JP2002164789A - セグメント化回路 - Google Patents

セグメント化回路

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JP2002164789A JP2001302171A JP2001302171A JP2002164789A JP 2002164789 A JP2002164789 A JP 2002164789A JP 2001302171 A JP2001302171 A JP 2001302171A JP 2001302171 A JP2001302171 A JP 2001302171A JP 2002164789 A JP2002164789 A JP 2002164789A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、セグメント化混合信号回路における配
列された各セルの電流源の出力電流は、種々の原因に起
因して不均一になるという課題がある。 【解決手段】 DACのような一連の動作サイクルを実
行する混合信号回路200は、協働してアナログ出力信号
を生成するn個の回路セグメント21,41〜2n,4n、1組の
n個のセグメント制御信号T1〜Tnを発生させる制御信号
発生手段22、および、n個のセグメント制御信号を少な
くとも2通りの順序でそれぞれ異なる時期にn個のセグ
メントに適用できるようにするモーフィング手段24を備
える。前記順序は、少なくとも1つの順序がセグメント
の中の起動順序位置1つ分より大きい分だけ次の順序と
異なるような順序であり、且つ、セグメント制御信号の
適用順序の変化により引き起こされたセグメント順序位
置の変化がセグメントの数nに相対する数および/また
は大きさにおいて制限されるような順序である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル/アナ
ログ変換器などのセグメント化回路に関する。
【0002】
【従来の技術】添付図面の図1は、いわゆる“電流制御
(current-steering)”タイプの従来のディジタル/ア
ナログ変換器(DAC)の各要素を示す。DAC 1
は、mビットのディジタル入力ワード(D1〜Dm)を
対応するアナログ出力信号へと変換すべく設計される。
【0003】DAC 1は、複数個(n)の同一の電流
源21〜2nを包含し、n=2m−1である。各電流源2
は、実質的に一定の電流Iを通過せしめる。DAC 1
は更に、n個の電流源21〜2nにそれぞれが対応する複
数の差動スイッチ回路41〜4nも含む。各差動スイッチ
回路4は対応する電流源2に接続されると共に、その電
流源により生成された電流Iを、上記変換器の第1接続
ラインAに接続された第1端子へと、または、上記変換
器の第2接続ラインBに接続された第2端子へと切り換
える。
【0004】各差動スイッチ回路4は、複数の制御信号
T1〜Tn(以下に説明される理由により“サモメタコ
ード化信号[thermometer-coded signal]”と呼ぶ)の
1つを受けると共に、関連信号の値に従って自らの第1
端子または第2端子を選択する。DAC 1の第1出力
電流IAは上記各差動スイッチ回路の各第1端子に供給
された電流の総和であり、且つ、DAC 1の第2出力
電流IBは上記各差動スイッチ回路の各第2端子に供給
された電流の総和である。
【0005】上記アナログ出力信号は、DAC 1の第
1出力電流IAを抵抗Rに吸い込むことにより生成され
る電圧VAと、該変換器の第2出力電流IBを別の抵抗R
に吸い込むことにより生成される電圧VBとの間の電圧
差VA−VBである。
【0006】図1のDACにおいて、サモメタコード化
信号T1〜Tnは、2進式サモメタデコーダ6により2
進入力ワードD1〜Dmから導出される。該デコーダ6
は次のとおり作動する。
【0007】2進入力ワードD1〜Dmが最小値を有す
るとき、サモメタコード化信号T1〜Tnは、差動スイ
ッチ回路41〜4nの各々がそれらの第2端子を選択し、
それで、電流源21〜2nの全てが第2接続ラインBへと
接続されることになるような状態にある。この状態にお
いて、VA=0かつVB=nIRである。また、アナログ
出力信号VA−VB=−nIRである。
【0008】2進入力ワードD1〜Dmの値が漸進的に
増加するとき、デコーダ6により生成されるサモメタコ
ード化信号T1〜Tnは、(差動スイッチ回路41から
開始して)上記差動スイッチ回路の多くがそれぞれの第
1端子を選択するような状態にあり、このとき、自身の
第1端子を既に選択した差動スイッチ回路がその第2端
子に戻ることはない。2進入力ワードD1〜Dmが値i
を有するとき、最初のi個の差動スイッチ回路41〜4i
はそれぞれの第1端子を選択するが、残りの(n−i)
個の差動スイッチ回路4i+1〜4nはそれぞれの第2端子
を選択する。アナログ出力信号VA−VBは、(2i−
n)IRに等しい。
【0009】添付図面の図2は、3ビットの2進入力ワ
ードD1〜D3(すなわち、この例においてm=3)に
対して生成されたサモメタコード化信号の一例を示す。
この場合、7個のサモメタコード化信号T1〜T7が必
要とされる(n=2m−1=7)。
【0010】図2が示すとおり、2進式サモメタデコー
ダ6により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tn
はいわゆるサモメタコード(thermometer code)に従う
が、ここで、r次の信号Trが起動された(“1”に設
定された)とき、より低次の信号T1〜Tr−1も全て
起動されることは知られている。
【0011】電流制御式のDACにおいてサモメタコー
ド化は一般的である、というのも、2進入力ワードが増
加するにつれ、既に第1接続ラインAに切り換えられた
電流源が他のラインBに切り換えられることなく更に多
くの電流源がラインAへと切り換えられるからである。
従って、上記DACの入力/出力特性は単調であると共
に、入力ワードにおける1の変化から生ずるグリッチイ
ンパルスは小さい。
【0012】ところで、図1のアーキテクチャにおける
電流源2の個数および対応する差動スイッチ回路4の個
数が実に多く、特にm≧6のとき非常に多いことは理解
される。例えば、m=6のとき、n=63であり、63
個の電流源および63個の差動スイッチ回路が必要とさ
れる。このような多数の電流源を扱うため、且つ、個々
の差動スイッチ回路に対して効率的にサモメタ信号を供
給できるようにするために、各電流源および各差動スイ
ッチ回路を2次元配列のセルとして配置し、各セルが1
個の電流源および協働する差動スイッチ回路を含むもの
とすることが提案されている。この配置構成を添付図面
の図3に示す。
【0013】図3において、64個のセルCLijが8行
(ロウ)および8列(コラム)の8×8正方配列に配置
されている。図3において、各セルに適用された添字の
第1桁は該セルが位置する行を表し、添字の第2桁は該
セルが位置する列を表す。従って、セルCL18は行1、
列8のセルである。
【0014】各セルCLijは、それ自体の電流源2およ
びそれ自体の差動スイッチ回路4を含む。図1のDAC
と同様、上記配列の各セルのそれぞれの第1端子は上記
DACの第1接続ラインAに一体的に接続され、上記配
列の各セルのそれぞれの第2端子は上記DACの第2接
続ラインBに一体的に接続される。
【0015】図3においてセルCLijに割当てられた番
号は、各セルが起動(または、制御)されてそれぞれの
第2端子の選択からそれぞれの第1端子の選択へと変化
する順序を表す。起動順序は、上記配列における各セル
の物理的順序に従い、行1から開始してその行の各セル
を列の順に順次起動し、続いて行2以降を同様に起動す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図3の配列において生
ずる1つの問題は、上記配列の個々のセルの電流源2の
出力電流が均一であるのが望ましいにも拘わらず、実際
には、各セルの実際の出力電流が様々な原因から生ずる
不均一をこうむることである。
【0017】添付図面の図4(a)に示すとおり、例え
ば、電源ラインに沿って電圧が低下すると、行または列
に沿って傾斜誤差(graded error)が生じ得る。この場
合、関連する行または列の最初の4個のセルにおける各
電流源は負の誤差を有するが、これは各セルが平均を下
回る出力電流を生成することを意味する。これらの負の
誤差は、関連する行または列の中心に向かって減少す
る。関連する行または列の残りのセル5〜8における各
電流源はそれぞれの正の誤差を有するが、これは各セル
が平均を上回る出力電流を生成することを意味する。こ
れらの正の誤差は、関連する行または列の中心から端に
向かって減少する。
【0018】添付図面の図4(b)に示すとおり、上記
配列を含むチップの内側に熱的分布があると、1つの行
または列の中に対称的誤差が生じ得る。この場合、行ま
たは列の端セル1、2、7および8における各電流源は
負の誤差を有するが、行または列の中央セル3〜6の各
電流源は正の誤差を有する。
【0019】加えて、下に詳述する確率的誤差(random
error)などの他の種類の誤差もあり得る。上記セル配
列に対する最終誤差分布は、個々の誤差成分の全てを重
畳することにより生成される。
【0020】図4(a)および図4(b)に示された傾
斜誤差および対称的誤差は、蓄積されて大きな積分線形
誤差(integral linearity error:INL)に帰着し易
い。例えば、図4(a)に示された傾斜誤差分布が図3
に示されたセル配列の第1行内に存在すると仮定する。
この場合、セル1〜4が(それぞれの第2端子の選択か
らそれぞれの第1端子の選択へと変更されて)漸進的に
起動されるときに負の誤差が蓄積され、ディジタル入力
コードが4であるときには相当な負の合計誤差に達す
る。セル5〜8が順次起動されるときにのみ、これらの
セルに付随する正の誤差がセル1〜4に付随する大きな
負の誤差を相殺する。
【0021】当然ながら、図4(a)に対応する傾斜誤
差が列1〜8の各々に沿って存在すると、状況は更に悪
化する。この場合、セル1〜8が漸進的に起動されるに
つれ、行1の8個のセルの各々に対して最大の負の誤差
(図4(a)における位置1における誤差)が生ずる。
同様に、行2において、図4(a)の位置2に対応する
負の誤差は8回分蓄積される。従って、入力コードが
(行1〜4における各セルの全てが起動された状態に対
応する)32へと増加する時まで、蓄積される負の誤差
は実際に極めて大きい。
【0022】図4(b)に示された種類の対称的誤差の
蓄積によっても、同様の問題が生ずる。
【0023】傾斜誤差および対称的誤差に依る不整合
(mismatch)は、上記セル配列において各セルが物理的
に配置されている順序とは異なる特殊な順序で各セルを
選択することにより減少され得る。特に、同時係属中の
本出願人の日本国特開平11−243339号公報(英
国特許公開GB−A−2333190号に対応)には、
いわゆる“魔法陣(magic square)”における番号の順
序に準じた特殊なセル選択順序が記述されているが、そ
の全体の内容をここで、言及することにより援用する。
【0024】しかしながら、そのような特殊なセル選択
順序が採用された場合でも、個々のセグメントにより生
成されるそれぞれの電流間には必然的に不整合が残留す
る。これは、DACの性能における非直線性を引き起こ
す。
【0025】カリフォルニア州、サンディエゴ、199
9年3月16〜19日のデルタ−シグマデータ変換器講
座(Delta-Sigma Data Converters Lecture Course)に
おけるJesper Steensgaardの“SC
デルタ−シグマADCの構造的な最適化およびスケーリ
ング(Structural Optimization and Scaling of SCDel
ta-Sigma ADCs)”と題した論文においては、DACの
各要素間の不整合を整形(shape)するために要素(ま
たは、セグメント)回転を採用することが提案された。
該提案においては、データ依存(data-directed)の回
転量を使用して各要素を回転させる。同じ講座におい
て、“デルタ−シグマADCおよびDAC用の不整合整
形マルチビットDAC(Mismatch-Shaping Multibit DA
Cs for Delta-Sigma ADCs and DACs)”と題したIan
Galtonの別の論文は、低周波から高周波へとノ
イズを移動させることによりノイズ形状を改善する不整
合整形技術(mismatch shaping technique)を開示して
いる。これらの技術では、ノイズは高い出力信号周波数
において周波数と共に急速に増加することから、有用な
結果を得るためには大きなオーバーサンプリング比率
(例えば、8または25)が使用されねばならない。同
じ講座において、“ノイズ整形技術の独創的な応用(Un
conventional Applications of Noise-Shaping Techniq
ues)”と題したBob Adamsによる更なる論文
は、歪みを整形済ノイズへと変換するためにシグマ−デ
ルタDACにおいて要素“スクランブリング”が採用で
きることを開示している。上記スクランブリングは、出
力信号の所望周波数範囲の内側および外側の両者におけ
る周波数スペクトル全体に渡り均一にノイズを分散させ
るというランダム式か、ノイズをDCから離間移動させ
るデータ依存式であってノイズの振幅が周波数と共に漸
進的に増加するというデータ依存式かのいずれかであり
得る。
【0026】また、我々の同時係属中の欧州特許公開E
P−A−1100203号(我々の同時係属中の日本国
特願2000−343216号に対応)において、DA
Cのセグメント間の不整合を整形してノイズを特別な関
係帯域から追い出すために、データ依存でない回転量だ
けセグメント回転を採用する技術が提案された。その全
体の内容をここで、言及することにより援用する。
【0027】上記技術は、特定デバイスのセグメント源
における傾斜誤差、対称的誤差および確率的誤差により
生じさせられた問題を克服または緩和するために採用さ
れる。しかしながら、次に詳述するとおり、不規則な源
不整合のゆえに、あるデバイスから次のデバイスにかけ
て重大な性能変化が生じる問題は依然残る。
【0028】添付図面の図5(a)は、バイポーラDA
Cデバイスの一例においてアナログ出力信号が2進入力
信号D1〜Dmと共にどのように変化するかを線Sで表
すグラフである。線L1は、そのようなデバイスにおい
てアナログ出力がディジタル入力を線の形で精確に追従
する理想的な入出力挙動を表す。上に述べたとおり、現
実のデバイスには、実際のアナログ出力信号を理想(線
L1)から逸脱させる様々な誤差が下記のとおり不可避
的に存在する。これを図に描いてみせるために誤差は誇
張されている。
【0029】オフセット誤差があると、線L1で表され
た理想化出力信号が発生させられ、その結果、線L2で
表されたとおり、全てのディジタル入力値について一定
量E Oのシフトアップが引き起こされる。利得誤差があ
ると、オフセット誤差の線L2が線L3で表されたとお
り量EGだけ回転させられるように応答曲線の勾配が変
えられる。最後に、源不整合から生じる確率的誤差など
の誤差が残留すると、実際のアナログ出力信号は、2進
入力信号の変化につれて変動する残留(確率的)誤差の
量ERだけ線L3だけ逸脱させられる。線L1、L2お
よびL3は、無論、上記関係を説明する目的で人為的に
描いたものであり、線L3は、ディジタル入力信号領域
の端においてアナログ出力信号の実際値(図5(a)中
のAおよびD)を通るように引かれている。
【0030】添付図面の図5(b)は、図5(a)に対
応するプロットであるが、図5(a)中の線Sと線L3
の間の出力信号値の差がディジタル入力信号の変化につ
れてどのように推移するかを示す。すなわち、図5
(b)は、図5(a)の実際の出力信号が直線性からど
の程度離脱するかを図形で表す。図5(b)は、上に挙
げたオフセット誤差EOおよび利得誤差EGを計算に入れ
ていない。よって、図5(b)のプロットが示すのは、
点AおよびDにおいて線Sと一致するように引かれた線
L3で表された人為的直線性からの離脱であり、線L1
で表された理想的直線性からの離脱ではない。図5
(b)のグラフはまた、線Sが線L3と交わる点Bおよ
びCにおいてゼロに戻る。
【0031】図5(b)のような特定DACデバイスに
関するプロット表現をここでは“伝達関数”と呼ぶ。水
平軸は、不連続の段階を刻みながら増大するディジタル
入力信号を表すので、伝達関数は実際には段階的に変化
する。
【0032】伝達関数(非直線性誤差)Eを定義する方
程式は、図1のDACをより詳細に考慮することにより
導出することができる。n個の電流源21〜2nは同一の
電流Iを発生させるのが理想的であるが、実際には、電
流源は、正でも負でもゼロでもあり得るそれぞれ異なる
電流誤差e1〜enを有することになる。図1のDACは
微分出力信号IA〜IBを有し、ここで、xのディジタル
入力信号値(D1〜D3)について言えば、
【0033】
【数1】
【0034】で、関連誤差E(IA)および(IB)はそ
れぞれ式
【0035】
【数2】
【0036】により与えられ、これで、全誤差(I)は
【0037】
【数3】
【0038】により与えられる。
【0039】この誤差E(I)に関する式において、図
5(a)に則して上に述べたオフセット誤差EOは無視
された。図5(a)に則して上に述べた利得誤差E
Gも、誤差e1〜enの平均μを考慮することにより上の
誤差E(I)に関する式から無くすことができる。すな
わち、
【0040】
【数4】
【0041】一デバイスに関する平均μの値がゼロでな
いと、図5(a)に則して上に述べた利得誤差EGが生
じる。なぜなら、どの電流源も、これが接続された線A
またはBに平均してμの誤差を与え、その結果、入出力
応答の傾き(Slope)全体に変化が生じることになるか
らである。利得誤差EGは、次のとおり、電流源誤差e1
の各々から平均誤差μを減算することにより誤差E
(I)に関する式から無くすことができる。
【0042】線Aに接続された電流源21〜2xの誤差
(平均誤差μに相対する)の総和は次のとおりである。
【0043】
【数5】
【0044】同様に、線Bに接続された電流源2x+1
nの誤差(平均誤差μに相対する)の総和は次のとお
りである。
【0045】
【数6】
【0046】よって、伝達関数Eは次のとおり表すこと
ができる。
【0047】
【数7】
【0048】x=0のとき、誤差e1〜enの全てが、E
A=0を意味する線Bに接続される。定義によれば、線
Bの誤差e1〜enの総和は単純に平均誤差μのn倍に等
しいので、EBもゼロである。よって、図5(b)中の
点Aで表されたとおり再びE=0である。
【0049】同様に、x=nのとき、誤差e1〜enの全
てがEB=0を意味する線Aに接続される。線Aの誤差
1〜enの総和は定義によればnμであるので、EA
ゼロである。よって、図5(b)中の点Dで表されたと
おり再びE=0である。
【0050】xの他の全ての値について、誤差は相異な
る組み合わせで線AおよびBに接続され、その結果、伝
達関数Eは、常にゼロで始まりゼロで終わる“乱歩(ra
ndomwalk)”の形となり、中間の個々の点において正に
も負にもゼロにもなり得る。
【0051】入力値がx−1からxに変わると、電流源
xは、線Bに接続されていたのが線Aに接続される形に
変わり、EAを(ex−μ)だけ大きくし、EBを(ex
μ)だけ小さくする。よって、伝達関数Eの乱歩の刻み
幅は(ex−μ)である。
【0052】従って、伝達関数Eは、特定DACデバイ
スにとって、平均電流源誤差に相対する蓄積電流源誤差
とみなすことができる。x=0およびx=nのときにE
をゼロとすると決めることは、単純に、線L3を図5
(a)中の点AおよびDにおいて実際の出力信号値を通
るように引くと決めることと等価である。
【0053】伝達関数は、その正確な形に従ってDAC
出力の望ましくない歪みの程度および影響を変えさせ
る。例えば、上向き(または、下向きに)単一の弧を描
く図6(a)に示す形の伝達関数であれば、出力信号に
望ましくない第2調波を生じさせることになる。また、
中間点またはその付近において誤差ゼロの軸を通過する
図6(b)に示すS字形の伝達関数であれば、出力信号
に望ましくない第3調波を生じさせることになる。
【0054】電流源誤差e1は、ガウス分布(すなわち
正規分布)に一致する。DACデバイスが製造されると
き、製造されるデバイスの伝達関数Eは、電流源誤差の
ガウス分布に従って次に製造されるデバイスと違ってく
る。
【0055】添付図面の図7(a)は、6例のDACの
伝達関数を示す。添付図面の図7(b)に示すとおり、
個々のDACデバイスにおいて、電流源誤差はガウス分
布に一致し、電流源誤差分布は、一デバイスと次のデバ
イスの間で類似するが、デバイス間で若干の偏差があ
る。各デバイスの中のセグメントの数が多ければ多いほ
ど、デバイスの電流源誤差分布はデバイス間で類似する
が、誤差の配列(または、選択)の順序がデバイスごと
に異なるので、伝達関数はデバイスごとに異なるのがほ
とんど常である。
【0056】伝達関数がデバイスごとに異なるという事
実の結果として、出力信号の歪みもまた、同じ入力信号
条件のもとでデバイスごとに異なることになる。例え
ば、出力信号として100MHz正弦波を発生させるD
ACの場合、第2調波は、200MHzにおいて、例え
ば、−55dBc(すなわち主信号に関連して55d
B)の代表的振幅を有する不連続音となろう。しかしな
がら、伝達関数は、上に述べたとおりデバイスごとに同
じでないので、この第2調波の振幅は、代表的にはデバ
イスごとに最大±10dB変化することになる。デバイ
スの非直線性出力応答により生じさせられる他の歪み成
分も、デバイスごとに同様の振幅分変化することにな
る。
【0057】このデバイスごとに代表的に数dBどちら
かの側に性能が変化することは、デバイスにとって到達
し得る製造歩留まりの点で重要な意味を有する。
【0058】デバイス製造の観点から、デバイス歩留ま
りと最低保証デバイス性能(例えば、関連の特定周波数
帯域における最小SN比)の間のトレードオフを評価す
る必要がある。デバイスごとに性能が変化することは、
最低性能として代表値より数dB悪い値を指定しなけれ
ばならないことを意味する。その1つの含意は、生産テ
ストと生産スクリーニングが必要とされることである。
最悪のデバイスを不合格とする若干の歩留まり損を斟酌
しても、指定値を下げなければならない。周知のデバイ
ス歩留まり曲線を基礎に置いて、例えば、“平均−2
σ”の数字(平均値から標準偏差σの2倍を減算するこ
とにより得られる)に基づいて最低ノイズ保証性能を見
積るならば、製造されたデバイスの約97%が保証性能
を満たす、または上回る、すなわち歩留まりが97%と
なることは知られている。
【0059】もし、“平均−2σ”の数字を使用する代
わりに、製造者が更に緩やかな“平均−3σ”の数字に
基づいて保証性能を見積るならば、歩留まりは、例え
ば、99.9%に上がり、単位コストを低くするが、当
然、見積られた性能も低くなり、消費者にとってデバイ
スの魅力は減退する。もし、製造者が更に厳しい“平均
−σ”の数字に基づいて保証性能を見積るならば、歩留
まりは約84%に下がり、単位コストを高くするが、見
積られた性能は高くなり、消費者にとってデバイスは更
に魅力的となる。“平均−2σ”の数字は、消費者にと
って魅力的な性能レベルを与える一方、単位コストが経
済的となる程度に歩留まりを望ましい高さに保つ点で、
多くの場合、賢明なトレードオフである。
【0060】それゆえ、製造者の観点からは、より良い
最低性能を製造者が指定できるようにするため、および
/または、所与の最低性能レベルに対してより高い歩留
まりを確保できるようにするために、デバイスごとに伝
達関数が異なることにより生じる性能変化を減じること
が望ましい。
【0061】実際には、セグメント不整合により生じる
歪み成分に対して上記技術を使用することの効果を評価
することは困難である場合が多く、特定用途に適合する
ように最適のパラメータを選択するためには、或いは、
所望の効果が特定の1組のパラメータにより達成される
ことをテストするためには、経験に基づくチェックが望
まれるかもしれない。それゆえ、そのようなパラメータ
の経験的な選択または確認を容易にする手段を講じるこ
とが望ましい。
【0062】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態によ
れば、一連の動作サイクルを実行するように働く混合信
号回路であって、協働してアナログ出力信号を生成する
n個の回路セグメント、前記各サイクルにおいて、ディ
ジタル入力信号に応じて、生成されたアナログ出力信号
に影響すべく前記セグメントのそれぞれに適用される1
組のn個のセグメント制御信号を発生させるように働く
制御信号発生手段、および、n個のセグメント制御信号
を少なくとも2通りの順序でそれぞれ異なる時期にn個
のセグメントに適用できるようにするモーフィング(m
orphing)手段からなる混合信号回路が提供さ
れ、詳記すれば、前記順序は、少なくとも1つの順序が
セグメントの中の起動順序位置1つ分より大きい分だけ
次の順序と異なるような順序であり、且つ、セグメント
制御信号の適用順序の変化により引き起こされたセグメ
ント順序位置の変化が前記セグメントの数nに相対する
数および/または大きさにおいて制限されるような順序
である。
【0063】本発明の第2の形態によれば、一連の動作
サイクルを実行するように働き、協働してアナログ出力
信号を生成するn個の回路セグメントからなる混合信号
回路において使用されるノイズ整形方法であって、前記
各サイクルにおいて、ディジタル入力信号に応じて、生
成されたアナログ出力信号に影響すべく前記セグメント
のそれぞれに適用されるn個1組のセグメント制御信号
を発生させる段階、および、n個のセグメント制御信号
を少なくとも2通りの順序でそれぞれ異なる時期にn個
のセグメントに適用できるようにする段階からなるノイ
ズ整形方法が提供され、詳記すれば、前記順序は、少な
くとも1つの順序がセグメントの中の起動順序位置1つ
分より大きい分だけ次の順序と異なるような順序であ
り、且つ、セグメント制御信号の適用順序の変化により
引き起こされるセグメント順序位置の変化が前記セグメ
ントの数nに相対する数および/または大きさにおいて
制限されるような順序である。
【0064】順序位置変化の数および/または大きさを
制限し得る方法は数通りある。
【0065】セグメントの数という点では、一実施例に
おいて、順序の変化のたびに順序位置を変えられないセ
グメントが少なくとも1個存在する。もうひとつの実施
例では、順序の変化のたびに少なくともn/16個のセ
グメントは順序位置を変えられない。他の実施例では、
変化するセグメントの数は更になお制限される。例え
ば、順序の変化のたびに最も多い場合でn/2個のセグ
メントが順序位置を変えるかもしれないし、或いは、最
も多い場合で1対のセグメントが順序位置を変えるかも
しれない。
【0066】また、上記制限を、順序の変化によりその
都度引き起こされる順序位置の変化の全体幅で表現する
ことも可能である。例えば、或る順序から次の順序への
変化は各々、関連したセグメントの順序位置の変化(た
とえ、それが関連の順序の変化により引き起こされたも
のであっても)をn個のセグメント全部にわたって総和
することにより計算されたセグメント変化パラメータを
有するとみなしてよい。そうすれば、制限は、セグメン
ト変化パラメータの値で表現することができる。一実施
例において、順序変化と関連するセグメント変化パラメ
ータの値は各々n2/4より小さく、より望ましくは各
々16nより小さいかまたは16nに等しく、更により
望ましくは各々なお2nより小さい。もうひとつの実施
例では、前記セグメント変化パラメータのサイクル当た
り平均値がn2/64より小さく、より望ましくは16
nより小さく、更により望ましくはなお2nより小さ
い。別の実施例では、セグメント変化パラメータのそれ
ぞれの最小値と最大値との差が前記セグメントの数nに
関連して制限される。例えば、差は16nより小さくて
よく、より望ましくはなお2nより小さくてよい。それ
はゼロであってもよい。
【0067】実際には、複雑さを抑えるために、どの1
サイクルにおいてもセグメント制御信号をセグメントに
適用する順序を所定の使用可能な複数の順序の中から選
択するのが望ましい。この所定の使用可能な順序の合計
数は、4より大きいのが望ましく、できればnより大き
いのがより望ましい。使用可能な順序の数が多ければ多
いほど、伝達関数変動の減り方は大きい。
【0068】前記所定の使用可能な順序は各々、所定の
順序の中から選択してよいが、望ましくは、ノイズ成分
の大きさを減じるために(その幅を広げる一方)、使用
可能な順序の各々をランダムベースまたは擬似ランダム
ベースで選択する。一実施例では、全体としてより制限
された順序位置変化を含む順序変化の方が、全体として
より大きい順序位置変化を含む順序変化より起こる頻度
は高い。このことは、セグメント変化パラメータの値の
変動に制限を加えておく上で助けとなる。もうひとつの
実施例では、所定の使用可能な順序は、全ての順序変化
が全体としてほぼ同じ順序位置変化を含む、すなわち、
ほぼ同じ値のセグメント変化パラメータを含むような順
序であり、全ての順序変化が平均してほぼ同じ頻度で実
行されるような順序である。
【0069】回路を複雑にしすぎることなく、且つ、全
体の順序位置変化を大きくしすぎることなく、順序を変
える望ましい方法の1つは、予選択された1対以上のセ
グメントに属するセグメントのそれぞれの順序位置を入
れ替えることである。
【0070】ノイズ成分がどの程度分散させられるか
は、所与の順序変化が反復される平均時間間隔によって
影響される。一実施例では、この平均時間間隔は少なく
とも0.1μsである。
【0071】n個のセグメントは、m組のセグメントグ
ループに再分してよく、ここで、m≧2である。一実施
例では、n=128のとき、m=8または16である。
グループが形成されたならば、同じグループの中での
み、セグメントの順序位置を変えてよく、例えば、入れ
替えてよい。この場合、順序位置を変えるセグメントの
数を制限するため、順序位置変化は一度にm組のグルー
プのうちm−1組以下のグループ、例えば、一度に1組
のグループにおいてしか許されない。セグメントが順序
を変えるときにn個の可能な順序位置の範囲全体にわた
って所望順序位置へ移動できるよう、同じグループに属
するセグメントの順序位置は、n個の可能な順序位置の
範囲全体にわたって分散している(例えば、均一に)の
が望ましい。
【0072】本発明の第3の形態によれば、各々、セグ
メント自体にとっての第1アナログ量を限定する第1ア
ナログ量限定手段を有し、且つ、セグメント自体にとっ
ての第2アナログ量を限定する第2アナログ量限定手段
も有し、当該セグメントにとっての前記第2アナログ量
が前記第1アナログ量より明らかに少ない複数の回路セ
グメント、前記第1アナログ量または前記第2アナログ
量を選択するアナログ量選択手段、および、回路セグメ
ントの複合体のそれぞれの選択されたアナログ量に基づ
いて複合アナログ量を生成するように働く複合手段から
なるセグメント化回路が提供される。
【0073】本発明の第4の形態によれば、本発明の第
3の形態を採用するセグメント化回路は、一連の動作サ
イクルを実行するように働き、更に、前記各サイクルに
おいて、ディジタル入力信号に応じて、前記複合アナロ
グ量に影響すべく前記セグメントのそれぞれに適用され
る1組のセグメント制御信号を発生させるように働く制
御信号発生手段、および、セグメント制御信号を少なく
とも2通りの順序でそれぞれ異なる時期に前記セグメン
トに適用させ、それで、相異なるセグメントの前記第1
アナログ量相互間の不整合により生じた歪みを、予選択
された所望周波数のノイズ成分に変換させるノイズ整形
手段からなる。セグメント化回路をテストする方法は、
前記アナログ量選択手段に前記第2アナログ量を選択さ
せる段階、前記相異なる順序に影響すべく前記ノイズ整
形手段により使用される、前記ノイズ整形手段の動作パ
ラメータを設定する段階、および、前記複合アナログ量
から導出された信号において測定を行い、ノイズ成分の
当該信号の周波数スペクトルにおける位置を特定する段
階からなる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施例を詳述する。
【0075】図8は、本発明を具現するDACの構成お
よび動作に関する全般的説明に使用されるブロック図で
ある。以下、より詳細な特殊実施例について述べる。上
で論じた図1のDACの各要素と同一の、或いは、密接
に対応する図8のDACの各要素を同一参照番号で表
し、かかる各要素の記述を省略する。ここで、参照符号
200は、DAC(ディジタル/アナログ変換器)を示
している。
【0076】図8のDACは、ディジタル回路部分DC
およびアナログ回路部分ACを含む。アナログ回路部分
ACは、図1のDACと同様に構成されており、各々が
定電流源2およびスイッチ4を有する複数のセグメント
(または、セル)を含む。各セグメントにおけるスイッ
チ4は、ディジタル回路部分DCから該スイッチに供給
された個別に対応するサモメタコード化信号Tにより制
御される。
【0077】図8のDACにおいて、ディジタル回路部
分DCは、伝達関数モーフィング部ブロック22および
モーフィング制御部24を含む。図1の2進式サモメタ
デコーダ6は、この実施例では必要でない。なぜなら、
以下に詳細に述べるとおり、その機能が伝達関数モーフ
ィング部22に効果的に組み込まれているからである。
【0078】伝達関数モーフィング部22は、2進入力
ワードD1〜Dmを受信するm個の入力、およびディジ
タル回路部分DCのサモメタコード化入力信号T1〜T
nのそれぞれ1つを発生させるn個の出力を有する。
【0079】伝達関数モーフィング部22はまた、モー
フィング制御部24の出力からのモーフィング制御信号
Mを受信するために該出力に接続された制御入力も有す
る。
【0080】次に、図8のDACの動作について述べ
る。DACは、所定の動作周波数(サンプリング速度)
DACにて一連の動作サイクル(変換サイクル)を実施
する。FDACは、例えば、1億サンプル/秒(100M
サンプル/秒)である。
【0081】各サイクルにおいて、伝達関数モーフィン
グ部22は、当該サイクルにおいて使用すべきモーフィ
ング制御信号Mを受信し、外部から加えられた入力ワー
ドD1〜Dmを該受信信号Mに従ってn個のサモメタコ
ード化信号(セグメント制御信号)T1〜Tnに変換す
る。
【0082】次に、伝達関数モーフィング部22および
モーフィング制御部24の動作について述べる。ここで
は、説明を簡潔にするために一例としてDACがセグメ
ントを8個しか持たない図を参照する。
【0083】図9(a)は、各セグメントが図8に則し
て上に述べたとおりに構成されている8個のセグメント
S0〜S7のセットを示す概略図である。各セグメント
Lの中の電流源2は、これと関連する確率的電流源誤
差eiを有する電流Iを発生させ、それで、セグメント
iが(I+ei)の電流を発生させることになる。図9
(a)の各セグメントの中に示してあるのが、セグメン
ト番号および当該セグメントと関連する確率的電流源誤
差である。
【0084】図8のDACにおいては、図1の従来型D
ACにおけると同様、2進入力ワードが増大するにつれ
て、セグメントは、漸進的にラインBからラインAに順
に切り換えられる、すなわち、当該セグメントの中の差
動スイッチ4iが電流(I+ei)をラインBからライン
Aに切り換える。但し、図8のDACにおいては、セグ
メントの順序を所定の時間間隔で、例えば、変換サイク
ルごとに伝達関数モーフィング部22によって変えるこ
とができ、それで、ある変換サイクルではセグメントが
第1の所定の順序で切り替わり、別の変換サイクルでは
セグメントが、第1の順序と異なる第2の所定の順序で
切り替わることになる。
【0085】セグメント順序は、モーフィング制御部2
4により、モーフィング制御信号を伝達関数モーフィン
グ部22に加えることによって制御される。モーフィン
グ制御信号Mは、例えば、使用すべき絶対的順序を指示
するものであり得るし、或いは、順序を先行の変換サイ
クルに関連して如何に変えるべきかを指示するものでも
あり得る。各変換サイクルにおいて、伝達関数モーフィ
ング部22は、受信した2進入力ワード(ディジタル入
力信号)D1〜Dmをデコードし、サモメタコード化出
力信号T1〜Tnをモーフィング制御信号Mに従って差
動スイッチ4に加え、それで、セグメントが当該信号に
より指示された順序で配列されるようにする。
【0086】冒頭に述べたとおり、それぞれ対応する確
率的電流源誤差e0、e1、e2、e3、e4、e5、e6
よびe7は、切り替わりに際してそれが配列された順序
に従って伝達関数(非直線性誤差)に影響する。
【0087】最初に、図9(a)自体に示すとおり、セ
グメントは最初、S0、S1、S2、S3、S4、S
5、S6そして最後のS7の順にある。図9(a)に示
す最初のセグメント順から生じる伝達関数Eは、図10
(a)に線E1で概略的に表されている。本例では、平
均誤差μに相対する誤差e0〜e7を次のとおり仮定す
る。e0=μ+1、e1=μ+1.5、e2=μ−1、e3
=μ−0.5、e4=μ+1、e5=μ−3、e6=μ−
0.5、e7=μ+1.5。図10(a)から分かると
おり、入力信号値が負フルスケール(NFS)から正フ
ルスケール(PFS)へと増大するにつれて、セグメン
トは順に切り換えられ、蓄積誤差(伝達関数)は、切り
換えられるセグメントと関連する確率的電流源誤差(平
均誤差μに相対する)の2倍に相当する量ずつ逓増また
は逓減する。それで、例えば、セグメントS1が切り換
えられると、伝達関数は2(e1−μ)だけ変化するこ
とになる(本例では3の増)。セグメントS5が切り換
えられると、伝達関数は2(e 5−μ)だけ変化するこ
とになる(本例では6の減)。
【0088】この図示された例の第1サイクルに関する
セグメントの順序を、図11の表において“第1変換サ
イクル”と表記された2つの列の第1列にまとめて示
す。
【0089】本例では、次の変換サイクルの前に、モー
フィング制御部24が、元々の順序における順序位置と
比べてセグメントS1とS5を入れ替え、それで、セグ
メントが図9(b)に示すとおりの新たな順序(第2の
順序)に切り換えられるようにすることを指示するモー
フィング制御信号Mを送信する。これは、図11の表に
おいて“第2変換サイクル”と表記された2つの列の第
1列に示すとおり、確率的電流源誤差を選択する順序を
変える効果がある。確率的電流源誤差の選択の順序が変
えられると、図10(b)において線E2で表されると
おり、蓄積誤差(伝達関数E)の異なる“乱歩”が生じ
る結果となる。第2変換サイクルにおいて、セグメント
S5の大きい負の電流源誤差(e5=μ−3)は、先行
サイクルにおけるよりはるかに早くに入力値の範囲内で
加えられ、その結果、早くにゼロを下回り、残りの入力
値範囲について負に留まる実質上異なるプロフィールと
なる。この点に関して、第2サイクルにおけるDACの
伝達関数E2は、図6(a)に則して上に述べた伝達関
数の形に類似するが、第1サイクルにおけるDACの伝
達関数E1は、図6(b)に則して上に述べた伝達関数
の形の方により類似する。
【0090】最後に、第3変換サイクルにおいて、モー
フィング制御部24は、第2の順序における順序位置と
比べてセグメントS2とS4を図9(c)に示すとおり
入れ替えることを指示するモーフィング制御信号Mを送
信する。これは再び、図11の表において“第3変換サ
イクル”と表記された2つの列の第1列に示すとおり、
確率的電流源誤差を選択する順序を変える効果があり、
その結果、図10(c)において線E3で概略的に表さ
れた伝達関数が生じることになる。
【0091】図10(a)〜10(c)に描かれた3つ
の伝達関数E1〜E3は、3つの異なるサイクルのそれ
ぞれにおいて同じデバイスに関するものであるが、その
代わりに、各々同じ確率的電流源誤差分布を有するが、
異なる順序に配列された3つの異なるDACのそれぞれ
に関するものとみなすこともできよう。上に述べたとお
りセグメント順序を入れ替えることは、単一のDACの
伝達関数をある形から別の形に“モーフィング”する効
果がある。
【0092】含む8つのセグメントが同じ確率的電流源
誤差セットを有するが、相異なる順序でチップ上に並べ
られた2つの別個のDACを考えてみよう。上に述べた
とおりのモーフィングが行われないと、2つのデバイス
の伝達関数は異なることになる。例えば、第1デバイス
が図9(a)に示す順序で選択された確率的電流源誤差
セットを有し、第2デバイスが図9(b)に示す異なる
順序で選択された同じ確率的電流源誤差セットを有する
と仮定しよう。第1デバイスは図10(a)に示す形の
伝達関数を有することになるが、第2デバイスの方は図
10(b)に示す形の伝達関数を有することになる。上
に述べたとおり、第1DACの伝達関数が図6(b)に
則して上に述べた伝達関数の形に類似する一方、第2D
ACの伝達関数が図6(a)に則して上に述べた伝達関
数の形の方により類似することから、第2DACの方が
第1DACより大きい第2調波歪みを見せると期待して
よい。
【0093】各デバイスにおいて上述の“モーフィン
グ”動作を、各DACのセグメントが時間を越えて2通
り以上の順序で配列されるように行うことにより、DA
Cの伝達関数は時間を越えて2通り以上の形を有するよ
うに変化することになる。結果として、各DACは、2
通り以上の形の平均に左右される有効伝達関数を有す
る。この平均化のために、2つのDACは、互いにより
類似した歪み動作を持ちたがろうとする。使用される異
なるセグメント順序の数が多ければ多いほど、歪み動作
の収束度は大きい。
【0094】以上、伝達関数モーフィングの技術につい
て、図9(a)〜9(c)および図10(a)〜10
(c)に則して現実のDACに不可避的に存在する電流
源不整合との関連において述べた。かかる電流源不整合
は、各変換サイクルにおいて出力信号の振幅の誤差(従
ってまた出力信号の歪み)に関与する。事実、セグメン
トは、電流振幅不整合に加えて、遅延不整合とも関連す
る。遅延不整合の誤差は、伝達関数上のポイントポイン
トにおける水平偏差(垂直偏差よりむしろ)に関与する
ことにより、伝達関数の形を変えると考えることができ
る。モーフィング技術は、かかる遅延不整合(サンプリ
ング周波数の増大につれてより重大になる傾向がある)
による歪みを減じる点でも効果的である。
【0095】セグメントの数が8個と少ないとき、確率
的電流源誤差の分布は、実際にデバイスごとにかなり変
わることになる。結果として、選択された2つのデバイ
スにとって、同じ確率的電流源誤差セットがちょうど述
べたとおりに出現することはありそうになく、従って、
モーフィング動作によって有効伝達関数が全体的に同じ
に見えるようにはならない。
【0096】それでも、誤差はガウス分布から引き出さ
れるので、デバイス内のセグメントの数が増すにつれ
て、相異なるデバイスにおける電流源誤差の分布は漸進
的により類似することになる。こうなるのは、統計理論
において、母集団が平均値μ、標準偏差σを有する場
合、サンプル平均が、ほぼガウス分布の形の平均値μ、
標準偏差σ/√nの母集団を構成し(大きいnに対し
て)、サンプル分散が平均値{(n−1)/n}σ2の
母集団を構成するからである。よって、nが大きいと、
分布は収束する。
【0097】結果として、セグメントの数が多く(例え
ば、16より多く、望ましくは128以上)、且つ、各
デバイスにおける伝達関数が当該デバイスにおける多数
の相異なる形(例えば、16より多く、望ましくはn以
上)を通じてモーフィングされるとき、相異なるデバイ
スの有効伝達関数は酷似するように見える。これは、デ
バイスごとの性能変化を減じる効果があり、これは、上
に述べたとおり、所与の最低性能要求に対してデバイス
の製造歩留まりを向上させることへの効果、或いは、所
与の歩留まりに対して最低保証性能を向上させることへ
の効果という観点から達成することが望ましい。例え
ば、伝達関数が128通りの形にわたってモーフィング
されるならば、モーフィング前にデバイスごとに±10
dBの変化を見せていた特定の歪み成分が、モーフィン
グ後にはデバイスごとにその1/√128倍、すなわち
±1dBの変化しか見せなくなることが期待できる。
【0098】この効果は回転技術や上に述べた“魔法
陣”と異なることに注目されたい。セグメント選択順序
をサイクルごとに回転させると、これは、出発点(セグ
メントの出発順序位置)を伝達関数に沿ってシフトさせ
る効果がある反面、誤差を同じ順序で選択し続け、従っ
て、デバイスの伝達関数プロフィール全体を同じまま保
ち続けることになる。それゆえ、各デバイスが別のデバ
イスと異なる伝達関数を持ち続けることになる。“魔法
陣”技術では、セグメントは、チップ上に並べられる物
理的順序とたとえ異なっても、常に同じ順序で選択さ
れ、従って、特定の一デバイスの伝達関数は定まってお
り、伝達関数はデバイスごとに変動するということにな
る。
【0099】モーフィングの効果は、デバイスごとに変
動する(例えば、±10dBずつ)離散的歪み成分(例
えば、調波歪み)を取出し、かかる成分を狭帯域ノイズ
的信号に同じ周波数で、但し、デバイスごとにはるかに
小さい変動幅で変えることである。残留する変動の幅
は、セグメントの数およびセグメントの再順序づけの仕
方によって異なるが、代表的には少なくとも1/10以
下となる。例えば、100MHz正弦波を発生させるD
ACの場合、第2調波は、例えば、代表的に−55dB
c(すなわち主信号に関連して55dB)、但し、全て
のデバイスにわたって−45dBcから−65dBcま
での範囲内の振幅を有する200MHzの離散音という
ことになろう。有効伝達関数が1μs周期の間に多くの
可能な形を通じてモーフィングされる場合、第2調波
は、約±{1/(1μs)}または±1MHzの周波数
広がり(すなわち±3dBポイント)と、代表的に−5
5dBc、全てのデバイスにわたって、例えば、−45
dBcから−65dBcまでの範囲内のエネルギを有す
る約200MHzのノイズとして現れるであろう。
【0100】伝達関数は、できれば相対的に徐々に変え
られるのが望ましい。なぜなら、伝達関数はそこで変調
されていき、それで歪み成分を周波数に拡散させていく
からである。伝達関数の変化が速すぎると、歪み成分は
所望信号帯域に早くに拡散してしまう。変化が遅すぎる
と、瞬時歪みが単純に時間を越えて徐々に変わっていく
だけのように見える。それゆえ、変化の速度はこの2つ
の極端の間であるのが望ましい。伝達関数の変化の刻み
幅が大きいと、出力信号の急ジャンプが生じ、今度はそ
こから広帯域のノイズが生じることになるので、これも
望ましくない。
【0101】モーフィングの速度が遅いことは、伝達関
数の変化が急であること、および/またはその刻み幅が
大きいこととは異なる。仮にそれが時たまでしかなく
(例えば、セグメントが図3の配列において象限ごとに
組み替えられるようなセグメント組み替えを使うことに
より)、それで歪みが広帯域ノイズに変えられるとして
も、異なることは異なる。なぜなら、モーフィングの速
度が遅いと、歪みは狭帯域にしか拡散しなくなるからで
ある。
【0102】次に、図8に則して上に述べた伝達関数モ
ーフィング部22の可能な1つの構成を図12に則して
説明する。
【0103】図12に示す伝達関数モーフィング部12
2は、8個のローカルデコーダ1240〜1247からな
る。各ローカルデコーダ124は2つの入力を有し、第
1が、図8に則して上に述べたモーフィング制御信号M
を受信するための入力、第2が、2進入力ワードD1〜
Dmを受信するための入力である。各ローカルデコーダ
は、図8に示すn個のサモメタコード化出力信号(セグ
メント制御信号)T1〜Tnの1つを出力する。
【0104】各ローカルデコーダ124は、2つの入力
を有する比較器126からなる。比較器126は、その
2つの入力において、ローカルデコーダの第2入力に加
えられた2進入力ワードD1〜Dmと、後述のとおりモ
ーフィング制御信号から選択された、ローカルデコーダ
ごとに異なる一定数のビットを含むmorph−id信
号とを受信し、自身のセグメントに関するサモメタコー
ド化信号Tを出力する。なお、本明細書では、図面にお
けるアンダーバーをハイフン(−)で記載している。
【0105】では、図12に示すとおりの伝達関数モー
フィング部122を有するDACの動作について述べ
る。本例では、簡潔を旨としてセグメントの数nを8と
するが、適当な修正を加えれば、8個より多いセグメン
トを有するDACに同じ考えがたちどころに当てはまる
ことは明らかであろう。本例では、8個のセグメントが
あるので、2進入力ワードD1〜Dmは、上に述べたm
orph−id信号と同様、3ビット幅である。
【0106】図12の、図1との比較から分かるとお
り、本例では、2進入力ワードD1〜Dmをサモメタコ
ード化出力信号T1〜Tnにデコードする動作は“グロ
ーバル”で(図1のデコーダ6のような集中2進式サモ
メタデコーダにより)なされるのでなく、代わりに、下
に詳述するとおり、n個のセグメントの各々の内部にお
いてローカルで行われる。
【0107】8個のセグメントの各々に、値0〜7の中
から選択された1個の固有ID(ローカルID)が割り
当てられ(当該セグメントに加えられたmorph−i
d信号に従って)、この固有IDが比較器126により
2進入力ワードD1〜Dmと比較され、それで、当該セ
グメントについて差動スイッチ4の状態が特定されるこ
とになる。本例では、2進入力ワードがIDより大きい
場合、比較器の出力(T)はhigh(1)で、これに
より、スイッチ4は電流源2をラインAに接続させられ
る(以下、“ON”状態と呼ぶ)。
【0108】このような不等号比較器(greater-than c
omparator)264が、上述のとおりの8個のセグメン
トの各々において使用されるとき、セグメントの1つ
(ID=7に該当するセグメント)は、どのサイクルに
おいても常にOFF状態(T=0)にある。というの
は、2進入力ワードは決して7より大きくなり得ないか
らである。ゼロオフセットを維持するために(スイッチ
ング回路の差動電流切換え特性を考慮した上で)、常に
ON状態(T=1)に維持される特別“ダミー”セグメ
ントが含まれている。これは、7個だけセグメントを使
用するより好都合である。代わりに、不等号/等号比較
(greater-than-or-equal comparison)が比較器により
実行されたとすれば、セグメントの1つ(ID=0に該
当するセグメント)が常にON状態(T=1)にあるの
で、ゼロオフセットを達成するために特別“ダミー”セ
グメントを代わりにOFF状態(T=0)に維持する必
要がある。
【0109】上に述べたとおり、セグメントは0から7
までの範囲内のIDを有する。従って、IDが2進入力
ワードより小さい各セグメントは、1に設定されたサモ
メタコード化信号Tを有することになる。他の全てのセ
グメントは、0に設定されたサモメタコード化信号を有
することになる。従って、本例では、組をなす比較器2
64が、図1のDACの2進式サモメタデコーダ6と同
じ基本機能を実行する。
【0110】かかる配置をもってすれば、各セグメント
に割り当てられたIDを単純にmorph−id信号を
使って変えるだけで、セグメント選択の順序(セグメン
ト順序位置)を変えることが容易に可能となる。
【0111】変更可能なローカルIDを使って、何時で
も一度に8個のローカルデコーダ126の各々が、図1
3の表に示すとおりの組の中から選択された固有IDを
自らに割り当てるのを確実にしなければならない。各I
Dは、B0、B1、B2とラベル付けしたビット(最下
位ビットから最上位ビットまで)を有する3ビット2進
数である。各ローカルデコーダに相異なるIDが割り当
てられるのを確実にする1つの方法は、単一の3ビット
マスタコードを維持し、変更し、かかる3つのビットを
その反転ビット共々、ローカルデコーダに向けてルーテ
ィングすることである。これら6個のビットがモーフィ
ング制御信号Mを形成する。すると、各ローカルデコー
ダは、これら6個のビットのうちちょうど3個を拾い出
し、それで、それ自体のmorph−id信号を形成す
る。
【0112】図14の表は、モーフィング制御信号Mの
6個のビットをローカルデコーダが8個のセグメントの
各々に対してどのように使用できるか、1つの道筋を示
す。例えば、セグメント0に対するmorph−id
は、最上位から最下位に向かう順序のビット(B2、B
1、B0)からなる3ビットワードであるが、セグメン
ト5に対するmorph−idの方は、最上位から最下
位に向かう順序のビット(/B2、B1、/B0)から
なる3ビットワードである。なお、本明細書では、図面
におけるオーバーバーをスラッシュ(/)として記載す
る。マスタコードが、例えば、値011を有するとき、
セグメント0に対するmorph−idは011、セグ
メント5に対するmorph−idの方は110であ
る。このようにして、各ローカルデコーダに入力される
morph−idがそれぞれ固有であることが確実にさ
れる。また、セグメントのローカルIDの変更も、3ビ
ットマスタコードを更新するだけで足りるので、簡単に
できるようになる。
【0113】ところで、3個のビットとその反転ビット
(合計6個のビット)を各ローカルデコーダ126に向
けてルーティングすると上に述べたけれども、無論、3
個のビットだけを、その反転ビットなしで分配し、適当
なローカルデコーダの中に反転器を配設し、それで反転
信号をローカルで発生させようにすることも可能であ
る。但し、これは、各ローカルデコーダの回路が同じで
ないという望ましくない結果になろう。
【0114】セグメント選択順序は、サイクルごとに、
3ビットマスタコードを如何に更新するかに応じて多様
な仕方で変えることができる。マスタコードが毎サイク
ル単純に増分する(111の後に000へと一巡する)
場合、セグメントの順序は回転する。これでは、伝達関
数モーフィングの効果は生まれそうにない。なぜなら、
上に示したとおり、順序が回転してできるのは、伝達関
数の基本形を変えることでなく、単にそれに沿って出発
位置を変えるだけのことだからである。
【0115】モーフィングを達成するために、マスタコ
ードの3個のビットB0、B1およびB2の1つのバイ
ナリ状態を、一サイクルからその次のサイクルへと変え
ることができる。これは、セグメントがそれぞれ異なる
位置でそのIDの順に配列され、セグメントの各対が特
定の位置でその順に入れ替えられるものとするとき、効
果がある。例えば、ビット0の状態が変えられると、次
の位置にあるセグメントが入れ替えられる。
【0116】0<=>1 2<=>3 4<=>5 6<=>7 1対のセグメントの両方により移動させられる距離(位
置変化)は1で、一度に4対が入れ替えられるから、合
計有効移動量は8ということになる。この合計有効移動
量を使って、各々の順序変化と関連するセグメント変化
パラメータ(SCP)を限定することができる。これ
は、n個のセグメント全部にわたって、順序変化により
生じさせられる順序位置の変化を総和することにより計
算される。これが、順序変化により生じさせられる順序
位置の全変化を測る尺度として役立つことになる。
【0117】ビットB1の状態が変えられると、次の位
置にあるセグメントが入れ替えられる。
【0118】0<=>2 1<=>3 4<=>6 5<=>7 この場合、1対のセグメントの両方により移動させられ
る距離は2で、一度に4対が入れ替えられるから、合計
有効移動量(SCP)は16である。
【0119】ビットB2の状態が変えられると、次の位
置にあるセグメントが入れ替えられる。
【0120】0<=>4 1<=>5 2<=>6 3<=>7 この場合、1対のセグメントの両方により移動させられ
る距離は4で、一度に4対が入れ替えられるから、合計
有効移動量(SCP)は32である。
【0121】これら3つの更新のうち1つをその都度無
作為に選ぶと、変換サイクル当たり平均合計有効移動量
(サイクル当たり平均SCP)は、 (変化×確率)=8×(1/3)+16×(1/3)+
32×(1/3)=56/3=18.67 となる。
【0122】合計有効移動量(セグメント変化パラメー
タ)は、更新のたびに伝達関数に加えられる変化全体に
反映される。上に述べたとおり、伝達関数は、ある状態
から別の状態へ徐々にモーフィングされ、一度にあまり
に大きく変化しないのが望ましい。これは、順序変化に
より引き起こされるセグメント順序位置の平均的変化
を、セグメントの合計数nに相対する数および/または
大きさにおいて制限することにより達成できる。これ
は、nに関連してSCP値を制限することと等価であ
る。また、SCPの最大値と最小値との差も、nに関連
して制限するのが望ましい。例えば、上のケースではS
CPの最大値と最小値は32と8であるから、差(2
4)は3nである。例示的な値を以下の例において与え
る。
【0123】本例においてビットB2を変えると、全体
として32(4n)の比較的大きい変化が生じさせられ
る事実に鑑み、B2を変える頻度はできるだけ少ないの
が望ましい。
【0124】これを達成する1つの方途は、マスタコー
ドをその都度グレイスケールコードに従って更新するこ
とである。すなわち、例えば、000→001→011
→010→110→111→101→100→101→
111等々の仕方で更新するのである。この場合、B2
が16のサイクルにわたって2度変えられるのに対し、
B1は4度変えられ、B0は8度変えられるので、変換
サイクル当たり平均移動量が、今回は(変化×確率)=
32×(2/16)+16×(4/16)+8×(8/
16)=192/16=12となる(すなわち、この場
合、平均SCPは1.5nに制限される)。
【0125】しかしながら、この場合は、制限された1
組の伝達関数が規則的な間隔で繰り返される。そうなる
と、16の変換サイクルのたびに同じ順序の伝達関数が
繰り返され、(FCLK/16)の繰り返し数(ここで、
CLKは変換サイクルの回数)が与えられることにな
り、この間隔で離散側波帯を発生させる結果となる。
【0126】ビットB0、B1およびB2の任意の1つ
のバイナリ状態をサイクルごとに変える上述の方法で
は、ビットB2に関わる変化が、4対のセグメントを一
度にセグメント全4個分の距離だけ移動させる。合計有
効移動量(SCP)をセグメント8個分の合計に制限す
るためには、かかるB2変化を4つの別個の変化に分割
し、何時でも一度に1つだけ変化がなされるようにす
る、すなわち、(0<=>4)、(1<=>5)、(2
<=>6)または(3<=>7)の入れ替えが行われる
ようにすることが可能である。B0変化はすでに8個の
セグメントを合計有効移動量の分だけ移動させるので、
可能な選択肢は1つしかない。すなわち、(0<=>1
&2<=>3&4<=>5&6<=>7)だけである。
【0127】これら7つの可能な変化を便宜上、次のと
おりラベル付けする。
【0128】B0: (0<=>1&2<=>3&4<
=>5&6<=>7) B1a:(0<=>2&4<=>6) B1b:(1<=>3&5<=>7) B2a:(0<=>4) B2b:(1<=>5) B2c:(2<=>6) B2d:(3<=>7) これは、7ビットマスタコード(前のような3ビットマ
スタコードよりむしろ)を維持、更新することにより実
現でき、合わせて、上記7つの可能な変化は、7個のビ
ットのうち対応する1つのビット値を入れ替えることに
より達成できる。これを達成するために、ローカルID
は、図15の表に示すとおり該7ビットマスタコードに
対応する。この表を図13の表と比較すると、図13のB
2の列はB2a、B2b、B2cおよびB2dの4つの
列に分割されたことが分かる。これらがそれぞれ上述の
B2a、B2b、B2cおよびB2dとラベル付けされ
た4つの変化に対応し、各列、1対のセグメントの2つ
の位置における1対の正反対の2進値だけを含み、この
2進値が反転したときに当該セグメントは入れ替えを要
求される。同様に、B1の列はB1aおよびB1bの2
つの列に分割されており、これらがそれぞれ上述のB1
aおよびB1bとラベル付けされた2つの変化に対応
し、各列、2対のセグメントの4つの位置における2対
の正反対の2進値だけを含み、この2進値が反転したと
きに当該セグメントは入れ替えを要求される。図15の
B0の列は図13のそれと同じである。
【0129】モーフィング制御信号Mは、今や、ローカ
ルデコーダ126に分配すべきビットを合計14個有す
る(7個のビットB0、B1a、B1b、B2a、B2
b、B2c、B2dとその反転ビット)。各ローカルデ
コーダは、3ビットmorph−id信号を1個だけ要
求するので、図16に示す表に従ってモーフィング制御
信号Mからビットを3個だけ拾い出す。
【0130】本例では、モーフィング制御部24が、サ
イクルごとにモーフィング制御信号Mの7個のビットの
うち1個を無作為に入れ替える役割を果たし、変換サイ
クル当たりの平均移動量(平均SCP)は今や8(n)
と、より上位のビットB1およびB2の分割がないとき
の平均値18.67に比べられる。
【0131】7つの可能な変化のうち1つを無作為に選
択するこの動作は、できれば、7つの変化のうち1つを
選択する3ビット乱数を発生させることにより実現させ
るのが望ましい。この3ビット乱数は実際には8つの状
態を有するので、できれば、そのうち2つの状態を使っ
て、ビットB0の入れ替えにより表された変化を選択す
るのが望ましい。
【0132】上に述べたとおり、図12に則して上に述
べた伝達関数モーフィング部122では、2進入力ワー
ドD1〜Dmをサモメタコード化出力信号T1〜Tnに
デコードする動作は“グローバル”で(図1のデコーダ
6のような集中2進式サモメタデコーダにより)なされ
るのでなく、代わりに、n個のセグメントの各々の内部
においてローカルで行われる。また、図8の伝達関数モ
ーフィング部22を他の異なる仕方で、例えば、先ず図
1のデコーダ6のような2進式サモメタデコーダを使っ
て1組のサモメタコード化信号を発生させ、次に該サモ
メタコード化信号の再順序づけを行い(例えば、バレル
シフタを使って)、それでセグメント制御信号T1〜T
nを生成することにより実現させることも可能であるこ
とが推察されよう。
【0133】最低のデバイス対デバイス偏差を達成する
ために、DACにおけるセグメントの選択順序は、でき
るだけ多様な形の伝達係数が経過時間全体にわたって現
れるように全ての可能な順序にまたがって徐々に変えら
れるのが理想である。しかしながら、実際には、上記目
標を多数のセグメントについて達成するために全体とし
て複雑な(例えば、ゲート個数の点で)回路が必要とさ
れ、この複雑さが妨げとなり得る。そこで、一方の側
の、回路の複雑さが増したことと、他方の側の、セグメ
ント順序の合計数をカバー可能な限度内に制限すること
(従って、デバイス対デバイス偏差をモーフィングによ
り可能な限り減じること)との間で実質的な妥協を図ら
なければならない。
【0134】可能な妥協策の1つは、セグメントを幾つ
かのグループに分割し、個々のグループの内部だけでセ
グメントを入れ替えることである。各グループ内部のセ
グメントを伝達関数全体にわたって均一に分散するよう
に更に整列させることにより、良好なモーフィング性能
を獲得すると同時に回路全体の複雑さをかなり減じるこ
とがなお可能である。図17は、16個のセグメントS
0〜S15の全体を、各々8個のセグメントからなる
“グループ0”と“グループ1”の2組のグループに分
割する一例を示す。ここでは、(S0、S2、S4、S
6、S8、S10、S12、S14)がグループ0、
(S1、S3、S5、S7、S9、S11、S13、S
15)がグループ1に属する。図示されたこれらセグメ
ントの位置は、伝達関数(選択順序)に関係しており、
必ずしもチップ上の物理的位置に一致するとは限らな
い。従って、一グループ内のセグメント全部を、たとえ
実際には伝達関数全体に分散させられたとしても、チッ
プ上で互いに近接して位置するように整列させることが
可能である(且つ、望ましい)。一グループ内のセグメ
ントが別グループ内のセグメントと入れ替えられること
は決してない。
【0135】グループの数を選ぶことが、もうひとつの
妥協策である。グループの数が増えれば、その分、直線
性(相異なるDACの間の整合性)は向上するが、グル
ープの数が減ると、クロックサイクルごとに位置を変え
るセグメントの数はその分少なくなるので、側波帯ノイ
ズが減少することになる。
【0136】図12〜16に則して上に述べた例では、
3ビットの2進データ入力ワードD1〜Dmによりアド
レス指定されたセグメントが8個あった。各セグメント
のローカルデコーダが有する3ビットのローカルIDを
3ビットの2進データ入力ワードD1〜Dmと比較し、
それで、サモメタコード化信号T1〜Tnを導出した。
加えて、各セグメントと関連したローカルIDを様々な
仕方で入れ替え、セグメント順序が連続的に変化するよ
うにしてみた。図12〜16の配列は、次に述べるとお
り、128個のセグメントを有する、より実際的なDA
Cの配列に容易に改変することができる。
【0137】128個のセグメントは、次のとおり、各
々8個のセグメントの16のグループに分割することが
できる。
【0138】 グループ0=セグメント(0、16・・・96、112) グループ1=セグメント(1、17・・・97、113) ・・・ グループ14=セグメント(14、30・・・110、126) グループ15=セグメント(15、31・・・111、127) この配列を使って、一グループの各要素(membe
r)を、該グループのその隣接の要素から、伝達関数に
おいてセグメント16個分の距離だけ分離させ、各グル
ープの要素を伝達関数全体にわたって均一に分散させ
る。各グループは、グループごとに定まっていて、且
つ、グループごとに異なる、当該グループの全ての要素
に共通の4個のIDビット(4個の最下位ビット)と、
当該グループの要素ごとに異なる3個のIDビット(3
個の最上位ビット)を有する。
【0139】DACの中にアドレス指定すべきセグメン
トが128個あるので、7ビットデータ入力ワードD1
〜Dmが必要となり、各セグメントのローカルデコーダ
は7ビットローカルIDを有する。特定の一グループの
要素のための前記7ビットローカルIDの4個の最下位
ビットは、該グループに固有の4ビット組み合わせID
にハード配線でき、該グループの各要素の方は、その要
素のためのローカルIDの3個の最上位ビットが提供さ
れるように、上に述べたとおり、14ビットの変態転換
信号バスから3個の異なるビットを選択することができ
る。ここでマスタコードを変えると、一グループ内の要
素が互いに入れ替えられることになるが、それぞれ異な
るグループの属する要素が入れ替えられることにはなら
ない。
【0140】変換サイクルごとに実行される入れ替えの
合計回数(または、SCP)を減らすためには、サイク
ルごとに1組だけグループを入れ替えるというのも望ま
しい。これは、グループの中から特定の変換サイクルに
おいてアクティブになる1つを選択する4ビット乱数を
発生させることにより達成できる。モーフィング制御信
号Mは、そこで当該サイクルにおいてアクティブになっ
たグループの要素を入れ替える働きをする。
【0141】図18は、本発明のもうひとつの優先実施
例における図8の伝達関数モーフィング部22の構成を
示す。ここで、は、次のとおり、各組16個ずつ、8組
のグループに分割された合計128個のセグメントがあ
る。
【0142】 グループ0=セグメント(0、8・・・112、120) グループ1=セグメント(1、9・・・113、121) ・・・ グループ6=セグメント(6、14・・・118、126) グループ7=セグメント(7、15・・・119、127) この配列を使って、一グループの各要素を、該グループ
のその隣接の要素から、伝達関数においてセグメント8
個分の距離だけ分離させ、各グループの要素を伝達関数
全体にわたって均一に分散させる。
【0143】図18の伝達関数モーフィング部22は、
グループイネーブルデコーダ8および8つのセグメント
グループ300〜307からなる。伝達関数モーフィング
部22は、7ビット2進入力ワードD1〜Dm、4ビッ
ト“local−en”信号および3ビット“glob
al−en”信号を受信するための入力を有する。“l
ocal−en”信号および3ビット“global−
en”信号は共に、図8に則して上に述べたモーフィン
グ制御信号Mからなる。各セグメントグループ300
が、128個のサモメタコード化出力信号T1〜Tnの
うち16個を出力する。グループイネーブルデコーダ8
は、global−en信号を受信するための入力、お
よび8ビットgroup−en信号を送信するための出
力を有する。各セグメントグループ300は、8ビット
group−en信号のビットのうち所定の1個を受信
するための入力、および2進入力ワードD1〜Dmを受
信するための入力を有する。
【0144】local−en信号およびglobal
−en信号は、変換サイクルごとに図8に示すモーフィ
ング制御部24により発生させられる。global−
en信号は、8つのセグメントグループ300〜307
うち1つを、当該変換サイクルのために入れ替えられた
セグメント番号を付けて選択する3ビット乱数である。
選択されなかった全てのセグメントグループにおけるセ
グメントは、先行サイクルから続けてそのセグメント順
のまま留まる。グループイネーブルデコーダ400は、
この3ビットglobal−en信号をデコードし、そ
れで1オブN8ビットgroup−en信号、すなわ
ち、group−enビットのうち異なる1個が3ビッ
トglobal−en信号の異なる値の各々に対して1
に設定された(残りのgroup−enビットが全て0
に設定された)8ビットgroup−en信号を生成さ
せる。このgroup−en信号の8個のビットは、8
つのセグメントグループ300〜307のそれぞれ異なる
グループに加えられる。
【0145】モーフィング制御部24により発生させら
れたlocal−en信号は、15通りの可能なセグメ
ント入れ替えのうち1つを、当該変換サイクルにおいて
選択されたセグメントグループ300の中のセグメント
で実行すべく選択する4ビット乱数である。local
−en信号は16通りの状態を有するので、そのうち2
つが、15通りの可能なセグメント入れ替えのうち同じ
1つを選択する。以下、これについて詳述する。
【0146】図19は、セグメントグループ300〜3
7の構成をより詳細に示す。各セグメントグループ3
00は、16個のセグメントデコーダ340〜3415
および該セグメントデコーダ340〜3415の全部の間
で共有される単一のグループデコーダ32からなる。グ
ループデコーダ32は、上に述べたlocal−en信
号とglobal−en信号を受信するための入力、お
よび2進入力データワードD1〜Dmの3個の最下位ビ
ットを受信するための入力を有する。グループデコーダ
32はまた、グループ内部の16個のセグメント全部の
ローカルIDの3個の最下位ビットを表す3ビットgr
oup−id信号を受信するための入力も有する。グル
ープデコーダ32はまた、単一ビット“comp”出力
および30ビットmorph−id−bus出力も有す
る。各セグメントデコーダ34は、2進入力データワー
ドD1〜Dmの4個の最上位ビットを受信するための入
力、更にグループデコーダ32から出力されたcomp
信号およびmorph−id−bus信号の選択された
ビットを受信するための入力、およびサモメタコード化
出力信号Tの1つを出力する単一ビット出力を有する。
【0147】では、グループデコーダ32およびセグメ
ントデコーダ34の構成および動作について図20〜2
2に則して詳細に述べる。グループデコーダ32は、図
21(a)により詳細に示すLSBデコーダ321、お
よび図21(b)により詳細に示すモーフィング信号デ
コーダ325からなる。LSBデコーダ321は、比較
器322とラッチ323を備え、モーフィング信号デコ
ーダ325の方は、スワップセレクタ326と1組のD
形フリッププロップ327からなる。各セグメントデコ
ーダ34は、比較器342とラッチ344からなる。
【0148】LSBデコーダ321の比較器322は、
2進入力ワードD1〜Dmの3個の最下位ビットを当該
グループ固有の3ビットグループID“group−i
d”と比較する。この比較の結果がラッチ323により
ラッチされ、“comp”信号として出力され、該セグ
メントデコーダ340〜3415の各々の比較器342に
通される。セグメントデコーダ34の比較器342は、
そこで最上位ビットについて同様の動作を実行し、最下
位ビットの比較の結果“comp”を使って、2進入力
ワードD1〜Dmの4個の最上位ビットを当該グループ
固有の4ビットグループID“morph−id”と比
較する。このセグメントデコーダ34で実行された比較
の結果が、当該セグメントのための差動スイッチ4を制
御するサモメタコード化信号Tを表す。
【0149】図12に則して上に述べた、セグメントが
グループに分割されなかった例では、ローカルデコーダ
124の各々の比較器126は、2進入力ワードD1〜
Dmのm個のビット全部をmorph−id信号のm個
のビット全部と比較した。この例では、ローカルデコー
ダにより実行される演算は、グループデコーダ32のL
SBデコーダ321により実行される最下位ビットに関
する演算と、セグメントデコーダ34により実行される
最上位ビットに関する演算とに分割される。LSBデコ
ーダ321は、2進入力ワードD1〜Dmの3個の最下
位ビットと、セグメントIDの3個の最下位ビット(g
roup−id)のみを使用する。最下位ビット加算器
322から最上位ビット加算器342にキャリービット
“comp”を通信することが要求される。
【0150】この2段階比較プロセスが本質的でないこ
とは推察されよう。セグメントごとに単一の7ビット比
較が実行される、すなわち、一グループ内の全てのセグ
メントに共通して、morph−idビットのうち4個
の最上位ビットを比較し、group−idビットのう
ち3個の最下位ビットを比較するという形で実行される
ことがあってもよかろう。しかしながら、3個の最下位
ビットを比較するための回路は一グループ内の全てのセ
グメントの間で共有でき、セグメントデコーダの各々に
配設すべき4ビット比較器を1個しか必要としないの
で、2段階プロセスを使用するのは望ましいことであ
る。加えて、2段階プロセスであれば、ローカルデコー
ダにより実行される演算をパイプライン方式で処理でき
る、すなわち、ある変換サイクルからの演算がその隣接
のサイクルからの演算とオーバラップする形で処理でき
ることになる。これは、我々の同時係属中の欧州特許公
開EP−A−1100203号(我々の同時係属中の日
本国特願2000−343216号に対応)に詳述され
ているとおりである。
【0151】では、各セグメントID(または、mor
ph−id)の4個の最上位ビットを発生させるプロセ
スについて図21(b)、23および24に則して詳述
する。上に述べたとおり、モーフィング制御部24から
発生させられ、モーフィング信号デコーダ325により
受信されたlocal−en信号は、15通りの可能な
セグメント入れ替えのうち1つを、当該変換サイクルに
おいて無作為グループ選択信号group−enにより
選択されたセグメントグループ300の中のセグメント
で実行すべく選択する4ビット乱数である。図12に則
して上に述べた、一グループ内にセグメントが8個だけ
の例では、7通りの可能な入れ替えのうち1つが3ビッ
ト乱数により無作為に選択され、7ビットマスタコード
のビットのうち1つのバイナリ状態を入れ替えることに
より達成された。これと等価の機能が、本例におけるモ
ーフィング信号デコーダ325により実行されるのであ
る。
【0152】この場合は、一グループ内に4ビットmo
rph−idを必要とするセグメントが16個ある。4
ビットマスタコードのビットB3、B2、B1およびB
0のうち1つのバイナリ状態を変えることにより入れ替
え動作が行われると、次の入れ替えが生じることになろ
う。
【0153】B0:(02468ACE)<=>(13
579BDF) B1:(014589CD)<=>(2367ABE
F) B2:(012389AB)<=>(4567CDE
F) B3:(01234567)<=>(89ABCDE
F) ここで、各グループの要素は、16進法で要素0、1、
2、・・・、9、A、B、C、D、E、Fと表記され
る。例えば、グループ0では、要素0がセグメント0、
要素1がセグメント8、要素Eがセグメント112、そ
して要素Fがセグメント120である。
【0154】上記入れ替えの都度、一グループ内の要素
により移動させられる合計距離は、B0、B1、B2お
よびB3の入れ替えに対してそれぞれ16、32、64
および128である。一グループの各要素は実際には隣
接要素からセグメント8個分だけ分離しているので、上
記数字は、それぞれセグメント128(n)個分、25
6(2n)個分、512(4n)個分および1024
(8n)個分の平均合計有効移動量(SCP)を表す。
伝達関数に関して生じさせられる合計変化を制限するた
めに、上記変化は、上に述べたのと同様の仕方で下記小
区分に分割される。
【0155】B0: (02468ACE)<=>(1
3579BDF) B1a:(048C)<=>(26AE) B1b:(159D)<=>(37BF) B2a:(08)<=>(4C) B2b:(19)<=>(5D) B2c:(2A)<=>(6E) B2d:(3B)<=>(7F) B3a:(0)<=>(8) B3b:(1)<=>(9) B3c:(2)<=>(A) B3d:(3)<=>(B) B3e:(4)<=>(C) B3f:(5)<=>(D) B3g:(6)<=>(E) B3h:(7)<=>(F) かかる変化の各々に対する合計移動量は、16の要素の
合計である。各要素がセグメント8個分だけ分離してい
るので、変化ごとの合計有効移動量(SCP)は16×
セグメント8個分、すなわちセグメント128個分であ
る。よって、本例では、サイクル当たり平均SCPはn
に制限される。
【0156】変換サイクルごとに更新される上記マスタ
コードは、本例では、図21(b)の1組15個のD形
フリッププロップ327の15のQ出力により表されて
いる。15のQ出力は、15の/Q出力と共に、セグメ
ントデコーダ34に供給される30ビットmorph−
id−bus信号を形成する。各セグメントデコーダ
が、morph−id−bus信号からの特異な1組4
個のビットを使って、図23の表にまとめたとおりの独
自の4ビットmorph−id信号を形成する。
【0157】4ビットlocal−en信号は、上記1
5通りの入れ替えのうち1つを、特定の変換サイクルに
おいて実行すべき選択する。入れ替えは、当該サイクル
において当該グループにとってhighのgroup−
en信号が存在する場合にのみ実行される。local
−en信号は16通りの状態を有するので、そのうち2
つが、15通りの可能なセグメント入れ替えのうち同じ
1つを選択する。モーフィング信号デコーダ325のス
ワップセレクタ326は、ビットの1つを入れ替えるべ
く選択するhighビットをもって、図24の表に従っ
て1オブN15ビット中間デコード信号を発生させる。
本例では、“B0”入れ替えは、local−en値が
0000および0001の両方の場合に実行される。g
roup−enが0に設定されているとき、入れ替えは
行われない。
【0158】1組のD形フリッププロップ327の/Q
出力は、それぞれD入力としてフリッププロップに送り
返される。これにより、出力は、フリッププロップがク
ロックされるたびにトグル式に切り換えられる。但し、
15ビット中間デコード信号によりイネーブル状態に置
かれるフリッププロップは1つだけであるから、15ビ
ットマスタコードのビットのうち、変換サイクルごとに
切り換えられるのは1つだけである。
【0159】各々8通りの入れ替えが可能なグループを
16組(または、これと等価で、各々16通りの入れ替
えが可能なグループを8組)使用した場合、所与の同一
の入れ替えを反復するためには(平均)128クロック
サイクル分のインターバルを要する。これは、各歪み成
分を約±(FCLK/128)の帯域にわたるノイズ拡散
に変える効果があり、従って、各ノイズ帯域は624M
s/sにおいて約10MHzの幅(または、±5MH
z)である。FCLKおよび平均入れ替え反復インターバ
ルの適正値を選択することにより、各歪み成分に集中さ
せられたノイズ帯域は、所望信号帯域にまで広がらない
ように幅を制限することができる。
【0160】一実施例では、ノイズ拡散は実際にはこれ
の半分であり、従って、各ノイズ帯域は624Ms/s
において約5MHzの幅(または、±2.5MHz)で
ある。これが達成されているのは、DACが2つのデコ
ーダ回路ブロック ―― 一方は奇数番目の変換サイクル
において入力信号をデコードするのに使用される“奇
数”ブロック、他方は偶数番目の変換サイクルにおいて
入力信号をデコードするのに使用される“偶数”ブロッ
ク ―― を備えているからである。これにより、“奇
数”ブロックと“偶数”ブロックは各々、DAC更新速
度の半分の速度でクロックされる。これは、我々の同時
係属中の日本国特開2001−144617号公報(英
国特許公開GB−A−2356301号に対応)に詳述
されているとおりである。
【0161】グレイコード更新方式の使用との関連にお
いて上に述べたとおり、同一セットの伝達係数が16サ
イクルごとに反復されれば、これは、離散側波帯を(F
CLK/16)の間隔で発生させる効果がある。それでも
なお、伝達係数のセットが変われば、ノイズはほぼ上記
帯域幅を越えて拡散する。ノイズ帯域幅の広がりが大き
すぎれば、セグメントの入れ替えられる速度は低下し、
モーフィングはもっとゆっくり起こるようになる。セグ
メント順序をサイクルごとに変える必要がなくなるか
ら、サイクルによっては(例えば、1つおきに)セグメ
ント順序変化のないサイクルとすることができる。
【0162】セグメント8個のグループ16組の代わり
にセグメント16個のグループ8組の使用を選択するこ
とは、レイアウトを考慮する以上やむを得ない部分があ
る。各グループが1行16要素のレイアウトで、一端に
グループロジックが設けられる。ブロック全体が“奇
数”ロジックと“偶数”ロジックについて二重に編成さ
れるので、このレイアウトは、2組のグループの間の共
通ロジックを入れて、総計16×16アレイとなる。各
要素(ローカルデコーダ、約200ゲート)がほぼ正方
形(相互接続を最小限に抑える上で最良の形)であるか
ら、トップレベルのレイアウトがほぼ正方形ということ
になる。
【0163】上述のモーフィング技術は、また、我々の
同時係属中の欧州特許公開EP−A−1100203号
(我々の同時係属中の日本国特願2000−34321
6号に対応)に詳述されたセグメント回転技術と組み合
わせて使用することもできる。その全体の内容をここ
で、言及することにより援用する。
【0164】図25(a)〜(c)に概略的に示すとお
り、回転技術では、セグメントを、変換サイクルごとに
一定個数分r(回転量)だけ回転させる。例えば、図2
5(a)に示す順序のセグメントは、末尾から先頭に戻
って一巡する形で3個分の量r回転させた。更に3個分
回転させると、セグメントは、図25(c)に示すとお
りの順序になる。これは、伝達関数の形を実際に変える
ことなく伝達関数の出発位置をシフトさせる効果があ
る。
【0165】セグメント回転の機能は、変換サイクルご
とに回転量rを、セグメントと関連するgroup−i
dとmorph−idの組み合わせにより作り上げられ
たセグメントの完全なローカルIDに加算することによ
り、図18〜24に則して上に述べたモーフィング回路
に組み入れることができる。これは、グループデコーダ
32のLSBデコーダ325内の比較器322による比
較動作が実行される前に回転量rの3個の最下位ビット
をgroup−id値に加算し、セグメントデコーダ3
4の比較器342による比較動作の前に回転量rの4個
の最上位ビットをもrph−id値に加算することによ
り達成できる。最下位ビット加算器からのキャリービッ
トが、最上位ビット加算器にも通信されることになろ
う。
【0166】モーフィングを回転と組み合わせて適用す
ると、そのモーフィングにより、回転後になお存在する
デバイス対デバイス偏差は除去され、回転の結果生じる
スペクトル内の離散音も除去される。これは、ノイズフ
ロアの平滑度を改善するのに依然使用できるが、以前は
回転量の無作為拡散を必要とした。それが、このモーフ
ィングを使用すれば、もはや必要でなくなるのである。
【0167】チャネルが互いに100〜200kHzず
つ間隔をかけたGSM通信システムを例に取ると、ノイ
ズを少なくともチャネル1つ分の幅だけ拡散させるのが
望ましい。拡散はまた、回転により発生されられた歪み
成分が拡散するとしてもその目標位置からさほど離れな
い、代表的には当該帯域から5MHz以上離れない程度
に小幅であるのが望ましい。モーフィングの結果生じる
拡散の幅は代表的には±2.5MHz程度であるから、
回転成分は当該帯域の中まで拡散しない。
【0168】次に、セグメント化アーキテクチャを有す
る回路、特にセグメント化ディジタル/アナログ変換器
(DAC)に関する本発明の第3の形態について述べ
る。
【0169】上に述べたとおり、我々の同時係属中の欧
州特許公開EP−A−1100203号(我々の同時係
属中の日本国特願2000−343216号に対応)
は、デバイス非直線性により生じさせられた歪み成分
を、所望信号帯域の外側に(帯域外れで)現れるように
周波数に移転させて行う“ノイズ整形”技術について述
べている。これは、セグメントの選択される順序を回転
させ、加えて、出力の中に離散音が現れないように小幅
の無作為拡散を回転量に加えることにより達成される。
本発明の第3の形態は、歪みの所望の位置替えを達成す
るための適当なパラメータ値の選択と確認を容易にする
回路に関するものであるが、より一般的には、下に述べ
るとおりの他の場面に適用することができる。
【0170】図26は、本発明の第3の形態が適用でき
るDACの一部を示す。図26のDACは、ディジタル
回路部分およびアナログ回路部分を含む。アナログ回路
部分は複数のセグメント(または、セル)を包含し、各
セグメントが定電流源2およびスイッチ4を有する。各
セグメントにおけるスイッチ4は、ディジタル回路部分
DCから該スイッチに供給された個別に対応するサモメ
タコード化信号OTにより制御される。ここで、参照符
号200は、DACを示している。
【0171】図27は、図26のセグメントの1つにお
ける定電流源2およびスイッチ4の構成をより詳細に示
す。定電流トランジスタ10が、電位Vpcsに維持され
るゲートを有し、当該セグメントにおいて定電流Iを発
生させる働きをする。カスケードトランジスタが、電位
pcascに維持されるゲートを有し、回路使用中の電圧
変動から定電流トランジスタ10を遮蔽する働きをす
る。これら2つのトランジスタが共に図26の個別電流
源2を作り上げる。第1および第2のトランジスタ30
および40が、図26のセグメントの個別の差動スイッ
チ回路4を作り上げる。これら第1および第2のトラン
ジスタ30および40を駆動するのに適した回路が、我
々の同時係属中の日本国特開2001−144594号
公報(英国特許公開GB−A−2356304号に対
応)に記述されている。その全体の内容をここで、言及
することにより援用する。トランジスタ30および40
のそれぞれのドレインは、図26の差動スイッチ回路の
第1および第2の端子にそれぞれ対応する出力ノードO
UTAおよびOUTBに接続されている。
【0172】図26のDACにおいて、ディジタル回路
部分は、2進式サモメタデコーダ6に加えて、セグメン
ト回転部22および回転制御部24を含む。セグメント
回転部22は、1組のサモメタコード化入力信号T1〜
Tnを受信するn個の入力を有する。該サモメタコード
化入力信号T1〜Tnは、DACに加えられた2進入力
ワードD1〜Dmをベースとして2進式サモメタデコー
ダ6により生成される。
【0173】セグメント回転部22はまた、ディジタル
回路DCのサモメタコード化出力信号OT1〜OTnの
各々1つを発生させるn個の出力を有する。セグメント
回転部22はまた、回転制御部24の出力に接続され
た、そこから回転量rを受信するための制御入力を有す
る。回転制御部24は、外部から加えられた制御信号M
EAN(平均)およびSPREAD(拡散)をそれぞれ
受信するための第1および第2の入力を有する。
【0174】DACは、所定の動作周波数(サンプリン
グ速度)FDACにて一連の動作サイクル(変換サイク
ル)を実行する。FDACは、例えば、毎秒1億サンプル
(100Msamples/s)である。
【0175】各サイクルにおいて、2進式サモメタデコ
ーダ6は、外部から加えられた入力ワードD1〜Dmを
n個のサモメタコード化信号IT1〜ITnに変換す
る。各サイクルにおいてまた、セグメント回転ブロック
22は、当該サイクルにおいて使用すべき回転量rの値
を受信し、この受信したr値に従いサモメタコード化入
力信号IT1〜ITnからn個のサモメタコード化出力
信号OT1〜OTnを導出する。
【0176】セグメントの回転の効果は、図28〜図3
0に則して説明することができる。各プロットは、DC
から、DACサンプリング速度FDACの1/2の周波数
までの周波数範囲全体にわたって、図26のDACの出
力信号(VA−VB)の信号/ノイズ比(SNR)を示し
ている。各プロットにおいて、垂直軸上に表されたSN
RはdB単位で測定され、水平軸上に表された周波数は
サンプリング速度FDA Cの比として測定されている。本
例では、セグメントの数nは64と仮定する。
【0177】各例において、約0.3FDAC〜0.5F
DAC(ナイキスト周波数)の広幅ノイズピークの在るこ
とが分かるであろう。この広幅のノイズピークは、量子
化誤差(quantisation error)の影響を除去するために
高域フィルタ処理ディザ(high-pass-filtered dithe
r)を入力データD1〜Dmに加えたことの結果であ
る。本説明のためには、この広幅ノイズピークを無視す
ることができる。
【0178】本例では、DACが、その出力にて4個の
“トーン(tones)”T、すなわち4個の異なる周波数
成分からなる出力信号を合成するのに使用されるものと
する。これら4個のトーンは、0.09FDAC近辺の周
波数を中心としている。各トーンTは、DACのフルス
ケール出力振幅FSにおける−13dBのピーク振幅を
有する。ところで、本例において出力信号を4個のトー
ンからなるものと仮定するのは、複数のトーンの方が出
力スペクトル内のノイズ成分を識別し易くなるからであ
る。
【0179】図28は、一サイクルから次のサイクルま
でセグメント回転が実行されないとき、すなわち、各サ
イクルにおいてr=0であるときの出力信号周波数スペ
クトルを示す。DCから0.3FDACまでの周波数範囲
における平均ノイズレベルが約−90dBであるのに、
4個のトーンTの近傍の周波数のところに多数の有意な
相互変調積Mの存在することが分かる。これらの相互変
調積Mは、セグメント不整合の結果である。
【0180】図29は、各サイクルにおいて回転量r=
1が使用されるときの出力信号周波数スペクトルを示
す。この場合、トーンTの近傍の相互変調積Mは今や存
在しないことが分かる。但し、代わりに、上記出力信号
周波数スペクトルは周波数間隔Δf=FDAC/n(本例
では=0.0156FDAC)にて1〜19と表示された
周波数成分を含む。これらの周波数成分は、一サイクル
から次のサイクルへのセグメント回転の結果として上記
出力信号周波数スペクトル内に存在する。以下、これを
“回転成分(rotation component)”と呼ぶ。
【0181】第1回転成分(成分1)は周波数rΔfを
有する。第2回転成分(成分2)は周波数2rΔfを有
し、第3回転成分以上の高次の回転成分は、周波数が3
rΔf、4rΔf等々である。
【0182】平均すると、各回転成分は次数が高くなる
ほど大きさが減少する。但し、例えば、図29から分か
るとおり、平均して期待される処とは逆に、成分1およ
び2は成分3より大きくない。これは単に、図29の特
定プロットにとって統計的変動である。
【0183】図29のプロットにおけるとおり回転量r
=1であるとき、最上位側成分(most significant com
ponent)1〜10は全て、DC〜0.16FDACの周波
数の帯域内に包含される。これは、上記成分の全てが上
記DACの出力信号周波数の所望範囲内であることを意
味する。例えば、オーバーサンプリング×4が使用され
るシステムでは、出力信号周波数の所望範囲はDC〜
0.125FDACである。
【0184】図30は、各サイクルにおいて回転量r=
21であるときの出力信号周波数スペクトルを示す。回
転成分1〜19は、今や図29に示したのと実に異なる
位置にきている。第1回転成分(成分1)は、周波数2
1Δfの位置にある。周波数2rΔf(=42Δf)を
有するはずの成分2は、周波数22Δfの位置にマッピ
ングされている。このマッピングが生じるのは、42Δ
fがナイキスト周波数(n/2)Δf(=32Δf)を
+10Δfだけ超えていて、それで該成分が(n/2−
10)Δf=22Δfにマッピングされるからである。
同様に、成分3はΔfにマッピングされている(これ
は、3rΔf(=63Δf)がナイキスト周波数を+3
1Δfだけ超えていて、それで該成分が(n/2−3
1)Δf=Δfにマッピングされるからである)。成分
4は20Δfにマッピングされる(4rΔf=84Δf
がナイキスト周波数を+52Δfだけ超えていて、それ
で−20Δfにマッピングされ、0より小さいこちらが
今度は+20Δfにマッピングされるのである)。より
高次の成分も同様にマッピングされる。
【0185】図30から分かるとおり、10個の低次成
分1〜10のうち、成分3、6および9のみが今やDC
〜0.125FDACの所望範囲内に包含される。上記所
望周波数範囲内には幾つかの高次成分(成分12、15
および18)が追加的に存在するが、これらの高次成分
の有意性は限られている。ところで、図30における成
分18の相対的に大きいサイズ(他の成分と比較して)
もまた、統計的変動である。平均して、成分18は、大
きさが図30に示したより小さいであろう。
【0186】回転量rの非整数値は、回転量に小幅の無
作為拡散を施し、これを一サイクルから次のサイクルへ
と変えていくことにより達成することができ、これもま
た、ノイズフロアを平滑化する効果がある。デバイスの
ノイズ整形特性は、図26の回転制御部24に外部から
加えられた上述の制御信号MEANおよびSPREAD
を使って設定される。
【0187】回転制御パラメータMEANおよびSPR
EADを適宜選択することによって回転成分を適当な
“帯域外れ”位置に移動させることができるが、かかる
選択動作はDACの特定用途のために実行できることが
必要である。回転量rを系統的に選択するための若干の
グラフィック技術が我々の同時係属中の欧州特許公開E
P−A−1100203号(我々の同時係属中の日本国
特願2000−343216号に対応)に記述されてい
るが、このような技術を使用する場合でも、このような
技術により到達した回転制御パラメータ値が回転成分を
予測周波数位置に移動させる点で有効であることを確認
できるのが望ましい。また、モーフィングを併用するこ
となく回転を利用すると、デバイス対デバイス偏差が生
じ、これが、グラフィック技術により提案された回転制
御パラメータの二者択一の選択肢の間のように、一方の
選択肢が他方より良いという意味にもなり得る。また、
例えば、モーフィング(本発明の第1の形態におけると
おりの)を回転と併用するときは、上記グラフィック技
術を使用することなく回転制御パラメータを選択できる
ようにするのが望ましい。
【0188】DACにおいて実際の測定がテスト段階で
製造者により、または、販売後のDACのユーザにより
実行し得ると考えていいかも知れない。つまり、適当な
入力信号(すなわち所期の用途にとって代表的な)をD
ACに加え、出力信号スペクトル内のノイズ成分を測定
するのである。回転制御パラメータMEANおよびSP
READを変えることにより、回転成分を周波数スペク
トル内の適当な帯域外れ位置に移動させることができよ
う。あるいは、グラフィック技術により到達した回転制
御パラメータ値をチェックし、回転成分が予測された帯
域外れ位置に移動したことを確認することができよう。
このような測定を使って図28〜図30に示すのと同様
のプロットを作成できれば有利であろうが、実際のとこ
ろ、図28〜図30のような明瞭且つ容易に解釈できる
プロットをこのような測定により作成することは不可能
である。事実、図28〜図30のプロットは、測定によ
り作成されたのでなく、DACの一モデルをベースとす
るコンピュータシミュレーションにより作成されたもの
で、該モデルでは、相異なるセグメントにおいて図26
の電流源2(図27のトランジスタ10および20)が
標準偏差σ=1.7%の不整合を有すると仮定した。こ
の標準偏差σの数字は、出力信号スペクトル内のノイズ
成分を強調してバックグラウンドノイズから区別できる
ようにするために人為的に大きくされたものである。
【0189】実際には、0.06〜0.17%の標準偏
差σが以前のDACにおいて達成されていた。標準偏差
σの値がこのように低いと、ノイズ成分をバックグラウ
ンドノイズから区別することが難しく、実際のところエ
ンドユーザによって時間の浪費であり、従って、DAC
自体で実行された実際の測定に基づいて個々に望まれる
ノイズプロフィールを達成する上で適当なMEANおよ
びSPREADの値を選択することは難しい。
【0190】図31に示すとおり、本発明の第3の実施
形態は、各セグメントにおいて2つの別個の電流源を使
用する。すなわち、チップのテストとセットアップの間
に使用されるテスト電流源と、チップの実動作の間に使
用すべき主電流源である。主電流源は、図27に則して
上に述べたとおりの2個のPMOS FETトランジス
タ10および20からなる。テスト電流源も、2個のP
MOS FETトランジスタ15および25からなる
が、下に述べるとおり、サイズがそれぞれ対応する主電
流源のトランジスタ10および20と異なる。
【0191】これら2つの電流源の一方だけが何時でも
動作可の状態にあるので、例えば、主電流源が選択され
ると、整合度の高い動作電流Iが発生させられ、トラン
ジスタ30および40により形成された差動スイッチに
供給されることになり、テスト電流源が選択されると、
整合度の低いテスト電流Itestが発生させられ、該差動
スイッチに供給されることになる。相異なるセグメント
に関する整合度の高い動作電流Iの標準偏差σhmは、相
異なるセグメントに関する整合度の低いテスト電流I
testの標準偏差σpmより、例えば、10倍良好である。
例えば、σhmは0.17%以下(例えば、0.06%)
であり、σpmは1.7%以上(例えば、2%)である。
主電流源を選択するかテスト電流源を選択するかは、ス
イッチSW3およびSW4に加えられる信号TEST
と、スイッチSW1およびSW2に加えられる信号/T
EST(TESTの反転信号)により制御される。TE
ST信号は、外部からデバイスの入力端子を介してデバ
イスに加えられてよい。
【0192】TESTがlowのとき、スイッチSW1
はON、スイッチSW2はOFFで、主カスケードトラ
ンジスタ20のゲートをANALOG VDDに接続さ
せ、それで該トランジスタをOFFにする。スイッチS
W3はOFF、スイッチSW4はONで、テストカスケ
ードバイアス電圧Vpcasctestをテストカスケードトラ
ンジスタ25のゲートに通過させ、それで該トランジス
タをONにする。これで、整合度の低いテスト電流I
testが差動DACスイッチに供給されるよう選択され
る。
【0193】TESTがhighのとき、スイッチSW
1はOFF、スイッチSW2はONで、主カスケードバ
イアス電圧Vpcascを主カスケードトランジスタ20の
ゲートに通過させ、それで該トランジスタをONにす
る。スイッチSW3はON、スイッチSW4はOFF
で、テストカスケードトランジスタ25のゲートをAN
ALOG VDDに接続させ、それで該トランジスタを
OFFにする。これで、整合度の高いテスト電流Iが差
動DACスイッチに供給されるよう選択される。
【0194】一実施態様において、主電流源トランジス
タ10の幅は、テスト電流源トランジスタ15の幅の約
30倍である。主電流源トランジスタ10の長さも、テ
スト電流源トランジスタ15の長さの約30倍である。
例えば、主電流源トランジスタ10の相対寸法は、幅2
40、長さ15であってよく、テスト電流源トランジス
タ15の相対寸法は、幅8、長さ1/2であってよい。
トランジスタ15の幅/長さ比をトランジスタ10のそ
れに等しくすることにより、バイアス電位Vpc sとV
pcstestは同じであってよい。
【0195】この場合、IとItestは両方とも約160
μAである。トランジスタ10の幅/長さ比とトランジ
スタ15のそれは同じであるが、トランジスタ10のゲ
ートはトランジスタ15のそれの900倍である。電流
の不整合度は1/√(ゲート面積)に比例するので、そ
れにより、トランジスタ10の不整合度はトランジスタ
15のそれの1/30で、30dB低いということにな
る。
【0196】よって、テスト電流源を選択することは、
バックグラウンドノイズを超えて相当のノイズ成分を強
調することになり、それゆえ、製造者がデバイスのテス
トに使用する上で、および/または、エンドユーザがエ
ンドユーザ自身が目論む特定用途に向けてデバイスをセ
ットアップするのに使用する上で該ノイズ成分を実際に
測定し、位置決めすることが容易となる。電流源を使っ
てノイズ成分を周波数スペクトル内に位置決めし終わっ
たら、テスト動作またはセットアップ動作を完了させる
ために、或いは、該ノイズ成分がデバイス(主電流源を
使用する)の通常動作と干渉しないことを確認するため
に、該ノイズ成分が再び通常動作に備えて下げられるよ
うに主電流源を元どおり切り換えることができる。テス
ト電流源を選択するとき、ノイズ成分の周波数位置は容
易に特定できるので、主電流源を元どおり切り換え、現
在よりはるかに小さいノイズ成分さえもチェックできる
ようにするとき、同じ周波数位置を慎重に吟味すること
ができる。
【0197】主電流源およびテスト電流源の物理的レイ
アウトは、動作電流Iの不整合がある程度テスト電流I
testの不整合と相関するように選択するのが有利であ
る。そうすることにより、モーフィング動作を確実に最
適化することが、或いは、主電源と十分密接な相関関係
を有するテスト電源においてなされた測定に基づき、特
に“最良の”伝達関数を選択することさえも、可能にな
るかもしれない。主電源の不整合とテスト電源の不整合
の間に全く、或いは、ほとんど相関関係が存在しなくて
も、回転成分は、その相対的大きさが主電源とテスト電
源の間のように異なるかもしれないとはいえ、なお同じ
周波数にマッピングされよう。
【0198】以上、本発明の第3の形態について、セグ
メント化混合信号回路に関連して述べたが、かかるセグ
メント化混合信号回路は、セグメント回転技術を実行す
るように働くが、本発明の第3の形態に関連して上に述
べたとおりのセグメントモーフィング技術を実行するよ
うには働かない回路である。当業者であれば、本発明の
第3の形態の技術が、セグメントモーフィングのみを、
或いは、セグメント回転とセグメントモーフィングとの
組み合わせを実行するように働くセグメント化混合信号
回路に適用できることは、容易に理解されよう。整合度
の低い電流源を選択できることは、デバイスのテストま
たはチューニングまたは適正な動作パラメータの選択を
容易にするために歪みの影響を誇張するのが望ましいど
んなセグメント化混合信号回路においても有用であり得
る。
【0199】本発明の第3の形態がまた、他のタイプの
セグメント化回路、例えば、セグメントの各々が上に述
べたとおりの電流以外のアナログ量を限定する形のセグ
メント化回路にも適用できることは、理解されよう。ア
ナログ量は、例えば、電圧、キャパシタンスまたは抵抗
であってよく、各セグメントは、当該セグメントに関し
てアナログ量を明確な仕方で限定する第1の部分と、当
該セグメントに関してアナログ量をやや不明確な仕方で
限定する第2の部分を有するものであってよく、当該セ
グメントに関して選択された実際のアナログ量はかかる
2つの部分の間で選択可能であってよかろう。本発明の
第3の形態はまた、選択された混合信号回路以外のセグ
メント化回路、例えば、純然たるアナログ回路にも適用
できる。この場合、セグメントは、ディジタル信号より
むしろアナログ信号に従って制御されることになろう。
【0200】また、本発明の全ての形態が微分出力信号
を生成しない混合信号回路にも適用できることは、理解
されよう。その電流をあるラインから別のラインに切り
換える代わりに、各セグメントは、単にその電流を入り
切りするだけ、或いは、その大きさを他の何らかに仕方
でディジタル入力信号に従って変えるだけであってよ
い。
【0201】(付記1) 一連の動作サイクルを実行す
るように働く混合信号回路であって、協働してアナログ
出力信号を生成するn個の回路セグメント、前記各サイ
クルにおいて、ディジタル入力信号に応じて、生成され
たアナログ出力信号に影響すべく前記セグメントのそれ
ぞれに適用される1組のn個のセグメント制御信号を発
生させるように働く制御信号発生手段、および、前記n
個のセグメント制御信号を少なくとも2通りの順序でそ
れぞれ異なる時期に前記n個のセグメントに適用できる
ようにするモーフィング手段を備え、前記順序が、少な
くとも1つの順序が前記セグメントの中の起動順序位置
1つ分より大きい分だけ次の順序と異なるような順序で
あり、且つ、前記セグメント制御信号の適用順序の変化
により引き起こされたセグメント順序位置の変化が前記
セグメントの数nに相対する数および/または大きさに
おいて制限されるような順序であることを特徴とする混
合信号回路。
【0202】(付記2) 付記1に記載の混合信号回路
において、順序の変化のたびに順序位置を変えられない
セグメントが少なくとも1個存在することを特徴とする
混合信号回路。
【0203】(付記3) 付記1に記載の混合信号回路
において、順序の変化のたびに少なくともn/16個の
セグメントは順序位置を変えられないことを特徴とする
混合信号回路。
【0204】(付記4) 付記1に記載の混合信号回路
において、順序の変化のたびに最も多い場合でn/2個
のセグメントが順序位置を変えることを特徴とする混合
信号回路。
【0205】(付記5) 付記1に記載の混合信号回路
において、順序の変化のたびに最も多い場合で1対のセ
グメントが順序位置を変えることを特徴とする混合信号
回路。
【0206】(付記6) 付記1〜5のいずれか1項に
記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序へ
の変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化により
引き起こされたものであっても関連したセグメントの順
序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和す
ることにより計算されたセグメント変化パラメータを有
し、前記順序変化と関連するそれぞれのセグメント変化
パラメータの値が各々n2/4より小さいことを特徴と
する混合信号回路。
【0207】(付記7) 付記1〜5のいずれか1項に
記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序へ
の変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化により
引き起こされたものであっても関連したセグメントの順
序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和す
ることにより計算されたセグメント変化パラメータを有
し、前記順序変化と関連するそれぞれのセグメント変化
パラメータの値が各々16nより小さいかまたは16n
に等しいことを特徴とする混合信号回路。
【0208】(付記8) 付記1〜5のいずれか1項に
記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序へ
の変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化により
引き起こされたものであっても関連したセグメントの順
序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和す
ることにより計算されたセグメント変化パラメータを有
し、前記順序変化と関連するそれぞれのセグメント変化
パラメータの値が各々2nより小さいことを特徴とする
混合信号回路。
【0209】(付記9) 付記1〜8のいずれか1項に
記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序へ
の変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化により
引き起こされたものであっても関連したセグメントの順
序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和す
ることにより計算されたセグメント変化パラメータを有
し、前記セグメント変化パラメータのサイクル当たり平
均値がn2/64より小さいことを特徴とする混合信号
回路。
【0210】(付記10) 付記1〜8のいずれか1項
に記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序
への変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化によ
り引き起こされたものであっても関連したセグメントの
順序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和
することにより計算されたセグメント変化パラメータを
有し、前記セグメント変化パラメータのサイクル当たり
平均値が16nより小さいことを特徴とする混合信号回
路。
【0211】(付記11) 付記1〜8のいずれか1項
に記載の混合信号回路において、或る順序から次の順序
への変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化によ
り引き起こされたものであっても関連したセグメントの
順序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総和
することにより計算されたセグメント変化パラメータを
有し、前記セグメント変化パラメータのサイクル当たり
平均値が2nより小さいことを特徴とする混合信号回
路。
【0212】(付記12) 付記1〜11のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、或る順序から次の順
序への変化が各々、たとえ、それが関連の順序の変化に
より引き起こされたものであっても関連したセグメント
の順序位置の変化をn個のセグメント全部にわたって総
和することにより計算されたセグメント変化パラメータ
を有し、セグメント変化パラメータのそれぞれの最小値
と最大値との差が前記セグメントの数nに関連して制限
されることを特徴とする混合信号回路。
【0213】(付記13) 付記1〜12のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、前記モーフィング手
段が、どの1サイクルにおいても前記セグメント制御信
号を前記セグメントに適用する順序が所定の使用可能な
複数の順序の中から選択されるように働くことを特徴と
する混合信号回路。
【0214】(付記14) 付記13に記載の混合信号
回路において、前記所定の使用可能な順序の合計数が4
より大きいことを特徴とする混合信号回路。
【0215】(付記15) 付記13に記載の混合信号
回路において、前記所定の使用可能な順序の合計数が前
記セグメントの数nより大きいまたはnに等しいことを
特徴とする混合信号回路。
【0216】(付記16) 付記13〜15のいずれか
1項に記載の混合信号回路において、前記所定の使用可
能な順序の各々がランダムベースまたは擬似ランダムベ
ースで選択されることを特徴とする混合信号回路。
【0217】(付記17) 付記13〜15のいずれか
1項に記載の混合信号回路において、全体としてより制
限された順序位置変化を含む順序変化の方が、全体とし
てより大きい順序位置変化を含む順序変化より、起こる
頻度が高いことを特徴とする混合信号回路。
【0218】(付記18) 付記13〜16のいずれか
1項に記載の混合信号回路において、前記所定の使用可
能な順序は、全ての順序変化が全体としてほぼ同じ順序
位置変化を含むような順序であり、全ての順序変化が平
均してほぼ同じ頻度で実行されるような順序であること
を特徴とする混合信号回路。
【0219】(付記19) 付記1〜18のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、前記順序変化が、予
選択された1対以上のセグメントに属するセグメントの
それぞれの順序位置を入れ替えることを含むことを特徴
とする混合信号回路。
【0220】(付記20) 付記1〜19のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、所与の順序変化が反
復される平均時間間隔が少なくとも0.1μsであるこ
とを特徴とする混合信号回路。
【0221】(付記21) 付記1〜20のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、前記モーフィング手
段が、n個のセグメントをm組のセグメントグループに
再分するように働き、ここで、m≧2、且つ、同じグル
ープに属するセグメントの順序位置を変えるように働く
ことを特徴とする混合信号回路。
【0222】(付記22) 付記21に記載の混合信号
回路において、順序位置変化が、前記モーフィング手段
により、何時でも一度に前記m組のグループのうちm−
1組以下のグループにおいて許されることを特徴とする
混合信号回路。
【0223】(付記23) 付記21に記載の混合信号
回路において、順序位置変化が、前記モーフィング手段
により、何時でも一度に1組のグループにおいてしか許
されないことを特徴とする混合信号回路。
【0224】(付記24) 付記21〜23のいずれか
1項に記載の混合信号回路において、n=128、およ
び、m=8または16であることを特徴とする混合信号
回路。
【0225】(付記25) 付記21〜24のいずれか
1項に記載の混合信号回路において、同じグループに属
するセグメントの順序位置が、n個の可能な順序位置の
範囲全体にわたって分散していることを特徴とする混合
信号回路。
【0226】(付記26) 付記1〜25のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、各セグメントに対応
し、前記ディジタル入力信号およびID信号を受信でき
るように接続され、その対応するセグメントに加えられ
たセグメント制御信号の論理状態を、前記ディジタル入
力信号と前記ID信号との比較の結果に応じて設定する
ように働くデコーダ回路、および、相異なるセグメント
のデコーダ回路により受信されたそれぞれのID信号
を、前記順序変化を引き起こすべく変化させるように働
く前記モーフィング手段を有することを特徴とする混合
信号回路。
【0227】(付記27) 付記21〜25のいずれか
1項に添付されたものとして読まれるときの付記26に
記載の混合信号回路において、同じセグメントグループ
に属するセグメントに対応するデコーダ回路の部分々々
が共有されていることを特徴とする混合信号回路。
【0228】(付記28) 付記1〜27のいずれか1
項に記載の混合信号回路において、更に、前記各サイク
ルにおいて先行サイクルと比較してセグメントr個分だ
け前記順序位置を回転させるように働くセグメント回転
手段を備え、ここで、rが当該サイクルに関して設定さ
れた回転量であることを特徴とする混合信号回路。
【0229】(付記29) 一連の動作サイクルを実行
するように働き、協働してアナログ出力信号を生成する
n個の回路セグメントからなる混合信号回路において使
用されるノイズ整形方法であって、前記各サイクルにお
いて、ディジタル入力信号に応じて、生成されたアナロ
グ出力信号に影響すべく前記セグメントのそれぞれに適
用されるn個1組のセグメント制御信号を発生させる段
階、およびn個のセグメント制御信号を少なくとも2通
りの順序でそれぞれ異なる時期にn個のセグメントに適
用できるようにする段階を備え、前記順序が、少なくと
も1つの順序がセグメントの中の起動順序位置1つ分よ
り大きい分だけ次の順序と異なるような順序であり、且
つ、セグメント制御信号の適用順序の変化により引き起
こされるセグメント順序位置の変化が前記セグメントの
数nに相対する数および/または大きさにおいて制限さ
れるような順序であることを特徴とするノイズ整形方
法。
【0230】(付記30) セグメント化回路であっ
て、各々がセグメント自体にとっての第1アナログ量を
限定する第1アナログ量限定手段を有し、且つ、セグメ
ント自体にとっての第2アナログ量を限定する第2アナ
ログ量限定手段も有し、当該セグメントにとっての前記
第2アナログ量が前記第1アナログ量より明らかに少な
い複数の回路セグメント、前記第1アナログ量または前
記第2アナログ量を選択するアナログ量選択手段、およ
び、前記回路セグメントの複合体のそれぞれの選択され
たアナログ量に基づいて複合アナログ量を生成するよう
に働く複合手段を備えることを特徴とするセグメント化
回路。
【0231】(付記31) 付記30に記載のセグメン
ト化回路において、各個回路セグメントにとって前記第
1アナログ量が前記第2アナログ量とほぼ同じであるこ
とを特徴とするセグメント化回路。
【0232】(付記32) 付記30または31に記載
のセグメント化回路において、前記第1アナログ量が全
ての回路セグメントにとってほぼ同じであり、前記第2
アナログ量が全ての回路セグメントにとってほぼ同じで
あることを特徴とするセグメント化回路。
【0233】(付記33) 付記32に記載のセグメン
ト化回路において、前記第1アナログ量の標準偏差が前
記第2アナログ量の標準偏差より小さいことを特徴とす
るセグメント化回路。
【0234】(付記34) 付記30〜33のいずれか
1項に記載のセグメント化回路において、前記第1アナ
ログ量および第2アナログ量が各々電流であることを特
徴とするセグメント化回路。
【0235】(付記35) 付記34に記載のセグメン
ト化回路において、前記第1アナログ量および第2アナ
ログ量を限定する手段がそれぞれ前記電流をソース化ま
たはシンク化するための定電流電界効果トランジスタを
含み、前記第1アナログ量限定手段における前記定電流
トランジスタが、前記第2アナログ量限定手段における
前記定電流トランジスタより大きいゲート面積を有する
ことを特徴とするセグメント化回路。
【0236】(付記36) 付記35に記載のセグメン
ト化回路において、前記第1アナログ量限定手段におけ
る前記定電流トランジスタが、前記第2アナログ量限定
手段における前記定電流トランジスタとほぼ同等の幅/
長さ比を有することを特徴とするセグメント化回路。
【0237】(付記37) 付記30〜36のいずれか
1項に記載のセグメント化回路において、前記アナログ
量選択手段が、前記第1アナログ量または前記第2アナ
ログ量を、回路に外部から加えられた制御信号に応じて
選択することを特徴とするセグメント化回路。
【0238】(付記38) 付記30〜37のいずれか
1項に記載の、一連の動作サイクルを実行するように働
くセグメント化回路において、更に、前記各サイクルに
おいて、ディジタル入力信号に応じて、前記複合アナロ
グ量に影響すべく前記セグメントのそれぞれに適用され
る1組のセグメント制御信号を発生させるように働く制
御信号発生手段、および、前記セグメント制御信号を少
なくとも2通りの順序でそれぞれ異なる時期に前記セグ
メントに適用させ、それにより相異なるセグメントの前
記第1アナログ量相互間の不整合により生じた歪みを、
予選択された所望周波数のノイズ成分に変換させるノイ
ズ整形手段を備えることを特徴とするセグメント化回
路。
【0239】(付記39) 付記38に記載のセグメン
ト化回路において、前記ノイズ整形手段が、前記各サイ
クルにおいて先行サイクルと比較してセグメントr個分
だけそれぞれの順序位置を回転させるように働くセグメ
ント回転手段を備え、ここで、rが当該サイクルに関し
て設定された回転量であることを特徴とするセグメント
化回路。
【0240】(付記40) 付記38または39に記載
のセグメント化回路において、前記ノイズ整形手段が、
前記相異なる順序を、少なくとも1つの順序がセグメン
トの中の起動順序位置1つ分より大きい分だけ次の順序
と異なるように、且つ、平均してサイクルごとに、セグ
メント制御信号の適用順序の変化により引き起こされる
セグメント順序位置の変化がセグメントの合計数に相対
する数および/または大きさにおいて制限されるように
設定することを特徴とするセグメント化回路。
【0241】(付記41) 付記38〜40のいずれか
1項に記載のセグメント化回路を試験する方法であっ
て、前記アナログ量選択手段に前記第2アナログ量を選
択させる段階、前記相異なる順序に影響すべく前記ノイ
ズ整形手段により使用される前記ノイズ整形手段の動作
パラメータを設定する段階、および、前記複合アナログ
量から導出された信号において測定を行い、前記ノイズ
成分の当該信号の周波数スペクトルにおける位置を特定
する段階を備えることを特徴とするセグメント化回路試
験方法。
【0242】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、ディジタル/アナログ変換器などのセグメント化混
合信号回路におけるノイズ整形を改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】上で論じたもので、前に考慮された電流制御式
DACの各要素を示す図である。
【図2】上で論じたもので、図1のDACにおいて2進
入力ワードから如何にしてサモメタコード化制御信号が
導出されるかに関する説明に使用される表を示す図であ
る。
【図3】上で論じたもので、DACにおいて使用すべく
前に考慮されたセル配列回路の各要素を示す図である。
【図4】上で論じたもので、図3のセル配列回路におけ
る傾斜誤差および対称的誤差の発生に関する説明に使用
される概略図である。
【図5】上で論じたもので、図1および図3のセル配列
回路における確率的誤差の発生に関する説明に使用され
るグラフ示す図である。
【図6】上で論じたもので、デバイス伝達関数の2つの
例を示す図である。
【図7】上で論じたもので、デバイスからデバイスへの
伝達関数の変化に関する説明に使用されるグラフを示す
図である。
【図8】本発明を具現するDACの動作に関する説明に
使用されるブロック図である。
【図9】本発明の一実施例におけるセグメントの入れ替
えを示す概略図である。
【図10】図9のセグメント配列の対応する伝達関数を
示す概略図である。
【図11】図8および9に則して描かれたセグメントの
順序および確率的誤差の順序をまとめた表を示す図であ
る。
【図12】本発明の一実施例における伝達関数モーフィ
ング部の一例を示すブロック図である。
【図13】8個の固有のローカルセグメントIDと関連
するビットの表を示す図である。
【図14】図13のIDに従ってセグメントのローカル
モーフィングID入力をモーフィングID信号バスに接
続するときの接続配列の表を示す図である。
【図15】8個の固有のローカルセグメントIDを7つ
の可能な変化形態に再分したときの関連ビットの表を示
す図である。
【図16】図15のIDに従ってセグメントのローカル
モーフィングID入力をモーフィングID信号バスに接
続するときの接続配列の表を示す図である。
【図17】セグメントを別個のセグメントグループに分
割する仕方を示すブロック図である。
【図18】本発明の他の実施例における伝達関数モーフ
ィング部の一例を示すブロック図である。
【図19】図18に示す一セグメントグループの構成を
示すブロック図である。
【図20】図19に示したグループデコーダの構成を示
すブロック図である。
【図21】図19に示すグループデコーダの構成の詳細
を示すブロック図である。
【図22】図19に示すセグメントデコーダの構成を示
すブロック図である。
【図23】セグメントのローカルモーフィングID入力
をモーフィングID信号バスに接続するときの接続配列
の表を示す図である。
【図24】如何にして中間デコードビットがモーフィン
グ信号から導出されるかの表を示す図である。
【図25】セグメントの回転を示す概略図である。
【図26】先に考慮されたDACの各要素を示すブロッ
ク図である。
【図27】図26のDACにおけるセグメント各要素の
構成をより詳細に示す図である。
【図28】セグメントに回転を与えることの影響の図解
に使用されるDACの出力周波数スペクトルのシミュレ
ーションプロットを示す図である。
【図29】セグメントに回転を与えることの影響の図解
に使用されるDACの出力周波数スペクトルのシミュレ
ーションプロットを示す図である。
【図30】セグメントに回転を与えることの影響の図解
に使用されるDACの出力周波数スペクトルのシミュレ
ーションプロットを示す図である。
【図31】本発明の第3の形態を具現するDACにおけ
る図26のセグメント各要素の構成をより詳細に示す図
である。
【符号の説明】
1,200…ディジタル/アナログ変換器(DAC) 2…定電流源 21〜2n…電流源(回路セグメント) 41〜4n…差動スイッチ回路(回路セグメント) 6…2進式サモメタデコーダ 12…ロウデコーダ 14…コラムデコーダ 16…ローカルデコーダ 22…セグメント回転部 24…回転制御部 32…グループデコーダ 34,340〜3415…セグメントデコーダ 122…伝達関数モーフィング部 1240〜1247…ローカルデコーダ 300,300〜307…セグメントグループ 321…LSBデコーダ 325…モーフィング信号デコーダ 322,342…比較器322 323,344…ラッチ 326…スワップセレクタ 327…D形フリッププロップ 400…グループイネーブルデコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンジァイ アシュウィン−クマル ウメ ドブハイ パテル イギリス国,バークシャー アールジー1 8エイチエー,リーディング,スワンシ ー ロード 68 Fターム(参考) 5J022 AB06 BA02 BA03 BA08 CC02 CD03 CF04 CF07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一連の動作サイクルを実行するように働
    く混合信号回路であって、 協働してアナログ出力信号を生成するn個の回路セグメ
    ント、 前記各サイクルにおいて、ディジタル入力信号に応じ
    て、生成されたアナログ出力信号に影響すべく前記セグ
    メントのそれぞれに適用される1組のn個のセグメント
    制御信号を発生させるように働く制御信号発生手段、お
    よび、 前記n個のセグメント制御信号を少なくとも2通りの順
    序でそれぞれ異なる時期に前記n個のセグメントに適用
    できるようにするモーフィング手段を備え、前記順序
    が、少なくとも1つの順序が前記セグメントの中の起動
    順序位置1つ分より大きい分だけ次の順序と異なるよう
    な順序であり、且つ、前記セグメント制御信号の適用順
    序の変化により引き起こされたセグメント順序位置の変
    化が前記セグメントの数nに相対する数および/または
    大きさにおいて制限されるような順序であることを特徴
    とする混合信号回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の混合信号回路におい
    て、或る順序から次の順序への変化が各々、たとえ、そ
    れが関連の順序の変化により引き起こされたものであっ
    ても関連したセグメントの順序位置の変化をn個のセグ
    メント全部にわたって総和することにより計算されたセ
    グメント変化パラメータを有し、セグメント変化パラメ
    ータのそれぞれの最小値と最大値との差が前記セグメン
    トの数nに関連して制限されることを特徴とする混合信
    号回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の混合信号回路
    において、前記モーフィング手段が、どの1サイクルに
    おいても前記セグメント制御信号を前記セグメントに適
    用する順序が所定の使用可能な複数の順序の中から選択
    されるように働くことを特徴とする混合信号回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の混
    合信号回路において、前記モーフィング手段が、n個の
    セグメントをm組のセグメントグループに再分するよう
    に働き、ここで、m≧2、且つ、同じグループに属する
    セグメントの順序位置を変えるように働くことを特徴と
    する混合信号回路。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の混
    合信号回路において、各セグメントに対応し、前記ディ
    ジタル入力信号およびID信号を受信できるように接続
    され、その対応するセグメントに加えられたセグメント
    制御信号の論理状態を、前記ディジタル入力信号と前記
    ID信号との比較の結果に応じて設定するように働くデ
    コーダ回路、および、 相異なるセグメントのデコーダ回路により受信されたそ
    れぞれのID信号を、前記順序変化を引き起こすべく変
    化させるように働く前記モーフィング手段を有すること
    を特徴とする混合信号回路。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の混
    合信号回路において、更に、前記各サイクルにおいて先
    行サイクルと比較してセグメントr個分だけ前記順序位
    置を回転させるように働くセグメント回転手段を備え、
    ここで、rが当該サイクルに関して設定された回転量で
    あることを特徴とする混合信号回路。
  7. 【請求項7】 一連の動作サイクルを実行するように働
    き、協働してアナログ出力信号を生成するn個の回路セ
    グメントからなる混合信号回路において使用されるノイ
    ズ整形方法であって、 前記各サイクルにおいて、ディジタル入力信号に応じ
    て、生成されたアナログ出力信号に影響すべく前記セグ
    メントのそれぞれに適用されるn個1組のセグメント制
    御信号を発生させる段階、およびn個のセグメント制御
    信号を少なくとも2通りの順序でそれぞれ異なる時期に
    n個のセグメントに適用できるようにする段階を備え、
    前記順序が、少なくとも1つの順序がセグメントの中の
    起動順序位置1つ分より大きい分だけ次の順序と異なる
    ような順序であり、且つ、セグメント制御信号の適用順
    序の変化により引き起こされるセグメント順序位置の変
    化が前記セグメントの数nに相対する数および/または
    大きさにおいて制限されるような順序であることを特徴
    とするノイズ整形方法。
  8. 【請求項8】 セグメント化回路であって、 各々がセグメント自体にとっての第1アナログ量を限定
    する第1アナログ量限定手段を有し、且つ、セグメント
    自体にとっての第2アナログ量を限定する第2アナログ
    量限定手段も有し、当該セグメントにとっての前記第2
    アナログ量が前記第1アナログ量より明らかに少ない複
    数の回路セグメント、 前記第1アナログ量または前記第2アナログ量を選択す
    るアナログ量選択手段、および、 前記回路セグメントの複合体のそれぞれの選択されたア
    ナログ量に基づいて複合アナログ量を生成するように働
    く複合手段を備えることを特徴とするセグメント化回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の、一連の動作サイクル
    を実行するように働くセグメント化回路において、更
    に、 前記各サイクルにおいて、ディジタル入力信号に応じ
    て、前記複合アナログ量に影響すべく前記セグメントの
    それぞれに適用される1組のセグメント制御信号を発生
    させるように働く制御信号発生手段、および、 前記セグメント制御信号を少なくとも2通りの順序でそ
    れぞれ異なる時期に前記セグメントに適用させ、それに
    より相異なるセグメントの前記第1アナログ量相互間の
    不整合により生じた歪みを、予選択された所望周波数の
    ノイズ成分に変換させるノイズ整形手段を備えることを
    特徴とするセグメント化回路。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のセグメント化回路を
    試験する方法であって、 前記アナログ量選択手段に前記第2アナログ量を選択さ
    せる段階、 前記相異なる順序に影響すべく前記ノイズ整形手段によ
    り使用される前記ノイズ整形手段の動作パラメータを設
    定する段階、および、 前記複合アナログ量から導出された信号において測定を
    行い、前記ノイズ成分の当該信号の周波数スペクトルに
    おける位置を特定する段階を備えることを特徴とするセ
    グメント化回路試験方法。
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