JP2006184064A - ケ−ブル状圧力センサの分極装置およびその分極方法 - Google Patents

ケ−ブル状圧力センサの分極装置およびその分極方法 Download PDF

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Abstract

【課題】芯電極と外側電極間に高電圧を印加して分極を行うと微少な欠陥があった場合、可撓性感圧体の全てが分極できない。またブロック状導電体と可撓性感圧体との接触抵抗が大きく、移動スピードを上げることができないために生産効率が下がるという課題があった。
【解決手段】芯電極11に周設された可撓性感圧体12と、前記可撓性感圧体12の通路を有するコイル形状の分極電極13と、前記芯電極11と前記分極電極13に接続された直流電圧発生手段17と、前記可撓性感圧体12を移動させる移動手段15と、前記分極電極13を加熱する加熱手段14とから構成することによって、分極電極と可撓性感圧体の接触抵抗を低減でき、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。さらに、可撓性感圧体の外周を分極できるので分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明はケーブル状圧力センサの分極装置および分極方法に関するものである。
従来、この種のケ−ブル状圧力センサは図7に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。図7に示すように、芯電極1の周囲に可撓性感圧体2を配置し、その周囲に外側電極3と外皮4を順次被覆して構成されている。可撓性感圧体2としては合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられ、外側電極3は可撓性感圧体2の表面に銀系ゴム塗料などの導電塗料を塗着したものが用いられている。上記ケ−ブル状圧力センサの一部あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極1と外側電極3の間に電圧が誘起され、この誘起電圧を利用して圧力を検出している。
分極方法は、芯電極1と外側電極3の間に高電圧を印加して、可撓性感圧体2を分極している(例えば、非特許文献1参照)。また図8に示すように、可撓性感圧体2をブロック状導電体5の通路に配設させ、ブロック状導電体5と芯電極1間に電圧を印加させることにより、ブロック状導電体5に配設された部分の可撓性感圧体2を分極している(例えば、特許文献2参照)。この分極により、セラミック粒子の自発分極の方向が電界方向に揃うので、可撓性感圧体2に圧電性が付与される。
特開昭62−230071号公報 特開2002−280633号公報 「圧電セラミック粉末と合成ゴムとから成る圧電複合材料」紛体と工業、22巻、1号、1990年p50・56
しかしながら、従来のケ−ブル状圧力センサの分極方法では、芯電極1と外側電極3の間に高電圧を印加したときに、可撓性感圧体2中に微小なクラックや空孔などの欠陥が存在すると、その欠陥部で微小放電が生じる。この微小放電により、可撓性感圧体2の構成材料が熱的に蒸発、飛散して芯電極1と外側電極3間が短絡し、芯電極1と外側電極3間に高電圧を印加できなくなるので可撓性感圧体2を分極できないという課題を有していた。
また、ブロック状導電体5に可撓性感圧体2を配設し、可撓性感圧体2を移動手段7によって移動させながら分極する場合において、ブロック状導電体5と可撓性感圧体2との接触抵抗が大きく、移動スピードを上げることができないために生産効率が下がるという課題があった。さらに、無理に移動スピードを上げると接触抵抗によって可撓性感圧体2に擦れなどの傷が入り、分極に支障をきたすことがあった。また、ブロック状導電体5の通路が溝の場合、ブロック状導電体5に対向しない可撓性感圧体2部分が分極されないため、特性ばらつきが生じる可能性があった。また、分極効率を上げるためにブロック状導電体5を加熱する加熱手段6を設けているが、ブロック状導電体5に対向しない可撓性感圧体2部分とブロック状導電体5に接する部分との温度に差があり、温度分布が生じていたため、分極効率においてもばらつきが生じるという課題があった。さらに、ロック状導電体5の通路を孔にした場合においては、可撓性感圧体2を加熱しすぎた場合、可撓性感圧体2に含まれる揮発成分がブロック状導電体5の通路内に付着し、分極電圧はその付着物を介して可撓性感圧体2に印加されるので、分極効率が低下するという課題もあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐ。
さらに、分極電極をコイル形状で構成することで、可撓性感圧体と分極電極間の接触抵抗を低減し、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体表面の亀裂発生を抑制するとともに、可撓性感圧体の移動速度を上げることによる生産効率の向上を目的とする。
また、コイル形状の分極電極なので可撓性感圧体の周囲から分極することができるので分極されない部分がなく、特性ばらつきを低減することを目的とする。
さらに、コイル形状の分極電極の熱伝導で可撓性感圧体を周囲から加熱することで均一加熱し、分極効率を上げるとともに、局部的な温度上昇による揮発物が分極電極に付着することで分極効率が低下することを抑制して、分極時の均一加熱を実現することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のケーブル状圧力センサの分極装置は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有する分極電極と、前記芯電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段とからなり、前記分極電極は、前記可撓性間圧体の周縁の少なくとも一部と近接するように周設したことを特徴とするケーブル状圧力センサの分極装置。
これにより、少なくとも一部が近接するように分極電極を周設する構成で、すなわち可撓性感圧体の直径よりも、大きい内径を有する分極電極であるが、全周囲が密着するものでないので、可撓性感圧体との接触抵抗を低減して状態で通路中の移動をさせることができ、かつ、全周囲から分極できる。よって、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。
また、可撓性感圧体の外周縁と分極電極は、移動手段によって移動している最中に、接触するか、または近接するかの位置関係にあり、外周の全周囲から分極のための電圧印加ができるので、満遍なく分極することが可能で、分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。また、分極電極が加熱手段より加熱されるので、全周囲的に均一に加熱することも可能であり、温度分布が不均一になることで分極が不均一になることも防止できて、特性ばらつきのない安定した特性を得ることが可能となる。
本発明のケーブル状圧力センサの分極装置は、分極電極と可撓性感圧体の接触抵抗を低減した状態で移動しながら外側電極の被覆前に長尺の可撓性感圧体の分極を行うことができるので、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。さらに、可撓性感圧体の外周を満遍なく分極できるので分極できていない部分がなく、特性ばらつきがなく安定した特性を得ることが可能となる。また、分極電極と加熱手段を一体構成することによって、可撓性感圧体を均に加熱することがで、分極効率も向上できる。
第1の発明は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有する分極電極と、前記電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段とからなり、前記分極電極は、前記可撓性間圧体の周縁の少なくとも一部と近接するように周設したことを特徴とするケーブル状圧力センサの分極装置である。
そして、少なくとも一部が近接するように分極電極を周設する構成で、全周囲が密着するよりも、可撓性感圧体との接触抵抗を低減して状態で通路中の移動をさせることができ、かつ、全周囲から分極できる。よって、生産性が向上するとともに、分極電極との接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。
また、可撓性感圧体の外周縁と分極電極は、移動手段によって移動している最中に、少なくともその一部が接触するか、または近接するかの位置関係にあり、外周の全周囲から分極のための電圧印加するので、外周面から満遍なく分極することが可能で、分極できていない部分がなく特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。また、分極電極が加熱手段より加熱されるので、全周囲的に均一に加熱することも可能であり、温度分布が不均一になることで分極が不均一になることも防止できて、特性ばらつきのない安定した特性を得ることが可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、分極電極がコイル状の形状としたものである。
そして、分極電極がコイル状の形状として、コイルの中心を可撓性感圧体の通路とするので、コイル直径と可撓性感圧体の直径のサイズを調整することで、コイルの内周面と可撓性感圧体周縁との接触抵抗を低減させることが容易である。また、コイルの巻き密度を操作することによって、その接触抵抗を小さくすることも可能である。このように接触抵抗を小さくしても、可撓性感圧体の外周を必ず分極電極が覆う構成が可能であり、全周囲から分極することが可能となる。
第3の発明は、第1または2の発明において、複数の分極電極を空隙を介して設け、可撓性圧電体の通路が連続するように設けたことを特徴とするものである。
そして、この構成により、可撓性感圧体に欠陥部が存在すると、欠陥部を一部に含む一連の可撓性感圧体の分極はできなくなるが、複数の分極電極を断続して設けることで、一定の長さで分極がし得なかった部分があったとしても、分極出来なかった部分を最小単位にとどめて、再度分極することが可能となる。よって、一連の可撓性感圧体の外側電極を形成する前に、微小な欠陥が一定長さ範囲内に存在することを検知することができ、これを加工して圧電ケーブルとして製造する際の歩留まりを向上することができる。
第4の発明は、第1から3の発明において、分極電極が、加熱手段を兼ねる構成としたものである。
そして、分極電極が加熱手段を兼ねるので、可撓性感圧体の周縁の少なくとも一部に接して分極しながら加熱を周囲から同時に行うので、分極効率を向上させることができる。
例えば、分極電極は、発熱体を内蔵し、絶縁体を介して導電体を設けた構成として、導電体に直流電流印加手段を接続し、電圧を印加しながら発熱体により絶縁体と導電体を介して、可撓性感圧体を加熱するようにするものである。
第5の発明は、第4の発明において極電極が、発熱体の上下面に設けられた絶縁体と、絶縁体の表面に設けられた導電体とで構成され、直流電圧発生手段は芯電極と導電体に接続する構成とした請求項4記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
そして、このような構成で、リボン状の発熱体と絶縁体と導電体によりコイル形状を形成するので、容易にコイル状の分極電極と加熱手段とを一体化して分極装置を小型化できる。コイル状の分極電極の可撓性感圧体に対向する表面が面体で、感圧体を素早く均一に電圧印加と加熱することができ、分極効率が向上することができる。
第6の発明は、第4の発明において、分極電極が、発熱体の外周に設けられた絶縁体と、絶縁体の外周に設けられた導電体とで構成され、直流電圧発生手段は芯電極と導電体に接続する構成としたものである。
そして、このような構成で、同軸状の発熱体と絶縁体と導電体によりコイル形状を形成するので、容易にコイル状の分極電極と加熱手段とを一体化して分極装置を小型化できることに加え、コイル状の分極電極の可撓性感圧体と対向する表面が曲面なので、可撓性感圧体との接触抵抗をさらに小さくすることとなり、分極時の移動がスムーズで、分極効率が向上することができる。
第7の発明は、第1〜6の発明において、分極電極を固定する固定治具を設け、前記固定治具は導電性材料で構成され、分極電極と同電位になる構成としたものである。
そして、分極電極を固定できるので安全性が向上し、固定治具を導電性材料で構成し、分極電極と同電位になる構成にすることによって、可撓性感圧体と固定治具間でも分極が可能となるため、例えば、分極電極がコイル状で巻き密度が低い場合などは、コイル間の間隙が空いてしまう。しかし、このような分極電極中に間隙があるような場合の電極形状であったとしても、固定冶具が全長にわたって、分極電極を保持するとともに、分極電極と同電位になっているので、電極にある間隙の部位でも分極することが可能であり、分極効率が向上する。
第8の発明は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有するコイル形状の分極電極と、前記芯電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段とからなり、前記分極電極は、前記可撓性感圧体の周縁の少なくとも一部と接するように周設し、前記移動手段により前記可撓性感圧体の通路の移動中に分極と加熱を行うようにしたケーブル状圧力センサの分極方法である。
そして、少なくとも一部が接するように分極電極を周設しており、全周囲が密着するよりも、可撓性感圧体との接触抵抗を低減して状態で通路中の移動をさせることができ、かつ、全周囲から分極る。よって、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。
また、可撓性感圧体の外周縁と分極電極は、接触するか、または近接するかの位置にあり、外周から分極のための電圧印加ができるので、満遍なく分極することが可能で、分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることができる。
第9のは発明は、第8の発明において、可撓性感圧体の芯電極をアース電位にして、前記芯電極と分極電極の間に直流電圧を印加するようにしたものである。
そして、特に可撓性感圧体の芯電極をアース電位にして、前記芯電極と分極電極の間に直流電圧を印加する分極方法であり、人体に危険な直流高電圧部分を分極電極に限定できるので、人体への安全を確保できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるケ−ブル状圧力センサの分極装置の構成を示す外観斜視図である。
図1においてケーブル状圧力センサは芯電極11に周設された可撓性感圧体12が形成される。芯電極11として、コイル状金属線や金属細線を束ねた線などが用いられる。可撓性感圧体12として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコン樹脂等の高分子母材に、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料を複合化した高分子材料が用いられる。この可撓性感圧体12は外径1.6mmであり、コイル状の分極電極13に配設される。分極電極13として、鉄、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウム等を用いる。本実施の形態において、分極電極13はアルミニウムを使用し、内径は3mmでコイルピッチは0.3mmとした。また、分極電極13を加熱することで可撓性感圧体12を加熱する加熱手段14を分極電極の下部に設けた。さらに、可撓性感圧体12を移動させる移動手段15として回転ドラムを使用した。この回転ドラムの回転スピードを変化させることによって、可撓性感圧体12が分極電極13内に配設される時間、言い換えれば分極時間を容易に調整することが可能となる。また、移動手段15を設けることによって、自動化することができるため、歩留まりを向上することができる。
また、分極電極13はリード線16bによって電気的に接続される。リード線16aは電気的に直流電圧発生手段17の正極または負極に接続され、芯電極11はリード線16aを介して電気的に直流電圧発生手段17の他の極に接続される。このように接続して、直流電圧発生手段17により、芯電極11と分極電極13間に高電圧が印加されるので、可撓性感圧体12が分極される。本実施の形態において印加電圧は7kV/mmで分極を行った。可撓性感圧体12の中に微少な欠陥が含まれ、その部分が分極電極13に配設されているとき、欠陥部で生じる微少な放電により分極電極13と芯電極11間に高電流が流れ、短絡するために分極できなくなるが、欠陥部が分極電極13から脱離し、分極電極13に配設されている可撓性感圧体12中に欠陥がなければ、分極電極13と芯電極11間の絶縁性は再び回復するので、分極が可能となる。
このように本発明の分極装置によれば、欠陥を含む部分が分極電極13に配設されているときのみ、分極はできないがそれ以外の場合は分極可能となる。従って、欠陥の存在により可撓性感圧体12が全体にわたって分極できなくなることはない。
さらに、分極電極13はコイル形状をなしているので、図8に示す従来のブロック状導電体5を使用した場合と比較すると可撓性感圧体12との接触面積が少なくなり、接触抵抗を低減できる。特に、直流電圧発生手段17を作動させると、芯電極11と分極電極13間に高電圧が印加されるため、可撓性感圧体12は分極電極13の方向に引っ張られるため、分極電極13と可撓性感圧体12間の接触抵抗は増大することとなる。図8に示す分極装置を用いた場合では、ブロック状導電体5の全面で可撓性感圧体12を分極するので、移動手段7を用いて可撓性感圧体12を引っ張っても、接触抵抗が大きいので移動しにくく、無理に引っ張ると可撓性感圧体12表面に摩擦による傷が生じていた。また、この傷が可撓性感圧体12の絶縁低下の要因となり、分極中に傷部分が放電し歩留まりの低下に繋がっていた。
一方、本実施の分極装置においては、分極電極13がコイル形状をなしているので接触抵抗が低減でき、移動手段15で可撓性感圧体12を引っ張っても可撓性感圧体12表面には摩擦による傷は生じていなかった。このため、傷による歩留まり低下を抑制することができる。さらに、接触抵抗が抑制されるので移動手段15のスピード向上も可能になり生産効率を向上することができる。本実施の形態ではコイルの内径は、可撓性感圧体の直径よりも大きく設けたものであるが、コイル形状の分極電極内で所定の距離以内で可撓性感圧体と近接するようにしてあり、実際にはコイル電極の内側下面と可撓性感圧体が接触していた。
また、図8のブロック状導電体5は可撓性感圧体2を配設しやすくさせるため、溝を切った凹状にしているが、その場合ブロック状導電体5と可撓性感圧体12とが対向しない面があり、その部分の可撓性感圧体12は分極できないこととなる。そのため可撓性感圧体12に特性ばらつきが生じてしまい、特性や信頼性の低下の要因になる恐れがあった。しかし、図1に示す本実施の形態では、分極電極13がコイル形状をなし、可撓性感圧体12の外周に分極電極13が配設しているので、分極できない部分が生じることはない。図8に示す従来の分極装置で分極した可撓性感圧体12に外部電極や外皮を形成し、ケーブル状圧力センサとして完成した後に振動を加えて、その時に発生する出力電圧を測定した結果、ブロック状導電体5に面していない部分と面していた部分とでは約1.5倍ほどの出力差が生じていた。しかし本実施の形態の分極装置を用いた場合では、どの部分から振動を印加しても出力の差は殆ど見られなかった。
また、可撓性感圧体12の温度分布についてもブロック状導電体5に面する可撓性感圧体12部分と対向しない可撓性感圧体12部分とでは温度差が生じていた。またこの温度差を低減させるためには、ブロック状導電体5内に可撓性感圧体12を長時間配設させる必要があるため歩留まりが低くなる。しかし、本実施の形態によれば、発熱手段14がコイル状の分極電極13を加熱しているので、可撓性感圧体12は外周に配設された分極電極13の熱伝導で加熱され、可撓性感圧体12の外周から均一に加熱されることとなる。このため温度分布を生じることなく均一に加熱することができ、分極効率を向上することができる。
また、図8のブロック状導電体5に均熱のために蓋を設けた場合や通路を孔にした場合においては、可撓性感圧体2を加熱しすぎた場合、可撓性感圧体2に含まれる揮発成分がブロック状導電体5の通路内に付着し、分極電圧はその付着物を介して可撓性感圧体2に印加されるので、分極効率が低下するという課題もあった。しかし、本実施の形態では、分極電極13がコイル形状なので揮発成分が外気へ拡散され分極電極13内に付着することを抑制することができ、直流電圧発生手段17の出力が付着物によって阻害されることがなく、効率良い分極が可能となる。
さらに、本実施の形態の分極装置においては、可撓性感圧体12を分極電極13内に一度配設してしまえば、次のロットを分極する際は芯電極11同士を結ぶだけでよく、改めて分極電極13内に配設する必要がない。このため簡単に可撓性感圧体12を配設することができる。
また、本実施の形態1において、可撓性感圧体12の芯電極11をアース電位にして、芯電極11と分極電極13の間に直流電圧を印加した。このように接続することで、人体に危険な直流高電圧部分を分極電極13に限定でき、人体への安全を確保できる。
なお、本実施の形態では分極電極をコイル状としたが、分極電極が可撓性感圧体の分極中の移動区間内のいずれかの箇所で周設されるような構成であれば形状はこれに限定されるものではない。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2におけるケーブル状圧力センサの外観斜視図である。図2において実施の形態1と異なるところは、分極電極13を複数設け、芯電極11と分極電極13の各々に直流電圧発生手段17の出力を接続する構成としている点である。なお、第1の実施の形態と同一部材は同じ符号を付けている。
本実施の形態において直流電圧発生手段17の出力は、芯電極11と複数個設けた分極電極13の各々に直流電圧発生手段17の出力を接続し、分極電極13は並列接続している。こうすることで、各々の分極電極13に効率良く直流電圧発生手段17の出力が印加されることとなる。
分極電極13を1つしか設けていない場合、可撓性感圧体12の欠陥部分が分極電極13内に存在すると、その欠陥部分が分極電極13から移動するまで可撓性感圧体12は分極されないが、分極電極13を複数個設けることによって、他の分極電極13内に配設されている欠陥部分のない可撓性感圧体12は分極することができる。さらに、分極電極13を多くすれば、欠陥が存在しても分極できなくなる部分を低減することができ、生産性や歩留まりを向上することができる。
例えば、分極電極13の長さを2mで構成した場合、可撓性感圧体12の欠陥箇所の前後2m(計4m)は分極時間が所定時間より短い、もしくは分極できていない不良箇所となる。しかし、0.5mの分極電極13を4個設けた場合では、欠陥箇所の前後0.5m(計1m)が不良箇所となり、不良箇所を1/4に低減できるため歩留まりを向上することができる。
また、分極電極13を複数設け、各々の分極電極13と芯電極間に印加される電圧あるいは電流値を測定することによって、どの分極電極13内に欠陥箇所があるかを検知することができ、可撓性感圧体12の欠陥箇所の判定にも寄与できる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3におけるケーブル状圧力センサの外観斜視図である。図3おいて実施の形態1および2と異なるところは、分極電極13が加熱手段14を兼ねる構成としている点である。なお、第1〜第2の実施の形態と同一部材は同じ符号を付けている。
図4に示すようにコイル状の分極電極13は、発熱体18の上下面に絶縁体19を形成し、その絶縁体19の表面に導電体20を設けて構成している。
本実施の形態3において、発熱体18はシート状のステンレス箔を使用し、絶縁体19は酸化マグネシウム、導電体20はステンレスを使用した。発熱体18は電源21に接続されることで発熱し、直流電圧発生手段17は芯電極11と導電体20に接続することによって、高電圧を可撓性感圧体12に印加することができる。
本構成にすることによって、簡単な構成で分極電極13と加熱手段14とを一体化でき、分極装置を小型化することができる。さらに、加熱手段14がコイル形状をなしているので、可撓性感圧体12を同軸方向から素早く加熱でき、均一に可撓性感圧体12を加熱することが可能となる。この結果、可撓性感圧体12の温度分布を抑制でき、効率良く分極することができ、特性ばらつきも抑制することができる。
さらに、図5に示すように、分極電極を発熱体18の外周に設けられた絶縁体19と絶縁体19の外周に設けられた導電体20とで構成することによって、発熱体18の外周を同軸状に絶縁体19及び導電体20が覆っているので均熱性を向上することができる。このため、より分極効率を向上することができる。
又、本実施の形態3の分極装置は、図8に示す従来の分極装置のように一方向のみの加熱ではないので、可撓性感圧体12の一部が加熱しすぎる、あるいは加熱が不十分ということがない。さらに、加熱手段14がコイル形状をなすことによって可撓性感圧体12の外周方向から均一に加熱することができるため、温度制御も容易になる。
本実施の形態において、発熱体18としてステンレス箔、絶縁体19として酸化マグネシウム、導電体20としてステンレスを使用したが、それに限るものではない。
(実施の形態4)
図6(a)は、本発明の実施の形態4におけるケーブル状圧力センサの外観斜視図、図6(b)は本実施の形態4の分極装置のA−A断面図である。図6(a)、(b)において実施の形態1〜3と異なるところは、分極電極13を固定する固定治具22を設ける構成としている点である。なお、第1〜3の実施の形態と同一部材は同じ符号を付けている。
本実施の形態において固定治具22は絶縁性材料で構成し、固定治具22に溝23を形成し、その溝23内に分極電極13を設置した。コイル形状は不安定で動きやすいため、分極電極13に直流電圧発生手段17の正極を接続すると、危険性が増す恐れがあったが、本構成にすることにとって分極電極13を安定して設置できるため安全性を向上することができる。特に、移動手段15のスピードを上げると分極電極13が動きやすかったが、固定治具22を設けることによって分極電極13を固定できるため、動く恐れがなくなり、移動手段15のスピードを上げることができる。この結果、生産効率を向上することができる。
また、本実施の形態では固定治具22として絶縁性材料を使用したが、導電性材料を使用しても良い。本実施の形態4おいて固定治具22は導電性材料としてアルミブロックを使用した。図4と同様にアルミブロックに溝23を形成し、その溝22内にコイル状の分極電極13を設置し、固定治具22と分極電極13とを同電位に接続した。本構成にすることによって、分極電極13と芯電極11間の可撓性感圧体12だけでなく、固定治具22と芯電極11間の可撓性感圧体12も分極することができるため、より分極効率を向上することができる。つまり、分極電極13は接触抵抗低減のためコイル形状をなしているので、可撓性感圧体12と接触しないあるいは対向しない部分を設けている。通常、接触あるいは対向しない部分は分極されないが、移動手段15によって可撓性感圧体12を移動させ、接触あるいは対向しなかった部分を分極電極13に接触及び対向させることで、可撓性感圧体12全体を分極している。本実施の形態では、固定治具22を分極電極13と同電位にしているので、可撓性感圧体12と分極電極13に接触及び対向しない部分は固定治具22と芯電極11間で分極できるので、より分極効率を向上することができる。
以上のように、本発明にかかるケ−ブル状圧力センサの分極装置およびその分極方法は、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐとともに、分極電極がコイル形状をなしているので、分極電極と可撓性感圧体の接触抵抗を低減でき、生産性が向上するとともに、接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。さらに、可撓性感圧体の外周を分極できるので分極できていない部分がなく、特性ばらつきのない安定した特性を得ることが可能となる。
本発明の実施の形態1における分極装置の構成を示す外観斜視図 本発明の実施の形態2における分極装置の構成を示す外観斜視図 本発明の実施の形態3における分極装置の構成を示す外観斜視図 本発明の実施の形態3における分極電極の断面図 本発明の実施の形態3における他の分極電極の断面図 (a)本発明の実施の形態4おける分極装置の構成を示す外観斜視図(b)本発明の実施の形態4おける分極装置の一部断面図 従来の圧電ケーブルセンサの構成を示す外観見取り図 従来の分極装置の構成を示す外観斜視図
符号の説明
11 芯電極
12 可撓性感圧体
13 分極電極
14 加熱手段
15 移動手段
16 リ―ド線
17 直流電圧発生手段
18 発熱体
19 絶縁体
20 導電体
21 電源
22 固定治具
23 溝

Claims (9)

  1. 芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有する分極電極と、前記電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段とからなり、前記分極電極は、前記可撓性間圧体の周縁の少なくとも一部と近接するように周設したことを特徴とするケーブル状圧力センサの分極装置。
  2. 分極電極は、コイル状の形状とした請求項1記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  3. 複数の分極電極を空隙を介して設け、可撓性圧電体の通路が連続するように設けたことを特徴とする請求項1または2記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  4. 分極電極が、加熱手段を兼ねる構成とした請求項1から3のいずれか1項記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  5. 分極電極が、発熱体の上下面に設けられた絶縁体と、絶縁体の表面に設けられた導電体とで構成され、直流電圧発生手段は芯電極と導電体に接続する構成とした請求項4記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  6. 分極電極が、発熱体の外周に設けられた絶縁体と、絶縁体の外周に設けられた導電体とで構成され、直流電圧発生手段は芯電極と導電体に接続する構成とした請求項4記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  7. 分極電極を固定する固定治具を設け、前記固定治具は導電性材料で構成され、分極電極と同電位になる構成とした請求項1〜6のいずれか1項に記載のケーブル状圧力センサの分極装置。
  8. 芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有するコイル形状の分極電極と、前記芯電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段とからなり、前記分極電極は、前記可撓性感圧体の周縁の少なくとも一部と接するように周設し、前記移動手段により前記可撓性感圧体の通路の移動中に分極と加熱を行うケーブル状圧力センサの分極方法。
  9. 可撓性感圧体の芯電極をアース電位にして、前記芯電極と分極電極の間に直流電圧を印加する請求項8記載のケ−ブル状圧力センサの分極方法。
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