JP3337032B1 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルム

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JP3337032B1
JP3337032B1 JP2001293731A JP2001293731A JP3337032B1 JP 3337032 B1 JP3337032 B1 JP 3337032B1 JP 2001293731 A JP2001293731 A JP 2001293731A JP 2001293731 A JP2001293731 A JP 2001293731A JP 3337032 B1 JP3337032 B1 JP 3337032B1
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Abstract

【要約】 【課題】 低温から高温までの幅広い温度域で優れた収
縮特性を有すると共に、収縮白化、収縮斑、シワ、歪
み、タテヒケ等の発生が極めて少なく、耐破れ性や溶剤
接着性にも優れたラベル用途に好適な熱収縮性ポリエス
テル系フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルを構成する多価アルコール
成分のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールが1
0モル%以上、ネオペンチルグリコールが2モル%以上
であり、かつ、1,4−シクロヘキサンジメタノールと
ネオペンチルグリコールの合計量が12〜40モル%で
あるポリエステルを用いて得られた熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムであって、10cm×10cmの正方形状
に切り取った熱収縮性ポリエステル系フィルムの試料
を、85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで
25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収
縮方向の熱収縮率が20%以上ある熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱収縮性ポリエステ
ル系フィルムに関し、さらに詳しくは、熱収縮後の収縮
白化や収縮斑、シワ、歪み、タテヒケ等の不良の発生が
極めて少ない熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性プラスチックフィルムは、加熱
によって収縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベ
ル等の用途に広く用いられている。なかでも、ポリ塩化
ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエス
テル系フィルム等の延伸フィルムは、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス
容器等の各種容器において、ラベルやキャップシールあ
るいは集積包装の目的で使用されている。
【0003】しかし、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐
熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、
ダイオキシンの原因となる等の問題を抱えている。ま
た、熱収縮性塩化ビニル系樹脂フィルムをPET容器等
の収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用す
る際に、ラベルと容器を分離しなければならないという
問題がある。
【0004】一方、ポリスチレン系フィルムは、収縮後
の仕上がり外観性が良好な点は評価できるが、耐溶剤性
に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しな
ければならない。また、ポリスチレン系樹脂は、高温で
焼却する必要がある上に、焼却時に多量の黒煙と異臭が
発生するという問題がある。
【0005】これらの問題のないポリエステル系フィル
ムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィ
ルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、
PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向に
ある。
【0006】しかし、従来の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムも、その収縮特性においてはさらなる改良が求め
られていた。特に、収縮時に、収縮斑やシワが発生し
て、収縮前のフィルムに印刷した文字や図柄が、PET
ボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶等の容器に被覆
収縮する際に、収縮後に歪むことがあり、この歪みを可
及的に小さくしたいというユーザーサイドの要望があっ
た。
【0007】また、熱収縮性ポリスチレン系フィルムと
比較すると、ポリエステル系フィルムは低温での収縮性
に劣ることがあり、必要とする収縮量を得るために高温
で収縮させなければならず、ボトル本体の変形や白化が
生じることがあった。
【0008】ところで、熱収縮性フィルムを実際の容器
の被覆加工に用いる際には、必要に応じて印刷工程に供
した後、ラベル、袋等の形態に加工して、これらのラベ
ルや袋状のものを容器に装着し、スチームを吹きつけて
熱収縮させるタイプの収縮トンネル(スチームトンネ
ル)や、熱風を吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮ト
ンネル(熱風トンネル)の内部を、ベルトコンベアー等
にのせて通過させ、熱収縮させて容器に密着させてい
る。
【0009】スチームトンネルは、熱風トンネルよりも
伝熱効率が良く、より均一に加熱収縮させることが可能
であり、熱風トンネルに比べると良好な収縮仕上がり外
観を得ることができるが、従来の熱収縮性ポリエステル
系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレ
ン系フィルムに比べると、スチームトンネルを通過させ
た後の収縮仕上がり性の面が余り良くないという問題が
あった。
【0010】また、熱収縮の際に温度斑が生じやすい熱
風トンネルを使用すると、ポリエステル系フィルムで
は、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み等が発生し易く、特
に収縮白化が製品外観上問題となっていた。そして、こ
の熱風トンネルを通過させた後の収縮仕上がり性におい
ても、ポリエステル系フィルムは、ポリ塩化ビニル系フ
ィルムやポリスチレン系フィルムよりも劣っているとい
う問題があった。
【0011】さらに、収縮率を確保するために延伸度合
いを高めると、収縮方向に直交する方向でフィルムが破
断し易くなって、印刷工程やラベル加工工程、あるいは
収縮後のフィルムの破断トラブルが起こることがあり、
このようなトラブルについても改善が嘱望されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの問題点を解
決して、低温から高温までの幅広い温度域で優れた収縮
特性を有すると共に、収縮白化、収縮斑、シワ、歪み、
タテヒケ等の発生が極めて少なく、また、耐破れ性や溶
剤接着性にも優れたラベル用途に好適な熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムを提供することを課題とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムは、ポリエステルを構成する多価アル
コール成分のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルが10モル%以上、ネオペンチルグリコールが2モル
%以上であり、かつ、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールとネオペンチルグリコールの合計量が12〜40モ
ル%であるポリエステル(ジカルボン酸成分として、イ
ソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸を含むものを除く)で
あり、且つエチレンテレフタレートユニットが50モル
%以上であるポリエステルを用いて得られた熱収縮性ポ
リエステル系フィルム(空洞含有フィルムを除く)であ
って、10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収
縮性ポリエステル系フィルムの試料を、85℃の温水中
に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10
秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が
20%以上であり、フィルムの最大収縮方向と直交する
方向についての引張試験を、複数の熱収縮性ポリエステ
ル系フィルム試験片について、チャック間距離100m
m、試験片幅15mm、温度23℃、引張速度200m
m/分の条件で行ったとき、破断伸度5%以下の試験片
数が、全試験片数の10%以下であるところに要旨を有
する。
【0014】特定の組成のポリエステルを利用すること
によって、低温から高温までの幅広い温度域で優れた収
縮特性を有すると共に、収縮白化、収縮斑、シワ、歪
み、タテヒケ等の発生が極めて少なく、特に熱風トンネ
ルでの収縮白化のない熱収縮性ポリエステル系フィルム
を提供することができた。
【0015】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは、優れた耐破れ性を示すことがわかる。
【0016】上記多価アルコール成分には、さらに、
1,4−ブタンジオールが2モル%以上含まれているこ
とが好ましく、これにより、特に低温域での収縮仕上が
り外観が美麗となる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の熱収縮性ポリエステル系
フィルムは、公知のジカルボン酸成分100モル%と、
多価アルコール成分100モル%とからなるポリエステ
ルを用いて形成されるものである。この多価アルコール
成分100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールは10モル%以上、ネオペンチルグリコールは2モ
ル%以上含まれていることが必要である。また、1,4
−シクロヘキサンジメタノールとネオペンチルグリコー
ルの合計量は12〜40モル%とする。
【0018】また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは、10cm×10cmの正方形状に切り出した
試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、直ち
に25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大
収縮方向の熱収縮率が、20%以上でなければならな
い。フィルムの熱収縮率が20%未満であると、フィル
ムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたとき
に、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましく
ない。より好ましい熱収縮率は40%以上、さらに好ま
しくは50%以上である。熱収縮率の上限値は70%が
好ましい。
【0019】ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試
料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、
最大収縮方向は、正方形の縦方向または横方向(または
斜め方向)の長さで決められる。また、熱収縮率(%)
は、10cm×10cmの試料を、85℃±0.5℃の
温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた
後、25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸
漬した後の、フィルムの縦および横方向(または斜め方
向)の長さを測定し、下記式熱収縮率=100×(収縮
前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)に従って
求めた値である。
【0020】また、本発明では耐破れ性に優れた熱収縮
性ポリエステル系フィルムを提供するものであり、その
目安として、フィルムの最大収縮方向と直交する方向に
ついての引張試験を、複数の熱収縮前のフィルム試験片
について、チャック間距離100mm、試験片幅15m
m、温度23℃、引張速度200mm/分の条件で行っ
たとき、破断伸度5%以下の試験片数が、全試験片数の
10%以下であることが好ましい条件としてあげられ
る。なお、この試験条件は、JIS K 7127に準
じたものである。
【0021】上記条件は、換言すれば、5%も伸びない
うちに破断してしまうフィルムが、全試験片数の10%
(1割)以下である、という意味である。破断伸度5%
以下の試験片数は少なければ少ないほど好ましい。上記
条件を満足するフィルムは、耐破れ性に優れているた
め、印刷やチュービング加工の際にフィルムの切断によ
るロスを低減することができ、また、高速加工が可能と
なる。
【0022】ところで、従来の熱収縮性ポリエステル系
フィルムにおいては、熱収縮工程でフィルムが加熱され
てある温度まで到達した場合、フィルムを構成するポリ
エステルの組成によっては熱収縮率が飽和してしまい、
それ以上高温に加熱しても、それ以上の収縮が得られな
いことがある。このようなフィルムは、比較的低温で熱
収縮することができる利点があるが、前記熱風トンネル
で熱収縮させた場合や、熱収縮前に30℃以上の雰囲気
下で長期間保管した後で熱収縮させた場合に、収縮白化
現象が起こり易い。この収縮白化現象は、ポリエステル
の分子鎖が部分的に結晶化して、結晶部分の光の屈折率
が非晶部分と異なるため、起こるのではないかと考えら
れる。
【0023】しかし本発明者等は、多価アルコール成分
100モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノール
を10モル%以上使用することで、上記収縮白化を抑制
し得ることを見出した。1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールの量は12モル%以上がより好ましく、14モル
%以上がさらに好ましい。
【0024】また、低温域で良好な収縮仕上がり性を得
るためには、多価アルコール成分100モル%中、ネオ
ペンチルグリコールが2モル%以上含まれていなければ
ならばい。より好ましいネオペンチルグリコール量は4
モル%以上、さらに好ましくは6モル%以上である。
【0025】詳細は後述するが、本発明の熱収縮性ポリ
エステル系フィルムでは、耐破れ性、強度、耐熱性等を
発揮させるために、エチレンテレフタレートユニットを
ポリエステルの主たる構成成分とすることが望ましい。
このため、上記1,4−シクロヘキサンジメタノールと
ネオペンチルグリコールは、いずれもポリエステルの結
晶性を下げて非晶化度合いを高め、より高い熱収縮率を
発現させるものである。従って、多価アルコール成分1
00モル%中、1,4−シクロヘキサンジメタノールと
ネオペンチルグリコールの合計量は40モル%以下に抑
制することが望まれる。
【0026】1,4−シクロヘキサンジメタノールとネ
オペンチルグリコールを合計で40モル%を超えて使用
すると、フィルムの収縮率が必要以上に高くなり過ぎ
て、熱収縮工程でラベルの位置ずれや図柄の歪みが発生
する恐れがある。また、フィルムの耐溶剤性が低下する
ため、印刷工程でインキの溶媒(酢酸エチル等)によっ
てフィルムの白化が起きたり、フィルムの耐破れ性が低
下するため好ましくない。従って、これらの合計量は3
7モル%以下がより好ましく、35モル%以下がさらに
好ましい。
【0027】また、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルとネオペンチルグリコールの合計量が12モル%より
少ないと、エチレンテレフタレートユニットが多くなっ
てポリエステルの結晶性が高くなるため、収縮不足や部
分的結晶化による白化現象が発生する恐れがある。ま
た、耐溶剤性が高くなり過ぎて、テトラヒドロフランや
1,3−ジオキソラン等の溶剤を用いてフィルムをチュ
ーブ状体に接着加工する際に、接着不良が発生すること
があり好ましくない。多価アルコール成分100モル%
中、1,4−シクロヘキサンジメタノールとネオペンチ
ルグリコールの合計量は16モル%以上がより好まし
く、20モル%以上がさらに好ましい。なお、1,4−
シクロヘキサンジメタノールとネオペンチルグリコール
とでは、1,4−シクロヘキサンジメタノールをネオペ
ンチルグリコールよりも多く用いることが好ましい。
1,4−シクロヘキサンジメタノールが多い方が、前述
の収縮白化現象の抑制に、より効果的なためである。
【0028】また、多価アルコールとして、1,4−ブ
タンジオールを用いることも本発明のポリエステルにお
いて好ましい実施態様である。1,4−ブタンジオール
もポリエステルの結晶性を下げて非晶化度合いを高め、
より高い熱収縮率を発現させるため、得られるフィルム
が比較的低温域において優れた収縮仕上がり性を発揮す
るようになる。また、溶剤接着性も優れたものとなる。
これらの効果を得るためには、多価アルコール成分10
0モル%中、1,4−ブタンジオールを2モル%以上使
用することが好ましい。より好ましい下限は3モル%、
さらに好ましい下限は5モル%である。ただし、1,4
−ブタンジオールが多過ぎると、フィルムの耐破れ性、
強度、耐熱性等の特性を担うエチレンテレフタレートユ
ニットが少なくなるため、その上限は35モル%とする
ことが好ましく、より好ましい上限は30モル%であ
る。
【0029】他の多価アルコールとしては、エチレンテ
レフタレートユニットを形成するためのエチレングリコ
ールが用いられる。そのほか、ジエチレングリコール、
ダイマージオール、プロピレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカン
ジオール等のアルキレングリコール、ビスフェノール化
合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエ
チレングリコール等も併用可能である。また、ポリエス
テルの合成には、ε−カプロラクトンも一部使用しても
よい。
【0030】フィルムの耐破れ性、強度、耐熱性等を考
慮すれば、ポリエステルフィルムの構成単位として、エ
チレンテレフタレートユニットが50モル%以上となる
ようにポリエステルを選択することが好ましい。従っ
て、多価カルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸
(またはそのエステル)を50モル%以上、多価アルコ
ール成分100モル%中、エチレングリコールを50モ
ル%以上、使用することが好ましい。エチレンテレフタ
レートユニットは、55モル%以上がより好ましく、6
0モル%以上がさらに好ましい。ただし、本発明では、
多価アルコール成分100モル%中、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールとネオペンチルグリコールを12モ
ル%以上使用するので、エチレングリコールは88モル
%以下で使用する。また、1,4−ブタンジオールを2
モル%以上併用する場合は、エチレングリコールを86
%以下とする。
【0031】テレフタル酸以外のジカルボン酸成分とし
ては、芳香族ジカルボン酸、それらのエステル形成誘導
体等が利用可能である。芳香族ジカルボン酸としては、
例えばナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカル
ボン酸等が挙げられる。またこれらのエステル誘導体と
してはジアルキルエステル、ジアリールエステル等の誘
導体が挙げられる。さらに、p−オキシ安息香酸等のオ
キシカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸等の多価のカルボン酸を、必要に応じて併用しても
よい。これらの中でも、ナフタレン−1,4−もしくは
−2,6−ジカルボン酸が好ましい。
【0032】ポリエステルは常法により溶融重合するこ
とによって製造できるが、ジカルボン酸類とグリコール
類とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、
いわゆる直接重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル
体とグリコールとをエステル交換反応させたのちに重縮
合する、いわゆるエステル交換法等が挙げられ、任意の
製造法を適用することができる。また、その他の重合方
法によって得られるポリエステルであってもよい。ポリ
エステルの重合度は、固有粘度にして0.3〜1.3d
l/gのものが好ましい。
【0033】ポリエステルには、着色やゲル発生等の不
都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、酸
化ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢
酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カ
ルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、
塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn
塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を、ポリエ
ステルに対して、各々金属イオンとして300ppm
(質量基準、以下同じ)以下、リン酸またはリン酸トリ
メチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸
エステル誘導体を燐(P)換算で200ppm以下、添
加してもよい。
【0034】上記重合触媒以外の金属イオンの総量がポ
リエステルに対し300ppm、またP量が200pp
mを超えるとポリエステルの着色が顕著になるのみなら
ず、ポリエステルの耐熱性や耐加水分解性が著しく低下
するため好ましくない。このとき、耐熱性、耐加水分解
性等の点で、総P量(P)と総金属イオン量(M)との
質量比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好ま
しい。質量比(P/M)が0.4未満または1.0を超
える場合には、フィルムが着色したり、フィルム中に粗
大粒子が混入することがあるため好ましくない。
【0035】上記金属イオンおよびリン酸及びその誘導
体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イ
オン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前または
エステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するの
が好ましい。
【0036】また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタ
ン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子をフィルム原
料に添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加することもで
きる。
【0037】ポリエステルフィルムは、後述する公知の
方法で得ることができるが、熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムにおいて、複数の成分をフィルム中に含有させる
手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリエステル
を単独使用する方式と、異なる種類のホモポリエステル
あるいは共重合ポリエステルをブレンドする方式があ
る。
【0038】共重合ポリエステルを単独使用する方式で
は、上記特定組成の多価アルコール成分と、テレフタル
酸および他のジカルボン酸成分とから得られる共重合ポ
リエステルを用いればよい。一方、異なる組成のポリエ
ステルをブレンドする方式では、ブレンド比率を変更す
るだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種のフ
ィルムの工業生産にも対応できるため、好ましく採用す
ることができる。
【0039】ブレンド法では、具体的には、Tgの異な
る2種以上のポリエステルをブレンドして使用すること
が好ましい。例えば、2種類のポリエステルをブレンド
する場合は、テレフタル酸を必須的に含むジカルボン酸
成分と、エチレングリコールとネオペンチルグリコール
とからなる共重合ポリエステルと、ジカルボン酸成分が
テレフタル酸で、多価アルコール成分がエチレングリコ
ールと1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる共
重合ポリエステルとのブレンド系;ポリエチレンテレフ
タレート(PET)と、ジカルボン酸成分がテレフタル
酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネオペン
チルグリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノール
である共重合ポリエステルとのブレンド系;ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)と、ジカルボン酸成分がテ
レフタル酸で、多価アルコールがエチレングリコールと
ネオペンチルグリコールと1,4−シクロヘキサンジメ
タノールからなる共重合ポリエステルとのブレンド系等
が挙げられる。もちろん、上記例示以外の多価アルコー
ルを併用してもよく、テレフタル酸以外のジカルボン酸
を併用してもよい。
【0040】3種の混合系においては、ジカルボン酸成
分がテレフタル酸で、多価アルコールがエチレングリコ
ールとネオペンチルグリコールと1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールである共重合ポリエステルと、PET
と、PBTとのブレンド系;ジカルボン酸成分がテレフ
タル酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネオ
ペンチルグリコールからなる共重合ポリエステルと、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アルコールが
1,4−シクロヘキサンジメタノールであるポリエステ
ルと、PETとのブレンド系;ジカルボン酸成分がテレ
フタル酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネ
オペンチルグリコールである共重合ポリエステルと、ジ
カルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アルコールが
1,4−シクロヘキサンジメタノールであるポリエステ
ルと、PBTとのブレンド系;ジカルボン酸成分がテレ
フタル酸で、多価アルコールがエチレングリコールとネ
オペンチルグリコールと1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールである共重合ポリエステルと、PETとPBTと
のブレンド系;ジカルボン酸成分がテレフタル酸で、多
価アルコールがエチレングリコールと1,4−シクロヘ
キサンジメタノールである共重合ポリエステルと、ジカ
ルボン酸成分がテレフタル酸で、多価アルコールがエチ
レングリコールと1,4−ブタンジオールである共重合
ポリエステルと、PBTとのブレンド系等が挙げられ
る。もちろん、上記例示以外の多価アルコールを併用し
てもよく、テレフタル酸以外のジカルボン酸を併用して
もよい。なお、4種以上のポリエステルをブレンドして
も良い。
【0041】具体的なフィルムの製造方法としては、原
料ポリエステルチップをホッパドライヤー、パドルドラ
イヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、
押出機を用いて200〜300℃の温度でフィルム状に
押し出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原料チップ
をベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィル
ム状に押し出す。押出しに際してはTダイ法、チューブ
ラ法等、既存のどの方法を採用しても構わない。押出し
後は、急冷して未延伸フィルムを得る。なお、この「未
延伸フィルム」には、フィルム送りのために必要な張力
が作用したフィルムも含まれるものとする。
【0042】この未延伸フィルムに対して延伸処理を行
う。延伸処理は、上記キャスティングロール等による冷
却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール状
に巻き取って、その後行ってもよい。
【0043】最大収縮方向がフィルム横(幅)方向であ
ることが、生産効率上、実用的であるので、以下、主収
縮方向を横方向とする場合の延伸法の例を示す。なお、
最大収縮方向をフィルム縦(長手)方向とする場合も、
下記方法における延伸方向を90゜変える等、通常の操
作に準じて延伸することができる。
【0044】熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分
布を均一化させることに着目すれば、テンター等を用い
て横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱工
程を行うことが好ましく、この予備加熱工程では、熱伝
導係数が0.00544J/cm2・sec・℃(0.
0013カロリー/cm2・sec・℃)以下となるよ
うに、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg
+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行うこと
が好ましい。
【0045】横方向の延伸は、Tg−20℃〜Tg+4
0℃の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好まし
くは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、50℃〜1
10℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるい
は0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じ
て40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理
をして、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得る。
【0046】この横延伸工程においては、フィルム表面
温度の変動を小さくすることのできる設備を使用するこ
とが好ましい。すなわち、延伸工程には、延伸前の予備
加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、
再延伸処理工程等があるが、特に、予備加熱工程、延伸
工程および延伸後の熱処理工程において、任意ポイント
において測定されるフィルムの表面温度の変動幅が、平
均温度±1℃以内であることが好ましく、平均温度±
0.5℃以内であればさらに好ましい。フィルムの表面
温度の変動幅が小さいと、フィルム全長に亘って同一温
度で延伸や熱処理されることになって、熱収縮挙動が均
一化するためである。フィルム表面温度の変動を小さく
するには、例えば、フィルムを加熱する熱風の風速を制
御できるようにインバーターを取り付けた風速変動抑制
設備を用いたり、熱源に500kPa以下(5kgf/
cm2以下)の低圧蒸気を使用して、熱風の温度変動を
抑制できる設備等を用いるとよい。
【0047】延伸の方法としては、テンターでの横1軸
延伸ばかりでなく、縦方向に1.0倍〜4.0倍、好ま
しくは1.1倍〜2.0倍の延伸を施してもよい。この
ようい2軸延伸を行う場合は、逐次2軸延伸、同時2軸
延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行って
もよい。また、逐次2軸延伸においては、延伸の順序と
して、縦横、横縦、縦横縦、横縦横等のいずれの方式で
もよい。これらの縦延伸工程あるいは2軸延伸工程を採
用する場合においても、横延伸と同様に、予備加熱工
程、延伸工程等において、フィルム表面温度の変動をで
きるだけ小さくすることが好ましい。
【0048】延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、
幅方向のフィルム温度斑を小さくする点に着目すれば、
延伸工程の熱伝達係数は、0.00377J/cm2
sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・
℃)以上とすることが好ましい。0.00544〜0.
00837J/cm2・sec・℃(0.0013〜
0.0020カロリー/cm2・sec・℃)がより好
ましい。
【0049】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
の厚みは特に限定するものではないが、例えばラベル用
熱収縮性ポリエステル系フィルムとしては、10〜20
0μmが好ましく、20〜100μmがさらに好まし
い。
【0050】
【実施例】以下、以下実施例によって本発明をさらに詳
述するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合
は、本発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得
られたフィルムの物性の測定方法は、以下の通りであ
る。
【0051】(1)熱収縮率 フイルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、85
℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬し
て熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒浸
漬した後、試料の縦および横方向の長さを測定し、下記
式に従って求めた値である。 熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長
さ)÷(収縮前の長さ) 最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とした。
【0052】(2)耐破れ性(破断率) JIS K 7127に準じ、熱収縮前のフィルムの最
大収縮方向と直交する方向についての引張試験を行う。
試験片数は20とした。試験片長さ200mm、チャッ
ク間距離100mm、試験片幅15mm、温度23℃、
引張速度200mm/分の条件で行った。伸度5%以下
で破断した試験片数を数え、全試験片数(20個)に対
する百分率を求め、破断率(%)とした。
【0053】(3)フィルム組成 フィルムを、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とト
リフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1
(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調
製し、NMR(「GEMINI−200」;Varia
n社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定
条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定した。NMR
測定では、所定のメチレンプロトンのピーク強度を算出
して、フィルムを構成するモノマーの構成比率を算出し
た。
【0054】(3)溶剤接着性 フィルムを紙管に巻いた状態で雰囲気温度30℃±1
℃、相対湿度85±2%に制御した恒温恒湿機内に25
0時間放置した後、取り出して、東洋インキ製造社製の
草色、金色、白色のインキで3色印刷した後、センター
シールマシンを用いて、1,3−ジオキソラン/アセト
ン=80/20(質量比)の混合溶剤で溶剤接着してチ
ューブを作り、二つ折り状態で巻き取った。このチュー
ブロールを、温度23℃±1℃、相対湿度65%±2%
の恒温恒湿機内に24時間放置後、取り出して、巻き返
し、接着性をチェックした。手で容易に剥がれる部分が
あるものを×、軽い抵抗感をもって手で剥がれるものを
△、手で容易に剥がれる部分のないものを○として評価
した。○が合格である。
【0055】(4)収縮仕上がり性 上記溶剤接着性評価のために製造したチューブを裁断し
て熱収縮性ポリエステル系フィルムラベルを作成した。
溶剤接着ができなかったものについては、ヒートシール
を行ってラベルを作成した。次いで、容量300mlの
ガラス瓶にラベルを装着した後、160℃(風速10m
/秒)の熱風式熱収縮トンネルの中を13秒間通過させ
て、ラベルを収縮させた。収縮白化と収縮斑の程度を目
視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価した。基準
は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性良、3:収縮
白化または収縮斑少し有り(2ヶ所以内)、2:収縮白
化または収縮斑有り(3〜5ヶ所)、1:収縮白化また
は収縮斑多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベ
ル、3以下のものを不良とした。
【0056】合成例1(ポリエステルの合成) 撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステン
レススチール製オートクレーブに、ジカルボン酸成分と
してジメチルテレフタレート(DMT)100モル%
と、多価アルコール成分として、エチレングリコール
(EG)を100モル%を、多価アルコールがモル比で
メチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステ
ル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に
対して)と、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.0
25モル%(酸成分に対して)添加し、生成するメタノ
ールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。
その後、280℃で26.7Paの減圧条件の下で重縮
合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリエステ
ルAを得た。
【0057】合成例2〜4 合成例1と同様な方法により、表1に示すポリエステル
B〜Dを得た。なお、表中、NPGがネオペンチルグリ
コール、CHDMが1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、BDが1,4−ブタンジオールである。それぞれの
ポリエステルの固有粘度は、Bが0.72dl/g、C
が0.80dl/g、Dが1.15dl/gであった。
各ポリエステルを適宜チップ状にした。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを4質量%、チップBを2
4質量%、チップCを56質量%、チップDを16質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを77℃で12秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて81℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μm
の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフ
ィルムの物性値を表2に示す。
【0060】実施例2 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを20質量%、チップBを
8質量%、チップCを56質量%、チップDを16質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを78℃で12秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて80℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μm
の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフ
ィルムの物性値を表2に示す。
【0061】比較例1 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを37質量%、チップBを
58質量%、チップDを5質量%の割合で混合し、28
0℃で単軸式押出機で溶融押出しし、その後急冷して、
厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを77℃で12秒間予熱した後、テンターで横方
向に71℃で4.0倍延伸し、続いて80℃で10秒間
熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。得られたフィルムの物性値を表2に
示す。
【0062】比較例2 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを33質量%、チップCを
62質量%、チップDを5質量%の割合で混合し、28
0℃で単軸式押出機で溶融押出しし、その後急冷して、
厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フ
ィルムを78℃で12秒間予熱した後、テンターで横方
向に71℃で4.0倍延伸し、続いて81℃で10秒間
熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル
系フィルムを得た。得られたフィルムの物性値を表2に
示す。
【0063】比較例3 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを55質量%、チップBを
8質量%、チップCを27質量%、チップDを10質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを83℃で12秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて70℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μm
の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフ
ィルムの物性値を表2に示す。
【0064】比較例4 上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥し、表
1に示したように、チップAを35質量%、チップBを
8質量%、チップCを27質量%、チップDを30質量
%の割合で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出
しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを83℃で12秒間予熱
した後、テンターで横方向に71℃で4.0倍延伸し、
続いて70℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μm
の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。得られたフ
ィルムの物性値を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィル
ムは、収縮時に、収縮白化や収縮斑、シワ、歪み、タテ
ヒケ等の不良の発生が極めて少なく、美麗な収縮仕上が
り外観を得ることができた。また、耐破れ性や溶剤接着
性にも優れており、収縮ラベル、キャップシール、収縮
包装等の用途に好適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 105:02 B29K 105:02 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 67:02 C08L 67:02 (72)発明者 伊藤 勝也 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 米田 茂 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (72)発明者 野瀬 克彦 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 (56)参考文献 特開 平4−193526(JP,A) 特開 平7−32478(JP,A) 特開 平7−53756(JP,A) 特開 平7−53737(JP,A) 特開 昭57−212228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 CFD B29C 55/02 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを構成する多価アルコール
    成分のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールが1
    0モル%以上、ネオペンチルグリコールが2モル%以上
    であり、かつ、1,4−シクロヘキサンジメタノールと
    ネオペンチルグリコールの合計量が12〜40モル%で
    あるポリエステル(ジカルボン酸成分として、イソフタ
    ル酸、脂肪族ジカルボン酸を含むものを除く)であり、
    且つエチレンテレフタレートユニットが50モル%以上
    であるポリエステルを用いて得られた熱収縮性ポリエス
    テル系フィルム(空洞含有フィルムを除く)であって、 10cm×10cmの正方形状に切り取った熱収縮性ポ
    リエステル系フィルムの試料を、85℃の温水中に10
    秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬
    して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が20%
    以上であり、 フィルムの最大収縮方向と直交する方向についての引張
    試験を、複数の熱収縮性ポリエステル系フィルム試験片
    について、チャック間距離100mm、試験片幅15m
    m、温度23℃、引張速度200mm/分の条件で行っ
    たとき、破断伸度5%以下の試験片数が、全試験片数の
    10%以下であ ることを特徴とする熱収縮性ポリエステ
    ル系フィルム。
  2. 【請求項2】 上記多価アルコール成分には、さらに、
    1,4−ブタンジオールが2モル%以上含まれている請
    求項に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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