JP4389579B2 - 液晶装置、投射型表示装置 - Google Patents

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本発明は、液晶装置、投射型表示装置に関する。
従来、電極の一方をAl等の反射電極とした反射型の液晶装置が知られている。
特開平10−206845号公報
しかし、上述のような反射型の液晶装置ではフリッカが生じ易く、十分な表示特性が得られないという問題があった。フリッカを解消する方法としては、例えば駆動を調節して上下基板間の電位のバランスをとる方法が考えられるが、フリッカの大きさは温度等にも依るため調節が難しい。また、この方法では別途補償用の回路が必要になるため、コストも嵩んでしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡素な構成でフリッカの発生を十分に防止できるようにした液晶装置、並びにこの液晶装置を備えた投射型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る液晶装置は、第1電極を備えた第1基板と、第2電極を備えた第2基板と、前記第1電極と前記第2電極との間に挟持してなる液晶層と、を有する液晶装置であって、前記第1電極の前記第1基板とは反対側の面に、第1無機膜と第2無機膜とが順次形成されており、前記第2電極の前記第2基板とは反対側の面に、第3無機膜が形成されており、前記第1電極は前記第2電極よりも仕事関数が小さく、前記第1無機膜及び前記第2無機膜のいずれか一方の無機膜は斜方蒸着膜からなり、前記第1無機膜及び前記第2材料膜のいずれか他方の無機膜は前記いずれか一方の無機膜及び前記第3無機膜よりも比誘電率が大きいことを特徴とする。
また本発明の一実施形態に係る液晶装置は、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた一対の配向膜を有し、前記一対の配向膜の一方の配向膜の比誘電率は前記前記一対の配向膜の他方の配向膜の比誘電率よりも大きく、前記第1無機膜及び前記第2無機膜は前記一方の配向膜に含まれており、前記第3無機膜は前記他方の配向膜に含まれることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る液晶装置は、電極を備えた一対の基板の間に液晶層を挟持してなる液晶装置であって、少なくとも一方の電極の表面に、両基板に備えられた電極の液晶界面における仕事関数の差を小さくするような仕事関数調整層が設けられたことを特徴とする。
本発明者は、上述のフリッカの発生原因として、液晶層と接する上下の電極の仕事関数の違いに着目した。すなわち、上述した従来の液晶装置では、一方の基板にITO等の透明電極が形成され、他方の基板にAl等の反射電極が形成されており、両電極の液晶界面の仕事関数には大きな差が生じている。このような仕事関数の違いは、両電極のコモン電位にずれを生じさせ、フリッカの原因となる。本発明では、仕事関数調整層によって両電極の液晶界面における仕事関数の不均衡を解消できるため、フリッカのない表示が可能となる。特に本発明では電極表面の電気的特性(液晶界面の仕事関数の大きさ)を直接改善しているので、駆動を調節した場合のように温度が変化してもコモン電位に変動は生じず、常に安定した表示特性が得られる。なお、本発明では、上記仕事関数調整層は無機材料からなることが好ましい。一般に無機材料は有機材料に比べて比誘電率が大きいため、仕事関数調整層に無機材料を用いることで、仕事関数の調節幅が広がり、調整が容易となる。
ところで、上記仕事関数調整層の具体的な形態としては、上記仕事関数調整層が、両基板の電極の表面に設けられた一対の配向膜からなり、該一対の配向膜の内、相対的に仕事関数の小さい電極の表面に設けられた第1の配向膜の比誘電率がもう一方の第2の配向膜の比誘電率よりも大きく構成されたものを用いることができる。この形態では、仕事関数調整層が配向膜として兼用されるため、装置構成が簡略化される。
また、上記形態では、上記第1の配向膜が、斜方蒸着膜からなる第1の膜と、該第1の膜よりも比誘電率の大きい第2の膜とを含む構成とすることができる。このように第1の配向膜を多層構造とすることで、液晶の配向制御力及び仕事関数の調整力の双方に優れた配向膜を得ることができる。なお、第1の膜と第2の膜の積層順序は任意に決めることができるが、第2の膜を第1の膜の上に形成する場合には、第1の膜の凹凸面によって生じる配向制御力を損なわないように、この第2の膜の表面に第1の膜の表面形状を反映した凹凸形状が形成されるようにすることが望ましい。また、上記第1の膜としてはSiOxが好適であり、第2の膜としてはTiOxやAlOx(Al酸化物)等が好適である。
また、上記形態では、上記一対の基板は枠状に設けられたシール材を介して対向しており、上記第1の膜は上記シール材の枠内の領域に該シール材に掛からないように設けられたものを用いることができる。このようにシール材を第1の膜の外側に離して配置することで、シール材からの不純物による第1の膜の汚染を防止し、配向の信頼性を高めることが可能となる。
なお、電極表面の仕事関数の大きさは、その電極の材料、及び、電極の下層側の構造に依って影響される。例えば、いずれか一方の電極を反射電極として構成した場合(即ち、一方の電極がAlやAg等の相対的に仕事関数の小さい導電材料からなり、他方の電極がITO等の相対的に仕事関数の大きい導電材料からなる場合)には、両電極の仕事関数差によってコモン電位にずれが生じる。また、電極材料が双方の基板で同じであっても、いずれか一方の基板がスイッチング素子を備えた素子基板からなる場合(即ち、一方の基板がTFTや回路配線等を備えた素子基板からなり、他方の基板が単にベタ電極を形成しただけの対向基板からなる場合)には、両電極の液晶界面における仕事関数に若干の差が生じる。このため、このような構成に対して本発明を適用すれば、本発明の効果をよりよく発揮することができる。
また本発明は、ガラス基板等の絶縁基板を用いた液晶装置に限らず、シリコン基板等の半導体基板を素子基板としたLCOS(Liquid Crystal On Silicon)と呼ばれる液晶装置に対しても適用することができる。
また、本発明の投射型表示装置は上述の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする。これにより、高品質且つ安定な投射表示を実現することができる。
[液晶装置]
以下、図面を参照しながら、本発明の液晶装置について説明する。
本実施の形態では、投射型表示装置のライトバルブに用いるアクティブマトリクス方式の液晶装置(液晶ライトバルブ)の例を挙げて説明する。
図1は本実施形態の液晶装置を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図、図2は図1のH−H’線に沿う断面図、図3はシール部周辺の構成を拡大した断面図である。なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。なお、本明細書において液晶装置を構成する各部材の液晶層側の面を「内面」、それと反対側の面を「外面」という。
図1及び図2に示すように、本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10と対向基板20とが矩形枠状に設けられたシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶50が封入、保持されている。シール材52には液晶注入用の注入口55が形成されており、該液晶注入口55は封止材54により封止されている。なお、対向基板20の内面側には対向電極23が形成され、TFTアレイ基板10の内面側には画素電極9が形成されている。
シール材52の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成される一方、シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104の間を接続するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。
なお、液晶装置100においては、使用する液晶50の種類、すなわちTN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VAN(Vertical Alignment Nematic)モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。さらに、液晶装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板10の各画素電極9に対向する領域に、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
次に、液晶装置100の要部構成について説明する。図3は、液晶装置100の非画素領域(シール材52の外側領域)及びシール材52の形成領域周辺について、その断面を拡大して示す模式図である。
図3に示すように、本実施形態の液晶装置100は、矩形枠状に配されたシール材52を介して対向する一対の基板10,20の間に液晶層50を挟持した構成をなしている。
TFTアレイ基板10には、画素スイッチング素子としてのTFTや、前述の走査線駆動回路104,データ線駆動回路201等の回路部が形成されており、更に、各画素に対応して複数の画素電極9がマトリクス状に配列形成されている。この基板10及び画素電極9の材料としては公知のものを用いることができる。例えば透過型の液晶装置では、基板10としてガラス,石英,プラスチック等の透光性基板を用いることができ、画素電極9としてはITO等の透光性導電材料を用いることができる。一方、反射型の液晶装置の場合には、基板10としてガラス,石英,プラスチック等の透光性基板の他、シリコン基板等の半導体基板を用いることができ、画素電極9としてはAlやAg等の高反射率の金属材料を用いることができる。また、画素電極9と基板との間に別途反射膜を形成した場合には、画素電極9にはITO等の透光性導電材料を用いることができる。なお、画素電極9をAl等の金属膜によって構成した場合、この画素電極9は反射電極として機能することになる。
一方、対向基板20には、各画素に共通の対向電極(共通電極)23が基板全面に形成されている。この基板20及び対向電極23には光透過性が求められるため、基板20には、ガラス,石英,プラスチック等の透光性基板を用いられ、対向電極23には、ITO等の透光性導電材料が用いられる。
そして、このように構成された基板10,20の表面には、それぞれSiOx,TiOx,AlOx等の無機材料からなる無機配向膜31,21が形成されている。この配向膜31,21は本発明の仕事関数調整層として機能するものであり、各配向膜の材料,膜厚,膜構造等は、両基板の電極材料や、電極の下層側の構造等に応じて最適に設計されている。例えば画素電極9をITO等よりも仕事関数の小さいAlやAg等によって構成した場合には、両電極9,23の仕事関数の違いによってコモン電位にずれが生じる。このため、この場合には、両電極9,23の液晶界面における仕事関数を等しくする(又は、仕事関数差を小さくする)ために、仕事関数の小さい画素電極9側に配される配向膜(第1の配向膜)31は、対向電極23側の配向膜(第2の配向膜)21よりも相対的に比誘電率の大きい材料によって構成される。また、画素電極9と対向電極23の電極材料が同じであっても、一方の基板がスイッチング素子を備えた素子基板であれば、両電極の下層側の構造の違いに応じて、両電極の液晶界面の仕事関数の大きさに若干の差ができる。例えば、本例のようなアクティブマトリクス型の液晶装置では、素子基板側の電極9の方が、対向基板側の電極23よりも仕事関数は若干小さくなる。したがって、この場合にも、画素電極9側の配向膜31が、対向電極23側の配向膜(第2の配向膜)21よりも相対的に比誘電率の大きい材料によって構成されることになる。
本例では例えば、対向基板側の配向膜(第2の配向膜)21をSiO等の斜方蒸着膜とし、TFTアレイ基板側の配向膜(第1の配向膜)31を、SiO等の斜方蒸着膜からなる第1の膜と、この第1の膜よりも比誘電率の大きい第2の膜とを含む多層膜としている。こうすることで、配向膜31に液晶配向機能(即ち、斜方蒸着膜のカラムの形状)を付与しつつ、この配向膜31を対向基板側の配向膜21よりも比誘電率の大きい膜とすることができる。例えば図3では、配向膜31は、液晶層50側に配置されたSiOからなる第1の膜31aと、基板10側に配置されたTiOからなる第2の膜31bとの2層構造をなす。なお、第1の膜と第2の膜の形成順序は任意に決めることができ、TiO等からなる第2の膜をSiO等からなる第1の膜の上に形成することも可能である。ただしこの場合、第2の膜によって第1の膜の表面の凹凸形状(カラムの形状)が平坦化されないようにする必要がある。具体的には、第2の膜の膜厚を数nm程度とし、第2の膜の表面に第1の膜の表面形状を反映した凹凸形状が形成されるようにすればよい。
なお、配向膜31,21はそれぞれの基板の中央部(即ち、画像表示領域)にパターン形成されており、各配向膜31,21は、シール材からの不純物による汚染を防止するために、シール材52の枠内の領域に当該シール材52に掛からないように設けられている。
以上説明したように、本実施形態では両基板の電極9,23を覆う配向膜31,21の比誘電率を異ならせて両電極9,23の液晶界面の仕事関数の大きさを等しく(又は、仕事関数差を小さく)しているため、フリッカのない表示が可能となる。特に本実施形態では、電極の仕事関数を直接調整しているので、駆動を調節した場合のように温度が変化してもコモン電位に変動は生じず、常に安定した表示特性が得られる。また、本実施形態では、配向膜を比誘電率の大きい無機材料によって構成して仕事関数の調節と配向膜とを兼ねているので、プロセス上容易になる。
また、本実施形態では、シール材52を配向膜31,21の外側に一定の距離だけ離して配置しているため、配向信頼性の高い液晶装置が得られる。なお本例では、配向膜31の第1の膜31a及び第2の膜31bの双方をパターニングしたが、配向に直接寄与しない、或いは、配向を補助するだけの第2の膜31bは必ずしもパターニングする必要はなく、基板全面にベタで形成してもよい。
[実施例1]
次に、本発明の第1の実施例について説明する。
本実施例では、以下の手順により本発明に係るLCOS型の液晶装置を作製した。
まず、シリコン基板上にAlをスパッタし、パターニングによりAl電極(反射電極)を形成する。次に、このAl電極の形成された基板の表面に、蒸着又はスパッタによりTiO2膜を50nm成膜し、続いて、このTiO2膜の上にSiO2を仰角50°の角度から打ち込む(斜方蒸着)。この斜方蒸着膜の厚みは10nmとする。一方、このシリコン基板とは別に、内面側にITO電極の形成されたガラス基板を用意し、ITO電極上にSiO2を斜方蒸着する。この斜方蒸着膜は18nmとする。次に、これらの基板をシール材によって貼り合わせて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を注入する。以上により、本発明に係る反射型の液晶装置が作製される。
また、同様の方法により、比較用の液晶装置を作製した。この比較用の液晶装置は、Al電極上にTiO2が形成されない点を除いて、上記本発明の液晶装置の構成と同じである。
次に、これらの液晶装置の中心電位差(コモン電位のずれ)を測定した。この結果、比較用の液晶装置ではAl電極とITO電極との間でコモン電位に500mVのずれが生じるのに対して、本発明の液晶装置では、これが200mVまで低減された。
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
本実施例では、以下の手順により本発明に係る反射型の液晶装置を作製した。
まず、シリコン基板上にAlをスパッタし、パターニングによりAl電極(反射電極)を形成する。次に、このAl電極の形成された基板の表面に、SiO2を10nmだけ斜方蒸着し、続いて、この斜方蒸着膜の上に、蒸着又はスパッタによりTiO2膜を5nm成膜する。一方、このシリコン基板とは別に、内面側にITO電極の形成されたガラス基板を用意し、ITO電極上にTiO2を斜方蒸着する。この斜方蒸着膜は20nmとする。次に、これらの基板をシール材によって貼り合わせて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を注入する。以上により、本発明に係る反射型の液晶装置が作製される。
次に、この液晶装置の中心電位差(コモン電位のずれ)を測定した。この結果、本発明の液晶装置では、コモン電位のずれが100mVまで低減された。
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。
本実施例では、以下の手順により本発明に係る反射型の液晶装置を作製した。
まず、シリコン基板上にAlをスパッタし、パターニングによりAl電極(反射電極)を形成する。この際、Al電極に液晶配向制御用のスリットを形成する。次に、このAl電極の形成された基板の表面にTiO2を蒸着又はスパッタし、続いて、このTiO2膜の上に、珪素酸を含む無機液体をスピンコートで成膜し、焼成によりSiO2膜とする。一方、このシリコン基板とは別に、内面側にITO電極の形成されたガラス基板を用意し、ITO電極上にSiO2を斜方蒸着する。次に、これらの基板をシール材によって貼り合わせて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を注入する。以上により、本発明に係る反射型の液晶装置が作製される。
次に、この液晶装置の中心電位差(コモン電位のずれ)を測定した。本例でも、コモン電位のずれは100mVまで低減された。なお、本例では、シリコン基板側の膜には斜方蒸着膜は含まれないが、ガラス基板側に斜方蒸着膜を形成しているため、配向制御は可能である。
[実施例4]
次に、本発明の第4の実施例について説明する。
本実施例では、以下の手順により本発明に係る透過型の液晶装置を作製した。
まず、p−SiTFTの形成されたガラス基板(TFTアレイ基板)上にITOを成膜し、パターニングによりITO電極を形成する。次に、このITO電極の形成された基板の表面に、SiO2を10nmだけ斜方蒸着し、続いて、この斜方蒸着膜の上に、蒸着又はスパッタによりTiO2膜を1nm成膜する。一方、このTFTアレイ基板とは別に、内面側にITO電極の形成されたガラス基板(対向基板)を用意し、この対向基板側のITO電極上にSiO2を斜方蒸着する。この斜方蒸着膜は20nmとする。次に、これらの基板をシール材によって貼り合わせて空セルを作製し、この空セルの中に誘電異方性が負の液晶を注入する。以上により、本発明に係る透過型の液晶装置が作製される。
また、同様の方法により、比較用の液晶装置を作製した。この比較用の液晶装置は、TFTアレイ基板側のITO電極上にTiO2が形成されない点を除いて、上記本発明の液晶装置の構成と同じである。
次に、この液晶装置の中心電位差(コモン電位のずれ)を測定した。この結果、比較用の液晶装置では、TFTアレイ基板側のITO電極と対向基板側のITO電極との間でコモン電位に若干のずれが生じていた。つまり、両基板の電極材料が同じ場合であっても、両基板で電極の下層側の構成が異なるため、両電極の液晶界面の仕事関数に若干の不均衡が生じたものと考えられる。これに対して、本発明に係る液晶装置では、コモン電位のずれがなく、フリッカが全く生じなかった。
[投射型表示装置]
次に、上述の液晶装置を用いた電子機器の一例として、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)について説明する。
図4は、液晶プロジェクタの概略構成を示す図である。この図に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。
ここで、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した実施の形態に係る液晶装置と同様であり、画像信号を入力する処理回路(図示省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。また、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム1112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。このようにして、各色の画像が合成された後、スクリーン1120には、投射レンズ1114によってカラー画像が投射されることとなる。
本実施形態の投射型表示装置は、上記実施形態の液晶装置を光変調手段として備えたことによって、高品質且つ安定な投射表示を実現することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、本発明の投射型表示装置を透過型のプロジェクタとして説明したが、ライトバルブに反射型の液晶装置を用いることで、反射型のプロジェクタとすることもできる。この場合、ライトバルブとなる液晶装置には、通常のガラス基板を用いたものの他に、基板にシリコン基板を用いたLCOSと呼ばれる構造のものを用いることもできる。
また、上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の液晶装置の一例を示す平面図。 図1のH−H’線に沿う断面図。 同、液晶装置のシール材周辺部を拡大して示す断面図。 本発明の投射型表示装置の一例を示す模式図。
符号の説明
9・・・画素電極、10・・・TFTアレイ基板(素子基板)、20・・・対向基板、21・・・第2の配向膜、23・・・対向電極、31・・・第1の配向膜、31a・・・第1の膜、31b・・・第2の膜、50・・・液晶層、52・・・シール材、100,100R,100G,100B・・・液晶装置、1100・・・投射型表示装置

Claims (10)

  1. 第1電極を備えた第1基板と、第2電極を備えた第2基板と、前記第1電極と前記第2電極との間に挟持してなる液晶層と、を有する液晶装置であって、
    前記第1電極の前記第1基板とは反対側の面に、第1無機膜と第2無機膜とが順次形成されており、
    前記第2電極の前記第2基板とは反対側の面に、第3無機膜が形成されており、
    前記第1電極は前記第2電極よりも仕事関数が小さく、
    前記第1無機膜及び前記第2無機膜のいずれか一方の無機膜は斜方蒸着膜からなり、
    前記第1無機膜及び前記第2材料膜のいずれか他方の無機膜は前記いずれか一方の無機膜及び前記第3無機膜よりも比誘電率が大きいことを特徴とする、液晶装置。
  2. 前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた一対の配向膜を有し、前記一対の配向膜の一方の配向膜の比誘電率は前記前記一対の配向膜の他方の配向膜の比誘電率よりも大きく、前記第1無機膜及び前記第2無機膜は前記一方の配向膜に含まれており、前記第3無機膜は前記他方の配向膜に含まれることを特徴とする、請求項1記載の液晶装置。
  3. 前記第2無機膜がSiOxからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 前記第1無機膜がTiOxからなることを特徴とする、請求項3に記載の液晶装置。
  5. 前記第1無機膜がA酸化物からなることを特徴とする、請求項3に記載の液晶装置。
  6. 前記第1基板と前記第2基板とは枠状に設けられたシール材を介して対向しており、上記第2無機膜は前記シール材の枠内の領域に該シール材に掛からないように設けられたことを特徴とする、請求項1から5のいずれか項に記載の液晶装置。
  7. 前記第1電極が反射電極として構成されたことを特徴とする、請求項1から6のいずれか項に記載の液晶装置。
  8. 前記第1基板がスイッチング素子を備えた素子基板からなることを特徴とする、請求項1から7のいずれか項に記載の液晶装置。
  9. 前記第1基板がシリコン基板からなることを特徴とする、請求項1から8のいずれか項に記載の液晶装置。
  10. 請求項1から9のいずれか項に記載の液晶装置を光変調手段として備えたことを特徴とする、投射型表示装置。
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