JP2002169156A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
液晶表示素子の製造方法Info
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Abstract
高品質の液晶表示素子を低コストで量産する。 【解決手段】 低圧水銀ランプを用いて、185nmお
よび254nmの波長の光を反射型画素電極15表面に
1〜10分間照射し、UVオゾン処理を行う。次に、反
射型画素基板15上にポリイミドワニスからなる配向膜
3をフレキソ印刷法により印刷する。次に、アクティブ
マトリクス基板1上に形成された配向膜3をプリベーク
(50℃、15分間)することにより、レベリングを行
う。次に、配向膜3をポストベーク(180℃、60分
間)する。
Description
製造方法に関し、特に、画素電極上に均一かつ極薄の配
向膜を形成可能な液晶表示素子の製造方法に関する。
電力などの利点を有するため、近年、広く普及してい
る。またその一方で、さらなる高品質の液晶表示素子の
提供が要望されている。
は、たとえば配向膜形成時に立体的障害となる画素間段
差を周囲に有する微小画素上に、均一かつ極薄の配向膜
をいかにして形成するかが問題となる。液晶表示素子の
配向膜は、量産性に優れている印刷法により、ポリイミ
ドに代表される有機材料からなるワニス(溶液)を画素
電極上に印刷することにより形成されるのが一般的であ
る。
は、印刷法により画素電極上に均一な配向膜が形成でき
る。これは、ポリイミドワニス(配向材料を有機溶液等
により希釈した溶液)が、配向膜を形成する下地となる
ITO(Indium Thin Oxide)などの透明電極に対して
高い親和性を有するため、すなわち、ポリイミドワニス
をITOなどの透明電極に塗布した場合、良好な塗れ性
が得られるためである。
されつつあるSi基板をベースとした反射型液晶表示素
子においては、印刷法により画素電極上に均一な配向膜
を形成することは困難である。これは、ポリイミドワニ
スが、配向膜を形成する際の下地となる高反射率特性を
有する金属材料表面(一般的に金属自然酸化膜および他
の有機汚染物質等が混在)に対して、具体的にはAl等
からなる金属材料表面に対して親和性が低いため、すな
わちポリイミドワニスを金属材料表面に塗布した場合、
塗れ性が悪いためである。
るいは電子ビーム法を用いて、反射型画素電極上に酸化
珪素または酸化アルミニウムの薄膜を成膜することによ
り、金属材料表面の塗れ性の改善を図る方法が提案され
ている(特開平10−177176号公報参照)。
うな方法により反射型画素電極上に酸化珪素または酸化
アルミニウムの薄膜を成膜すると、液晶表示素子を低コ
スト、高スループットで製造することは困難である。
材料の薄膜均一性の良否は、液晶表示素子の性能および
歩留まりに多大な影響を及ぼすため、印刷、塗布むらを
抑制し、さらに配向膜の均一性を高めることが重要な課
題となっている。さらに、液晶表示素子の駆動電圧を低
減するために、配向膜を極薄膜化することも重要な課題
となっている。
トを低減でき、量産性にも優れた液晶表示素子の製造方
法を提供することにある。
一性が高くかつ極薄の配向膜を形成できる液晶表示素子
の製造方法を提供することにある。
めに請求項1の発明は、画素電極上に配向制御膜が形成
された液晶表示素子の製造方法において、配向制御膜を
形成する前段で、画素電極表面をUVオゾン処理し、配
向制御膜を形成するようにしたことを特徴とする液晶表
示素子の製造方法である。
膜が形成された液晶表示素子の製造方法において、配向
制御膜を形成する前段で、画素電極表面を酸素プラズマ
処理し、配向制御膜を形成するようにしたことを特徴と
する液晶表示素子の製造方法である。
膜が形成された液晶表示素子の製造方法において、配向
制御膜を形成する前段で、画素電極表面酸化層を剥離
し、画素電極表面を熱酸化処理することを特徴とする液
晶表示素子の製造方法である。
御膜が形成された液晶表示素子の製造方法において、画
素電極作製直後に画素電極表面に保護膜を形成し、配向
制御膜を形成する前段で保護膜を剥離し、保護膜が剥離
された画素電極表面を熱酸化処理し、配向制御膜を形成
するようにしたことを特徴とする液晶表示素子の製造方
法である。
示素子の製造方法によれば、画素電極表面をUVオゾン
処理あるいは酸素プラズマ処理し、配向制御膜を形成す
るようにしたので、均一かつ極薄の配向膜を画素電極表
面上に形成できる。
面を剥離し、画素電極表面を熱酸化処理するようにした
ので、均一かつ極薄の配向膜を画素電極表面上に形成で
きる。
作成直後に画素電極表面に保護膜を形成し、配向制御膜
を形成する前に保護膜を剥離し、保護膜が剥離された画
素電極表面を、高温酸化処理するようにしたので、均一
かつ極薄の配向膜を画素電極表面上に形成できる。
て図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図
において、同一または対応する部分には同一の符号を付
ける。
射型液晶表示素子の構成を示す断面図である。図1に示
すように、この発明の第1の実施形態による液晶表示素
子は、アクティブマトリクス基板1、対向基板2、配向
膜3、配向膜4、液晶層5およびスペーサ6からなる。
1、素子12、絶縁膜13、絶縁膜14および画素電極
15からなる。基板11は、たとえばシリコン基板であ
る。基板11上に設けられた素子12は、たとえばC−
MOS素子である。素子12上に設けられた絶縁膜13
および絶縁膜14は、例えばSiO2、SiNなどから
なる絶縁膜である。絶縁膜14上に設けられた画素電極
15は、たとえば可視光波長領域において高反射率特性
を有するAl材料からなる膜厚60〜100nm程度の
反射型画素電極である。したがって、画素電極15間に
おける画素間段差31は、60〜100nm程度とな
る。また、図2に示すように、画素電極15は、たとえ
ば9.3μm×9.3μmの正方形の形状を有する。こ
こで、画素電極15間の距離は、たとえば0.7μmで
ある。この画素電極15はたとえばスパッタリングによ
り形成される。
からなる。基板21は、たとえばガラス基板である。基
板21上に形成された透明電極22は、たとえばインジ
ウムと錫の合金の酸化物(ITO)からなる。
び透明電極22上に設けられた配向膜4は、たとえば膜
厚が15nmのポリイミド系有機化合物からなる。この
発明の第1の実施形態においては、具体的にはポリイミ
ド系有機化合物としてJALS−682(JSR製)を
用いる。
との間に挟持された液晶層5は、たとえば垂直液晶から
なる。スペーサ6は対向基板2とアクティブマトリクス
基板1との間の隙間、すなわち液晶層の厚みを一定に保
つためのものであり、たとえば直径1μmの球形のガラ
スである。このスペーサ6は、たとえばアクティブマト
リクス基板1の表面あるいは対向基板2の表面1mm2
につき100個程度となるように散布されている。
子における配向膜3の形成方法について説明する。
配向膜3の形成方法を説明するため模式図である。フレ
キソ印刷は、図3に示すように、アニロックスロール4
3および印刷版用ロール45を用いて行われる。ここ
で、アニロックスロール43には、ディスペンサ41に
より供給されたポリイミドワニス42をアニロックスロ
ール43上に均一に形成するためのドクターブレード4
4が備えられている。また、印刷版用ロール45には、
アクティブマトリクス基板1に印刷するパターンが形成
された印刷版(樹脂凸版)46が備えられている。な
お、膜厚調整は配向制御材料の固形分濃度を変えること
により行われる。
チャンバー内に搬入し、その所定位置に載置する。次
に、低圧水銀ランプを用い、画素電極15にUVオゾン
処理を行う。ここで、低圧水銀ランプが照射する光の波
長は、たとえば185nmおよび254nmである。な
お、低圧水銀ランプによる光の照射は、画素電極15の
材料の光学特性などが劣化しない時間範囲内で行う。た
とえば、1〜10分間(表面照射パワー:〜50mW/
cm2)の範囲内で行う。
に行われる。まず、チャンバー内の酸素が185nmの
波長の光を吸収し、オゾンが発生する。次に、発生した
オゾンが254nmの波長の光を吸収し、励起酸素原子
と酸素分子とに解離する。一方、画素電極15上に付着
あるいは混合している有機物は、185nmの光により
分解される。次に、分解物は上述した励起酸素原子と反
応し、揮発性物質である二酸化炭素および水などにな
る。
化物が画素電極15の表面上に生長し、さらにこの成長
した金属自然酸化物上に汚染物質(有機物など)が付着
あるいは混在しているが、上述したUVオゾン処理によ
り画素電極15の表面上の有機物などを排除できる。こ
れにより、UVオゾン処理前には30度以上ある画素電
極表面上に対するポリイミドの接触角を、5度以下まで
低減できる。
チャンバより取り出し、印刷テーブル47の所定位置に
載置する。次に、図3に示すように、アニロックスロー
ル43とドクターブレード44との間に、ディスペンサ
41により所定量のワニス42を供給する。次に、アニ
ロックスロール43とドクターブレード44の押し込み
量を調整し、アニロックスロール43を回転させ、ドク
ターブレード44によりアニロックスロール43上にワ
ニス42を均一に形成する。
回転する印刷版用ロール45に取り付けられた印刷版4
6に、ワニス42を転写する。ここで、アニロックスロ
ール43と印刷版用ロール45の押し込み量は予め最適
化されている。
した印刷テーブル47を印刷版用ロール45の回転と同
期して搬送し、印刷版46上に転写されたワニス42を
アクティブマトリクス基板1に転写する。ここで、印刷
版用ロール45とアクティブマトリクス基板1の押し込
み量は予め調整されている。
3をプリベークすることにより、レベリングを行う。こ
こで、配向膜3のプリベークは、たとえば50℃の温度
により、15分間行われる。
膜3をポストベークする。ここで、配向膜3のポストベ
ークは、たとえば180℃の温度により、60分間行わ
れる。これにより、溶媒を完全に除去し、固形分のみを
残すことができる。
定機により配向膜3の膜厚分布を測定した。測定の結
果、段差は有効面内において1nm以下であり、画素電
極面内においても1nm以下であった。すなわち、上述
した処理により、配向膜3の均一表面粗さ(配向膜3の
厚さ15nmに対する段差の割合)を、7%以下に制御
できる。
説明する。液晶表示素子の構成は第1の実施形態と同様
であるのでここでは省略する。
配向膜3の形成方法について説明する。
チャンバー内に搬入し、その所定位置に載置する。次
に、画素電極15に酸素プラズマ処理(反応性ドライエ
ッチング(RIE,reactive ion etching))を行う。
酸化物が画素電極15の表面上に生長し、さらにこの成
長した金属自然酸化物上に汚染物質(有機物など)が付
着あるいは混在しているが、上述した酸素プラズマ処理
により画素電極15の表面上の有機物などを排除でき
る。これにより、処理前には30度以上ある画素電極1
5表面上に対するポリイミドの接触角を、5度以下まで
低減できる。以下の工程は第1の実施形態と同様である
ので説明を省略する。
り配向膜3の膜厚分布を測定した。測定の結果、上述し
た第1の実施形態における測定結果と同様に、段差は有
効面内において1nm以下であり、画素電極面内におい
ても1nm以下であった。すなわち、上述した処理によ
り、配向膜3の均一表面粗さ(配向膜3の厚さ15nm
に対する段差の割合)を、7%以下に制御できる。
の面内均一性と、第2の実施形態における配向膜3との
面内均一性との比較を行った。その結果、第2の実施形
態において作成された配向膜3、すなわち酸素プラズマ
処理後に形成された配向膜3のほうが、面内均一性が高
いことが分かった。
説明する。液晶表示素子の構成は第1の実施形態と同様
であるのでここでは省略する。ただし、この第3の実施
形態においては、配向膜3はたとえば膜厚が30nmの
ポリイミド系有機化合物からなる。また、配向膜3およ
び配向膜4のポリイミド系有機化合物として、AL12
54(JSR製)を用いる。
配向膜3の形成方法について説明する。
属表面層を完全に露出させる。具体的には、アルゴンお
よび酸素プラズマによるRIEを行い、金属表層面を完
全に露出させる。これにより、画素電極15表面上に付
着あるいは混在した金属自然酸化物および有機物を強制
的に排除できる。
リーンオーブン中に搬入し、所定位置に載置する。次
に、クリーンオーブン中に酸素を導入しながら熱酸化処
理を行う。ここで、この熱酸化処理はたとえばクリーン
オーブン中の温度を200℃で、1時間保持することに
より行われる。これにより、画素電極15上に一定の膜
厚の金属酸化物を成長させることができる。
るポリイミドの接触角を、30度から5度以下まで低減
できる。以下の工程は第1の実施形態と同様であるので
説明を省略する。
り配向膜3の膜厚分布を測定した。測定の結果、段差は
有効面内において2nm以下であり、画素電極15面内
においても2nmであった。すなわち、上述した処理に
より、配向膜3の均一表面粗さ(配向膜3の厚さ30n
mに対する段差の割合)を、7%以下に制御できる。
説明する。液晶表示素子の構成は第1の実施形態と同様
であるのでここでは省略する。ただし、この第4の実施
形態においては、配向膜3はたとえば膜厚が60nmの
ポリイミド系有機化合物からなる。また、この第4の実
施形態においては、配向膜3および配向膜4のポリイミ
ド系有機化合物として、AL1524(JSR製)を用
いる。
配向膜3の形成方法について説明する。
有機保護膜により、画素電極15の表面上に保護膜を形
成し、画素電極15の表面を被覆する。ここで、有機保
護膜はたとえばレジストからなる。これにより、金属自
然酸化物などの成長、および有機物などの付着が抑制さ
れる。
素電極15上に形成された有機保護膜などを十分に剥離
する。ここで、有機アルカリとして、剥離液ST−10
(東京応化製)を用いた。なお、この剥離処理は、配向
膜形成直前に行われる。
リーンオーブン中に搬入し、所定位置に載置する。次
に、クリーンオーブン中に酸素を導入しながら高温酸化
処理を行う。ここで、この高温酸化処理はたとえば温度
200℃で、1時間保持することにより行われる。
るポリイミドの接触角を、30度から5度以下まで低減
できる。以下の工程は第1の実施形態と同様であるので
説明を省略する。
り配向膜3の膜厚分布を測定した。測定の結果、段差は
有効面内において2nm以下であり、反射画素電極15
面内においても2nm以下であった。すなわち、上述し
た処理により、配向膜3の均一表面粗さ(配向膜3の厚
さ60nmに対する段差の割合)を、7%以下に制御で
きる。
に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定さ
れるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種
の変形が可能である。
までも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用
いてもよい。
キソ印刷法により画素電極15上にポリイミドワニスを
印刷し、配向膜3を形成する例について示したが、スピ
ン塗布法により画素電極15上にポリイミドワニスを塗
布し、配向膜3を形成するようにしてもよい。また、配
向膜材料として、ポリイミド前駆体ワニスを用いるよう
にしてもよい。
の実施形態においては、真空チャンバー内において画素
電極15に表面処理を行う構成について示したが、大気
中において表面処理を行うようにしてもよい。
発明を反射型液晶表示素子に適用する例について示した
が、半透過型の液晶表示素子に適応することも可能であ
る。
て示した塗れ性を向上させるための処理を、複数組み合
わせて用いるようにしてもよい。
晶表示素子の製造方法によればポリイミド前駆体あるい
はポリイミド材(ワニス)などの画素電極表面に対する
親和性を向上できる。したがって、均一性の良く、かつ
接着性に優れた極薄の配向膜を、画素電極上に形成でき
るため、高品質な液晶表示素子を提供可能である。ま
た、この発明の製造方法によれば、高品質な液晶表示素
子を低コストかつ高スループットで製造できる。
の構成を示す断面図である。
面図である。
法を説明するための略線図である。
板、3・・・配向膜、4・・・配向膜、5・・・液晶
層、6・・・スペーサ
Claims (12)
- 【請求項1】 画素電極上に配向制御膜が形成された液
晶表示素子の製造方法において、 配向制御膜を形成する前段で、画素電極表面をUVオゾ
ン処理し、配向制御膜を形成するようにしたことを特徴
とする液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項2】 上記画素電極は、反射型画素電極である
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方
法。 - 【請求項3】 上記画素電極上に形成された配向制御膜
を加熱処理することを特徴とする請求項1記載の液晶表
示素子の製造方法。 - 【請求項4】 画素電極上に配向制御膜が形成された液
晶表示素子の製造方法において、 配向制御膜を形成する前段で、画素電極表面を酸素プラ
ズマ処理し、配向制御膜を形成するようにしたことを特
徴とする液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項5】 上記画素電極は、反射型画素電極である
ことを特徴とする請求項4記載の液晶表示素子の製造方
法。 - 【請求項6】 上記画素電極上に形成された配向制御膜
を加熱処理することを特徴とする請求項4記載の液晶表
示素子の製造方法。 - 【請求項7】 画素電極上に配向制御膜が形成された液
晶表示素子の製造方法において、 配向制御膜を形成する前段で、画素電極表面酸化層を剥
離し、画素電極表面を熱酸化処理することを特徴とする
液晶表示素子の製造方法。 - 【請求項8】 上記画素電極は、反射型画素電極である
ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子の製造方
法。 - 【請求項9】 上記画素電極上に形成された配向制御膜
を加熱処理することを特徴とする請求項7記載の液晶表
示素子の製造方法。 - 【請求項10】 画素電極上に配向制御膜が形成された
液晶表示素子の製造方法において、 画素電極作製直後に画素電極表面に保護膜を形成し、配
向制御膜を形成する前段で上記保護膜を剥離し、上記保
護膜が剥離された画素電極表面を熱酸化処理し、配向制
御膜を形成するようにしたことを特徴とする液晶表示素
子の製造方法。 - 【請求項11】 上記画素電極は、反射型画素電極であ
ることを特徴とする請求項10記載の液晶表示素子の製
造方法。 - 【請求項12】 上記画素電極上に形成された配向制御
膜を加熱処理することを特徴とする請求項10記載の液
晶表示素子の製造方法。
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