JP4904640B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents
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Description
【発明に属する技術分野】
本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関し、さらに詳しくは、すりガラス調の外観を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
贈答用の日本酒瓶を主としてすりガラス瓶を使用しているが、近年、瓶は傷がつき易く繰り返し使用できない等の理由から使用減を余儀なくされ、それに代わって透明瓶又はPETボトルに熱収縮性フィルムのラベルを装着することが試みられている。
【0003】
このようなラベルとしては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等からなる熱収縮性フィルムが主として用いられてきたが(特開平11−188817号等)、ポリ塩化ビニルについては、近年、廃棄時に焼却する際の塩素系ガス発生が問題となり、又ポリスチレンについては印刷が困難である等の問題があり、最近は熱収縮性ポリエステル系フィルムの利用が注目を集めている。
【0004】
また、従来、これらの熱収縮性フィルムを使用する場合は、フィルムに白色印刷やサンドブラスト加工を施してすりガラス調に仕上げてきたが、加工コストが高く、納期も長いという点で工業的に不利であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、印刷や加工を施さなくともすりガラス調の外観を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記従来技術の問題点を解消すべく鋭意研究した結果、熱収縮性ポリエステル系フィルムの全光線透過率、ヘーズを特定範囲とすることによって、目的が達成できることを見出し、これに基づき本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、且つヘーズが15〜60%であり、かつ主収縮方向と直交する方向の破断伸度が10%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムに係るものである。
【0008】
あるいは、ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、かつヘーズが15〜60%であり、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm未満であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムに係るものである。
【0009】
あるいは、ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、かつヘーズが15〜60%であり、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm未満であり、かつ溶剤接着性に優れることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムに係るものである。
【0010】
この場合において、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm以上であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm以上であることが好適である。
【0011】
またこの場合において、微粒子をフィルム重量に対して0.1〜10重量%含有していることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記微粒子の平均粒径が、0.001〜15.0μmの範囲であることが好適である。
【0012】
さらにまた、この場合において、積層フィルムが表面側に微粒子添加層を設け、内面側に微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層を設けた2層構造であることが好適である。(ここで、内面側とは瓶又はボトルのラベルとして用いた場合に瓶又はボトルに接触する側をいい、又表面側とは内面側の反対側をいう。)
【0013】
さらにまた、この場合において、1,3−ジオキソランで溶剤接着可能であることが好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、且つヘーズが15〜60%であり、かつ主収縮方向と直交する方向の破断伸度が10%以上であることを特徴とし、そのことにより上記目標が達成される。
【0015】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、実質的にポリエステル樹脂又はポリエステル樹脂及び後記微粒子からなっている。ポリエステル樹脂としては、例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とを構成成分とするポリエステルと、ポリエステル系エラストマーとを含有するポリエステル組成物から好ましく使用できる。該ポリエステル樹脂組成物において、ポリエステルとポリエステル系エラストマーとの配合割合は、両者合計量に対して、通常、前者が50〜97重量%程度、特に70〜95重量%で、後者が3〜50重量%程度、特に5〜30重量%程度であるのが好適である。
【0016】
上記ポリエステルを構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等の公知ジカルボン酸の1種又は2種以上を使用すれば良い。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチレングリコールエチレンオキサイド付加物等の公知のジオールの1種又は2種以上を使用すれば良い。
【0017】
また、上記ポリエステル系エラストマーは、例えば、高融点結晶性ポリエステルセグメント(Tm200℃以上)と分子量400以上好ましくは400〜800の低融点軟質重合体セグメント(Tm80℃以下)からなるポリエステル系ブロック共重合体であり、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリラクトンを低融点軟質重合体セグメントに用いたポリエステル系エラストマーが、特に好ましい。
【0018】
本発明フィルム特定の全光線透過率、ヘーズを達成して、フィルムにすりガラス調の外観を付与するためには、例えば、フィルム中に、無機滑剤、有機滑剤等の微粒子をフィルム重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%含有させることが、好適である。該微粒子の含有量が0.1重量%未満の場合は、すりガラス調の外観を得ることが困難な傾向にあり、一方10重量%を超えるとフィルム表面の凸凹が大きくなって外観が低下する傾向にある。
【0019】
微粒子は、ポリエステル重合前に添加しても良いが、通常は、ポリエステル重合後に添加される。微粒子として添加される無機滑剤としては、例えば、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、カーボンブラック等の公知の不活性粒子があげられる。
【0020】
また、同様に微粒子として添加される有機滑剤としては、ポリエステル樹脂の溶融製膜に際して不溶な高融点有機化合物が使用できる。該高融点有機化合物の融点(Tm)は、溶融製膜時の温度より高く、且つ該有機化合物が該温度において形状を保持していることが必要である。該高融点有機化合物の具体例としては、例えば、ポリメタアクリル酸エステル系架橋体、ベンゾグアナミン等の架橋ポリマーを挙げることができる。
【0021】
フィルム中に含まれる微粒子の平均粒径は、通常、0.001〜15.0μmの範囲であるのが好ましい。粒径が0.001μm未満であるとすりガラス調の外観を得ることが困難な傾向にあり、一方15μmを超えるとフィルム表面の凸凹が大きくなって外観が低下する傾向にある。該粒径は、より好ましくは0.5〜12μmであり、特に好ましくは1〜10μmである。ここで、微粒子の平均粒径は、コールターカウンター法により、測定したものである。
【0022】
また、本発明フィルムは、必要に応じて、安定剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の添加剤を含有するものであっても良い。
【0023】
本発明のポリエステル系フィルムは、JIS K 7105−Aに準じて測定されたフィルムの全光線透過率が80〜90%であることが必要である。該透過率が80%未満であると、フィルムに施された印刷が見えにくくなり、一方90%を超えると所定のヘーズとすることが困難になるので、いずれも好ましくない。該透過率は、85〜90%であることが、特に好ましい。
【0024】
本発明のポリエステル系フィルムは、JIS K 7105−Aに準じて測定されたフィルムのヘーズが15〜60%であることが必要である。該ヘーズが15%未満であると、すりガラス調の外観を得ることが困難な傾向にあり、一方60%を超えるとフィルム表面に印刷を施して反対側から見た場合に小さい文字が見えにくくなるので、いずれも好ましくない。該ヘーズは、25〜45%であることが、特に好ましい。
【0025】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは単層でも構わないが、一般的にフィルムの内面に印刷を施す際にフィルムの曇度によって小文字が読み難かったり、色目が変わったりして、意匠性を損なう場合が生じる。
【0026】
更に、本発明フィルムは、JIS K7127に準じて測定されたフィルムの主収縮方向と直交する方向の破断伸度が10%以上であることが必要である。該伸度が10%未満であると、フィルム面に印刷を施す工程で切断が発生して、好ましくない。
【0027】
この破断伸度の要件を満足させるためには、例えば、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであることが必要である。かかる積層フィルムにおける微粒子の含有量は、各層のフィルム重量に対する含有量を意味する。
【0028】
この破断伸度の要件を満足する限りにおいて、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは単膜でも構わないが、単層の場合、フィルム厚み方向に微粒子が分散しているため、この要件を満たすためには、微粒子の種類、添加量、粒径を種々選択するのが必要である。
【0029】
上述した積層フィルムとしては、例えば、表面側に微粒子添加層を設け、内面側に微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層を設けた2層構造の積層フィルム、表面側に微粒子添加層を設け、中間層及び内面側に微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層を設けた3層構造の積層フィルム等を挙げることができる。
【0030】
ここで、本発明フィルムにおいて、内面側とは瓶又はボトルのラベルとして用いた場合に瓶又はボトルに接触する側をいい、又表面側とは内面側の反対側をいう。
【0031】
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、微粒子添加層のフィルム表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm以上であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm以上であることが好ましい。SRmax又は/及びSRaが上記未満の場合は、すりガラス調の外観を得ることが困難になるため、好ましくない。
【0032】
更に、本発明らは熱収縮性ポリエステル系フィルムは、微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層のフィルム表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm未満であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm未満であるとき、この面に印刷した場合、印刷抜けなどの印刷不良が発生せず、また溶剤接着性が向上することを見出した。SRmax又は/及びSRaが上記以上の場合は、粒子の突起に起因する印刷不良が発生するため、好ましくない。
【0033】
この表面粗さの要件を満足させるためには、本発明フィルムは、例えば、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は表面粗さの要件を満足させる微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであることが必要である。かかる積層フィルムにおける微粒子の含有量は、各層のフィルム重量に対する含有量を意味する。
【0034】
この表面粗さの要件を満足する限りにおいて、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは単膜でも構わないが、単層の場合、すりガラス調に必要な粒径の大きい微粒子が分散しやすく、フィルム表面粗さの最大高さ(SRmax)を2.0μm未満、かつ中心面平均粗さ(SRa)を0.20μm未満とするためには微粒子の種類、添加量、粒径を種々選択するのが必要である。
【0035】
このような積層フィルムとしては、例えば、表面側に微粒子添加層を設け、内面側に微粒子を含まない層又は表面粗さの要件を満足させる微粒子添加層を設けた2層構造の積層フィルム、表面側に微粒子添加層を設け、中間層及び内面側に微粒子を含まない層又は表面粗さの要件を満足させる微粒子添加層を設けた3層構造の積層フィルム等を挙げることができる。このような内面側に微粒子を含まない層又は表面粗さの要件を満足させる微粒子添加層を設けた積層フィルムの場合は、内面側に印刷を施しても、印刷不良が発生したり、色目が変わったりして、意匠性を損なうというような欠点を生じることがない。
【0036】
ここで、印刷とは一般的なグラビア印刷を指し、印刷不良とはグラビアの版深度より大きな突起による印刷抜け等をいう。最近では半調印刷も盛んに実施され、より印刷抜けが起こりやすい図柄が多くなってきている。
【0037】
本発明のフィルムの主収縮方向に温湯95℃、10秒の収縮率が50%以上であり、好ましくは、50〜75%である。収縮率が50%未満では瓶の細い部分で、ラベルの収縮不足が発生する。一方、75%を越えると収縮率が大きいために、収縮トンネル通過中にラベルの飛び上がりが発生する場合があるので、いずれも好ましくない。ここで、主収縮方向とは、収縮率の大きい方向を意味する。
【0038】
また、主収縮方向に直角方向の収縮率が0〜10%であることが、好ましい。収縮率が0%未満で伸びる方向になると収縮時に生じたラベルの横シワが消えにくくなる傾向にあり、一方10%を超えるとラベルの縦収縮が大きくなり、使用するフィルム量が多くなり経済的に問題が生ずるので、いずれも好ましくない。
【0039】
本発明のフィルムのガラス転移温度Tgは50〜90℃程度、好ましくは55〜85℃、さらに好ましくは55〜80℃の範囲である。Tgがこの範囲内にあれば、低温収縮性は十分でかつ自然収縮が大きすぎることがなく、ラベルの仕上がりが良好である。
【0040】
本発明のフィルムは、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、フェノール等のフェノール類、テトラヒドロフラン等のフラン類、1,3−ジオキソラン等のオキソラン類等の有機溶剤による溶剤接着性を有することが好ましい。特に、安全性の面からすれば、1,3−ジオキソランによる溶剤接着性を有することがより好ましい。
【0041】
本発明のフィルムの溶剤接着性をさらに向上させるためには、例えば、ポリエステルに低Tg成分を共重合することが有効である。
【0042】
以下、本発明のフィルムの製造方法を具体的に説明する。
【0043】
滑剤として無機粒子等を必要に応じて適量含有するポリエステルまたは共重合ポリエステルを通常のホッパードライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機等を用いて乾燥した後、200〜320℃の温度で押出しを行う。押出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の方法を使用しても構わない。
【0044】
押出し後、急冷して未延伸フィルムを得るが、Tダイ法の場合、急冷時にいわゆる静電印加密着法を用いることにより、厚み斑の少ないフィルムが得られ好ましい。
得られた未延伸フィルムを、最終的に得られるフィルムが本発明の構成要件を満たすように、1軸延伸または2軸延伸する。
【0045】
延伸方法としては、ロール縦1軸のみに延伸したり、テンターで横1軸にのみ延伸する方法の外、公知の2軸延伸に際し縦または横のいずれか一方向に強く延伸し、他方を極力小さく延伸することも可能であり、必要に応じて再延伸を施してもよい。
【0046】
上記延伸において、主収縮方向には少なくとも2.0倍以上、好ましくは2.5倍以上延伸し、必要に応じて主収縮方向と直交する方向に延伸し、次いで熱処理を行う。
【0047】
熱処理は通常、緊張固定下、実施されるが、同時に20%以下の弛緩または幅出しを行うことも可能である。熱処理方法としては加熱ロールに接触させる方法やテンター内でクリップに把持して行う方法等の既存の方法を行うことも可能である。
【0048】
前記延伸工程中、延伸前または延伸後にフィルムの片面または両面にコロナ処理を施し、フィルムの印刷層および/または接着剤層に対する接着剤層等に対する接着性を向上させることも可能である。
【0049】
また、上記延伸工程中、延伸前または延伸後にフィルムの片面または両面に塗布を施し、フィルムの接着性、離型性、帯電防止性、易滑性、遮光性等を向上させることも可能である。
【0050】
本発明のフィルムの厚みは好ましくは15〜300μm、さらに好ましくは25〜200μmの範囲である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
(1)全光線透過率及びフィルムヘーズ
日本電飾工業(株)製1001DPを用い、JIS K 7105に準じ測定した。
【0053】
(2)破断伸度
主収縮方向において15mm幅のフィルムを、東洋ボールドウィン社製のテンシロン(型式:STM−T−50BP)でチャック間距離50mm、引張速度200mm/分で測定した。
【0054】
(3)最大高さ(SRmax)、中心面平均粗さ(SRa)
小坂研究所社製の三次元微細形状測定器(ET−30HK)を使用し、カットオフ80μm、ドライブスピード100μm/sの条件で測定した。
【0055】
(4)熱収縮率
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、95±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬処理して熱収縮させた後、フィルムの縦及び横方向の寸法を測定し、下式に従い熱収縮率を求めた。該収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
【0056】
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
【0057】
(5)溶剤接着性
1、3−ジオキソランを用いてフィルムをチューブ状に接合加工し、該チューブ状体を加工時の流れ方向と直交方向に15mm幅に切断してサンプルを取り、接合部分を上記方向に引っ張り剥離し、充分な剥離抵抗力が得られたものを溶剤接着性「○」とした。
【0058】
(6)Tg(ガラス転移点)
セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム10mgを、−40℃から120℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
【0059】
実施例、比較例に用いたポリエステルは以下の通りである。
ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレート(IV 0.75)
ポリエステルB:テレフタル酸100モル%と、エチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%とからなるポリエステル(IV 0.72)
ポリエステルC:ポリブチレンテレフタレート70重量%とε−カプロラクトン30重量%とからなるポリエステルエラストマー(還元粘度(ηsp/c)1.30)
【0060】
実施例、比較例に用いた微粒子は以下の通りである。
微粒子A:エポスターMA1010(平均粒径 10μm);日本触媒製
微粒子B:エポスターMA1006(平均粒径 6μm);日本触媒製
微粒子C:不定形サイロイド(平均粒径 1.5μm);富士サイリシア製
【0061】
(実施例1)
表1および表2に示すように、内面側層として、ポリエステルAを36重量%、ポリエステルBを49重量%、ポリエステルCを15重量%混合したポリエステル組成物を、表面側層として、ポリエステルAを36重量%、ポリエステルBを49重量%、ポリエステルCを15重量%を混合したポリエステル98部に対し微粒子Aを2部になるよう調整したポリエステル組成物を280℃でTダイから延伸後のコア/スキンの厚み比率が25μm/25μmとなるように積層しながら溶融押し出しし、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。
該未延伸フィルムを、テンターでフィルム温度70℃で横方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0062】
(実施例2〜4及び比較例1〜3)
表1に示すように、微粒子の種類・配合割合を変えたこと以外は、実施例1と同様にして厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0063】
(実施例5および6)
表1および表2に示すように、内面層として、ポリエステルAを31重量%、ポリエステルBを49重量%、ポリエステルCを20重量%混合したポリエステル組成物を、表面層として、ポリエステルAを31重量%、ポリエステルBを49重量%、ポリエステルCを20重量%を混合したポリエステル98部に対し微粒子Aを2部になるよう調整したポリエステル組成物を280℃でTダイから延伸後のコア/スキンの厚み比率が25μm/25μmとなるように積層しながら溶融押し出しし、チルロールで急冷して未延伸フィルムを得た。
該未延伸フィルムを、テンターでフィルム温度70℃で横方向に4.0倍延伸し、厚み50μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。
【0064】
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られたフィルムの評価結果を表1に合わせて示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
表1および表2から明らかなように、実施例1〜6で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、いずれも良好なすりガラス調の外観を有するものであった。
【0068】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、高品質で実用性が高く、特にすりガラス調の収縮ラベル用として好適である。
【0069】
一方、比較例1〜2で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、すりガラス調の外観を有するもののフィルム破断伸度が劣っており、比較例3で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムは、すりガラス調の外観が劣っていた。このように比較例の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、品質が劣り、実用性の低いものであった。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷や加工を施さなくともすりガラス調の外観を有し、充分な強度と優れた印刷適性、さらにが優れた溶剤接着性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムが得られる。
【0071】
従って、ラベル用、特に商品価値の高いラベル用の熱収縮性ポリエステル系フィルムとして極めて有用である。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、かつヘーズが15〜60%であり、かつ主収縮方向と直交する方向の破断伸度が10%以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、かつヘーズが15〜60%であり、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm未満であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm未満であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- ポリエステル樹脂からなるフィルムであって、微粒子添加層及び微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層の少なくとも2層からなる積層フィルムであり、温湯収縮率が、主収縮方向において処理温度95℃・処理時間10秒で50%以上であり、主収縮方向と直交する方向において10%以下であり、フィルムの全光線透過率が80〜90%であり、かつヘーズが15〜60%であり、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm未満であり、かつ溶剤接着性に優れることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1、2、3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、少なくとも片一方のフィルム面の表面粗さの最大高さ(SRmax)が2.0μm以上であり、かつ中心面平均粗さ(SRa)が0.20μm以上であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1、2、3、4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムフィルムであって、微粒子をフィルム重量に対して0.1〜10重量%含有していることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、前記微粒子の平均粒径が、0.001〜15.0μmの範囲であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1、2、3、4、5、6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、積層フィルムが表面側に微粒子添加層を設け、内面側に微粒子を含まない層又は破断伸度を低下させない微粒子添加層を設けた2層構造であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(ここで、内面側とは瓶又はボトルのラベルとして用いた場合に瓶又はボトルに接触する側をいい、又表面側とは内面側の反対側をいう。) - 請求項3、4、5、6、7のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、1,3−ジオキソランで溶剤接着可能であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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| JP2001109027 | 2001-04-06 | ||
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Publications (2)
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