JP2002170872A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP2002170872A
JP2002170872A JP2000368470A JP2000368470A JP2002170872A JP 2002170872 A JP2002170872 A JP 2002170872A JP 2000368470 A JP2000368470 A JP 2000368470A JP 2000368470 A JP2000368470 A JP 2000368470A JP 2002170872 A JP2002170872 A JP 2002170872A
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dielectric layer
electrostatic chuck
conductive ceramic
film
installation surface
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JP2000368470A
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English (en)
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Osamu Tsubokura
理 坪倉
Kazuhiko Mishima
和彦 三嶋
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Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸着特性を低下させることなく被吸着物の離脱
性に優れ、かつパーティクルの発生の少ない静電チャッ
クを提供する。 【解決手段】静電チャック1の設置面3を、誘電体層2
を形成する絶縁性セラミックスと導電性セラミック膜7
とから形成し、上記設置面3の平面度を5μm以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
被吸着物を静電気力によって吸着固定するのに使用する
静電チャックに関するものであり、例えば、半導体の製
造工程における、成膜処理、エッチング処理、露光処
理、あるいは各種処理工程間の搬送等に好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体の製造工程における、成膜
処理、エッチング処理、露光処理、あるいは各種処理工
程間の搬送等においては、被吸着物である半導体ウエハ
を保持するためにウエハチャックが使用されている。
【0003】ウエハチャックとしては、メカニカルクラ
ンプ、真空チャック、静電チャックと呼ばれるものがあ
るが、このうちメカニカルクランプは、半導体ウエハの
周縁部を金属製の押圧治具で機械的に押さえ付けて固定
するものであるため、押圧治具により押さえられている
部分より半導体素子を形成することができないため、生
産性を高めることができず、また、半導体ウエハの全面
を均一に押さえることができないため、固定した半導体
ウエハに反りや歪みなどが発生し、その加工表面が平坦
になるように精度良く固定することができないといった
課題がった。しかも、半導体ウエハの加工表面を金属製
の押圧部材で押さえるため、コンタミネーションやパー
ティクルを発生させ易く、良品を安定して製作すること
が難しく、歩留まりが悪いといった課題があった。
【0004】また、真空チャックは、半導体ウエハの設
置面に形成された多数の吸引孔より真空引きし、半導体
ウエハを設置面に真空吸引力によって強制的に吸着固定
するものであるが、被吸着物が半導体ウエハのように薄
肉のものであると、吸引孔上に位置する部分のみが窪ん
で半導体ウエハの加工表面に多数の凹凸ができ、加工表
面が平坦になるように精度良く固定することができない
といった課題があった。
【0005】しかも、スパッタリング法やCVD法(化
学気相成長法:Chemical Vapor Deposition)等の成膜装
置やEB露光装置(電子ビーム:Electron Beam)等に用
いる場合、そのプロセス環境は中高真空下であり、この
ような環境下では真空吸引力を利用した真空チャックを
使用することができないといった課題があった。
【0006】これに対し、静電チャックは、誘電体層を
挟んで形成された静電吸着用電極と半導体ウエハとの間
に静電気力を発生させて強制的に吸着固定するものであ
るため、誘電体層の厚みを一定とし、静電吸着用電極を
半導体ウエハとほぼ同等の大きさに形成しておけば、半
導体ウエハの全面にわたってほぼ均一な静電気力を発生
させることができるため、半導体ウエハの加工表面が平
坦になるように精度良く固定することができ、また、静
電吸着力を用いるために周囲の雰囲気に影響を受け難
く、中高真空下でも使用可能であるため、成膜処理、エ
ッチング処理、露光処理等を使用する半導体の製造工程
では静電チャックの利用が広がりつつあった。
【0007】この種の静電チャックは、図3に示すよう
に、円盤状をした誘電体層22とベース基台25、及び
上記誘電体層22とベース基台25の間に配置された静
電吸着用電極24とからなり、誘電体層22の下面には
円形パターンを有する静電吸着用電極24を備え、この
静電吸着用電極24を覆うように誘電体層22の下面に
は接合層26を介してベース基台25が接合されてお
り、上記誘電体層22の上面を、被吸着物Wを載せる設
置面23としたものであった。
【0008】そして、この静電チャック21により被吸
着物Wを固定するには、設置面23に載せた被吸着物W
と静電吸着用電極24との間に電圧を引加すると、被吸
着物Wと設置面23の間には静電吸着力として誘電分極
によるクーロン力が発生し、被吸着物Wを設置面23に
強制的に固定することができるようになっていた。
【0009】ただし、被吸着物Wの吸着精度は、静電チ
ャック21の設置面23における平面度の影響を受ける
ため、設置面23は極めて平坦かつ平滑に仕上げる必要
があり、また被吸着物Wの着脱時には摺動による摩耗が
発生するため、設置面23には耐摩耗性が必要である。
また、被吸着物Wが半導体ウエハである場合、金属の混
入を防がなければならず、また腐食性ガス等に曝される
場合、耐食性も必要となる。
【0010】そこで、これらの問題を解消するため、静
電チャック21の誘電体層22として、アルミナ質焼結
体、チタン酸カルシウム(CaTiO3)質焼結体、チタ
ン酸バリウム(BaTiO3)質焼結体、窒化アルミニウ
ム質焼結体、あるいは単結晶アルミナ等の絶縁性セラミ
ックスの利用が試みられており、近年、このようなセラ
ミック製静電チャックの使用が主流になっている(特開
昭62−264638号公報、特開平4−206948
号公報、特開平6−291175号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、半導
体の製造工程では、生産性の向上が求められており、各
種処理工程における処理時間をできるだけ短くすること
が要求されており、成膜処理、エッチング処理、露光処
理等では、被吸着物Wである一枚の半導体ウエハを処理
するのに要する時間(以下、スループットという)、特
に静電チャック21に固定した半導体ウエハを離脱させ
るのに要する時間を短くすることが急務となっている。
【0012】しかしながら、設置面23を形成する誘電
体層22が上述した絶縁性セラミックスからなる静電チ
ャック21では、半導体ウエハと設置面23に極性の異
なる電荷を帯電させることにより静電気力を発現させて
吸着するという吸着原理によって、電圧の引加を止めて
も誘電体層22が絶縁性セラミックスであるために半導
体ウエハと設置面23に帯電した電荷を直ぐに逃がすこ
とができず、吸着力が持続された状態、所謂、残留吸着
力が発生した状態となるため、半導体ウエハを直ぐに離
脱させることができず、スループットを向上させること
ができないといった課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題を鑑み、絶縁性セラミックスからなる誘電体層の上面
に凹部を形成し、この凹部を体積固有抵抗値が10Ω・
cm以下の導電性セラミック膜で埋め、上記誘電体層の
上面と上記導電性セラミック膜の上面とで形成される平
面を、被吸着物を載せる設置面とし、該設置面の平面度
を5μm以下とするとともに、上記誘電体層の下面に静
電吸着用電極を形成して静電チャックを構成したことを
特徴とする。
【0014】また、上記設置面の面積に対し、上記導電
性セラミック膜の上面の面積が占める割合は5%〜30
%とすることが良く、また、上記誘電体層を形成する絶
縁性セラミックス及び上記導電性セラミック膜は、その
平均気孔径をそれぞれ1μm以下、気孔率をそれぞれ
0.05%以下に緻密化したものを用いることが好まし
い。さらに、望ましくは、上記誘電体層を形成する絶縁
性セラミック部を単結晶アルミナにより形成し、かつ上
記導電性セラミック膜をTiN膜又はTiC膜により形
成することが良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】図1は本発明の静電チャックを示す図で、
(a)はその断面図、(b)はその平面図である。
【0017】この静電チャック1は、円盤状をした絶縁
性セラミックスからなる誘電体層2と、円盤状をした絶
縁性セラミックスからなるベース基台5、及び上記誘電
体層2と上記ベース基台5との間に配置された静電吸着
用電極4とからなり、上記誘電体層2の下面には半円形
状をした一対の静電吸着用電極4を円を構成するよう
に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、PVD法、CVD法、あるいはメッキ法やメタ
ライズ法等の膜形成手段によって被着してあり、この静
電吸着用電極4を覆うように誘電体層2の下面には接合
層6を介してベース基台5を接合してある。
【0018】また、誘電体層2の上面周縁部には、上方
から見たとき環状の凹部2aを形成してあり、この環状
の凹部2aには、該凹部2aを埋めるように導電性セラ
ミック膜7を被着し、導電性セラミック膜7の上面と誘
電体層2の上面とが同一平面上に位置するように形成し
てあり、この導電性セラミック膜7の上面と誘電体層2
の上面とで構成される平面を、被吸着物Wを載せる設置
面3とし、この設置面3の平面度が5μm以下となるよ
うにしてある。
【0019】その為、本発明の静電チャック1の設置面
3に、例えば薄肉の被吸着物Wを載せ、一対の静電吸着
用電極4間に電圧を印加して被吸着物Wと設置面3との
間に静電気力として誘電分極によるクーロン力を発現さ
せて被吸着物Wを設置面3に吸着固定すると、被吸着物
Wの表面を設置面3の優れた平面精度に倣って平坦にす
ることができる。
【0020】また、吸着固定した被吸着物Wを離脱させ
る場合、静電吸着用電極4への通電を止めるとともに、
導電性セラミック膜7をアースすることにより、被吸着
物Wや設置面3に帯電した電荷を導電性セラミック膜7
より直ちに逃がし、大きな残留吸着力が残るのを防止す
ることができるため、短時間で被吸着物Wを設置面3よ
り離脱させることができる。
【0021】さらに、導電性セラミック膜7は誘電体層
2の上面に形成した凹部2aを埋めるように形成してあ
ることから、設置面3を形成した時に誘電体層2の上面
から導電性セラミック膜7の上面まで滑らかにつながっ
た平滑面とすることができる。
【0022】ところで、このような効果を奏するには、
設置面3全体の面積に対し、導電性セラミック膜7の上
面の面積が占める割合を5%〜30%とすることが良
い。
【0023】なぜなら、設置面3全体の面積に対する導
電性セラミック膜7の上面の面積が占める割合が5%未
満では、設置面3に存在する導電性セラミック膜7の占
める割合が小さいため、被吸着物Wを離脱する際に、被
吸着物Wと設置面3に帯電する電荷を短時間に逃がす効
果が小さいからであり、逆に、設置面3全体の面積に対
する導電性セラミック膜7の上面の面積が占める割合が
30%を超えると、静電気力を発生させる誘電体層2の
上面の占める割合が少なくなりすぎるため、被吸着物W
の吸着力が小さくなりすぎ、反りをもった被吸着物Wを
設置面3の平面精度に倣って精度良く吸着固定すること
ができないからである。
【0024】また、被吸着物Wを均一な静電気力でもっ
て設置面3に固定するには、静電気力の発生に寄与しな
い導電性セラミック膜7を設置面3において偏りなく配
置することが好ましく、例えば、図1(b)に示すよう
に環状に配置する以外に、図2(a)や図2(b)に示
すように、導電性セラミック膜7の上面が円形あるいは
正方形をしたものを、設置面3に等間隔に分布させたも
のや、図2(c)に示すように、導電性セラミック膜7
の上面が円形をしたものを、設置面3の中央に配置した
もの等を用いることができる。
【0025】また、導電性セラミック膜7は、その体積
固有抵抗値ができるだけ小さいものが良く、好ましくは
10Ω・cm以下の体積固有抵抗値を有するものが良
い。この理由は、導電性セラミック膜7の体積固有抵抗
値が10Ω・cmより大きいと、導電性というより半導
電性に近くなり、被吸着物Wや設置面3に帯電した電荷
を直ちに逃がすことができず、被吸着物Wの離脱時間を
短くする効果が小さいからである。
【0026】10Ω・cm以下の体積固有抵抗値を有す
る導電性セラミック膜としては、TiN膜,TiC膜,
SiC膜を用いることができる。上記導電性セラミック
膜7は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法、PVD法、CVD法等の膜形成手段にて被
着すれば良いのであるが、できるだけ緻密化したものが
良く、好ましくは平均気孔径が1μm以下、気孔率が
0.05%以下であるものが良く、このように緻密化さ
れた導電性セラミック膜7を用いることにより、被吸着
物Wの着脱時に摺動したとしても摩耗が少なく、パーテ
ィクルの発生を抑えることができる。
【0027】また、上述した導電性セラミック膜7は、
後述する誘電体層2を形成する絶縁性セラミックスと同
程度の切削性を有することから、設置面3を形成するた
めに、研削加工や研磨加工を施した時に誘電体層2の上
面と導電性セラミック膜7の上面を同程度だけ削ること
ができるため、設置面3の平面度を5μm以下にまで平
坦化することができる。
【0028】一方、誘電体層2を形成する絶縁性セラミ
ックスは、1012Ω・cm以上の体積固有抵抗値を有す
るとともに、吸着時や離脱時における被吸着物Wとの摺
動においても摩耗したり、脱粒を起こし難い材料により
形成することが好ましく、アルミナ質焼結体、窒化珪素
質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、あるいは単結晶
アルミナを用いることができる。
【0029】この中でも単結晶アルミナは、多結晶体で
あるアルミナ質焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミ
ニウム質焼結体等のように粒界のない単結晶体であるた
め、吸着時や離脱時における被吸着物Wとの摺動におい
て脱粒を起こすことがなく、また耐摩耗性に優れること
からパーティクルの発生を大幅に低減することができ
る。
【0030】また、単結晶アルミナとTiN膜やTiC
膜は、切削性が同程度であることから、設置面3を形成
するために研削加工や研磨加工を施せば、その平面度を
容易に5μm以下とすることができ、静電チャック1を
形成する場合、誘電体層2を単結晶アルミナにより形成
するとともに、導電性セラミック膜7をTiC膜やTi
N膜により形成した組み合わせとすることが好ましい。
【0031】なお、誘電体層2をアルミナ質焼結体、窒
化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体等の多結晶
体により形成する場合、パーティクルの発生を極力抑え
る観点から、平均気孔径1μm以下、気孔率0.05%
以下に緻密化されたものを用いることが好ましい。
【0032】また、誘電体層2の下面に被着する静電吸
着用電極4の材質としては、パラジウム、ニッケル、チ
タン、タングステン、モリブデン、白金、金、銀等の金
属やFe−Co−Ni合金、あるいはTiNやTiC等
の導電性セラミック膜を用いることができ、前述したよ
うに、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、PVD法、CVD法、あるいはメッキ法やメ
タライズ法等の膜形成手段によって被着すれば良い。
【0033】さらに、ベース基台5を形成する絶縁性セ
ラミックスとしては、1012Ω・cm以上の体積固有抵
抗値を有するものであれば良く、例えば、誘電体層2を
形成する絶縁性セラミックスとして挙げたセラミックス
以外に、コージライト質焼結体、イットリューム・アル
ミニウム・ガーネット(YAG)質焼結体等を用いるこ
とができる。なお、好ましくはベース基台5と誘電体層
2を接合する際に熱膨張差によって作用する応力をでき
るだけ緩和し、接合強度を高める観点から、ベース基台
5と誘電体層2は熱膨張差が近似した材料を適宜選択し
て組み合わせることが良く、望ましくはベース基台5と
誘電体層2を同一の絶縁性セラミックスにより形成する
ことが良い。
【0034】次に、図1(a)(b)に示す静電チャッ
クの製造方法について説明する。
【0035】まず、誘電体層2及びベース基台5を形成
する絶縁性セラミックスを用意し、切削加工により円盤
状に形成した誘電体層2の一方の主面に研磨加工を施し
て平滑に仕上げた後、研磨した一方の主面に、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PV
D法、CVD法、あるいはメッキ法やメタライズ法等の
膜形成手段によって静電吸着用電極4を被着し、この静
電吸着用電極4を覆うように誘電体層2の一方の主面
に、切削加工により円盤状に形成したベース基台5を接
合する。
【0036】誘電体層2とベース基台5の接合方法とし
ては、接着、ガラス付け、ロウ付け等の方法を適宜選定
して用いれば良い。
【0037】次に、誘電体層2の他方の主面に、環状の
凹部2aを研削加工にて形成した後、誘電体層2の他方
の主面全体に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法、PVD法、CVD法等の膜形成手段
にて導電性セラミック膜7を被着する。この時、誘電体
層2の凹部2aを導電性セラミック膜7で完全に埋める
ようにする。
【0038】次いで、導電性セラミック膜7が被着され
た誘電体層2の他方の主面に研削加工、研磨加工を施し
て平坦に仕上げ、被吸着物Wの設置面3を形成する。こ
の時、導電性セラミック膜7は誘電体層2を形成する絶
縁性セラミックスと同じような切削性を有する材料によ
り形成することで、異材質からなる誘電体層2の上面と
導電性セラミック膜7の上面を平坦に仕上げることがで
き、平面度で5μm以下の精度に仕上げることができ
る。
【0039】しかる後、ベース基台5に静電吸着用電極
4と導電性セラミック膜7に連通する穴を穿孔し、静電
吸着用電極4と導電性セラミック膜7にリード線を結線
することにより、本発明の静電チャック1を得ることが
できる。
【0040】以上、本実施形態では、双極型の静電チャ
ック1を例にとって説明したが、単一の静電吸着用電極
を備える単極型の静電チャックであっても構わない。ま
た、本実施形態に示す静電チャックは、誘電体層とベー
ス基台との間に静電吸着用電極を挟んで接合した構造を
示したが、誘電体層とベース基台とが一体的に形成され
た絶縁性セラミックスからなる誘電体中に静電吸着用電
極を埋設した静電チャックにも適用できることは言うま
でもない。
【0041】このように、本発明の要旨を逸脱しない範
囲であれば、改良や変更しても構わない。
【0042】
【実施例】ここで、図1(a)(b)に示す静電チャッ
ク1のうち誘電体層2の凹部2aに導電性セラミック膜
7を被着し、設置面3の面積に対する導電性セラミック
膜7の上面の面積が占める割合をそれぞれ異ならせたも
のと、上記誘電体層2の凹部2aに金属を接合し、設置
面3の面積に対する金属の上面の面積が占める割合をそ
れぞれ異ならせたものを用意し、設置面3の平面度、被
吸着物Wの吸着力と離脱性、及びパーティクルの発生具
合について調べる実験を行った。
【0043】本実験に用いる静電チャック1は、誘電体
層2を厚みが0.2mmの単結晶アルミナにより形成
し、この誘電体層2の下面に蒸着法によりチタン(T
i)からなる静電吸着用電極4を被着し、純度が99.
5%のアルミナ質焼結体からなるベース基台5をエポキ
シ系接着剤にて接合したものを用いた。
【0044】なお、誘電体層2の凹部2aに被着又は接
合する導電性セラミック膜7と金属の材質、静電チャッ
ク1の外径、環状の凹部2aの外径と内径は表2に示す
通りとした。また、静電チャック1を構成する誘電体層
2、導電性セラミック膜7、及び金属を形成する材質の
特性は表1に示す通りである。さらに、静電チャック1
の中央には直径3mmの設置面3を貫通する貫通孔を穿
孔したものを用いた。
【0045】そして、設置面3の平面度については、導
電性セラミック膜7や金属膜を被着した誘電体層2の上
面をダイヤモンドホイールにて研削し、次いで粒径50
nm以下のコロイダルシリカを用いて化学研磨すること
により設置面3を形成し、得られた設置面3の平面度
を、触針式の平面度測定器を用いて測定し、平面度が5
μm以下であるものは使用可能であるため「○」、平面
度が5μmを超えるものは使用不可であるため「×」で
表した。
【0046】また、被吸着物Wの吸着力と離脱性は、各
静電チャック1を真空チャンバー内に設置し、0.02
mmの反りをもった8インチのシリコンウエハを静電チ
ャック1の設置面3に載せ、一対の静電吸着用電極4間
に3kVの電圧を印加して固定した時のウエハの平面度
を測定し、この平面度が0.01mm以下であるものは
吸着性良好であるため「○」、平面度が0.01mmを
超えたものは吸着力不十分であるため「×」で示した。
【0047】次に、吸着したウエハに1.5Vの電子線
を10分照射した後、静電吸着用電極4への通電と、電
子線の照射を止めた後、静電チャック1の貫通孔からウ
エハの裏面に0.038Pa(5torr)の圧力でH
eガスを供給し、ウエハが剥がれるまでの時間を測定
し、5秒以内にウエハを設置面3より離脱させることが
できたものを離脱性良好と判断した。
【0048】さらに、パーティクルの発生具合は、設置
面3より離脱させたウエハに付着するパーティクルの数
を、パーティクルカウンターを用いて測定し、パーティ
クル数が50個以下であるものを「○」、パーティクル
数が50個を超えるものを「×」で示した。
【0049】結果は表2に示す通りである。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】この結果、試料No.1,2に示すよう
に、ステンレス金属を用いたものでは、誘電体層2を形
成する絶縁性セラミックスとの切削性が大きくことなる
ため、設置面3の平面度を5μm以下とすることができ
なかった。また、ステンレス金属は硬度が小さいため、
ウエハの着脱時の摺動において摩耗し、ウエハには多数
のパーティクルが付着していた。
【0053】また、試料No.9,16のように、設置
面3の面積に対する導電性セラミック膜7の上面の面積
が占める割合が30%を超えると、静電気力に寄与しな
い導電性セラミック膜7が占める割合が多くなりすぎる
ため、十分な吸着力を得ることができず、ウエハを精度
良く吸着させることができなかった。
【0054】これに対し、試料No.3〜8,10〜1
5に示すように、TiN膜やTiC膜等の導電性セラミ
ック膜を用いた静電チャック1は、設置面3の平面度を
5μm以下に仕上げることができるとともに、設置面の
面積に対する導電性セラミック膜7の上面の面積が占め
る割合を5%〜30%とすることにより、ウエハを吸着
させるのに十分な吸着力を得ることができ、さらに、ウ
エハを短時間で離脱させることができた。しかも、ウエ
ハに付着するパーティクル数も大幅に低減することがで
き、優れていた。
【0055】この結果、導電性セラミック膜を用いると
ともに、設置面の面積に対する導電性セラミック膜7の
上面の面積が占める割合を5%〜30%とすることによ
り、平坦な設置面3を有し、十分な吸着力と離脱性に優
れた静電チェック1が得られることが判る。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明のによれば、絶縁
性セラミックスからなる誘電体層の上面に凹部を形成
し、この凹部を体積固有抵抗値が10Ω・cm以下の導
電性セラミック膜で埋め、上記誘電体層の上面と上記導
電性セラミック膜の上面とで形成される平面を、被吸着
物を載せる設置面とし、該設置面の平面度を5μm以下
とするとともに、上記誘電体層の下面に静電吸着用電極
を形成して静電チャックを構成したことによって、反り
等を持つ薄肉の被吸着物を、設置面の優れた平面精度に
倣って精度良く吸着固定することができるとともに、被
吸着物を離脱させる際には、被吸着物や設置面に帯電し
た電荷を導電性セラミック膜より直ちに逃がし、短時間
で被吸着物を設置面より離脱させることができる。
【0057】また、本発明は、誘電体層を形成する絶縁
性セラミックス及び導電性セラミック膜の平均気孔径を
それぞれ1μm以下、気孔率をそれぞれ0.05%以下
に緻密化することにより、着脱時における被吸着物との
摺動においても脱粒や摩耗を抑え、パーティクルの発生
を低減することができる。
【0058】さらに、本発明は、誘電体層を形成する絶
縁性セラミック部を単結晶アルミナにより形成し、かつ
導電性セラミック膜をTiN膜やTiC膜で形成するこ
とにより、設置面を平坦に仕上げることができるととも
に、着脱時における被吸着物との摺動においても脱粒や
摩耗を抑え、パーティクルの発生を大幅に低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの一例を示す図で、
(a)はその断面図、(b)はその平面図である。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ本発明に係る静電チ
ャックの他の設置面の構造を示す平面図である。
【図3】従来の静電チャックの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1,21:静電チャック 2,22:誘電体層 3,23:設置面 4,24:静電吸着用電極 5,25:ベース基台 6,26:接合層 7:導電性セラミック膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23Q 3/15 B23Q 3/15 D Fターム(参考) 3C016 GA10 4K029 AA06 AA24 JA05 4K030 CA04 CA12 GA02 KA46 KA47 5F031 CA02 HA02 HA17 HA19 MA27 MA28 MA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性セラミックスからなる誘電体層の上
    面に凹部を形成し、該凹部を体積固有抵抗値が10Ω・
    cm以下の導電性セラミック膜で埋め、上記誘電体層の
    上面と上記導電性セラミック膜の上面とで形成される平
    面を、被吸着物を載せる設置面とし、該設置面の平面度
    を5μm以下とするとともに、上記誘電体層の下面には
    静電吸着用電極を形成したことを特徴とする静電チャッ
    ク。
  2. 【請求項2】上記設置面の面積に対して上記導電性セラ
    ミック膜の上面の面積が占める割合が5%〜30%の範
    囲にあることを特徴とする請求項1に記載の静電チャッ
    ク。
  3. 【請求項3】上記誘電体層を形成する絶縁性セラミック
    スと、上記導電性セラミック膜の平均気孔径がそれぞれ
    1μm以下で、かつ気孔率がそれぞれ0.05%以下で
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静
    電チャック。
  4. 【請求項4】上記誘電体層を形成する絶縁性セラミック
    スが単結晶アルミナからなり、かつ上記導電性セラミッ
    ク膜がTiC膜又はTiN膜からなることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3に記載の静電チャック。
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