JP2002178476A - 積層二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

積層二軸配向ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JP2002178476A
JP2002178476A JP2000383305A JP2000383305A JP2002178476A JP 2002178476 A JP2002178476 A JP 2002178476A JP 2000383305 A JP2000383305 A JP 2000383305A JP 2000383305 A JP2000383305 A JP 2000383305A JP 2002178476 A JP2002178476 A JP 2002178476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
particles
weight
particle size
polyester film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000383305A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4323086B2 (ja
Inventor
Ieyasu Kobayashi
家康 小林
Shinji Muro
伸次 室
Hirobumi Murooka
博文 室岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2000383305A priority Critical patent/JP4323086B2/ja
Publication of JP2002178476A publication Critical patent/JP2002178476A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4323086B2 publication Critical patent/JP4323086B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦面を高度に平坦化しても巻き取り性や加
工性に優れ、磁気記録媒体、特にメタル塗布型の高記録
密度磁気記録媒体としたときに優れた電磁変換特性を発
現する積層二軸配向ポリエステルフィルムの提供。 【解決手段】 ポリエステルA層の片面に、炭素数が8
個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールか
らなる(部分ケン化)エステルワックスを含有するポリ
エステルB層を積層した積層2軸配向ポリエステルフィ
ルムに、B層露出面の表面粗さ(WRaA)が4nmを
超え10nm以下、B層の露出面の表面粗さ(WRa
B)が5〜20nmおよび10点平均粗さ(WRzB)
が100〜300nm、B層のエステルワックス含有量
が0.001〜1重量%並びに縦方向のヤング率(EM
D)が4GPa以上、横方向のヤング率(ETD)が6
GPa以上およびETDがEMD以上であることを具備
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層二軸配向ポリエ
ステルフィルムに関する。さらに詳しくは、耐ブロッキ
ング性、巻き取り性、加工適性にすぐれ、特にヘリカル
記録方式のメタル塗布型磁気記録媒体としたときに高記
録密度を実現でき、電磁変換特性に優れる積層二軸配向
ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフィルムに
代表される二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れ
た物理的、化学的特性の故に広い用途に、特に磁気記録
媒体のベースフィルムとして用いられている。
【0003】近年、磁気記録媒体においては、高密度化
や高容量化が進められており、それに伴ってベースフィ
ルムのさらなる表面平坦化や厚みの薄膜化が要望されて
いる。特に最近、蒸着型磁気テープに匹敵する性能を有
する重層メタル方式の磁気テープが開発され、ベースフ
ィルムに対する表面平坦化の要求はより一層高まってき
ている。
【0004】しかしながら、優れた電磁変換特性を維持
するためにフィルム表面を平坦化すると、フィルムの滑
り性またはエアースクイズ性が悪くなり、ロール状に巻
き上げる場合にシワやブツが入りやすくなり、良好に巻
き上げることが非常に難しくなる。また、フィルム加工
工程においても滑り性が悪いと、接触する金属ロールと
の摩擦が増加し、フィルムにシワが入って磁性層の円滑
な塗布を妨げたり、またカレンダー処理が円滑にできな
いなどの問題が生じる。
【0005】一般に、ポリエステルフィルムの滑り性改
良には、(1)原料ポリマー中に、製造過程で触媒残渣
による不活性粒子を析出させる方法、(2)不活性粒子
を添加する方法等によってフィルム表面に微細凹凸を付
与する方法が採用されている。フィルム中のこれら粒子
は、その大きさが大きい程またはその含有量が多い程、
滑り性の改良が大きいのが一般的である。
【0006】一方、前述のように、電磁変換特性向上の
点よりベースフィルムの表面はできるだけ平坦であるこ
とが求められている。ベースフィルムの表面が粗いと、
磁気記録媒体に加工する場合、該フイルムの表面突起が
磁性層塗布後も磁性層面に突き上げ、電磁変換特性を悪
化させる。この場合、ベースフィルム中の粒子の大きさ
が大きい程、また、その含有量が多い程、フィルム表面
が粗くなり、電磁変換特性は悪化する。
【0007】この滑り性の改良と電磁変換特性の向上と
いう相反する特性を両立させる手段として、両面の表面
粗さの異なる積層フィルムにすることによって、磁性層
を塗布する面は平坦にして電磁変換特性を改善し、反対
面は粗面化して滑り性を向上させる手段が広く知られて
いる。
【0008】しかしながら、上記のような積層二軸配向
ポリエステルフィルムを用い、磁性層を塗布する面の反
対面(以下、粗面と称する)を粗化した場合でも、該フ
ィルムの厚みが薄いとき、粗面側層に含有させる滑剤の
種類、粒径あるいは添加量によっては、磁性層を塗布す
る面(平坦面)にまで影響をおよぼし、平坦な面にうね
り等を生じさせ、その平坦性を悪くするという問題を生
じる。特に、最近の高密度磁気記録媒体では磁性層の更
なる平坦化が求められ、線厚の高いメタルカレンダーが
使用されるようになり、粗面側層中の滑剤による平坦面
への突き上げが及ぼす表面性への悪影響が大きくなって
きている。
【0009】このような粗面側からの平坦面の突き上げ
突起を少なくするために、粗面側に含有させる滑剤の粒
径を小さくする方法、あるいは粒径の大きいものを少し
含有させる方法が提案されている。しかし、前者の場合
には粗面側表面に形成される突起の高さが低いが故に、
十分なエアースクイズ性が得られず、また後者の場合に
は該表面に形成される突起頻度が少ないが故に十分なフ
ィルムの滑り性が得られない。更にフィルムをロール状
に巻いたとき、前者の場合は縦シワが入り、また後者の
場合はブツが発生し、十分な製品歩留りが得られない、
という問題が生じている。
【0010】また一方、電磁変換特性向上のための、磁
性層面側のフィルム表面の更なる平坦化の点から、実質
的に滑剤を含まない平坦層も提案されているが、この場
合テープ加工時の平坦面側の搬送性が不良となり、その
工程でシワが入って製品歩留りが大きく低下するという
新たな問題が生じている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術の欠点を解消し、平坦面を平坦化しつつ、巻
き取り性や加工性に優れ、磁気記録媒体、特にメタル塗
布型の高記録密度磁気記録媒体としたときに優れた電磁
変換特性を発現する積層二軸配向ポリエステルフィルム
およびそれを用いた磁気記録媒体を提供することにあ
る。
【0012】また、本発明の他の課題は、平坦面だけで
なく粗面も平坦化させるという新規な要求に対応しつ
つ、巻き取り性や加工性に優れ、磁気記録媒体、特にメ
タル塗布型の高記録密度磁気記録媒体としたときに優れ
た電磁変換特性を発現する積層二軸配向ポリエステルフ
ィルムおよびそれを用いた磁気記録媒体を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の課
題を解決しようと鋭意研究した結果、2つのポリエステ
ル層(A層およびB層)からなる積層フィルムを用い、
A層とB層のそれぞれの表面粗さを特定範囲に規定し、
且つ、B層(非磁性面)に特定のエステルワックスを含
有させることにより、目的が達成できることを見出し、
本発明に到達した。
【0014】かくして本発明によれば、ポリエステルA
層の片面に、炭素数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸
および多価アルコールからなる(部分ケン化)エステル
ワックスを含有するポリエステルB層を積層した積層フ
ィルムであって、以下の(1)〜(5) (1)B層と隣接していない側のA層表面は、表面粗さ
(WRaA)が4nmを超え10nm以下の範囲にある
こと; (2)A層と隣接していない側のB層表面は、表面粗さ
(WRaB)が5〜20nmの範囲にあること; (3)A層と隣接していない側のB層表面は、10点平
均粗さ(WRzB)が100〜300nmの範囲にある
こと; (4)B層は、エステルワックス含有量が0.001〜
1重量%の範囲にあること;および (5)積層フィルムは、縦方向のヤング率(EMD)が
4GPa以上、横方向のヤング率(ETD)が6GPa
以上およびETDがEMD以上であることを満足するこ
とを特徴とする積層二軸配向ポリエステルフィルムが提
供される。
【0015】また、本発明によれば、上述の積層二軸配
向ポリエステルフィルムの好ましい態様として、B層が
平均粒径0.05〜1.0μmの不活性粒子PBを、B
層の重量を基準として、0.001〜1重量%含有する
積層二軸配向ポリエステルフィルム、B層が平均粒径の
異なる2種の不活性粒子PB1およびPB2を、B層の重量
を基準として、それぞれ0.001〜0.5重量%およ
び0.01〜1重量%含有しており、PB1が平均粒径
(DPB1)0.2〜1.0μmで且つ粒径分布の相対標
準偏差0.5以下であり、PB2が平均粒径(DPB2
0.05〜0.5μmであり、そして、DPB1からDP
B2を差し引いた平均粒径の差(DPB1−DP B2)が0.
1〜0.6μmで、より好ましくはPB1が耐熱性高分子
粒子で、PB2が耐熱性高分子粒子あるいは不活性無機粒
子である積層二軸配向ポリエステルフィルム、または、
B層が平均粒径の異なる不活性粒子PB1、PB2およびP
B3を、B層の重量を基準として、それぞれ0.001〜
0.1重量%、0.01〜0.5量%および0.01〜
1.0量%含有し、PB1が平均粒径(DPB1)が0.4
〜1.0μmで且つ粒径分布の相対標準偏差0.5以下
で、PB2が平均粒径(DPB2)0.2〜0.5μmで且
つ粒径分布の相対標準偏差0.5以下で、PB3が平均粒
径(DPB3)0.05〜0.3μmで、DPB1からDP
B2を差し引いた平均粒径の差(DPB1−DPB2)が0.
1〜0.5m、そして、DPB2からDPB3を差し引いた
平均粒径の差(DPB2−DPB3)が0.1〜0.4μm
の範囲で、より好ましくはPB1およびPB2が耐熱性高分
子粒子で、PB3が耐熱性高分子粒子または不活性無機粒
子である積層二軸配向ポリエステルフィルムも提供され
る。
【0016】さらにまた、本発明によれば、上述の積層
二軸配向ポリエステルフィルムの好ましい態様として、
A層が、平均粒径0.05〜0.5μmの不活性粒子P
Aを、A層の重量を基準として、0.001〜0.5重
量%含有する積層二軸配向ポリエステルフィルム、また
は、A層が平均粒径の異なる不活性粒子PA1およびP A2
を、A層の重量を基準として、それぞれ0.001〜
0.5重量%および0.01〜1重量%含有し、PA1
平均粒径(DPA1)0.2〜0.5μmで且つ粒径分布
の相対標準偏差0.5以下で、PA2が平均粒径(D
A2)が0.05〜0.3μmで、DPA1からDPA2
差し引いた平均粒径の差(DPA1−DPA2)が0.1〜
0.4μmの範囲で、より好ましくはPA1が耐熱性高分
子粒子で、PA2が耐熱性高分子粒子あるいは不活性無機
粒子である積層二軸配向ポリエステルフィルムも提供さ
れる。
【0017】さらにまた、本発明によれば、上述の積層
2軸配向ポリエステルフィルムの好ましい態様として、
A層に隣接していないB層の表面の水の接触角が68〜
90°の範囲にある、B層に隣接していないA層の表面
に易接着層および/または易滑層を積層している、また
は、ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレー
トもしくはポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムである積層二軸配向ポリエステルフィルムも提供さ
れ、これらの積層2軸配向ポリエステルフィルムは塗布
型磁気記録媒体用やヘリカル記録方式のディジタル記録
型磁気記録媒体用として好適に使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の積層2軸配向ポリエステ
ルフィルムは、ポリエステル層Aの片面に、ポリエステ
ル層Bを積層したものであり、ポリエステル層Bは炭素
数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコ
ールからなる(部分ケン化)エステルワックスを0.0
01〜1重量%含有したものである。また、本発明の積
層2軸配向ポリエステルフィルムは、B層と隣接してい
ないA層はその表面粗さ(WRaA)が4nmを超え1
0nm以下の範囲にあり、A層と隣接していないB層の
表面は、その表面粗さ(WRaB)が5〜20nmおよ
び10点平均粗さ(WRzB)が100〜300nmの
範囲にあるといった表面特性を満足すること、ならび
に、フィルムの製膜方向(縦方向)のヤング率(EM
D)およびフィルムの製膜方向および厚み方向に直交す
る方向(横方向)のヤング率(ETD)がそれぞれ4G
Pa以上および6GPa以上で、且つ、横方向のヤング
率(ETD)が縦方向のヤング率(EMD)と等しいか
それよりも大きいといった力学特性も満足することが必
要である。以下、本発明の積層2軸配向ポリエステルフ
ィルムについて、詳述する。
【0019】<ポリエステル>本発明において、ポリエ
ステル層AおよびBを形成するポリエステル系樹脂は、
特に芳香族ポリエステルが好ましい。芳香族ポリエステ
ルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートなどを例示することができる。これらのう
ち、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。
【0020】これらポリエステルは、ホモポリエステル
であっても、コポリエステルであっても良い。コポリエ
ステルの場合、例えば、ポリエチレンテレフタレートま
たはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートの共重合成分としては、例えばジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、p−キシリレングリコールなどの他のジ
オール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸(ただし、ポリエチレン−2,
6−ナフタレンジカルボキシレートの場合)、2,6−
ナフタレンジカルボン酸(ただし、ポリエチレンテレフ
タレートの場合)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
などの他のジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息
香酸などのオキシカルボン酸成分などが挙げられる。こ
れら共重合成分の量は、20モル%以下、さらには10
モル%以下であることが好ましい。また、ポリエチレン
テレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレートを主たる成分とするコポリエステ
ルは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3官能以
上の多官能化合物を、共重合させることも出来る。この
場合、ポリマーが実質的に線状である量、例えば2モル
%以下で、共重合させるのが良い。なお、ポリエチレン
テレフタレートおよびポリエチレン−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレート以外のポリエステルの場合、その
共重合成分は上記のポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
を主たる成分とするコポリエステルと同様に考えてよ
い。
【0021】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができ、O
−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定した固
有粘度が0.4〜0.9の範囲にあるものが好ましく、
さらに0.5〜0.7の範囲、特に0.55〜0.65
の範囲にあるものが好ましい。
【0022】<エステルワックス>本発明の積層二軸配
向ポリエステルフィルムのポリエステルB層は、炭素数
が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコー
ルからなる(部分ケン化)エステルワックスを0.00
1〜1重量%含有する。
【0023】まず、エステルワックスを構成する脂肪族
モノカルボン酸の炭素数は、8個以上であることが必要
であり、その上限は高々34個であることが好ましい。
この炭素数が8個未満であると、得られたエステルワッ
クスの耐熱性が不十分で、ポリエステルB層に分散させ
る際の加熱条件で、脂肪族モノカルボン酸が容易に分解
されてしまうため不適切である。好ましい脂肪族モノカ
ルボン酸としては、例えばペラルゴン酸、カプリン酸、
ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、
ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ペヘン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン
酸、ヘントリアコンタン酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、エルカ酸、リノール酸およびこれらを含む酸の混合
物などが挙げられる。
【0024】次に、(部分ケン化)エステルワックスを
構成するアルコール成分は、水酸基を2個以上有する多
価アルコールであり、耐熱性の観点から、水酸基を3個
以上有する多価アルコールであることが好ましい。この
アルコール成分として、モノアルコールを用いたので
は、生成した(部分ケン化)エステルワックスの耐熱性
が不足する。前記水酸基を2個有する多価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコールなどを好ましく例示するこ
とができる。また、水酸基を3個以上有する多価アルコ
ールとしては、グリセリン、エリスリット、トレイッ
ト、ペンタエリスリット、アラビット、キシリット、タ
リット、ソルビット、マンニットなどを好ましく例示す
ることができる。
【0025】そして、上記脂肪族モノカルボン酸および
多価アルコールから得られるエステルワックスとして
は、多価アルコールの水酸基の数にもよるが、モノエス
テル、ジエステル、トリエステルなどが挙げられ、耐熱
性の観点から、モノエステルよりもジエステルが、ジエ
ステルよりもトリエステルが好ましい。好ましいエステ
ルワックスとしては、具体的にはソルビタントリステア
レート、ペンタエリスリットトリペヘネート、ペンタエ
リスリトールジステアレート、グリセリントリステアレ
ート、グリセリントリパルミテートおよびポリオキシエ
チレンジステアレートなどを例示することができる。
【0026】上記脂肪族モノカルボン酸および多価アル
コールからなる部分ケン化エステルワックスは、炭素数
が8個以上の高級脂肪酸を多価アルコールで部分エステ
ル化したのち、2価以上の金属水酸化物でケン化するこ
とにより得られる。具体的には、モンタン酸ジオールエ
ステルを水酸化カルシウムでケン化した、ワックスE・
ワックスOP、ワックスO、ワックスOM、ワックスF
L(全て、ヘキスト(株)社製商品名)などが挙げられ
る。もちろん、これらの(部分ケン化)エステルワック
スは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0027】本発明において、ポリエステル層Bに含有
させる前記(部分ケン化)エステルワックスの量は、B
層の重量を基準として、0.001〜1重量%、好まし
くは0.01〜0.5重量%、さらに好ましくは0.0
5〜0.3重量%、特に好ましくは0.1〜0.2重量
%である。(部分ケン化)エステルワックスの含有量
が、0.001重量%未満であると、巻き取り性の改良
効果が得られない。一方、1重量%を超えると、加工工
程で滑りやすくなって、反ってハンドリング性が劣ると
いう問題や、B層の表面にブリードアウトによって多量
に発現したエステルワックスが、フィルム製造工程でロ
ール上に巻き上げたときに、B層の表面と接するA層の
表面に転写し、A層の表面にメタル塗布層などの磁性層
を設ける際に、A層の表面とメタル塗布層などとの接着
性を低下させたりするなどの問題がある。
【0028】<積層フィルム>本発明の積層2軸配向ポ
リエステルフィルムは、ポリエステル層Aの片面にポリ
エステル層Bが積層されたものである。そして、この積
層2軸配向ポリエステルフィルムを磁気記録媒体として
用いる場合、ポリエステル層Bと隣接していないポリエ
ステル層Aの表面は、磁気記録を行なうための磁性層が
設けられ、ポリエステル層Aと隣接していないポリエス
テル層Bの表面は主に磁気記録媒体の走行性を維持する
のに用いられ、その表面にバックコート層などが形成さ
れることもある。以下、説明の便宜上、ポリエステル層
Bと隣接していないポリエステル層Aの表面を平坦面、
ポリエステル層Aと隣接していないポリエステル層Bの
表面を走行面と称することがある。
【0029】また、本発明における積層二軸配向ポリエ
ステルフィルムは、全厚が好ましくは2〜10μm、よ
り好ましくは3〜7μm、特に好ましくは4〜6μmの
ものである。積層二軸配向ポリエステルフィルムのA層
とB層の厚み構成は、好ましくはB層の厚みが積層二軸
配向ポリエステルフィルムの全厚みの2/3以下、さら
に好ましくは1/2以下、特に好ましくは1/3以下で
ある。
【0030】<ポリエステル層A(A層)>本発明にお
けるポリエステル層Aのポリエステル層Bと隣接してい
ない側の表面(平坦面)は、その表面粗さ(WRaA)
が4nmを超え10nm以下であることが必要で、5〜
8nm、特に5〜7nmの範囲にあることが好ましい。
表面粗さ(WRaA)が4nm以下であると巻き取り性
や加工工程での搬送性が悪くなる。一方、10nmを超
えると電磁変換特性が低下する。平坦面の表面粗さ(W
RaA)を上記範囲にするには、ポリエステル層Aに不
滑性粒子PAを含有させることが好ましい。該不活性粒
子PAの平均粒径(DPA)は好ましくは0.05〜0.
5μm、より好ましく0.1〜0.4μm、更に好まし
くは0.1〜0.3μmである。また、かかる不活性粒
子PAの含有量は、A層の重量を基準として、好ましく
は0.001〜0.5重量%、より好ましくは0.01
〜0.4重量%、更に好ましくは0.05〜0.3重量
%である。
【0031】前記不活性粒子PAの平均粒径が0.05
μm未満、または含有量が0.001重量%未満では巻
き取り性や加工工程での搬送性が悪くなる場合がある。
一方、平均粒径が0.5μmを超えるか、または含有量
が0.5重量%を超えると、電磁変換特性を悪化させ易
い。
【0032】本発明における好ましい不活性粒子P
Aは、例えば(1)耐熱性ポリマー粒子(例えば、架橋
シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋アクリル樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、芳香族ポリアミ
ド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、架橋
ポリエステルなどの1種以上からなる粒子)、ならび
に、(2)金属酸化物(例えば、三二酸化アルミニウ
ム、二酸化チタン、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなど)、(3)
金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウムなど)、(4)金属の硫酸塩(例えば、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなど)、(5)炭素(例えば、カー
ボンブラック、グラファイト、ダイアモンドなど)およ
び(6)粘土鉱物(例えば、カオリン、クレー、ベント
ナイトなど)などの無機化合物からなる微粒子が挙げら
れる。これらのうち、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ポ
リスチレン樹脂粒子、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、三二酸化アルミニウ
ム(アルミナ)粒子、二酸化チタン粒子、二酸化ケイ素
粒子、酸化ジルコニウム粒子、合成炭酸カルシウム粒
子、硫酸バリウム粒子、ダイアモンド粒子、およびカオ
リン粒子が好ましい。さらにこれらの中でも、架橋シリ
コーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、三二酸化
アルミニウム(アルミナ)粒子、二酸化チタン粒子、二
酸化ケイ素粒子、および炭酸カルシウム粒子が好まし
い。なお、不活性粒子PAは、1種または2種以上のも
のを混合して使用してもよい。
【0033】不活性粒子PAが2種以上の粒子からな
り、それぞれの不活性粒子を平均粒径の大きなものか
ら、PA1、PA2、PA3、PA4、・・・とした場合、PA1
は前述の不活性粒子PAとして例示した粒子を好ましく
採用でき、PA1よりも平均粒径の小さいPA2またはPA3
といった第2、第3の粒子(微細粒子)として、例え
ば、コロイダルシリカ、α、γ、δ、θなどの結晶形態
を有するアルミナなどの微粒子も好ましく用いることが
できる。
【0034】不活性粒子PAが平均粒径の異なる少なく
とも2種の不活性粒子PA1およびPA 2を含有する場合、
不活性粒子PA1は、平均粒径が0.2〜0.5μmでそ
の粒径分布の相対標準偏差が0.5以下でA層の重量を
基準としてときの含有量が0.001〜0.5重量%の
範囲にあることが好ましく、不活性粒子PA1よりも平均
粒径の小さい不活性粒子PA2は、平均粒径が0.05〜
0.3μmでA層の重量を基準としたときの含有量が
0.01〜1.0重量%の範囲にあることが好ましく、
不活性粒子PA1の平均粒径(DPA1)からPA2の平均粒
径(DPA2)を差し引いた平均粒径の差(DPA1−DP
A2)が0.1〜0.4μmであることが好ましい。な
お、上記の2種の不活性粒子PA1およびPA2は、それら
の粒径分布曲線において、上記平均粒径の範囲内にそれ
ぞれ存在する明瞭に区別し得る2つの粒径のピークを示
すことで明瞭に区別される。
【0035】不活性粒子PA1の平均粒径が0.2μm未
満、またA層に対する添加量が0.001重量%未満で
あると、巻き取り性や加工工程での搬送性が悪くなりや
すい。他方、不活性粒子PA1の平均粒径が0.5μmを
超えたり、A層に対する不活性粒子PA1の添加量が0.
5重量%を超えると、電磁変換特性が低下しやすい。ま
た、不活性粒子PA2の平均粒径が0.05μm未満であ
るかA層に対する添加量が0.01重量%未満であると
巻き取り性や加工工程での搬送性が悪くなりやすい。他
方、不活性粒子PA2の平均粒径が0.3μmを超えるか
A層に対する添加量が1.0重量%を超えると電磁変換
特性が低下しやすい。さらにまた、不活性粒子PA1とP
A2の平均粒径の差(DPA1−DPA2)が0.1μm未満
であると、不活性粒子を2成分添加した効果が十分に発
揮されず、巻き取り性や加工工程での搬送性などの改善
効果が悪くなる。平均粒径の異なる2種の不活性粒子P
A1およびPA2は、それぞれ不活性粒子PA1が前記耐熱性
高分子であり、不活性粒子PA2が前記耐熱性高分子ある
いは前記不活性無機粒子であることが好ましい。
【0036】不活性粒子PA1の粒径の標準偏差は0.5
以下であることが好ましい。また、不活性粒子PA2が不
活性架橋高分子粒子やシリカ粒子などフィルム中に単分
散している粒子の場合、不活性粒子PA2も粒径の標準偏
差は0.5以下であることが好ましく、不活性粒子PA2
がアルミナ粒子などフィルム中に凝集状態で存在する粒
子の場合、2次粒径の平均粒径が0.05〜0.3μm
の範囲にあることが好ましい。上記の2種の不活性粒子
A1およびPA2がこのような標準偏差をもつことで、こ
れらの不活性粒子は粒径分布曲線において、それぞれの
平均粒径の範囲内に存在する2つの粒径ピークが明瞭に
区別し得るようになすことができる。
【0037】なお、本発明におけるポリエステル層A
は、磁性層との接着性を損なわない範囲であれば、ポリ
エステル層Bに添加する前記エステルワックスを含んで
いても良く、好ましいエステルワックスの添加量は、ポ
リエステル層Aの重量を基準として、高々1重量%であ
る。
【0038】<ポリエステル層B(B層)>本発明にお
けるポリエステル層Bは、ポリエステル層Aと隣接して
いないその表面(走行面)、すなわち、反磁性塗膜側で
あるB層表面の表面粗さ(WRaB)が5〜20nm、
好ましくは5〜15nm、特に好ましくは7〜12nm
である。表面粗さWRaBが5nm未満であると、エス
テルワックスを含有させても滑り性が不足し、巻き取り
性や加工工程でのハンドリング性が悪くなる。一方、2
0nmを超えるとカレンダー処理などによる突き上げ作
用で磁性面を粗くし、エラーが発生しやすくなる。
【0039】また、本発明におけるポリエステル層B
は、走行面の10点平均粗さWRzBが100〜300
nm、好ましくは150〜250nm、特に好ましくは
160〜230nmである。走行面の10点平均粗さW
RzBが100nm未満の場合、滑り性が不足し、巻き
取り性や加工工程でのハンドリング性が悪くなる。一
方、WRzBが300nmを超えるとカレンダー処理な
どによる突き上げ作用で磁性面を粗くし、エラーが発生
しやすくなる。
【0040】走行面の表面粗さ(WRaB)および10
点平均粗さ(WRzB)を上記範囲にするには、例え
ば、ポリエステル層Bに、平均粒径が0.05〜1.0
μmの不活性粒子PBを、B層の重量を基準として、
0.001〜1重量%含有させるのが好ましい。なお、
ポリエステル層Bに使用する不活性粒子PBは、前述の
ポリエステル層Bに使用する不活性粒子PAとして例示
したものが好適に使用できる。不活性粒子PBの平均粒
径が0.05μm未満であるか、添加量が0.001重
量%未満であると、滑り性が不足しやすく、巻き取り性
や加工工程でのハンドリング性が悪くなりやすい。他
方、不活性粒子PBの平均粒径が1.0μmを超えるか
添加量が1重量%を超えるとカレンダー処理などによる
突き上げ作用で磁性面を粗くしやすく、エラーが発生し
やすくなる。
【0041】ところで、不活性粒子PBは、1種に限ら
ず、2種以上のものを混合して使用してもよく、不活性
粒子の成分数が多いほど平坦易滑性が得やすいことか
ら、むしろ、1種よりは2種、2種よりは3種の平均粒
径が異なる不活性粒子を併用するのが好ましい。なお、
平均粒径が異なる不活性粒子を3種以上併用してもよい
が、その場合の平坦易滑性を向上させる効果は3種の平
均粒径が異なる不活性粒子を併用したものとさほど変わ
らない。なお、説明の便宜上、不活性粒子PBが2種以
上の粒子からなる場合、それぞれの不活性粒子を平均粒
径の大きなものから、PB1、PB2、PB3、PB4、・・・
と、以下称する。
【0042】本発明におけるB層の好ましい不活性粒子
の含有状態について、以下説明する。まず、不活性粒子
Bが平均粒径の異なる2種の不活性粒子PB1およびP
B2を含有する場合、不活性粒子PB1は平均粒径が0.2
〜1.0μmでその粒径分布の相対標準偏差が0.5以
下でその添加量が、B層の重量を基準として、0.00
1〜0.5重量%の範囲にあるものが好ましく、不活性
粒子PB2は平均粒径が0.05〜0.5μmでその添加
量が、B層の重量を基準として、0.01〜1.重量%
の範囲にあるものが好ましく、不活性粒子PB1の平均粒
径(DPB1)からPB2の平均粒径(DPB2)を差し引い
た平均粒径の差(DPB1−DPB2)が0.1〜0.6μ
mの範囲であるのが好ましい。また、平均粒径の異なる
2種の不活性粒子PB1およびPB2は、それぞれ不活性粒
子PB1が耐熱性高分子粒子、PB2が耐熱性高分子粒子あ
るいは不活性無機粒子であることが好ましい。
【0043】上記の2種の不活性粒子PB1およびP
B2は、それらの粒径分布曲線において、上記平均粒径の
範囲内にそれぞれ存在する明瞭に区別し得る2つの粒径
のピークを示すことで明瞭に区別される。ここで不活性
粒子PB1の粒径の標準偏差は0.5以下であることが好
ましい。また、不活性粒子PB2が不活性架橋高分子粒子
やシリカ粒子などフィルム中に単分散している粒子の場
合、不活性粒子PB2も粒径の標準偏差は0.5以下であ
ることが好ましく、不活性粒子PB2がアルミナ粒子など
フィルム中に凝集状態で存在する粒子の場合、2次粒径
の平均粒径が0.05〜0.5μmの範囲にあることが
好ましい。上記の2種の不活性粒子PB1およびPB2がこ
のような標準偏差をもつことで、これらの不活性粒子は
粒径分布曲線において、それぞれの平均粒径の範囲内に
存在する2つの粒径ピークが明瞭に区別し得るようにな
すことができる。
【0044】不活性粒子が2成分の場合、平均粒径が上
記範囲未満であるか、添加量が上記範囲未満であると、
滑り性が不足し、巻き取り性や加工工程でのハンドリン
グ性が悪くなり、他方、平均粒径が上記範囲を超えるか
添加量が上記範囲を超えるとトラッキングサーボ信号を
塗工した場合、エラーが発生しやすくなり、また、平均
粒径の差が上記範囲未満だと、2成分を添加による効果
が発現され難い。
【0045】つぎに、不活性粒子PBが平均粒径の異な
る3種の不活性粒子PB1、PB2およびPB3を含有する場
合、不活性粒子PB1は平均粒径が0.4〜1.0μmで
その粒径分布の相対標準偏差が0.5以下で添加量が、
B層の重量を基準として、0.001〜0.1重量%の
範囲にあるものが好ましく、不活性粒子PB2は平均粒径
が0.2〜0.5μmでその粒径分布の相対標準偏差が
0.5以下でその添加量が、B層の重量を基準として、
0.01〜0.5量%の範囲にあるものが好ましく、不
活性粒子PB3は平均粒径が0.05〜0.3μmでその
添加量が、B層の重量を基準として、0.01〜1量%
の範囲にあるものが好ましく、不活性粒子PB1の平均粒
径(DPB1)からPB2の平均粒径(DPB2)を差し引い
た平均粒径の差(DPB1−DPB2)は0.1〜0.5μ
mの範囲であるのが好ましく、また不活性粒子PB2の平
均粒径(DPB2)からPB3の平均粒径(DPB3)を差し
引いた平均粒径の差(DPB2−DPB3)は0.1〜0.
4μmの範囲であるのが好ましい。また、不活性粒子P
B1、PB2およびPB3は、不活性粒子PB1、PB2が耐熱性
高分子粒子、PB3が耐熱性高分子粒子あるいは不活性無
機粒子であるのが好ましい。
【0046】上記の3種の不活性粒子PB1、PB2および
B3は、それらの粒径分布曲線において、上記平均粒径
の範囲内にそれぞれ存在する明瞭に区別し得る2つの粒
径のピークを示すことで明瞭に区別される。ここで不活
性粒子PB1およびPB2の粒径の標準偏差は0.5以下で
あることが好ましい。また、不活性粒子PB3が不活性架
橋高分子粒子やシリカ粒子などフィルム中に単分散して
いる粒子の場合、不活性粒子PB3も粒径の標準偏差は
0.5以下であることが好ましく、不活性粒子P B3がア
ルミナ粒子などフィルム中に凝集状態で存在する粒子の
場合、2次粒径の平均粒径が0.05〜0.3μmの範
囲にあることが好ましい。上記の3種の不活性粒子
B1、PB2およびPB3がこのような標準偏差をもつこと
で、これらの不活性粒子は粒径分布曲線において、それ
ぞれの平均粒径の範囲内に存在する2つの粒径ピークが
明瞭に区別し得るようになすことができる。
【0047】不活性粒子が3成分の場合、平均粒径が上
記範囲未満であるか、添加量が上記範囲未満であると、
滑り性が不足し、巻き取り性や加工工程でのハンドリン
グ性が悪くなり、他方、平均粒径が上記範囲を超えるか
添加量が上記範囲を超えるとトラッキングサーボ信号を
塗工した場合、エラーが発生しやすくなり、また、平均
粒径の差が上記範囲未満だと、3成分を添加による効果
が発現され難い。
【0048】なお、本発明において、不活性粒子の成分
数は、その成分数が多いほど、平坦易滑性を得やすいの
で、2成分よりは3成分が好ましい。ただし、3成分以
上の場合の効果は限定的である。
【0049】ところで、本発明におけるポリエステル層
Bの、A層と接していない表面の水接触角は68〜90
°の範囲にあることが好ましく、より好ましくは70〜
85°、さらに好ましくは70〜80°、最も好ましく
は70〜75°の範囲である。この水接触角が68°未
満では、巻き取り性の改良効果が得られ難い。一方、9
0°を超えると、バックコート層を塗布する工程で、塗
布斑などの問題が発生する。 <易滑または易接層>本発明における積層二軸配向ポリ
エステルフィルムのA層表面には、接着性あるいは易滑
性向上のため、塗布層をコーティングしてもよい。
【0050】塗布層としてはポリエステル系、ポリウレ
タン系あるいはポリアクリル系の水性樹脂(例えば水溶
性樹脂、水分散性樹脂等)を固形分中に50重量%以上
含有するものが好ましい。前記水性樹脂は塗膜形成水性
樹脂として公知のものを用いることが出来る。また、易
滑性向上のために、塗布層に不活性粒子を含有してもよ
い。この不活性粒子としては、コロイダルシリカ等の無
機粒子、あるいは架橋アクリル樹脂粒子、シリコーン樹
脂粒子、ポリスチレン粒子等の有機粒子が挙げられる
が、耐削れ性の観点からは無機粒子より、有機粒子の方
がより好ましい。この粒子の平均粒径は、好ましくは5
〜100nm、さらに好ましくは5〜50nm、特に好
ましくは5〜30nmである。粒子の含有量は、塗剤固
形分中、好ましくは0.5〜40重量%、さらに好まし
くは1〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%で
ある。粒子は球形に近いのものがより好ましく、また粒
径もそろったものがより好ましい。また、塗布層には界
面活性剤を固形分中に好ましくは1〜30重量%、さら
に好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは5〜15
重量%含有させることが好ましい。塗布層の厚み(固形
分)は、好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは1
〜30nm、特に好ましくは3〜20nmである。
【0051】なお、塗布層の形成は、ポリエステルフィ
ルムの製膜工程で一軸延伸後塗布し、二軸延伸時に乾燥
して形成するインライン塗布方式でも、あるいは二軸配
向フィルムに塗布するオフライン塗布方式でもよいが、
インライン塗布方式の方が塗膜形成の観点からより好ま
しい。
【0052】<ヤング率>本発明における積層二軸配向
ポリエステルフィルムは、縦方向のヤング率が4GPa
以上であることを必要とし、さらには4.5GPa以
上、特に5.0GPa以上であることが好ましい。この
フィルム縦方向のヤング率が4GPa未満では、磁気テ
ープに瞬間的に強い応力がかかったとき、テープが伸び
て変形するので好ましくない。
【0053】一方、横方向のヤング率は6GPa以上を
必要とし、好ましくは7GPa以上、更に好ましくは8
GPa以上である。横方向のヤング率が6GPa未満で
あると強度が不足し、テープのヘッド当たりが弱くな
り、電磁変換特性が悪化し易く、またテープの端部が損
傷を受けてワカメ状に変形し、更にはテープの横規制ガ
イドにあたり、テープ端部が折れ曲がったりしてテープ
の特性が損なわれるので好ましくない。
【0054】また、本発明の積層二軸配向ポリエステル
フィルムは、主としてヘリカル記録方式の磁気記録媒体
用であり、横方向の伸びを少なくする点から、横方向の
ヤング率ETDが縦方向のヤング率EMD以上であるこ
とを必要とする。
【0055】また、本発明の積層二軸配向ポリエステル
フィルムは縦方向のヤング率と横方向のヤング率の和が
10〜20GPa、更には12〜16GPaであること
が好ましい。縦方向のヤング率と横方向のヤング率の和
が10GPa未満であると、磁気テープの強度が弱くな
り、テープが破断し易く、またテープのエッジダメージ
が大きくなり、記録・再生のエラーが発生し、満足し得
る高密度磁気媒体が得られ難い。一方、縦方向のヤング
率と横方向のヤング率の和が20GPaを超えると、フ
ィルム製膜時、延伸倍率が高くなり、フィルム破断が多
発し、製品歩留りが著しく悪くなる。
【0056】<積層2軸配向ポリエステルフィルムの製
膜法>不活性粒子PAを含有させたポリエステルAと
(部分ケン化)エステルワックスおよび不活性粒子PB
を含有するポリエステルBを、それぞれ高精度ろ過した
のち、押出し口金内または口金より上流の位置で、溶融
状態にて積層複合(一般に、前者はマルチマニホールド
方式、後者はフィードブロック方式と呼ぶ)し、次いで
口金より融点(Tm)〜(Tm+70)℃の温度でフィ
ルム状に共押出したのち、10〜70℃の冷却ロールで
急冷固化して未延伸積層フィルムを得る。その後、該未
延伸積層フィルムを常法に従い、縦方向に(Tg−1
0)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tg:ポリエ
ステルのガラス転移温度)で2.5〜4.5倍の倍率
で、好ましくは3.0〜4.0倍の倍率で延伸し、次い
で横方向に(Tg)〜(Tg+70)℃の温度で3.5
〜8.0倍の倍率で、好ましくは4.0〜7.5倍の倍
率で延伸する。さらに、必要に応じて、縦方向および/
または横方向に再度延伸してもよい。すなわち、2段、
3段、4段あるいはさらなる多段の延伸を行ってもよ
い。全延伸倍率としては、好ましくは10〜30倍、よ
り好ましくは15〜30倍、さらに好ましくは20〜3
0倍である。また、横延伸倍率は縦延伸倍率以上である
のが、横方向のヤング率(ETD)を縦方向のヤング率
(EMD)以上にしやすいことから好ましい。
【0057】このように延伸されたフィルムを、さら
に、(Tg+70)〜(Tm−10)℃の温度(ただ
し、Tm:ポリエステルの融点)、例えばポリエチレン
テレフタレートフィルムの場合180〜250℃の温度
で熱固定結晶化することによって、優れた寸法安定性が
付与される。また、熱固定時問は1〜60秒が好まし
い。
【0058】なお、ポリエステルフィルムの製造する際
に、ポリエステル層AまたはBは、所望により上記不活
性粒子以外の添加剤、例えば安定剤、着色剤、溶融ポリ
マーの体積抵抗率調整剤などを添加含有させることがで
きる。また、上記の不活性粒子を含有させる場合は、以
下の(イ)、(ロ)または両方によって測定された平均
粒径およびその粒径分布の相対標準偏差が、前述の範囲
内に存在するものを含有させるのが好ましい。 (イ)平均粒径が60nm以上の不活性粒子の場合、株
式会社島津製作所製「CP−50型セントリヒューグル
パーテイクルサイズアナライザー(Centrifug
al Particle Size Analyze
r)」を用いて測定する。得られる遠心沈降曲線を基に
算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、
50マスパーセントに相当する粒径「等価球直径」を読
み取り、この値を上記平均粒径(nm)とする(「粒度
測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242
〜247)とともに、積算曲線から標準偏差を求める。 (ロ)平均粒径が60nm以上の不活性粒子の場合、光
散乱紙を用いて測定する。すなわち、ニコンインストゥ
ルメント株式会社(Nicomp Instrumen
ts Inc.)製の商品名「NICOMP MODE
L270 SUBMICRON PARTICLE S
IZER」により求められる全粒子の50%の点にある
粒子の「等価球直径」をもって、平均粒径(nm)とす
るとともに、相対標準偏差も併せて求める。
【0059】さらにまた、本発明において、A層表面に
易接着層および/または易滑層を塗布することができ
る。塗布の時期は限定されないが、縦延伸の後が好まし
い。塗布方法としては特に限定されないが、例えばロー
ルコート法、ダイコート法などが挙げられる。上記塗
液、特に水性塗液の固形分濃度は0.2〜8重量%、さ
らには0.3〜6重量%、特に0.5〜4重量%である
ことが好ましい。そして、水性塗液には、本発明の効果
を妨げない範囲で、他の成分、例えば他の界面活性剤、
安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、増粘剤などを添加する
ことができる。
【0060】<磁気記録媒体>本発明の積層二軸配向ポ
リエステルフィルムは、A層の表面に、鉄または鉄を主
成分とする針状微細磁性粉(メタル粉)をポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などのバインダー
に均一に分散し、磁性層厚みが1μm以下、好ましくは
0.1〜1μmとなるように塗布し、さらに必要によ
り、B層の表面に、公知の方法でバックコート層を設け
ることにより、特に短波長領域での出力、S/N,C/
Nなどの電磁変換特性に優れ、ドロップアウト、エラー
レートの少ない高密度記録用メタル塗布型磁気記録媒体
とすることができる。A層の表面に、上記メタル粉含有
磁性層の下地層として微細な酸化チタン粒子などを含有
する非磁性層を磁性層と同様の有機バインダー中に分散
し、塗設することもできる。このメタル塗布型磁気記録
媒体は、大容量コンピュータテープ、アナログ信号記録
用8ミリビデオ、Hi8、βカムSP,W−VHS、デ
ィジタル信号記録用ディジタルビデオカセットレコーダ
ー(DVC)、データ8ミリ、DDSIV、ディジタル
βカム、D2,D3,SXなどの磁気テープ用媒体、特
にヘリカル記録方式の磁気テープに極めて有効である。
【0061】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。尚、本発明における種々の物性値及び特性は、以下
のようにして測定されたものであり、かつ定義される。
【0062】(1)ヤング率 フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度500mm/分でインストロンタイプの万能引張
試験装にて引張り、得られる荷重―伸び曲線の立ち上が
り部の接線よりヤング率を計算する。
【0063】(2)表面粗さ(WRa、WRz) WYKO社製非接触式三次元粗さ計(NT―2000)
を用いて測定倍率25倍、測定面積246.6μm×1
87.5μm(0.0462mm2)の条件にて、測定
数(n)10点で測定を行ない、該粗さ計に内蔵された
表面解析ソフトにより、中心面平均粗さ(WRa)およ
び10点平均粗さ(WRz)を求める。なお、中心面平
均粗さ(WRa)は以下の一般式によって計算される。
【0064】
【数1】
【0065】ここで、Zjkは測定方向(246.6μ
m)、それと直行する方向(187.5μm)をそれぞ
れm分割、n分割したときの各方向のj番目、k番目の
位置における2次元粗さチャート上の高さである。
【0066】また、10点平均粗さ(WRz)は、ピー
ク(HP)の高い方から5点と谷(Hv)の低い方から
5点をとり、以下の一般式によって計算される平均値で
ある。
【0067】
【数2】
【0068】(3)接触角 協和科学(株)製、接触角測定装置を用いて測定した。
フィルムサンプルを、温度25℃、湿度50%の環境下
に24時間以上置いたのち、フィルム上に蒸留水を5m
g滴下し、水平の方向から20秒後に写真を撮影した。
フィルムと水滴の接線が形成する角度を接触角(°)と
する。
【0069】 (4)フィルム中のエステルワックスの含有量 (4−1)ポリエチレンテレフタレートフィルム(PE
T)の場合 フィルムサンプル30mgをCF3COOD(重水素化
トリフルオロ酢酸):CDCl3(重水素化クロロホル
ム)=1:1の混合溶媒0.5mlに溶かし、600M
Hz−1H−NMRで1024回積算測定し、テレフタ
ル酸ユニット由来のピーク積分値を100とした時の、
ワックス由来のピーク積分値(例:本願記載のソルビタ
ントリステアレートの場合、化学シフト値2.5ppm
近傍に検出されるピーク積分値)をあらかじめ測定した
検量線の式に代入し、ワックスの量を求めた。なお、積
層フィルムについては、後述の(7)項に記載した方法
にて積層フィルムの層厚みを測定し、全厚みに対するワ
ックスを含有した層の厚みから、厚み換算し、ワックス
量を求めた。また、積層フィルムの層厚みの測定が困難
なサンプルについては、ワックスを含有した層のフィル
ムを削りとり、上記方法にてワックス量を直接求めた。 (4−2)ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ム(PEN)の場合 フィルムサンプル30mgをCF3COOD(重水素化
トリフルオロ酢酸):CDCl3(重水素化クロロホル
ム)=1:1の混合溶媒0.5mlに溶かし、600M
Hz−1H−NMRで1024回積算測定し、2,6−
ナフタレンジカルボン酸ユニット芳香環プロトン由来の
ピーク積分値を100とした時のワックス由来のピーク
の積分値(例:本願記載のソルビタントリステアレート
の場合、化学シフト値2.5ppm近傍に検出されるピ
ーク積分値)をあらかじめ測定した検量線の式代入し、
ワックスの量を求めた。なお、積層フィルムについて
は、後述の(7)項に記載した方法にて積層フィルムの
層厚みを測定し、全厚みに対するワックスを含有した層
の厚みから、厚み換算し、ワックス量を求めた。また、
積層フィルムの層厚みの測定が困難なサンプルについて
は、ワックスを含有した層のフィルムを削りとり、上記
方法にてワックス量を直接求めた。
【0070】(5)粒子の平均粒径 (5−1)フィルム中の粒子の平均粒径 フィルム表面層のポリエステルをプラズマ低温灰化処理
法(例えば、ヤマト科学製、PR−503)で除去し、
粒子を露出させる。処理条件は、ポリエステルは灰化さ
れるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。これ
をSEM(走査型電子顕微鏡)にて1万倍程度の倍率で
粒子を観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃
淡)をイメージアナライザー(例えば、ケンブリッジイ
ンストルメント製、QTM900)に結び付け、観察箇
所を変えて少なくとも5,000個の粒子の面積円相当
径(Di)を求める。この結果から粒子の粒径分布曲線
を作成し、各ピークの個数割合(各ピークの領域は分布
曲線の谷部を境界として決める。)を算出する。次い
で、各ピークの領域にある粒子の粒径と個数の測定結果
から次式で表される数平均値を求め、これを粒子の平均
粒径(DA)とする。フィルム中に凝集状態で存在する
粒子(例えばアルミナ粒子)の場合は、凝集状態での粒
径(2次粒径)を測定し平均粒径(DA)を求める。な
お、粒子種の同定は、SEM−XMA、ICPによる金
属元素の定量分析などを使用して行なうことができる。
【0071】
【数3】
【0072】(5−2)粒子の平均粒径の相対標準偏差 上記(5−1)で測定した各ピーク領域の各粒子の個数
(n)と面積円相当径(Di)から、相対標準偏差を次
式により求める。
【0073】なお、本発明において、フィルム中に存在
する不活性粒子は、粒径分布がシャープであることが好
ましい。すなわち、不活性粒子が、不活性架橋高分子粒
子やシリカ粒子などフィルム中に単分散している粒子の
場合、粒度分布の相対標準偏差は0.5以下が好まし
く、より0.4以下が好ましく、特に0.3以下が好ま
しい。また、不活性粒子が、アルミナ粒子などフィルム
中に凝集状態で分散している粒子の場合、凝集状態での
粒径(2次粒径)の平均値が0.05〜0.5μmの範
囲、特に0.05〜0.3μmの範囲にあることが好ま
しい。
【0074】
【数4】
【0075】(6)粒子の含有量 (6−1)各層中の粒子の総含有量 積層ポリエステルフィルムからポリエステル層Aおよび
ポリエステル層Bをそれぞれ100g程度削り取ってサ
ンプリングし、ポリエステルは溶解し粒子は溶解させな
い溶媒を選択して、サンプルを溶解した後、粒子をポリ
エステルから遠心分離し、サンプル重量に対する粒子の
比率(重量%)をもって各層中の粒子総含有量とする。 (6−2)各層中の無機粒子の総含有量 積層ポリエステルフィルム中に無機粒子が存在する場合
は、ポリエステル層Aおよびポリエステル層Bをそれぞ
れ100g程度削り取ってサンプリングし、これを白金
ルツボ中にて1,000℃の炉の中で3時間以上燃焼さ
せ、次いでルツボ中の燃焼物をテレフタル酸(粉体)と
混合し、50gの錠型のプレートを作成する。このプレ
ートを波長分散型蛍光X線を用いて各元素のカウント値
をあらかじめ作成してある元素毎の検量線より換算し各
層中の無機粒子の総含有量を決定する。蛍光X線を測定
する際のX線管はCr管が好ましくRh管で測定しても
良い。X線出力は4KWと設定し分光結晶は測定する元
素ごとに変更する。材質の異なる無機粒子が複数種類存
在する場合は、この測定により各材質の無機粒子の含有
量を決定する。 (6−3)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在
しない場合) 層中に無機粒子が存在しない場合は、前記(5−1)に
より求めたピークを構成する各粒子の個数割合と平均粒
径と粒子の密度から各ピーク領域に存在する粒子の割合
を算出し、これと前記(6−1)で求めた各層中の粒子
の総含有量とから、各ピーク領域に存在する粒子の含有
量(重量%)を求める。
【0076】なお、代表的な耐熱性高分子粒子の密度は
以下の通りである。 架橋シリコーン樹脂の密度:1.35g/cm3 架橋ポリスチレン樹脂の密度:1.05g/cm3 架橋アクリル樹脂の密度:1.20g/cm3
【0077】なお、樹脂の密度は、(6−1)の方法で
ポリエステルから遠心分離した粒子をさらに分別し、例
えば、ピクノメーターにより「微粒子ハンドブック:朝
倉書店、1991年版、150頁」に記載の方法で測定
することができる。 (6−4)各層中の各種粒子の含有量(無機粒子が存在
する場合) 層中に無機粒子が存在する場合は、前記(6−1)で求
めた各層中の粒子の総含有量と前記(6−2)で求めた
各層中の無機粒子の総含有量とから層中の耐熱性高分子
粒子と無機粒子の含有量をそれぞれ算出し、耐熱性高分
子粒子の含有量は上記(6−3)の方法で、無機粒子の
含有量は前記(6−2)の方法で、それぞれ含有量(重
量%)を求める。
【0078】(7)ポリエステル層AおよびBならびに
積層フィルム全体の厚み フィルム全体の厚みはマイクロメータにてランダムに1
0点測定し、その平均値を用いる。ポリエステル層Bの
層厚は、薄いB層の層厚みを下記に述べる方法にて測定
し、厚いA層の層厚みは、二次イオン質量分析装置(S
IMS)を用いて、被覆層を除いた表層から深さ5,0
00nmの範囲のフィルム中の粒子の内最も高濃度の粒
子に起因する金属元素(M+)とポリエステルの炭化水
素(C+)の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表
面から深さ5,000nmまで厚さ方向の分析を行う。
表層では表面という界面のために粒子濃度は低く、表面
から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明の場
合、粒子濃度は一旦安定値1になったのち、上昇して安
定値2になる場合と、単調に減少する場合とがある。こ
の分布曲線をもとに、前者の場合は、(安定値1+安定
値2)/2の粒子濃度を与える深さをもって、また後者
の場合は粒子濃度が安定値1の1/2になる深さ(この
深さは安定値1を与える深さよりも深い)をもって、B
層の厚み(μm)とする。
【0079】なお、B層の測定は、二次イオン質量分析
装置(SIMS)(パーキン・エルマー株式会社(PE
RKINELMER INC.)製、「6300」)に
よって、一次イオン種:O2+、一次イオン加速電圧:1
2kV、一次イオン電流:200nA、ラスター領域:
400μm、分析領域:ゲート30%、測定真空度:
6.0×10-9Torr、E−GUNN:0.5KV−
3.0Aの条件で行なわれた。
【0080】また、表層から5,000nmの範囲に最
も多く存在する粒子がシリコーン樹脂以外の有機高分子
粒子の場合、SIMSでは測定が難しいので、表面から
エッチングしながらFT−IR(フーリエトランスフォ
ーム赤外分光法)、粒子によってはXPS(X線光電分
光法)などで上記同様の濃度分布曲線を測定し、層厚
(μm)を求める。
【0081】ポリエステルA層の層厚みは、前述の全厚
みより塗膜層およびB層の層厚を引き算して求める。
【0082】(8)巻き取り性 スリット時の巻き取り条件を最適化したのち、幅100
0mm×6000mのサイズで、30ロールを速度15
0m/分でスリットし、スリット後のフィルム表面に、
ブツ状、突起やシワのないロールを良品として、以下の
基準にて巻き取り性を評価する。 ○:良品ロールの本数25以上 ×;良品ロールの本数24本以下
【0083】(9)磁気テープの製造および電磁変換特
性 積層二軸配向ポリエステルフィルムのA層の表面に、針
状鉄粒子を含む磁性塗料を0.5μm厚さになるように
塗布し、直流磁場中で処理する。B層の表面にはバック
コートを施す。これをテープ状にスリットし、電磁変換
特性をシバソク(株)製ノイズメーターを使用し、ビデ
オ用磁気テープのS/N比を測定する。なお使用したV
TRはソニー(株)製EVS700である。なお、評価
は、1分毎に起動停止を繰り返し120時間作動させた
後、実施例1サンプルのS/N比を0dBとし、下記基
準にて相対評価する。 ◎:+2dB以上 ○:−2dB以上+2dB未満 ×:−2dB未満
【0084】(10)(部分ケン化)エステルワックス
の調製 炭素数が8個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価ア
ルコールからなる(部分ケン化)エステルワックスとし
て、下記のものを使用する。 (A);ソルビタントリステアレート(融点55℃) (B);モンタン酸ジオールエステルを水酸化カルシウ
ムでケン化したもの、ヘキスト株式会社製、商品名「ワ
ックスE」、(融点86℃)
【0085】[実施例1]平均粒径0.3μmの架橋シ
リコーン樹脂粒子(粒径分布の相対標準偏差:0.1
5)を0.06重量%および平均粒径0.1μmのアル
ミナ粒子を0.06重量%含有したA層用ポリエチレン
テレフタレート(固有粘度:0.6)のペレットと、平
均粒径0.6μmの架橋シリコーン樹脂粒子(粒径分布
の相対標準偏差:0.15)を0.01重量%、平均粒
径0.3μmの架橋シリコーン樹脂粒子(粒径分布の相
対標準偏差:0.15)を0.15重量%、平均粒径
0.1μmのアルミナ粒子を0.15重量%、および
(部分ケン化)エステルワックスを0.15重量%含有
したB層用ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:
0.6)のペレットとを170℃で3時間乾燥した後、
2台の押出機ホッパーに供給し、溶融温度300℃で溶
融し、マルチマニホールド型共押出ダイを用いてA層の
片側にB層を積層させ、表面仕上げ0.3S程度、表面
温度25℃のキャスティングドラム上に押出し、積層未
延伸フイルムを得た。なお、層厚み構成は2台の押出機
の吐出量にて調整した。
【0086】このようにして得られた未延伸フィルムを
75℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で14m
m上方より830℃の表面温度の赤外線ヒーターにて加
熱して3.2倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに
供給し、110℃にて横方向に4.5倍延伸し、210
℃で10秒間熱固定し、全厚み5.0μm、B層厚み
1.5μmの積層二軸配向フィルムを得た。このフィル
ムのヤング率は縦方向4.8GPa、横方向7.1GP
aであった。得られたフィルムの物性および組成を表1
に示す。
【0087】一方、下記に示す組成物をボールミルに入
れ、16時間混練して分散した後、イソシアネート化合
物(バイエル社製のデスモジュールL)5重量部を加
え、1時間高速剪断分散して磁性塗料とした。 磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製エスレック7A) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部
【0088】この磁性塗料を上述の積層二軸配向ポリエ
ステルフィルムの片面(A層面)に、最終塗布厚さ0.
5μmとなるように塗布し、次いで2500ガウスの直
流磁場中で配向処理を行ない、100℃で加熱乾燥後、
スーパーカレンダー処理(線圧200kg/cm、温度
80℃)を行ない、巻き取った。この巻き取ったロール
を55℃のオーブン中に3日間放置した。
【0089】さらに下記組成のバックコート層塗料を、
積層二軸配向ポリエステルフィルムの他の面(B層面)
に、塗布厚さ1μmとなるように塗布し、乾燥させ、さ
らに幅12.7mmに裁断し、磁気テープを得た。 バックコート層塗料の組成: カーボンブラック 100重量部 熱可塑性ポリウレタン樹脂 60重量部 イソシアネート化合物 18重量部 (日本ポリウレタン工業社製コロネートL) シリコーンオイル 0.5重量部 メチルエチルケトン 250重量部 トルエン 50重量部
【0090】得られたテープの特性を表1に示す。表1
から明らかなように巻き取り性、電磁変換特性いずれ
も、良好であった。
【0091】[実施例2]添加粒子とワックス量を表1
記載の如く変更した以外は実施例1と同様にして積層二
軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルム
の物性を表1に示す。
【0092】また、得られた積層二軸配向ポリエステル
フィルムに、実施例1と同様な操作を繰り返して、磁気
テープを得た。得られた磁気テープの評価結果を表1に
示す。表1から明らかなように巻き取り性および電磁変
換特性いずれも良好であった。
【0093】[実施例3]ポリエステルとしてポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用い、
各層に含有させる不活性粒子の種類、平均粒径、添加量
および(部分ケン化)エステルワックスの添加量を表1
に示すとおり変更した。そして、A層用およびB層用の
ポリマーを、それぞれ170℃で6時間乾燥後、実施例
1と同様にして、各層厚みを調整し、未延伸積層ポリエ
ステルフィルムを得た。
【0094】得られた積層未延伸フィルムを予熱し、さ
らに低速・高速のロール問でフィルム温度135℃にて
3.2倍に延伸し、急冷して縦延伸フィルムを得た。続
いてステンターに供給し、155℃にて横方向に5.6
倍に延伸した。得られた二軸延伸フィルムを、200℃
の熱風で4秒間熱固定し、全厚み5.0μm、B層厚み
1.8μmの積層二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。得られた積層二軸配向ポリエステルフィルムの特性
を表1に示す。
【0095】また、得られた積層二軸配向ポリエステル
フィルムに実施例1と同様な操作を繰り返して磁気テー
プの作成した。得られた磁気テープの特性を表1に示
す。表1から明らかなように、巻き取り性および電磁変
換特性のいずれも良好であった。
【0096】[比較例1](部分ケン化)エステルワッ
クスを含有させない以外は、実施例1と同様にして積層
二軸配向ポリエステルフィルムとそれを用いた磁気テー
プを得た。それらの特性を表1に示す。得られた積層二
軸配向ポリエステルフィルムとそれを用いた磁気テープ
は滑り性が悪く、巻き取り性が不良であった。
【0097】[比較例2]実施例1と同様にして得られ
た未延伸フィルムを75℃にて予熱し、更に低速、高速
のロール間で14mm上方より830℃の表面温度のI
Rヒーターにて加熱して2.25倍に延伸し、急冷し、
続いてステンターに供給し、110℃にて横方向に3.
6倍延伸した。さらに引き続いて110℃にて予熱し、
低速、高速のロール間で2.6倍に縦方向に延伸し、更
にステンターに供給し、210℃で10秒間熱固定し、
全厚み5.0μm、B層厚み1.5μmの積層二軸配向
ポリエステルフィルムを得た。得られた積層二軸配向ポ
リエステルフィルムのヤング率は縦方向8.0GPa、
横方向4.5GPaであった。得られた積層二軸配向ポ
リエステルフィルムの特性を表1に示す。
【0098】また、得られた積層二軸配向ポリエステル
フィルムを用いて、実施例1と同様にして、磁気テープ
を作成した。得られた磁気テープは、横ヤング率が低
く、電磁変換特性が悪かった。得られた磁気テープの特
性を表1に示す。
【0099】[比較例3]不活性粒子およびエステルワ
ックスを表1に示すように変更した以外は、実施例1と
同様な操作を繰り返した。得られた積層2軸配向ポリエ
ステルフィルムおよびそれを用いた磁気テープは表面粗
さが大きくて電磁変換特性が悪いものであった。それら
の特性を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】ここで、上記表中の、PETはポリエチレ
ンテレフタレートを、PENはポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートを示し、エステルワック
スのAはソルビタントリステアレート(融点55℃)
を、Bはモンタン酸ジオールエステルを水酸化カルシウ
ムでケン化した、ヘキスト株式会社製、商品名「ワック
スE」、(融点86℃)を示す。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、巻き取り性、加工適正
に優れ、特にヘリカル記録方式のメタル塗布型磁気記録
媒体としたときに電磁変換特性に優れ、高記録密度記録
媒体用積層二軸配向ポリエステルフィルムを得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G11B 5/73 G11B 5/73 5/733 5/733 (72)発明者 室岡 博文 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内 Fターム(参考) 4F100 AA01H AA19H AJ11B AK01H AK41A AK41B AK42A AK52H AR00C BA02 BA03 BA10B BA10C CA05B CA19A CA19B CA30B DD07A DD07B DE01A DG01B EH202 EH46C EJ382 GB41 JJ03H JK07 JK15A JK15B JL11C YY00 YY00A YY00B 4J002 BC032 BG042 BG052 CC182 CD002 CF011 CF041 CF051 CF061 CF071 CF081 CF181 CM042 CP032 DA017 DA027 DA037 DE077 DE097 DE107 DE137 DE147 DE237 DG047 DG057 DJ007 DJ017 DJ037 EH046 EH076 5D006 CB01 CB05 CB06 CB07 CB08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルA層の片面に、炭素数が8
    個以上の脂肪族モノカルボン酸および多価アルコールか
    らなる(部分ケン化)エステルワックスを含有するポリ
    エステルB層を積層した積層フィルムであって、以下の
    (1)〜(5)を満足することを特徴とする積層二軸配
    向ポリエステルフィルム。 (1)B層と隣接していない側のA層表面は、表面粗さ
    (WRaA)が4nmを超え10nm以下の範囲にある
    こと; (2)A層と隣接していない側のB層表面は、表面粗さ
    (WRaB)が5〜20nmの範囲にあること; (3)A層と隣接していない側のB層表面は、10点平
    均粗さ(WRzB)が100〜300nmの範囲にある
    こと; (4)B層は、エステルワックス含有量が0.001〜
    1重量%の範囲にあること;および (5)積層フィルムは、縦方向のヤング率(EMD)が
    4GPa以上、横方向のヤング率(ETD)が6GPa
    以上およびETDがEMD以上であること。
  2. 【請求項2】 B層が平均粒径0.05〜1.0μmの
    不活性粒子PBを、B層の重量を基準として、0.00
    1〜1重量%含有する請求項1記載の積層二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
  3. 【請求項3】 B層が平均粒径の異なる2種の不活性粒
    子PB1およびPB2を、B層の重量を基準として、それぞ
    れ0.001〜0.5重量%および0.01〜1重量%
    含有しており、PB1が平均粒径(DPB1)0.2〜1.
    0μmで且つ粒径分布の相対標準偏差0.5以下であ
    り、PB2が平均粒径(DPB2)0.05〜0.5μmで
    あり、そして、DPB1からDPB2を差し引いた平均粒径
    の差(DPB1−DPB2)が0.1〜0.6μmである請
    求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 PB1が耐熱性高分子粒子で、PB2が耐熱
    性高分子粒子あるいは不活性無機粒子である請求項3記
    載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 B層が平均粒径の異なる不活性粒子
    B1、PB2およびPB3を、B層の重量を基準として、そ
    れぞれ0.001〜0.1重量%、0.01〜0.5量
    %および0.01〜1.0量%含有し、PB1が平均粒径
    (DPB1)が0.4〜1.0μmで且つ粒径分布の相対
    標準偏差0.5以下で、PB2が平均粒径(DPB2)0.
    2〜0.5μmで且つ粒径分布の相対標準偏差0.5以
    下で、PB3が平均粒径(DPB3)0.05〜0.3μm
    で、DPB1からDPB2を差し引いた平均粒径の差(DP
    B1−DPB2)が0.1〜0.5m、そして、DPB2から
    DP B3を差し引いた平均粒径の差(DPB2−DPB3)が
    0.1〜0.4μmの範囲である請求項1記載の積層二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 PB1およびPB2が耐熱性高分子粒子で、
    B3が耐熱性高分子粒子または不活性無機粒子である請
    求項5記載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  7. 【請求項7】 A層が、平均粒径0.05〜0.5μm
    の不活性粒子PAを、A層の重量を基準として、0.0
    01〜0.5重量%含有する請求項1記載の積層二軸配
    向ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 A層が平均粒径の異なる不活性粒子PA1
    およびPA2を、A層の重量を基準として、それぞれ0.
    001〜0.5重量%および0.01〜1重量%含有
    し、PA1が平均粒径(DPA1)0.2〜0.5μmで且
    つ粒径分布の相対標準偏差0.5以下で、PA2が平均粒
    径(DPA2)が0.05〜0.3μmで、DPA1からD
    A2を差し引いた平均粒径の差(DPA1−DPA2)が
    0.1〜0.4μmの範囲である請求項1記載の積層二
    軸配向ポリエステルフィルム。
  9. 【請求項9】 PA1が耐熱性高分子粒子で、PA2が耐熱
    性高分子粒子あるいは不活性無機粒子である請求項8記
    載の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 A層と隣接していないB層の表面の水
    接触角が68〜90°の範囲にある請求項1記載の積層
    二軸配向ポリエステルフィルム。
  11. 【請求項11】 B層に隣接していないA層表面に易接
    着層および/または易滑層を塗布した請求項1記載の積
    層二軸配向ポリエステルフィルム。
  12. 【請求項12】 ポリエステルフィルムがポリエチレン
    テレフタレートである請求項1記載の積層二軸配向ポリ
    エステルフィルム。
  13. 【請求項13】 ポリエステルフィルムがポリエチレン
    −2,6−ナフタレートフィルムである請求項1記載の
    積層二軸配向ポリエステルフィルム。
  14. 【請求項14】 塗布型磁気記録媒体用である請求項1
    〜13のいずれかに記載の積層二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
  15. 【請求項15】 ヘリカル記録方式のディジタル記録型
    磁気記録媒体用である請求項1〜13のいずれかに記載
    の積層二軸配向ポリエステルフィルム。
JP2000383305A 2000-12-18 2000-12-18 積層二軸配向ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JP4323086B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000383305A JP4323086B2 (ja) 2000-12-18 2000-12-18 積層二軸配向ポリエステルフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000383305A JP4323086B2 (ja) 2000-12-18 2000-12-18 積層二軸配向ポリエステルフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002178476A true JP2002178476A (ja) 2002-06-26
JP4323086B2 JP4323086B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=18850982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000383305A Expired - Fee Related JP4323086B2 (ja) 2000-12-18 2000-12-18 積層二軸配向ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4323086B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114683646A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 可隆工业株式会社 聚酯离型膜

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114683646A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 可隆工业株式会社 聚酯离型膜
CN114683646B (zh) * 2020-12-31 2024-06-11 可隆工业株式会社 聚酯离型膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP4323086B2 (ja) 2009-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005199724A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP3686407B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
US6713155B1 (en) Magnetic recording medium and base film for the same
JP3920008B2 (ja) 積層二軸配向ポリエステルフィルム
WO2000071339A1 (fr) Film polyester multicouche a orientation biaxiale
JP3616731B2 (ja) 積層熱可塑性樹脂フィルム
JP2003291288A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP4266528B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2003291289A (ja) 二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP4323086B2 (ja) 積層二軸配向ポリエステルフィルム
JP4243143B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP4287229B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP4097503B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4243142B2 (ja) 積層ポリエステルフイルム
JP4104420B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3942410B2 (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2002248722A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP4169389B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP3856626B2 (ja) 積層熱可塑性樹脂フィルム
JP2003067913A (ja) 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
JP2003141712A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2003103739A (ja) 積層ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体
JP2005007744A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2004195825A (ja) 積層ポリエステルフィルム、フィルムロールおよび磁気記録媒体
JPH11309820A (ja) 積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140612

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees