JP2007033588A - 液晶表示素子および液晶プロジェクタ - Google Patents

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忠昭 磯崎
Akiko Suzuki
晶子 鈴木
Shunichi Hashimoto
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Abstract

【課題】液晶表示素子に用いられる無機配向膜の信頼性を向上させること。
【解決手段】本発明は、第1の基体であるガラス基板10と第2の基体である駆動基板20とを所定のギャップを介して重ね合わせ、そのギャップ内に液晶Lを封入して成る液晶表示素子1において、ガラス基板10および駆動基板20のうち少なくとも一方に設けられる液晶Lの配向膜12、22として、2種類以上の無機酸化物の混合材料、例えば酸化珪素や酸化アルミニウムを含む材料が用いられているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1の基体と第2の基体との間に液晶を封入して構成される液晶表示素子およびそれを用いた液晶プロジェクタに関し、特に液晶の配向膜の耐湿性を向上した液晶表示素子および液晶プロジェクタに関する。
液晶表示素子において、液晶層を挟持する基体の液晶層側最表面には、電圧無印加時における液晶分子の配列を制御するための配向膜が形成されており、電圧無印加時、電圧印加時における液晶分子の配列変化に基づいた表示が行われる構成となっている。
この配向膜としては、ポリイミドなどからなる有機膜が広く用いられている。しかし、液晶プロジェクタに用いられる液晶表示素子では、配向膜が光や熱により次第に分解され、長期使用後に電圧無印加時の液晶分子が整然と配列することができないなど、配向規制力が低下し、表示品質の低下を招くことがある。
このような問題を解決するために、配向膜として無機材料を使用することが提案されている。この無機配向膜は、基体をある角度に固定して一方向から蒸着し、基体に対して柱状構造を成長させるような斜方蒸着により形成される。このようにして形成した無機配向膜は、ポリイミドなどの有機膜から構成したものよりも耐光性、耐熱性に優れており、液晶素子の耐久性を向上させることが可能となる。ここで、無機配向膜用の材料としては無機酸化物、特にSiO2(酸化珪素)が広く知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2005−77900号公報 特開2005−77901号公報 特開2003−107482号公報
しかしながら、SiO2は吸湿性があるため、大気中の水分が液晶表示素子内に浸入後、配向膜中に含浸する恐れがある。この際に、上記の柱状構造が整然としたものでないと、その乱れた部分などに水分がたまってくる可能性もあり、これにより、液晶分子を基板上に配列させる力にばらつきが生じる。さらに悪化すると、電圧無印加時での配向不良や焼きつき現象を発生させて原因となる。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、第1の基体と第2の基体とを所定のギャップを介して重ね合わせ、そのギャップ内に液晶を封入して成る液晶表示素子において、第1の基体および第2の基体のうち少なくとも一方に設けられる液晶の配向膜として、2種類以上の無機酸化物の混合材料を用いるものである。
このような本発明では、配向膜として2種類以上の無機酸化物を混合した材料を用いることで、1種類の無機酸化物を用いる場合に比べて膜の内部応力を低減でき、配向膜の柱状構造が乱れずに整然とした状態となって、乱れた部分への水分混入を防止できるようになる。
ここで、2種類以上の無機酸化物としては、少なくとも酸化珪素を含むものや、少なくとも酸化珪素および酸化アルミニウムを含むものを用いる。酸化珪素を含む配向膜では、耐光性、耐熱性に優れており、この酸化珪素に例えば酸化アルミニウムを混合したものを用いることで、成膜された状態での膜の内部応力が緩和され、柱状構造の整った配向膜を形成できるようになる。
2種類以上の無機酸化物として酸化珪素および酸化アルミニウムを用いる場合には、酸化珪素が90%〜99%、酸化アルミニウムが1%〜10%で合計が100%を超えない割合にするのが屈折率の関係上望ましい。また、上記配向膜としては、斜方蒸着によって形成されるものを用いたり、垂直蒸着膜を介して斜方蒸着されているものを用いる。
特に、液晶が垂直配向液晶から成る場合、電圧無印加時に黒表示となるノーマリブラックモードとなるため、本発明のような配向膜を用いることで、色ムラの発生を抑制できるようになる。
また、本発明は、上記の液晶表示素子を光源と拡大光学系との間の光路上に配置した液晶プロジェクタである。液晶プロジェクタでは、配向膜に光や熱に対抗できる厳しい条件が課されるが、2種類以上の無機酸化物から成る配向膜を形成することで、配向規制力の低下を防止できるようになる。
したがって、本発明によれば、液晶表示素子中に水分が浸入してきても、配向膜中に含浸し、液晶配向性を劣化させてしまうことを防止することが可能となる。これにより、液晶表示パネルの重要な性能の一つであるパネルコントラストの低下を防止することが可能となる。また、基台に設けられた電極に直接水分が接触する可能性が低くなるため、電極を構成している金属あるいは金属化合物がイオン化して、パネル中に溶解することがなくなり、表示品質の維持を図ることが可能となる。特に、本発明の液晶表示素子を液晶プロジェクタに適用すれば、耐熱性に優れ、長期信頼性の高い表示装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る液晶表示素子の基本構造を説明する模式断面図である。この液晶表示素子1は、反射型液晶表示素子として、光透過性を有する透明電極11を備えたガラス基板(第1の基体)10と、画素構造を有する光反射電極21を備えたシリコン等の単結晶半導体基板から成る駆動基板(第2の基体)20と、ガラス基板10と駆動基板20とを所定のギャップを設けて重ね合わせ、そのギャップ内に封入される液晶Lとを備えた構成となっている。本実施形態では、封入する液晶Lとして垂直配向液晶を用いている。
反射型の液晶表示素子1は、駆動基板20として単結晶シリコン基板にCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やnチャンネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)からなるトランジスタとキャパシタからなる駆動回路が形成され、この上にAl(アルミニウム)やAg(銀)などの金属膜で画素構造が形成される。この金属膜は、光反射電極21として光の反射膜と液晶Lに印加する電圧の電極との両方を兼ねることになる。なお、光反射電極21上には、反射率を向上させるため、あるいは金属面の保護膜として、誘電体多層膜を形成していてもよい。
また、光反射電極21の表面側には配向膜22が一様に形成されている。この配向膜22としては、一般的にポリイミド等の有機膜を用いているが、本実施形態では、耐光性、耐熱性に優れた無機配向膜を用いる。
ガラス基板10には透明電極11と配向膜12とが一様に形成されている。この配向膜12についても、一般的にポリイミド等の有機膜を用いているが、本実施形態では、耐光性、耐熱性に優れた無機配向膜を用いる。
液晶表示素子1は、このガラス基板10と駆動基板20とを封止材30を介して貼り合わせられているが、この封止材30の中にスペーサSが混入しており、基板間のギャップを一定に保つようになっている。このスペーサSは球状で、封止材30中に0.5〜5wt%程度の割合で混合したものである。実際の素子においては、スペーサSは封止材30中に点在していることになる。
本実施形態の液晶表示素子1は、このような構造において、透明電極11の表面側および光反射電極21の表面側に形成される配向膜12、22として、2種類以上の無機酸化物を混合した材料を用いる点に特徴がある。なお、本実施形態ではガラス基板10および駆動基板20の両方に配向膜12、22を形成しているが、いずれか一方のみに形成されている構造でもよい。
この2種以上の無機酸化物を混合した材料から成る配向膜12、22としては、少なくともSiO2(酸化珪素)を含むものや、SiO2およびAl23(酸化アルミニウム)を含むものがもちいられる。また、他の無機酸化物を混合したものであってもよい。混合の比率としては、例えばSiO2が90%〜99%、Al23が1%〜10%で合計が100%を超えない割合となっている。このようにSiO2を基本として、他の無機酸化物を添加することによって、耐湿性および光学的特性を損なうことなく柱状構造が整った配向膜12、22を形成することができる。
ここで、本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法の概略を説明する。図2〜図3は、本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図である。先ず、図2(a)に示すように、単結晶シリコン基板等から成る駆動基板20にCMOSやnチャンネルMOSから成るトランジスタとキャパシタとから成る駆動回路を半導体プロセス技術によって形成し、この上にAlやAgなどの金属膜から成る光反射電極21を形成する。
次いで、図2(b)に示すように、駆動基板20の表面一様に無機蒸着膜から成る配向膜22を形成する。この配向膜22の蒸着においては、先に示す2種類以上の無機酸化物の混合材料を用いる。なお、この配向膜22を形成するに先立ち、光反射電極21の表面のアルゴンイオン等のビームを照射して光反射電極21の表面に被着している自然酸化膜を除去した後に配向膜22を形成するようにしてもよい。自然酸化膜を除去した状態で、連続して配向膜22を形成すると、光反射電極21の表面に自然酸化膜を発生させずに直接配向膜22を形成できるため、配向膜22の柱状構造を乱すことのない成膜が可能となる。また、配向膜22を形成するに先立ち、光反射電極21の表面にSiO2等の垂直蒸着膜を生成した後、配向膜22を形成すれば、より柱状構造を整然とさせることが可能となる。
次に、図3(a)に示すように、別途ガラス基板10にITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極11および無機蒸着膜から成る配向膜12を形成し、駆動基板20に塗布した封止材30を介してガラス基板10を重ね合わせる。ガラス基板10に形成する配向膜12の蒸着としては、先に示す2種類以上の無機酸化物の混合材料を用いる。また、封止材30には予め球状のスペーサSが散布されているため、重ね合わせた際にはガラス基板10と駆動基板20との間でスペーサSの大きさに応じたギャップを構成できる。
その後、図3(b)に示すように、ガラス基板10と駆動基板20とのギャップに液晶Lを注入し、注入口を塞ぐことで液晶表示素子1が完成する。このようにして製造された液晶表示素子1では、ガラス基板10および駆動基板20に形成する配向膜12、22として2種類以上の無機酸化物の混合材料を用いるため、膜の内部応力の影響を受けることなく精度の高い柱状構造によって信頼性の高い配向膜12、22を製造することが可能となる。
次に、このようにして製造された本実施形態の液晶表示素子1の実施例を比較例とともに示す。
ここで、液晶表示素子内部への水分の浸入による液晶配向状態の変化は、垂直配向液晶の電圧無印加時の反射率の変化を測定することで判別することができる。垂直配向液晶は、ノーマリブラックモード、すなわち、電圧無印加状態の反射率が一番低い。したがって、水分が浸入することで配向膜の配向性能が低下すると、液晶のアンカリング力、すなわち液晶分子を基板に対して整然と配列させる力が弱くなり、反射率が上昇するので、水分浸入の影響を調べることができる。以下の例では、電圧無印加時の反射率に対して、電圧印加時の最大反射率の比を「パネルコントラスト」と呼ぶ。この電圧無印加時の反射率が高くなることは、パネルの重要な性能の一つであるパネルコントラストが低下することになるので、電圧無印加時の反射率の変化が少なければ少ないほど好ましい。
(比較例A)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に放置し、電圧無印加時の反射率を測定した。1000時間経過時点での無印加時の反射率は、投入前の値に対して2.0倍であった。
(比較例B)
SiO2自体に吸湿性以外に、配向膜を斜方蒸着することによって生じる柱状構造の隙間部分に水分が浸透し、配向性を低下させているものと考え、比較例Aと同様の構造で、液晶配向膜を蒸着するときに、比較例Aよりも高真空状態でSiO2を蒸着したところ、柱状構造は観察されなかった。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に放置し、電圧無印加時の反射率を測定した。1000時間経過時点での無印加時の反射率は、投入前の値に対して2.1倍であった。
(比較例C)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは500nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、比較例A、Bと同様に反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に放置し、電圧無印加時の反射率を測定した。1000時間経過時点での無印加時の反射率は、投入前の値に対して1.5倍であった。
比較例A、Bより、柱状構造の有無は、配向膜中への水分の浸透とは無関係であることがわかる。一方、比較例Cによると、液晶配向膜の厚さを厚くすることによる改善効果が確認できる。
一般的に、薄膜蒸着時には下記のような式で近似できる内部応力が存在する。
σ=Eb^2/[3(1-ν)・L^2・d]・δ
ここで、σ:内部応力、E:基板のヤング率、b:基板の厚さ、ν:基板のポアソン比、L:基板の長さ、d:薄膜の厚さ、δ:変位量である。
すなわち、薄膜の厚さが厚くなるほど、内部応力は小さくなる。
しかしながら、配向膜を厚くすることは、パネル生産性の低下につながる。また、電圧印加時に液晶層のみならず、配向膜に分圧される電圧が増加することになるので、同様の液晶パネル特性を得るためには、より高電圧駆動が必要になる。また、場合によってはトランジスタの容量をより高耐圧に変更しないといけないなど支障が多い。
一方で、配向膜中の内部応力が存在すると、基板からの薄膜の微視的な剥離や膜内部でのひび割れなどが発生するおそれがあり、配向膜中の水分の存在により、これらの現象の発生が加速される懸念がある。
したがって、ガラス基板10および駆動基板20のうち少なくとも一方に形成する無機酸化物から成る配向膜12、22に関して、蒸着時に発生するストレスを低減できるような材料を導入することにより、蒸着膜の内部応力を低減し、微視的な剥離やひびわれを抑制することで、配向膜12、22中に浸透する液晶表示素子中の水分の影響を低減できるものと考えられる。
そして本出願人は、配向膜の材料として、単一の無機酸化物ではなく、複数の無機酸化物の混合系を用いることにより、これを達成することができた。ここで、複数の無機酸化物の混合系により内部応力が低下するという事例は、コーティング膜に関するデータであるが例えばThin Solid Films vol.351 pp180-183に見出すことができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2:Al23(酸化アルミニウム)を98:2の割合の混合物を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000時間放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例2)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2:Al23を98:2の割合の混合物を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは100nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000時間放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例3)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2:Al23を95:5の割合の混合物を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000時間放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例4)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2:Al23:La23(酸化ランタン)を95:3:2の割合の混合物を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000時間放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
(実施例5)
垂直配向液晶素子を次のようにして作製した。すなわち、透明電極が製膜されたガラス基板とAl電極が形成されたSi駆動回路基板とを洗浄後、蒸着装置に導入し、液晶配向膜としてSiO2:Al23:TiO2(酸化チタン)を95:3:2の割合の混合物を、蒸着角度45〜60°の範囲で斜め蒸着して形成した。液晶配向膜の厚さは50nmとし、液晶のプレチルト角は約3°になるように制御した。その後、液晶配向膜が形成された上記基板を貼り合わせ、ネガ型液晶を封入し、反射型液晶表示素子を作製した。この反射型液晶表示素子を、60℃90%の高温高湿槽の中に1000時間放置した。投入前と比べ、電圧無印加時の反射率は変化がなかった。
以上からわかるように、SiO2にAl23を1%〜10%、より好ましくは、2%〜5%添加することで、配向膜中の内部応力を低減し、配向膜中の水分による液晶分子の配向性への影響を小さくすることができる。また、配向膜の厚さを厚くする必要もないので、液晶駆動上の電圧にも変化は現れない。
配向膜としてSiO2を用いる際に、特にAl23が好ましいのは、屈折率の観点もある。液晶の屈折率はだいたい1.5であるが、SiO2の屈折率が1.46なのでほぼ等しい。Al23の屈折率は1.63であることから、上記添加量の領域では、配向膜と液晶の界面反射の影響も受けない。さらには、添加量が上記範囲内であれば、わずかではあっても界面反射を低減することにつながるので、全体の反射率向上のためには、より好適である。
上記本実施形態に係る液晶表示素子1は、駆動回路によって駆動される液晶表示装置に適用されるが、特に、温度条件の厳しい表示装置、例えばプロジェクションシステム(液晶プロジェクタ)に適用するのが望ましい。図4は、本実施形態の液晶表示装置を用いたプロジェクションシステムの例を示す模式図である。すなわち、プロジェクションシステム100は、ランプ光源101、レンズ部102、ダイクロイック色分離フィルタ103、ビームスプリッタ104r、104g、104b、液晶表示装置1r、1g、1b、駆動回路105r、105g、105b、プリズム(ダイクロイックミラー)106および投射レンズ107を備えた構成となっている。
この液晶表示装置1r、1g、1bとしては上記説明した本実施形態に係る反射型液晶表示素子を用いているため、図1に示すガラス基板2に形成される対向電極として透明電極11、シリコン基板から成る駆動基板20に設けられる駆動基板側電極としてアルミニウム等の光反射電極21を用いている。
このシステムでは、ランプ光源101から出射した光をレンズ部102からダイクロイック色分離フィルタ103に送り、ここで2方向へ分離する。2方向へ分離された光は、全反射ミラー108、109、ビームスプリッタ104r、104g、104b、ダイクロイックミラー110、プリズム106によってR(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)3色に対応した反射型の液晶表示装置1r、1g、1bから成る表示部に各々送られる。
例えば、R(RED)に対応した液晶表示装置1rには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー108、ビームスプリッタ104rを介してランプ光源101からの光が入射し、G(GREEN)に対応した液晶表示素子1gには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー108、ダイクロイックミラー110およびビームスプリッタ104gを介してランプ光源101からの光が入射し、B(BLUE)に対応した液晶表示素子1bには、ダイクロイック色分離フィルタ103から全反射ミラー109、ビームスプリッタ104bを介してランプ光源101からの光が入射する。
各液晶表示素子1r、1g、1bは、ダイクロイックミラーであるプリズム106の複数の面に各々対応する状態で、ビームスプリッタ104r、104g、104bを介して設けられている。また、各液晶表示素子1r、1g、1bは各々対応する駆動回路105r、105g、105bによって駆動され、入射した光を液晶層で映像にして反射し、プリズム106によって合成して投射レンズ107に送られる。これにより、R(RED)、G(GREEN)、B(BLUE)3色に対応した映像が図示しないスクリーンに投影され、カラー画像として再現されることになる。
プロジェクションシステム100では、特にランプ光源101からの強い光によって液晶表示素子1r、1g、1bが加熱されることから、上記説明したように本実施形態に係る液晶表示素子を各液晶表示素子1r、1g、1bに用いることで、耐熱性および耐光性に優れ、長時間の使用であっても高品位の画質を維持することができる画像表示システムを構築することが可能となる。
なお、本実施形態の液晶表示素子は、上記のような反射型のほか透過型についても適用可能である。この場合、一対の基板としてガラス基板を用い、各基板に形成される電極をITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極で構成すればよい。また、液晶として垂直配向液晶を用いる例を示したが、垂直配向液晶以外の液晶であっても適用可能である。
本実施形態に係る液晶表示素子の基本構造を説明する模式断面図である。 本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図(その1)である。 本実施形態に係る液晶表示素子の製造方法を説明する模式断面図(その2)である。 本実施形態に係る液晶プロジェクションシステムを説明する模式図である。
符号の説明
1…液晶表示素子、10…ガラス基板(第1の基体)、11…透明電極、12…配向膜、20…駆動基板(第2の基体)、21…光反射電極、22…配向膜、30…封止材、100…プロジェクションシステム

Claims (9)

  1. 第1の基体と第2の基体とを所定のギャップを介して重ね合わせ、そのギャップ内に液晶を封入して成る液晶表示素子において、
    前記第1の基体および前記第2の基体のうち少なくとも一方に設けられる前記液晶の配向膜として、2種類以上の無機酸化物の混合材料が用いられている
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記2種類以上の無機酸化物は少なくとも酸化珪素を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 前記2種類以上の無機酸化物は少なくとも酸化珪素および酸化アルミニウムを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  4. 前記2種類以上の無機酸化物は、酸化珪素が90%〜99%、酸化アルミニウムが1%〜10%で合計が100%を超えない割合となっている
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  5. 前記液晶は垂直配向液晶から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  6. 前記配向膜は、斜方蒸着されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  7. 前記配向膜は、垂直蒸着膜を介して斜方蒸着されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  8. 前記第1の基体における前記第2の基体との対向面には光透過性電極が形成され、
    前記第2の基体における前記第1の基体との対向面には光反射電極が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  9. 光源と拡大光学系との間の光路上に液晶表示素子が配置される液晶プロジェクタにおいて
    前記液晶表示素子は、
    第1の基体と第2の基体とを所定のギャップを介して重ね合わせ、そのギャップ内に液晶を封入して成るもので、
    前記第1の基体および前記第2の基体のうち少なくとも一方に設けられる前記液晶の配向膜として、2種類以上の無機酸化物の混合材料が用いられている
    ことを特徴とする液晶プロジェクタ。
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