JP2002174809A - 液晶表示パネル用積層フィルム - Google Patents
液晶表示パネル用積層フィルムInfo
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Abstract
性を有する液晶表示パネル用基板に好適に使用できる積
層フィルムを提供すること。 【解決手段】ガラス転移温度が100℃以上の非晶性プ
ラスチックフィルムの少なくとも片面にガスバリア層、
保護コート層の順に積層した積層フィルムであって、ガ
スバリア層が少なくとも2層から構成され、かつその中
の一層が無機酸化物の蒸着膜からなり該非晶性プラスチ
ックフィルムに接して積層されていることを必須とする
液晶表示パネル用積層フィルム。
Description
ア性、耐溶剤性および層間密着性に優れた液晶表示パネ
ル用積層フィルムに関するものである。
DA、携帯ゲーム機、電卓、時計、ページャー、テレ
ビ、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサおよび
カーナビゲーションなど、広範囲にわたって使用されて
いる。特に最近では、液晶表示パネルの軽量化、大画面
化、あるいは表示の高解像度化、カラー化が望まれるよ
うになり、各用途に応じて改良が試みられている。
が使用されてきたが、近年、耐衝撃性、薄肉化(軽量
化)あるいは形状のフレキシビリティを持たせる等の目
的でプラスチックフィルムが注目されるようになってき
た。かかるプラスチックフィルムの例として、一軸配向
ポリエステルフィルムの使用が、例えば、特開昭59−
88719号公報等で提案されている。また、ポリカー
ボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、
ポリアリレート等から形成されるフィルムの使用が、例
えば、特開昭60−177320号公報等で提案されて
いる。
のフィルムを用いた場合、フィルム自身の耐熱性、耐溶
剤性、ガスバリア性、耐擦傷性等の物性が不十分なた
め、塗布層を設けることにより、それらの物性を補う必
要がある。しかしながら、設けた塗布層の層間密着性が
不十分な場合、液晶表示パネル製造工程や使用中に剥離
してしまったり、また、ガスバリア性や耐溶剤性等の重
要な特性が不十分である等、実用面で課題があった。
した結果、ある特定のガスバリア層と、保護コート層を
設けた耐熱性の非晶質プラスチック積層フィルムによっ
て上記課題を解決できることを見出し、発明を完成する
に至った。
耐溶剤性、ガスバリア性、耐擦傷性等に優れ、層間密着
性が優れているため不液晶表示パネル製造工程や使用中
に剥離することがなく、また、ガスバリア性や耐溶剤性
等の重要な特性に優れた液晶表示パネル用積層フィルム
を提供することにある。
用積層フィルムは、ガラス転移温度が100℃以上の非
晶性プラスチックフィルムの少なくとも片面に、ガスバ
リア層、保護コート層の順に積層した積層フィルムであ
って、該ガスバリア層が少なくとも2層から構成され、
かつその中の一層が無機酸化物の蒸着膜からなり該非晶
性プラスチックフィルムに接して積層されていることを
必須とする液晶表示パネル用積層フィルムである。
る。
は、ガラス転移温度が100℃以上の非晶性プラスチッ
クフィルムの少なくとも片面に、ガスバリア層、保護コ
ート層の順に積層した積層フィルムであって、該ガスバ
リア層が少なくとも2層から構成され、かつその中の一
層が無機酸化物の蒸着膜からなり該非晶性プラスチック
フィルムに接して積層されていることを必須とする液晶
表示パネル用積層フィルムである。
ムとは、いわゆる非晶性ポリマーから得られるフィルム
を指すが、結晶性あるいは半結晶性ポリマーを実質的に
結晶化を促進させない条件下で成形したフィルムであっ
てもよい。かかるフィルムの素材としては、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、およびポリエステル、シクロ
オレフィンポリマー、ポリエーテルスルフォン、ポリス
ルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等を挙げること
ができる。ここでいうポリエステルとは良好な耐熱性を
発現するためにはポリエチレン−2,6−ナフタレート
にテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸成分お
よび/または1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノール系化合物等のグリコール成分を共重合した
ポリエステルが好ましく用いられ、また、架橋成分を導
入したものであってもよい。
ムは、液晶表示パネルの製造工程あるいは使用中の変
形、変質を防ぐため耐熱性を有することが重要である。
すなわち、本発明で用いられる非晶性プラスチックフィ
ルムのガラス転移温度は、100℃以上、好ましくは1
30℃以上、さらに好ましくは160℃以上、特に好ま
しくは180℃以上である。
も2層から構成され、かつその中の一層は無機酸化物の
蒸着膜からなり、その層が該非晶性プラスチックフィル
ムに接して積層することが必須である。ガスバリア層の
他の層は有機化合物からなる。無機酸化物の蒸着膜が非
晶性プラスチックフィルムと有機化合物からなるガスバ
リア層との間に介在することによって、ガスバリア性の
発現および層間密着性、コーティング時の濡れ性向上等
に寄与することができる。
機酸化物の蒸着膜としては、アルミニウム(Al)、ケ
イ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(C
a)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(N
a)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジ
ルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属酸化
物の蒸着膜を挙げることができる。
ム酸化物、ケイ素酸化物、マグネシウム酸化物等のよう
に金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例え
ば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のようにMOX
(ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金
属元素によってそれぞれ範囲が異なる)で表される。ま
た、上記のXの値の範囲としては、アルミニウム(A
l)は、0〜1.5、ケイ素(Si)は、0〜2、マグ
ネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(Ca)は、
0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ(Sn)
は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.5、ホウ
素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、0〜2、
鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)は0〜
2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の値をと
ることができる。X=0の場合、完全な金属であり、透
明ではなく全く使用することができない。また、X の範
囲の上限は、完全に酸化した値である。
ム(Al)およびケイ素(Si)酸化物の蒸着薄膜が好
適に使用される。この場合、Xの値は、ケイ素(Si)
で、1.0〜2.0、アルミニウム(Al)で、0.5
〜1.5の範囲の値のものを好適に使用することができ
る。
酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ
以上を積層した積層体の状態でもよく、また、使用する
金属、または金属の酸化物としては、1種または2種以
上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物
膜を構成することも可能である。
て、蛍光X線分析装置(例えば、株式会社理学製RIX
1000)を用いた金属強度が、0.01〜5kcps
/cm 2 が好ましく、0.05〜2kcps/cm2 が
より好ましく、0.07〜1kcps/cm2 が最も好
ましい。金属強度が0.01kcps/cm2 未満で
は、十分なガスバリア性が得られず、一方、5kcps
/cm2 を超えると着色などの透明性が低下しやすくな
り、好ましくない。また、上記において、膜厚すなわち
金属強度を変更する手段としては、蒸着膜の堆積速度を
調整すること、すなわち、モノマーガスと酸素ガスの供
給量や蒸着する速度によって調整することができる。
特に制限はないが、例示すると、真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法
(フィジカル・ベーパー・デポジション法、PVD法)
を挙げることができる。具体的には、金属の酸化物を原
料とし、これを加熱して基材フィルムの上に蒸着する真
空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物
を使用し、酸素を導入して酸化させて基材フィルムの上
に蒸着する酸化反応蒸着法、さらに酸化反応をプラズマ
で助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて
蒸着膜を形成する方法等である。
着方法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱
化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法
(ケミカル・ベーパー・デポジション法、CVD法)等
を挙げることができる。具体的には、基材とするフィル
ムの一方の面に、例えば、有機ケイ素化合物等の蒸着用
モノマーガスを原料とし、キャリアーガスとして、アル
ゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更
に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プ
ラズマ発生装置等を利用するプラズマ化学気相成長法を
用いて酸化ケイ素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する方
法により製造することができる。上記において低温プラ
ズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パル
ス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を用い
ることができる。
の蒸着膜の密着性向上を目的に、基材フィルムである非
晶性プラスチックフィルムに対して、表面処理を実施し
てもよい。具体的な表面処理方法としては、コロナ放電
処理、オゾン処理、酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス、ア
ルゴンガス等を用いたプラズマ処理、グロー放電処理、
化学薬品等を用いて処理する酸化処理等が挙げられ、そ
の他、必要に応じて表面処理を適宜実施することができ
る。
を形成する前に別工程として実施してもよい。また、例
えば、低温プラズマ処理やグロー放電処理等による表面
処理の場合は、上記の無機酸化物の蒸着薄膜を形成する
前処理としてインライン処理により行うことができる。
密着性を改善するその他の方法として、例えば、基材フ
ィルムの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダ
ーコート剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を
任意に形成しておくことも可能である。上記の前処理の
コート層としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物
を例示することができる。また、上記において、コート
剤層の形成法としては、例えば、溶剤型、水性型、ある
いは、エマルジョン型等のコート剤を使用し、ロールコ
ート法、グラビアコート法、キスコート法等を例示する
ことができる。また、そのコート時期としては、基材フ
ィルムの2軸延伸処理後の後工程として、あるいは、2
軸延伸処理のインライン処理等で実施することができ
る。
ガスバリア層としては、高分子化合物を含む樹脂組成物
を挙げることができる。具体的な例としては、ビニルア
ルコール系樹脂(ポリビニルアルコール樹脂、エチレン
−ビニルアルコール共重合体)、セルロース系、ポリア
クリロニトリル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアミド
系樹脂等が挙げられる。中でもビニルアルコール系樹脂
(ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体)が好適に使用される。また、これらは2
種以上の混合あるいは積層として使用することもでき
る。
する高分子化合物をビヒクルの主成分とし、これと、必
要に応じて架橋剤を含む樹脂組成物によるコ−ティング
膜について説明すると、かかるコ−ティング膜として
は、例えば、ビニルアルコール系樹脂等の1種ないしそ
れ以上をビヒクルの主成分とし、これに、必要に応じて
架橋剤の1種ないしそれ以上を添加し、更に、必要なら
ば、例えば、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑
剤、帯電防止剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶
剤、希釈剤等で充分に混練してなる溶剤型、水性型、あ
るいは、エマルジョン型等からなる樹脂組成物を調整し
た後、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト
法、キスロ−ルコ−ト法、スクイ−ズロ−ルコ−ト法、
リバ−スロ−ルコ−ト法、カ−テンフロ−コ−ト法、そ
の他等のコ−ティング法によりコ−ティングし、次い
で、加熱乾燥、更には、エ−ジング処理等を施して、本
発明におけるガスバリア膜を形成することができる。
ール系樹脂成分、架橋剤等を溶解ないし混練し、アルコ
−ル−水系溶液等を使用して調整した樹脂組成物を使用
することが好ましい。なお、アルコ−ル成分としては、
例えば、n−プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ
−ル、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、
エチルアルコ−ル、メチルアルコ−ル等を使用すること
ができ、また、上記のアルコ−ル−水系溶液において、
アルコ−ルと水との配合割合としては、特に制限はない
が、溶解性、揮発性、取扱性の面でアルコ−ル、20〜
70重量部に対し水、80〜30重量部の割合で配合し
てアルコ−ル−水系溶液を調整することが好適である。
ン−ビニルアルコ−ル共重合体としては、エチレン含有
率50モル%以下が好適である。エチレン含量が、50
モル%以下であれば、高いガスバリア性を有し、透明性
等に優れている。一方、エチレン含有率が50モル%を
超えると、酸素ガスバリア性が急激に低下し、また、透
明性も悪くなることから好ましくない。
ルアルコール系樹脂が有するヒドロキシル基等と反応
し、該ビニルアルコール系樹脂の分子を互いに化学結合
で結び付けて、三次元網状構造(硬化)の高分子化合物
等を構成し得る多官能性化合物を使用することができ
る。例えば、−CH=CH2 基、=C=O基、−C≡N
基、エポキシ基、エチレンイミン基等の活性水素と反応
する官能基を有する化合物、−OH基、−SH基、−C
OOH基、−NH2 基等の活性水素を有する化合物、そ
の他、ハロゲン基、塩、キレ−ト形成基等を有する化合
物等を使用することができる。例えば、ジアルデヒド化
合物、ジカルボン酸化合物、ジイミド化合物、ジないし
多価アルコ−ル化合物、ジアミン化合物、ジイソシアナ
−ト化合物、ビスエポキシ化合物、ビスエチレンイミン
化合物、ジビニル化合物、ジルコニウム化合物、チタン
キレ−ト化合物等であり、具体的に例示すると、グリオ
キサ−ル、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド化合
物、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレ
イン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸等のジカル
ボン酸化合物、カルボジイミド等のジイミド化合物、エ
チレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレ
ングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペン
タン−1,6−ヘキサンジオ−ル、シクロヘキサン−
1,4−ジオ−ル、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエ
リスリト−ル、ウレア−ホルムアルデヒド縮合物(メチ
ロ−ル化物)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物(メ
チロ−ル化物)等のジないし多価アルコ−ル化合物、エ
チレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、フェニレンジアミン、ウレア、メラミン等の
ジないし多価アミン化合物、ネオペンチルグリコ−ルジ
グリシジルエ−テル、ブタンジオ−ルジグリシジルエ−
テル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ビ
スフェノ−ルAジグリシジルエ−テル等のビスエポキシ
化合物、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリア
リル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、シュ
ウ酸ジアリル、コハク酸ジアリル、セバシン酸ジアリ
ル、クエン酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、フマル
酸ジアリル等のジビニル化合物、酢酸ジルコニウム、硝
酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸
ジルコニウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム等のジル
コニウム化合物、チタンキレ−ト剤等のチタンキレ−ト
化合物、その他等の1種ないし2種以上の併用を挙げる
ことができる。
のビニルアルコール系樹脂と上記の架橋剤との配合割合
としては、ビニルアルコール系樹脂100重量部に対
し、架橋剤0.1〜50重量部の配合割合が好ましい。
元反応性を有するシランカップリング剤を架橋剤等とし
て添加することができる。上記のシランカップリング剤
としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、
ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルシリコ−ンの1
種ないしそれ以上を使用することができる。その使用量
としては、ビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
て0.1〜50重量部の配合割合が好ましい。
する樹脂組成物においては、上記のビニルアルコ−ル系
樹脂、架橋剤、シランカップリング剤等を個々に、ある
いは、相互に反応させて硬化させる硬化触媒を添加する
ことができる。上記の硬化触媒としては、例えば、水に
実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第三アミ
ン類、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリ
プロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミ
ン等、また、酸類として、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等
の鉱酸、酢酸、酒石酸等の有機酸等を使用することがで
きる。その使用量としては、微量添加することで十分で
ある。
系樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、少なくとも、
上記の架橋剤を添加し、更に、必要ならば、シランカッ
プリング剤、硬化触媒、その他の添加剤を任意に添加
し、アルコ−ル−水系溶剤、希釈剤等で充分に混練して
なる樹脂組成物を調整し、これを通常のコ−ティング法
でコ−ティングし、次いで、加熱乾燥、更には、エ−ジ
ング処理等を施すことにより、コ−ティング硬化膜を形
成することができる。
リア層の厚みは、0.01〜10μmの範囲が好まし
く、0.05〜5μmがさらに好ましく、0.05〜3
μmが特に好ましい。該ガスバリア層の厚みが、0.0
1μm未満では、十分なガスバリア性が得られず、10
μmを超えると、透明性が低下したり、密着性が悪化す
るようになり、好ましくない。
金属酸化物層および樹脂組成物層としてビニルアルコー
ル系樹脂層を積層することによって、ガスバリア性、密
着性が優れるため、より一層好ましく本発明の目的を満
足できる。
の片面または両面に耐溶剤性、耐擦過性等を向上させる
目的の保護層あるいはハードコート層を意味するが、構
成材料としては活性エネルギー線の照射によって架橋構
造を形成し得る化合物であれば、特に制限はなく使用可
能である。ただし、保護コート層の表面硬度、耐溶剤
性、強度等の特性を考慮した場合には、一分子中に2個
以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する
化合物を主体とする材料を用いる紫外線硬化樹脂が好適
に用いられる。
多価アルコールまたはその誘導体等と、これらの化合物
と反応し得る基、アクリロイル基またはメタクリロイル
基を有する化合物とを反応させることによって得られる
化合物を挙げることができる。その具体例としては、多
価アルコールと(メタ)アクリル酸、そのハロゲン化物
またはその低級アルキルエステルとを反応させることに
よって得られる化合物を挙げることができる。ここでい
う多価アルコールの例としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタグリセロール、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセ
リン等を挙げることができる。これらのアルコールと
(メタ)アクリル酸とから得られる特に好ましい化合物
としては、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結ぶ基が
炭素数20個以下、好ましくは10個以下で0または1
個のエーテル基を有する炭化水素基であるものであり、
例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタグリセロール(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
射による硬化する化合物として、いわゆる光重合オリゴ
マーを用いることができる。かかる化合物の例として
は、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレー
ト、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリ
エステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シ
リコーンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、
ポリスチリルエチルアクリレート等が挙げられる。
述したような多官能モノマー類あるいはオリゴマー類を
主体とするものであるが、その塗工作業性あるいは保護
コート層の物性を改良するために、他の共重合可能なモ
ノマー類を併用することができる。これらの具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはこ
れらのカルボン酸およびアルコール類、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプ
ロピルアルコール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノ
ール、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、イ
ソボルニルアルコール、イソデシルアルコール、オクチ
ルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアル
コール、ブトキシトリエチレングリコール、t−ブチル
アミノエチルアルコール、2−シアノエチルアルコー
ル、2−エトキシエチルアルコール、ジシクロペンタニ
ルアルコール、ジシクロペンテニルアルコール、ジシク
ロペンテニロキシエチルアルコール、2,3−ジブロモ
プロピルアルコール、N,N−ジメチルアミノエチルア
ルコール、N,N−ジエチルアミノエチルアルコール、
ヘプタデカフロロデシルアルコール、ブトキシエチルア
ルコール、2−メトキシエチルアルコール、メトキシエ
チレングリコール、メトキシテトラエチレングリコー
ル、ノニルフェノキシポリエチレングリコール、オクタ
フロロペンチルアルコール、フェノキシエチルアルコー
ル、フェノキシジエチレングリコール、フェノキシテト
ラエチレングリコール等の脂肪族アルコール類とのエス
テル、シクロヘキシルアルコール、メトキシポリエチレ
ングリコール等の脂環式アルコール類とのエステル、フ
ェノール等の芳香族アルコールとのエステル、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、グリセリン、ブタンジオール、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピルアルコール、2−ヒドロキシエチル
アルコール、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フ
ェノキシヒドロキシプロピルアルコール等の多官能性ア
ルコールのモノエステル、アリルアルコール、グリシジ
ルアルコール、フタル酸モノヒドロキシエチル、コハク
酸モノヒドロキシエチル等の反応性官能基含有アルコー
ル類とのエステル、リン酸エステル含有アルコール類と
のエステルを挙げることができる。また、その他の共重
合可能なモノマー類としてはアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチ
レン、α−クロロスチレン、モルホリン、N−ビニルピ
ロリドン、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−ブトキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、不飽和ポリエステル
ジメタクリレート、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
メトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリエト
キシシラン、アクリロイルオキシトリメトキシシラン等
を挙げることができ、これらのモノマー類は保護コート
層形成材料中の50重量%以下の範囲で加えて用いるの
が好ましい。
え、適当な開始剤(重合開始剤、光増感剤など)を含有
させることができる。かかる開始剤としては種々のもの
があるが、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジベン
ゾイル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、
p−クロロベンゾフェン、p−メトキシベンゾフェノ
ン、ミヒラーケトン、アセトフェノン、2−クロロチオ
キサントン、アントラキノン、フェニルジスルフィド等
を挙げることができ、これらを単独であるいは組み合わ
せで使用することができる。この場合、この開始剤の使
用量は、保護層形成材料100重量部に対し0.05〜
5.0重量部の範囲で用いることが好ましい。
例としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、2−ジメチルエタノールアミン等の3級アミン系、
トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系、β
−チオジグリコール等のアルキルエーテル系等が挙げら
れる。これら光増感剤は、1種あるいは2種以上を混合
して使用できる。その配合は、保護層形成材料100重
量部に対して0.1〜15重量部の範囲が好ましい。
範囲で、シリコーン系、フッ素系、チタネート系等の改
質剤、マイカ、シリカ、チタニア、アルミナ、タルク、
カオリン、ジルコニア等の充填剤、ポリビニルブチラー
ル、シリコーン系化合物等のレベリング剤、紫外線吸収
剤等の添加剤を適宜用いることができる。
を有する化合物よりなる組成物を適当な手段によってフ
ィルムに塗布または積層し、活性エネルギー線を照射し
て架橋硬化させ、保護コート層を形成する。かかる活性
エネルギー線としては、紫外線、可視光線、電子線、X
線、α線、β線およびγ線等を用いることができる。活
性エネルギー線は、通常、塗布層または積層面側から照
射するが、フィルムとの密着性を高めるため、フィルム
面側に活性エネルギー線を反射しうる反射板を設けた
り、フィルム面側から活性エネルギー線を照射しても構
わない。
着性をより高めるために、塗布あるいは積層の前に、例
えば、基材フィルムに積層したガスバリア層上に、予
め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、ある
いは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成しておく
ことも可能である。上記の前処理のコート層としては、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等を
ビヒクルの主成分とする樹脂組成物を例示することがで
きる。また、上記において、コート剤層の形成法として
は、例えば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン
型等のコート剤を使用し、ロールコート法、グラビアコ
ート法、キスコート法等の任意の方法でコートすること
ができる。
0.1〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは
0.5〜30μm、特に好ましくは1〜20μmの範囲
である。保護コート層の厚みが、0.1μm未満では、
ピンホールが生じやすく、50μmを超えると、透明性
が低下したり、保護コート層の密着性が悪化するように
なり、液晶表示パネルの品質を悪化させるため好ましく
ない。
て基材フィルムの片面あるいは両面にガスバリア層、保
護コート層を積層することができる。また、場合によっ
ては、片面に積層したフィルム基材2枚を貼り合わせる
ことによって使用することもできる。
透明性、ガスバリア性、耐溶剤性および耐熱性等に優れ
る特徴を有しており、液晶表示パネルやタッチパネル等
のパネル基板に有用な積層フィルムに好適に適用するこ
とが可能である。
電極として酸化インジウムスズ(ITO)等の着膜によ
って透明導電膜を形成し、液晶表示パネル基材またはタ
ッチパネル用基材とすることができるが、該透明導電膜
は、保護コート層の上に直接着膜、あるいは表面処理の
後、着膜してもよい。また、保護コート層をフィルムの
片面に設けた場合は、それと反対側の面に設けてもよ
い。
さらに詳しく説明する。なお、以下の部数および%は、
それぞれ重量部および重量%を表す。また、実施例中の
測定方法は以下のとおりである。
OCON)社製の測定機にて測定した。
(MOCON)社製の測定機にて測定した。
後、表面状態を観察した。 薬液:N−メチルピロリドン、5%塩酸水溶液
m間隔でたてよこ11本の切れ目を入れ、1mm2 目を
100ケ作り、この上にセロハンテープを押しつけ、テ
ープを急に180°方向に剥がし、テープにより剥離し
た目の数によりランク付けした。
mmφとし、分光結晶:PET、ピーク2θ=144.
610度、時間=40秒、ピーク前後のバックグラウン
ドを各々2θ=143.350度、時間=5秒、2θ=
146.480度、時間=5秒の条件でアルミニウムの
強度を測定し、単位面積当たりの強度を算出した。
mの日本ゼオン製ゼオノアフィルム(ガラス転移温度1
68℃)のロールを反応性蒸着装置に装着した。純度9
9.9%の金属アルミニウムを高周波誘導加熱蒸発器に
充填した後、真空蒸着器を2×10 -4Torrに排気した。
冷却ドラムは−10℃に冷却した。次いで、まず高周波
誘導加熱蒸発器を加熱し、ガス流量制御装置によりガス
吹出口から酸素ガスを供給した。酸素ガスの供給量は真
空容器の圧力を見ながら調整した。得られた酸化アルミ
ニウム層の蛍光X線分析による金属強度は、0.10k
cps/cm2 であった。 <ガスバリア層2>次いで、上記フィルムを枚葉にカッ
トした後、酸化アルミニウム蒸着膜上に、ポリビニルア
ルコ−ル共重合体のイオン交換水とn−プロピルアルコ
−ル(1/1)溶媒による15%溶液を100重量部か
らなる樹脂組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布し、1
20℃、1分間熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後の膜厚が
2μmの塗布膜を有する積層フィルムを得た。 <保護コート層>引き続き、このポリビニルアルコール
系塗剤からなるガスバリア層上に下記成分からなる保護
コート層をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃、2分
間熱風乾燥機中で乾燥した後、コンベヤ型高圧水銀灯U
V硬化装置を用い、硬化させることによって膜厚5μm
の保護コート層を形成し、上記片面3層からなる積層フ
ィルムを得た。
溶剤性、密着性を表1に示す。
ート層>の成分を下記のように変更したこと以外は、全
て実施例1と同様にして片面3層からなる積層フィルム
を得た。
ガスバリア層1>、<ガスバリア層2>および<保護コ
ート層>を各々両面に順に積層し、両面積層フィルムを
得た。
8μmの日本ゼオン製ゼオノアフィルムの代わりに、厚
さ188μmのJSR製アートンフィルム(ガラス転移
温度171℃)を用いたこと以外は、実施例1と全て同
様にして積層フィルムを得た。
リア層1>を蒸着する前に、インラインで酸素供給下、
プラズマ処理したこと以外は、実施例1と全て同様にし
て積層フィルムを得た。
リア層1>の蒸着を省略したこと以外は全て実施例1と
同様にして片面2層(<ガスバリア層1>および<保護
コート層>)からなる積層フィルムを得た。なお、<ガ
スバリア層2>の塗工の際、塗膜端部において塗膜の弾
きが認められた。
ート層>の塗工を省略したこと以外は、全て実施例1と
同様にして片面2層(<ガスバリア層1>および<ガス
バリア層2>)からなる積層フィルムを得た。
ルム上に<ガスバリア層2>、<ガスバリア層1>の順
に積層したこと以外は、全て実施例2と同様にして積層
フィルムを得た。
よれば、優れたガスバリア性、耐溶剤性および層間密着
性を有する液晶表示パネル用基板に好適に使用できる積
層フィルムが得られる。
Claims (8)
- 【請求項1】 ガラス転移温度が100℃以上の非晶性
プラスチックフィルムの少なくとも片面に、ガスバリア
層、保護コート層の順に積層した積層フィルムであっ
て、該ガスバリア層が少なくとも2層から構成され、か
つその中の一層が無機酸化物の蒸着膜からなり該非晶性
プラスチックフィルムに接して積層されていることを必
須とする液晶表示パネル用積層フィルム。 - 【請求項2】 非晶性プラスチックフィルムのガラス転
移温度が160℃以上である請求項1記載の液晶表示パ
ネル用積層フィルム。 - 【請求項3】 無機酸化物が、アルミニウム酸化物また
はケイ素酸化物である請求項1または2記載の液晶表示
パネル用積層フィルム。 - 【請求項4】 無機酸化物の蒸着膜の蛍光X線分析によ
る金属強度が、0.01〜5kcps/cm2である請
求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示パネル用積層フ
ィルム。 - 【請求項5】 ガスバリア層が、アルミニウム酸化物層
またはケイ素酸化物層、および高分子化合物を含有する
樹脂組成物層から構成される請求項1〜4のいずれかに
記載の液晶表示パネル用積層フィルム。 - 【請求項6】 樹脂組成物を構成する高分子化合物が、
ビニルアルコール系樹脂層である請求項5記載の液晶表
示パネル用積層フィルム。 - 【請求項7】 ガスバリア層の厚みが0.01〜10μ
mである請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示パネ
ル用積層フィルム。 - 【請求項8】 保護コート層が、アクリル系光硬化樹脂
である請求項1〜7のいずれかに記載の液晶表示パネル
用積層フィルム。
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---|---|---|---|
JP2000371977A JP2002174809A (ja) | 2000-12-06 | 2000-12-06 | 液晶表示パネル用積層フィルム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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