JP2002179545A - レチノイドとベンゾトリアゾールシリコーンを含む組成物、特に化粧組成物 - Google Patents

レチノイドとベンゾトリアゾールシリコーンを含む組成物、特に化粧組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レチノイドとUV遮蔽剤、特にUVA遮蔽
剤、の両方を含む利用可能な組成物において、レチノイ
ドが遮蔽剤により分解されない組成物とその使用の提
供。 【解決手段】 本発明の組成物は、生理的に許容される
媒体中に、少なくとも一のレチノイド、特にレチノール
と、特定のベンゾトリアゾールシリコーンを含む組成物
である。ベンゾトリアゾールシリコーンは、本発明の組
成物にレチノイドの分解をおこさずにUV放射に対する
遮蔽力を与える。本発明はまた、内在性の、又は光誘導
の皮膚老化の徴候を防止する、又は処理するための、こ
の組成物の化粧品としての使用にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の主題は新規化粧及び
/又は皮膚科組成物であり、特に、皮膚のケアを意図し
た組成物であり、生理的に許容される媒体中に、レチノ
イドとベンゾトリアゾールシリコーンを含むものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レチノイドベースの化粧品及び/又は皮
膚科組成物は、特に、ケラチノサイトの分化を制御する
レチノイドの能力のために、座瘡及び皮膚のたるみなど
の不完全な状態の治療において、及び、特にコラーゲン
の合成を調節するそれらの能力のために、内在性又は光
誘導の皮膚の老化のある徴候、例えばしわの形成と皮膚
の防止と治療において、近年著しい成長をとげている。
【0003】レチノイドファミリー誘導体の中で、レチ
ノールはビタミンAという名でも知られている、特に有
利なものである。これは、レチノールは、ヒトの体の天
然内因性成分であり、レチノイン酸より高いレベルまで
皮膚に適用しても寛容性が高いためである。
【0004】しかしながら、局所適用を意図した化粧品
又は皮膚科組成物にそれを導入するとき、レチノール
は、光、酸素、金属イオン、酸化剤又は水の効果のもと
に、特に、温度上昇の効果のもとに、すばやく分解す
る。レチノールの熱分解は、J.Soc.Cosm.Chem,46,191-1
98(1995年7月−8月)に公開された研究の主題を形成す
る。
【0005】これらの問題を克服するために、特に、レ
チノールより比較的安定な、レチニルエステルを使用す
ることが提供された。しかしながら、化粧品組成物にお
けるこれらの化合物の安定性は、未だに満足のいくもの
ではなく、特に、脂肪鎖を含む酸とのレチノールエステ
ルに関してはそうである。
【0006】出願人の会社は、特に、レチノール又はそ
のエステルが化粧品組成物への、いくつかのUVA遮蔽
剤の導入が、この分解の理由は明らかに同定されなくて
も、長期間レチノイドの分解をもたらすことに気づい
た。
【0007】これらの組成物において、UVA放射を吸
収するサンスクリーンの効果と、特にコラーゲンの合成
に関するレチノイドの生物学的効果を組み合わせること
がしばしば有利である限り、上記のことは、特に、皮膚
の徴候の防止又は処理のための意図される組成物に関し
ては不幸なことである。このことは、これらの遮蔽剤
が、細胞が光誘導される過剰のフリーラジカルに対して
自身を防御することを助けること、及びUVA放射によ
るコラーゲン繊維の分解を防止することを可能にするた
めである。したがってそれらは、レチノイドのそれに対
して補足的な抗老化効果を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】レチノイドとUV遮蔽
剤、特にUVA遮蔽剤、の両方を含む利用可能な組成
物、特に化粧品組成物であって、その組成物においてレ
チノイドが遮蔽剤により分解されない組成物を得ること
に存在する重要性が理解される。
【0009】
【課題を解決するための手段】実際、出願人の会社は、
驚くべきことに、UVA遮蔽剤の与えられたファミリー
が、レチノイドの分解をおこさずに、レチノイドを含む
組成物に導入され得ることを発見した。これらの化粧品
及び/又は皮膚科組成物は、それらの効果の低下を経験
せずに、数ヶ月の間、保存されることができる。
【0010】本発明の主題は、したがって、生理的に許
容される媒体中に、少なくとも一のレチノイドと、以下
の式:
【0011】
【化9】
【0012】又は
【0013】
【化10】
【0014】(式(1)及び(2)において、 −Rは、同一又は異なって、C1−C10アルキル、フェ
ニル、3,3,3−トリフルオロプロピル基から選ば
れ、R基の数の少なくとも80%がメチルであり、 −rは0乃至50の整数であり、sは1乃至20の整数
であり、 −uは1乃至6の整数であり、tは0乃至10の整数で
あり、t+uは3以上であり、 −記号Aは、以下の式(3):
【0015】
【化11】
【0016】(式(3)中、 −Yは同一又は異なって、C1−C8アルキル基、ハロゲ
ン及びC1−C4アルコキシ基、同じ芳香族核の2つの隣
接Y基は、一緒になって、アルキリデン基が1乃至2の
炭素原子を含むアルキリデンジオキシ基を形成すること
ができ、 −XはO又はNHを表し、 −Zは水素又はC1−C4アルキル基を表し、 −nは0乃至3の整数であり、 −mは0又は1であり、 −pは1乃至10の整数を表す)に相当する、ケイ素原
子に直接結合された一価の基を表す)の一に相当するベ
ンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも一のベンゾト
リアゾールシリコーンを含む組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】上記式(3)に示されるように、
ベンゾトリアゾール単位に結合する、−(X)m−(C
2p−CH(Z)−CH2−のカップリングは、シリ
コーン鎖のケイ素原子への、前記ベンゾトリアゾール単
位の連結を提供し、本発明によれば、ベンゾトリアゾー
ル:
【0018】
【化12】
【0019】の2つの芳香族核により提供される全ての
利用可能な位置で、起こり得る。このカップリングは、
好ましくは、3,4,5位置(ヒドロキシル官能基を有
する芳香族核)又は4’位置(トリアゾール環に隣接す
るベンゼン核)で、より好ましくは3,4,5位置でお
こる。本発明の好ましい態様では、カップリングは、3
位置でおこる。
【0020】同様にして、Y置換基単位のカップリング
は、ベンゾトリアゾールでのすべての他の利用可能な位
置で起こり得る。しかしながら、好ましくは、このカッ
プリングは3,4,4’,5及び/又は6位置でおこ
る。本発明の好ましい態様において、カップリングは5
位置でおこる。
【0021】前記式(1)及び(2)において、アルキ
ル基は、直鎖状または分枝状とすることができ、特に、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、tert-ブチル、n−アミル、イソア
ミル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n
−オクチル、2−エチルヘキシル、及びtert-オクチル
基から選ばれる。本発明による好ましいRアルキル基
は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−オク
チル、2−エチルヘキシル基である。より好ましくはR
基はすべてメチル基である。
【0022】前記式(1)及び(2)の化合物の中で、
式(1)に相当するもの、すなわち短い直鎖を含むジオ
ルガノシロキサンを用いることが好ましい。
【0023】本発明の範囲の直鎖ジオルガノシロキサン
の中で、以下の性質のうちの、好ましくは一、より好ま
しくは組み合わせ: −Rはアルキル、好ましくはメチル、 −rは0乃至15であり;sは1乃至5であり、 −nはゼロでなく、好ましくは1であり、Yはメチル、
tert-ブチル、又はC1−C4アルコキシであり、 −Zは水素又はメチルであり、 −m=0又は[m=1でX=O]、 −pは1である を示す、ランダム誘導体又は良く定義された(well-def
ined)ブロック誘導体が好ましい。本発明に特に適した
化合物のファミリーは、下記一般式(5):
【0024】
【化13】
【0025】(式中、0≦r≦15、好ましくは0≦r
≦10、1≦s≦5、好ましくは1≦s≦3であり、D
は2価の基:
【0026】
【化14】
【0027】又は
【化15】 である)により定義されるものである。
【0028】本発明の特に好ましい実施態様において、
前記ベンゾトリアゾールシリコーンが、一般式(6):
【0029】
【化16】
【0030】に相当する。これらのベンゾトリアゾール
シリコーンと、その調製方法は、特に出願FR−A−2
642968が開示されている。それらは、280nm
乃至360nmの広い範囲の波長で、良好な遮蔽特性を
示し、その脂肪物質中への容易な溶解性のために、良好
な化粧品特性を示す。
【0031】本発明のレチノイドは、レチノール、レチ
ナール又はレチニルエステル、C2−C20の酸とレチノ
ールとのエステル、例えばプロピオン酸レチニル、酢酸
レチニル、又はパルミチン酸レチニルとすることができ
る。
【0032】本発明の好ましい態様によれば、レチノイ
ドはレチノールである。この用語は、レチノールの全て
の異性体、すなわちオールトランスレチノール、13−
シス−レチノール、11−シス−レチノール、9−シス
−レチノール及び3,4−ジヒドロレチノールを意味す
るものと理解される。好ましくは、オールトランスレチ
ノールが用いられる。
【0033】本発明の組成物は、好ましくは化粧品又は
皮膚科のための使用、有利には化粧品のための使用が意
図される。皮膚への局所適用が意図され、したがって一
般的に生理的に許容される媒体、すなわち皮膚に適合す
る媒体を含む。
【0034】本発明の組成物は、一般的に、所望の効果
を生み出すために効果的な量のレチノイドを含み、たと
えば、組成物の全重量に対して、0.01乃至0.2重
量%であり、好ましくは0.01乃至0.15重量%の
レチノイドを含む。さらにそれは、それに所望のサンプ
ロテクションファクターを与えるために十分な量のベン
ゾトリアゾールシリコーンを含み、組成物の全重量に対
して0.5乃至15重量%の、好ましくは0.7乃至5
重量%のベンゾトリアゾールシリコーンを含む。
【0035】UV放射に対するよりよい保護のために、
本発明の組成物は、上記ベンゾトリアゾールシリコーン
に加えて、UVA放射を遮蔽することができる少なくと
も一の他の化合物及び/又はUVB放射を遮蔽すること
ができる少なくとも一の他の化合物及び/又は少なくと
も一の任意に被覆された無機顔料を含むことができる。
【0036】UVA放射を遮蔽することができる他の化
合物としては、 (1)ベンゾフェノン誘導体、例えば: −2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノ
ン−1); −2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン(ベンゾフェノン−2); −2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベン
ゾフェノン−3)、商品名UVINUL M40でBA
SFより市販されているもの; −2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−
スルホン酸(ベンゾフェノン−4)及びそのスルホネー
ト形態のもの(ベンゾフェノン−5)、商品名UVIN
UL MS40でBASFより市販されているもの; −2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベン
ゾフェノン(ベンゾフェノン−6); −5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾ
フェノン−7); −2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン(ベンゾフェノン−8); −2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベン
ゾフェノン−5,5’−ジスルホン二酸の二ナトリウム
塩(ベンゾフェノン−9); −2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾ
フェノン(ベンゾフェノン−10); −ベンゾフェノン−11; −2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)ベンゾフェ
ノン(ベンゾフェノン−12)、(ベンゾフェノン−3
とベンゾフェノン−5が好ましい);
【0037】(2)トリアジン誘導体、特に2,4−ビ
ス[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキ
シフェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,
3,5−トリアジン、商品名Tinosorb Sの名でCiba-Gei
gyより市販されているもの、及び2,2’−メチレンビ
ス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノー
ル]、商品名Tinosorb Mの名でCiba-Geigyより市販され
ているもの;
【0038】(3)下記式(I)のUV−A領域で活性
な遮蔽剤:
【0039】
【化17】
【0040】(式中、 −R7とR9は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、O
H基、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状の
1−C10アルキル基、飽和若しくは不飽和の、直鎖状
若しくは分枝状のC1−C10アルコキシ基又はHSO3
を表し; −R10は水素又はHSO3を表し; −R8は水素;又はOR11基(式中、R11は、飽和若し
くは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC1−C10アル
キル基を表す);又は下記の構造を有する基:
【0041】
【化18】
【0042】(式中、R12は水素又はHSO3を示
す);又は下記の構造を有する基:
【0043】
【化19】
【0044】;又は下記の構造を有する基:
【0045】
【化20】
【0046】(式中、 −Zは酸素原子又は−NH−基; −R13,R14,R15,及びR16は、同一又は異なって、
水素、ハロゲン、OH基、飽和若しくは不飽和の、直鎖
状若しくは分枝状のC1−C10アルキル基、飽和若しく
は不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC1−C10アルコ
キシ基、又はHSO3基、特に、ベンゼン−1,4−ジ
(3−メチリデンカンフル−10−スルホン酸)又はそ
のアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムと
の塩又はその有機塩基との一の塩、以下の式:
【0047】
【化21】
【0048】(式中、Dは水素原子、アルカリ金属、N
H(R253 +基、(式中R25基は、同一又は異なってい
ても良く、水素原子又はC1−C4アルキル又はヒドロキ
シアルキル基、またはMn+/n基、Mn+は多価金属カチ
オンでnは2又は3又は4であり、Mn+は好ましくは、
Ca2+、Zn2+、Mg2+、Ba2+、Al3+及びZr4+
ら選ばれる金属カチオンである))に相当するもの
【0049】(4)それらの混合物が挙げられる。
【0050】UVB放射を遮蔽できる前記他の化合物と
しては: (1)サリチル酸誘導体、特にサリチル酸ホモメンチル
及びサリチル酸オクチル; (2)ケイ皮酸誘導体、特に2−エチルヘキシルp−メ
トキシケイ皮酸、商品名Parsol MCXの名でGivaudanから
市販されているもの; (3)液体ββ’−ジフェニルアクリレート誘導体、特
に2−エチルヘキシルα−シアノ−ββ’−ジフェニル
アクリレート又はオクトクリレン、商品名UvinulN539の
名でBASFから市販されているもの; (4)p−アミノ安息香酸誘導体; (5)4−メチルベンジリデンカンフル、商品名Eusole
x 6300の名でMerckから市販されているもの; (6)2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン
酸、Merckにより商品名"Eusolex"の名で市販されている
もの; (7)1,3,5−トリアジン誘導体、特に: −2,4,6−トリス[p−(2’−エチルヘキシル−
1’−オキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−ト
リアジン、商品名Uvinul T150でBASFより市販されてい
るもの、及び、 −以下の式:
【0051】
【化22】
【0052】(式中、R’は2−エチルヘキシル基を表
し、Rはtert-ブチル基を表す)に相当する化合物、商
品名Uvasorb HEBの名でSigma 3Vより市販されているも
の; (8)それらの混合物を挙げることができる。
【0053】本発明の組成物に用いることができる任意
に被覆された無機顔料は、特に被覆され、又は被覆され
ていない酸化金属ナノ顔料(一次粒子の平均サイズ:一
般的に5nm乃至100nm、好ましくは10nm乃至
50nm)であり、例えば、酸化チタン(非晶形又はル
チル形及び/又はアナタース形結晶のもの)、酸化鉄、
酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔
料であり、それらはすべてUV光保護剤としてそれ自体
知られている。従来の被覆剤は、さらにアルミナ及び/
又はステアリン酸アルミニウムである。そのような被覆
された又は被覆されていない酸化金属ナノ顔料は、特に
特許出願EP−A−0518772及びEP−A−05
18773に開示されている。
【0054】本発明の組成物は、通常化粧品及び皮膚科
分野で用いられるいかなる製薬投与形態においても提供
することができ、特に任意にゲル化された水溶液の形態
で、任意に二相を有する、ローションタイプの分散液の
形態で、水性相中への脂肪相の分散により(O/W)又
はその逆により(W/O)得られるエマルションの形態
で、三重エマルションの形態で(W/O/W又はO/W
/O)、又はイオン及び/又は非イオン型のビシクル分
散の形態で提供することができる。これらの組成物は従
来の方法により調製される。好ましくは本発明の組成物
は、水中油型エマルションの形態である。
【0055】この組成物は、ほぼ流体であり、白い又は
色のついたクリーム、軟膏、乳液、ローション、漿液、
ペースト、又はフォームの外観を有する。エアロゾル形
態で皮膚に適用することもできる。固形の形態で提供す
ることもでき、特に唇のためのスティック形態で提供す
ることもできる。皮膚のためのケア製品として、及び/
又はメイクアップ製品として用いることもできる。
【0056】周知のごとく、本発明の組成物は、化粧品
の分野で従来用いられているアジュバント、例えば親水
性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性活性成分、防
腐剤、抗酸化剤、溶媒、香料、フィラー、顔料、臭吸収
剤及び着色物質も含むことができる。これらの種々のア
ジュバントの量は、考慮される分野で従来より用いられ
ている量であり、組成物の全重量に対して例えば0.0
1乃至20重量%である。これらのアジュバントは、そ
れらの性質に応じて、脂肪相へ、水性相へ又は脂質ビシ
クルへ導入されることができる。いかなる場合も、これ
らのアジュバント、及びそれらの割合は、本発明の組み
合わせの所望の効果を害することがないように選択され
るであろう。
【0057】本発明の組成物がエマルションのとき、脂
肪相の割合は、組成物の全重量に対して5乃至80重量
%の範囲、好ましくは5乃至50重量%の範囲とするこ
とができる。エマルション形態の組成物で用いられる
油、乳化剤及び共乳化剤は、考慮される分野で従来より
用いられているものから選ばれる。乳化剤と共乳化剤
は、組成物の全重量に対して、0.3乃至30重量%、
好ましくは0.5乃至20重量%の範囲の割合で組成物
に存在する。
【0058】本発明で用いることができる油としては、
鉱物油(液体ワセリン)、植物由来の油(アボガド油、
大豆油)、動物由来の油(ラノリン)、合成油(パーヒ
ドロスクアレン)、シリコーン油(シクロメチコン)及
びフッ化油(パーフルオロポリエーテル)を挙げること
ができる。脂肪物質としては、脂肪アルコール(セチル
アルコール)、脂肪酸又はワックス(カルナウバワック
ス、オゾケライト)を使用することもできる。
【0059】本発明に用いることができる乳化剤及び共
乳化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、例えばPEG−100ステアレート、及び
グリセロール脂肪酸エステル、例えばステアリン酸グリ
セリルを挙げることができる。
【0060】親水性ゲル化剤としては、特に、カルボキ
シビニルポリマー(カーボマー)、アクリル酸コポリマ
ー、例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリ
マー、ポリアクリルアミド、多糖、天然ゴム及び粘土を
挙げることができる。親油性ゲル化剤としては、変性粘
土、例えばベントン、脂肪酸の金属塩、疎水性シリカ及
びポリエチレンを挙げることができる。
【0061】本発明は、また、特に、内在性の、又は光
誘導の皮膚老化の徴候を防止する、又は処理するため
の、上記の組成物の化粧品としての使用にも関する。
【0062】本発明は、また、UV放射による皮膚損傷
を防止する、又は処理することを意図した調製物を製造
するための、上記の組成物の化粧品としての使用にも関
する。
【0063】本発明は、以下の実施例により、より理解
され、その有利な点がより明らかになるであろう。実施
例は例示のために記載されており、これにより制限され
るものではない。
【0064】
【実施例】 実施例1:化粧品組成物 相A ステアリン酸グリセリル及びPEG−100ステアレート 2.1% ポリソルベート60 0.9% セチルアルコール 2.6% 水素添加ポリイソブテン 12% ヘキシルデカノール 8% BHT 0.1% 防腐剤 0.15% 式(6)のベンゾトリアゾールシリコーン 3%
【0065】 相B 水 100%となる量 グリセリン 3% 防腐剤 0.55% エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸の五ナトリウム塩 0.07%
【0066】 相C キサンタンガム 0.1% カーボマー 0.4%
【0067】 相D 水 5% トリエタノールアミン 0.38%
【0068】 相E レチノール 0.1%
【0069】上記組成物を以下の方法で調製した。相A
と相Bを、75℃で攪拌しながら別々に加熱し、完全に
溶解させた。別に相Dを周囲温度で攪拌しながら調製し
た。続いて、5〜10分間75℃で攪拌しながら相Aを
相Bへ注ぎ、ついで合わせた混合物を50℃まで冷却し
た。相Cの成分を続いて、相Aと相Bの混合物に、50
℃で攪拌しながら導入し、完全に均一化した後、続いて
相Dを攪拌しながら添加した。混合物を周囲温度に冷却
した。窒素で不活性にした後、相Eを攪拌しながら容器
に導入した。
【0070】この組成物は、しわを防止し、対処するた
めの、及び肌色をよくするためのデイクリームとして毎
日用いることができる。
【0071】実施例2:レチノールの安定化を示すこと レチノールの安定化は、以下の3つの組成物A乃至Cで
評価した: 組成物A:ベンゾトリアゾールシリコーンを含まない実
施例1の組成物 組成物B:実施例1の組成物 組成物C:ベンゾトリアゾールシリコーンの代わりに、
相A中に3%の4−tert-ブチル−4’−メトキシジベ
ンゾイルメタン(Givaudanにより商品名Parsol 1789の
名で市販されているもの)を含む、実施例1の組成物
【0072】組成物A乃至Cに各々存在するレチノール
の重量を、最初に、これらの組成物の調製の直後に周囲
温度で(To)、次に、2ヶ月間45℃の保存の後に
(T2m)、測定した。
【0073】これらの測定は、高圧液体クロマトグラフ
ィーにより、標準として、レチノールの10%油性溶液
の形態でBASFによりRetinol 10Sの試料から調製した、
THF中のレチノールの16μg/ml溶液を用いて行
なった。得られた結果は以下の通りである。
【0074】
【表1】
【0075】用いた定量的測定の方法の精度を考慮すれ
ば、それから、UVA遮蔽剤としてベンゾトリアゾール
シリコーンを含む組成物Bが、UV遮蔽剤を含まない組
成物Aと同様に安定であり、かつ、他のUVA遮蔽剤を
含む組成物Cよりも著しく安定であることを推定するこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 J C08G 77/26 C08G 77/26 Fターム(参考) 4C083 AB211 AB221 AB231 AB241 AC072 AC122 AC211 AC311 AC341 AC392 AC471 AC472 AC542 AC551 AC791 AC851 AC892 AD022 AD042 AD151 AD152 AD352 AD531 AD621 AD622 BB23 BB25 BB46 CC02 CC19 EE17 4J035 BA02 CA082 CA221 LA03 LB14

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理的に許容される媒体中に、少なく
    とも一のレチノイドと、少なくとも一のベンゾトリアゾ
    ールシリコーンを含む組成物であって、 該ベンゾトリアゾールシリコーンは、以下の式: 【化1】 又は 【化2】 [式(1)及び(2)において、 −Rは、同一又は異なって、C1−C10アルキル、フェ
    ニル、3,3,3−トリフルオロプロピル基から選ばれ
    るが、R基の数の少なくとも80%がメチルであり、 −rは0乃至50の整数であり、sは1乃至20の整数
    であり、 −uは1乃至6の整数であり、tは0乃至10の整数で
    あり、t+uは3以上であり、 −記号Aは、以下の式(3): 【化3】 (式(3)中、 −Yは同一又は異なって、C1−C8アルキル基、ハロゲ
    ン及びC1−C4アルコキシ基であるが、C1−C4アルコ
    キシ基の場合、同じ芳香族核の2つの隣接Y基は、一緒
    になって、アルキリデン基が1乃至2の炭素原子を含む
    アルキリデンジオキシ基を形成することができ、 −XはO又はNHを表し、 −Zは水素又はC1−C4アルキル基を表し、 −nは0乃至3の整数であり、 −mは0又は1であり、 −pは1乃至10の整数を表す) に相当する、ケイ素原子に直接結合された一価の基を表
    す]の一に相当するベンゾトリアゾールから選ばれるも
    のである組成物。
  2. 【請求項2】 ベンゾトリアゾールシリコーンが、少
    なくとも1の以下の性質: −Rはアルキル、好ましくはメチル、 −rは0乃至15であり;sは1乃至5であり、 −nはゼロでなく、好ましくは1であり、そしてYはメ
    チル、tert-ブチル、又はC1−C4アルコキシから選ば
    れ、 −Zは水素又はメチルであり、 −m=0又は[m=1かつX=O]、 −pは1である を示す一般式(1)の化合物から選ばれることを特徴と
    する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記ベンゾトリアゾールシリコーン
    が、一般式(5): 【化4】 (式中、0≦r≦15、1≦s≦5であり、Dは2価の
    基: 【化5】 又は 【化6】 である)の化合物から選ばれることを特徴とする、請求
    項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記ベンゾトリアゾールシリコーン
    が、一般式(6): 【化7】 に相当することを特徴とする、請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記レチノイドがレチノール、レチナ
    ール及びレチニルエステルから選ばれることを特徴とす
    る、請求項1乃至4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記レチニルエステルが、C2−C20
    酸とレチノールとのエステル、例えばプロピオン酸レチ
    ニル、酢酸レチニル、又はパルミチン酸レチニルから選
    ばれることを特徴とする、請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記レチノイドがレチノールであるこ
    とを特徴とする、請求項5記載の組成物。
  8. 【請求項8】 組成物の全重量に対して、0.01乃
    至0.15重量%のレチノイドを含むことを特徴とす
    る、請求項1乃至7のいずれか1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】 組成物の全重量に対して、0.7乃至
    5重量%のベンゾトリアゾールシリコーンを含むことを
    特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 水中油型エマルションの形態である
    ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項記載
    の組成物。
  11. 【請求項11】 UVA放射を遮蔽できる少なくとも
    一の他の化合物及び/又はUVB放射を遮蔽できる少な
    くとも一の他の化合物及び/又は少なくとも一の任意に
    被覆された無機顔料を、付加的に含むことを特徴とす
    る、請求項1乃至10のいずれか1項記載の組成物。
  12. 【請求項12】 UVA放射を遮蔽できる前記他の化
    合物が: (1)ベンゾフェノン誘導体、(2)トリアジン誘導体
    及び(3)ベンゼン−1,4−ジ(3−メチリデン−1
    0−カンフルスルホン酸)、又はそのアルカリ金属、ア
    ルカリ土類金属若しくはアンモニウムとの塩のうちの
    一、又はその有機塩との塩のうちの一、(4)それらの
    混合物 から選ばれることを特徴とする、請求項11記載の組成
    物。
  13. 【請求項13】 UVA放射を遮蔽できる前記他の化
    合物が: (1) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
    (ベンゾフェノン−3)及び2−ヒドロキシ−4−メト
    キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、(2) 2,4
    −ビス[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒド
    ロキシフェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−
    1,3,5−トリアジン及び2,2'−メチレン−ビス
    [6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
    (1,1,3,3−テトラメチル−ブチル)フェノー
    ル]及び(3) ベンゼン−1,4−ジ(3−メチリデ
    ン−10−カンフルスルホン酸)又はそのアルカリ金
    属、アルカリ土類金属若しくはアンモニウムとの塩のう
    ちの一、又はその有機塩との塩のうちの一、から選ばれ
    ることを特徴とする、請求項11又は12記載の組成
    物。
  14. 【請求項14】 UVB放射を遮蔽できる前記他の化
    合物が: (1)サリチル酸誘導体、(2)ケイ皮酸誘導体、
    (3)液体ββ’−ジフェニルアクリレート誘導体
    (4)p−アミノ安息香酸誘導体;(5)4−メチルベ
    ンジリデンカンフル;(6)2−フェニルベンズイミダ
    ゾール−5−スルホン酸;(7)1,3,5−トリアジ
    ン誘導体、(8)それらの混合物 から選ばれることを特徴とする、請求項11乃至13の
    いずれか1項記載の組成物。
  15. 【請求項15】 UVB放射を遮蔽できる前記他の化
    合物が: (1)サリチル酸ホモメンチル及びサリチル酸オクチ
    ル、(2)p−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、
    (3)2−エチルヘキシルα−シアノ−β、β’−ジフ
    ェニルアクリレート、又はオクトクリレン、(4)4−
    メチルベンジリデンカンフル、(5)2−フェニルベン
    ズイミダゾール−5−スルホン酸、(6)2,4,6−
    トリス[p−(2’−エチルヘキシル−1’−オキシカ
    ルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン及び、
    以下の式: 【化8】 (式中、R’は2−エチルヘキシル基を表し、Rはtert
    -ブチル基を表す)に相当する化合物、から選ばれるこ
    とを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか1項記
    載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記無機顔料が、酸化チタン、酸化
    鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、又は酸化セリウムの
    ナノ顔料、任意にアルミナ及び/又はステアリン酸アル
    ミニウムで被覆されたものから選ばれることを特徴とす
    る、請求項11記載の組成物。
  17. 【請求項17】 内在性の、又は光誘導の皮膚老化の
    徴候を防止する、又は処理するための、請求項1乃至1
    6のいずれか1項記載の組成物の化粧品としての使用。
  18. 【請求項18】 UV放射による皮膚損傷を防止す
    る、又は処理することを意図した調製物を製造するため
    の、請求項1乃至16のいずれか1項記載の組成物の化
    粧品としての使用。
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