JP2002176087A - 厚み計測装置、及びそれを用いたウエットエッチング装置、ウエットエッチング方法 - Google Patents
厚み計測装置、及びそれを用いたウエットエッチング装置、ウエットエッチング方法Info
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Abstract
の厚みを計測することが可能な厚み計測装置、及びそれ
を用いたウエットエッチング装置、ウエットエッチング
方法を提供する。 【解決手段】 各計測時刻において、計測光源11から
計測光を供給し、半導体ウエハWからの反射光と、参照
光生成部14からの参照光とを結合した干渉光を光検出
器15で検出する。そして、厚み算出部16において、
干渉光の光強度及び参照光路長の相関を示す光強度分布
を求め、光強度分布内における光強度が最大の光強度ピ
ークをウエハ上面ピークとして選択し、さらに、ウエハ
下面ピークをも選択して、これらの光強度ピークの光路
長差から半導体ウエハWの厚みを算出する。
Description
グの実行中に半導体ウエハの厚みを計測するための厚み
計測装置、及びそれを用いたウエットエッチング装置、
ウエットエッチング方法に関するものである。
ーン付などの半導体ウエハの厚みをより薄くするエッチ
ング工程の必要性が増大している。
ッチング液を供給して半導体ウエハのエッチングを行う
ウエットエッチング装置が使用される。従来のウエット
エッチング方法では、あらかじめダミーウエハのエッチ
ングを行ってエッチングレートを確認しておき、そのエ
ッチングレートに基づいてエッチングの終了時刻を決定
している。
の管理方法を用いた場合、ダミーウエハのエッチングと
いう実際のエッチング工程とは別の工程が余計に必要と
なるという問題がある。また、エッチングレートは必ず
しもエッチング工程ごとに一定ではなく、そのため、一
定のエッチングレートを仮定した時間管理では得られる
半導体ウエハの厚みにばらつきを生じてしまう。
ング精度や作業効率を向上させるには、半導体ウエハ部
分の厚みを、インサイチュ(In-Situ)でエッチング中
に計測する必要がある。このような計測を行うことによ
って、エッチング中での厚みの時間変化のデータを得る
ことができ、これによって終了時刻をそれぞれのエッチ
ング工程ごとに求めることができるなど、様々なエッチ
ング工程の管理及び制御が可能となる。
厚み計測装置としては、接触式の厚み計や、マイケルソ
ン干渉計型の厚み計などがある。これらの厚み計のう
ち、接触式の厚み計は、インサイチュでの計測に適用す
ることができない。また、接触するためにウエハに傷が
つく場合があり、高速での計測ができず、あるいは、保
持基板やフィルムなどがついている場合にはウエハのみ
での厚みの計測ができないなどの問題点がある。
非接触で半導体ウエハの厚みを計測する厚み計である。
このような厚み計としては、特開平5−248817号
公報に示されている装置があるが、この装置では、半導
体ウエハに計測光を照射し、ウエハ表面からの反射光の
反射タイミング変化によって厚みの時間変化を計測して
いる。しかしながら、この場合には、表面の位置のみを
計測していることになるので、厚みを求めるために裏面
の位置などの厚みの初期条件を与えてやる必要がある。
また、エッチング液を用いたウエットエッチング工程で
は、ウエハ表面上にあるエッチング液で計測光が反射さ
れてしまうため、半導体ウエハの厚みを計測することが
できない。
を計測する厚み計として、静電容量式の厚み計がある。
しかしながら、このような厚み計も、保持基板やフィル
ムなどがついている場合や、半導体ウエハ上にパターン
が形成されている場合などには、半導体ウエハのみでの
厚みを計測することができない。
なされたものであり、ウエットエッチングの実行中に半
導体ウエハの厚みを計測することが可能な厚み計測装
置、及びそれを用いたウエットエッチング装置、ウエッ
トエッチング方法を提供することを目的とする。
るために、本発明による厚み計測装置は、エッチング液
を用いたウエットエッチングの実行中に半導体ウエハの
厚みを計測するための厚み計測装置であって、(1)所
定の計測時刻において、計測光を供給する計測光源と、
(2)計測光源からの計測光を分岐させる光分岐手段
と、(3)光分岐手段で分岐された計測光の一方を、計
測対象である半導体ウエハに対して出力させて、エッチ
ング液が供給されているエッチング面側から照射する光
出力手段と、(4)光出力手段から照射された計測光が
エッチング液または半導体ウエハによって反射された反
射光を入力させる光入力手段と、(5)光分岐手段で分
岐された計測光の他方を、光路長が可変に構成された参
照用光路を通過させて、参照光路長が設定された参照光
を生成する参照光生成手段と、(6)光入力手段からの
反射光と、参照光生成手段からの参照光とを結合させて
干渉光とする光結合手段と、(7)光結合手段からの干
渉光を検出する光検出手段と、(8)計測時刻におい
て、参照光生成手段で設定された参照光路長と、光検出
手段で検出された干渉光の光強度との相関を示す光強度
分布を用い、複数の光強度ピークからウエハ上面ピーク
及びウエハ下面ピークとして選択された2本の光強度ピ
ーク間での参照光路長の光路長差に基づいて、半導体ウ
エハの生厚み値を算出する生厚み値算出手段を有する厚
み算出手段とを備え、(9)生厚み値算出手段は、光強
度分布における複数の光強度ピークのうち、光強度が最
大である光強度ピークをウエハ上面ピークとして選択す
ることを特徴とする。
計測光を照射して反射されてきた反射光と、計測光から
分岐され所定の光路を通過して反射光の光路長に対して
参照光路長が設定された参照光とを結合し、生成された
干渉光を検出する。そして、その干渉光の光強度分布に
おいて生じる複数の光強度ピークから、ウエットエッチ
ング中の半導体ウエハの厚みを計測している。
は、エッチング液表面、半導体ウエハの上面(エッチン
グ面)、及び下面などで反射され、光強度分布では、そ
れらの面にそれぞれ対応した光強度ピークが得られる。
したがって、所定の選択基準によって選択された半導体
ウエハの上面及び下面に対応する2本の光強度ピークを
利用することによって、エッチング液の存在にかかわら
ず、ウエットエッチング中に半導体ウエハの厚み、ある
いはその時間変化を計測することが可能となる。また、
ウエハ上面からの反射光と基準となる初期条件とから厚
みを求めるのではなく、ウエハ上面及び下面の両方から
の反射光を用いているので、半導体ウエハやエッチング
液の状態が変化しても、常に正しく半導体ウエハの厚み
を計測することができる。
最大である光強度ピークをウエハ上面ピークとして選択
している。光強度分布における光強度ピークとしては、
エッチング液層表面からの反射光による液面ピーク、半
導体ウエハの上面からの反射光によるウエハ上面ピー
ク、及び半導体ウエハの下面からの反射光によるウエハ
下面ピークなどが得られる。そして、これらの光強度ピ
ークの中では、ほとんどの場合、各反射光での光強度な
どが変化した場合でも、ノイズ信号によるピーク等をも
含めて、ウエハ上面ピークの光強度が最大となる。した
がって、上記の選択方法によれば、確実かつ簡単にウエ
ハ上面ピークを選択することができる。
て、生厚み値算出手段が、光強度分布における複数の光
強度ピークに対して、ウエハ上面ピークでの参照光路長
を基準として、ウエハ下面ピークが位置する光路長期待
値及び光路長範囲を求め、光路長期待値から光路長範囲
内でウエハ下面ピークを選択することを特徴とする。
比べて光強度が小さく、計測条件によっては、ノイズピ
ークなどがウエハ下面ピークとして誤認される場合があ
る。これに対して、上記のように、ウエハ上面ピークの
位置からウエハ下面ピークの位置を予測し、その予測さ
れた範囲内に限定してウエハ下面ピークの選択を行うこ
とによって、ウエハ下面ピークをより正確に選択するこ
とができる。
路長期待値から光路長範囲内で、設定された閾値よりも
大きい光強度を有するとともに、その光強度が光路長範
囲内で最大である光強度ピークをウエハ下面ピークとし
て選択する方法がある。
の計測時刻に対して設定された連続する複数の厚み取得
時刻のそれぞれに、計測光を供給するとともに、生厚み
値算出手段は、複数の厚み取得時刻のそれぞれにおいて
取得された個別光強度分布、または個別光強度分布から
それぞれ算出された個別生厚み値を積算して、生厚み値
を算出することを特徴とする。
る計測時刻において、計測光を供給して行う厚みデータ
取得を1回行うのではなく、計測時刻に対して複数の厚
み取得時刻を設定し、複数回の厚みデータ取得を行って
生厚み値を算出することによって、各計測時刻において
算出される生厚み値の精度を向上することができる。
厚みデータの積算方法としては、生厚み値算出手段が、
個別光強度分布を、ウエハ上面ピークの位置を一致させ
て積算して積算光強度分布とし、積算光強度分布を用い
て、生厚み値を算出する方法がある。この場合、個別光
強度分布のそれぞれを、ウエハ上面ピークの位置が互い
に一致するように変換した後に積算することによって、
生厚み値を正確に算出することができる。
は、生厚み値算出手段が、個別光強度分布からそれぞれ
算出された個別生厚み値を積算し、個別生厚み値の平均
値を求めて、生厚み値を算出する方法がある。この場
合、個別光強度分布の変換等の処理が不要となる。
出力手段及び光入力手段は、単一の光入出力手段からな
るとともに、光分岐手段及び光結合手段は、単一の光カ
プラからなることが好ましい。この場合、特に装置の構
成が簡単化される。
た複数の計測時刻のそれぞれにおいて、計測光を供給す
るとともに、厚み算出手段は、最初の計測時刻から規定
時間が経過した後の計測時刻のそれぞれにおいて、複数
の生厚み値の時間変化に対して、直線近似計算による厚
み変化直線の決定を行って、厚み変化直線から統計厚み
値を算出する統計厚み値算出手段を有することを特徴と
する。
ハの厚みである生厚み値を、そのまま厚みデータとして
使用することも可能であるが、このように、直線近似計
算(フィッティング)によって厚み変化直線を求めて統
計厚み値を算出することによって、生厚み値の持つ統計
的ばらつきの影響を低減することができる。
置は、上記した厚み計測装置を備えるウエットエッチン
グ装置であって、ウエットエッチングの対象となる半導
体ウエハのエッチング面に、エッチング液を供給するエ
ッチング液供給手段と、エッチング液供給手段によるエ
ッチング液の供給を制御するエッチング制御手段とを備
えることを特徴とする。
法は、上記した厚み計測装置を用いたウエットエッチン
グ方法であって、ウエットエッチングの対象となる半導
体ウエハのエッチング面に、エッチング液を供給してウ
エットエッチングを開始するエッチング開始ステップ
と、エッチング開始ステップで開始されたウエットエッ
チングの実行中に、厚み計測装置を用いて半導体ウエハ
の厚みを計測する厚み計測ステップと、エッチング液の
供給を停止してウエットエッチングを終了するエッチン
グ終了ステップとを備えることを特徴とする。
法によれば、上記した厚み計測装置を用いてウエットエ
ッチング中の半導体ウエハに対して得られた生厚み値、
あるいは厚み変化直線及び統計厚み値に基づいて、エッ
チング制御手段を介して、エッチング液の供給の停止に
よるウエットエッチングの終了、あるいはエッチングレ
ートの変更などを適宜制御することが可能である。
測装置の厚み算出手段が、求められた半導体ウエハの厚
みの時間変化から、あらかじめ設定された終点厚みに基
づいてウエットエッチングの終了時刻を求めて、終了時
刻を指示する終了指示信号を出力し、エッチング制御手
段は、終了指示信号に基づいて、エッチング液供給手段
によるエッチング液の供給を停止させることを特徴とす
る。
計測された厚みデータから操作者が判断してエッチング
制御手段に指示することも可能であるが、上記のように
厚み算出手段からの終了指示信号によってエッチングを
終了させる構成とすることによって、設定された終点厚
みが得られるように自動的にエッチングの終了が制御さ
れるウエットエッチング装置が実現される。
測ステップで求められた半導体ウエハの厚みの時間変化
から、あらかじめ設定された終点厚みに基づいてウエッ
トエッチングの終了時刻を求める終了時刻算出ステップ
をさらに備え、エッチング終了ステップにおいて、終了
時刻算出ステップで求められた終了時刻に基づいてエッ
チング液の供給を停止することを特徴とする。
みデータに基づいて終了時刻を求めることによって、ウ
エットエッチングによって最終的に得られる半導体ウエ
ハの厚みの、設定されている終点厚みからのばらつきを
抑制することができ、半導体装置製造の効率化と歩留り
の向上を実現することができる。
刻算出ステップにおいて、半導体ウエハの厚みの時間変
化で、求められた半導体ウエハの厚みが終点厚み以下と
なった計測時刻を終了時刻とすることが可能である。
て、半導体ウエハの厚みの時間変化を用いて終了時刻を
予測することが可能である。
厚み計測装置、及びそれを用いたウエットエッチング装
置、ウエットエッチング方法の好適な実施形態について
詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素
には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、
図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していな
い。
エットエッチング装置の構成について説明する。図1
は、厚み計測装置、及びそれを備えるウエットエッチン
グ装置の一実施形態を示す構成図である。このウエット
エッチング装置は、厚み計測装置Aと、厚み計測装置A
を除く通常のウエットエッチング装置B(以下、この装
置部分を単にウエットエッチング装置Bという)とを備
えて構成されている。
ウエハWに計測光を照射し、半導体ウエハWからの反射
光及び参照光を干渉させた干渉光の光強度変化を利用し
て半導体ウエハWの厚みを計測するように構成された非
接触式の厚み計である。厚み計測に用いる計測光は、所
定の計測時刻において、計測光源11によって供給さ
れ、計測光源11から出力された計測光は、入力用光フ
ァイバ11aを介してファイバカプラからなる光カプラ
12に入力される。計測光源11としては、低コヒーレ
ンス光源(例えば波長1.3μmの光を発生させるSL
Dなど)を用いることが好ましい。計測光の波長として
は、半導体ウエハWやエッチング液などを充分に透過す
る波長を選択する。
光を分岐させる光分岐手段として機能し、光カプラ12
に入力された計測光は、計測用光路に向かう計測用光フ
ァイバ13a、及び参照用光路に向かう参照用光ファイ
バ14aに分岐される。分岐された計測光は、それぞれ
厚みを計測するためのプローブヘッド13、及び参照光
を生成するための参照光生成部14に入力される。
エハWへと照射するための光出力手段、及び半導体ウエ
ハWまたはエッチング液などによって計測光が反射され
た反射光を再び入力するための光入力手段として機能す
る光入出力手段である。光カプラ12で分岐された光の
うち、光ファイバ13a側に分岐された計測光は、プロ
ーブヘッド13から半導体ウエハWへと出力され、半導
体ウエハWに対して上面側のエッチング面から照射され
る。この計測光には、上記したように半導体ウエハWな
どを充分に透過する波長の光が用いられているが、その
一部は各界面において反射されて、その反射光が再びプ
ローブヘッド13に到達する。プローブヘッド13に到
達して再入力された反射光は、光ファイバ13aを介し
て光カプラ12に入力される。
体ウエハWなどからの反射光との干渉光によって厚み
(光路長)を測定するための参照光が生成される。光カ
プラ12で光ファイバ14a側に分岐された計測光は、
光ファイバ14aの出力端と、反射ミラー14cとの間
に配置された光路長変調光学系からなる参照用光路14
bを通過して、半導体ウエハWなどからの反射光の光路
長(反射光路長)に対する参照光の光路長(参照光路
長)が設定された参照光となる。
の出力端から出力された計測光は、平行平面ガラス基板
14dを透過し、反射ミラー14cに到達して反射され
る。反射ミラー14cからの反射光は、再びガラス基板
14dを逆方向に透過して、適当な参照光路長が設定さ
れた参照光として、光ファイバ14aを介して光カプラ
12に入力される。
4bの光路長が可変に構成されている。すなわち、参照
用光路14b上にあるガラス基板14dは、ガルバノメ
ータ14eに取り付けられている。ガルバノメータ14
eは、参照光路長制御部17からの周期的な信号に基づ
いて動作し、これによって、参照用光路14bに対する
ガラス基板14dの傾きが周期的に変化する。このと
き、参照用光路14bの方向で見たガラス基板14dの
厚さが変化するので、これによって、参照用光路14b
の光路長が周期的に変化して、反射光路長に対する参照
光路長(反射光に対する参照光のタイミング)が周期的
にスキャンされる。
11からの計測光を分岐させる光分岐手段であるととも
に、プローブヘッド13からの反射光、及び参照光生成
部14からの参照光を結合させる光結合手段としても機
能する。半導体ウエハWなどで反射されてプローブヘッ
ド13に戻って入力された反射光、及び参照光生成部1
4において参照光路長が設定された参照光は、光カプラ
12で結合されて干渉光となり、出力用光ファイバ15
aを介してフォトダイオード(PD)などの光検出器1
5に入力されて検出される。
等は、厚み算出部16において処理され、それらのデー
タに基づいて半導体ウエハWの厚みが算出される。本実
施形態における厚み算出部16は、計測時刻のそれぞれ
において、干渉光のデータ等から厚み値(生厚み値)を
算出する生厚み値算出部16bと、複数の計測時刻で得
られた生厚み値を統計処理して、統計厚み値を算出する
統計厚み値算出部16cと、を有して構成されている。
られた検出信号は、厚み算出部16の信号処理回路16
aを介して生厚み値算出部16bに入力される。この光
検出器15からの検出信号によって、干渉光の光強度の
データが得られる。また、参照光路長制御部17からの
ガルバノメータ14e(ガラス基板14d)の角度信号
も、同様に信号処理回路16aを介して生厚み値算出部
16bに入力されている。この角度信号から、参照用光
路14bにおける参照光路長、またはその光路長変化量
のデータが得られる。
時刻において、これらの光強度データ、及び参照光路長
データから、干渉光の光強度の参照光路長による変化
(相関)を示す光強度分布が作成される。そして、得ら
れた光強度分布を用い、光強度分布上で特定される複数
の光強度ピークから、所定の選択基準を適用して選択さ
れた2本の光強度ピークを利用して、半導体ウエハWの
生厚み値が算出される。
値は、必要に応じて、さらに、統計厚み値算出部16c
に入力される。統計厚み値算出部16cにおいては、複
数の計測時刻にそれぞれ求められた生厚み値の時間変化
に対して、直線近似計算(フィッティング)によって厚
み変化直線が決定され、この厚み変化直線から統計厚み
値が算出される。
それに対応して生成される光強度分布の光強度ピーク及
びその選択基準、生厚み値及び統計厚み値の算出方法な
ど、半導体ウエハWの厚み計測の詳細については、後述
する。
処理の対象(厚み計測装置Aの計測対象)である半導体
ウエハWの一方の表面(図1中の上面、以下、エッチン
グ面という)を、エッチング液によってウエットエッチ
ングするように構成されている。
の面側に配置されたガラス基板などからなる保持基板2
1によって保持された状態で、回転台22上に固定され
る。回転台22は、回転駆動部23によって回転駆動さ
れ、これによって、ウエットエッチング中に半導体ウエ
ハWが回転される。半導体ウエハWがパターン付である
場合には、パターンのある面が保持基板21側とされ、
パターンとは反対側の面をエッチング面としてウエット
エッチングが行われる。
ング液の供給は、エッチング液供給部24によって行わ
れる。エッチング液供給部24は、半導体ウエハWに対
するエッチング液の供給及び停止、または洗浄水の供給
などを行う。このエッチング液供給部24によって、回
転している半導体ウエハWのエッチング面にノズル24
aからエッチング液が供給されると、供給されたエッチ
ング液は半導体ウエハWの表面上で薄いエッチング液層
Eを形成し、このエッチング液層Eによって、半導体ウ
エハWの表面がウエットエッチングされる。
持基板21、及び半導体ウエハWの回転駆動部23によ
る回転と、エッチング液供給部24による半導体ウエハ
Wのエッチング面へのエッチング液または洗浄液の供給
及び停止は、エッチング制御部25によって制御され
る。
回転台22上に保持基板21とともに載置された半導体
ウエハWのエッチング面の所定部位に対向する位置に、
エッチング面に向けて照射される計測光の光路がエッチ
ング面に対して略垂直になるように設置される。このと
き、垂直に照射された計測光が半導体ウエハWなどによ
って反射された反射光が、効率的にプローブヘッド13
に再入力される。
等の腐食を防止するため、プローブヘッド13にはエッ
チング液に耐性のある塩化ビニルなどの透明シートを保
護膜として設けておくことが好ましい。または、プロー
ブヘッド13の先端に円筒を取り付け、その内部を加圧
することによってエッチング液の付着を防いでも良い。
チング装置Bからなる図1のウエットエッチング装置を
用いた半導体ウエハWのウエットエッチング方法につい
て、一例をあげて説明しておく。
エハWを、回転台22上に載置する。そして、エッチン
グ制御部25からの指示信号に基づいて回転台22の回
転駆動が開始される。続いて、エッチング液供給部24
に対して半導体ウエハWのエッチング面へのエッチング
液の供給が指示されて、半導体ウエハWのウエットエッ
チングが開始される(エッチング開始ステップ)。
計測装置Aによって半導体ウエハWの厚みが計測される
(厚み計測ステップ)。厚み計測は、操作者から指示さ
れた計測時刻、または、あらかじめ設定されている計測
時刻で自動的に行われる。そして、それぞれの計測時刻
で取得された厚みデータから、生厚み値算出部16bに
おいて、生厚み値が算出される。また、必要があれば、
各計測時刻で算出された生厚み値から、統計厚み値算出
部16cにおいて、厚みの時間変化を示す厚み変化直
線、及び統計処理がされた統計厚み値が算出される。
変化直線及び統計厚み値から、実行中のウエットエッチ
ング工程における半導体ウエハWの厚み、あるいはさら
にその時間変化が評価される。厚みの評価については、
例えば厚み計測装置Aの厚み算出部16において自動的
に評価を行うことが可能である。または、厚み算出部1
6に表示装置(ディスプレイ)を接続しておき、得られ
た厚みデータをこの表示装置に表示させて、表示された
データに基づいて操作者が評価する構成としても良い。
ら、エッチング制御部25からの指示信号によって、エ
ッチング液供給部24によるエッチング液の供給が停止
される。続いて、所定時間にわたって洗浄水が半導体ウ
エハWのエッチング面に供給されて、半導体ウエハWが
洗浄される。洗浄水の供給を停止して半導体ウエハWの
洗浄が終了した後、さらに所定時間、回転台22を回転
駆動して半導体ウエハWのエッチング面から洗浄水を除
去する。そして、洗浄水の除去が終了したら、回転駆動
部23による回転台22の回転が停止されて、半導体ウ
エハWのウエットエッチングの全工程を終了する(エッ
チング終了ステップ)。
としては、あらかじめ与えられたエッチング時間やエッ
チングレートのデータに基づいて決定しても良いが、厚
み計測装置Aによって計測された半導体ウエハWの厚み
の時間変化(例えば、厚み変化直線)から、あらかじめ
設定されている終点厚みに基づいて、終了時刻を算出し
て用いることが好ましい(終了時刻算出ステップ)。
部16で自動的に求める構成としても良いし、表示装置
に表示されたデータから操作者が判断することも可能で
ある。なお、厚み算出部16において終了時刻が求めら
れる場合には、終了時刻を指示する終了指示信号を厚み
算出部16から出力し、その終了指示信号に基づいてエ
ッチング制御部25がウエットエッチングの終了制御を
行う構成とすることができる。
る、各計測時刻での半導体ウエハWの厚みの計測及び算
出方法について説明する。
渉光強度の相関を示す光強度分布を用いた、生厚み値の
計測方法について説明する。図2は、図1に示したウエ
ットエッチング装置における半導体ウエハWの厚みの計
測方法について模式的に示した図であり、図2(a)
は、半導体ウエハWへの計測光の照射、及びプローブヘ
ッド13への反射光の再入力について示す側面断面図、
図2(b)は、光検出器15において得られる干渉光の
光強度分布を示すグラフである。なお、図2(a)にお
いては、図の見易さのため、半導体ウエハWに照射され
る計測光の光路、及びプローブヘッド13への反射光の
光路を、それぞれ位置をずらして示してある。
13から出力された計測光L0は、エッチング液層E、
半導体ウエハW、及び保持基板21を順次透過していく
とともに、それらの隣接する層の各界面において計測光
L0の一部がそれぞれ反射される。すなわち、エッチン
グ液層Eの表面から反射光L1が、半導体ウエハWの上
面から反射光L2が、半導体ウエハWの下面から反射光
L3が、また、保持基板21の下面から反射光L4がそ
れぞれ反射され、プローブヘッド13へと戻って再入力
される。
(a)に示されているように反射された界面によってそ
れぞれ異なる反射光路長を通過しており、プローブヘッ
ド13から光カプラ12を介して光検出器15に入力さ
れるタイミングが異なる。これに対して、参照光生成部
14において参照用光路14bの光路長を上述したよう
に周期的に変化させて、参照光路長(参照光の反射光に
対するタイミング)をスキャンする。
L4が反射された各界面までの光路長と、光カプラ12
から反射ミラー14cまでの光路長とが一致すると、光
路長及びタイミングが一致した反射光と参照光とが干渉
によって強め合い、光検出器15において大きい光強度
の干渉光が検出される。
参照光路長(光路長変化量)と干渉光強度の相関を示す
光強度分布を、図2(a)の断面図と対応させて図2
(b)に示す。このグラフにおいて、一方の軸はスキャ
ンされた参照用光路14bの光路長変化量、他方の軸は
光検出器15によって検出された干渉光の光強度を示し
ている。なお、参照光路長(光路長変化量)及び光路長
差は、エッチング液層E、半導体ウエハW、及び保持基
板21のそれぞれにおける屈折率の違いによって必ずし
もそれぞれの厚みにはそのままは対応しないが、図2に
おいては、説明のために屈折率の違いがないものとし
て、断面図及びグラフを対応させて図示している。
変化量を小さい方から大きくする(参照光路長を大きく
する)方向にスキャンしていくと、エッチング液層E表
面からの反射光L1に対応する光強度ピークP1(液面
ピークP1)、半導体ウエハWの上面(エッチング面)
からの反射光L2に対応する光強度ピークP2(ウエハ
上面ピークP2)、半導体ウエハWの下面からの反射光
L3に対応する光強度ピークP3(ウエハ下面ピークP
3)、及び保持基板21の下面からの反射光L4に対応
する光強度ピークP4(基板下面ピークP4)が順次得
られる。
値算出部16b(厚み算出部16)において、図2
(b)に示す光強度分布上での複数の光強度ピークか
ら、所定の選択基準によって、ウエハ上面ピークP2及
びウエハ下面ピークP3に対応する2本の光強度ピーク
を選択する。
ウエハ下面ピークP3との間の参照光路長の光路長差
は、半導体ウエハWの上面から下面までの光路長差に相
当している。したがって、この2本の光強度ピークP
2、P3の間の光路長差から、半導体ウエハWの厚み
(生厚み値)を算出することができる。
とその時間変化を計測するのではなく、上記のように2
本の光強度ピークP2、P3を用いる計測方法によっ
て、半導体ウエハWの厚みをより直接的に正しく計測で
きる。さらに、半導体ウエハWのエッチング面上にエッ
チング液が流れているウエットエッチングの実行中での
厚み計測が、エッチング液の存在にかかわらず可能とな
る。
クP3の選択については、具体的には、光強度が最大で
ある光強度ピーク(以下、最大ピークという)をウエハ
上面ピークP2として選択する。図2(b)に示した光
強度分布上の光強度ピークP1〜P4では、ほとんどの
場合、ノイズピークをも含めて、最大ピークがウエハ上
面ピークP2である。したがって、上記の選択方法によ
れば、確実かつ簡単にウエハ上面ピークP2を選択する
ことができる。
の光強度は、半導体ウエハWやエッチング液層Eの状態
などによって変動する。例えば、上記した半導体ウエハ
W上のエッチング液層Eの状態の変化により、その厚み
のみでなく、エッチング液層E表面の角度が変動する場
合がある。このとき、計測光の光路に対するエッチング
液層E表面の角度が変わるので、エッチング液層E表面
からプローブヘッド13に到達する反射光L1の光強度
が変化する。また、半導体ウエハWとして用いられてい
る物質(Si、GaAs、Doped Siなど)や、
保持基板21の材質などによっても、各光強度ピークの
光強度比が異なってくる。
などが変化した場合でも、各界面での反射特性やそれら
の位置関係から、ウエハ上面ピークP2が最大ピークで
あることは変わらない。したがって、光強度分布での最
大ピークを選択することによって、ウエハ上面ピークP
2を確実かつ簡単に選択することができる。なお、光強
度分布に大きいノイズピークを生じて、それがウエハ上
面ピークP2として誤認されることもあり得るが、その
ような確率は極めて低い。また、そのような誤認を生じ
た場合には異常な生厚み値が得られるので、明らかに異
常な生厚み値等が除外されるようにしておけば、厚み評
価に対して与える影響は小さい。
差は、半導体ウエハWの光学的厚みに相当する。したが
って、最終的な生厚み値は、得られた光路長差を半導体
ウエハの屈折率で割ることによって求められる。この生
厚み値の算出に用いられる半導体ウエハWの屈折率の値
は、屈折率が既知のものであれば、その値を用いれば良
い。また、必要があれば、マイクロゲージや顕微鏡など
を用いた他の方法で厚みが計測されたウエハであらかじ
め屈折率を測定しておき、その値を用いることが好まし
い。
グの実行中において、リアルタイムに、半導体ウエハW
の厚みの計測が可能な非接触式の厚み計測装置、及びそ
れを備えるウエットエッチング装置、ウエットエッチン
グ方法が実現される。また、所定の時間間隔をおいて計
測光源11から計測光を供給して、複数の計測時刻でそ
れぞれ厚み計測を行えば、ウエットエッチング中におけ
る半導体ウエハWの厚みの時間変化が求められ、それに
よるウエットエッチングの制御が可能となる。
Eの状態は、ノズル24aから流出されているエッチン
グ液のエッチング面上での流れ方などによって変化す
る。このとき、エッチング液層Eの厚みが時間とともに
変動し、これによって、光強度ピークP1、P2の光路
長差が変化する。
がシフトするだけでなく、エッチング液層Eが持つ屈折
率のため、プローブヘッド13から半導体ウエハWまで
の光路長が変化する。したがって、光強度ピークP2、
P3なども同様にそのピーク位置がシフトする。この場
合においても、半導体ウエハWの上面よりも下方(半導
体ウエハW及び保持基板21)に相当する光強度分布は
全体として同じだけシフトするので、光強度ピークP
2、P3の光路長差などの各光路長差は、ピーク位置の
シフトには影響されない。
反対の面にパターンが付いている場合には、パターンよ
りも計測光のビーム径が小さければ各パターン部位での
厚みが、また、パターンよりもビーム径が大きければビ
ーム範囲内での平均的な厚みが求められる。また、図1
に示したウエットエッチング装置では、エッチング中に
は半導体ウエハWが回転されているため、この場合、厚
み計測では平均的な厚みを計測することになる。
P2及びウエハ下面ピークP3の選択においては、必要
に応じて、ピーク選択の処理に先立って、生厚み値の算
出に使用する光路長範囲や、光強度ピークを特定するた
めの光強度の閾値(スレッショルド)などの条件を適用
しても良い。
クがスキャンされる光路長範囲は、参照光生成部14に
おける参照用光路14bでの光路長のスキャン範囲によ
って設定される。これに対して、必要があれば、スキャ
ンされた光路長範囲から、光強度ピークの選択に用いる
光路長範囲をさらに設定しても良い。このような光路長
範囲としては、図2(b)に示す光路長範囲R1または
R2など、ウエハ上面ピークP2及びウエハ下面ピーク
P3を含むとともに、その外側の余分な範囲を除外する
光路長範囲を設定することが好ましい。
に点線で示す光強度Ptなどの適当な光強度を閾値とし
て設定して、ノイズ信号による小さい光強度ピークなど
の余分なピークを除外することが好ましい。
条件は、厚み算出部16にあらかじめ与えておいても良
いし、または、厚み算出部16に接続された表示装置に
表示された光強度分布から、操作者がマウスカーソルの
操作などによって選択して指示することも可能である。
Wの厚みの計測方法について、その一例を厚み計測装置
Aの動作とともに説明する。図3は、図1に示した厚み
計測装置Aによる厚み計測方法の一実施形態を概略的に
示すフローチャートである。
体ウエハWの厚みを計測する各計測時刻に対して、短い
時間間隔で連続する複数の厚み取得時刻を設定してい
る。そして、その厚み取得時刻のそれぞれに、計測光源
11から計測光を供給するとともに、各厚み取得時刻に
おいて取得された光強度データ及び参照光路長データか
ら光強度分布(以下、個別光強度分布という)を作成
し、得られた複数の個別光強度分布を用いて、その計測
時刻に対する生厚み値を算出している。
計測時刻における厚みの計測及び算出について示してい
る。また、各厚み取得時刻についての短い時間間隔と
は、ウエットエッチングのエッチングレートに比べて充
分に短く、半導体ウエハWの厚みが一定とみなせる時間
間隔をいう。この時間間隔は、それぞれの場合でのエッ
チング条件等から設定される。具体的には、例えば10
ms程度に設定される。
する厚み取得時刻のそれぞれに、計測光源11から計測
光を供給し、複数回の厚みデータ取得を行う(ステップ
S101)。このとき、厚み算出部16の生厚み値算出
部16bにおいて、それぞれの厚みデータ取得に対応す
る複数の個別光強度分布が作成される。
いて取得された個別光強度分布を積算し、積算光強度分
布を作成する(S102)。そして、その積算光強度分
布上での複数の光強度ピークから、所定の選択基準によ
って、ウエハ上面ピークP2及びウエハ下面ピークP3
の2本の光強度ピークを選択する(S103)。
参照光路長の光路長差から、生厚み値算出部16bにお
いて、その計測時刻での半導体ウエハWの生厚み値が算
出される(S104)。また、それらの生厚み値を用い
て、統計厚み値算出部16cにおいて、直線近似計算に
よって厚み変化直線が決定され、統計厚み値が算出され
る(S105)。
厚み値)が算出されたら、その計測時刻において、終点
厚みに到達しているかどうかが判断される(S10
6)。終点厚みに到達していなければ、次の計測時刻
に、再び同様にして半導体ウエハWの厚み計測が行われ
る。終点厚みに到達していれば、半導体ウエハWのウエ
ットエッチングを終了するとともに、半導体ウエハWの
厚み計測をすべて終了する。
み値の統計的ばらつきが充分に小さい場合には、統計厚
み値を算出せずに生厚み値をそのまま用いても良い。ま
た、統計厚み値の算出は、最初の計測時刻から規定時間
が経過し、充分な数の生厚み値データが得られた後の計
測時刻において行うこととし、規定時刻に達するまでは
生厚み値の算出のみとすることが好ましい。
した厚み計測方法では、各計測時刻において複数回の厚
みデータ取得を行うとともに、それぞれの厚み取得時刻
で得られた個別光強度分布を積算し、得られた積算光強
度分布から生厚み値を算出している。これによって、各
計測時刻において算出される生厚み値の精度を向上する
ことができる。
エハ上面ピークP2及びウエハ下面ピークP3(図2
(b)参照)のうち、ウエハ下面ピークP3は、ウエハ
上面ピークP2に比べてやや光強度が小さいものの、シ
リコンベアウエハなどでは、ノイズピークに比べて充分
に大きい。
測対象とした場合、半導体ウエハWの下面側に形成され
たパターンでの散乱などによって、ウエハ下面ピークP
3の光強度がさらに弱くなる。このとき、ウエハ下面ピ
ークP3の選択が困難となったり、あるいは、ウエハ下
面ピークP3がノイズに埋もれてノイズピークがウエハ
下面ピークP3として誤認されてしまい、誤った生厚み
値が算出される場合がある。
いては、各計測時刻で、半導体ウエハWの厚みが一定と
みなせる時間範囲内で複数回の厚みデータ取得を行い、
それぞれの厚みデータから得られた個別光強度分布を積
算して、生厚み値の算出に用いている。
分布で異なる位置となるため、積算によって相対的に小
さくなるのに対して、ウエハ下面ピークP3は、ほぼ同
じ位置となるので、積算によって光強度分布上で強調さ
れることとなる。したがって、このように複数の個別光
強度分布を積算した積算光強度分布を用いることによっ
て、光強度分布のS/N比などの統計精度が改善され
て、各計測時刻において算出される生厚み値の精度が向
上される。特に、ウエハ下面ピークP3の誤認よる誤っ
た生厚み値の算出が防止される。
ついては、短時間の間に連続的に厚みデータ取得を行っ
ているため、ウエットエッチングの進行の影響を受ける
ことなく、光強度分布を積算することができる。
タの取得については、ハードウエアのメモリ上にそれら
の厚みデータを蓄積し、複数回の厚みデータ取得をすべ
て終了した後に転送することが可能である。あるいは、
1回の厚みデータ取得ごとに転送を行い、それを繰り返
しても良い。
ついて、さらに具体的に説明する。図4は、図3に示し
たフローチャートにおけるステップS102での光強度
分布の積算方法について、その一例を示すフローチャー
トである。
光強度分布について、光強度が最大である最大ピークを
選択する(ステップS201)。ここで、この最大ピー
クの選択は、上述したように、それぞれの個別光強度分
布において、ウエハ上面ピークP2を選択していること
に相当する。
みデータ(1番目の厚み取得時刻に取得された厚みデー
タ)であるかが判断される(S202)。1番目の厚み
データであれば、その個別光強度分布は、2番目以降の
個別光強度分布が積算される積算光強度分布の元となる
光強度分布であるので、その個別光強度分布をそのまま
積算光強度分布とする。また、この1番目の個別光強度
分布は、以下の各処理における基準光強度分布として用
いられる。
その個別光強度分布の積算を開始する。まず、個別光強
度分布の光路長データのシフト処理を行う(S20
3)。積算しようとする個別光強度分布上で選択された
最大ピークの位置(光路長値)と、1番目の基準光強度
分布上での最大ピークの位置とを比較し、それらが一致
するように、個別光強度分布の光路長データ(図2
(b)に示すグラフの「光路長変化量」軸)をシフトさ
せる。
間処理を行う(S204)。上記のように、最大ピーク
の位置が基準光強度分布と一致するように個別光強度分
布をシフトさせた場合でも、データのチャンネル間隔の
リニアリティなどの問題から、各個別光強度分布のデー
タにおけるチャンネルと、光路長データとが正しく対応
していない場合がある。このような対応のずれを、光強
度データ(図2(b)に示すグラフの「干渉光強度」
軸)の補間によって解消する。また、上記した個別光強
度分布のシフトによって、データの先頭または最後尾に
データの欠落を生じている場合には、そのデータを適当
に補充しておく。
たら、その個別光強度分布を積算光強度分布に積算する
(S205)。そして、その計測時刻で取得されたすべ
ての個別光強度分布の積算を終了したかどうかが判断さ
れ(S206)、積算が終了していなければ、次の個別
光強度分布の積算を実行する。積算が終了していれば、
積算光強度分布について平均を算出した後(S20
7)、光強度分布の積算を終了する。
は、それぞれの個別光強度分布において、最大ピークを
ウエハ上面ピークP2として選択し、その位置を基準と
して個別光強度分布の積算を行っている。このとき、ウ
エハ上面ピークP2の位置が互いに一致するように個別
光強度分布が変換された後に、それらの積算が行われる
こととなるので、積算光強度分布において半導体ウエハ
Wの生厚み値を正確に算出することができる。
導体ウエハW上のエッチング液層Eの厚みは、ノズル2
4aから流出されているエッチング液のエッチング面上
での流れ方などによって変化し、このため、各光強度ピ
ークの光強度分布における位置(光路長値)が変動する
場合がある。また、回転駆動部23による回転によっ
て、半導体ウエハWの上面位置が振動することによって
も、各光強度ピークの位置が変動する。さらに、各厚み
データにおけるチャンネル間隔と光路長データとの対応
の問題もある。
して、適当な変換処理を行わずにそのまま積算すると、
各光強度ピークの位置のずれなどによってピークの半値
幅が大きくなったり、複数のピークに別れてしまうなど
の問題を生じる。したがって、複数の厚み取得時刻で厚
みデータ取得を行っても、単純な積算では、それによる
統計改善の効果が充分に得られない場合がある。
フト処理及び補間処理を行った後に、それらの積算を行
う上記の積算方法では、それぞれの個別光強度分布での
光強度ピークが、互いに正確に重なるように積算が行わ
れる。したがって、複数の個別光強度分布の積算による
統計改善の効果を充分に得ることができる。また、ウエ
ハ上面ピークP2を基準として個別光強度分布を変換し
ておけば、ウエハ上面ピークP2とウエハ下面ピークP
3との間隔がほとんど変化しないように厚み取得時刻の
時間間隔が設定されているので、ウエハ下面ピークP3
の位置についても同様に一致される。
ークからのウエハ上面ピーク及びウエハ下面ピークの選
択方法について説明する。図5は、図3に示したフロー
チャートにおけるステップS103での光強度ピークの
選択方法について、その一例を示すフローチャートであ
る。
における最大ピークを、ウエハ上面ピークP2として選
択する(ステップS301)。ここで、選択されたウエ
ハ上面ピークP2の光路長データ=X2とする(図2
(b)参照)。なお、最大ピークとウエハ上面ピークP
2との対応については、図2(b)及び光強度分布の積
算方法に関して上述した通りである。
置X2を基準として、積算光強度分布上におけるウエハ
下面ピークP3の位置(光路長データ=X3)の予測を
行う(S302)。具体的には、ウエハ下面ピークP3
が位置する光路長値として予測される光路長期待値EX
3と、光路長期待値EX3を中心としたウエハ下面ピー
クP3の位置範囲として許容される光路長範囲ΔEX3
とが設定される(S303、S304)。
半導体ウエハWの厚みThとして予測される厚み期待値
EThから、 EX3=X2+ETh として設定される。また、光路長範囲ΔEX3は、ウエ
ハ下面ピークP3の位置の統計的ばらつきなどを考慮し
て、適当な範囲に設定される。
たら、積算光強度分布からウエハ下面ピークP3の選択
を行う(S305)。このウエハ下面ピークP3の選択
は、その位置として予測された光路長期待値から光路長
範囲内、すなわち、 EX3 ± ΔEX3 の位置範囲(下限値=EX3−ΔEX3、上限値=EX
3+ΔEX3)内で行われる。具体的には、設定された
閾値(例えば図2(b)に示した光強度の閾値Pt)よ
りも大きい光強度を有するとともに、上記した位置範囲
内で光強度が最大となる最大ピークを、ウエハ下面ピー
クP3として選択する。以上によって、ウエハ上面ピー
クP2及びウエハ下面ピークP3の選択を終了する。
クが閾値以下であった場合、及び閾値以上の光強度ピー
クが予測された位置範囲外にあった場合には、ウエハ下
面ピークP3が検出されなかったものとして扱う。この
場合には、生厚み値の算出は行われない。ただし、閾値
の条件については、その適用を行わずに、最大ピークの
条件のみによってウエハ下面ピークP3の選択を行って
も良い。
は、最初に積算光強度分布における最大ピークをウエハ
上面ピークP2として選択するとともに、そのウエハ上
面ピークP2の位置X2を基準としてウエハ下面ピーク
P3の位置X3を予測し、予測された位置範囲(光路長
範囲)内でウエハ下面ピークP3の選択を行うこととし
ている。
クP2と比べて光強度が小さく、計測条件によっては、
ノイズピークなどがウエハ下面ピークP3として誤認さ
れる場合がある。これに対して、この厚み計測方法で
は、複数の個別光強度分布を積算することによって、ウ
エハ下面ピークの誤認が防止されている。さらに、上記
のように、予測された範囲内に限定してウエハ下面ピー
クP3の選択を行うことによって、ウエハ下面ピークP
3をより正確に選択することができる。
て、さらに具体的に説明する。図6は、図5に示したフ
ローチャートにおけるステップS302(S303、S
304)でのウエハ下面ピークの位置予測方法につい
て、その一例を示すフローチャートである。
定の時間間隔をおいた複数の計測時刻のそれぞれにおい
て、その計測時刻に対して設定された連続する複数の厚
み取得時刻のそれぞれに計測光源11から計測光を供給
して、半導体ウエハWの厚み計測を実行している。そし
て、厚み算出部16の統計厚み値算出部16cにおい
て、最初の計測時刻から規定時間が経過して充分な厚み
データが蓄積された後の計測時刻のそれぞれで、複数の
生厚み値の時間変化に対して、直線近似計算による厚み
変化直線の決定、及びその厚み変化直線からの統計厚み
値の算出を行っている。
るウエハ下面ピークP3の位置予測が行われる計測時刻
をtm、その前回の計測時刻をtn(tn<tm)とす
る。また、前回の計測時刻tnにおいて決定された時刻
tの関数である厚み変化直線をFThtn(t)、許容数
値範囲をΔThとする。
mにおいて、最初の計測時刻から規定時間が経過して、
統計厚み値の算出が行われているかどうかが判断される
(ステップS401)。
あらかじめ設定されている条件を用いて、ウエハ下面ピ
ークP3の位置予測を行う(S402)。設定されてい
る条件としては、初期厚み=ITh、初期厚み範囲=Δ
ITh、エッチングレート=ERがある。
P3の位置X3に対する光路長期待値EX3及び光路長
範囲ΔEX3を設定する。このとき、光路長期待値EX
3は、次式 EX3=X2+ITh−tm×ER によって設定される(S403、S303)。また、光
路長範囲ΔEX3は、 ΔEX3=ΔITh によって設定される(S404、S304)。
ば、前回の計測時刻tnまでに算出されている厚み変化
直線FThtn(t)及び許容数値範囲ΔThを用いて、
ウエハ下面ピークP3の位置予測を行う(S405)。
P3の位置X3に対する光路長期待値EX3及び光路長
範囲ΔEX3を設定する。このとき、光路長期待値EX
3は、次式 EX3=X2+FThtn(tm) によって設定される(S406、S303)。また、光
路長範囲ΔEX3は、 ΔEX3=ΔTh によって設定される(S407、S304)。以上によ
って、光路長期待値EX3及び光路長範囲ΔEX3の設
定によるウエハ下面ピークP3の位置予測を終了する。
方法においては、統計厚み値の算出が開始される規定時
間の経過前後で、その予測方法を変更している。これに
よって、規定時間の経過後には、計測された厚みデータ
を用いて最適に位置予測を行うことができる。また、規
定時間の経過前には、厚み変化直線等が求められていな
くても、適切な範囲で位置予測を行うことができる。
Th、初期厚み範囲ΔITh、及びエッチングレートE
Rについては、操作者が適当な数値を入力して与えても
良い。あるいは、過去の計測データからの数値を用いる
ことも可能である。
直線の決定方法、統計厚み値の算出方法、及びウエット
エッチングの終了時刻の決定方法について説明する。図
7は、図1に示したウエットエッチング装置における厚
み計測方法及びウエットエッチング方法での生厚み値の
統計処理方法について、その一例を示すフローチャート
である。
よる半導体ウエハWの厚み計測について、所定の時間間
隔をおいた複数の計測時刻で厚み計測を行っているもの
とする。各計測時刻における厚み計測方法については、
具体的には、図3〜図6について上述した通りである。
ウエハWに対するウエットエッチングが開始されたら、
複数の計測時刻tのそれぞれで、厚み計測が行われる
(ステップS501)。計測時刻を指示する時間間隔と
しては、例えば、全体のエッチング時間1〜2分に対し
て5Hzの時間間隔など、エッチング時間やエッチング
レートに応じて適宜設定して、その各計測時刻で自動的
に厚み計測を実行することが好ましい。また、エッチン
グ時間の全体に対して一定の時間間隔でも良いし、異な
る時間間隔としても良い。
設定された複数の厚み取得時刻のそれぞれに計測光が供
給されて、厚み計測が実行されたら、光検出器15及び
参照光路長制御部17からの各データが、厚み算出部1
6の信号処理回路16aを介して生厚み値算出部16b
に入力される。
別光強度分布が作成されるとともに、それらの個別光強
度分布が積算されて積算光強度分布とされる。そして、
その積算光強度分布から選択された2本の光強度ピーク
を用いて、その計測時刻tにおける生厚み値RTh
(t)が算出される(S502)。ここで、予測された
位置範囲内でウエハ下面ピークP3が選択されなかった
場合など、生厚み値を正しく算出できなかった場合に
は、RTh(t)=0μmとして、その生厚み値を無効
とする。
規定時間以上となったかどうかを判断し(S503)、
規定時間未満であれば、厚み計測の実行及び生厚み値の
算出を繰り返す。一方、規定時間に到達していれば、生
厚み値に対する統計処理を開始する。この規定時間は、
半導体ウエハWの厚み評価に充分な生厚み値データの統
計点数が得られたかどうかを判断するための時間であ
り、最初の計測時刻からの経過時間幅、あるいは、厚み
計測が行われた計測回数などによって指定される。以下
においては、最初の計測時刻からの時間幅Tcを規定時
間とする。
に到達していると判断されたら、続いて、生厚み値に対
する許容数値範囲が設定済みであるかどうかを判断する
(S504)。許容数値範囲が設定されていなければ、
最初の計測時刻から規定時間Tcが経過した後の1回目
の計測時刻であるので、許容数値範囲の設定を実行す
る。
囲の設定方法(S505〜S506)について、図8及
び図9に模式的に示すグラフを参照しつつ説明する。こ
こで、以下に示す図8〜図11のグラフにおいては、そ
れぞれ横軸はエッチング時間t(=計測時刻t)を示
し、縦軸は各時刻での半導体ウエハWの厚みThを示し
ている。
ぞれで算出された生厚み値RTh(t)については、そ
れぞれのグラフの段階で有効となっているものを黒丸で
図示している。一方、無効となっているものについて
は、白丸で図示するか、あるいはグラフの見易さのため
図示を省略している。また、ウエットエッチングの目標
としてあらかじめ設定された半導体ウエハWの終点厚み
Th0を、それぞれ横軸に平行な点線によって示してあ
る。
に到達した1回目の計測時刻tnに対して、その計測時
刻tnまでに計測及び算出が行われた生厚み値の分布及
び時間変化の一例を示すグラフである。各計測時刻での
生厚み値のデータのうち、RTh(t)=0μmとなっ
ている3データ点の生厚み値は、光強度ピークが正しく
選択されず、無効とされているデータ(白丸)である。
許容数値範囲の設定は、それ以外の有効とされているデ
ータ(黒丸)を用いて実行される。
値RTh(t)の時間変化に対して、データ選別を行う
(S505)。データ選別では、生厚み値RTh(t)
のデータに対して直線近似計算(例えば最小二乗法など
のフィッティング計算)を実行して、データ選別用の厚
み変化直線及び数値範囲(選別数値範囲)を求め、選別
数値範囲外の生厚み値RTh(t)を無効とすることに
よってデータを選別する。このデータ選別は、必要に応
じて、所定回数(例えば2回)だけ行われる。
有効となっている生厚み値RTh(t)のデータの時間
変化から、図9に示すように、厚み変化直線FTh
tn(t)の算出、及び許容数値範囲ΔThの設定を行う
(S506)。この許容数値範囲ΔThは、以後の各計
測時刻における生厚み値の有効または無効の判定に用い
られる。また、これらの厚み変化直線FThtn(t)及
び許容数値範囲ΔThは、図6のフローチャートに示す
ように、ウエハ下面ピークP3の位置予測にも用いられ
る。ここで、厚み変化直線の下付添字tnは、その厚み
変化直線が計測時刻tnで決定された厚み変化直線であ
ることを示している。
のデータ(図9に黒丸で示されている8データ点)に対
して直線近似計算を実行して、生厚み値の時間変化を示
す厚み変化直線FThtn(t)を決定する。そして、こ
の厚み変化直線FThtn(t)に対して、この段階で有
効とされている生厚み値RTh(t)の標準偏差などの
ばらつき値σを算出する。一方、許容数値範囲ΔThを
求めるための許容定数ΔThcがあらかじめ設定されて
いる。これらの数値から許容数値範囲ΔThは、ΔTh
=σ×ΔThcとして設定される。計測時刻tnでの厚
み変化直線FThtn(t)の決定、及び許容数値範囲Δ
Thの設定が終了したら、次の厚み計測の実行及び生厚
み値の算出に移行する。
た後の2回目以降の計測時刻では、許容数値範囲が設定
済みであるので、上記したデータ選別及び許容数値範囲
の(再)設定を行わず、許容範囲内外の判定等を実行す
る。この2回目以降の計測時刻での許容範囲内外の判定
方法等(S507〜S509)について、図10及び図
11に模式的に示すグラフを参照しつつ説明する。
厚み値RTh(tm)について、図10に示すように、
許容範囲内外の判定を行う(S507)。許容範囲内ま
たは範囲外のいずれにあるかは、具体的には、前回の計
測時刻(ここでは、計測時刻tnとする)で決定された
厚み変化直線FThtn(t)から許容数値範囲ΔTh内
にあるかどうかによって判定される。
た厚み変化直線FThtn(t)を外挿(点線)して、今
回の計測時刻tmでの厚みの期待値FThtn(tm)を
求める。そして、この計測時刻tmで実行された厚み計
測による生厚み値RTh(tm)が、FThtn(tm)
から±ΔThの範囲(図10中、厚み変化直線FTh tn
(t)を上下から挟む2本の破線で示されている)内に
あれば、その生厚み値RTh(tm)のデータを有効と
する。一方、範囲外であれば、その生厚み値のデータを
無効とする。そして、その判定結果に基づいて、今回の
計測時刻tmに対する厚み変化直線FThtm(t)の決
定を行う(S508)。
h(tm)が、前回の厚み変化直線FThtn(t)から
許容数値範囲ΔThの範囲内にある場合を示している。
このとき、生厚み値RTh(tm)は有効とされる。そ
して、図11に示すように、この生厚み値RTh(t
m)を含み、計測時刻tmから規定時間Tcの時間範囲
内にある有効な生厚み値のデータ(黒丸)に対して、直
線近似計算を実行して、新たな厚み変化直線FTh
tm(t)を決定する。
厚み変化直線FThtn(t)から許容数値範囲ΔThの
範囲外であった場合には、生厚み値RTh(tm)は無
効とされる。このとき、直線近似計算を実行せず、前回
の厚み変化直線をそのまま、今回の計測時刻tmでの厚
み変化直線FThtm(t)=FThtn(t)に決定す
る。
ついては、図6に示したウエハ下面ピークP3の位置予
測によって、生厚み値の許容範囲内外の判定と同様の効
果が充分に得られている場合には、この生厚み値の統計
処理の段階では許容範囲内外の判定を行わなくても良
い。
ら、計測時刻tmでの統計厚み値STh(tm)を、S
Th(tm)=FThtm(tm)によって算出して(S
509)、その計測時刻tmにおける生厚み値データの
統計処理を終了する。そして、算出された統計厚み値S
Th(tm)が終点厚みTh0に到達しているかどうか
を判断する(S510)。統計厚み値STh(tm)が
あらかじめ設定されているウエットエッチングの終点厚
みTh0以下となっていたら、厚み算出部16からエッ
チング制御部25に終了指示信号を出力して、ウエット
エッチングを終了する。一方、図11に示すように、終
点厚みTh0に到達していなければ、ウエットエッチン
グ工程を継続するとともに、次の厚み計測を実行する。
れた半導体ウエハWの厚み(生厚み値)は、(1)統計
的なばらつき(統計ばらつき)、及び(2)計測エラー
によるばらつき(エラーばらつき)の2つの原因による
値のばらつきを有する。
行われた厚み計測においても必然的に生じるものであ
り、この生厚み値のばらつきはデータとして許容される
範囲である。この統計ばらつきの影響は、上記した統計
処理における厚み変化直線及び統計厚み値の算出などに
よって低減される。一方、(2)エラーばらつきは、ウ
エハ下面ピークP3の誤認などによって生じるものであ
る。このエラーばらつきの影響は、上記した統計処理に
おける許容範囲内外の判定や、図6のフローチャートに
示したウエハ下面ピークP3の位置予測などによって低
減される。
1のウエットエッチング装置及びウエットエッチング方
法では、生厚み値算出部16bで得られた生厚み値、ま
たは、統計厚み値算出部16cで得られた厚み変化直線
及び統計厚み値に基づき、エッチング制御部25を介し
て、エッチング液供給部24によるエッチング液の供給
の停止によるウエットエッチングの終了、あるいはエッ
チングレートの変更などを適宜制御することが可能であ
る。
る半導体ウエハの厚みについては、厚み変化直線及び統
計厚み値と、あらかじめ設定された終点厚みとに基づい
て終了時刻を求めることによって、終点厚みからのばら
つきを低減することができ、半導体装置製造の効率化と
歩留まりの向上を実現することができる。
た統計厚み値が終点厚み以下となっていたら、その計測
時刻を終了時刻とするとともに、厚み算出部16からエ
ッチング制御部25に終了指示信号を出力して、ウエッ
トエッチングを終了している。また、上記以外にも、厚
み変化直線を用いて終了時刻を予測する構成が可能であ
る。すなわち、図11に示すように、厚み変化直線FT
htm(t)を外挿(延長)して、終点厚みを示す直線と
の交点を求め、その交点での時刻teを終了時刻として
予測することができる。このように終了時刻をあらかじ
め予測した場合には、その予測された終了時刻に基づい
てウエットエッチングの終了制御を行うことが可能であ
る。
液供給部24からのエッチング液の供給が停止されてか
ら、洗浄水によってエッチング面上のエッチング液が除
去されるまでには、ある程度のタイムラグがある。その
ため、終点厚み以下となった時刻を終了時刻とする制御
方法では、オーバーエッチを起こす可能性がある。これ
に対して、厚み変化直線によってあらかじめ予測された
終了時刻を用い、その終了時刻よりもタイムラグの分だ
け早い時刻にエッチング液の供給を停止すれば、オーバ
ーエッチを起こすことがなくなり、半導体ウエハWの終
点厚みを正確に制御することができる。
いたウエットエッチング装置、ウエットエッチング方法
は、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な
構成の変形や工程の変更が可能である。例えば、保持基
板21は、薄くエッチングされる半導体ウエハWの機械
的強度を維持するためのものであり、半導体ウエハWの
厚みによっては保持基板を用いずにエッチングを行うこ
とも可能であるが、この場合にも、同様に上記した厚み
計測装置等を適用することができる。
込む光入力手段については、上記した実施形態では光出
力手段であるプローブヘッド13を共用しているが、光
出力手段とは別に光入力手段を設置する構成としても良
い。この場合、反射光はプローブヘッド13への光ファ
イバ13aとは別の光ファイバに入力されるので、光カ
プラ12に加えて設けられた他の光カプラなどを光結合
手段として、反射光と参照光の結合が行われる。また、
光入力/出力手段あるいは光分岐/結合手段の一方のみ
を単一の光入出力手段あるいは光カプラとし、他方は別
々とする構成も可能である。
ついては、必ずしも一定のレートとしなくても良い。例
えば、厚み計測によって得られた半導体ウエハWの厚み
の時間変化に基づいて、終点厚み(エッチングの終了時
刻)が近づくにつれてエッチングレートが遅くなるよう
にエッチングを制御すれば、さらに細かい厚みの制御が
可能となる。この場合、厚み変化直線に代えて、所定の
曲線を用いて厚みの時間変化及び終了時刻を求めても良
い。または、厚みの時間変化を求める生厚みデータの時
間範囲を区分して、エッチングレートを変更した時刻の
前後で別々に厚み変化直線を求めることも可能である。
別光強度分布等の積算については、図4のフローチャー
トに示した積算方法に限らず、様々な積算方法を用いて
良い。例えば、各個別光強度分布の位置のずれが問題に
ならない場合には、光路長データのシフト及び光強度デ
ータの補間を行わずに、各データをそのまま積算しても
良い。この場合、生厚み値算出の精度がやや低下する
が、積算の計算処理が短時間で済むという利点がある。
で、いったんウエハ上面ピーク及びウエハ下面ピークの
選択を行い、それらが正しく選択された個別光強度分布
のみを積算して積算光強度分布としても良い。この場
合、ノイズピークの影響などが抑制されるので、特に正
確な生厚み値を算出することが可能となる。あるいは、
個別光強度分布の段階で、ウエハ上面ピーク及びウエハ
下面ピークの選択とともに、個別光強度分布それぞれで
の生厚み値(個別生厚み値)の算出を行っても良い。こ
の場合、個別光強度分布自体を積算するのではなく、得
られた個別生厚み値を積算し、個別生厚み値の平均値を
求めることで生厚み値を算出することができる。
刻において、1回の厚みデータ取得で充分な精度の生厚
み値を得ることが可能な場合には、光強度分布等の積算
を行わないこととしても良い。
用いたウエットエッチング装置、ウエットエッチング方
法は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得
る。すなわち、反射光と参照光とを結合させた干渉光の
光強度分布における光強度ピークを利用して半導体ウエ
ハの厚みを計測するとともに、光強度が最大である光強
度ピークをウエハ上面ピークとして選択する厚み計測装
置によれば、エッチング液の存在にかかわらず、半導体
ウエハの厚みを計測することが可能となるとともに、光
強度ピークの選択を確実かつ簡単に行うことができる。
れのウエットエッチング工程での現実のエッチングレー
トやその時間変化などのエッチング条件を実測によって
知ることが可能となる。したがって、ウエットエッチン
グの終了後に、得られた半導体ウエハの厚みを計測する
検査段階でウエットエッチングの良否を判断するのでは
なく、エッチング中に厚みの時間変化を判断しつつウエ
ットエッチングを制御することができ、半導体装置製造
の効率化やその歩留まりの向上が実現される。
ットエッチング装置の一実施形態を示す構成図である。
半導体ウエハの厚みの計測方法について示す模式図であ
る。
トである。
積算方法の一例を示すフローチャートである。
の選択方法の一例を示すフローチャートである。
ークの位置予測方法の一例を示すフローチャートであ
る。
生厚み値の統計処理方法の一例を示すフローチャートで
ある。
ある。
る。
示すグラフである。
ついて示すグラフである。
ファイバ、12…光カプラ、13…プローブヘッド、1
3a…計測用光ファイバ、14…参照光生成部、14a
…参照用光ファイバ、14b…参照用光路、14c…反
射ミラー、14d…ガラス基板、14e…ガルバノメー
タ、15…光検出器、15a…出力用光ファイバ、16
…厚み算出部、16a…信号処理回路、16b…生厚み
値算出部、16c…統計厚み値算出部、17…参照光路
長制御部、B…ウエットエッチング装置、21…保持基
板、22…回転台、23…回転駆動部、24…エッチン
グ液供給部、24a…ノズル、25…エッチング制御
部、W…半導体ウエハ、E…エッチング液層。
Claims (14)
- 【請求項1】 エッチング液を用いたウエットエッチン
グの実行中に半導体ウエハの厚みを計測するための厚み
計測装置であって、 所定の計測時刻において、計測光を供給する計測光源
と、 前記計測光源からの前記計測光を分岐させる光分岐手段
と、 前記光分岐手段で分岐された前記計測光の一方を、計測
対象である前記半導体ウエハに対して出力させて、前記
エッチング液が供給されているエッチング面側から照射
する光出力手段と、 前記光出力手段から照射された前記計測光が前記エッチ
ング液または前記半導体ウエハによって反射された反射
光を入力させる光入力手段と、 前記光分岐手段で分岐された前記計測光の他方を、光路
長が可変に構成された参照用光路を通過させて、参照光
路長が設定された参照光を生成する参照光生成手段と、 前記光入力手段からの前記反射光と、前記参照光生成手
段からの前記参照光とを結合させて干渉光とする光結合
手段と、 前記光結合手段からの前記干渉光を検出する光検出手段
と、 前記計測時刻において、前記参照光生成手段で設定され
た前記参照光路長と、前記光検出手段で検出された前記
干渉光の光強度との相関を示す光強度分布を用い、複数
の光強度ピークからウエハ上面ピーク及びウエハ下面ピ
ークとして選択された2本の光強度ピーク間での前記参
照光路長の光路長差に基づいて、前記半導体ウエハの生
厚み値を算出する生厚み値算出手段を有する厚み算出手
段とを備え、 前記生厚み値算出手段は、前記光強度分布における複数
の光強度ピークのうち、光強度が最大である光強度ピー
クを前記ウエハ上面ピークとして選択することを特徴と
する厚み計測装置。 - 【請求項2】 前記生厚み値算出手段は、前記光強度分
布における複数の光強度ピークに対して、前記ウエハ上
面ピークでの前記参照光路長を基準として、前記ウエハ
下面ピークが位置する光路長期待値及び光路長範囲を求
め、前記光路長期待値から前記光路長範囲内で前記ウエ
ハ下面ピークを選択することを特徴とする請求項1記載
の厚み計測装置。 - 【請求項3】 前記生厚み値算出手段は、前記光路長期
待値から前記光路長範囲内で、設定された閾値よりも大
きい光強度を有するとともに、その光強度が前記光路長
範囲内で最大である光強度ピークを前記ウエハ下面ピー
クとして選択することを特徴とする請求項2記載の厚み
計測装置。 - 【請求項4】 前記計測光源は、前記計測時刻におい
て、その前記計測時刻に対して設定された連続する複数
の厚み取得時刻のそれぞれに、計測光を供給するととも
に、 前記生厚み値算出手段は、前記複数の厚み取得時刻のそ
れぞれにおいて取得された個別光強度分布、または前記
個別光強度分布からそれぞれ算出された個別生厚み値を
積算して、前記生厚み値を算出することを特徴とする請
求項1〜3のいずれか一項記載の厚み計測装置。 - 【請求項5】 前記生厚み値算出手段は、前記個別光強
度分布を、前記ウエハ上面ピークの位置を一致させて積
算して積算光強度分布とし、前記積算光強度分布を用い
て、前記生厚み値を算出することを特徴とする請求項4
記載の厚み計測装置。 - 【請求項6】 前記生厚み値算出手段は、前記個別光強
度分布からそれぞれ算出された前記個別生厚み値を積算
し、前記個別生厚み値の平均値を求めて、前記生厚み値
を算出することを特徴とする請求項4記載の厚み計測装
置。 - 【請求項7】 前記光出力手段及び前記光入力手段は、
単一の光入出力手段からなるとともに、前記光分岐手段
及び前記光結合手段は、単一の光カプラからなることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の厚み計測
装置。 - 【請求項8】 前記計測光源は、所定の時間間隔をおい
た複数の前記計測時刻のそれぞれにおいて、計測光を供
給するとともに、 前記厚み算出手段は、最初の前記計測時刻から規定時間
が経過した後の前記計測時刻のそれぞれにおいて、複数
の前記生厚み値の時間変化に対して、直線近似計算によ
る厚み変化直線の決定を行って、前記厚み変化直線から
統計厚み値を算出する統計厚み値算出手段を有すること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の厚み計
測装置。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項記載の厚み
計測装置を備えるウエットエッチング装置であって、 前記ウエットエッチングの対象となる前記半導体ウエハ
の前記エッチング面に、前記エッチング液を供給するエ
ッチング液供給手段と、 前記エッチング液供給手段による前記エッチング液の供
給を制御するエッチング制御手段とを備えることを特徴
とするウエットエッチング装置。 - 【請求項10】 前記厚み計測装置の前記厚み算出手段
は、求められた前記半導体ウエハの厚みの時間変化か
ら、あらかじめ設定された終点厚みに基づいて前記ウエ
ットエッチングの終了時刻を求めて、前記終了時刻を指
示する終了指示信号を出力し、 前記エッチング制御手段は、前記終了指示信号に基づい
て、前記エッチング液供給手段による前記エッチング液
の供給を停止させることを特徴とする請求項9記載のウ
エットエッチング装置。 - 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか一項記載の厚
み計測装置を用いたウエットエッチング方法であって、 前記ウエットエッチングの対象となる前記半導体ウエハ
の前記エッチング面に、前記エッチング液を供給して前
記ウエットエッチングを開始するエッチング開始ステッ
プと、 前記エッチング開始ステップで開始された前記ウエット
エッチングの実行中に、前記厚み計測装置を用いて前記
半導体ウエハの厚みを計測する厚み計測ステップと、 前記エッチング液の供給を停止して前記ウエットエッチ
ングを終了するエッチング終了ステップとを備えること
を特徴とするウエットエッチング方法。 - 【請求項12】 前記厚み計測ステップで求められた前
記半導体ウエハの厚みの時間変化から、あらかじめ設定
された終点厚みに基づいて前記ウエットエッチングの終
了時刻を求める終了時刻算出ステップをさらに備え、 前記エッチング終了ステップにおいて、前記終了時刻算
出ステップで求められた前記終了時刻に基づいて前記エ
ッチング液の供給を停止することを特徴とする請求項1
1記載のウエットエッチング方法。 - 【請求項13】 前記終了時刻算出ステップにおいて、
前記半導体ウエハの厚みの時間変化で、求められた前記
半導体ウエハの厚みが前記終点厚み以下となった前記計
測時刻を前記終了時刻とすることを特徴とする請求項1
2記載のウエットエッチング方法。 - 【請求項14】 前記終了時刻算出ステップにおいて、
前記半導体ウエハの厚みの時間変化を用いて前記終了時
刻を予測することを特徴とする請求項12記載のウエッ
トエッチング方法。
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AT01900776T ATE396497T1 (de) | 2000-01-21 | 2001-01-16 | Dickenmessvorrichtung, dickenmessverfahren und nassätzvorrichtung und nassätzverfahren, die diese verwenden |
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DE60134120T DE60134120D1 (de) | 2000-01-21 | 2001-01-16 | Dickenmessvorrichtung, dickenmessverfahren und nassätzvorrichtung und nassätzverfahren, die diese verwenden |
US10/181,557 US6897964B2 (en) | 2000-01-21 | 2001-01-16 | Thickness measuring apparatus, thickness measuring method, and wet etching apparatus and wet etching method utilizing them |
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