JP2006349795A - 液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法ならびに液晶プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光反射電極を備えた液晶表示素子において、配向膜の信頼性を向上させること。
【解決手段】本発明は、透明電極11を有する第1の基体10と、光反射電極21を有する第2の基体と、透明電極11および光反射電極21が互いに対向するよう第1の基体10と第2の基体20とを所定のギャップで重ね合わせた状態でそのギャップに封入される液晶Lとを有する液晶表示素子1であり、光反射電極21には、光反射電極21の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜22が形成されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1の基体に光透過性電極が形成され、第2の基体に光反射電極が形成され、これらの基体を重ね合わせた状態で間に液晶を封入して成る液晶表示素子および液晶表示素子の製造方法ならびに液晶プロジェクタに関し、特に、光反射電極の表面に形成する配向膜の信頼性を向上できる液晶表示素子、液晶表示素子の製造方法ならびに液晶プロジェクタに関する。
液晶表示素子において、液晶層を挟持する基体の液晶層側最表面には、電圧無印加時における液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されており、電圧無印加時、電圧印加時における液晶分子の配列変化に基づいた表示がおこなわれる構成となっている。
この配向膜としては、ポリイミドなどからなる有機膜が広く用いられている。しかし、液晶プロジェクタに用いられる液晶表示素子では、配向膜が光や熱により次第に分解され、長期使用後に電圧無印加時の液晶分子が整然と配列することができないなど、配向規制力が低下し、表示品質の低下を招くことがある。
このような問題を解決するために、配向膜として無機材料を使用することが提案されている。この無機配向膜は、基体をある角度に固定して一方向から蒸着し、基体に対して柱状構造を成長させるような斜方蒸着により形成される。このようにして形成した無機配向膜は、ポリイミドなどの有機膜から構成したものよりも耐光性、耐熱性に優れており、液晶素子の耐久性を向上させることが可能となる。
ここで、無機配向膜の柱状構造は基板表面から蒸着により積層されて形成されるので、基板の表面状態の影響を受けやすい。反射型液晶表示素子においては、一般的には、光反射電極は金属あるいは金属化合物で構成されており、よく使われるものとしては、Al(アルミニウム)やAg(銀)などであるが、この表面には自然酸化膜が形成されている。この自然酸化膜の構造は微視的に見ると均質な構造をとっていないので、自然酸化膜上から無機配向膜を蒸着、積層したとしても、その柱状構造は整然としたものにはなかなかならない。一方、無機配向膜用の材料としては無機酸化物、特にSiO2が広く知られている。(例えば、特許文献1〜3参照。)
特開2005−77900号公報 特開2005−77901号公報 特開2003−107482号公報
しかしながら、SiO2は吸湿性があるため、大気中の水分が液晶表示素子内に浸入後、配向膜中に含浸する恐れがある。この際に、上記の柱状構造が整然としたものでないと、その乱れた部分などに水分がたまってくる可能性もあり、これにより、液晶分子を基板上に配列させる力にばらつきが生じる。さらに悪化すると、電圧無印加時での配向不良や焼きつき現象を発生させて原因となる。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、光透過性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2の基体と、光透過性電極および光反射電極が互いに対向するよう第1の基体と第2の基体とを所定のギャップで重ね合わせた状態でそのギャップに封入される液晶とを有する液晶表示素子であり、光反射電極には、光反射電極の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜が形成されているものである。
このような本発明では、光反射電極の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜が形成されているため、自然酸化膜による凹凸の影響を受けずに配向膜が形成される。これにより、配向膜の柱状構造が乱れずに整然とした状態となり、乱れた部分への水分混入を防止できるようになる。
ここで、光反射電極は金属や金属化合物によって構成され、液晶駆動のための電極として機能するとともに、入射した光を反射させる機能を有する。また、配向膜は主として無機膜から成り、光反射電極の表面に設けられた垂直蒸着膜を介して形成されることで、より柱状構造を整然とさせることが可能となる。
また、本発明は、光透過性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2の基体とを、光透過性電極および光反射電極が互いに対向するよう所定のギャップを設けて重ね合わせ、そのギャップに液晶を封入して成る液晶表示素子の製造方法において、第2の基体を構成するにあたり、光反射電極の表面の自然酸化膜を除去した状態で配向膜を形成する方法である。
このような本発明では、光反射電極の表面側に配向膜を形成する際、光反射電極の表面の自然酸化膜を除去した状態で配向膜を形成するため、自然酸化膜による凹凸の影響を受けずに配向膜を形成できるようになる。
ここで、自然酸化膜の除去としては、光反射電極の表面にアルゴンイオン等のイオンビームを照射することで行い、除去した後は同じチャンバ内で連続して配向膜を形成するため、金属や金属化合物から成る光反射電極の表面に自然酸化膜を介在させないで確実に配向膜を形成できるようになる。特に、自然酸化膜を除去した状態で垂直蒸着膜を形成し、この垂直蒸着膜を介して配向膜を形成すれば、さらに配向膜の柱状構造を整然とさせることが可能となる。
また、本発明は、このような液晶表示素子を、光源と拡大光学系との間の光路上に配置した液晶プロジェクタである。液晶プロジェクタでは、配向膜に光や熱に対抗できる厳しい条件が課されるが、光反射電極の表面の自然酸化膜を除去した状態で配向膜を形成することで、配向規制力の低下を防止できるようになる。
したがって、本発明によれば、液晶表示素子中に水分が浸入してきても、配向膜中に含浸し、液晶配向性を劣化させてしまうことを防止することが可能となる。これにより、液晶表示パネルの重要な性能の一つであるパネルコントラストの低下を防止することが可能となる。また、光反射電極に直接水分が接触する可能性が低くなるため、電極を構成している金属あるいは金属化合物がイオン化して、パネル中に溶解することがなくなり、表示品質の維持を図ることが可能となる。特に、本発明の液晶表示素子を液晶プロジェクタに適用すれば、耐熱性に優れ、長期信頼性の高い表示装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る液晶表示素子の基本構造を説明する模式断面図である。この液晶表示素子1は、反射型液晶表示素子として、光透過性を有する透明電極11を備えたガラス基板(第1の基体)10と、画素構造を有する光反射電極21を備えたシリコン等の単結晶半導体基板から成る駆動基板(第2の基体)20と、ガラス基板10と駆動基板20とを所定のギャップを設けて重ね合わせ、そのギャップ内に封入される液晶Lとを備えた構成となっている。本実施形態では、封入する液晶Lとして垂直配向液晶を用いている。
反射型の液晶表示素子1は、駆動基板20として単結晶シリコン基板にCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やnチャンネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)からなるトランジスタとキャパシタからなる駆動回路が形成され、この上にAl(アルミニウム)やAg(銀)などの金属膜で画素構造が形成される。この金属膜は、光反射電極21として光の反射膜と液晶Lに印加する電圧の電極との両方を兼ねることになる。また、光反射電極21の表面側には配向膜22が一様に形成されている。この配向膜22としては、ポリイミド等の有機膜でも良いが、耐光性、耐熱性に優れた無機配向膜(例えば、酸化珪素:SiO2)を用いることが望ましい。
ガラス基板10には透明電極11と配向膜12とが一様に形成されている。この配向膜12についても先と同様にポリイミド等の有機膜でも良いが、耐光性、耐熱性に優れた無機配向膜(例えば、酸化珪素:SiO2)を用いることが望ましい。
液晶表示素子1は、このガラス基板10と駆動基板20とを封止材30を介して貼り合わせられているが、この封止材30の中にスペーサSが混入しており、基板間のギャップを一定に保つようになっている。このスペーサSは球状で、封止材30中に0.5〜5wt%程度の割合で混合したものである。実際の素子においては、スペーサSは封止材30中に点在していることになる。
本実施形態の液晶表示素子1は、このような構造において、光反射電極21の表面側に形成する配向膜22として、光反射電極21の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜22が形成されている点に特徴がある。なお、この配向膜22を形成するにあたり、光反射電極21の表面に形成した垂直蒸着膜を介して配向膜22を形成してもよい。
配向膜22の形成において、予め光反射電極21の表面に被着している自然酸化膜を除去することで、自然酸化膜による表面凹凸が無くなり、この凹凸に影響を受けずに配向膜22を形成することができる。このため、配向膜22の柱状構造が乱れずに整然とした状態となり、乱れた部分への水分混入を防止できるようになる。
図2〜図3は、本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図である。先ず、図2(a)に示すように、単結晶シリコン基板等から成る駆動基板20にCMOSやnチャンネルMOSから成るトランジスタとキャパシタとから成る駆動回路を半導体プロセス技術によって形成し、この上にAlやAgなどの金属膜から成る光反射電極21を形成する。
次いで、イオンプレーティング装置等の真空蒸着装置のチャンバ内で駆動基板20の表面、すなわち光反射電極21の表面にアルゴンイオンのビームを照射して、光反射電極21の表面に被着している自然酸化膜を除去する。なお、ここではアルゴンイオンのビームを照射して自然酸化膜を除去したが、他のイオンのビームを用いてもよい。
続けて、図2(b)に示すように、同じチャンバ内で大気開放せずに駆動基板20の表面一様に無機蒸着膜から成る配向膜22を形成する。このように、光反射電極21の表面の自然酸化膜を除去した状態で、連続して配向膜22を形成すると、光反射電極21の表面に自然酸化膜を発生させずに直接配向膜22を形成できるため、配向膜22の柱状構造を乱すことのない成膜が可能となる。なお、配向膜22を形成するに先立ち、光反射電極21の表面にSiO2等の垂直蒸着膜を生成した後、配向膜22を形成すれば、より柱状構造を整然とさせることが可能となる。
次に、図3(a)に示すように、別途ガラス基板10にITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極11および無機蒸着膜から成る配向膜12を形成し、駆動基板20に塗布した封止材30を介してガラス基板10を重ね合わせる。封止材30には予め球状のスペーサSが散布されているため、重ね合わせた際にはガラス基板10と駆動基板20との間でスペーサSの大きさに応じたギャップを構成できる。
その後、図3(b)に示すように、ガラス基板10と駆動基板20とのギャップに液晶Lを注入し、注入口を塞ぐことで液晶表示素子1が完成する。このようにして製造された液晶表示素子1では、光反射電極21と配向膜22との間に自然酸化膜が介在しないため、自然酸化膜の表面凹凸の影響を受けずに配向膜22を形成することができ、精度の高い柱状構造によって信頼性の高い配向膜22を製造することが可能となる。
次に、このようにして製造された本実施形態の液晶表示素子1の実施例を比較例とともに示す。
ここで、液晶表示素子内部への水分の浸入による液晶配向状態の変化は、垂直配向液晶の電圧無印加時の反射率の変化を測定することで判別することができる。垂直配向液晶は、ノーマリブラックモード、すなわち、電圧無印加状態の反射率が一番低い。水分が浸入することで配向膜の配向性能が低下すると、液晶のアンカリング力、すなわち液晶分子を基板に対して整然と配列させる力が弱くなり、反射率が上昇するので、水分浸入の影響を調べることができる。以下の例では、電圧無印加時の反射率に対して、電圧印加時の最大反射率の比を「パネルコントラスト」と呼ぶ。この電圧無印加時の反射率が高くなることは、パネルの重要な性能の一つであるパネルコントラストが低下することになるので、電圧無印加時の反射率の変化が少なければ少ないほど好ましい。
(比較例A)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。
この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に放置し、電圧無印加時の反射率を測定した。1000h(時間)経過時点での無印加時の反射率は、投入前の値に対して2.0倍であった。
(比較例B)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、SiO2の垂直蒸着膜を50nm蒸着し、その後、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。
この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に放置し、電圧無印加時の反射率を測定した。1000h経過時点での無印加時の反射率は、投入前の値に対して2.0倍であった。
上記の比較例A、Bの条件で液晶表示素子を製造する場合、蒸着により形成された無機材料(配向膜)の柱状構造は、基板表面状態に依存する。また、AlやAgなどの金属においては、自然酸化膜が形成されているが、これらは微視的にみると、物理的形状や膜厚という観点において、均質な構造とはなっていない。したがって、この自然酸化膜上に直接配向膜を形成しても、整然とした柱状構造をもった配向膜にはならない。したがって、高温高湿槽での加速試験の結果、無印加時の反射率が投入前の値に対して2.0倍というように悪化している。
通常、光反射電極を構成する金属、あるいは金属化合物は、AlやAg単体、あるいは、これら金属とCuなどとの化合物である。AlやAgは、空気中などでは容易に酸化され、自然酸化膜が形成されてしまう。したがって、物理的、化学的に除去できたとしても、酸素が存在するような雰囲気ではすぐに再生されてしまう。
一方、蒸着機などの真空装置においては、少量の不活性ガスを流入、イオン化させたものを基板に照射させることにより、基板表面に形成された薄膜を物理的に削り取ることができる。以下の実施例では、この原理を利用して、AlやAgなどの表面に存在する自然酸化膜を除去している。しかも、自然酸化膜を形成させることなく、真空中で引き続き、SiO2などの無機蒸着膜を形成している。
また、無機蒸着膜を形成する際、配向膜である斜方蒸着膜を形成する前に、垂直蒸着膜を形成するほうが、さらに好ましい。これは、斜方蒸着膜は、柱状構造をとるのに対し、垂直蒸着膜では柱状構造をとらないために、光反射電極である金属表面をより緻密な膜である垂直蒸着膜で覆うことになるからである。このために、金属の自然酸化膜をさらに作りにくくするばかりか、金属がイオン化したものが、液晶表示素子中に流入することを回避することができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、アルゴンイオンビームを照射したあとに、SiO2の垂直蒸着膜を50nm蒸着し、その後、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000h放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例2)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、アルゴンイオンビームを照射したあとに、Al23の垂直蒸着膜を50nm蒸着し、その後、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000h放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例3)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAg電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、アルゴンイオンビームを照射したあとに、SiO2の垂直蒸着膜を50nm蒸着し、その後、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000h放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例4)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、アルゴンイオンビームを照射したあとに、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000h放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化が1.2倍であった。
以上のように、光反射電極を構成する金属あるいは金属化合物の表面に形成された自然酸化膜をイオンビーム照射で除去するにより、光反射電極の表面を清浄にし、その後に無機蒸着膜から成る配向膜を形成すると、配向膜の柱状構造を整然と形成することができる。このことにより、液晶分子を基板に対して配向させる力が強まることになり、液晶表示素子の信頼性をさらに向上させることができる。
また、さらに好ましくは、イオンビーム照射のあとに、無機蒸着膜の垂直蒸着膜を形成し、その後で斜方蒸着膜を形成することで配向膜を形成すれば良い。
上記本実施形態に係る液晶表示素子1は、温度条件の厳しい表示装置、例えばプロジェクションシステム(液晶プロジェクタ)に適用するのが望ましい。図4は、本実施形態の液晶表示装置を用いたプロジェクションシステムの例を示す模式図である。すなわち、プロジェクションシステム100は、ランプ光源101、レンズ部102、ダイクロイック色分離フィルタ103、ビームスプリッタ104r、104g、104b、液晶表示装置1r、1g、1b、駆動回路105r、105g、105b、プリズム(ダイクロイックミラー)106および投射レンズ107を備えた構成となっている。
この液晶表示装置1r、1g、1bとしては上記説明した本実施形態に係る反射型液晶表示素子を用いているため、図1に示すガラス基板2に形成される対向電極として透明電極11、シリコン基板から成る駆動基板20に設けられる駆動基板側電極としてアルミニウム等の光反射電極21を用いている。
このシステムでは、ランプ光源101から出射した光をレンズ部102からダイクロイック色分離フィルタ103に送り、ここで2方向へ分離する。2方向へ分離された光は、全反射ミラー108、109、ビームスプリッタ104r、104g、104b、ダイクロイックミラー110、プリズム106によってR(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)3色に対応した反射型の液晶表示装置1r、1g、1bから成る表示部に各々送られる。
例えば、R(RED)に対応した液晶表示装置1rには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー108、ビームスプリッタ104rを介してランプ光源101からの光が入射し、G(GREEN)に対応した液晶表示素子1gには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー108、ダイクロイックミラー110およびビームスプリッタ104gを介してランプ光源101からの光が入射し、B(BLUE)に対応した液晶表示素子1bには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー109、ビームスプリッタ104bを介してランプ光源101からの光が入射する。
各液晶表示素子1r、1g、1bは、ダイクロイックミラーであるプリズム106の複数の面に各々対応する状態で、ビームスプリッタ104r、104g、104bを介して設けられている。また、各液晶表示素子1r、1g、1bは各々対応する駆動回路105r、105g、105bによって駆動され、入射した光を液晶層で映像にして反射し、プリズム106によって合成して投射レンズ107に送られる。これにより、R(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)3色に対応した映像が図示しないスクリーンに投影され、カラー画像として再現されることになる。
プロジェクションシステム100では、特にランプ光源101からの強い光によって液晶表示素子1r、1g、1bが加熱されることから、上記説明したように本実施形態に係る液晶表示素子を各液晶表示素子1r、1g、1bに用いることで、耐熱性および耐光性に優れ、長時間の使用であっても高品位の画質を維持することができる画像表示システムを構築することが可能となる。
本実施形態に係る液晶表示素子の基本構造を説明する模式断面図である。 本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図(その1)である。 本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図(その2)である。 本実施形態に係る液晶プロジェクションシステムを説明する模式図である。
符号の説明
1…液晶表示素子、10…ガラス基板(第1の基体)、11…透明電極、12…配向膜、20…駆動基板(第2の基体)、21…光反射電極、22…配向膜、30…封止材、100…プロジェクションシステム

Claims (12)

  1. 光透過性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2の基体と、前記光透過性電極および前記光反射電極が互いに対向するよう前記第1の基体と前記第2の基体とを所定のギャップで重ね合わせた状態でそのギャップに封入される液晶とを有する液晶表示素子において、
    前記光反射電極には、前記光反射電極の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜が形成されている
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記配向膜は、前記光反射電極の表面に設けられた垂直蒸着膜を介して形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 前記垂直蒸着膜は、酸化珪素から成る
    ことを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子。
  4. 前記配向膜は、無機膜から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  5. 光透過性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2の基体とを、前記光透過性電極および前記光反射電極が互いに対向するよう所定のギャップを設けて重ね合わせ、そのギャップに液晶を封入して成る液晶表示素子の製造方法において、
    前記光反射電極の表面側に配向膜を形成するにあたり、前記光反射電極の表面の自然酸化膜を除去した状態で前記配向膜を形成する
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  6. 前記光反射電極の表面にイオンビームを照射することで前記自然酸化膜の除去を行う
    ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子の製造方法。
  7. 前記イオンビームはアルゴンイオンビームである
    ことを特徴とする請求項6記載の液晶表示素子の製造方法。
  8. 前記自然酸化膜の除去と前記配向膜の形成とを同じチャンバ内で連続して行う
    ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子の製造方法。
  9. 前記光反射電極の表面の自然酸化膜を除去した状態で垂直蒸着膜を形成し、この垂直蒸着膜を介して前記配向膜を形成する
    ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 前記垂直蒸着膜は、酸化珪素から成る
    ことを特徴とする請求項9記載の液晶表示素子の製造方法。
  11. 前記配向膜は、無機膜から成る
    ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示素子の製造方法。
  12. 光源と拡大光学系との間の光路上に液晶表示素子が配置される液晶プロジェクタにおいて
    前記液晶表示素子は、
    光透過性電極を有する第1の基体と、光反射電極を有する第2の基体と、前記光透過性電極および前記光反射電極が互いに対向するよう前記第1の基体と前記第2の基体とを所定のギャップで重ね合わせた状態でそのギャップに封入される液晶とを有しており、
    前記光反射電極には、前記光反射電極の表面の自然酸化膜が除去された状態で配向膜が形成されているものである
    ことを特徴とする液晶プロジェクタ。



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