JP2002167459A - ゴム発泡体 - Google Patents
ゴム発泡体Info
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Abstract
くく、振動等により圧縮率が変化しても水密性能が変化
することが無く、優れた水密性能を示すことを課題とす
る。 【解決手段】ゴム成分に、軟化剤、充填剤、発泡剤、撥
水剤及び架橋剤を少なくとも配合混練りし、押出し成
形、架橋発泡を行うことにより得られ、前記撥水剤はフ
ッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤の少なくともいずれ
かであり、かつ発泡倍率が5〜20倍で水密性を有し、
連続気泡部を有している構成であることを特徴とするゴ
ム発泡体。
Description
特に住宅、車両、電化製品などの隙間や結合部に取り付
けた時、面追従性に優れ、高い水密性を示すシール材用
のゴム発泡体に関する。
は、特公昭57−22941号(従来技術1)や特公昭
59−11613号(従来技術2)に開示された、アス
ファルト等の多量の疎水、粘着性の軟化剤を配合したゴ
ム発泡体が知られている。
および粘着性のある樹脂類を所定量添加混合し、その後
発泡加硫する独立発泡体の弾性発泡体目地材の製造方法
に関する。従来技術2は、エチレン、α−オレフィンお
よび非共役二重結合を有する環状または非環状ポリエン
からなる共重合物単独又は該共重合物を少なくとも30
重量%含むゴム類と該ゴム類より過剰の撥水性及び粘着
性のある軟化物質及び/又は樹脂類とを必須成分とする
ゴム弾性を有する粘凋な混和物を発泡加硫せしめた発泡
体であり、該発泡体は所定の連続気泡を有するゴム類及
び/又は樹脂類とからなる発泡組織を持ち、且つ50%
圧縮時の圧縮硬さが所定の硬度に柔軟であって、その体
積を少なくとも30%圧縮することにより水を遮断し得
る発泡体であるゴム系発泡体に関する。
め、圧縮時の歪みが悪い点や、被シール材面に軟化剤が
移行して汚染してしまうという問題がある。また、これ
らのゴム発泡体は発泡直後は大部分が独立気泡セルであ
るが、柔軟性を与え作業性を良くするために、クラッシ
ング(物理的セル構造破壊)することにより通常60%
以上の連続気泡セルに変換している。しかし、振動等に
より圧縮、開放が繰り返された時、連続気泡率が高くな
るにつれて著しく水密性能が低下してしまい、水密性能
の品質を一定のレベルに保つのは難しいという問題点が
あった。
慮してなされたもので、被シール材への汚染を抑え、歪
みにくく、振動等により圧縮率が変化しても水密性能が
変化することが無く、優れた水密性能を示すシール材用
のゴム発泡体を提供することを目的とする。
軟化剤、充填剤、発泡剤、撥水剤及び架橋剤を少なくと
も配合混練りし、押出し成形、架橋発泡を行うことによ
り得られ、前記撥水剤はフッ素系撥水剤、シリコーン系
撥水剤の少なくともいずれかであり、かつ発泡倍率が5
〜20倍で水密性を有し、連続気泡部を有している構成
であることを特徴とするゴム発泡体である。
説明する。
子として、気泡径の大きさと水の接触角の大きさが知ら
れている(下記式(1))。 H=2δcosθ/πρgr2 (1) 但し、rは毛細管の半径(気泡径)、θは接触角、gは
重力加速度、δは水の表面張力、ρは水の密度、Hは上
昇した水の高さを示す。
0°以上の時cosθ<0となり逆毛細管現象が起こ
り、高い水密性を示す。また、気泡径rが小さく、か
つ、接触角θが90°以上の場合、水密性能は大幅に向
上する。一方、接触角θが90°未満の場合、水密性能
は大幅に低下する。即ち、高い水密性能を実現するため
には、気泡径rを小さくすることと同時に接触角θをで
きるだけ大きくすることが重要である。
個/インチ以上、好ましくは30個/インチ以上、更に
好ましくは35個/インチ以上である。水の接触角θと
しては90°以上、好ましくは95°以上、更に好まし
くは100°以上である。本発明において、気泡数は充
填剤の粒子径により制御でき、水の接触角θはフッ素系
又はシリコーン系海面活性剤の添加及び原料の疎水性に
より制御できる。
ッ素系撥水剤及びシリコーン系撥水剤の中から少なくと
も一種類選択するものとする。ここで、フッ素系撥水剤
としては、パーフルオロアルキル基含有化合物に代表さ
れるフッ素系撥水剤が挙げられ、ゴム100重量部に対
して0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5
重量部添加する。一方、シリコーン系撥水剤としては、
シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル等が挙げら
れ、ゴム100重量部に対して、0.5〜100重量
部、より好ましくは1〜50重量部の添加が望ましい。
いずれの場合も、添加量が少ないと接触角θはほとんど
向上せず、水密性効果が上げられない。また、添加量を
多くしてもそれ以上劇的に変化せず、逆に粘着加工性に
悪影響を与える恐れがある。
酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、シリカ等から少なくとも一種類選
択するが、好ましくは脂肪酸、樹脂酸、タンニン酸など
の有機酸により表面処理された疎水性もしくは撥水性を
有する充填剤であることが望ましい。ここで、表面が有
機酸により処理されていると、水の接触角θが大きくな
り、撥水剤との相乗効果により水密性を飛躍的に向上さ
せることができる。
が、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは1μm
以上であることが望ましい。また、添加量については、
粒子径が0.2μm以上ではゴム100重量部に対して
10〜300重量部、好ましくは30〜200重量部で
あり、粒子径0.2μm未満ではゴム100重量部に対
して10〜100重量部の添加が望ましい。これは、粒
子径が0.2μm未満の充填剤を多く使用しすぎると、
発泡体の気泡径が粗大化してしまい、水密性に大きな影
響がでてしまう他、表面が割れる等、ゴム発泡体の形成
が困難となってしまうためである。
成分としては、IR、IIR、EPDM、BR、NB
R、SBR、1,2−BR、CR、CSM、ACM、ウ
レタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも一種類選択す
ることが望ましい。この中で、非極性ゴムであるIR、I
IR,EPDM、シリコーンゴム等を用いた方が水との
親和性が少なく、水密性シール材として好ましい。
化剤としては、可塑剤、プロセスオイル、パラフィンワ
ックス、流動パラフィン、ロジン、クマロン樹脂、ポリ
ブテン、アスファルト等から使用するゴムとの相溶性が
よい物を少なくとも一種類選択し、ゴム成分100重量
部に対して、10〜200重量部、好ましくは30〜1
00重量部含むことが望ましい。ここで、軟化剤が10
重量部未満では柔軟性が乏しくなり、面追従性が低下
し、200重量部を超えるとムーニー粘度が低すぎて成
形加工性が悪くなる、被シール面への汚染が激しくなる
などの問題が起こる。ただ、アスファルトの場合に限り、
15重量部を超えて添加すると被シール面への汚染性は
急激に激しくなるので、15重量部未満が好ましい。
ニトロペンタジエンテトラミン(DPT)、アゾジカル
ボンアミド(ADCA)、4,4’−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド(OBSH)、重炭酸ナトリウ
ム等の内、少なくとも1種類選択し、ゴム100重量部
に対して3〜50重量部の添加が好ましく、より好まし
くは5〜35重量部が望ましい。ここで、発泡剤が3重
量部未満の場合は発泡倍率5倍未満の低発泡倍率のもの
しか得られず、50重量部を超えるとガス抜が生じてし
まい、目標とする発泡体が得られない。発泡剤の分解温
度を下げるためにキッカー作用のある化合物との併用が
でき、架橋温度とのバランスが取れるように調整する必
要がある。ADCAの場合は、酸化亜鉛、ステアリン酸
亜鉛等の発泡助剤を使用することで発泡剤の分解温度を
引き下げることができる。
黄、p−キノンジオキシム系、過酸化物等から選択す
る。硫黄加硫の場合、加硫促進剤として、チアゾール
系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、ジチオホ
スファイト系、チウラム系等から少なくとも1種類選択
する。
用できる。例として、着色剤、補強剤、酸化防止剤等が
挙げられる。 総合的に高い水密性と高い作業性を実現するには、前述
の気泡径rと接触角θの他に、発泡倍率、圧縮応力を適
度に調整することが必要である。具体的には、前記発泡
倍率は5〜20倍が好ましい。ここで、発泡倍率が5倍
未満では柔軟性が乏しくなり、作業性が悪くなり、発泡
倍率が20倍を越えると圧縮応力が小さくなり、水密性
が低下する。
5〜20kPaが好ましい。ここで、50%圧縮応力が
0.5kPa未満では被シール材との密着性が悪くな
り、水密性が低下する。逆に、50%圧縮応力が20k
Paより大きいと、所定の厚みまで圧縮するのが困難に
なり、作業性が悪い。従って、水密性のシール材として
最適化したゴム発泡体として、その発泡倍率を5〜20
倍としたものであり、50%圧縮応力は0.5〜20k
Paであり、好ましくは2〜10kPaである。
いが、柔軟性や面追従性をよくするためにクラッシング
により連続気泡率を適度に調整する必要がある。連続気
泡率は好ましくは80%以上であり、より好ましくは振
動等により連続気泡率が上がり、水密性能が下がるのを
防止するために90%以上の連続気泡率に調整する。
体について比較例1〜4に係るゴム発泡体とともに説明
する。 (ゴム発泡体の製造方法について)まず、下記表1によ
る配合組成物において、ニーダーにて混練(110℃×
20分)し、これをゴム用押出し機にて厚さ10mmの
シートに成形した。次に、このシートを170℃の加熱
炉にて20分架橋発泡加硫し、ゴム発泡体を得た。得ら
れたゴム発泡体は連続気泡率50%〜75%と独立気泡
が多数存在している為、圧縮ロールを通すことによりク
ラッシングし、独立気泡を破壊し、連続気泡率を90%
〜95%に調整した。
法のうち50%圧縮応力、圧縮残留、セル数の試験法は
JIS K 6767に準拠して行った。 (発泡状態の評価)O…発泡良好、×…発泡不良、△…
セル不均一。但し、目視にて観察を行ない評価した。 (汚染性試験法)アクリル塗装板に試験片(厚み10m
m、幅10mm、長さ100mm)を挟み、50%に圧
縮して、温度70℃、湿度95%のオーブン中に1週間
放置し、1週間経過後のアクリル塗装板の汚染度を観察
した。
片を幅(W)10mm、高さ(H)200mm、両先端
の間隔(L)70mmとしてU字状に打ち抜いたゴム発
泡体試験片1を2枚のアクリル板(厚さ10mm、幅2
50mm、高さ250mm)にて厚さ方向に50%圧縮
し、U字試験片中に規定量の水を注入し、24時間経過
後に漏水しなかった水深を測定する。 2)90%圧縮→50%圧縮 上記と同様にして、U字状に打ち抜いたゴム発泡体試験
片を2枚のアクリル板(10mm、幅250mm、高さ
250mm)にて厚さ方向に90%圧縮して24時間静
置する。24時間後に圧縮率を50%に緩め、1時間静
置した後、U字試験片中に規定量の水を注入し、24時
間経過後に漏水しなかった水深を測定する。
56−70 Procedure Bにて、準拠して測
定した。
スキンを取り除いた試験片から10mm×50mm×5
0mmを採取し、200℃、圧力50kg/cm2で2
分間熱プレスして表面平滑のフィルム状とし、協和科学
社製の協和接触角計CA−Aを用いて測定した。
発明にて規定した条件をクリアするものであり、ゴム発
泡体を水密材として使用するものに好適な性状を有して
いる。なお、水密性シール材として実用的に機能させる
為には、水密性試験が50%圧縮時において60mm注
水しても24時間漏水しない程度の水密性が必要であ
る。また、繰り返して圧縮されるような部位や激しい振
動にさらされる部位で使用する為には、圧縮率を90%
から50%に変化させたときにも、60mm注水しても
24時間漏水しない程度の水密性を有することが望まし
い。
化学社製、商品名、ホワイトシールKK、 炭酸カルシウム(表面脂肪酸処理、粒径0.15μ
m):白石カルシウム社製、商品名、Vigot−1
5、 炭酸カルシウム(表面未処理、粒径5μm):竹原化学
社製、商品名、サンライト300、 SRFカーボン:旭カーボン社製、商品名、旭35、 パラフィン系プロセスオイル:出光興産社製、商品名、
PW−380、 ポリブテン:日本石油化学社製、商品名、HV−35、 ストレートアスファルト:針入度80〜100、 ADCA:永和化成工業社製、商品名、ACLQ、酸化
亜鉛3種、 分散剤:川口化学工業社製、商品名、エクストンK−
1、 フッ素系撥水剤:大日本インキ社製、商品名、ディフェ
ンサMCF323SF、 酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、
商品名、TINUVN328、 チウラム系加硫促進剤:川口化学工業社製、商品名、T
ET、 ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤:川口化学工業社
製、商品名、EZ、 実施例1においては、表面未処理の炭酸カルシウムを用
い、フッ素系撥水剤を4重量部添加したところ、接触角
は94°となり、水密性も60mmをクリアすることが
できた。実施例2においては、表面脂肪酸処理の炭酸カ
ルシウムを用いたが、フッ素系撥水剤の添加剤は実施例
1の1/10で、実施例1と同等の水密性を示すことが
できた。
率をクラッシングにより90%に調整したものである
が、独泡率が高いために50%圧縮における水密性が1
00mmとなり、実施例2よりも優れた水密性を示した
ことが分かる。また、90%圧縮から50%圧縮に緩め
た場合の水密性は、実施例2と同等の水密性を示した。
これは90%圧縮時において残存していた独立気泡が破
壊されたため、50%圧縮に緩められた際には実施例2
と同等の連続気泡率となっていたためと考えられる。
phrまで増やしたものであるが、水の接触角は100
°を超え、水密性は何れも100mmを示した。実施例
5においては、軟化剤としてポリブテンを用いたとこ
ろ、ポリブテンの粘着効果により50%圧縮における水
密性が向上した。
ない為、水の接触角θは90°以下となってしまい、水
密性が悪くなってしまった。比較例2においては、比較
例1の連続気泡率をクラッシングにより90%に調整し
たものであるが、実施例3と比べて撥水剤を添加してい
ない為、90%圧縮から50%圧縮に開放した場合の水
密性は60mmを切ってしまった。
酸カルシウムを用いたが、その粒径が0.2μm以下で
あった為、架橋発泡中に割れを生じてしまい、実用性の
あるゴム発泡体とはならなかった。
成である。アスファルトを大量に使用している為、被シ
ール面への汚染性が高く、また圧縮残留歪が悪く、圧縮
率を90%から50%に変化させたときの水密性が極端
に悪くなる結果となった。
ール材への汚染を抑え、歪みにくく、振動等により圧縮
率が変化しても水密性能が変化することが無く、優れた
水密性能を示すシール材用のゴム発泡体を提供できる。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 ゴム成分に、軟化剤、充填剤、発泡剤、
撥水剤及び架橋剤を少なくとも配合混練りし、押出し成
形、架橋発泡を行うことにより得られ、前記撥水剤はフ
ッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤の少なくともいずれ
かであり、かつ発泡倍率が5〜20倍で水密性を有し、
連続気泡部を有している構成であることを特徴とするゴ
ム発泡体。 - 【請求項2】 前記充填剤は、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、シリカの少なくとも一種であることを特徴とする請
求項1記載のゴム発泡体。 - 【請求項3】 前記ゴム成分は、IR、IIR、EPD
M、BR、NBR、SBR、1,2−BR、CR、CS
M、ACM、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくと
も一種であることを特徴とする請求項1記載のゴム発泡
体。 - 【請求項4】 前記充填剤は、有機酸により処理されて
いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のゴム
発泡体。
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