが巻取手段により巻き取られ
    ているとき、前記圧電体チューブの芯線と導通手段7間
    に直流電圧を印加する同軸状可撓性圧電ケーブルの分極
    方法。
  11. 【請求項11】 圧電体チューブの芯線をアース電位に
    して、前記芯線と導通手段7間に直流電圧を印加する請
    求項10記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分極方法。
  12. 【請求項12】 同軸状可撓性圧電体が、ゴム系樹脂と
    セラミック圧電体粉末から成る同軸状可撓性圧電体を用
    いる請求項11記載の同軸状可撓性圧電ケーブルの分極
    方法。
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