JP5911012B2 - 温度計測装置、および温度計則方法 - Google Patents

温度計測装置、および温度計則方法 Download PDF

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Description

本発明は、光の干渉を利用して測定物の温度を計測する温度計測装置、および温度計則方法に関する。特に、測定物がロールツーロールにより巻き取られて移動するものであっても、精度よく温度を計測することができる温度計測装置および温度計則方法に関する。
非接触で温度を計測する技術として、光の干渉を利用した方法がある(特許文献1、2)。特許文献1では、測定物に照射する測定光と参照光とを干渉させて時間波形を測定し、測定物表面での反射による干渉ピーク位置と、測定物裏面での反射による干渉ピーク位置との差から光路長を求め、光路長の変化によって温度変化を測定している。この温度計測方法では、参照光の光路長を変化させるためにミラーを移動させている。また、測定できるのは温度変化であるため、温度を測定するためにはあらかじめ初期値(所定温度における測定物の厚さ)を測定しておく必要がある。
特許文献2では、測定物に照射する測定光と参照光とを干渉させて分光装置により波数スペクトルを測定し、これを逆フーリエ変換し、相互相関による干渉ピーク位置から、特許文献1と同様にして温度を測定している。この特許文献2に記載の温度計測方法では、参照光の光路長を変化させる必要がなく、ミラーを移動させる必要がない。そのため計測時間を短縮することができ、ミラーの移動による振動が干渉波形にノイズとして加わらないため測定精度を向上させることができる。
また、同じく特許文献2には、参照光を用いずに測定光のみを用い、分光装置によりスペクトルを測定し、これを逆フーリエ変換して時間波形を取得し、その時間波形の自己相関による干渉ピーク位置から、特許文献1、2と同様にして温度を測定している。この温度計測方法では、参照光自体を必要としないため、参照光を得るためのミラー等の光学系が必要なく、装置の簡略化、低コスト化を図ることができる。
他方で、電子デバイス等を効率的に大量量産することができ、製造コストの低減を図ることができる製造方法として、ロールツーロールプロセスが注目されている。これは、フィルム状の基板をロール状に巻き取って移動させながら、透明電極や有機半導体の成膜、クリーニング、表面改質、などの工程を行うことで、フィルム状基板を連続的に処理する手法である。ロールツーロールプロセスではフィルム状の基板を用いるため、低温で処理する必要があり、フィルム基板の温度制御が重要である。
特開2006−194679号公報 特開2012−209223号公報
しかし、ロールツーロールプロセスでは、巻き取りによってフィルム基板自体が移動するため、従来の熱電対や蛍光温度センサなどの接触型の温度センサでは温度計測を行うことができない。
そこで、特許文献1、2に記載の非接触で温度を計測する技術をロールツーロールプロセスに適用することが考えられるが、この技術はロールツーロールプロセスにはそのまま適用することはできない。特許文献1、2の技術では、温度計測のために初期値としてフィルム基板の厚さ情報が必要であるのに、ロールツーロールプロセスではフィルム基板の巻き取りによる引張でフィルム基板の厚さが変化してしまうためである。
そこで本発明の目的は、ロールツーロールプロセスにより巻き取られて移動する測定物に対しても、精度よく温度計測が可能な温度計測装置、温度計則方法を実現することである。
請求項1に記載の発明は、測定物に低コヒーレンス光を照射し、その反射光から干渉波形を得て、干渉ピーク位置の変化から測定物の温度を計測する温度計測装置において、測定物は、ロールツーロールプロセスにより移動させつつ温度変化を伴う処理をされるものであり、基板の処理位置と、および処理位置直前の位置と、に低コヒーレンス光を照射する照射手段と、基板の処理位置に低コヒーレンス光を照射した場合の干渉波形と、処理位置直前の位置に低コヒーレンス光を照射した場合の干渉波形とをそれぞれ取得する干渉波形取得手段と、測定物の処理位置における光路長LAと、処理位置直前の位置での測定物の光路長LBを、干渉波形取得手段により得た干渉波形の干渉ピーク位置から求め、測定物の前記処理位置における温度を光路長LAから算出するに際し、光路長の初期値として光路長LBを用いて、測定物の処理位置における温度を算出する算出手段と、を有することを特徴とする温度計測装置である。
低コヒーレンス光の光源としては、SLD(スーパールミネッセントダイオード)、LED、スーパーコンティニューム光源などを用いることができる。特にスーパーコンティニューム光(SC光)は、帯域が広くて平坦なスペクトルを有した光であり、コヒーレンス長が短いことから、分解能を向上させて測定精度の向上を図ることができると考えられる。スーパーコンティニューム光(SC光)とは、帯域の広いスペクトルを有し、位相が揃った光である。帯域幅は50〜2600nmであることが望ましく、コヒーレンス長は0.5μm以上、100μm以下であることが望ましい。さらに望ましくは、0.5μm以上、10μm以下である。さらに望ましいのは0.5〜2μmである。
照射手段は、光スイッチなどを用いて、基板の処理位置と処理位置直前の位置のいずれか一方に切り換えることで、それぞれ別に照射するようにしてもよいし、光カプラなどによって分割して同時に照射するようにしてもよい。
処理位置直前の位置は、ロールツーロールプロセスの処理による温度変化の影響がない領域であって、最も処理位置に近い位置である。温度変化の影響がない領域とは、つまりロールツーロールプロセスの処理前の温度と、処理中の温度とで、測定物の光路長に変化のない領域である。そのような領域が不明の場合には、測定物の複数の位置に低コヒーレンス光を照射して、処理前と処理中とで光路長に変化のなかった領域を選択的して、温度変化の影響がなかった領域として採用してもよい。なお、光路長に変化がないというのは、厳密に変化がないことをいうのではなく、5%程度の範囲で変化があっても誤差とみなしてよい。最も処理位置に近い位置とするのは、測定物の引張により生じる厚さの位置依存性を小さくするためである。これにより、処理位置における厚さ(光路長)の初期値と、処理位置直前の位置における厚さ(光路長)との差が小さくなるため、測定物の処理位置における厚さをより精度よく計測することができる。なお、最も処理位置に近い位置とは、厳密に最も近くである必要はない。
干渉波形取得手段は、特許文献1、2に記載のいずれの方法を用いてもよい。つまり、特許文献1に記載のように、SC光を測定光と参照光とに分割し、参照光を反射させるミラーを走査して参照光の光路長を変化させ、測定物により反射された反射光と参照光とを干渉させ、受光装置により干渉波形(時間波形)を測定してもよい。また、特許文献2のように、参照光を反射させるミラーを固定し、測定物により反射された反射光と参照光を干渉させてスペクトルを測定し、そのスペクトルを逆フーリエ変換することにより、干渉波形を算出してもよい。干渉波形は、波数スペクトルを測定して逆フーリエ変換する場合には空間座標軸での波形であり、周波数スペクトルを測定して逆フーリエ変換する場合には時間軸での波形である。この場合は干渉波形に相互相関による干渉ピークと自己相関による干渉ピークとが生じるが、相互相関による干渉ピーク位置を用いる。また、参照光を用いずに、反射光のスペクトルを測定し、そのスペクトルを逆フーリエ変換することにより、干渉波形を算出してもよい。この場合は干渉波形に自己相関による干渉ピークが生じる。
算出手段は、処理位置直前の位置での基板の光路長を測定するのに替えて、処理位置直前の位置での基板の厚さを求めてもよい。その基板の厚さに屈折率を乗じることで光路長を算出することができる。
測定物は、ロールツーロールプロセスが適用可能な任意の材料でよい。たとえばフィルム状の樹脂基板などである。また、ロールツーロールプロセスにおける処理は、温度変化を伴う処理であれば任意であるが、特に局所的な温度変化を伴う処理に本発明は好適である。
温度変化を伴う処理は、たとえば、表面改質などのためのプラズマ処理、乾燥や電極のアロイ化などのための熱処理、スパッタ、蒸着、CVDなどの方法により透明電極、半導体、絶縁膜、配線、などを成膜する成膜処理、である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明は、前記処理はプラズマ処理または熱処理であることを特徴とする温度計測装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、干渉波形取得手段は、測定物により反射された反射光のスペクトルを測定し、そのスペクトルを逆フーリエ変換して干渉波形を算出する、ことを特徴とする温度計測装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の発明において、低コヒーレンス光は、スーパーコンティニューム光であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、測定物に低コヒーレンス光を照射し、その反射光から干渉波形を得て、干渉ピーク位置の変化から測定物の温度を計測する温度計測方法において、測定物は、ロールツーロールプロセスにより移動させつつ温度変化を伴う処理をされるものであり、測定物の処理位置と、および処理位置直前の位置と、に低コヒーレンス光を照射し、測定物の処理位置に低コヒーレンス光を照射した場合の干渉波形と、処理位置直前の位置に低コヒーレンス光を照射した場合の干渉波形とをそれぞれ取得し、測定物の処理位置における光路長LAと、処理位置直前の位置での測定物の光路長LBを、干渉波形取得手段により得た干渉波形の干渉ピーク位置から求め、測定物の処理位置における温度を光路長LAから算出するに際し、光路長の初期値として光路長LBを用いて、測定物の処理位置における温度を算出する、ことを特徴とする温度計測方法である。
本発明によれば、ロールツーロールプロセスにより測定物の厚さが変化してしまう場合であっても、その厚さ変化を処理位置直前の位置での測定物の光路長LBをもって補償して、精度よくロールツーロールプロセスの処理位置における測定物の温度を計測することができる。
実施例1の温度計測装置の構成について示した図。 光路長と温度との関係を示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の温度計測装置の構成を示した図である。実施例1の温度計測装置は、光源10と、光ファイバカプラ11と、光スイッチ12と、光スペクトルアナライザ13と、温度センサプローブ14A、Bと、コンピュータ17と、によって構成されている。測定対象は、ロールツーロールプロセスにより、巻き取られて移動するフィルム状基板15であり、プラズマ装置16によってフィルム状基板15が連続的にプラズマ処理されている。このプラズマ処理は、たとえばフィルム状基板15の親水処理などの表面改質処理である。光ファイバカプラ11、光スイッチ12、および温度センサプローブ14A、Bが本発明の照射手段に相当し、光スペクトルアナライザ13およびコンピュータ17が本発明の干渉波形取得手段に相当し、コンピュータ17が本発明の算出手段に相当している。
光源10は、帯域幅が広く位相が揃った連続スペクトルを有した光であるスーパーコンティニューム光(SC光)を放射する光源である。また、このSC光は、発信周波数50MHzのパルス光である。光源10が放射するSC光は、中心波長が約1.6μmであり、波長1.3〜1.9μmまでの広帯域で平坦なスペクトルである。また、コヒーレンス長は約2μmである。
なお、SC光のコヒーレンス長は、0.5〜10μmが望ましい。この範囲であると、干渉ピークの幅が広がってしまったり、干渉ピーク同士が重なってしまうなどの問題を防止することができ、また干渉ピークも良好に測定することができるため、測定精度を向上させることができる。より望ましいSC光のコヒーレンス長は、0.5〜2μmである。 また、波長帯域の幅は、50〜2600nmであることが望ましい。50nm以下では、含まれる波長成分が少なく、スペクトルによる測定物16の物性解析が困難となるからである。また、2600nm以上では、光源、受光素子の帯域で制限があり望ましくない。
また、光源10には、SC光を出力するSC光源以外にも、任意の低コヒーレンス光を出力する光源を用いることができる。たとえば、SLD(スーパールミネッセントダイオード)やLEDなどを用いることができる。
光ファイバカプラ11は、2×2ポートの構造であり、入力ポートの一方には光源10からのSC光が入力され、2つの出力ポートの一方から放射されて光スイッチ12に至る。また、他方の入力ポートには光スペクトルアナライザ13が接続されている。光ファイバカプラ11と光源10との間には光アイソレータ18が設けられており、光ファイバカプラ11から光源10に光が入力されることを防止している。
光スイッチ12は、温度センサプローブ14A、Bに接続されていて、光ファイバカプラ11と各温度センサプローブ14A、Bのいずれか1つとの間の接続を切り換えるものである。
光スペクトルアナライザ13は、各温度センサプローブ14A、Bのいずれか1つからの反射光を、光ファイバカプラ11を介して受光し、反射光の波数スペクトルを測定する。光スペクトルアナライザとしては、波長により回折角が異なる回折格子と、回折された光を受光するCCDとで構成することができる。CCDの受光位置により波長を、受光強度により光強度を計測することができる。光スペクトルアナライザ13はコンピュータ17に接続されている。コンピュータ17は、光スペクトルアナライザ13によって計測したデータから波数スペクトルを求め、波数スペクトルを逆フーリエ変換して空間座標軸での波形を求め、その結果から温度センサプローブ14A、BによるSC光照射位置におけるフィルム状基板15の温度を計測する。その詳細な温度計測方法については後述する。波数スペクトルではなく周波数スペクトルを求め、それを逆フーリエ変換することで時間波形を求めるようにしてもよい。
温度センサプローブ14A、Bは、フィルム状基板15の所定箇所の温度を計測する探針部であり、光源10からのSC光をコリメータを介してフィルム状基板15に照射し、フィルム状基板15によって反射された反射光をコリメータを介して受光する。
温度センサプローブ14Aは、フィルム状基板15のうち、プラズマ装置16によってプラズマが照射される領域に、光源10からのSC光が照射されるよう配置されている。以下、この温度センサプローブ14Aによる、フィルム状基板15におけるSC光照射位置を位置Aとする。
温度センサプローブ14Bは、フィルム状基板15のうち、プラズマ装置によってプラズマが照射される領域の直前の領域に、光源10からのSC光が照射されるよう配置されている。以下、この温度センサプローブ14Bによる、フィルム状基板15におけるSC光照射位置を位置Bとする。位置Bは、プラズマ処理による温度変化の影響を受けない領域であって、もっとも位置Aに近い位置である。
測定物であるフィルム状基板15は、図2に示すように、送り出しローラー20に巻き付けられてセットされ、巻き取りローラ21によって巻き取られる。また、フィルム状基板15を平坦に延ばし、しわが生じないように補助ローラ22がフィルム状基板15に接触して設置されている。
次に、実施例1の温度計測装置による、ロールツーロールプロセスでのプラズマ処理中のフィルム状基板15の温度計測方法について説明する。
まず、光スイッチ12により温度センサプローブ14AからSC光が照射される状態とする。温度センサプローブ14Aよりフィルム状基板15に放射されるSC光は、フィルム状基板15の表面(温度センサプローブ14A、B側の面)に対して垂直な方向に照射される。そして、フィルム状基板15の表面および裏面(表面とは反対側の面)により反射されて、光スペクトルアナライザ13にはこれら反射光が入射される。
この反射光の波数スペクトルを光スペクトルアナライザ13、コンピュータ17により測定し、その波数スペクトルを逆フーリエ変換して、その波形から自己相関による干渉ピーク位置を求め、ピーク位置の間隔から、温度センサプローブ14AによるSC光照射位置Aでの、フィルム状基板15の光路長LAが求まる。ここで、プラズマ処理前の温度T0において、フィルム状基板15の屈折率n0、厚さd(T0)、線膨張係数α、屈折率の温度変化の係数βが既知であるとすると、プラズマ処理によって温度がT0からΔT変化したときの光路長の変化ΔLは、
ΔL=LA−L0=n0*d(T0)*(α+β)*ΔT・・・(1)
で表わされる。したがって、n0、d(T0)、α、β、T0をあらかじめ初期値として測定しておけば、温度センサプローブ14AによるSC光照射位置での、フィルム状基板15の温度TAは、干渉ピーク位置の変化からΔLを計測することにより、
TA=ΔT+T0=(LA−L0)/(n0*d(T0)*(α+β))+T0・・・(2)
によって測定することができる。n0、d(T0)をそれぞれ測定するのに替えて、T0における光路長L0(=n0*d(T0))を干渉ピーク位置からあらかじめ測定しておいても、同様にしてTAを測定することができる。つまり、
TA=(LA−L0)/(L0*(α+β))+T0・・・(3)
によっても温度TAを測定することができる。
しかし、フィルム状基板15は巻き取りによって引張されているため、d(T0)あるいはL0は位置によって変化しており、位置AにおけるL0と、他の位置におけるL0は異なる値となっている。つまり、他の位置におけるL0をもって位置AにおけるL0として代用することはできない。また、ロールツーロールプロセス中には、フィルム状基板15は絶えず巻き取られて移動しているので、ある時刻に位置AにおけるL0を測定したとしても、次の瞬間には位置AにおけるL0の値は変化している可能性がある。そのため、初期値としてL0を定めることが困難であり、その結果、フィルム状基板15の温度TAの測定精度も悪化してしまう。
そこで、光スイッチ12により温度センサプローブ14BからSC光が照射される状態として、その位置Bでのフィルム状基板15の光路長LBを求める。位置Bは、位置Aの極近傍であり、プラズマ処理による温度変化を受けていないため、その位置Bでのフィルム状基板15の温度はT0と近似できる。また、厚さd(T0)も位置Aと位置Bとではほとんど変化していないものとみなせる。そのため、位置AにおけるL0としてLBを近似的に用いることにより、位置Aにおけるフィルム状基板15の温度TAをより精度よく測定することができる。すなわち、
TA=(LA−LB)/(LB*(α+β))+T0・・・(4)
によってTAをより精度よく測定することができる。もちろん、位置Bにおけるフィルム状基板15の光路長LBの測定に替えて、位置Bにおけるフィルム状基板15の厚さdBを測定し、式(4)におけるLBとしてn0*dBを用いるようにしてもよい。同様に、位置Aにおけるフィルム状基板15の温度TAをより精度よく測定することができる。
図2は、位置Aにおけるフィルム状基板15の光路長と温度との関係を示したグラフである。測定値は直線上に載っており、光路長と温度とが線形に対応していることが分かり、精度よく温度測定可能であることが確認できた。
以上のように、実施例1の温度計測装置では、ロールツーロールプロセスでのプラズマ処理位置Aにおけるフィルム状基板15の温度TAを測定するに際し、プラズマ処理位置Aの直前である位置Bにおけるフィルム状基板15の光路長LBを求めて補償することにより、温度TAをより精度よく測定することができる。
なお、実施例1は、自己相関による干渉ピーク位置の変化から温度計測を行う手法を用いているが、光源10からのSC光を測定光と参照光に分割し、参照光をミラー等によって反射させ、測定光と参照光とを干渉させてそのスペクトルを測定し、逆フーリエ変換することで干渉波形を算出し、測定光と参照光との相互相関による干渉ピーク位置の変化から温度計測を行う手法についても、本発明に適用することができる。また、光源10からのSC光を測定光と参照光に分割し、参照光の光路長をミラーを走査して変化させ、測定光と参照光とを干渉させ、受光装置によって干渉波形を測定する手法についても、本発明に適用することが可能である。すなわち、本発明は、干渉波形を測定して干渉ピーク位置の変化により温度計測を行う方法であれば適用可能である。
また、実施例1は、プラズマ処理位置である位置A以外に位置Bの1点でのみ計測を行っているが、2点以上の位置で測定することで、さらなる位置Aでの温度測定の精度向上を図るようにしてもよい。
また、実施例1ではロールツーロールプロセスにおける処理はプラズマ処理であったが、温度変化を伴う処理であればプラズマ処理以外の処理であってよい。たとえばスパッタ、蒸着、CVDなどの方法により透明電極、半導体、絶縁膜、配線、などを成膜する成膜処理、乾燥や電極のアロイ化などのための熱処理である。また、実施例1では測定物はフィルム状基板であったが、ロール状に変形可能な任意の材料を測定物とすることができる。
本発明は、ロールツーロールプロセスにおけるフィルム基板の温度計測に適用することができる。
10:光源
11:光ファイバカプラ
12:光スイッチ
13:光スペクトルアナライザ
14A、B:温度センサプローブ
15:フィルム状基板
16:プラズマ装置
17:コンピュータ

Claims (5)

  1. 測定物に低コヒーレンス光を照射し、その反射光から干渉波形を得て、干渉ピーク位置の変化から前記測定物の温度を計測する温度計測装置において、
    前記測定物は、ロールツーロールプロセスにより移動させつつ温度変化を伴う処理をされるものであり、
    前記測定物の前記処理位置と、および前記処理位置直前の位置と、に前記低コヒーレンス光を照射する照射手段と、
    前記測定物の前記処理位置に前記低コヒーレンス光を照射した場合の前記干渉波形と、前記処理位置直前の位置に前記低コヒーレンス光を照射した場合の前記干渉波形とをそれぞれ取得する干渉波形取得手段と、
    前記測定物の前記処理位置における光路長LAと、前記処理位置直前の位置での前記測定物の光路長LBを、前記干渉波形取得手段により得た干渉波形の干渉ピーク位置から求め、前記測定物の前記処理位置における温度を光路長LAから算出するに際し、光路長の初期値として光路長LBを用いて、前記測定物の前記処理位置における温度を算出する算出手段と、
    を有することを特徴とする温度計測装置。
  2. 前記処理はプラズマ処理、または熱処理であることを特徴とする請求項1に記載の温度計測装置。
  3. 前記干渉波形取得手段は、前記測定物により反射された反射光のスペクトルを測定し、そのスペクトルを逆フーリエ変換して前記干渉波形を算出する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度計測装置。
  4. 前記低コヒーレンス光は、スーパーコンティニューム光であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度計測装置。
  5. 測定物に低コヒーレンス光を照射し、その反射光から干渉波形を得て、干渉ピーク位置の変化から前記測定物の温度を計測する温度計測方法において、
    前記測定物は、ロールツーロールプロセスにより移動させつつ温度変化を伴う処理をされるものであり、
    前記測定物の前記処理位置と、および前記処理位置直前の位置と、に前記低コヒーレンス光を照射し、
    測定物の前記処理位置に前記低コヒーレンス光を照射した場合の前記干渉波形と、前記処理位置直前の位置に前記低コヒーレンス光を照射した場合の前記干渉波形とをそれぞれ取得し、
    前記測定物の前記処理位置における光路長LAと、前記処理位置直前の位置での前記測定物の光路長LBを、前記干渉波形取得手段により得た干渉波形の干渉ピーク位置から求め、前記測定物の前記処理位置における温度を光路長LAから算出するに際し、光路長の初期値として光路長LBを用いて、前記測定物の前記処理位置における温度を算出する、
    ことを特徴とする温度計測方法。
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