JP2002179813A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルム

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JP2002179813A JP2000374451A JP2000374451A JP2002179813A JP 2002179813 A JP2002179813 A JP 2002179813A JP 2000374451 A JP2000374451 A JP 2000374451A JP 2000374451 A JP2000374451 A JP 2000374451A JP 2002179813 A JP2002179813 A JP 2002179813A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷や加工を施さなくともすりガラス調の外観
を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】ポリエステル樹脂からなるフィルムであっ
て、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、ヘ
ーズが15〜60%であり、且つ内部ヘーズがヘーズの
50%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステ
ル系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性ポリエス
テル系フィルム、詳しくは、すりガラス調の外観を有す
る熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】贈答用の日本酒瓶等としては、主として
すりガラス瓶が使用されているが、近年、瓶は傷がつき
易く繰り返し使用できない等の理由から使用量減を余儀
なくされ、それに代えて透明ガラス瓶又はPETボトル
に熱収縮性フィルムのラベルを装着して使用することが
試みられている。
【0003】このようなラベルとしては、従来から、ポ
リ塩化ビニル、ポリスチレン等からなる熱収縮性フィル
ムが主として用いられてきたが(特開平11−1888
17号等)、ポリ塩化ビニルについては、近年、廃棄時
に焼却する際の塩素系ガス発生が問題となり、又ポリス
チレンについては印刷が困難である等の問題があり、最
近は熱収縮性ポリエステル系フィルムの利用が注目を集
めている。
【0004】また、従来、これらの熱収縮性フィルムを
使用する場合は、フィルムに白色印刷やサンドブラスト
加工を施してすりガラス調に仕上げてきたが、加工コス
トが高く、納期も長いという点で工業的に不利であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印刷
や加工を施さなくともすりガラス調の外観を有する熱収
縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の問題点を解消すべく鋭意研究した結果、熱収縮性ポ
リエステル系フィルムの全光線透過率、ヘーズ及び内部
ヘーズを特定範囲とすることによって、目的が達成でき
ることを見出し、これに基づき本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、ポリエステル樹脂からな
るフィルムであって、フィルムの全光線透過率が80〜
90%であり、ヘーズが15〜60%であり、且つ内部
ヘーズがヘーズの50%以下であることを特徴とする熱
収縮性ポリエステル系フィルムに係る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の熱収縮性ポリエステル系
フィルムは、そのフィルム厚み50μmにおいて、フィ
ルムの全光線透過率が80〜90%であり、ヘーズが1
5〜60%であり、且つ内部ヘーズがヘーズの50%以
下であることを特徴とし、そのことにより上記目的が達
成される。
【0009】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、実質的にポリエステル樹脂又はポリエステル樹脂及
び後記微粒子からなっている。ポリエステル樹脂として
は、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを構成
成分とするポリエステルと、ポリエステル系エラストマ
ーとを含有するポリエステル樹脂組成物を好ましく使用
できる。該ポリエステル樹脂組成物において、ポリエス
テルとポリエステル系エラストマーとの配合割合は、両
者の合計量に対して、通常、前者が50〜97重量%程
度、特に70〜95重量%で、後者が3〜50重量%程
度、特に5〜30重量%程度であるのが好適である。
【0010】上記ポリエステルを構成するジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン
酸等の公知のジカルボン酸の1種又は2種以上を使用す
れば良い。また、ジオール成分としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、テトラメチレングリコールエチレンオキサイド付
加物等の公知のジオールの1種又は2種以上を使用すれ
ば良い。
【0011】また、上記ポリエステル系エラストマー
は、例えば、高融点結晶性ポリエステルセグメント(T
m200℃以上)と分子量400以上好ましくは400
〜8000の低融点軟質重合体セグメント(Tm80℃
以下)からなるポリエステル系ブロック共重合体であ
り、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンを低融
点軟質重合体セグメントに用いたポリエステル系エラス
トマーが、特に好ましい。
【0012】本発明フィルム特定の全光線透過率、ヘー
ズ及び内部ヘーズを達成して、フィルムにすりガラス調
の外観を付与するためには、例えば、フィルム中に、無
機滑剤、有機滑剤等の微粒子をフィルム重量に対して
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%含有
させることが、好適である。該微粒子の含有量が0.1
重量%未満の場合は、すりガラス調の外観を得ることが
困難な傾向にあり、一方10重量%を越えるとフィルム
表面の凹凸が大きくなって外観が低下する傾向にある。
【0013】微粒子は、ポリエステル重合前に添加して
も良いが、通常は、ポリエステル重合後に添加される。
微粒子として添加される無機滑剤としては、例えば、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフ
タル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リ
ン酸カルシウム、カーボンブラック等の公知の不活性粒
子が挙げられる。
【0014】また、同様に微粒子として添加される有機
滑剤としては、ポリエステル樹脂の溶融製膜に際して不
溶な高融点有機化合物が使用できる。該高融点有機化合
物の融点(Tm)は、溶融製膜時の温度より高く、且つ
該有機化合物が該温度において形状を保持していること
が必要である。該高融点有機化合物の具体例としては、
例えば、ポリメタアクリル酸エステル系架橋体、ベンゾ
グアナミン等の架橋ポリマーを挙げることができる。
【0015】フィルム中に含まれる微粒子の平均粒径
は、通常、0.001〜15.0μmの範囲であるのが
好ましい。粒径が0.001μm未満であるとすりガラ
ス調の外観を得ることが困難な傾向にあり、一方15μ
mを越えるとフィルム表面の凹凸が大きくなって外観が
低下する傾向にある。該粒径は、より好ましくは0.5
〜12μmであり、特に好ましくは1〜10μmであ
る。ここで、微粒子の平均粒径は、コールターカウンタ
ー法により、測定したものである。
【0016】また、本発明フィルムは、必要に応じて、
安定剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を
含有するものであっても良い。
【0017】本発明のポリエステル系フィルムは、JI
S K 7105−Aに準じて測定されたフィルムの全光
線透過率が80〜90%であることが必要である。該透
過率が80%未満であると、フィルムに施された印刷が
見えにくくなり、一方90%を越えると所定のヘーズと
するのが困難になるので、いずれも好ましくない。該透
過率は、85〜90%であることが、特に好ましい。
【0018】また、本発明フィルムは、JIS K 71
05−Aに準じて測定されたフィルムのヘーズが15〜
60%であることが必要である。該ヘーズが15%未満
であると、すりガラス調の外観が得られず、一方60%
を越えるとフィルム表面に印刷を施して反対側から見た
場合に小さい文字が見にくくなるので、いずれも好まし
くない。
【0019】更に、本発明フィルムでは、JIS K 7
105−Aに準じて測定された内部ヘーズがヘーズの5
0%以下であること、即ち、(内部ヘーズ)≦(ヘー
ズ)×0.5であることが、必要である。この要件に基
づいて、本発明フィルムにおいては、外部ヘーズ[=
(ヘーズ)−(内部ヘーズ)]を大きくして、内部ヘー
ズを小さくすることにより、すりガラス調の外観と、意
匠性を両立せしめることが、好適に達成できる。
【0020】この内部ヘーズの要件を満足する限りにお
いて、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは単層
でも構わないが、単層の場合、内部ヘーズをヘーズの5
0%以下とすることが必ずしも容易ではなく、この要件
を満たすためには微粒子の種類、添加量、粒径を種々選
択する必要がある。
【0021】そのため、本発明フィルムは、微粒子添加
層及び微粒子を含まない層の少なくとも2層からなる積
層フィルムであることが好ましい。かかる積層フィルム
における微粒子の含有量は、微粒子添加層及び微粒子を
含まない層を含めた全フィルム重量に対する含有量であ
る。
【0022】このような積層フィルムとしては、例え
ば、表面側に微粒子添加層を設け、内面側に微粒子を含
まない層を設けた2層構造の積層フィルム、表面側に微
粒子添加層を設け、中間層及び内面側に微粒子を含まな
い層を設けた3層構造の積層フィルム等を挙げることが
できる。このような内面側に微粒子を含まない層を設け
た積層フィルムの場合は、内面側に印刷を施しても、小
文字が読み難かったり、色目が変わったりして、意匠性
を損なうというような欠点を生じることがない。
【0023】ここで、本発明フィルムにおいて、内面側
とは瓶又はボトルのラベルとして用いた場合に瓶又はボ
トルに面する側をいい、又表面側とは内面側の反対側を
いう。
【0024】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは、その表面粗さの最大高さ(SRmax)が
2.0〜8.0μmであり、且つ中心面平均粗さ(SR
a)が0.20〜0.5μmであることが好ましい。S
Rmax又は/及びSRaが、上記範囲内であれば、フ
ィルムの滑りが良好で加工時にトラブルを発生する頻度
は低く、又表面のざらざら感も実質的に生じることがな
い。
【0025】本発明のフィルムは、その温湯収縮率が、
主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で
50%以上であるのが好ましく、50〜75%であるの
がより好ましい。該収縮率が50%未満では瓶又はボト
ルの細い部分で、ラベルの収縮不足が発生する傾向にあ
り、一方75%を越えると収縮率が大きいために、収縮
トンネル通過中にラベルの飛び上がりが発生する場合が
あるので、いずれも好ましくない。ここで主収縮方向と
は、熱収縮率の大きい方向を意味する。
【0026】また、本発明フィルムの温湯収縮率は、主
収縮方向と直交する方向において処理温度95℃・処理
時間10秒で0〜10%であるのが好ましい。該収縮率
が0%未満で伸びる方向になると収縮時に生じたラベル
の横シワが消えにくくなる傾向にあり、一方10%を越
えるとラベルの縦収縮が大きくなって使用するフィルム
量が多くなり経済的に問題が生ずるので、いずれも好ま
しくない。該収縮率は、より好ましくは、1〜7%であ
る。
【0027】本発明フィルムのガラス転移温度Tgは、
通常、50〜90℃程度、好ましくは55〜85℃、さ
らに好ましくは55〜80℃の範囲である。Tgがこの
範囲内であれば、低温収縮性は十分で且つ自然収縮が大
きすぎることがなく、ラベルの仕上りが良好である。
【0028】本発明フィルムは、ベンゼン、トルエン、
キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩
化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、フ
ェノール等のフェノール類、テトラヒドロフラン等のフ
ラン類、1,3−ジオキソラン等のオキソラン類等の有
機溶剤による溶剤接着性を有することが好ましい。特
に、安全性の面からすれば、1,3−ジオキソランによ
る溶剤接着性を有することがより好ましい。
【0029】本発明フィルムに溶剤接着性を付与するた
めには、例えば、ポリエステルに低Tg成分を共重合す
ることが有効である。
【0030】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て、説明する。
【0031】微粒子として無機滑剤等を必要に応じて適
量含有するポリエステル、共重合ポリエステル、ポリエ
ステル系エラストマー等を、通常のホッパードライヤ
ー、パドルドライヤー、真空乾燥機等を用いて乾燥した
後、200〜320℃の温度で押出しを行う。積層フィ
ルムの場合は、共押出しを行う。押出しに際しては、T
ダイ法、チューブラー法等、既存の方法を使用すれば良
い。
【0032】押出し後、急冷して未延伸フィルムを得る
が、Tダイ法の場合には、急冷時にいわゆる静電印加密
着法を用いることが、それにより厚み斑の少ないフィル
ムが得られるので好ましい。
【0033】得られた未延伸フィルムを、最終的に得ら
れるフィルムが本発明の構成要件を満たすように、1軸
延伸または2軸延伸する。
【0034】延伸方法としては、ロール縦1軸のみに延
伸したり、テンターで横1軸にのみ延伸する方法の他、
公知の2軸延伸に際し縦または横のいずれか一方向に強
く延伸し、他方を極力小さく延伸することも可能であ
る。また、必要に応じて再延伸を施してもよい。縦方向
は、フィルムの引き取り方向を意味する。
【0035】上記延伸において、主収縮方向には少なく
とも2.0倍以上、好ましくは2.5〜6.0倍延伸
し、必要に応じて主収縮方向と直交する方向に1.1〜
2.0倍程度延伸し、次いで熱処理を行う。主収縮方向
の延伸が2.5倍未満では十分な収縮率が得られず、
6.0倍を越えても収縮率はそれ以上は大きくならな
い。
【0036】熱処理は通常、緊張固定下に、実施される
が、同時に20%以下の弛緩または幅出しを行うことも
可能である。熱処理方法としては加熱ロールに接触させ
る方法やテンター内でクリップに把持して行う方法等の
既存の方法によれば良い。
【0037】前記延伸工程中、延伸前または延伸後にフ
ィルムの片面または両面にコロナ放電処理を施して、フ
ィルムの印刷層および/または接着剤層等に対する接着
性を向上させることも可能である。
【0038】また、上記延伸工程中、延伸前または延伸
後にフィルムの片面または両面に塗布を施し、フィルム
の接着性、離型性、帯電防止性、易滑性、遮光性等を向
上させることも可能である。
【0039】本発明フィルムの厚みは、好ましくは15
〜300μm、より好ましくは25〜200μmの範囲
である。また、本発明フィルムが、例えば、微粒子添加
層と微粒子を含まない層との2層の積層フィルムの形態
である場合は、微粒子添加層が好ましくは7〜150μ
m、より好ましくは12〜50μmの範囲であり、又微
粒子を含まない層が好ましくは7〜150μm、より好
ましくは12〜50μmの範囲である。
【0040】本発明の熱収縮性ポリエステルフィルム
は、透明ガラス瓶、PETボトル等の熱収縮性ラベルと
して、好適に使用できる。この場合の使用方法として
は、例えば、本発明フィルムの内面側に、必要に応じ
て、商品名、ロゴマーク、注意書き等や、着色を印刷し
た後、フィルムを筒状に丸め、両末端を溶剤接着して筒
状の熱収縮ラベルとする。次いで、この熱収縮ラベル
を、自動ラベル装着装置に供給して、瓶やボトル等の被
装着物に連続的に被嵌し、スチームトンネルを通過させ
ることにより、収縮せしめてラベルを被装着物に装着さ
せる。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より一層具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例により限定されるものではない。
【0042】各例における各種特性は、以下の方法によ
り求めたものである。
【0043】(1)全光線透過率およびフィルムヘーズ 日本電飾工業(株)製のヘーズ測定器「NDH−100
1DP」を用い、JIS K 7105−Aに準じて測定
した。
【0044】(2)内部ヘーズ フィルム両面にツェーデル油をつけ、ガラス板2枚で挟
み込んで、日本電飾工業(株)製のヘーズ測定器「ND
H−1001DP」を用い、JIS K 7105−Aに
準じて測定した。
【0045】(3)フィルムの表面粗さの最大高さ(S
Rmax)および中心面平均粗さ(SRa) 小坂研究所社製の三次元微細形状測定器「ET−30H
K」を使用し、カットオフ80μm、ドライブスピード
100μm/sの条件で測定した。
【0046】(4)熱収縮率 フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、95±
0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬処理して
熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法を測定
し、下式に従い熱収縮率を求めた。
【0047】熱収縮率(%)=[(収縮前の長さ−収縮後
の長さ)/収縮前の長さ]×100 また、熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
【0048】(5)溶剤接着性 1,3−ジオキソランを用いてフィルムをチューブ状に
接合加工し、該チューブ状体を加工時の流れ方向と直交
方向に15mm幅に切断してサンプルを取り、接合部分
を上記方向に引っ張り剥離し、充分な剥離抵抗力が得ら
れたものを溶剤接着性「○」とした。
【0049】(6)Tg(ガラス転移点) セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:「DSC2
20」)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40
℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、得ら
れた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接
線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
【0050】実施例及び比較例に用いたポリエステルは
以下の通りである。
【0051】ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレ
ート(IV;0.75)、 ポリエステルB:テレフタル酸100モル%と、エチレ
ングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール3
0モル%とからなるポリエステル(IV;0.72)、 ポリエステル系エラストマーC:ポリブチレンテレフタ
レート70重量%とポリ−ε−カプロラクトン30重量
%とからなるポリエステル系ブロック共重合体(還元粘
度(ηsp/c);1.30)。
【0052】また、実施例及び比較例に用いた微粒子は
以下の通りである。
【0053】微粒子a:「エポスターMA1010」
(ポリメタアクリル酸エステル架橋体粒子、平均粒径1
0μm);日本触媒(株)製、商品名、 微粒子b:「エポスターMA1006」(ポリメタアク
リル酸エステル架橋体粒子、平均粒径6μm);日本触
媒(株)製、商品名、 微粒子c:不定形サイロイド(シリカ粒子、平均粒径
1.5μm);富士サイリシア(株)製。
【0054】実施例1 表1に示すように、コア層(内面側の層)として、ポリ
エステルAを31重量%、ポリエステルBを49重量%
及びポリエステル系エラストマーCを20重量%混合し
たポリエステル樹脂組成物を、スキン層(表面側の層)
として、ポリエステルAを31重量%、ポリエステルB
を49重量%及びポリエステル系エラストマーC20重
量%の混合物98重量部に対し微粒子aが2重量部にな
るよう調整したポリエステル樹脂組成物を、280℃で
Tダイから延伸後のコア層/スキン層の厚み比率が25
μm/25μmとなるように積層しながら溶融共押し出し
し、チルロールで急冷して未延伸積層フィルムを得た。
【0055】該未延伸積層フィルムを、テンターでフィ
ルム温度70℃で横方向に4.0倍延伸し、総厚み50
μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0056】実施例2及び比較例1〜3 表1に示すように、微粒子の種類・添加量を変えたこと
以外は、実施例1と同様にして、総厚み50μmの熱収
縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0057】実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた
各フィルムの微粒子の種類・添加量及び各種特性を、表
1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表中の微粒子の添加量は、フィルム全重量
に対する添加量を示す。
【0060】上記表1から明らかなように、実施例1及
び2の本発明熱収縮性ポリエステル系フィルムは、いず
れも、全光線透過率、ヘーズ及び内部ヘーズの要件を満
たしており、良好なすりガラス調の外観を有するもので
あった。従って、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムは、高品質で実用性が高く、特にすりガラス調の収
縮ラベル用として好適である。
【0061】一方、比較例1〜2で得られた熱収縮性ポ
リエステル系フィルムは、すりガラス調の外観を有する
もののフィルムを通して印刷物を見たとき小さい文字が
見にくく、比較例3で得られた熱収縮性ポリエステル系
フィルムは、すりガラス調の外観が劣っていた。このよ
うに比較例の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、品質
が劣り、実用性の低いものであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィル
ムによれば、印刷や加工を施さなくともすりガラス調の
外観を有し、又充分な溶剤接着性が得られる。従って、
ラベル用、特に商品価値の高いラベル用の熱収縮性ポリ
エステル系フィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 105:16 105:16 105:28 105:28 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 永野 ▲煕▼ 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AB01 AD02 AE11 AF30 AF30Y AF32 AF32Y AF61 AF61Y AH06 BA01 BB06 BB07 BC01 BC02 4F100 AA20 AK25 AK41A AK41B AK42 BA01 BA02 BA16 DE01A EJ37 JA03 JA20A JL11 JN30A YY00A 4F210 AA24 AB11 AE01 AG01 AG03 RA03 RC02 RG04 RG09 RG30 RG43 4J002 BG052 CC192 CF001 CF031 DA036 DE136 DE146 DE236 DH046 DJ016 DJ036 EG106 FA082 FA086 FD172 FD176 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル樹脂からなるフィルムであっ
    て、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、ヘ
    ーズが15〜60%であり、且つ内部ヘーズがヘーズの
    50%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステ
    ル系フィルム。
  2. 【請求項2】フィルムが、微粒子をフィルム重量に対し
    て0.1〜10重量%含有している請求項1に記載の熱
    収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】微粒子の平均粒径が、0.001〜15.
    0μmの範囲である請求項2に記載の熱収縮性ポリエス
    テル系フィルム。
  4. 【請求項4】微粒子添加層及び微粒子を含まない層の少
    なくとも2層からなる積層フィルムである請求項2又は
    3に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  5. 【請求項5】温湯収縮率が、主収縮方向において処理温
    度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、且つ主
    収縮方向と直交する方向において0〜10%である請求
    項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】1,3−ジオキソランで溶剤接着可能であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステ
    ル系フィルム。
JP2000374451A 2000-12-08 2000-12-08 熱収縮性ポリエステル系フィルム Expired - Fee Related JP3736615B2 (ja)

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JP2005126590A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム
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