JP2002166156A - 微粒子用水系分散剤 - Google Patents

微粒子用水系分散剤

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JP2002166156A
JP2002166156A JP2000366536A JP2000366536A JP2002166156A JP 2002166156 A JP2002166156 A JP 2002166156A JP 2000366536 A JP2000366536 A JP 2000366536A JP 2000366536 A JP2000366536 A JP 2000366536A JP 2002166156 A JP2002166156 A JP 2002166156A
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fine particles
group
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alkali metal
aqueous
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JP2000366536A
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English (en)
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Hisashi Toriyama
尚志 鳥山
Yasunari Hoshii
康成 星井
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Takemoto Oil and Fat Co Ltd
Original Assignee
Takemoto Oil and Fat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン性物質が共存してもこれにより悪影響を
受けることなく、また環境衛生面や安全面で疑念を生じ
ることなく、微粒子を経時的にも安定して水系に分散さ
せることができる微粒子用水系分散剤を提供する。 【解決手段】微粒子用水系分散剤として、特定の有機リ
ン酸エステル塩を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微粒子用水系分散剤
に関する。近年、セメント、金属材料、塗料、ゴム、プ
ラスチック、磁性材料、化粧品、電子材料、セラミック
ス、バイオテクノロジー、超伝導材料等の広い産業分野
で、粒子径の小さい各種の新たな微粒子が開発され、使
用されるようになっている。これらの微粒子には、無機
微粒子、有機微粒子、これらの複合体であるハイブリッ
ト微粒子等があるが、いずれの微粒子でも、その粒子径
が一層小さくなっているため、これを水系に分散させた
場合、一次粒子としての微粒子が凝集して二次粒子とな
り易く、微粒子本来の特性が阻害され易い。本発明は、
一次粒子としての微粒子を水系に安定分散させることが
できる微粒子用水系分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような微粒子用水系分散剤
として、1)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ラウリン酸ナトリウムを用いた例(特開昭55−295
46、特開昭55−65269)、2)ポリオキシエチ
レンアルキルアリール硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールリン酸エステル塩を用いた例(特
開平9−291298、特開平11−12508、特開
平11−130999)、3)いずれも20個以下のオ
キシエチレン単位で構成されたポリオキシエチレン基を
有するポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンハロゲン化フェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンナフチルエーテル等の非イオン性界面活性剤
を用いた例(特開昭55−29546、特開平2−88
62、特開平8−73788)、4)スチレン−アクリ
ル酸共重合体、メタクリル酸系重合体、アクリル酸系重
合体等の水溶性重合体と非イオン性界面活性剤とを併用
した例(特開平11−61022、特開平9−1947
73、特開平8−224953、特開平8−7378
8)、5)水溶性重合体と、非イオン性界面活性剤と、
アルコール類、ケトン類、アミド類等の水溶性有機溶剤
とを併用した例(特開平11−130999、特開平1
0−88050)等が提案されている。ところが、これ
らの従来例には、もともと微粒子の分散性が悪かった
り、当初はよくても経時的に微粒子の分散性が悪くなる
という問題があり、なかにはイオン性物質が共存すると
これにより微粒子の分散性が著しく悪くなったり、併用
する水溶性有機溶剤により環境衛生面や安全面で疑念を
生じるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、イオン性物質が共存してもこれにより悪影
響を受けることなく、また環境衛生面や安全面で疑念を
生じることなく、微粒子を経時的にも安定して水系に分
散させることができる分散剤を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく研究した結果、微粒子用水系分
散剤としては特定の有機リン酸エステル塩を含有するも
のが正しく好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、微粒子を水系に安定分
散させる分散剤であって、下記の式1で示される有機リ
ン酸エステル塩を含有して成ることを特徴とする微粒子
用水系分散剤に係る。
【0006】
【式1】
【0007】式1において、 R:フェニル基、ベンジル基、スチリル基、ナフチル基
又は炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルナフ
チル基 A:25〜90個のオキシエチレン単位又は合計25〜
90個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位と
で構成されたポリオキシアルキレン基 q,r:1又は2であって、q+r=3を満足する整数 M:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又
は有機アミン
【0008】式1で示される有機リン酸エステル塩に
は、式1中のqが1である場合のモノエステルホスフェ
ート塩とqが2である場合のジエステルホスフェート塩
とが包含される。
【0009】式1で示される有機リン酸エステル塩にお
いて、Rで示される有機基には、1)フェニル基、2)
ベンジル基、3)スチリル基、4)ナフチル基、5)メ
チルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル
基、ブチルナフチル基、ペンチルナフチル基、ヘキシル
ナフチル基、ヘプチルナフチル基、オクチルナフチル
基、ノニルナフチル基、デシルナフチル基、ウンデシル
ナフチル基、ドデシルナフチル基、トリデシルナフチル
基、テトラデシルナフチル基、ペンタデシルナフチル
基、ヘキサデシルナフチル基、ヘプタデシルナフチル
基、オクタデシルナフチル基等の、炭素数1〜18のア
ルキル基を有するアルキルナフチル基が挙げられるが、
なかでもスチリル基、ナフチル基が好ましい。
【0010】式1で示される有機リン酸エステル塩にお
いて、Aで示されるポリオキシアルキレン基には、1)
オキシエチレン単位のみで構成されたポリオキシエチレ
ン基、2)オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位
とで構成された(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシ
プロピレン基があるが、2)の(ポリ)オキシエチレン
(ポリ)オキシプロピレン基が好ましい。2)の場合、
オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位の結合様式
はランダム状でも又はブロック状でもよいが、ブロック
状であって、ベンゼン環又はナフタレン環にオキシエチ
レン単位が結合したものが好ましい。いずれの場合にお
いてもポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキ
レン単位の合計数は25〜90とするが、30〜70と
するのが好ましく、35〜65とするのが更に好まし
い。
【0011】式1で示される有機リン酸エステル塩にお
いて、Mで示される塩基としては、1)ナトリウム、カ
リウム、リチウム等のアルカリ金属、2)カルシウム、
マグネシウム等のアルカリ土類金属、3)アンモニウ
ム、4)モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブ
チルジエタノールアミン等の有機アミン等が挙げられる
が、アルカリ金属が好ましい。
【0012】以上説明した式1で示される有機リン酸エ
ステル塩それ自体は、公知の方法で合成できる。これに
は例えば、1)ポリオキシアルキレンモノナフチルエー
テル2モルと、水1モルと、五酸化リン1モルとを反応
させて酸性ジ(ポリオキシアルキレンモノナフチルエー
テル)ホスフェートを得た後、これを水酸化カリウムで
中和して、ジ(ポリオキシアルキレンモノナフチルエー
テル)ホスフェートカリウム塩を得る方法、2)ポリオ
キシアルキレンモノナフチルエーテル3モルと、五酸化
リン1モルとを反応させて酸性モノ(ポリオキシアルキ
レンモノナフチルエーテル)ホスフェートと酸性ジ(ポ
リオキシアルキレンモノナフチルエーテル)ホスフェー
トとの混合物を得た後、これを水酸化カリウムで中和し
て、モノ(ポリオキシアルキレンモノナフチルエーテ
ル)ホスフェートカリウム塩とジ(ポリオキシアルキレ
ンモノナフチルエーテル)ホスフェートカリウム塩との
混合物を得る方法等が挙げられる。
【0013】本発明に係る微粒子用水系分散剤におい
て、以上説明した式1で示される有機リン酸エステル塩
の含有割合は、特に制限されないが、90重量%以上と
するのが好ましく、95重量%以上とするのがより好ま
しい。
【0014】本発明に係る微粒子用水系分散剤は、以上
説明した式1で示される有機リン酸エステル塩を含有す
るものであるが、更に浸透剤を含有することもできる。
かかる浸透剤には、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ジアルキルスルホサクシネートアルカリ金属塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が包含され
る。
【0015】浸透剤として用いるポリオキシエチレンア
ルキルエーテルとしては、1)2−エチルヘキシルアル
コール、5−メチル−4−プロピルノニルアルコール、
2,7,8−トリメチルデカニルアルコール等の側鎖を
有する総炭素数が8〜22の1級アルコールから誘導さ
れるポリオキシエチレンアルキルエーテル、2)5−ト
リデカニルアルコール、5−デカニルアルコール、3−
ノナニルアルコール等の炭素数8〜22の2級アルコー
ルから誘導されるポリオキシエチレンアルキルエーテル
等が挙げられる。かかるポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルのオキシアルキレン単位の繰り返し数は、特に制
限されないが、3〜20とするのが好ましい。
【0016】また浸透剤として用いるジアルキルスルホ
サクシネートアルカリ金属塩としては、ジn−オクチル
スルホサクシネートアルカリ金属塩、ジ2−エチルヘキ
シルスルホサクシネートアルカリ金属塩、ジ1−メチル
−4−エチルヘキシルスルホサクシネートアルカリ金属
塩、ジ1−メチルヘプチルスルホサクシネートアルカリ
金属塩、ジ1−ブチルアミルスルホサクシネートアルカ
リ金属塩等の、アルキル基の炭素数が8〜16のジアル
キルスルホサクシネートアルカリ金属塩が挙げられる。
なかでも、アルキル基の炭素数が6〜12のジアルキル
スルホサクシネートアルカリ金属塩が好ましく、ジ2−
エチルヘキシルスルホサクシネートアルカリ金属塩が特
に好ましい。
【0017】更に浸透剤として用いるアルキルベンゼン
スルホン酸アルカリ金属塩としては、プロピルベンゼン
スルホン酸アルカリ金属塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸アルカリ金属塩、オクタデシルベンゼンスルホン酸ア
ルカリ金属塩等の、アルキル基の炭素数が3〜18のア
ルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が挙げられ
る。なかでも、アルキル基の炭素数が8〜16のアルキ
ルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が好ましく、ドデ
シルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が特に好まし
い。
【0018】本発明に係る微粒子用水系分散剤として
は、式1で示される有機リン酸エステル塩と以上説明し
た浸透剤とから成るものが好ましく、この場合、式1で
示される有機リン酸エステル塩を90〜99.5重量%
及び浸透剤を0.5〜10重量%(合計100重量%)
の割合で含有するものがより好ましく、式1で示される
有機リン酸エステル塩を95〜99.5重量%及び浸透
剤を0.5〜5重量%(合計100重量%)の割合で含
有するものが特に好ましい。
【0019】本発明に係る微粒子用水系分散剤を用いて
微粒子を水系に分散させる場合、微粒子100重量部当
たり、本発明に係る微粒子用水系分散剤を通常は10〜
100重量部、好ましくは30〜60重量部の割合で用
い、通常ホモミキサー、コロイドミル、超音波分散機、
ビーズミル、ボールミル、ペイントシェイカー、サンド
ミル等の分散機器を用いる。
【0020】本発明に係る微粒子用水系分散剤を適用す
る微粒子としては、いずれも通常はその粒子径が0.0
1〜50μmである、無機微粒子、有機微粒子、これら
の複合体であるハイブリット微粒子が挙げられる。具体
的には、1)炭酸カルシウム微粒子、シリカ微粒子、フ
ェライト微粒子、アパタイト微粒子、無機金属酸化物微
粒子、セメント微粒子、カーボンブラック微粒子、ゼオ
ライト微粒子、無機金属微粒子、無機炭化物微粒子、無
機窒化物微粒子等の無機微粒子、2)セルロース微粒
子、コラーゲン微粒子、ポリビニル樹脂微粒子、ポリア
ミド樹脂微粒子、ポリオレフィン樹脂微粒子、有機酸化
物微粒子等の有機微粒子、3)二酸化チタン/ナイロン
樹脂微粒子、アルミナ/ポリオレフィン樹脂微粒子、シ
リカ/ポリビニルIPN樹脂微粒子等のハイブリット微
粒子が挙げられる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る微粒子用水系分散剤
の実施形態としては、次の1)〜4)が挙げられる。 1)下記の有機リン酸エステル塩(A−1)98重量%
及びポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の平均繰
り返し数5)5−トリデシルエーテル(B−1)2重量
%の割合から成る微粒子用水系分散剤。 有機リン酸エステル塩(A−1):式1中のRがナフチ
ル基、Aが35個のオキシエチレン単位と5個のオキシ
プロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン基、qが2、Mがカリウム、rが1で
ある場合の有機リン酸エステル塩/式1中のRがナフチ
ル基、Aが35個のオキシエチレン単位と5個のオキシ
プロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン基、qが1、Mがカリウム、rが2で
ある場合の有機リン酸エステル塩=50/50(モル
比)の割合の混合物
【0022】2)下記の有機リン酸エステル塩(A−
2)96重量%及びジ2−エチルヘキシルスルホサクシ
ネートナトリウム塩(B−2)4重量%の割合から成る
微粒子用水系分散剤。 有機リン酸エステル塩(A−2):式1中のRがナフチ
ル基、Aが52個のオキシエチレン単位と7個のオキシ
プロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン基、qが2、Mがカリウム、rが1で
ある場合の有機リン酸エステル塩/式1中のRがナフチ
ル基、Aが52個のオキシエチレン単位と7個のオキシ
プロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレン基、qが1、Mがカリウム、rが2で
ある場合の有機リン酸エステル塩=50/50(モル
比)の割合の混合物
【0023】3)下記の有機リン酸エステル塩(A−
3)99重量%及びポリオキシエチレン(オキシエチレ
ン単位の平均繰り返し数5)5−トリデシルエーテル
(B−1)1重量%の割合から成る微粒子用水系分散
剤。 有機リン酸エステル塩(A−3):式1中のRがスチリ
ル基、Aが45個のオキシエチレン単位と10個のオキ
シプロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレン基、qが2、Mがカリウム、rが1
である場合の有機リン酸エステル塩/式1中のRがスチ
リル基、Aが45個のオキシエチレン単位と10個のオ
キシプロピレン単位とで構成されたポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレン基、qが1、Mがカリウム、rが
2である場合の有機リン酸エステル塩=65/35(モ
ル比)の割合の混合物
【0024】4)下記の有機リン酸エステル塩(A−
4)98重量%及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム塩(B−3)2重量%の割合から成る微粒子用水系
分散剤。 有機リン酸エステル塩(A−4):式1中のRがスチリ
ル基、Aが50個のオキシエチレン単位で構成されたポ
リオキシエチレン基、qが1、Mがカリウム、rが2で
ある場合の有機リン酸エステル塩
【0025】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の
構成及び効果をより具体的にするが、本発明が該実施例
に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及
び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意
味する。
【0026】
【実施例】試験区分1(有機リン酸エステル塩の合成) ・有機リン酸エステル塩(A−1)の合成 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(オキシエチ
レン単位の繰り返し数35、オキシプロピレン単位の繰
り返し数5)ナフチルエーテル5922g(3モル)を
フラスコに仕込み、65〜70℃に保持して、攪拌しな
がら無水リン酸142g(1モル)を60分かけて徐加
した。その後、同温度で3時間保持して反応を終了し、
酸価28(KOHmg/g)の酸性リン酸エステルを得
た。酸価は電位差滴定法に測定した。得られた酸性リン
酸エステル1000gの入ったフラスコ中で、30〜5
0℃に保持しながら50%水酸化カリウム35g(0.
3モル)を徐加して中和し、有機リン酸エステル塩(A
−1)を得た。得られた有機リン酸エステル塩(A−
1)は、NMR法により分析したところ、ジエステル/
モノエステル=50/50(モル比)の割合の混合物で
あり、有効成分は95%であった。
【0027】・有機リン酸エステル塩(A−2)〜(A
−7)、(a−1)及び(a−2)の合成 有機リン酸エステル塩(A−1)の場合と同様にして、
有機リン酸エステル塩(A−2)〜(A−7)、(a−
1)及び(a−2)を合成した。以上で合成した各有機
リン酸エステル塩の内容を表1にまとめて示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1において、 R,A,q,M,r:式1中の各記号 EO:Aを構成するオキシエチレン単位の数 PO:Aを構成するオキシプロピレン単位の数 D/M:ジエステル/モノエステルの割合(モル比)
【0030】試験区分2(微粒子用水系分散剤の調製又
は準備) ・実施例1 試験区分1で合成した有機リン酸エステル塩(A−1)
98部及びポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の
平均繰り返し数5)5−トリデシルエーテル(B−1)
2部とを均一混合して、実施例1の微粒子用水系分散剤
を調製した。
【0031】・実施例2〜7、比較例1及び2 実施例1の微粒子用水系分散剤と同様にして、実施例2
〜7、比較例1及び2の各微粒子用水系分散剤を調製し
た。
【0032】・比較例3〜6 各例で、微粒子用水系分散剤を準備した。以上で調製又
は準備した各例の微粒子用水系分散剤の内容を表2にま
とめて示した。
【0033】試験区分3(微粒子の水系分散液の調製) ・有機微粒子の水系分散液の調製 試験区分2で調製又は準備した微粒子用水系分散剤2
部、電子顕微鏡による平均粒子径1μmのポリスチレン
微粒子20部、イオン交換水100部及び粒子径0.7
mmのガラスビーズ200部をサンドグラインダーミルの
ポットに仕込み、回転数1000r.p.m.で3時間
処理した後、デカンテーションによりポリスチレン微粒
子の水系分散液を得た。各例の微粒子用水系分散剤につ
いて、同様の水系分散液を5サンプルづつ作製した。
【0034】・無機微粒子の水系分散液の調製 試験区分2で調製又は準備した微粒子用水系分散剤2
部、電子顕微鏡による平均粒子径0.1μmのカーボン
ブラック微粒子20部、イオン交換水100部及び粒子
径0.7mmのガラスビーズ200部をサンドグラインダ
ーミルのポットに仕込み、回転数1000r.p.m.
で3時間処理した後、デカンテーションによりカーボン
ブラック微粒子の水系分散液を得た。各例の微粒子用水
系分散剤について、同様の水系分散液を5サンプルづつ
作製した。
【0035】・ハイブリット微粒子の水系分散液の調製 試験区分2で調製又は準備した微粒子用水系分散剤2
部、電子顕微鏡による平均粒子径0.5μmの酸化チタ
ン/ナイロンハイブリット微粒子20部、イオン交換水
100部及び粒子径0.7mmのガラスビーズ200部を
サンドグラインダーミルのポットに仕込み、回転数10
00r.p.m.で3時間処理した後、デカンテーショ
ンにより酸化チタン/ナイロンハイブリット微粒子の水
系分散液を得た。各例の微粒子用水系分散剤について、
同様の水系分散液を5サンプルづつ作製した。
【0036】試験区分4(評価) ・水系分散液の経時的な分散安定性の評価 試験区分3で作製した水系分散液100mlを、0.1ml
目盛りの共栓付きメスシリンダーに入れ、70℃の恒温
槽に1週間静置した後、沈降量を計測した。各5サンプ
ルの水系分散液毎に沈降量の平均値を算出し、以下の基
準で評価した。結果を表2にまとめて示した。 ◎:沈降量の平均値が0.1ml未満 ○:沈降量の平均値が0.1ml以上0.5ml未満 △:沈降量の平均値が0.5ml以上1ml未満 ×:沈降量の平均値が1ml以上
【0037】・水系分散液のアニオン性溶液との混合安
定性の評価 試験区分3で作製した無機微粒子の水系分散液100ml
と、アニオン性溶液としてラウリル硫酸ナトリウムの1
0%水溶液10mlとを、0.1ml目盛りの共栓付きメス
シリンダーに入れ、激しく上下に10回振とうした後、
25℃の恒温槽に1日間静置した後、沈降量を計測し
た。各5サンプルの水系分散液毎に沈降量の平均値を算
出し、以下の基準で評価した。結果を表2にまとめて示
した。 ◎:沈降量の平均値が0.1ml未満 ○:沈降量の平均値が0.1ml以上0.5ml未満 △:沈降量の平均値が0.5ml以上1ml未満 ×:沈降量の平均値が1ml以上
【0038】・水系分散液のカチオン性溶液との混合安
定性の評価 試験区分3で作製した無機微粒子の水系分散液100ml
と、カチオン性溶液としてラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロライドの10%水溶液10mlとを、0.1ml目
盛りの共栓付きメスシリンダーに入れ、激しく上下に1
0回振とうした後、25℃の恒温槽に1日間静置した
後、沈降量を計測した。各5サンプルの水系分散液毎に
沈降量の平均値を算出し、以下の基準で評価した。結果
を表2にまとめて示した。 ◎:沈降量の平均値が0.1ml未満 ○:沈降量の平均値が0.1ml以上0.5ml未満 △:沈降量の平均値が0.5ml以上1ml未満 ×:沈降量の平均値が1ml以上
【0039】
【表2】
【0040】表2において、 使用量:重量部 条件1:有機微粒子の水系分散液の場合 条件2:無機微粒子の水系分散液の場合 条件3:ハイブリット微粒子の水系分散液の場合 条件4:アニオン性溶液を加えた場合 条件5:カチオン性溶液を加えた場合
【0041】A−1〜A−7,a−1,a−2:試験区
分1で合成した有機リン酸エステル塩 B−1:ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の平
均繰り返し数5)5−トリデシルエーテル B−2:ジ2−エチルヘキシルスルホサクシネートナト
リウム塩 B−3:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 *1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 *2:ポリオキシエチレン(オキシエチレン単位の繰り
返し数3)ラウリル硫酸エステルナトリウム塩 *3:数平均分子量8000のポリアクリル酸ナトリウ
ム塩 *4:数平均分子量75000のスチレン−アクリル酸
ナトリウム塩共重合体/ポリオキシエチレン(オキシエ
チレン単位の繰り返し数20)ノニルフェニルエーテル
=5/95(重量比)の混合物 **:分散安定性が悪かったので評価しなかった
【0042】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、イオン性物質が共存してもこれにより悪影響を
受けることなく、また環境衛生面や安全面で疑念を生じ
ることなく、微粒子を経時的にも安定して水系に分散さ
せることができるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA01 AA03 AA09 AC05 BA03 BA07 DD29X DE32X 4J002 CH051 CH052 EV246 EV256 4J005 AA04 BD03 BD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子を水系に安定分散させる分散剤で
    あって、下記の式1で示される有機リン酸エステル塩を
    含有して成ることを特徴とする微粒子用水系分散剤。 【式1】 (式1において、 R:フェニル基、ベンジル基、スチリル基、ナフチル基
    又は炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルナフ
    チル基 A:25〜90個のオキシエチレン単位又は合計25〜
    90個のオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位と
    で構成されたポリオキシアルキレン基 q,r:1又は2であって、q+r=3を満足する整数 M:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又
    は有機アミン)
  2. 【請求項2】 式1で示される有機リン酸エステル塩を
    90重量%以上含有する請求項1記載の微粒子用水系分
    散剤。
  3. 【請求項3】 式1で示される有機リン酸エステル塩を
    90〜99.5重量%及び下記の浸透剤を0.5〜10
    重量%(合計100重量%)の割合で含有する請求項1
    記載の微粒子用水系分散剤。 浸透剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ジアル
    キルスルホサクシネートアルカリ金属塩及びアルキルベ
    ンゼンスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる少なくと
    も一つ
  4. 【請求項4】 式1で示される有機リン酸エステル塩
    が、式1中のRがスチリル基又はナフチル基であって、
    且つAが合計35〜65個のオキシエチレン単位とオキ
    シプロピレン単位とで構成された(ポリ)オキシエチレ
    ン(ポリ)オキシプロピレン基である場合のものである
    請求項1〜3のいずれか一つの項記載の微粒子用水系分
    散剤。
  5. 【請求項5】 式1で示される有機リン酸エステル塩
    が、式1中のMがアルカリ金属である場合のものである
    請求項1〜4のいずれか一つの項記載の微粒子用水系分
    散剤。
  6. 【請求項6】 浸透剤が、アルキル基の炭素数が6〜1
    2のジアルキルスルホサクシネートアルカリ金属塩及び
    アルキル基の炭素数が8〜16のアルキルベンゼンスル
    ホン酸アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一つであ
    る請求項1〜5のいずれか一つの項記載の微粒子用水系
    分散剤。
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