JP2003034729A - 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造方法Info
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Abstract
にすりガラス調の外観を有し、且つ、収縮白化、収縮
斑、シワ、歪み、タテヒケなどの発生が極めて少なく、
ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムを
提供すること。 【解決手段】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにお
いて、多価アルコール成分100モル%中、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上であり、
熱収縮前のフィルムについて、全光線透過率が80〜9
0%、ヘーズが15〜60%であり、且つ下記条件下で
測定される熱収縮前のフィルムの内部ヘーズが、前記ヘ
ーズの50%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリ
エステル系フィルム。ここで、前記内部ヘーズは、熱収
縮前のフィルムの上面および下面にツェーデル油を塗布
し、2枚のガラス板に挟んだ試料について、JIS K
7105(A法)に従って測定されるヘーズである。
Description
テル系フィルムとその製造方法に関し、さらに詳しく
は、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィル
ムとその製造方法に関するものである。
りガラス瓶が多く使用されているが、傷がつき易く、繰
り返し使用が困難であるなどの理由から、近年、その使
用量が減少しており、これに代わるものとして、透明ガ
ラス瓶やポリエチレンテレフタレート(PET)ボトル
などに、すりガラス調に加工した熱収縮性フィルム製の
ラベルを被覆収縮させる試みがなされている。
ィルムとしては、従来から、ポリ塩化ビニル系フィル
ム、ポリスチレン系フィルムなどの延伸フィルムが多く
使用されている。
熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、
ダイオキシンの原因となるなどの問題を抱えている。ま
た、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器な
どの収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用
する際に、ラベルと容器を分離しなければならないとい
う問題がある。
の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性
に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しな
ければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で
焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が
発生するという問題がある。
ムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィ
ルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、
PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向に
ある。
ィルムも、その収縮特性においてはさらなる改良が求め
られていた。特に、収縮時に、収縮斑やシワが発生し
て、収縮前のフィルムに印刷した文字や図柄が、PET
ボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶などの容器に被
覆収縮する際に、収縮後に歪むことがあり、この歪みを
可及的に小さくしたいというユーザーサイドの要望があ
った。
の被覆加工に用いる際には、必要に応じて印刷工程に供
した後、ラベル(筒状のもの)、チューブ、袋などの形
態に加工して、これらのラベルやチューブ、袋状のもの
を容器に装着し、スチームを吹きつけて熱収縮させるタ
イプの収縮トンネル(スチームトンネル)や、熱風を吹
きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(熱風トン
ネル)の内部を、ベルトコンベアーなどにのせて通過さ
せ、熱収縮させて容器に密着させている。
伝熱効率が良く、より均一に加熱収縮させることが可能
であり、熱風トンネルに比べると良好な収縮仕上がり外
観を得ることができるが、従来の熱収縮性ポリエステル
系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレ
ン系フィルムに比べると、スチームトンネルを通過させ
た後の収縮仕上がり性の面が余り良くないという問題が
あった。
風トンネルを使用すると、ポリエステル系フィルムで
は、収縮白化、収縮斑、シワ、歪みなどが発生し易いと
いった、収縮仕上り外観に問題があった。そして、この
熱風トンネルを通過させた後の収縮仕上がり性において
も、ポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィ
ルムやポリスチレン系フィルムよりも劣っているという
問題があった。
りガラス調に加工する方法としては、フィルムを白色印
刷したり、サンドブラスト加工したりすることが行われ
ているが、加工に手間がかかり、コストも高くなるなど
の問題があった。
鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルム製膜
後にさらなる加工を必要とせずにすりガラス調の外観を
有し、且つ、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み、タテヒケ
などの発生が極めて少なく、ラベル用途に好適な熱収縮
性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、多価アルコ
ール成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール成分が5モル%以上であり、熱収縮前のフィル
ムについて、全光線透過率が80〜90%、ヘーズが1
5〜60%であり、且つ下記条件下で測定される熱収縮
前のフィルムの内部ヘーズが、前記ヘーズの50%以下
であるところに要旨を有する。
ィルムの上面および下面にツェーデル油を塗布し、2枚
のガラス板に挟んだ試料について、JIS K 710
5(A法)に従って測定されるヘーズである。なお、
「ツェーデル油」とは、別名「セダー油」とも称され、
通常、顕微鏡の油浸鏡検法などに用いられるものであ
る。
は、全光線透過率、ヘーズおよび内部ヘーズを上記所定
の範囲内とするために、有機および/または無機微粒子
を、フィルム全量中0.1〜10質量%含有することが
好ましく、これらの微粒子の平均粒径は、0.001〜
15μmであることが推奨される。
が上記の微粒子を含有する場合、該フィルムは2層以上
のポリエステル系樹脂層から構成され、その内の少なく
とも1層は、前記微粒子が実質的に存在しないものであ
ることが好ましい。
から構成され、有機および/または無機微粒子を、フィ
ルム全量中0.1〜10質量%含有し、前記ポリエステ
ル系樹脂は多価アルコール成分100モル%中、1,4
−シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以上であ
り、前記微粒子の平均粒径が0.001〜15μmであ
り、前記ポリエステル系樹脂層の少なくとも1層が、前
記微粒子が実質的に存在しない熱収縮性ポリエステル系
フィルムは、上述した全光線透過率、ヘーズ、および内
部ヘーズを満足し得る。
テル系フィルムが積層フィルムである場合は、スキン層
およびコア層の3層のポリエステル系樹脂層から構成さ
れ、該コア層は、上記微粒子が実質的に存在しないもの
であることが、より好ましい態様として挙げられる。
は、その名の通り、熱収縮性を有するものであり、具体
的には、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱
収縮性ポリエステル系フィルムの試料を、95℃の温水
中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に1
0秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率
が50%以上であり、且つ最大収縮方向と直交する方向
の熱収縮率が0〜10%であることが推奨される。
ィルムは、例えば、ラベルなどに用いるため、予めチュ
ーブ状に加工される場合があるが、この際、溶剤接着で
きるものであることが好ましく、具体的には、1,3−
ジオキソランで接着可能であることが推奨される。
収縮性ポリエステル系フィルムは、多価アルコール成分
100モル%中、1,4―シクロヘキサンジメタノール
成分が10〜50モル%であることが望ましい。
は、有機および/または無機微粒子を添加したポリエス
テル系樹脂と、該微粒子を添加していないポリエステル
系樹脂を共押出して、2層以上の積層フィルムとするこ
とで製造できる。
フィルムは、公知の多価カルボン酸成分と多価アルコー
ル成分から形成されるエステルユニットを主たる構成ユ
ニットとする単一の共重合ポリエステル、または2種以
上のポリエステルの混合物(これらを含めて「ポリエス
テル系樹脂」と称す)から形成されるものであり、すり
ガラス調の外観を有する。
フィルムの全光線透過率、ヘーズおよび上記内部ヘーズ
を制御することで確保できる。これらの特性について、
以下に説明する。
(以下、単に「フィルム」という場合がある)において
は、JIS K 7105(A法)で測定される全光線
透過率が80〜90%以上でなければならない。
を、例えば、PETボトル側面を被覆するラベルに使用
する場合、ラベルの内面側表面、すなわちボトルとの接
触面側に印刷を施す。よって、全光線透過率が80%を
下回るフィルムでは、被覆収縮させた後に、ラベルの外
面側(上記内面側の反対面側)から、印刷した文字など
を見た場合、小さな文字が認識し難くなるなど、印刷物
の視認性が低下する。全光線透過率は、好ましくは81
%以上、より好ましくは82%以上である。他方、全光
線透過率が90%を超えると、後述するヘーズの制御が
困難となる。好ましくは89%以下、より好ましくは8
8%以下である。
ィルムにおいては、JIS K 7105(A法)で測
定されるヘーズが15〜60%でなければならない。ヘ
ーズが15%を下回ると、すりガラス調の外観が得られ
ない。他方、ヘーズが60%を超えると、フィルムを上
記のように内面側表面に印刷を施したラベルとし、容器
などに被覆収縮させた場合、ラベル外面側からの印刷物
の視認性が低下する。ヘーズの好ましい下限は16%、
より好ましい下限は17%であり、好ましい上限は55
%、より好ましい上限は50%である。
フィルムでは、上記内部ヘーズをH in、上記ヘーズをH
するとき、「(Hin/H)×100≦50(%)」でな
ければならない。本発明でいう「内部ヘーズ」とは、フ
ィルムの表面近傍(上面近傍および下面近傍)の影響を
排除して測定したヘーズである。
あるということは、フィルムのヘーズに寄与する光の散
乱が、フィルム内部よりも表面近傍で多いことを意味す
るが、この「(Hin/H)×100」が50%を超える
と、フィルムの全光線透過率およびヘーズが上記所定範
囲を満たす場合であっても、上述したラベル外面側から
の印刷物の視認性が低下する場合がある。「(Hin/
H)×100」の好ましい上限は48%、より好ましい
上限は46%である。
フィルムでは、多価アルコール成分100モル%中、
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が5モル%以
上でなければならない。
エステル系フィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性など
を発揮させるために、エチレンテレフタレートユニット
を主たる構成成分とすることが望ましい。これに対し、
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分は、フィルム
の結晶性を下げて非晶化度合いを高め,より高い熱収縮
性を発現するものである。
おいては、熱収縮工程でフィルムが加熱されてある温度
まで到達した場合、フィルムを構成するポリエステルの
組成によっては熱収縮率が飽和してしまい、それ以上高
温に加熱しても、それ以上の収縮が得られないことがあ
る。このようなフィルムは、比較的低温で熱収縮するこ
とができる利点があるが、前記熱風トンネルで熱収縮さ
せた場合や、熱収縮前に30℃以上の雰囲気下で長期間
保管した後で熱収縮させた場合に、収縮白化現象が起こ
り易い。この収縮白化現象は、ポリエステルの分子鎖が
部分的に結晶化して、結晶部分の光の屈折率が非晶部分
と異なるため、起こるのではないかと考えられる。
光線透過率、ヘーズ、および内部ヘーズが上記所定範囲
を満足するフィルムであっても、内面側に印刷を施した
ラベルとして、容器などに被覆収縮させた場合、収縮白
化した部分では、外面側からの印刷文字などの視認性が
低下してしまう。
低下させ、非晶化度合いを高め得る1,4−シクロヘキ
サンジメタノール成分を多価アルコール成分100モル
%中、5モル%以上とすることで、上記収縮白化を抑制
し得ることを見出したのである。
ィルムからラベルを製造する場合など、上述したように
チューブ化加工を行うが、この際には、溶剤を用いて接
着することが好ましい。接着用の溶剤としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなどの芳
香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素;フェノールなどのフェノール類;テト
ラヒドロフランなどのフラン類;1,3−ジオキソラン
などのオキソラン類;などの有機溶剤が用いられ、中で
も、安全性の観点から、1,3−ジオキソランを使用す
ることが望ましい。
フィルムは、上記例示のような有機溶剤による接着性、
特に1,3−ジオキソランによる接着性を有することが
好ましい。しかし、フィルムの結晶性が高いと、溶剤接
着は困難となる。よって、上記例示の有機溶剤、特に
1,3−ジオキソランで接着可能とするためには、フィ
ルムの非晶化度合いをある程度高めることが推奨され、
具体的には、多価アルコール成分100モル%中、1,
4−シクロヘキサンジメタノール成分を10モル%以
上、好ましくは12モル%以上とすることが望ましい。
メタノール成分量が多過ぎると、フィルムの収縮性が必
要以上に高くなり過ぎて、熱収縮工程でラベルの位置ず
れや図柄の歪みが発生する恐れがある。また、フィルム
の耐溶剤性が低下し過ぎて、印刷工程でインキの溶媒
(酢酸エチルなど)によってフィルムの白化が起きた
り、フィルムの耐破れ性が低下するため好ましくない。
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分量は50モル
%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましい。
ィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性などを考慮すれ
ば、構成ユニット100モル%中、エチレンテレフタレ
ートユニットが50モル%以上となるように選択するこ
とが好ましい。従って、多価カルボン酸成分100モル
%中、テレフタル酸成分(テレフタル酸またはそのエス
テルから形成される成分)を50モル%以上、多価アル
コール成分100モル%中、エチレングリコール成分を
50モル%以上、とすることが好ましい。エチレンテレ
フタレートユニットは、55モル%以上がより好まし
く、60モル%以上がさらに好ましい。
100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール
成分を5モル%以上とするので、エチレングリコール成
分は95モル%以下である。
アルコール類としては、上述した1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、およびエチレングリコールの他に、プ
ロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレ
ングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ダイマ
ージオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ビスフェノール化合物またはそ
の誘導体のアルキレンオキサイド付加物、なども併用で
きる。
の多価カルボン酸類としては、上述のテレフタル酸およ
びそのエステルの他に、芳香族ジカルボン酸、それらの
エステル形成誘導体、脂肪族ジカルボン酸などが利用可
能である。芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソフ
タル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙
げられる。またこれらの芳香族ジカルボン酸やテレフタ
ル酸のエステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジ
アリールエステルなどの誘導体が挙げられる。脂肪族ジ
カルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸などや、通常
ダイマー酸と称される脂肪族ジカルボン酸が挙げられ
る。さらに、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多
価カルボン酸を、必要に応じて併用してもよい。
酸類ではないが、ε−カプロラクトンに代表されるラク
トン類も一部使用してもよい。ラクトン類は、開環して
両端にエステル結合を有するユニットとなるものであ
り、1つのラクトン類由来のユニットが、カルボン酸成
分であり、かつ、アルコール成分であると考えることが
できる。よって、ラクトン類を用いる場合、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール成分量や、他の多価アルコー
ル成分の量は、多価アルコール成分量に、ラクトン類由
来のユニット量を加えた量を100モル%として計算す
る。また、各多価カルボン酸成分の量を計算する際も、
多価カルボン酸成分量に、ラクトン類由来のユニット量
を加えた量を100モル%とする。
では、全光線透過率、ヘーズおよび内部ヘーズを上記所
定範囲内とし、すりガラス調外観を確保するためには、
フィルムに有機および/または無機微粒子を含有させる
方法が採用できる。これらの微粒子によって、フィルム
に入射する光を散乱させつつ透過させることにより、す
りガラス調外観を得るのである。
子や有機微粒子が挙げられる。具体的には、例えば無機
微粒子としては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、
酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カ
ルシウムなどが使用可能である。
から吐出したフィルム状の溶融ポリエステル系樹脂をキ
ャスティングロールで冷却して製造されるが、こうした
製膜の際に不溶であり、且つ、形状を保持し得る高融点
有機化合物の微粒子を使用することもできる。このよう
な有機化合物としては、テレフタル酸カルシウムのよう
な低分子化合物の他、有機高分子の架橋体[例えば、ポ
リ(メタ)アクリル酸エステルの架橋体や、ベンゾグア
ナミン樹脂などの架橋高分子]などが挙げられる。
機微粒子(以下、単に「微粒子」ということがある)の
量は、少な過ぎるとすりガラス調外観を確保することが
困難な傾向にあり、他方、多過ぎるとフィルム表面の凹
凸が大きくなり、外観が低下する傾向にある。こうした
表面凹凸の大きなフィルムに印刷を施すと、凸部ではイ
ンクの付着量が少なくなるため、印刷斑が生じ易くなる
といった問題も生ずる。よって、本発明の熱収縮性ポリ
エステル系フィルムでは、上記微粒子の含有量が、フィ
ルム全量中0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%
以上であって、10質量%以下、好ましくは5質量%以
下であることが推奨される。
さ過ぎるとすりガラス調外観を確保することが困難な傾
向にあり、他方、大き過ぎるとフィルム表面の凹凸が大
きくなり、外観が低下する傾向にあると共に、微粒子量
について上述したような印刷上の問題も生ずる。よっ
て、上記微粒子の平均粒径は、0.001μm以上、好
ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上
であって、15μm以下、好ましくは12μm以下、さ
らに好ましくは10μm以下であることが推奨される。
なお、本発明で規定する微粒子の平均粒径は、コールカ
ウンター法により、測定したものである。
においては、全光線透過率、ヘーズ、および内部ヘーズ
が上記所定範囲を満足するものであれば、単一のポリエ
ステル系樹脂層から構成されるものでよい。しかしなが
ら、フィルムを単層構造とする場合、特に内部ヘーズを
上記所定範囲とすることが困難である。
過率、ヘーズ、および内部ヘーズを、容易に上記所定範
囲内とすべく、2層以上のポリエステル系樹脂層から構
成され、さらに、これらのポリエステル樹脂層の少なく
とも1層は、上記微粒子が実質的に存在しないものであ
ることが好ましい。
的に存在しない層と、上記微粒子が存在する層を積層し
た2層構造や、上記微粒子が実質的に存在しない層を中
間層(コア層)とし、該中間層の両表面に上記微粒子が
存在する表面層(スキン層)を積層した3層構造などの
積層フィルムとするのである。
記微粒子の存在するフィルム表面近傍では入射光の散乱
が多く、上記微粒子が実質的に存在しないフィルム内部
では入射光の散乱がほとんど生じない構成となるため、
全光線透過率、ヘーズ、および内部ヘーズ(特に内部ヘ
ーズ)を、容易に上記の所定範囲内とすることができ
る。よって、本発明のフィルムを3層以上の積層フィル
ムとする場合には、特に内部ヘーズを上記所定範囲内と
するため、微粒子が存在する層を、フィルムの表面側と
なるように積層することが好ましい。
粒子を添加したポリエステル系樹脂と、上記微粒子を添
加していないポリエステル系樹脂を共押出して行うが、
この際、これらのポリエステル系樹脂は溶融しているた
めに、積層界面で若干混ざり合い、微粒子を添加してい
ないポリエステル系樹脂層側に、微粒子が混入する場合
があり得る。よって、本発明でいう「上記微粒子が実質
的に存在しない」とは、このように、積層工程で不可避
的に混入してくる微粒子を除き、積極的に添加した微粒
子が存在しないことを意味する。
各層を構成するポリエステル系樹脂は、フィルムの全光
線透過率、ヘーズ、および内部ヘーズが上記所定範囲を
満足し、且つ、フィルムを熱収縮させた際に、層間で剥
離や歪み、シワなどが生ずるといった不都合がなけれ
ば、同じ組成のポリエステル系樹脂であっても、異なる
組成のポリエステル系樹脂であっても構わない。しかし
ながら、容易に上記の各光学特性を充足させると共に、
熱収縮時の問題を回避するためには、全ての層で同じ組
成のポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
において好ましいものとして説明した構成、すなわち、
2層以上(好ましくは、スキン層およびコア層の3層)
のポリエステル系樹脂層から構成され、上記微粒子を上
述の所定範囲で含有し、該微粒子の平均粒径が上述の所
定範囲内であり、該ポリエステル系樹脂層の少なくとも
1層(3層構造の場合は、コア層)は、該微粒子が実質
的に存在しないといった要件を全て満たし、且つ、フィ
ルムを構成するポリエステル系樹脂が、多価アルコール
成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール成分が上述の所定範囲である熱収縮性ポリエステル
系フィルムは、上述した全光線透過率、ヘーズ、および
内部ヘーズのすべてを満足し得るものとなる。
においては、微粒子が存在する場合、かかる微粒子の影
響により、フィルム表面に凹凸が生じ、その程度によっ
ては、フィルムの質感や外観を損なう場合がある。よっ
て、本発明のフィルムでは、その表面粗さの最大高さ
(SRmax)が2.0〜8.0μmであり、且つ中心
面平均粗さ(SRa)が0.20〜0.5μmであるこ
とが好ましい。SRmaxおよびSRaが上記範囲内で
あれば、フィルムの滑りが良好で、加工の際にトラブル
の発生頻度が少なくなると共に、表面のざらざら感もほ
とんどなく、質感・外観を損なうことはない。
は、10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を
95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25
℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方
向の熱収縮率が50%以上であり、且つ最大収縮方向と
直交する方向の熱収縮率が0%以上、10%以下である
ことが好ましい。
ィルムでは、部分的に細い箇所がある側面形状を有する
瓶やボトルを被覆するラベルに用いた場合に、こうした
細い箇所で収縮不足が生ずる場合がある。より好ましい
最大収縮方向の熱収縮率の下限は52%である。他方、
フィルムの最大収縮方向の熱収縮率が大き過ぎると、容
器などに被覆収縮させる工程において、特に熱風を熱源
とした場合に、フィルムが急激に収縮することにより上
方にずれる場合があるため、該熱収縮率は75%以下、
好ましくは73%以下であることが望ましい。
縮率が0%を下回るフィルム、すなわち、熱により伸長
するフィルムでは、上記の被覆収縮させる工程におい
て、収縮に伴って生ずるシワが残り易く、他方、10%
を超えるものでは、収縮の必要のない方向での収縮量が
大きくなり、ラベルなどに用いる場合に要求されるフィ
ルム量が多くなるため、経済的な観点から好ましくな
い。フィルムの最大収縮方向と直交する方向の熱収縮率
のより好ましい下限は1%、より好ましい上限は7%で
ある。
料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、
最大収縮方向は、正方形の縦方向または横方向(または
斜め方向)の長さで決められる。また、最大収縮方向に
直交する方向の熱収縮率とは、上記のように定義される
試料の最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率である。
なお、熱収縮率(%)は、10cm×10cmの試料
を、95℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒
間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の
水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの
縦および横方向(または斜め方向)の長さを測定し、下
式熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)
÷(収縮前の長さ)に従って求めた値である。
るポリエステルは常法により溶融重合することによって
製造できるが、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接
反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直
接重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコ
ールとをエステル交換反応させたのちに重縮合する、い
わゆるエステル交換法などが挙げられ、任意の製造法を
適用することができる。また、その他の重合方法によっ
て得られるポリエステルであってもよい。ポリエステル
の重合度は、極限粘度にして0.3〜1.3dl/gの
ものが好ましい。
不都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、
酸化ゲルマニウム、チタン化合物などの重合触媒以外
に、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどのMg
塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウムなどのCa塩、酢
酸マンガン、塩化マンガンなどのMn塩、塩化亜鉛、酢
酸亜鉛などのZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルトなど
のCo塩を、ポリエステルに対して、各々金属イオンと
して300ppm以下、リン酸またはリン酸トリメチル
エステル、リン酸トリエチルエステルなどのリン酸エス
テル誘導体をリン原子(P)換算で200ppm以下、
添加してもよい。
体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イ
オン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前または
エステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するの
が好ましい。
子の添加時期は特に限定されず、ポリエステルの重縮合
反応前でもよいが、通常は、重縮合反応後、例えば、後
述するフィルム製造工程時に、予め原料ポリエステル系
樹脂チップと混合しておいたり、重縮合反応したポリエ
ステル系樹脂に微粒子を添加し、溶融混練押出して、微
粒子含有原料ポリエステル系樹脂チップとし、これをフ
ィルム製造に用いるなどすればよい。
吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤などを添加するこ
ともできる。
の方法で得ることができるが、熱収縮性ポリエステル系
フィルムにおいて、複数の成分をフィルム中に含有させ
る手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリエステ
ルを単独使用する方式と、異なる種類のホモポリエステ
ルあるいは共重合ポリエステルをブレンドする方式があ
る。
は、上記特定組成の多価アルコール成分を含有する共重
合ポリエステルを用いればよい。一方、異なる組成のポ
リエステルをブレンドする方式では、ブレンド比率を変
更するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種
のフィルムの工業生産にも対応できるため、好ましく採
用することができる。
記の有機および/または無機微粒子を添加した原料ポリ
エステル系樹脂チップ(および、積層フィルムとする場
合は、該微粒子を添加していない原料ポリエステル系樹
脂チップ)をホッパドライヤー、パドルドライヤーなど
の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、押出機を
用いて200〜300℃の温度でフィルム状に押し出
す。あるいは、未乾燥の原料ポリエステル系樹脂チップ
をベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィル
ム状に押し出す。なお、積層フィルムとする場合は、微
粒子を添加した原料ポリエステル系樹脂チップと、微粒
子を添加していない原料ポリエステル系樹脂チップを共
押出し、積層する。押出に際してはTダイ法、チューブ
ラ法など、既存のどの方法を採用しても構わない。押出
後は、キャスティングロールで急冷して未延伸フィルム
を得る。なお、「未延伸フィルム」には、製造工程での
フィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも
含まれる。
ィングロールの間に電極を配設し、電極とキャスティン
グロールとの間に電圧を印加し、静電気的にフィルムを
ロールに密着させることが、フィルムの厚み斑抑制の観
点から好ましい。
う。延伸処理は、上記キャスティングロールなどによる
冷却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール
状に巻き取り、その後行ってもよい。
(幅)方向であることが、生産効率上、実用的であるの
で、以下、最大収縮方向を横方向とする場合の延伸法の
例を示す。なお、最大収縮方向をフィルム縦(長手)方
向とする場合も、下記方法における延伸方向を90゜変
えるなど、通常の操作に準じて延伸することができる。
布を均一化させることに着目すれば、テンターなどを用
いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱
工程を行うことが好ましく、この予備加熱工程では、熱
伝導係数が0.00544J/cm2・sec・℃
(0.0013カロリー/cm2・sec・℃)以下と
なるように、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃
〜Tg+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行
うことが好ましい。
0℃の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好まし
くは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、50℃〜1
10℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるい
は0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じ
て40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理
をして、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得る。
温度の変動を小さくすることのできる設備を使用するこ
とが好ましい。すなわち、延伸工程には、延伸前の予備
加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、
再延伸処理工程などがあるが、特に、予備加熱工程、延
伸工程および延伸後の熱処理工程において、任意ポイン
トにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅が、
平均温度±1℃以内であることが好ましく、平均温度±
0.5℃以内であればさらに好ましい。フィルムの表面
温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温
度で延伸や熱処理されることになって、熱収縮挙動が均
一化するためである。
きる設備としては、例えば、フィルムを加熱する熱風の
風速を制御するためにインバーターを取り付け、風速の
変動を抑制できる設備や、熱源に50kPa以下(5k
gf/cm2以下)の低圧蒸気を使用して、熱風の温度
変動を抑制できる設備などが挙げられる。
延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜4.0倍、好ま
しくは1.1倍〜2.0倍の延伸を施してもよい。この
ように2軸延伸を行う場合は、逐次2軸延伸、同時2軸
延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行って
もよい。また、逐次2軸延伸においては、延伸の順序と
して、縦横、横縦、縦横縦、横縦横などのいずれの方式
でもよい。これらの縦延伸工程あるいは2軸延伸工程を
採用する場合においても、横延伸と同様に、予備加熱工
程、延伸工程などにおいて、フィルム表面温度の変動を
できるだけ小さくすることが好ましい。
幅方向のフィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、
延伸工程の熱伝達係数は、0.00377J/cm2・
sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・
℃)以上とすることが好ましい。0.00544〜0.
00837J/cm2・sec・℃(0.0013〜
0.0020カロリー/cm2・sec・℃)がより好
ましい。
の厚みは特に限定されるものではないが、例えばラベル
用熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、15μm
以上、好ましくは25μm以上であって、300μm以
下、好ましくは200μm以下とすることが推奨され
る。また、本発明のフィルムが、例えば、微粒子が存在
する層と、微粒子が実質的に存在しない層の2層から構
成される積層フィルムである場合は、いずれの層とも厚
みを、7μm以上、好ましくは12μm以上、であっ
て、150μm以下、好ましくは100μm以下とする
ことが推奨され、各層の厚みは同じであっても、異なっ
ていても構わない。
粒子が存在するスキン層と、微粒子が実質的に存在しな
いコア層の3層から構成される積層フィルムである場
合、フィルムの全厚みを、ラベル用途に好ましい上記の
範囲とし、コア層の上下に存在する両スキン層の厚み
を、夫々コア層の厚みの0.1〜1.2倍、好ましくは
0.2〜1.0倍程度とすることが望ましく、この場
合、両スキン層の厚みは同じであっても、異なっていて
もよい。
るが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本
発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得られた
フィルムの物性の測定方法は、以下の通りである。
リフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1
(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調
製し、NMR(「GEMINI−200」;Varia
n社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定
条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定する。NMR
測定では、プロトンのピーク強度に基づいて、フィルム
を構成する成分の構成比率を算出する。
mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量
比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で3
0±0.1℃で測定する。極限粘度[η]は、下式(H
uggins式)によって求められる。
ド粘度計を用いた溶媒の落下時間、t:オスワルド粘度
計を用いたフィルム溶液の落下時間、C:フィルム溶液
の濃度である。
においてk=0.375とした下記近似式で極限粘度を
算出する。
ズ 日本電飾工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−100
1DP」を用い、JIS K 7105(A法)に準じ
て測定する。
つき20±10g/m 2)、2枚のガラス板(厚み:各
1mm)で挟んだものを測定試料とし、日本電飾工業株
式会社製ヘーズ測定器「NDH−1001DP」を用
い、JIS K7105(A法)に準じて測定する。
Rmax)および中心面粗さ(SRa) 小坂研究所製三次元微細形状測定器「ET−30HK」
を使用し、試料の測定面積を0.2mm2(最大収縮方
向×直交方向=1mm×0.2mm)とし、カットオフ
80μm、ドライブスピード100μm/sの条件で測
定する。
℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬し
て熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に1
0秒浸漬し、その後、試料の縦および横方向の長さを測
定し、下記式に従って求めた値である。 熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長
さ)÷(収縮前の長さ) 最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とする。
接合加工して得られるチューブ状体を、接合加工時の流
れ方向と直交方向に15mm幅に切断して試料を作製
し、該接合部分の接着性をチェックする。手で容易に剥
がれる部分があるものを×、軽い抵抗感をもって手で剥
がれるものを△、手で容易に剥がれる部分のないものを
○として評価する。○が合格である。
℃、相対湿度85±2%に制御した恒温恒湿機内に25
0時間放置した後、取り出して、東洋インキ製造社製の
草色、金色、白色のインキで3色印刷した後、ヒートシ
ールによりチューブとし、これを裁断して熱収縮性ポリ
エステル系フィルムラベルを作製する。次いで、容量3
00mlのガラス瓶にラベルを装着した後、170℃、
風速12m/秒の熱風式熱収縮トンネルの中を、15秒
で通過させて、ラベルを収縮させる。収縮白化と収縮
斑、ラベル端部の欠陥(折れ込み、縁のギザギザ形状)
の程度を目視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価
する。基準は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性
良、3:収縮白化、収縮斑または端部の欠陥少し有り
(2ヶ所以内)、2:収縮白化、収縮斑または端部の欠
陥有り(3〜5ヶ所)、1:収縮白化、収縮斑または端
部の欠陥多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベ
ル、3以下のものを不良とする。
テル系樹脂を表1に示す。なお、表1中、TPAはテレ
フタル酸を、EGはエチレングリコールを、CHDMは
1,4−シクロヘキサンジメタノールを、BDは1,4
−ブタンジオールを、NPGはネオペンチルグリコール
を意味する。
は以下の通りである。 微粒子a:株式会社日本触媒製「エポスターMA101
0」(ポリメタクリル酸エステル架橋体粒子、平均粒径
10μm) 微粒子b:株式会社日本触媒製「エポスターMA100
6」(ポリメタクリル酸エステル架橋体粒子、平均粒径
6μm) 微粒子c:富士サイシリア製不定形サイロイド(シリカ
粒子、平均粒径1.5μm)。
B:52質量%、ポリエステルC:20質量%を混合し
たポリエステル系樹脂を用い、両スキン層にポリエステ
ルA:28質量%、ポリエステルB:52質量%、ポリ
エステルC:20質量%を混合したポリエステル系樹
脂:98質量部に微粒子a:2質量部を混合したものを
用いて、Tダイを備えた単軸押出機によって280℃で
共押出し、その後急冷して、スキン層/コア層/スキン
層の3層構造からなる未延伸フィルムを得た(厚み:1
95μm)。この未延伸フィルムを88℃で10秒間予
熱した後、テンターで横方向に78℃で3.9倍延伸
し、続いて76℃で10秒間熱処理を行って、厚さ50
μm(スキン層/コア層/スキン層の各厚み:12.5
μm/25μm/12.5μm)の熱収縮性ポリエステ
ル系フィルム1を得た。得られたフィルムの特性を表2
および3に示す。
粒子の種類・添加量を代えた以外は実施例1と同様にし
て、厚さ50μm(スキン層/コア層/スキン層の各厚
み:12.5μm/25μm/12.5μm)の熱収縮
性ポリエステル系フィルム2〜6を得た。得られたフィ
ルムの特性を表および3に示す。
び2は、いずれも、全光線透過率、ヘーズ、および内部
ヘーズが本発明の要件を満足する実施例であり、良好な
すりガラス調外観を有していた。
要件を満たさない比較例であり、以下のような不具合を
有している。
子を存在させたものであり、内部ヘーズが本発明の範囲
を超える例である。これらのフィルムは、すりガラス調
外観を有するものの、フィルム片側表面に印刷した文字
を、印刷面と反対側の面から見たとき、小さな文字が認
識し難い。
本発明の範囲を下回る例である。このフィルムでは、す
りガラス調外観が得られなかった。
メタノール成分量が本発明の範囲を下回る例であり、収
縮仕上り性に劣るものであった。
ル系フィルム(フィルム1,2)は、高品質で、実用性
が高く、特にすりガラス調の収縮ラベル用途に好適であ
るが、比較例に該当するフィルム3〜6では、品質が劣
り、実用性が低い。
ムは、印刷や特別な加工を施さなくとも、すりガラス調
の外観を有し、収縮白化や収縮斑、シワ、歪み、タテヒ
ケなどの発生が極めて少なく、さらに十分な溶剤接着性
も確保できる。したがって、ラベル用、特に商品価値の
高い容器などのラベル用熱収縮性ポリエステル系フィル
ムとして極めて有用である。
Claims (10)
- 【請求項1】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにおい
て、 多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール成分が5モル%以上であり、 熱収縮前のフィルムについて、全光線透過率が80〜9
0%、ヘーズが15〜60%であり、且つ下記条件下で
測定される熱収縮前のフィルムの内部ヘーズが、前記ヘ
ーズの50%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリ
エステル系フィルム。ここで、前記内部ヘーズは、熱収
縮前のフィルムの上面および下面にツェーデル油を塗布
し、2枚のガラス板に挟んだ試料について、JIS K
7105(A法)に従って測定されるヘーズである。 - 【請求項2】 有機および/または無機微粒子を、フィ
ルム全量中0.1〜10質量%含有するものである請求
項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項3】 前記微粒子の平均粒径は、0.001〜
15μmである請求項2に記載の熱収縮性ポリエステル
系フィルム。 - 【請求項4】 2層以上のポリエステル系樹脂層から構
成され、少なくとも1層は、前記微粒子が実質的に存在
しないものである請求項2または3に記載の熱収縮性ポ
リエステル系フィルム。 - 【請求項5】 熱収縮性ポリエステル系フィルムにおい
て、 2層以上のポリエステル系樹脂層から構成され、 有機および/または無機微粒子を、フィルム全量中0.
1〜10質量%含有し、 前記ポリエステル系樹脂は多価アルコール成分100モ
ル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が5
モル%以上であり、 前記微粒子は、平均粒径が0.001〜15μmであ
り、 前記ポリエステル系樹脂層の少なくとも1層は、前記微
粒子が実質的に存在しないものであることを特徴とする
熱収縮性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項6】 スキン層およびコア層の3層のポリエス
テル系樹脂層から構成され、該コア層は、前記微粒子が
実質的に存在しないものである請求項4または5に記載
の熱収縮性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項7】 10cm×10cmの正方形状に切り取
った熱収縮性ポリエステル系フィルムの試料を、95℃
の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水
中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱
収縮率が50%以上であり、且つ最大収縮方向と直交す
る方向の熱収縮率が0〜10%である請求項1〜6のい
ずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。 - 【請求項8】 1,3−ジオキソランで接着可能である
請求項1〜7のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル
系フィルム。 - 【請求項9】 多価アルコール成分100モル%中、
1,4―シクロヘキサンジメタノール成分が10〜50
モル%である請求項1〜8のいずれかに記載の熱収縮性
ポリエステル系フィルム。 - 【請求項10】 請求項1〜9に記載の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムを製造するに当たり、 有機および/または無機微粒子を添加したポリエステル
系樹脂と、該微粒子を添加していないポリエステル系樹
脂を共押出して、2層以上の積層フィルムとすることを
特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223255A JP2003034729A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造方法 |
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JP (1) | JP2003034729A (ja) |
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-
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- 2001-07-24 JP JP2001223255A patent/JP2003034729A/ja active Pending
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