JP4842176B2 - 温度測定装置及び温度測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物例えば半導体ウエハや液晶基板等の表面、裏面、内部層などの温度を正確に測定可能な温度測定装置及び温度測定方法に関する。
例えば、基板処理装置により処理される被処理基板、例えば半導体ウエハの温度を正確に測定することは、成膜やエッチングなど種々の処理の結果により半導体ウエハ上に形成される膜やホールなどの形状、物性等を正確にコントロールする点からも極めて重要である。このため、例えば抵抗温度計や、基材裏面の温度を測定する蛍光式温度計等を利用した計測法など様々な方法によって半導体ウエハの温度を計測することが従来から行われている。
近年では、上述したような従来の温度計測方法では困難だったウエハの温度を直接計測することができる低コヒーレンス干渉計を利用した温度計測技術が知られている。さらに、上記の低コヒーレンス干渉計を利用した温度計測技術において、第1スプリッタによって光源からの光を温度測定用の測定光と参照光とに分け、さらに、分けられた測定光を第2スプリッタによってn個の測定光に分けてn個の測定光をn個の測定ポイントへ照射し、これらのn個の測定光の反射光と、参照光反射手段で反射された参照光の反射光との干渉を測定し、複数の測定ポイントの温度を同時に測定できるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような技術によれば、簡単な構成で複数の測定ポイントの温度を一度に測定できる。
特開2006−112826号公報
上記した従来の技術では、簡単な構成で複数の測定ポイントの温度を一度に測定することができる。しかしながら、上記した従来の技術では、特に測定ポイント数が多くなると干渉波形がどの測定ポイントからのものか同定することが困難になり、温度検出が困難になったり、誤検出される可能性が生じるという問題がある。
本発明は、かかる従来の事情に対処してなされたもので、測定ポイント数が多い場合であっても、各測定ポイントからの干渉波形を同定して確実に温度検出を行うことができ、より精度良くかつ効率良く基板処理等を行うことのできる温度測定装置及び温度測定方法を提供しようとするものである。
請求項1の温度測定装置は、光源と、前記光源からの光を測定用の光と参照光とに分けるための第1スプリッタと、前記第1スプリッタからの測定用の光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタと、前記第1スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記第1スプリッタからの参照光を、前記参照光反射手段へ照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と、前記第2スプリッタからの第1〜第n測定光を夫々、温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントへ照射する測定光照射位置まで伝送する第1〜第n測定光伝送手段と、前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントから反射する前記第1〜第n測定光と、前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器とを備え、前記第1〜第n測定光における前記第2スプリッタから前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントまでの各光路長を夫々互いに異なるようにした温度測定装置において、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定した結果をイニシャルピーク位置データとして記憶し、温度測定時に得られた干渉ピークの位置と、前記イニシャルピーク位置データとを比較して、前記第1〜第n測定ポイント毎に温度を算出するコントローラを有することを特徴とする。
請求項2の温度測定装置は、請求項1記載の温度測定装置であって、前記コントローラは、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光路長変化手段により、参照光の光路長を、光路長の変化が可能な全範囲について連続的に変化させ、イニシャルピーク位置データを取得することを特徴とする。
請求項3の温度測定装置は、請求項1又は2記載の温度測定装置であって、前記コントローラは、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光検出器によって得られた波形を2乗して得られた2乗折り返し波形の重心を求めて干渉ピークの中心位置とすることを特徴とする。
請求項4の温度測定装置は、請求項1〜3のいずれか1項記載の温度測定装置であって、前記温度測定対象物は、基板処理装置によって処理される被処理基板であり、前記第1〜第n測定光伝送手段は、前記被処理基板の面内における前記第1〜第n測定ポイントへ夫々前記第1〜第n測定光が照射されるように前記基板処理装置に配設されることを特徴とする。
請求項5の温度測定方法は、光源と、前記光源からの光を測定用の光と参照光とに分けるための第1スプリッタと、前記第1スプリッタからの測定用の光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタと、前記第1スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、前記第1スプリッタからの参照光を、前記参照光反射手段へ照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と、前記第2スプリッタからの第1〜第n測定光を夫々、温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントへ照射する測定光照射位置まで伝送する第1〜第n測定光伝送手段と、前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントから反射する前記第1〜第n測定光と、前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器とを備え、前記第1〜第n測定光における前記第2スプリッタから前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントまでの各光路長を夫々互いに異なるようにした温度測定装置を用いた温度測定方法において、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定した結果をイニシャルピーク位置データとして取得する工程と、温度測定時に、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射して得られた干渉ピークの位置と、前記イニシャルピーク位置データとを比較して、前記第1〜第n測定ポイント毎に温度を算出する工程とを有することを特徴とする。
請求項6の温度測定方法は、請求項5記載の温度測定方法であって、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光路長変化手段により、参照光の光路長を、光路長の変化が可能な全範囲について連続的に変化させ、イニシャルピーク位置データを取得することを特徴とする。
請求項7の温度測定方法は、請求項5又は6記載の温度測定方法であって、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光検出器によって得られた波形を2乗して得られた2乗折り返し波形の重心を求めて干渉ピークの中心位置とすることを特徴とする。
本発明によれば、測定ポイント数が多い場合であっても、各測定ポイントからの干渉波形を同定して確実に温度検出を行うことができ、より精度良くかつ効率良く基板処理等を行うことのできる温度測定装置及び温度測定方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態にかかる温度測定装置100の概略構成を示すものである。図1に示すように、温度測定装置100は、光源110と、この光源110からの光を温度測定用の測定光と参照光とに分けるための第1スプリッタ120と、この第1スプリッタ120からの測定光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタ130と、上記第1スプリッタ120からの参照光を反射するための参照光反射手段140と、参照光反射手段140から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段150とを備えている。
光路長変化手段150は、例えば参照ミラーなどで構成される参照光反射手段140を参照光の入射方向に平行な一方向へ移動させるためのリニアステージ151、モータ152、He−Neレーザエンコーダ153等から構成されている。このように、参照ミラーを一方向へ駆動させることにより、参照ミラーから反射する参照光の光路長を変化させることができる。モータ152は、モータコントローラ155、モータドライバ154を介して、コントローラ170により制御される。また、He−Neレーザエンコーダ153からの信号は、A/D変換器172でデジタル信号に変換されてコントローラ170に入力される。
また、温度測定装置100は、上記第1〜第n測定光を例えば半導体ウエハ等の温度測定対象物10における第1〜第n測定ポイントに照射したときに温度測定対象物10から反射する第1〜第n測定光と、上記参照光を参照光反射手段140に照射したときに参照光反射手段140から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器160を備えている。
光源110としては、測定光と参照光との干渉が測定できれば、任意の光を使用することが可能である。温度測定対象物100として例えば半導体ウエハの温度測定を行う場合には、少なくとも半導体ウエハの表面と裏面との間の距離(通常は800〜1500μm程度)からの反射光が干渉を生じない程度の光が好ましい。具体的には例えば低コヒーレンス光を用いることが好ましい。低コヒーレンス光とは、コヒーレンス長の短い光をいう。低コヒーレンス光の中心波長は例えば0.3〜20μmが好ましく、更に0.5〜5μmがより好ましい。また、コヒーレンス長としては、例えば0.1〜100μmが好ましく、更に3μm以下がより好ましい。このような低コヒーレンス光を光源110として使用することにより、余計な干渉による障害を回避でき、半導体ウエハの表面又は内部層からの反射光に基づく参照光との干渉を容易に測定することができる。
上記低コヒーレンス光を使用した光源としては、例えばSLD(Super Luminescent Diode)、LED、高輝度ランプ(タングステンランプ、キセノンランプなど)、超広帯域波長光源等を使用することができる。これらの低コヒーレンス光源の中でも、輝度の高いSLD(波長、例えば1300nm)を光源110として用いることが好ましい。
第1のスプリッタ120としては、例えば光ファイバカプラを用いる。但し、これに限定されるものではなく、参照光と測定光とに分けることが可能なものであればよい。また、第2のスプリッタ130についても、例えば光ファイバカプラを用いる。但し、これに限定されるものではなく、第1〜第nの測定光に分けることが可能なものであればよい。第1のスプリッタ120、第2のスプリッタ130としては、例えば光導波路型分波器、半透鏡などを用いてもよい。
参照光反射手段140は、例えば参照ミラーにより構成される。参照ミラーとしては例えばコーナーキューブプリズム、平面ミラー等などが適用可能である。これらの中でも、反射光の入射光との平行性の観点からは、コーナーキューブプリズムを用いることが好ましい。但し、参照光を反射できれば、上記のものに限られず、例えばディレーラインなどで構成してもよい。
光検出器160としては、低価格性、コンパクト性を考慮すれば、例えばフォトダイオードを用いて構成することが好ましい。具体的には例えばSiフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、Geフォトダイオードなどを用いたPD(Photo Detector)により構成する。但し、温度測定対象物10からの測定光と参照光反射手段140からの参照光との干渉を測定できれば、上記のものに限られず、例えばアバランシェフォトダイオード、光電子増倍管などを用いて光検出器160を構成してもよい。光検出器160の検出信号は、増幅器171を介してA/D変換器172に入力され、デジタル信号に変換されてコントローラ170によって処理される。
第1スプリッタ120からの参照光は、参照光伝送手段例えばコリメートファイバFZを介して参照光反射手段140へ照射する参照光照射位置まで伝送されるようになっており、第2スプリッタ130からの第1〜第n測定光は夫々、第1〜第n測定光伝送手段例えばコリメートファイバF1〜Fnを介して、温度測定対象物10へ照射する測定光照射位置まで伝送されるようになっている。なお、第1〜第n測定光伝送手段としては、上記コリメートファイバF1〜Fnに限られるものではなく、例えば光ファイバの先端にコリメータを取り付けたコリメータ付光ファイバであってもよい。
上記温度測定装置100では、第1〜第n測定光における第2スプリッタ130から温度測定対象物10までの各光路長が夫々互いに異なるように構成されている。具体的には例えばコリメートファイバF1〜Fnの長さが夫々同一の場合は、例えばコリメートファイバF1〜Fnの先端面、すなわち測定光照射位置が、温度測定対象物10から照射方向に略平行な方向に夫々ずれるように配置される。また、コリメートファイバF1〜Fnの先端面をずらすことなく、コリメートファイバF1〜Fnの長さ又は光ファイバの長さを変えることにより、上記第1〜第n測定光における第2スプリッタ130から温度測定対象物10までの各光路長が異なるようにしてもよい。
なお、第1〜第n測定光伝送手段を温度測定対象物10からずらして配設する場合には、少なくとも各測定ポイント毎に測定される第1〜第n測定光と参照光との干渉波が夫々重ならないようにする必要がある。例えば光源110として低コヒーレンス光源を使用する場合には、第1〜第n測定光伝送手段を温度測定対象物10から、少なくとも干渉波のコヒーレンス長以上ずつずらして配設すれば、干渉波の重なりを防止することができる。また、このような第1〜第n測定光伝送手段を配設する位置は、温度測定対象物の厚さや厚さの変化率、測定する温度範囲、参照ミラーの移動距離などを考慮して決定することが好ましい。具体的には例えば0.7mm程度の厚みがあるシリコンウエハでは、常温から200℃くらいまでの温度範囲での参照ミラーの移動距離は0.04mm程度であるため、第1〜第n測定光伝送手段を温度測定対象物10から0.1mm程度ずつずらして配設することが好ましい。これにより、各測定ポイント毎の干渉波が重ならないようにすることができる。
これにより、参照光反射手段140を一度走査するだけで各第1〜第n測定光が照射された測定ポイントの干渉波を一度に検出することができる。このため、温度計測にかかる時間を極力短くすることができる。
本実施形態の温度測定装置100では、更に第1スプリッタ120によって分けられた参照光の光路に、光減衰手段としてアッテネータ180が設けられている。このアッテネータ180は、参照光の反射光の強度を、第1〜第n測定光の反射光の強度に近づけるように、参照光を減衰させるためのものである。具体的には、図1に図示されているとおり、通過する光のレベルを、例えば(1/n)1/2程度に減衰させるものが好適に使用できる。
上記のようなアッテネータ180を具備した場合、光検出器160に入射する参照光の反射光のレベルは、光源110から放出された光を1とした場合、第1スプリッタ120を2度通ることにより、(1/2)2となり、アッテネータ180を2度通ることにより、1/nとなるので、略(1/2)2×1/nとなる。なお、参照光反射手段140の反射率を略1としている。
一方、光検出器160に入射する測定光の反射光は、温度測定対象物10の反射率をRとして、第1スプリッタ120を2度通ることにより、(1/2)2となり、第2スプリッタ130を2度通ることにより、(1/n)2となり(例えば、n=4の場合1/16)、反射率Rでn個あるので、略(1/2)2×(1/n)2×R×n=(1/2)2×1/n×Rとなる。
したがって、参照光の反射光のレベルと、第1〜第n測定光の反射光のレベルとの差は、温度測定対象物10の反射率Rの差のみとなり、実質的に第2スプリッタ130が無い場合、つまり、1点計測の場合と同じとすることができる。
すなわち、図2(a)に示すように、1点計測の場合、参照光の反射光の強度を1とすると、測定光の反射光の強度はRとなり、計測する波形に含まれる参照光と測定光の比率は、「参照光:測定光=1:R」となる。
一方、図2(b)に示すように、従来のn点計測の場合、参照光の反射光の強度を1とすると、測定光の反射光の強度はR×(1/n)となり、計測する波形に含まれる参照光と測定光の比率は、「参照光:測定光=1:R×(1/n)」となる。このため、nの数が増えた場合、参照光と測定光のレベルの差が大きくなる。そして、干渉強度は測定光の強度で決まるため、参照光と測定光のレベルの差が大きくなると、干渉強度が参照光強度に埋もれてしまい、S/N比が低下してしまう。
これに対して、図2(c)に示すように、本実施形態の温度測定装置100では、アッテネータ180により、参照光の反射光の強度が1/nに減衰されているため、計測する波形に含まれる参照光と測定光の比率は、「参照光:測定光=1:R」となり、1点計測の場合と同様になるので、図2(b)の場合に比べてS/N比を向上させることができる。なお、本実施形態では、アッテネータ180として、光のレベルを(1/n)1/2に減衰させる場合について説明したが、これに限られるものではなく、減衰させるレベルは適宜選択することができる。
次に、図3を参照して第2の実施形態について説明する。図3に示される温度測定装置200は、光源110からの光を分けるために、スプリッタ220を1つのみ使用している。このスプリッタ220は、光源110からの光を、第1〜第n測定光と、参照光のn+1の光に分けるようになっている。その他の構成は、図1の温度測定装置100と同様になっている。
この温度測定装置200の場合は、図2(d)に示すように、計測する波形に含まれる参照光と測定光の比率は、「参照光:測定光=1:R×」となる。
次に、図4を参照して第3の実施形態について説明する。図4に示される温度測定装置300は、図1に示した温度測定装置100において、アッテネータ180を設ける代わりに、光検出器160の検出信号中から交流成分(AC成分)を抜き出す交流成分抽出手段310を設けたものである。なお、交流成分抽出手段310は、DCレベル(光の強度)の確認ができるように、スイッチ311によって交流成分抽出する状態と、全信号を通過させる状態とを切り替え可能となっている。その他の構成は、図1の温度測定装置100と同様になっている。
この温度測定装置300の場合、交流成分抽出手段310によって、交流成分を抜き出すことによって、DCレベルの大小にかかわらず、ACレベルでの干渉強度を測定することができる。これによって、図2(b)の場合に比べてS/N比を向上させることができる。
次に、図5、図6を参照して、複数の処理チャンバを有する基板処理装置の各処理チャンバ内の温度を計測可能とした温度測定装置400、温度測定装置500について説明する。図5に示した温度測定装置400は、複数、例えば6つの処理チャンバPC1、PC2、……PC6について、切り替え器410、例えば光通信用マルチプレクサ(OADM:optical add/drop multiplexer)によって切り替えて、その内部に置かれた被処理基板及び必要に応じてフォーカスリングF/Rの温度を測定できるようにしたものである。すなわち、第2スプリッタ130及び第1〜第n測定光伝送手段例えばコリメートファイバF1〜Fn(図5,6ではn=4)は、各処理チャンバPC1、PC2、……PC6に設けられており、これらの6つの第2スプリッタ130と、第1スプリッタ120との間に、切り替え器410が設けられている。そして、切り替え器410により、温度測定を行う処理チャンバPC1、PC2、……PC6を選択することによって、各処理チャンバPC1、PC2、……PC6の温度を計測できるようになっている。なお、各処理チャンバPC1、PC2、……PC6内では、被処理基板、例えば半導体ウエハに、エッチングや成膜等の処理が行われる。
また、図6に示した温度測定装置500は、複数、例えば6つの処理チャンバPC1、PC2、……PC6について、第1スプリッタ120と第2スプリッタ130との間に、第3スプリッタ510を挿入して、光源からの光を分けて6つの処理チャンバPC1、PC2、……PC6の第2スプリッタ130に供給し、その内部に置かれた被処理基板及びフォーカスリングの温度を測定できるようにしたものである。
上記の温度測定装置400、温度測定装置500では、光源110、第1スプリッタ120、参照光反射手段140、光路長変化手段150、光検出器160、コントローラ170等を各処理チャンバPC1、PC2、……PC6で共用して温度を測定できるので、処理チャンバ毎に夫々温度測定装置を設けた場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、計測に関するデータを1台のコントローラ170で一元管理できるので、データ管理に要する手間やコストを低減することができる。
この場合、コントローラ170は、予め各処理チャンバPC1、PC2、……PC6毎の干渉位置についてのデータを記憶しておき、この干渉位置のデータを処理チャンバPC1、PC2、……PC6毎に呼び出して使用する。また、各処理チャンバPC1、PC2、……PC6において、複数の測定ポイントにおける温度測定を行う場合、各測定ポイント毎の干渉位置についてのデータを記憶しておき、この干渉位置のデータを処理チャンバPC1、PC2、……PC6毎に呼び出して使用する。
次に、各測定ポイントの干渉位置(イニシャルピーク位置)の測定方法について説明する。まず、図7に示すように、ウエハ載置台601上に、測定を行う測定ポイント(図7ではチャンネル1)のみから反射光が検出されるように、ウエハ片602を置く。または、図8に示すように、他の測定ポイントについては、穴が開いていて他の測定ポイントからの反射光がなく、測定を行う測定ポイント(図8ではチャンネル1)のみから反射光が検出されるようにした穴あきウエハ603をウエハ載置台601上に置く。あるいは、図9に示すように、他の測定ポイントについては光の反射が少なくなり、測定を行う測定ポイント(図9ではチャンネル1)のみから強い反射光が検出されるようにした裏面に加工を施した裏面加工ウエハ604を、ウエハ載置台601上に置く。等して、測定を行う1つの測定ポイント(チャンネル1)からの反射光のみを検出可能とする。
次に、コントローラ170の制御により、イニシャルピーク位置を以下のようにして検出する。図10のフローチャートに示すように、まず、チャンネル数、ステージ速度、測定ピッチ、イニシャル温度、ポート番号、ピーク検出範囲、ピーク近似の範囲、第何ピークまで使用するか、測定するチャンネル、予想到達温度等の測定条件を入力し(701)、測定を開始する(702)。
次に、コントローラ170は、まず、リニアステージ151を反モータ側リミット(参照光の光路長が最短光路長となる位置)まで移動させるように移動を開始し、ステージ位置、駆動状態の監視を行い(703)、移動が完了すると駆動を停止する(704)。
次に、リニアステージ151をモータ側リミット方向へ移動させるように移動を開始し(705)、A/D変換器172からのサンプリングを開始する(706)。この時、リミット手前でサンプリングを停止するように、サンプリング数を計算しておく。
サンプリングが完了すると(707)、リニアステージ151の減速停止動作を開始し(708)、リニアステージ151の駆動を停止する(709)。
次に、リニアステージ151を、反モータ側リミットまで移動させるように移動を開始する(710)。
そして、波形解析を行い、イニシャルピーク位置、ステージ初期位置、波形計測距離を算出する。なお、
ピーク検出最大距離−ピーク検出最小距離+ステージ加減速距離=波形計測距離
となる。上記結果をチャンネル毎に記憶し、波形を表示する(711)。
次に、ピーク位置重なりがあるか否かの判定を行い(712)、ピーク位置重なりが無い場合は正常を表示し(713)、ピーク重なりがある場合はアラームを表示する(714)。
次に、他チャンネルの測定を行うか判断し(715)、他チャンネルの測定を行う場合は、上記の処理を繰り返して行う。そして、他に測定を行うチャンネルがなくなると、処理を終了する(716)。
図11は、上記のようにして1つの測定ポイント(チャンネル)について得られた測定波形の例を示すものである。なお、図11において縦軸は光検出器の出力、横軸は参照光反射手段としてのミラーの移動距離である。上記のイニシャルピーク位置の検出方法では、リニアステージ151を、一方(図1等の反モータ側)のリミット位置(参照光の光路長が最短光路長となる位置)から、全駆動範囲についてデータのサンプリングを行うので、温度測定対象物10の厚さがわからなくても、ピーク位置の検出を行うことができる。そして、第1ピークについては、全データの中から最大値を検出し、この最大値の位置±任意の値(μm)の幅でピーク中心を検出してピーク位置とする。第2ピークについては、第1ピーク検出幅の終値の次からの全データの中で最大値を検出し、この最大値の位置±任意の値(μm)の幅でピーク中心を検出してピーク位置とする。第3ピークについては、第2ピーク検出幅の終値の次からの全データの中で最大値を検出し、この最大値の位置±任意の値(μm)の幅でピーク中心を検出してピーク位置とする。上記のピーク中心の検出は、例えば、生波形を2乗した2乗折り返し波形の重心位置を求めること等によって行う。
図12は、上記のようにして各測定ポイント(CH1〜3)毎に得た波形データの例を示すものである。なお、図12において縦軸は光検出器の出力、横軸は参照光反射手段としてのミラーの移動距離である。同図に示すように、ピーク位置の重なりがないように、光路長を調整しておくことにより、図12の最下部に示すように、各測定ポイントからのピークを識別することができる。
上記のようにして、イニシャルピーク位置を検出した後、温度測定に先立って、温度測定対象物の初期厚さ測定を行う。温度測定対象物の温度は、この初期厚さに対する温度測定対象物の厚さの変化によって検出する。この初期厚さ測定について、図13を参照して説明する。まず、チャンネル数、ステージ速度、測定ピッチ、ポート番号、イニシャル温度を入力し、何回で平均するかを選択する(801)。
次に、初期厚さ、温度を手入力するかを判断し(802)、初期厚さ、温度が既知で手入力する場合は、後述するステップ816の処理からの処理を行う。一方、手入力しない場合は、測定を開始し(803)、測定ポイント(チャンネル)毎のイニシャル位置データ、計測距離データを呼び出す(804)。
次に、チャンネル間最小スタート位置へのリニアステージ151の移動を開始し(805)、リニアステージ151がチャンネル間最小スタート位置へ到達すると、次にリニアステージ151のモータ側リミット方向への移動を開始する(806)。
そして、A/D変換器172をスタートさせ(807)、サンプリングを開始する(808)。この時、チャンネル間最大波形計測距離+αで、サンプリングを停止するように、サンプリング数を計算しておく。
サンプリングが完了すると(809)、リニアステージ151の減速を開始し(810)、リニアステージ151の駆動を停止する(811)。
次に、リニアステージ151を、チャンネル間最小スタート位置へ移動させるように移動を開始する(812)。
そして、各測定チャンネル毎のイニシャルピーク位置を呼び出し、波形解析を行い、ピーク位置、ピーク位置間隔、波形表示を行う(81)。
次に、リニアステージ151がチャンネル間最小スタート位置に到達したか否か(814)、設定回数繰り返して測定を行ったかを判定し(815)、設定回数繰り返して上記測定を行った後、ピーク間隔の平均を求め(816)、温度計測開始待ち状態となる(817)。
また、上記のようにした測定した初期厚さ及び温度が分かっている場合は、これを手入力することによって(802)、ピーク間隔の平均を求め(816)、温度計測開始待ち状態となる(817)。
上記のようにして、イニシャルピーク位置の検出、初期厚さ測定の後、温度測定が可能となる。この温度測定について、図14を参照して説明する。この場合、上記した初期厚さ測定の設定状態を保持した状態で温度計測開始待ち状態となっている(901)。そして、まず、データ保存先、測定回数、ピーク近似の範囲を入力する(902)。
上記入力が完了すると、測定を開始し(903)、リニアステージ151のチャンネル間最小スタート位置への移動を開始し(904)、リニアステージ151がチャンネル間最小スタート位置へ到達すると、リニアステージ151のモータ側リミット方向への移動を開始する(905)。
そして、A/D変換器をスタートさせ(906)、サンプリングを開始する(907)。この時、チャンネル間最大波形計測距離+αで、サンプリングを停止するように、サンプリング数を計算しておく。
サンプリングが完了すると(908)、リニアステージ151の減速を開始し(909)、リニアステージ151の駆動を停止する(910)。
次に、リニアステージ151を、チャンネル間最小スタート位置へまで移動させるように移動を開始する(911)。
そして、波形解析を行い、ピーク位置からピーク位置間隔を算出し、ピーク位置間隔から温度計算を行うとともに、波形表示を行い、測定データを保存する(912)。
次に、リニアステージ151がチャンネル間最小スタート位置に到達したか否か(913)、設定された測定回数繰り返して測定を行ったかを判定し(914)、設定された測定回数繰り返して上記測定を行った後、測定を終了する(915)。
次に、図5、図6に示したように、複数の処理チャンバ内の温度を計測可能とした温度測定装置400、温度測定装置500における処理について説明する。図15は、前述したコントローラ170の制御によるイニシャルピーク位置の検出方法を示すものである。この場合、まず、処理チャンバー(PC)のナンバーを選択する(750)。この後の処理のステップ751〜765は、実質的に図10に示したステップ701〜715と同一である。但し、ステップ761において、イニシャルピーク位置等のデータは、選択した処理チャンバー(PC)のナンバーに対して測定チャンネル毎に記憶する。そして、一連の処理の最後に、他の処理チャンバー(PC)の測定を行うか判断し(766)、測定を終了する(767)。
図16は、複数の処理チャンバ内の温度を計測可能とした温度測定装置400、温度測定装置500における前述したコントローラ170の制御による初期厚さ測定の検出方法を示すものである。この場合、まず、処理チャンバー(PC)のナンバーを選択する(850)。この後の処理のステップ851〜866は、実質的に図13に示したステップ801〜816と同一である。但し、ステップ854において、選択した処理チャンバー(PC)のナンバーに対応した測定チャンネル毎のイニシャル位置データ等が呼び出される。また、ステップ83において、選択した処理チャンバー(PC)のナンバーに対応した測定チャンネル毎のイニシャルピーク位置を呼び出す。そして、一連の処理の最後に、他の処理チャンバー(PC)の測定を行うか判断し(867)、温度計測開始待ち状態となる(868)。
そして、上記の図16の温度計測開始待ち状態(868)からの温度測定については、複数の処理チャンバ内の温度を計測可能とした温度測定装置400、温度測定装置500においても、前述した図14に示した処理ステップと同様にして行われる。
上記の温度測定装置100等においては、光源110からの光は、第1のスプリッタ120に入射され、第1のスプリッタ120により測定光と参照光とに分けられる。このうち、測定光は、第2のスプリッタ130により第1〜第n測定光に分けられて、夫々の測定ポイントにおいて半導体ウエハなどの温度測定対象物10等に照射され、各層の表面、境界面や裏面によって反射される。
一方、参照光は、参照光反射手段140によって反射される。そして、第1〜第n測定光の各反射光は第2のスプリッタ130を介して第1のスプリッタ120へ入射し、参照光の反射光とともに、光検出器160で検出される。
そして、参照光反射手段140を走査することによって、縦軸を光検出器160の出力、横軸を参照光反射手段140の移動距離とした図12に示したような干渉波形が得られる。ここで、光源110としては、上述したような低コヒーレンス光源を用いている。低コヒーレンス光源によれば、光源110からの光のコヒーレンス長が短いため、通常は測定光の光路長と参照光の光路長とが一致した場所で強く干渉が起こり、それ以外の場所では干渉は実質的に低減するという特質がある。このため、参照光反射手段140を移動させ、参照光の光路長を変化させることにより、温度測定対象物10の表面及び裏面の他、内部にさらに層があればその各層についても、これらの屈折率差によって反射した測定光と参照光が干渉する。
図12の例では、参照光反射手段140を走査していくと、先ず温度測定対象物10の測定ポイントP1の一方の面(表面或いは裏面)からの反射光と参照光の反射光との干渉波が現れ、次に測定ポイントP2の一方の面(表面或いは裏面)、測定ポイントP3の一方の面(表面或いは裏面)からの反射光と参照光の反射光との干渉波が現れる。さらに、参照光反射手段140を走査していくと、測定ポイントP1,P2,P3の中間層の界面からの反射光と参照光の反射光との干渉波が現れる。そして、最後に、測定ポイントP1,P2,P3の他方の面(裏面又は表面)からの反射光と参照光の反射光との干渉波が現れる。このように、参照光反射手段140を一度走査するだけで各測定ポイントにおける干渉波を一度に検出することができる。
次に、測定光と参照光との干渉波に基づいて温度を測定する方法について説明する。干渉波に基づく温度測定方法としては、例えば温度変化に基づく光路長変化を用いる温度換算方法がある。ここでは、上記干渉波形の位置ズレを利用した温度換算方法について説明する。
半導体ウエハなどの温度測定対象物10がヒータ等によって温められると、温度測定対象物10は膨張して屈折率が変化するため、温度変化前と温度変化後では、干渉波形の位置がずれて、干渉波形のピーク間幅が変化する。このとき、各測定ポイントごとに温度変化があれば、測定ポイントごとに干渉波形の位置がずれて、干渉波形のピーク間幅が変化する。このような測定ポイントごとに干渉波形のピーク間幅を測定することにより温度変化を検出することができる。例えば図1に示すような温度測定装置100であれば、干渉波形のピーク間幅は、参照光反射手段140の移動距離に対応しているため、干渉波形のピーク間幅における参照ミラーの移動距離を測定することにより、温度変化を検出することができる。
温度測定対象物10の厚さをdとし、屈折率をnとした場合、干渉波形についてのピーク位置のずれは、厚さdについては各層固有の線膨張係数αに依存し、また屈折率nの変化については主として各層固有の屈折率変化の温度係数βに依存する。なお、屈折率変化の温度係数βについては波長にも依存することが知られている。
従って、ある測定ポイントPにおける温度変化後のウエハの厚さd′を数式で表すと下記数式(1)に示すようになる。なお、数式(1)において、ΔTは測定ポイントの温度変化を示し、αは線膨張率、βは屈折率変化の温度係数を示している。また、d、nは、夫々温度変化前の測定ポイントPにおける厚さ、屈折率を示している。
d′=d・(1+αΔT)、n′=n・(1+βΔT) …(1)
上記数式(1)に示すように、温度変化によって測定ポイントPを透過する測定光の光路長が変化する。光路長は一般に、厚さdと屈折率nとの積で表される。従って、温度変化前の測定ポイントPを透過する測定光の光路長をLとし、測定ポイントにおける温度が夫々ΔTだけ変化した後の光路長をL′とすると、L、L′は夫々下記の数式(2)に示すようになる。
L=d・n 、 L′=d′・n′ …(2)
従って、測定ポイントにおける測定光の光路長の温度変化前後の差(L′−L)は、上記数式(1)、(2)により計算して整理すると、下記数式(3)に示すようになる。なお、下記数式(3)では、α・β≪α、α・β≪βを考慮して微小項を省略している。
L′−L=d′・n′−d・n=d・n・(α+β)・ΔT
=L・(α+β)・ΔT …(3)
ここで、各測定ポイントにおける測定光の光路長は、参照光との干渉波形のピーク間幅に相当する。従って、線膨張率α、屈折率変化の温度係数βを予め調べておけば、各測定ポイントにおける参照光との干渉波形のピーク間幅を計測することによって、上記数式(3)を用いて、各測定ポイントの温度に換算することができる。
このように、干渉波から温度への換算する場合、上述したように干渉波形のピーク間で表される光路長が線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βによって変るため、これら線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておく必要がある。半導体ウエハを含めた物質の線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは一般に、温度帯によっては、温度に依存する場合もある。例えば線膨張率αについては一般に、物質の温度が0〜100℃くらいの温度範囲ではそれほど変化しないので、一定とみなしても差支えないが、100℃以上の温度範囲では物質によっては温度が高くなるほど変化率が大きくなる場合もあるので、そのような場合には温度依存性が無視できなくなる。屈折率変化の温度係数βについても同様に温度範囲によっては、温度依存性が無視できなくなる場合がある。
例えば半導体ウエハを構成するシリコン(Si)の場合は、0〜500℃の温度範囲において線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは例えば二次曲線で近似することができることが知られている。このように、線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βは温度に依存するので、例えば温度に応じた線膨張率α及び屈折率変化の温度係数βを予め調べておき、その値を考慮して温度換算すれば、より正確な温度に換算することができる。
なお、測定光と参照光との干渉波に基づく温度測定方法としては上述したような方法に限られることはなく、例えば温度変化に基づく吸収強度変化を用いる方法であってもよく、上記温度変化に基づく光路長変化と温度変化に基づく吸収強度変化とを組み合わせた方法であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図。 参照光の強度と測定光の強度の関係を説明するための図。 本発明の他の実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の他の実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の他の実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図。 本発明の他の実施形態にかかる温度測定装置の概略構成を示すブロック図。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するための図。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するための図。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するための図。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するためのフローチャート。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するための図。 イニシャルピーク位置を検出する方法を説明するための図。 初期厚さを検出する方法を説明するためのフローチャート。 温度を検出する方法を説明するためのフローチャート。 複数処理チャンバにおけるイニシャルピーク位置を検出する方法を説明するためのフローチャート。 複数処理チャンバにおける初期厚さを検出する方法を説明するためのフローチャート。
符号の説明
10……温度測定対象物、100……温度測定装置、110……光源、120……第1スプリッタ、130……第2スプリッタ、140……参照光反射手段、150……光路長変化手段、151……リニアステージ、152……モータ、153……He−Neレーザエンコーダ、154……モータドライバ、155……モータコントローラ、160……光検出器、170……コントローラ、171……増幅器、172……A/D変換器、180……アッテネータ。

Claims (7)

  1. 光源と、
    前記光源からの光を測定用の光と参照光とに分けるための第1スプリッタと、
    前記第1スプリッタからの測定用の光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタと、
    前記第1スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、
    前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、
    前記第1スプリッタからの参照光を、前記参照光反射手段へ照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と、
    前記第2スプリッタからの第1〜第n測定光を夫々、温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントへ照射する測定光照射位置まで伝送する第1〜第n測定光伝送手段と、
    前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントから反射する前記第1〜第n測定光と、前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器とを備え、
    前記第1〜第n測定光における前記第2スプリッタから前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントまでの各光路長を夫々互いに異なるようにした温度測定装置において、
    前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定した結果をイニシャルピーク位置データとして記憶し、温度測定時に得られた干渉ピークの位置と、前記イニシャルピーク位置データとを比較して、前記第1〜第n測定ポイント毎に温度を算出するコントローラを有することを特徴とする温度測定装置。
  2. 請求項1記載の温度測定装置であって、
    前記コントローラは、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光路長変化手段により、参照光の光路長を、光路長の変化が可能な全範囲について連続的に変化させ、イニシャルピーク位置データを取得することを特徴とする温度測定装置。
  3. 請求項1又は2記載の温度測定装置であって、
    前記コントローラは、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光検出器によって得られた波形を2乗して得られた2乗折り返し波形の重心を求めて干渉ピークの中心位置とすることを特徴とする温度測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の温度測定装置であって、
    前記温度測定対象物は、基板処理装置によって処理される被処理基板であり、前記第1〜第n測定光伝送手段は、前記被処理基板の面内における前記第1〜第n測定ポイントへ夫々前記第1〜第n測定光が照射されるように前記基板処理装置に配設されることを特徴とする温度測定装置。
  5. 光源と、
    前記光源からの光を測定用の光と参照光とに分けるための第1スプリッタと、
    前記第1スプリッタからの測定用の光を、さらにn個の第1〜第n測定光に分けるための第2スプリッタと、
    前記第1スプリッタからの参照光を反射するための参照光反射手段と、
    前記参照光反射手段から反射する参照光の光路長を変化させるための光路長変化手段と、
    前記第1スプリッタからの参照光を、前記参照光反射手段へ照射する参照光照射位置まで伝送する参照光伝送手段と、
    前記第2スプリッタからの第1〜第n測定光を夫々、温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントへ照射する測定光照射位置まで伝送する第1〜第n測定光伝送手段と、
    前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントから反射する前記第1〜第n測定光と、前記参照光反射手段から反射する参照光との干渉を測定するための光検出器とを備え、
    前記第1〜第n測定光における前記第2スプリッタから前記温度測定対象物の第1〜第n測定ポイントまでの各光路長を夫々互いに異なるようにした温度測定装置を用いた温度測定方法において、
    前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定した結果をイニシャルピーク位置データとして取得する工程と、
    温度測定時に、前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射して得られた干渉ピークの位置と、前記イニシャルピーク位置データとを比較して、前記第1〜第n測定ポイント毎に温度を算出する工程と
    を有することを特徴とする温度測定方法。
  6. 請求項5記載の温度測定方法であって、
    前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光路長変化手段により、参照光の光路長を、光路長の変化が可能な全範囲について連続的に変化させ、イニシャルピーク位置データを取得することを特徴とする温度測定方法。
  7. 請求項5又は6記載の温度測定方法であって、
    前記温度測定対象物の前記第1〜第n測定ポイントに前記第1〜第n測定光を照射した際の干渉ピークの位置を、前記第1〜第n測定ポイント毎に予め個別に測定する際に、前記光検出器によって得られた波形を2乗して得られた2乗折り返し波形の重心を求めて干渉ピークの中心位置とすることを特徴とする温度測定方法。
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