JP2002184611A - 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 - Google Patents
電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法Info
- Publication number
- JP2002184611A JP2002184611A JP2000378732A JP2000378732A JP2002184611A JP 2002184611 A JP2002184611 A JP 2002184611A JP 2000378732 A JP2000378732 A JP 2000378732A JP 2000378732 A JP2000378732 A JP 2000378732A JP 2002184611 A JP2002184611 A JP 2002184611A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- varistor
- porcelain
- composition
- molded body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Thermistors And Varistors (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
耐サーマルショック性に優れたバリスタ磁器の製造方法
を提供する。 【解決手段】 Sr、Ba及びCaのうちの少なくとも
1種とTiとを含む原料粉末を所定組成となるように秤
量して混合処理し、仮焼成処理した後、粉砕処理して成
型処理し、得られた成型体を還元焼成処理し、再酸化処
理してバリスタ磁器を製造する方法、又はSr、Ba及
びCaのうちの少なくとも1種とTiとを含む原料粉末
を秤量して混合処理し、仮焼成処理した後、成分の一部
を添加し、所定組成となるように調整処理した後、粉砕
処理して成型処理し、得られた成型体を還元焼成処理
し、再酸化処理してバリスタ磁器を製造する方法であっ
て、上述の粉砕処理が粉砕後の粒子の比表面積が0.5
〜5.0m2/gとなるように粉砕する処理であり、上
述の成型処理が成型体密度を2.80〜3.40g/c
m3となるように成型する処理であるバリスタ磁器の製
造方法が提供される。
Description
抵抗体(バリスタ)磁器の製造方法に関し、特に、(S
r、Ba、Ca)TiO3の組成を有するバリスタ磁器
の製造方法に関する。
抗値が非直線的に変わる抵抗素子であり、具体的には、
ある電圧値以上の電圧が印加されるとその抵抗値が急激
に低下する抵抗素子である。
の組成系のものが存在しているが、(Sr、Ba、C
a)TiO3の組成を有する複合ペロブスカイト系磁器
は、その抵抗値の非直線性と静電容量性との両機能を併
せ備えているため、電子機器で発生するサージ電圧を吸
収したり、ノイズを除去したりするのに非常に好適であ
る。例えば、DCマイクロモータ用のリングバリスタ等
に適用されている。
リスタは、Sr、Ba及びCaのモル比を選ぶことによ
り、バリスタ電圧の温度依存性を制御することができ
る。即ち、動作中の温度上昇に伴なってバリスタ電圧
(抵抗値が急激に低下する電圧)が低下し、バリスタに
過大電流が流れたり熱暴走を起こすことを防止するた
め、温度依存性をゼロ又は正に調整することができる。
特公平8−28287号公報(特開平2−146702
号公報)、特開平3−45559号公報及び特許第29
44697号公報(特開平3−237057号公報)に
は、このようにバリスタ電圧の温度依存性を調整したバ
リスタが記載されている。
子機器を実装するにあたって、半田付け作業の迅速化が
図られていること及び高温半田や鉛フリー半田を使用す
ることから、半田付け温度の高温化が進んでいる。この
ため、バリスタは、過酷な半田付け条件にされされるこ
ととなり、局所的なサーマルショックに基づくサーマル
クラックが発生し易くなってきている。
タを得ることを目的として、特開昭63−276201
号公報には、TiO2系磁器によるリングバリスタが記
載されているが、具体的なデータは何等記載されていな
い。しかも、このようなTiO2系バリスタ磁器は、静
電容量に関する電気的特性及びバリスタ電圧制御性の点
で複合ペロブスカイト系バリスタ磁器に比してかなり劣
るため、採用することはできない。
つ高温の半田付けが行われてもその機能が損なわれない
複合ペロブスカイト系のバリスタ磁器の要求が高まって
いる。また、作業の効率アップを行えるべく、曲げ応力
に対してより強度の優れたバリスタ磁器が望まれてい
る。
ておりかつ高い撓み強度と耐サーマルショック性に優れ
たバリスタ磁器の製造方法を提供することにある。
Ba及びCaのうちの少なくとも1種とTiとを含む原
料粉末を所定組成となるように秤量して混合処理し、仮
焼成処理した後、粉砕処理して成型処理し、得られた成
型体を還元焼成処理し、再酸化処理してバリスタ磁器を
製造する方法であって、上述の粉砕処理が粉砕後の粒子
の比表面積が0.5〜5.0m2/gとなるように粉砕
する処理であり、上述の成型処理が成型体密度を2.8
0〜3.40g/cm3となるように成型する処理であ
るバリスタ磁器の製造方法が提供される。
Caのうちの少なくとも1種とTiとを含む原料粉末を
秤量して混合処理し、仮焼成処理した後、成分の一部を
添加し、所定組成となるように調整処理した後、粉砕処
理して成型処理し、得られた成型体を還元焼成処理し、
再酸化処理してバリスタ磁器を製造する方法であって、
上述の粉砕処理が粉砕後の粒子の比表面積が0.5〜
5.0m2/gとなるように粉砕する処理であり、上述
の成型処理が成型体密度を2.80〜3.40g/cm
3となるように成型する処理であるバリスタ磁器の製造
方法が提供される。
ては種々の検討がなされてきたが、製造過程での粉砕度
合いによって変化する粒度や成型条件の変化による焼成
体密度の変化やそれに伴う撓み強度、サーマルショック
に対する耐性に関してほとんど検討されていなかった。
製造工程の1つである粉砕処理における処理条件は、そ
の後の本焼成処理によって得られる焼成体磁器の特性を
左右する重要なファクタであるため、チタン酸ストロン
チウム系等の材料を検討する上で、材料の組成的な不均
一や組成濃度勾配を防止するためにも非常に重要であ
る。また、成型処理における処理条件は、焼成体磁器の
撓み強度及び耐サーマルショック性に強く影響すること
が判明した。
表面積が0.5m2/g以上であれば、材料の組成的な
不均一や組成濃度勾配が生じないので、焼成体磁器の充
分な撓み強度及び耐サーマルショック性を得ることがで
きる。また、比表面積が5.0m2/gを越える場合は
粉砕時間が長くなり過ぎ、製造上非効率的であるのみな
らず、その活性度からTiリッチな液相が生成し易くな
り組成の部分的な不均一が生じ易くなる。従って、比表
面積は5.0m2/g以下であることが望ましい。
れば、成型体強度が充分となり製造工程上で不具合が生
じるようなことがない。一方、成型体密度が3.40g
/cm3を越える場合は、成型設備や金型の寿命が短く
なるため、そのメンテナンスに要する費用が増大するの
で製造上非効率的である。従って、成型体密度は3.4
0g/cm3以下であることが望ましい。
0.5〜5.0m2/gとなるように粉砕処理しかつ成
型体密度を2.80〜3.40g/cm3となるように
成型処理することによって、磁器自体の強度を高いレベ
ルで維持し、半田付け時の曲げ応力に対して十分な撓み
強度と局所的なサーマルショックに対する十分な耐性を
得ることができる。
る第1成分と、R(Y及びランタノイド)の酸化物から
選択される少なくとも1種からなる第2成分と、M(N
b及びTa)の酸化物から選択される少なくとも1種か
らなる第3成分と、Siの酸化物からなる第4成分とを
含有する磁器の組成が、0.10≦a/(a+b+c)
≦0.40、0.30≦b/(a+b+c)≦0.5
0、0.20<c/(a+b+c)≦0.50、0.8
4≦(a+b+c+e)/(d+f)≦1.16、0.
75≦(e+f)/d×100≦10.0、g/d×1
00≦0.6であることが好ましい。ただし、aは第1
成分のSrをSrOに換算したモル数、bは第1成分の
BaをBaOに換算したモル数、cは第1成分のCaを
CaOに換算したモル数、dは第1成分のTiをTiO
2に換算したモル数、eは第2成分のRをYO3/2、
CeO2、PrO11/6、TbO7/4、RO3/2
(その他のランタノイド)にそれぞれ換算したモル数、
fは第3成分のMをNbO5 /2、TaO5/2にそれ
ぞれ換算したモル数、gは第4成分のSiをSiO2に
換算したモル数である。
できるだけ小さくすることにより、バリスタの耐サーマ
ルショック性を高め、過酷な半田付け条件による局所的
なサーマルショックに基づくサーマルクラックの発生を
抑制すると共に、SiO2量の減少によって生じる焼結
性の低下を(a+b+c+e)/(d+f)で表される
トータルA/B(イオン半径の関係からAサイト成分の
格子内に入り得る他の元素を含めたAサイト成分のトー
タルモル数とBサイト成分の格子内に入り得る他の元素
を含めたBサイト成分のトータルモル数との比)を調整
して補償している。さらに、これらとAサイトモル比及
び半導体化剤の量及び種類をバランスよく適切に選ぶこ
とによって、バリスタの強度及び電気的特性の向上を図
ることができる。
みによるAサイト成分のモル数とTiのみによるBサイ
ト成分のモル数との比である単純なA/Bではなく、添
加物をも含めたペロブスカイト構成イオンのモル比であ
るトータルA/Bなるパラメータを導入している。即
ち、本当に焼結性に寄与するのは、単純なA/Bではな
く、このようなトータルA/Bであると考えられるため
である。特に、添加物のうち半導体化剤は重要な固溶イ
オンであり、その添加量が多い本発明のような場合、単
純なA/Bを用いると誤差が大きくなり、トータルA/
Bを用いることによって初めて正確な制御が可能とな
り、特性ばらつきのないバリスタを提供できるのであ
る。
b+c)≦0.40、0.30≦b/(a+b+c)≦
0.40、0.25<c/(a+b+c)≦0.35で
あることが好ましい。第1成分〜第3成分の組成が、
0.96≦(a+b+c+e)/(d+f)≦1.01
であることが好ましい。さらに第2成分及び第3成分の
組成が、0.75≦(e+f)/d×100≦4.0で
あることが好ましい。さらにまた第4成分の組成が、g
/d×100≦0.3であることも好ましい。
Cu、Zn、Sc、Fe、Ga、In、Mo及びWの酸
化物から選択される少なくとも1種からなる第5成分を
さらに含有しており、0<h/d×100≦1.000
であることも好ましい。ただし、hは第5成分のLi、
Na、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Sc、Fe、G
a、In、Mo、WをLiO1/2、NaO1/2、M
nO、CoO4/3、NiO、CuO、ZnO、ScO
3/2、FeO3/2、GaO3/2、InO 3/2、
MoO3、WO3に換算したモル数である。この第5成
分は、非直線係数αを向上させる等、電気的特性を向上
させる効果がある。
バリスタの一実施形態であるリングバリスタの構造を示
す平面図及びそのA−A線断面図である。
れたバリスタ磁器、11はその一方の面上に形成された
電極である。電極11はこの実施形態では、等角度を隔
てて3つ設けられている。同図(B)に示すように、バ
リスタ磁器10は内部の半導体部分10aと、その全表
面近傍に形成されたを絶縁層10bとから構成されてい
る。
説明する。
びTiの酸化物からなる複合ペロブスカイトの第1成分
と、R(Y及びランタノイド(La、Ce、Pr、N
d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb及びLu))の酸化物から選択される少なくと
も1種からなる第2成分と、M(Nb及びTa)の酸化
物から選択される少なくとも1種からなる第3成分と、
Siの酸化物からなる第4成分とを含有している。aは
第1成分のSrをSrOに換算したモル数、bは第1成
分のBaをBaOに換算したモル数、cは第1成分のC
aをCaOに換算したモル数、dは第1成分のTiをT
iO2に換算したモル数、eは第2成分のRをYO
3/2、CeO2、PrO11/6、TbO7/4、R
O3/2(その他のランタノイド)にそれぞれ換算した
モル数、fは第3成分のMをNbO5/2、TaO
5/2にそれぞれ換算したモル数、gは第4成分のSi
をSiO2に換算したモル数であるとすると、このバリ
スタ磁器の組成は、0.10≦a/(a+b+c)≦
0.40、0.30≦b/(a+b+c)≦0.50、
0.20<c/(a+b+c)≦0.50、0.84≦
(a+b+c+e)/(d+f)≦1.16、0.75
≦(e+f)/d×100≦10.0、g/d×100
≦0.6である。
a/(a+b+c)≦0.40、0.30≦b/(a+
b+c)≦0.40、0.25≦c/(a+b+c)≦
0.35、0.96≦(a+b+c+e)/(d+f)
≦1.01、0.75≦(e+f)/d×100≦4.
0、g/d×100≦0.3である。
であり、複合ペロブスカイトにおいては、Sr、Ba及
びCaからなるAサイト成分とTiからなるBサイト成
分とから構成される。第2成分及び第3成分は半導体化
に寄与する金属酸化物であり、第4成分は主に焼結性の
改善のために添加されるものである。
スタ電圧E10の温度特性及び非直線係数αで表わされ
る。バリスタ電圧E10はバリスタに10mAの電流が
流れる際の印加電圧値を表しており、非直線係数αは一
般にα=1/log(E10/E1)で表わされる。た
だし、E1はバリスタに1mAの電流が流れる際の印加
電圧値である。
モル比を、Srが0.10以上かつ0.40以下、Ba
が0.30以上かつ0.50以下、Caが0.20より
多くかつ0.50以下となるように、より好ましくは、
Srが0.30以上かつ0.40以下、Baが0.30
以上かつ0.40以下、Caが0.25以上かつ0.3
5以下となるように、設定することによって、バリスタ
電圧E10の制御性、E10温度特性及び非直線係数α
等の電気的特性を向上させかつバリスタの耐サーマルシ
ョック性を高めることができる。即ち、Srが多すぎる
とE10温度特性が負となってしまい、少なすぎると強
度が低下してしまう。また、Baが多すぎるとE10温
度特性の正となる傾向が強くなりすぎてしまい、少なす
ぎるとE 10温度特性が負となってしまう。さらに、C
aが多すぎても少なすぎてもバリスタ電圧E10に対す
る非直線係数αが小さくなってしまう。加えて、Caが
多すぎるとバリスタ電圧E10が極端に大きくなって制
御が困難となり、また、再酸化で素地が絶縁化してしま
うためである。
(第2及び第3成分)のモル%(金属イオンモル数で計
算)が0.75以上かつ10.0以下となるように、よ
り好ましくは0.75以上かつ4.0以下となるよう
に、設定することによって、バリスタの耐サーマルショ
ック性を高めることができる。即ち、半導体化剤が多す
ぎても少なすぎてもサーマルクラックが発生し易くなっ
てしまうためである。
16以下となるように、より好ましくは0.96以上か
つ1.01以下となるように、設定することによって、
後述するように第4成分(SiO2)の量を減らした場
合にも焼結性を改善することができる。即ち、トータル
A/Bが大きすぎても小さすぎても焼結が阻害され、再
酸素化で素地が絶縁化してしまうためである。また、ト
ータルA/Bが大きすぎても小さすぎてもサーマルクラ
ックが発生し易くなってしまうためでもある。SiO2
の量が少なくかつ半導体化剤が上述したように多く添加
される領域においては、耐サーマルショック性を維持す
るために、トータルA/Bの上限を1.16以下、より
好ましくは1.01以下に制御することが不可欠とな
る。
iO2)のモル%が0.6以下となるように、より好ま
しくは0.3以下となるように、設定することによっ
て、バリスタの耐サーマルショック性を大幅に高めるこ
とができる。即ち、SiO2は焼結助剤として添加さ
れ、これが含まれると組成が変動しても安定に焼成する
ことができるが、その量が増えると、サーマルクラック
が発生し易くなるためである。
Co、Ni、Cu、Zn、Sc、Fe、Ga、In、M
o及びWの酸化物から選択される少なくとも1種からな
る第5成分(付加添加物)をさらに含有していてもよ
い。その含有量は、Li、Na、Mn、Co、Ni、C
u、Zn、Sc、Fe、Ga、In、Mo、WをLiO
1/2、NaO1/2、MnO、CoO4/3、Ni
O、CuO、ZnO、ScO3/2、FeO3/2、G
aO3/2、InO3/2、MoO3、WO3に換算し
たモル数であるとすると、0<h/d×100≦1.0
00であることが好ましい。これにより、非直線係数α
が向上する等の効果がある。
な添加物の他に不可避的不純物として他の元素、例えば
P、S、K、Al、Zr等が含まれていてもよい。この
ような元素は、通常、酸化物として存在する。
ブスカイト型結晶から構成される多結晶体である。各成
分は、一部は結晶粒に固溶してペロブスカイト型結晶に
入っており、また、一部は結晶粒界に酸化物又は複合酸
化物として存在している。例えば、Ba、Ca、Sr、
Ti、Nb、Ta、Y、ランタノイド等は結晶粒内に多
く存在しており、Mo、W、Mn、Si、Co等は結晶
粒界に多く存在している。
常、0.5〜10μm、特に1〜6μm程度である。
材料で形成されており、このような材料による電極11
は高温下でも溶食されにくく、高温の半田作業に耐え得
る。
いて説明する。
仮焼、粉砕、成型、脱バインダ、還元焼成、再酸化の順
に処理することにより得られる。
ぞれの化合物の粉末を用いる。原料粉末は、酸化物又は
焼成によって酸化物となる化合物、例えば、炭酸塩、水
酸化物等を用いることができる。例えば、Baについて
例をあげると、その原料としては、BaCO3、BaS
iO3、BaO、BaCl2、Ba(OH)2、Ba
(NO3)2、アルコキシド(例えば(CH3O)2B
a)等のバリウム化合物の少なくとも1種を用いること
ができる。原料粉末の平均粒径は、通常、0.2〜5μ
m程度とする。
成となるように秤量し、通常、湿式混合する。次いで、
脱水処理した後、乾燥し、1080〜1250℃程度で
2〜4時間程度仮焼成する。次いで、この仮焼成物を粉
砕する。
の粒子の比表面積が0.5〜5.0m2/gとなるよう
に設定する。具体的には、約1〜25時間程度である。
粉砕後の粒子の比表面積が0.5m2/g以上であれ
ば、材料の組成的な不均一や組成濃度勾配が生じないの
で、焼成体磁器の充分な撓み強度及び耐サーマルショッ
ク性を得ることができる。比表面積が5.0m2/gを
越える場合は粉砕時間が長くなり過ぎ、製造上非効率的
であるのみならず、その活性度からTiリッチな液相が
生成し易くなり組成の部分的な不均一が生じ易くなるの
で、比表面積は5.0m2/g以下としている。
を加え、さらに水、pH調整剤、保湿剤等を加えて混合
し、その混合物を成型する。
3.40g/cm3となるような条件で行う。成型体密
度が2.80g/cm3以上であれば、成型体強度が充
分となり製造工程上で不具合が生じるようなことがな
い。成型体密度が3.40g/cm3を越える場合は、
成型設備や金型の寿命が短くなるため、そのメンテナン
スに要する費用が増大するので製造上非効率的であるか
ら、成型体密度は3.40g/cm3以下としている。
気中で1250〜1400℃程度で2〜4時間程度焼成
して半導体磁器を得る。
o、W、Mn、Si、Co等の各原料粉末については、
仮焼成後の混合の際に添加してもよい。
し、目的に応じた適当なバリスタ電圧が得られるよう
に、空気等の酸化性雰囲気中において例えば800〜1
000℃程度の温度で熱処理(再酸化処理)を施す。こ
の再酸化処理により、表層部分に絶縁層10bが形成さ
れる。バリスタ特性は、この絶縁層の存在により発現す
る。一般に、この絶縁層が厚いと非直線係数α及びバリ
スタ電圧が大きくなり、薄いと非直線係数α及びバリス
タ電圧が小さくなる。
にCu又はCuを主成分とする材料で電極を形成し、バ
リスタとする。以上述べた実施形態においては、バリス
タ磁器の一方の表面に電極を設けているが、バリスタ磁
器の両面又は側面に電極を設けることもある。
0.5〜5.0m2/gとなるように粉砕処理しかつ成
型体密度を2.80〜3.40g/cm3となるように
成型処理することによって、磁器自体の強度を高いレベ
ルで維持し、半田付け時の曲げ応力に対して十分な撓み
強度と局所的なサーマルショックに対する十分な耐性を
得ることができる。
スタ磁器を製造しても良い。即ち、原料粉末を秤量して
混合し、仮焼成した後、成分の一部を添加し、所定組成
となるように調整し、粉砕して成型し、この成型体を還
元焼成し、再酸化する製造方法も適用可能である。
細に説明する。
体化剤のモル%及び種類、トータルA/B並びにSiO
2のモル%等の他のパラメータを一定にし、Aサイト成
分のモル比を変えた試料による比較である。
O3、CaCO3、TiO2、NbO5 /2、SiO2
を、表1に示す組成となるようにそれぞれ換算して秤量
し、配合した後、湿式メディアミルを用いて10〜20
時間混合し、脱水、乾燥した。
後、粗粉砕し、再度、湿式メディアミルにより10〜2
0時間混合した後、脱水、乾燥した。仮焼成後粉砕処理
時間は、16時間一定とし、従って粉砕後の粒子の比表
面積は、4.00m2/g一定としている。
%のポリビニルアルコールを有機バインダとして混合し
て造粒し、成型圧力2t/cm2で成型して、外径12
mm、内径9mm、厚さ1.0mmの成型体を作製し
た。成型体密度ρgも3.10g/cm3一定としてい
る。
で脱バインダ処理した後、N2(95容積%)+H
2(5容積%)の還元雰囲気中において、約1350℃
で2時間の焼成を行い、半導体磁器を得た。次いで、半
導体磁器を空気中、950℃で2時間、昇降温速度は1
00℃/h〜600℃/hにて再酸化処理を行い、バリ
スタ磁器を得た。
10の一方の表面にCuペーストを塗布し、中性雰囲気
下、750℃で焼き付けることによって同図に示すごと
き3極のCu電極11を形成し、測定用のバリスタ試料
とした。
E10を測定すると共に、測定したE1及びE10を用
いて、α=1/log(E10/E1)から非直線係数
αを求めた。さらに、バリスタ電圧E10の温度特性
(温度係数)をも求めた。さらにまた、各試料の抗折強
度を測定すると共に、各試料のサーマルクラック試験を
行った。
回路を用いて測定した。この測定回路では、電流計20
がバリスタ21と直流定電流源22との間に直列に接続
され、電圧計23がバリスタ21に並列に接続されてい
る。E1及びE10は、バリスタ21にそれぞれ1mA
及び10mAの電流が流れたときのバリスタ21の両端
子間の電圧値を電流計20及び電圧計23を用いて測定
した。
数)ΔE10Tは、各試料について、ΔE10T={E
10(85)−E10(20)}/{E10(20)×
(85−20)}×100 [%/℃]から求めた。な
お、E10(20)及びE10(85)は、それぞれ2
0℃及び85℃の温度におけるバリスタ電圧E10であ
る。これらは恒温槽を用いて測定した。
INEERING社 MODEL−1311D等の抗折
強度試験機によって測定した。
試料の電極面にあらかじめ温度を設定した半田コテを共
晶半田を供給しながら3秒間接触させて行った。半田コ
テの温度としては、360℃及び400℃の2つの温度
を用いた。試料の数は30個とし、クラック発生の有無
をアルコールを用いて目視で判別した。結果を表1に示
す。
的特性、特にバリスタ電圧E10の温度特性に大きな影
響を与える。E10温度特性が負の場合は動作中の温度
上昇に伴なってバリスタ電圧が低下し、バリスタに過大
電流が流れたり熱暴走を起こす恐れがあるので採用でき
ない。従って、試料15〜17、26〜29及び31は
バリスタとして使用できない範囲のものである。
0.06を越えることは望ましくないため、試料18〜
23及び30は好ましい範囲ではない。
されてしまったためバリスタとして動作しない。また、
試料24及び26はCaが多すぎるためバリスタ電圧E
10が極端に高く、制御が難しい。
が0.06以下であるが、Caが少なすぎるか多すぎる
ため、バリスタ電圧E10に対するαが低く、好ましく
ない。
ありかつバリスタ電圧E10に対するαがあまり低くな
い試料1〜12が、本発明の好ましい範囲といえる。こ
れは、請求項3に規定したAサイトモル比に対応する。
この範囲では、半田コテ温度が360℃のサーマルクラ
ック試験でクラックの発生がなく、さらに、半田コテ温
度が400℃のサーマルクラック試験でもクラックが発
生しなかった。
ある試料1〜7が、本発明のより好ましい範囲である。
これは、請求項4に規定したAサイトモル比に対応す
る。特に、試料4は、E10温度特性及び非直線係数α
のバランスが最良であり、この周辺のAサイト成分のモ
ル比が本発明の最も好ましい範囲である。
較である。
モル比、半導体化剤の種類、トータルA/B並びにSi
O2のモル%等の他のパラメータを一定にし、半導体化
剤のモル%を表2に示されるものとしたこと以外は実施
例1の場合と同様にして試料を作製し、これらについて
も実施例1の場合と同様な測定を行った。結果を表2に
示す。
マルショック性に影響を与える。試料33及び39は、
半導体化剤がそれぞれ少なすぎる及び多すぎるため、半
田コテ温度が360℃の試験でサーマルクラックが発生
するため、好ましくない。従って、半田コテ温度が36
0℃の試験でサーマルクラックが発生せずかつ抗折強度
が18kgf/mm2以上である試料4及び34〜38
が本発明の好ましい範囲である。これは、請求項3に規
定した半導体化剤のモル%に対応する。
℃の試験においてサーマルクラックが発生するため、こ
の400℃のサーマルクラック試験でクラックが発生し
ない試料4及び34〜37が本発明のより好ましい範囲
となる。これは、請求項6に規定した半導体化剤のモル
%に対応する。なお、試料4の周辺の半導体化剤のモル
%が本発明の最も好ましい範囲である。
比較である。
モル比、半導体化剤のモル%、トータルA/B並びにS
iO2のモル%等の他のパラメータを一定にし、半導体
化剤の種類を表3に示されるものとしたこと以外は実施
例1の場合と同様にして試料を作製し、これらについて
も実施例1の場合と同様な測定を行った。結果を表3に
示す。
温度が360℃の試験及び400℃の試験においてサー
マルクラックが発生せずかつ抗折強度が18kgf/m
m2以上であるため、半導体化剤としてNbO5/2、
TaO5/2、YO3/2、LaO3/2、CeO2、
PrO11/6、NdO3/2、SmO3/2、EuO
3/2、GdO3/2、TbO7/4、DyO3/2、
HoO3/2、ErO 3/2、TmO3/2、YbO
3/2、LuO3/2又はNbO5/2+YO
3 /2(等モル数)を用いることは本発明の好ましい範
囲である。これは、請求項3に規定した半導体化剤の種
類に対応する。
較である。
モル比、半導体化剤のモル%及び種類並びにSiO2の
モル%等の他のパラメータを一定にし、トータルA/B
を表4に示されるものとしたこと以外は実施例1の場合
と同様にして試料を作製し、これらについても実施例1
の場合と同様な測定を行った。結果を表4に示す。
響を与える。試料57及び63は、トータルA/Bがそ
れぞれ小さすぎる及び大きすぎるため、緻密な磁器を焼
結することができず、再酸化処理により全体が絶縁化さ
れてしまったためバリスタとして動作しない。さらに、
サーマルクラックも半田コテ温度が360℃で発生して
いる。
なくかつ半導体化剤が多く添加される領域においては、
耐サーマルショック性を維持するために、トータルA/
Bの特に上限を制御することが不可欠となる。トータル
A/Bが1.16を越えると360℃でサーマルクラッ
クが発生するようになり、トータルA/Bが1.01を
越えると400℃でサーマルクラックが発生するように
なる。
温度が360℃の試験においてサーマルクラックが発生
せずかつ抗折強度が18kgf/mm2以上であるた
め、本発明の好ましい範囲である。これは、請求項3に
規定したトータルA/Bの範囲に対応する。
テ温度が400℃の試験においてもサーマルクラックが
発生しないため、本発明のより好ましい範囲となる。こ
れは、請求項5に規定したトータルA/Bの範囲に対応
する。なお、試料4のごとくBサイト成分がややリッチ
なトータルA/B近辺が本発明の最も好ましい範囲であ
る。
比較である。
モル比、半導体化剤のモル%及び種類並びにトータルA
/B等の他のパラメータを一定にし、SiO2のモル%
を表5に示されるものとしたこと以外は実施例1の場合
と同様にして試料を作製し、これらについて、サーマル
クラック試験の温度以外は実施例1の場合と同様な測定
を行った。サーマルクラック試験は、半田コテの温度と
して、360℃、400℃及び450℃の3つの温度を
用いた。結果を表5に示す。
が含まれると組成が変動しても安定に焼成することがで
きるが、その量が増えると、サーマルクラックが発生し
易くなる。
ため、半田コテ温度が360℃の試験でもサーマルクラ
ックが発生するため、好ましくない。従って、半田コテ
温度が360℃の試験及び400℃の試験においてもサ
ーマルクラックが発生せずかつ抗折強度が18kgf/
mm2以上である試料4及び64〜67が本発明の好ま
しい範囲である。これは、請求項3に規定したSiO2
のモル%に対応する。
℃の試験においてサーマルクラックが発生するため、半
田コテ温度が450℃の試験においてもサーマルクラッ
クが発生しない試料4及び64〜66が本発明のより好
ましい範囲となる。これは、請求項7に規定したSiO
2のモル%に対応する。なお、試料4の周辺のSiO 2
のモル%が本発明の最も好ましい範囲である。
による比較である。
モル比、半導体化剤のモル%及び種類、トータルA/B
並びにSiO2のモル%等の他のパラメータを一定に
し、付加添加物の種類及び量を表6に示されるものとし
たこと以外は実施例1の場合と同様にして試料を作製
し、これらについても実施例1の場合と同様な測定を行
った。結果を表6に示す。
線係数α等の電気的特性を調整する作用がある。Mnは
バリスタ電圧E10及び非直線係数αを大きくし、Co
はバリスタ電圧E10を大きくする。また、MoやWは
非直線係数αを大きくする作用が認められる。表6には
示されていないが、その他のLi、Na、Ni、Cu、
Zn、Sc、Fe、Ga及びInにも同様の作用が認め
られる。
め、焼結性が阻害され再酸化処理で磁器が絶縁化してい
る。従って主成分に対するモル%が1.00以下であり
かつ抗折強度が18kgf/mm2以上である試料70
〜73、75〜77及び79〜80が本発明の好ましい
範囲である。これは、請求項8に規定した付加添加物の
種類及びモル%に含まれている。
子の比表面積と、成型体密度とを変えた試料による比較
である。
種類、トータルA/B並びにSiO 2のモル%等の他の
パラメータを一定にし、粉砕処理及び成型処理条件を表
7に示されるものとしたこと以外は実施例1の場合と同
様にして試料を作製し、これらについても実施例1の場
合と同様な測定を行った。結果を表7に示す。
をbモル、CaOをcモル、TiO 2をdモル、NbO
5/2をfモル、SiO2をgモルと表し、a/(a+
b+c)=0.35、b/(a+b+c)=0.35、
c/(a+b+c)=0.30、f/d×100=3.
00、(a+b+c)/(d+f)=1.16、g/d
×100=0.30と一定にして試料を作製した。
/Bが1.16と比較的大きな組成を有している。
60g/cm3と通常より下げて仮焼成後の粉砕時間を
1〜100時間と変化させることにより粉砕後の粒子の
比表面積を0.53〜10.43m2/gと変えたもの
である。いずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2
より低く、半田コテ温度が360℃の試験及び400℃
の試験においてもサーマルクラックが発生している。こ
れは、成型体密度ρgが低いことにより焼成後の焼成体
密度が4.66g/cm3以下とかなり低下したので充
分な撓み強度が得られなかったためと考えられる。
80g/cm3と通常と同じにして粉砕後の粒子の比表
面積を0.53〜7.29m2/gと変えたものであ
る。いずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2を越
えており、撓み強度は確保されているが、半田コテ温度
が360℃の試験及び400℃の試験においてもサーマ
ルクラックが発生している。試料89は粉砕時間が50
時間必要なため、製造効率の点から好ましくない。
00g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を0.2
3〜10.43m2/gと変えたものである。いずれの
試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越えてお
り、撓み強度が確保されている。さらに、試料90及び
96を除いて、半田コテ温度が360℃の試験及び40
0℃の試験においてもサーマルクラックが発生していな
い。試料95及び96は粉砕時間が50時間以上必要な
ため、製造効率の点から好ましくない。
3.20g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.23〜7.29m2/gと変えたものである。いず
れの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越え
ており、撓み強度が確保されている。さらに、試料97
を除いて、半田コテ温度が360℃の試験及び400℃
の試験においてもサーマルクラックが発生していない。
試料101は粉砕時間が50時間必要なため、製造効率
の点から好ましくない。
3.40g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.23〜7.29m2/gと変えたものである。いず
れの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越え
ており、撓み強度が確保されている。さらに、試料10
2を除いて、半田コテ温度が360℃の試験及び400
℃の試験においてもサーマルクラックが発生していな
い。試料106は粉砕時間が50時間必要なため、製造
効率の点から好ましくない。
3.60g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.53〜10.43m2/gと変えたものである。い
ずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越
えており、撓み強度が確保されている。さらに、試料1
11を除いて、半田コテ温度が360℃の試験及び40
0℃の試験においてもサーマルクラックが発生していな
い。しかしながら、成型体密度を、3.60g/cm3
とすることは、金型の寿命を著しく短命化させることと
なるので、これら試料107〜111は好ましい範囲で
はない。
3〜4.52m2/gとなるように粉砕処理しかつ成型
体密度を2.80〜3.40g/cm3とすることによ
り、焼成体磁器の充分な撓み強度及び耐サーマルショッ
ク性を得ることができ、また、粉砕時間が長くなり過ぎ
たり、成型設備や金型の寿命が短くなることからそのメ
ンテナンスに要する費用が増大するので製造上非効率的
となるような不都合はなくなる。
0.53〜4.52m2/gとなっているが、比表面積
測定の誤差範囲を考慮すると、0.5〜5.0m2/g
が本発明の好ましい範囲となる。これは、請求項1及び
2に対応している。
子の比表面積と、成型体密度とを変えた試料による比較
である。
種類、トータルA/B並びにSiO 2のモル%等の他の
パラメータを一定にし、粉砕処理及び成型処理条件を表
8に示されるものとしたこと以外は実施例1の場合と同
様にして試料を作製し、これらについても実施例1の場
合と同様な測定を行った。結果を表8に示す。
をbモル、CaOをcモル、TiO 2をdモル、NbO
5/2をfモル、SiO2をgモルと表し、a/(a+
b+c)=0.35、b/(a+b+c)=0.35、
c/(a+b+c)=0.30、f/d×100=3.
00、(a+b+c)/(d+f)=0.98、g/d
×100=0.20と一定にして試料を作製した。
A/Bが0.98と実施例7の試料よりかなり低く、ま
たSiO2のモル%が0.2と実施例7の試料より低い
改善された組成を有している。
2.60g/cm3と通常より下げて仮焼成後の粉砕時
間を1〜100時間と変化させることにより粉砕後の粒
子の比表面積を0.52〜11.06m2/gと変えた
ものである。いずれの試料も抗折強度が18kgf/m
m2前後であり、半田コテ温度が360℃の試験及び4
00℃の試験においてもサーマルクラックが発生してい
る。これは、成型体密度ρgが低いことにより焼成後の
焼成体密度が4.70g/cm3以下とかなり低下した
ので充分な撓み強度が得られなかったためと考えられ
る。
2.80g/cm3と通常と同じにして粉砕後の粒子の
比表面積を0.52〜7.26m2/gと変えたもので
ある。いずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2を
越えており撓み強度は確保されていると共に、半田コテ
温度が360℃の試験及び400℃の試験においてもサ
ーマルクラックが発生していない。しかし、試料120
は粉砕時間が50時間必要なため、製造効率の点から好
ましくない。
3.00g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.30〜11.06m2/gと変えたものである。い
ずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越
えており、撓み強度が確保されている。さらに、半田コ
テ温度が360℃の試験及び400℃の試験においても
サーマルクラックが発生していない。ただし、試料12
6及び127は粉砕時間が50時間以上必要なため、製
造効率の点から好ましくない。
3.20g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.30〜7.26m2/gと変えたものである。いず
れの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越え
ており、撓み強度が確保されている。さらに、半田コテ
温度が360℃の試験及び400℃の試験においてもサ
ーマルクラックが発生していない。試料132は粉砕時
間が50時間必要なため、製造効率の点から好ましくな
い。
3.40g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.30〜7.26m2/gと変えたものである。いず
れの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越え
ており、撓み強度が確保されている。さらに、半田コテ
温度が360℃の試験及び400℃の試験においてもサ
ーマルクラックが発生していない。ただし、試料106
は粉砕時間が50時間必要なため、製造効率の点から好
ましくない。
3.60g/cm3として粉砕後の粒子の比表面積を
0.52〜11.06m2/gと変えたものである。い
ずれの試料も抗折強度が18kgf/mm2を大きく越
えており、撓み強度が確保されている。さらに、半田コ
テ温度が360℃の試験及び400℃の試験においても
サーマルクラックが発生していない。しかしながら、成
型体密度を、3.60g/cm3とすることは、金型の
寿命を著しく短命化させることとなるので、これら試料
138〜142は好ましい範囲ではない。
2〜4.83m2/gとなるように粉砕処理しかつ成型
体密度を2.80〜3.40g/cm3とすることによ
り、焼成体磁器の充分な撓み強度及び耐サーマルショッ
ク性を得ることができ、また、粉砕時間が長くなり過ぎ
たり、成型設備や金型の寿命が短くなることからそのメ
ンテナンスに要する費用が増大するので製造上非効率的
となるような不都合はなくなる。
0.52〜4.83m2/gとなっているが、比表面積
測定の誤差範囲を考慮すると、0.5〜5.0m2/g
が本発明の好ましい範囲となる。これは、請求項1及び
2に対応している。
並びに仮焼成後粉砕時間、従って粉砕後の粒子の比表面
積及び成型体密度が本発明の範囲内であれば、上述した
好ましい範囲内の抗折強度が得られ、高い撓み強度を有
しかつ耐サーマルショック性に優れたバリスタ磁器が得
られる製造方法を提供することができる。
明を例示的に示すものであって限定的に示すものではな
く、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施す
ることができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲
及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
ば、粉砕後の粒子の比表面積が0.5〜5.0m2/g
となるように粉砕処理しかつ成型体密度を2.80〜
3.40g/cm3となるように成型処理しているの
で、磁器自体の強度を高いレベルで維持し、半田付け時
の曲げ応力に対して十分な撓み強度と局所的なサーマル
ショックに対する十分な耐性を得ることができる。しか
も、粉砕時間が長くなり過ぎたり、成型設備や金型の寿
命が短くなることからそのメンテナンスに要する費用が
増大するので製造上非効率的となるような不都合はなく
なる。
態であるリングバリスタの構造を示す平面図及びそのA
−A線断面図である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 Sr、Ba及びCaのうちの少なくとも
1種とTiとを含む原料粉末を所定組成となるように秤
量して混合処理し、仮焼成処理した後、粉砕処理して成
型処理し、該成型体を還元焼成処理し、再酸化処理して
電圧依存性非直線抵抗体磁器を製造する方法であって、
前記粉砕処理が粉砕後の粒子の比表面積が0.5〜5.
0m2/gとなるように粉砕する処理であり、前記成型
処理が成型体密度を2.80〜3.40g/cm3とな
るように成型する処理であることを特徴とする電圧依存
性非直線抵抗体磁器の製造方法。 - 【請求項2】 Sr、Ba及びCaのうちの少なくとも
1種とTiとを含む原料粉末を秤量して混合処理し、仮
焼成処理した後、成分の一部を添加し、所定組成となる
ように調整処理した後、粉砕処理して成型処理し、該成
型体を還元焼成処理し、再酸化処理して電圧依存性非直
線抵抗体磁器を製造する方法であって、前記粉砕処理が
粉砕後の粒子の比表面積が0.5〜5.0m2/gとな
るように粉砕する処理であり、前記成型処理が成型体密
度を2.80〜3.40g/cm3となるように成型す
る処理であることを特徴とする電圧依存性非直線抵抗体
磁器の製造方法。 - 【請求項3】 Sr、Ba、Ca及びTiの酸化物から
なる第1成分と、R(Y及びランタノイド)の酸化物か
ら選択される少なくとも1種からなる第2成分と、M
(Nb及びTa)の酸化物から選択される少なくとも1
種からなる第3成分と、Siの酸化物からなる第4成分
とを含有する磁器の組成が、0.10≦a/(a+b+
c)≦0.40、0.30≦b/(a+b+c)≦0.
50、0.20<c/(a+b+c)≦0.50、0.
84≦(a+b+c+e)/(d+f)≦1.16、
0.75≦(e+f)/d×100≦10.0、g/d
×100≦0.6(ただし、aは第1成分のSrをSr
Oに換算したモル数、bは第1成分のBaをBaOに換
算したモル数、cは第1成分のCaをCaOに換算した
モル数、dは第1成分のTiをTiO2に換算したモル
数、eは第2成分のRをYO3/2、CeO2、PrO
11/6、TbO7/4、RO3/2(その他のランタ
ノイド)にそれぞれ換算したモル数、fは第3成分のM
をNbO5/2、TaO5/2にそれぞれ換算したモル
数、gは第4成分のSiをSiO2に換算したモル数で
ある)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
製造方法。 - 【請求項4】 前記第1成分の組成が、0.30≦a/
(a+b+c)≦0.40、0.30≦b/(a+b+
c)≦0.40、0.25≦c/(a+b+c)≦0.
35であることを特徴とする請求項3に記載の製造方
法。 - 【請求項5】 前記第1成分から前記第3成分の組成
が、0.96≦(a+b+c+e)/(d+f)≦1.
01であることを特徴とする請求項3又は4に記載の製
造方法。 - 【請求項6】 前記第2成分及び前記第3成分の組成
が、0.75≦(e+f)/d×100≦4.0である
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載
の製造方法。 - 【請求項7】 前記第4成分の組成が、g/d×100
≦0.3であることを特徴とする請求項3から6のいず
れか1項に記載の製造方法。 - 【請求項8】 前記磁器が、Li、Na、Mn、Co、
Ni、Cu、Zn、Sc、Fe、Ga、In、Mo及び
Wの酸化物から選択される少なくとも1種からなる第5
成分をさらに含有しており、0<h/d×100≦1.
000(ただし、hは第5成分のLi、Na、Mn、C
o、Ni、Cu、Zn、Sc、Fe、Ga、In、M
o、WをLiO1/2、NaO1/2、MnO、CoO
4/3、NiO、CuO、ZnO、ScO3/2、Fe
O3/2、GaO3/2、InO 3/2、MoO3、W
O3に換算したモル数である)であることを特徴とする
請求項3から7のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000378732A JP3719135B2 (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 |
TW90126160A TW535174B (en) | 2000-11-15 | 2001-10-23 | Voltage-dependent nonlinear resistor ceramic, voltage-dependent nonlinear resistor with the ceramic, and method of manufacturing voltage-dependent nonlinear resistor ceramic |
SG200106844A SG104950A1 (en) | 2000-11-15 | 2001-11-02 | Voltage-dependent nonlinear resistor ceramic, voltage-dependent nonlinear resistor with the ceramic, and method of manufacturing voltage-dependent nonlinear resistor ceramic |
MYPI20015137A MY127329A (en) | 2000-11-15 | 2001-11-08 | Voltage-dependent nonlinear resistor ceramic, voltage-dependent nonlinear resistor with the ceramic, and method of manufacturing voltage-dependent nonlinear resistor ceramic |
CNB011376961A CN100442400C (zh) | 2000-11-15 | 2001-11-15 | 压敏非线性电阻器陶瓷,制造方法和压敏非线性电阻器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000378732A JP3719135B2 (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184611A true JP2002184611A (ja) | 2002-06-28 |
JP3719135B2 JP3719135B2 (ja) | 2005-11-24 |
Family
ID=18847241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000378732A Expired - Lifetime JP3719135B2 (ja) | 2000-11-15 | 2000-12-13 | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3719135B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103319170A (zh) * | 2013-06-14 | 2013-09-25 | 广东风华高新科技股份有限公司 | 环形压敏电阻器瓷料、制备方法与环形压敏电阻器及其制备方法 |
-
2000
- 2000-12-13 JP JP2000378732A patent/JP3719135B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103319170A (zh) * | 2013-06-14 | 2013-09-25 | 广东风华高新科技股份有限公司 | 环形压敏电阻器瓷料、制备方法与环形压敏电阻器及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3719135B2 (ja) | 2005-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101178971B1 (ko) | 반도체 세라믹 및 정특성 서미스터 | |
JP6402800B2 (ja) | 非鉛圧電組成物の製造方法、非鉛圧電素子の製造方法、超音波プローブの製造方法及び画像診断装置の製造方法 | |
JP5710077B2 (ja) | 圧電セラミックスの製造方法、圧電セラミックス、および圧電素子 | |
CN104003711B (zh) | 电介质陶瓷组合物以及电子部件 | |
JPWO2010067866A1 (ja) | 半導体セラミック及び正特性サーミスタ | |
KR20170016805A (ko) | 반도체 자기 조성물 및 ptc 서미스터 | |
Song et al. | Copper cofire X7R dielectrics and multilayer capacitors based on zinc borate fluxed barium titanate ceramic | |
KR20110009653A (ko) | 반도체 자기 조성물의 제조 방법 및 반도체 자기 조성물을 이용한 히터 | |
JP3956676B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 | |
EP0937692B1 (en) | Barium titanate-base semiconductor ceramic | |
JP3719135B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 | |
JP3823876B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体 | |
JP2014072374A (ja) | チタン酸バリウム系半導体磁器組成物およびそれを用いたptcサーミスタ | |
JP3838026B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体磁器の製造方法 | |
JP4217337B2 (ja) | 半導体磁器の製造方法 | |
JP2000264726A (ja) | 半導体磁器 | |
JP3514810B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体の製造方法 | |
JP3598177B2 (ja) | 電圧非直線性抵抗体磁器 | |
JP4099956B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体 | |
JP3840917B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体 | |
JP3711916B2 (ja) | 電圧依存性非直線抵抗体 | |
TWI541215B (zh) | A dielectric ceramic material composition and a multilayer ceramic capacitor comprising the dielectric ceramic material composition | |
JP2583091B2 (ja) | 誘電性セラミック組成物 | |
JP4042836B2 (ja) | 電圧非直線性抵抗体の製造方法 | |
JP4183100B2 (ja) | 電圧非直線性抵抗体磁器組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050802 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050816 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050829 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3719135 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |