JP2009174973A - 圧力センサの分極装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性感圧体の移動スピードを向上し、生産性を向上できるとともに、摩擦による可撓性感圧体のこすれで生じる欠陥を防止して安定して分極することを目的とする。
【解決手段】芯電極1に周設された可撓性感圧体2と、前記可撓性感圧体2の通路を有するコイル形状の分極電極3と、前記分極電極3に接続された直流電圧発生手段7と、前記可撓性感圧体2を前記通路で移動させる移動手段5と、前記分極電極5を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体2に帯電した電荷を除去する耐電除去手段13と、前記可撓性感圧体2に物理的応力を印加する応力印加手段8と、前記応力印加手段8動作時に可撓性感圧体2から発生する出力を検出する出力検出手段とから構成したものである。
【選択図】図1
【解決手段】芯電極1に周設された可撓性感圧体2と、前記可撓性感圧体2の通路を有するコイル形状の分極電極3と、前記分極電極3に接続された直流電圧発生手段7と、前記可撓性感圧体2を前記通路で移動させる移動手段5と、前記分極電極5を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体2に帯電した電荷を除去する耐電除去手段13と、前記可撓性感圧体2に物理的応力を印加する応力印加手段8と、前記応力印加手段8動作時に可撓性感圧体2から発生する出力を検出する出力検出手段とから構成したものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に、ケーブル状をなす圧力センサの分極装置に関するものである。
従来、この種のケ−ブル状圧力センサは図6に示すようなものがある。すなわち、芯電極101の周囲に可撓性感圧体102を配置し、その周囲に外側電極103と外皮104を順次被覆して構成されている。
可撓性感圧体102としては合成ゴムや合成樹脂の中にチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛のセラミック圧電体粉末を添加した複合体が用いられ、外側電極103は可撓性感圧体2の表面に銀系ゴム塗料などの導電塗料を塗着したものが用いられている。
上記ケ−ブル状圧力センサの一部、あるいは全面に圧力が印加されたとき、その部分の圧力センサが歪む結果、芯電極101と外側電極103の間に電圧が誘起され、この誘起電圧を利用して圧力を検出している(例えば、特許文献1参照)。
また、分極方法は、芯電極101と外側電極103の間に高電圧を印加して、可撓性感圧体102を分極している(例えば、非特許文献1参照)。
この分極により、セラミック粒子の自発分極の方向が電界方向に揃うので、可撓性感圧体2に圧電性が付与される。
また別の方法として、図7に示すように、可撓性感圧体102をブロック状導電体105の通路に配設させ、このブロック状導電体105と芯電極101間に電圧を印加させることにより、ブロック状導電体105に配設された部分の可撓性感圧体102を分極している。この分極により、セラミック粒子の自発分極の方向が電界方向に揃うので、可撓性感圧体2に圧電性が付与される(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−230071号公報
特開2002−280633号公報
「圧電セラミック粉末と合成ゴムとから成る圧電複合材料」紛体と工業、22巻、1号、1990年p50・56
しかしながら、従来のケ−ブル状圧力センサの分極方法では、芯電極101と外側電極103の間に高電圧を印加したときに、可撓性感圧体102中に微小なクラックや空孔などの欠陥が存在する場合、その欠陥部で微小放電が生じる。
この微小放電により、可撓性感圧体102の構成材料が熱的に蒸発、飛散して芯電極101と外側電極103間が短絡し、芯電極101と外側電極103間に高電圧を印加できなくなるので可撓性感圧体102を分極できないという課題を有していた。
また、ブロック状導電体105に可撓性感圧体102を配設し、可撓性感圧体102を移動手段107によって移動させながら分極する場合において、ブロック状導電体105と可撓性感圧体102との接触抵抗が大きく、移動スピードを上げることができないために生産効率が下がるという課題があった。
さらに、無理に移動スピードを上げると接触抵抗によって可撓性感圧体102に擦れなどの傷が入り、分極に支障をきたすことがあった。
また、ブロック状導電体105の通路が溝の場合、ブロック状導電体105に対向しない可撓性感圧体2部分が分極されないため、特性ばらつきが生じる可能性があった。
また、分極効率を上げるためにブロック状導電体105を加熱する加熱手段106を設けているが、ブロック状導電体105に対向しない可撓性感圧体102部分とブロック状導電体105に接する部分との温度に差があり、温度分布が生じていたため、分極効率においてもばらつきが生じるという課題があった。
また、分極効率を上げるためにブロック状導電体105を加熱する加熱手段106を設けているが、ブロック状導電体105に対向しない可撓性感圧体102部分とブロック状導電体105に接する部分との温度に差があり、温度分布が生じていたため、分極効率においてもばらつきが生じるという課題があった。
さらに、ロック状導電体105の通路を孔にした場合においては、可撓性感圧体102を加熱しすぎた場合、可撓性感圧体102に含まれる揮発成分がブロック状導電体105の通路内に付着し、分極電圧はその付着物を介して可撓性感圧体102に印加されるので、分極効率が低下するという課題もあった。
また、従来の分極装置は可撓性感圧体が均一に分極されているか否かの判断が分極中に判断することができなかった。
そのため、万が一分極中に不具合が発生した場合は、正常に分極された箇所とそうでない箇所との区別ができず、全数検査するという方法をとっており、生産性が悪くなっていた。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧力センサの分極装置は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有するコイル形状の分極電極と、前記電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体に帯電した電荷を除去する耐電除去手段と、前記可撓性感圧体に物理的応力を印加する応力印加手段と、前記応力印加手段動作時に可撓性感圧体から発生する出力を検出する出力検出手段とから構成したものである。
これによって、可撓性感圧体の少なくとも一部が近接するように分極電極を周設することで、全周囲が密着するよりも、可撓性感圧体との接触抵抗を低減して状態で通路中の移動をさせることができ、かつ、全周囲から分極できる。よって、生産性が向上するとともに、分極電極との接触抵抗によって生じる可撓性感圧体の傷なども低減できる。
さらに、応力印加手段動作時に可撓性感圧体から発生する出力を検出する出力検出手段を設けることによって、可撓性感圧体が正常に分極できているか否かを検知することができるので、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
本発明の圧力センサは、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐとともに、可撓性感圧体が正常に分極できているか否かを検知することができるので、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
第1の発明は、芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有するコイル形状の分極電極と、前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感
圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体に帯電した電荷を除去する耐電除去手段と、前記可撓性感圧体に物理的応力を印加する応力印加手段と、前記応力印加手段動作時に可撓性感圧体から発生する出力を検出する出力検出手段とから構成することによって、可撓性感圧体を均一に分極することができるとともに、正常に分極できているか否かを分極中に検知することができ、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体に帯電した電荷を除去する耐電除去手段と、前記可撓性感圧体に物理的応力を印加する応力印加手段と、前記応力印加手段動作時に可撓性感圧体から発生する出力を検出する出力検出手段とから構成することによって、可撓性感圧体を均一に分極することができるとともに、正常に分極できているか否かを分極中に検知することができ、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、帯電除去手段は可撓性感圧体の表面全周に接するように設けた導電体をアース電位に接続する構成にすることによって、簡単な構成で可撓性感圧体に帯電した電荷を除去することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、導電体を導電性繊維で構成することによって、導電体と可撓性感圧体との接触抵抗を低減することができ、可撓性感圧体への傷などの発生を防ぐことができるので信頼性を向上することができる。
第4の発明は、特に、第2の発明において、導電体をコイル形状の電極で構成することによって、導電体と可撓性感圧体との接触抵抗を低減することができ、可撓性感圧体への傷などの発生を防ぐことができるので信頼性を向上することができる。さらに導電体が分極電極と同じ形状なので分極電極の一部をアース電位に接続するだけでよいため、容易に可撓性感圧体に帯電した電荷を除去することが可能になる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、応力印加手段は可撓性感圧体を直接叩く構成にすることによって、簡単な構成で可撓性感圧体に応力を印加することができる。
第6の発明は、特に、第1の発明において、応力印加手段は所定の空気圧を可撓性感圧体に印加する構成にすることによって、簡単な構成で可撓性感圧体に応力を印加することができる。
第7の発明は、特に、第1の発明において、応力印加手段は所定の高さから物体を落下させる構成にすることによって、簡単な構成で可撓性感圧体に応力を印加することができる。
第8の発明は、特に、第1の発明において、出力検出手段を可撓性感圧体に接する金属材料と芯電極とで構成することによって、応力印加手段による応力の印加に伴う可撓性感圧体の出力を容易に検出することができる。
第9の発明は、特に、第1の発明において、出力検出手段の出力が規定範囲から外れていた場合に異常と判断し、警報を発する警報発生手段を設けることにより、異常を早急に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1において、ケーブル状をなす圧力センサは、芯電極1に周設された可撓性感圧体2で形成される。
図1において、ケーブル状をなす圧力センサは、芯電極1に周設された可撓性感圧体2で形成される。
芯電極1として、コイル状金属線や金属細線を束ねた線などが用いられる。可撓性感圧体2として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコン樹脂等の高分子母材に、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料を複合化した高分子
材料が用いられる。
材料が用いられる。
この可撓性感圧体2は外径1.6mmであり、コイル状の分極電極3に配設される。分極電極3として、鉄、ステンレス、銅、黄銅、アルミニウム等を用いる。
本実施の形態において、分極電極3はアルミニウムを使用し、内径は3mmでコイルピッチは0.3mmとした。
また、分極電極3を加熱することで可撓性感圧体2を加熱する加熱手段4を分極電極の下部に設けた。
さらに、可撓性感圧体2を移動させる移動手段5として回転ドラムを使用した。この回転ドラムの回転スピードを変化させることによって、可撓性感圧体2が分極電極3内に配設される時間、言い換えれば分極時間を容易に調整することが可能となる。
また、移動手段5を設けることによって、自動化することができるため、歩留まりを向上することができる。
また、分極電極3はリード線6bによって電気的に接続される。リード線6aは電気的に直流電圧発生手段7の正極または負極に接続され、芯電極1はリード線6aを介して電気的に直流電圧発生手段7の他の極に接続される。
このように接続して、直流電圧発生手段7により、芯電極1と分極電極3間に高電圧が印加されるので、可撓性感圧体2が分極される。
本実施の形態において印加電圧は7kV/mmで分極を行った。
可撓性感圧体2の中に微少な欠陥が含まれ、その部分が分極電極3に配設されているとき、欠陥部で生じる微少な放電により分極電極3と芯電極1間に高電流が流れ、短絡するために分極できなくなるが、欠陥部が分極電極3から脱離し、この分極電極3に配設されている可撓性感圧体2中に欠陥がなければ、分極電極3と芯電極1間の絶縁性は再び回復するので、分極が可能となる。
このように本実施の形態の分極装置によれば、欠陥を含む部分が分極電極3に配設されているときのみ、分極はできないがそれ以外の場合は分極可能となる。
従って、欠陥の存在により可撓性感圧体2が全体にわたって分極できなくなることはない。
さらに、分極電極3はコイル形状をなしているので、図7に示す従来のブロック状導電体105を使用した場合と比較すると可撓性感圧体2との接触面積が少なくなり、接触抵抗を低減できる。
特に、直流電圧発生手段7を作動させると、芯電極1と分極電極3間に高電圧が印加されるため、可撓性感圧体2は分極電極3の方向に引っ張られるため、分極電極3と可撓性感圧体2間の接触抵抗は増大することとなる。
図7に示す分極装置を用いた場合では、ブロック状導電体105の全面で可撓性感圧体102を分極するので、移動手段107を用いて可撓性感圧体102を引っ張っても、接触抵抗が大きいので移動しにくく、無理に引っ張ると可撓性感圧体102表面に摩擦によ
る傷が生じていた。
る傷が生じていた。
また、この傷が可撓性感圧体102の絶縁低下の要因となり、分極中に傷部分が放電し歩留まりの低下に繋がっていた。
一方、本実施の形態の分極装置においては、分極電極3がコイル形状をなしているので接触抵抗が低減でき、移動手段5で可撓性感圧体2を引っ張っても、同可撓性感圧体2表面には摩擦による傷は生じていなかった。
このため、傷による歩留まり低下を抑制することができる。さらに、接触抵抗が抑制されるので移動手段5のスピード向上も可能になり生産効率を向上することができる。
本実施の形態では、コイルの内径は、可撓性感圧体の直径よりも大きく設けたものであるが、コイル形状の分極電極内で所定の距離以内で可撓性感圧体と近接するようにしてあり、実際にはコイル電極の内側下面と可撓性感圧体が接触していた。
また、図7のブロック状導電体105は可撓性感圧体102を配設しやすくさせるため、溝を切った凹状にしているが、その場合ブロック状導電体105と可撓性感圧体102とが対向しない面があり、その部分の可撓性感圧体102は分極できないこととなる。
そのため可撓性感圧体102に特性ばらつきが生じてしまい、特性や信頼性の低下の要因になる恐れがあった。
しかし、図1に示す本実施の形態では、分極電極3がコイル形状をなし、可撓性感圧体2の外周に分極電極3が配設しているので、分極できない部分が生じることはない。
図7に示す従来の分極装置で分極した可撓性感圧体102に外部電極や外皮を形成し、ケーブル状圧力センサとして完成した後に振動を加えて、その時に発生する出力電圧を測定した結果、ブロック状導電体105に面していない部分と面していた部分とでは約1.5倍ほどの出力差が生じていた。
しかし、本実施の形態の分極装置を用いた場合では、どの部分から振動を印加しても出力の差は殆ど見られなかった。
また、図7に示す従来のものでは、可撓性感圧体102の温度分布についてもブロック状導電体105に面する可撓性感圧体102部分と対向しない可撓性感圧体102部分とでは温度差が生じていた。
また、この温度差を低減させるためには、ブロック状導電体105内に可撓性感圧体102を長時間配設させる必要があるため歩留まりが低くなる。
しかし、本実施の形態によれば、発熱手段4がコイル状の分極電極3を加熱しているので、可撓性感圧体2は外周に配設された分極電極3の熱伝導で加熱され、可撓性感圧体2の外周から均一に加熱されることとなる。
このため温度分布を生じることなく均一に加熱することができ、分極効率を向上することができる。
また、図7のブロック状導電体105に均熱のために蓋を設けた場合や通路を孔にした場合においては、可撓性感圧体102を加熱しすぎた場合、可撓性感圧体102に含まれ
る揮発成分がブロック状導電体105の通路内に付着し、分極電圧はその付着物を介して可撓性感圧体102に印加されるので、分極効率が低下するという課題もあった。
る揮発成分がブロック状導電体105の通路内に付着し、分極電圧はその付着物を介して可撓性感圧体102に印加されるので、分極効率が低下するという課題もあった。
しかし、本実施の形態では、分極電極3がコイル形状なので揮発成分が外気へ拡散され分極電極3内に付着することを抑制することができ、直流電圧発生手段7の出力が付着物によって阻害されることがなく、効率良い分極が可能となる。
さらに、本実施の形態の分極装置においては、可撓性感圧体2を分極電極3内に一度配設してしまえば、次のロットを分極する際は芯電極1同士を結ぶだけでよく、改めて分極電極3内に配設する必要がない。
このため簡単に可撓性感圧体2を配設することができる。また、本実施の形態において、可撓性感圧体2の芯電極1をアース電位にして、芯電極1と分極電極3の間に直流電圧を印加した。
このように接続することで、人体に危険な直流高電圧部分を分極電極3に限定でき、人体への安全を確保できる。
さらに、可撓性感圧体2が正常に分極されているか否かを判断するため、可撓性感圧体2に物理的応力を印加する応力印加手段8を設け、応力印加手段8動作時に可撓性感圧体2から発生する出力を検出する出力検出手段9を設けている。
応力印加手段8はモータ10を利用して、ヘッダ11が可撓性感圧体2を直接接してヘッダ11が一定ストロークで一定間隔で殴打することにより応力を印加する構成とした。また、出力検出手段9は、可撓性感圧体2に接する金属材料12と芯電極1とで構成し、可撓性感圧体2に応力が印加された時に発生する電荷を電圧値として検出している。
本実施の形態においては、電圧値を検出したが、静電容量や電荷量を直接検知してもよい。
なお、この応力印加の構成では移動手段による可撓性感圧体の移動は常時行われているので、応力印加と可撓性感圧体の出力検出のタイミングをあわせて、正常に分極できなかった感圧体の部位を正確に検出することができる。但し、分極直後の可撓性感圧体2表面には直流電圧発生手段7によって印加された高電圧の影響で電荷が帯電しており、そのまま応力印加手段8によって可撓性感圧体2から発生する出力を検出すると、帯電の影響で出力に誤差が生じてしまう。
そのため、応力印加手段8を動作させる前に可撓性感圧体2に帯電した電荷を除去する必要があり、本実施の形態では帯電除去手段13を設けて可撓性感圧体2表面の電荷を除去する構成とした。
帯電除去手段13は可撓性感圧体の表面全周に接するように設けた導電体をアース電位に接続する構成とした。
本実施の形態において帯電除去手段13の導電体14を導電性繊維で構成し、この導電性繊維をアース電位に接続することで帯電した電荷を除去する構成にした。
本構成にすることによって、帯電した電荷の影響を受けることがないので、出力ばらつきを約30%低減することができた。
さらに導電体14を導電性繊維で構成することによって、導電体14と可撓性感圧体2との接触抵抗を低減することができ、可撓性感圧体2への傷などの発生を防ぐことができるので信頼性を向上することができる。
なお本実施の形態において、帯電除去手段13として導電性繊維を使用したが、可撓性感圧体2に帯電する電荷を除去する構成であればこれに限るものではない。例えば、図2に示すように、導電体14として分極電極3と同様のコイル形状の電極を設け、この電極をアース電位に接続する構成にしてもよい。
本構成の場合、導電体14が分極電極3と同じ形状なので、この分極電極3の一部をアース電位に接続するだけでよいため、容易に可撓性感圧体2に帯電した電荷を除去することが可能になる。
さらにコイル形状にすることによって、導電体14と可撓性感圧体2との接触抵抗を低減することができ、可撓性感圧体2への傷などの発生を防ぐことができるので信頼性を向上することができる。
本構成にすることによって、応力印加手段8の印加応力に応じた出力を出力検出手段9によって検出することが可能になり、可撓性感圧体2の性能評価の信頼性を向上することが可能になった。
特に、本実施の形態において、分極電極3はコイル形状をなしているので、図6に示す従来の分極装置に比べて可撓性感圧体2を均一に分極することができ、可撓性感圧体2の表面全体に電荷が溜まりやすくなっている。
そのため、帯電除去手段13によって溜まった電荷を除去する必要がある。さらに、分極が正常に実施された可撓性感圧体2の出力検出手段9の出力信号は規定値以上で、規定範囲内の信号を得ることができたが、分極していない可撓性感圧体2の場合では出力検出手段9の出力は規定値を得ることはできなかった。
このように本実施の形態の分極装置によれば、可撓性感圧体の分極をした後に、応力印加手段8によって可撓性感圧体2に応力を印加し、その時に発生する信号を検出することによって、可撓性感圧体2が正常に分極できているか否かを検知することができる。
このため、分極装置の異常や可撓性感圧体2の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
なお本実施の形態において、帯電除去手段13として導電性繊維を使用したが、可撓性感圧体2に帯電する電荷を除去する構成であればこれに限るものではない。例えば、図2に示すように、分極電極3と同様のコイル形状の電極を設け、この電極をアース電位に接続する構成にしてもよい。
(実施の形態2)
図3は実施の形態2を示し、実施の形態1と異なるところは、応力印加手段8を所定の空気圧を可撓性感圧体2に印加することで、同可撓性感圧体2に応力を印加している点である。
図3は実施の形態2を示し、実施の形態1と異なるところは、応力印加手段8を所定の空気圧を可撓性感圧体2に印加することで、同可撓性感圧体2に応力を印加している点である。
なお、図1,2と同様の作用をする構成については同一符号を付し、具体的な説明は実施の形態1のものを援用する。
本実施の形態において、応力印加手段8は、圧力を印加するポンプ15と、このポンプ15からの空気を可撓性感圧体2に伝達するパイプ16とで構成している。
本構成にすることによって、簡単な構成で可撓性感圧体2に応力を印加することができるので、可撓性感圧体2が正常に分極できているか否かを検知することができる。
このため、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
また、図4に示すように空気圧を印加するだけではなく、パイプ16内に物体17としてボールを配設し、所定の高さから落下させることで可撓性感圧体2に応力を印加させ、印加後は落下させたボールをポンプ15で吸引し、所定の高さまで戻す構成にしている。本構成においても、空気圧を印加させた時と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図5は実施の形態3を示し、実施の形態1,2と異なるところは、出力検出手段9の出力が規定範囲から外れていた場合には、異常と判断して警報を発する警報発生手段18を設けている点である。
図5は実施の形態3を示し、実施の形態1,2と異なるところは、出力検出手段9の出力が規定範囲から外れていた場合には、異常と判断して警報を発する警報発生手段18を設けている点である。
なお、図1〜4と同様の作用をする構成については同一符号を付し、具体的な説明は実施の形態1,2のものを援用する。
本構成にすることによって、異常を早急に検知でき、生産性や信頼性を向上することができる。
また、本実施の形態では警報発生手段18によって異常を知らせるが、異常を検知して直流電圧発生手段7を停止させても良い。
そして、異常と判定されるような、出力が規定範囲からはずれた場合には、直流電圧発生手段7の出力が所定値から外れている、あるいは可撓性感圧体2の線径が所定の範囲から外れているというような異常が想定されるので、例えば、直流電圧発生手段7の出力が所定値から外れているのであれば、所定値に戻す、可撓性感圧体2の線径が所定の範囲から外れているのであれば直流電圧発生手段7の出力を線径に応じて調整するというような対処を行うことができる。
以上のように、本発明にかかる圧力センサの分極装置は、欠陥部が存在しても全体の可撓性感圧体が分極できなくなることを防ぐとともに、可撓性感圧体と導電体間の摩擦を低減することができるので、可撓性感圧体の移動スピードを向上し、生産性を向上できるとともに、摩擦による可撓性感圧体のこすれで生じる欠陥を防ぐことができるので、安定して分極することができる。
さらに、可撓性感圧体が正常に分極できているか否かを検知することができるので、分極装置の異常や可撓性感圧体の異常を即座に検知でき、生産性や信頼性を向上できる分極装置である。
このため、ケーブル状圧力センサに限らず、分極が必要な圧電体の分極に適用できるものである。
1 芯電極
2 可撓性感圧体
3 分極電極
4 加熱手段
5 移動手段
7 直流電圧発生手段
8 応力印加手段
9 出力検出手段
13 帯電除去手段
14 導電体
17 物体
18 警報発生手
2 可撓性感圧体
3 分極電極
4 加熱手段
5 移動手段
7 直流電圧発生手段
8 応力印加手段
9 出力検出手段
13 帯電除去手段
14 導電体
17 物体
18 警報発生手
Claims (9)
- 芯電極に周設された可撓性感圧体と、前記可撓性感圧体の通路を有するコイル形状の分極電極と、前記電極と前記分極電極に接続された直流電圧発生手段と、前記可撓性感圧体を前記通路で移動させる移動手段と、前記分極電極を加熱する加熱手段と、前記可撓性感圧体に帯電した電荷を除去する耐電除去手段と、前記可撓性感圧体に物理的応力を印加する応力印加手段と、前記応力印加手段動作時に可撓性感圧体から発生する出力を検出する出力検出手段とを具備した圧力センサの分極装置。
- 帯電除去手段は可撓性感圧体の表面全周に接するように設けた導電体をアース電位に接続する構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 導電体を導電性繊維で構成した請求項2記載の圧力センサの分極装置。
- 導電体をコイル形状の電極で構成した請求項2記載の圧力センサの分極装置。
- 応力印加手段は可撓性感圧体を直接叩いて応力を印加する構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 応力印加手段は所定の空気圧を可撓性感圧体に印加する構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 応力印加手段は所定の高さから物体を落下させて可撓性感圧体に印加する構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 出力検出手段は可撓性感圧体に接する金属材料と芯電極とで構成し、金属材料と芯電極間の出力を検出する構成とした請求項1記載の圧力センサの分極装置。
- 出力検出手段の出力が規定範囲から外れていた場合には、異常と判断して警報を発する警報発生手段を設けた請求項1記載の圧力センサの分極装置。
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