JP2002161789A - 可変バルブタイミング装置の診断装置 - Google Patents
可変バルブタイミング装置の診断装置Info
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Abstract
角)を制御する可変バルブタイミング装置の異常診断の
実行機会を高める。 【解決手段】前記回転位相の目標値(目標角度VTCR
G)の単位時間あたり変化量|TRGCHG|がリミッ
ト値VTCRLIM以下である状態が、所定時間以上継
続したときに、異常診断の実行を許可する(S8〜S1
2)。
Description
ルブタイミング装置における異常診断装置に関し、特に
異常診断の実行条件を規定する技術に関する。
によりクランク軸に対するカム軸の回転遅延を制御する
ことで、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化さ
せる構成のエンジンの可変バルブタイミング装置が知ら
れている(特開平10−153104号公報参照)。
は、例えば、目標の回転位相(目標の遅延角)とエンジ
ン回転速度とから電磁ブレーキの基本制御量を演算する
一方、目標の回転位相と実際の回転位相との偏差からフ
ィードバック制御量を演算し、前記基本制御量及びフィ
ードバック制御量から最終的な制御量(例えばデューテ
ィ制御量)を求めて、該制御量で電磁ブレーキを構成す
る電磁コイルに流れる電流を制御するようにしていた。
ては、上記の他油圧式のものが一般的である。かかる可
変バルブタイミング装置(VTC)の異常診断を行う条
件として、従来、前記クランク軸に対するカム軸の回転
位相の目標値(以下目標角度という)が、所定時間以上
一定に維持されることを条件としていた(特開2000
−54870号公報参照)。
ング装置(VTC)では、目標角度毎のエンジン運転領
域が比較的大きく設定されていたため、前記異常診断条
件が成立する機会を確保することができていたが、特
に、前記電磁ブレーキ式の装置では、目標角度が小さい
運転領域毎に細かく設定されていたため、診断条件が成
立する機会を十分確保することが難しく、診断を完了す
ることができなくなる可能性が高い。
あり、目標角度が細かく設定されている場合でも、異常
診断条件が成立する機会を確保でき、診断を完了できる
ようにした可変バルブタイミング装置の診断装置を提供
することを目的とする。
発明は、クランク軸に対する回転位相を変化させる構成
のエンジンの可変バルブタイミング装置において、前記
回転位相の目標値の単位時間あたり変化量が所定のリミ
ット値以下である状態が、所定時間継続したことを条件
として、本装置の異常診断を行うことを特徴とする。
相の目標値(目標角度)が細かく設定されていて、運転
状態がわずかに変化しただけで、目標値が変化した場合
でも、単位時間あたり変化量がリミット以下である状態
が、所定時間継続したことを条件として診断の実行が許
可される。
診断を完了することができる。また、請求項2に係る発
明は、前記所定のリミット値又は所定時間の少なくとも
一方が、エンジン温度に応じて可変に設定されることを
特徴とする。請求項2に係る発明によると、診断を精度
よく行うことができる条件は、可変バルブタイミング装
置の動作特性に影響を与えるエンジン温度によって変化
するので、該エンジン温度に基づいて、診断許可条件を
判定する所定のリミット値又は所定時間の少なくとも一
方を可変に設定することにより、診断精度を高めること
ができる。
リミット値又は所定時間の少なくとも一方が、エンジン
回転速度に応じて可変に設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、エンジン温度と同様、エ
ンジン回転速度も可変バルブタイミング装置の動作特性
に影響を与えるので、該エンジン回転速度に基づいて、
診断許可条件を判定する所定のリミット値又は所定時間
の少なくとも一方を可変に設定することにより、診断精
度を高めることができる。
転状態および環境状態が所定条件を満たしていること
を、本装置の異常診断条件として含むことを特徴とす
る。請求項4に係る発明によると、エンジン回転速度、
エンジン温度、バッテリ電圧など診断に影響を及ぼすエ
ンジン運転状態および環境状態が、所定条件を満たして
いることを、本装置の異常診断条件として含むことによ
り、診断精度を確保することができる。
が、ストッパにより規制される基準値でないことを、本
装置の異常診断条件として含むことを特徴とする。請求
項5に係る発明によると、目標値がストッパにより規制
される基準値であるときは、実質的に通電や油圧などの
制御が行われていない状態であるから、診断が行えない
ので、診断条件から除外することで診断精度を確保する
ことができる。
相の目標値と実際値との偏差が所定範囲から外れた状態
が所定時間以上継続したときに異常があると診断するこ
とを特徴とする。請求項6に係る発明によると、診断方
式の1例として、上記偏差が所定範囲から外れた状態が
所定時間以上継続したときは、目標値への収束の遅れが
大きいので異常と診断することができる。
キによる摩擦制動により、クランク軸に対する回転位相
を変化させる構成であることを特徴とする。請求項7に
係る発明によると、本発明は目標値が細かく設定されて
いるものであれば、油圧式の可変バルブタイミング制御
装置に適用しても効果が得られるが、特に電磁ブレーキ
式のものは、現状でも目標値が細かく設定されているの
で、有効である。
する。図1は、実施の形態における電磁ブレーキを用い
る可変バルブタイミング装置の断面図であり、図2は、
分解斜視図である。図1及び図2に示す可変バルブタイ
ミング装置1において、シリンダヘッド120に対して
回転可能に支持されるカム軸110の端部111の軸周
に回転可能にプーリ(又はスプロケット)2が支承され
る。プーリ2はカム軸110に対して相対回転可能に支
承され、エンジンのクランク軸の回転に連動して回転す
る。
は、軸周にギアが形成される伝達部材3がボルト31に
より固定され、プーリ2の回転が、以下に説明する伝達
機構を介して伝達部材3に伝えられる。カム軸110と
同軸に、フランジを有する筒状のドラム41が設けら
れ、このドラム41とプーリ2との間には、ドラム41
の回転位相を進ませる方向に付勢するコイルばね42が
介装されている。即ち、プーリ2にはケース部材44が
固定され、コイルばね42の外周側端部は、このケース
部材44の内周面部分に固定され、コイルばね42の内
周側端部は、ドラム41の外周面に固定されている。
32と、筒状のピストン部材43の内周に形成されたギ
ア433とが、はすばギアによるヘリカル機構により噛
み合っている。ピストン部材43の外周面の対向する2
箇所に、係合部431,431が突出形成されていて、
プーリ2の回転中心部分からカム軸110の軸方向に延
出している爪部材21,21の間に前記係合部431,
431が係合している。この係合によりピストン部材4
3とプーリ2とは同位相で回転する。
31には、ピストン部材43の軸を中心とする雄ねじ4
32が各々形成され、ドラム41の内周面には雌ねじ4
11が形成されていて、この両者はねじ作用により噛み
合っている。ドラム軸受部材45は、伝達部材3の外周
とドラム41の内周との間に介装され、この両者の相対
回転を軸受する。このドラム軸受部材45とドラム41
の内周面との間には、爪受部材7aが介装されている。
支持され、爪部材21,21の先端部の外周面側に形成
されている段部22,22に当接して、カム軸110の
径方向に爪部材21,21を係止している。被吸引部材
46は、その回転中心部分に内歯の平ギヤ461が形成
され、このギヤ461には、伝達部材3の先端部に形成
されている平ギヤ33に噛み合っている。これにより、
被吸引部材46は伝達部材3に対し、その軸方向に摺動
可能に構成されると共に、被吸引部材46と伝達部材3
とは同位相で回転する。
はギア413が形成され、被吸引部材46の一方の面4
62に形成されているギア463と対峙していて、この
両ギアは噛み合うことで、ドラム41と被吸引部材46
とが回転方向に係合するようにしてある。第1の電磁ソ
レノイド5bと第2の電磁ソレノイド5aは、カム軸1
10の軸芯線を囲むように、カム軸110の端部111
に固定されている伝達部材3や、この伝達部材3を固定
しているボルト31の外周面を囲むように軸受部材6を
介して配置されている。
1の頭部311と伝達部材3の先端部との間に嵌合固定
されていて、このスペーサ部材47の外周側には、第2
の電磁ソレノイド5aがスペーサ部材47との間に軸受
部材6を介して配置されている。さらに第2の電磁ソレ
ノイド5aと被吸引部材46の外周側には、電磁ブレー
キを構成する第1の電磁ソレノイド5bが配置されてい
る。第2の電磁ソレノイド5aはボルト51aにより、
ケース8に固定されている。
の回転位相を進角側に変更するためには、第1の電磁ソ
レノイド5bが発生する磁界によりピストン部材43を
カム軸110の軸方向に移動することにより行う。すな
わち、まず、第2の電磁ソレノイド5aの発生磁界によ
り、被吸引部材46が吸引されて、被吸引部材46のギ
ア463と、ドラム41のギア413とが離れ、ドラム
41がプーリ2に対して相対的に回転できるようにす
る。
磁界により、ドラム41を吸引することで、ドラム41
を第1の電磁ソレノイド5bの端面に押し付けて、摩擦
制動を作用させる。これにより、ドラム41はコイルば
ね42の付勢力に抗してプーリ2に対して回転遅れを生
じて相対回転し、ねじ411とねじ432とで噛み合っ
ているピストン部材43はカム軸110の軸方向に移動
する。ピストン部材43と伝達部材3とは前記のヘリカ
ル機構により噛み合っているので、ピストン部材43の
移動により、伝達部材3引いてはカム軸110の回転位
相がプーリ2に対して進角側に変わることになる。従っ
て、第1の電磁ソレノイド5bへの電流値を増大させ、
コイルばね42の付勢力に抗する制動力(滑り摩擦)を
増大させるほど、カム軸110の回転位相が進角側に変
更されることになる。
に応じて決まるドラム41の回転遅れ量によってカム軸
110の回転位相がプーリ2(クランク軸)に対して変
わるものであり、前記電磁ブレーキによる制動力は、第
1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値をデューテ
ィ制御することで制御されるようになっており、前記デ
ューティ比を変化させることで、回転位相の変化量(進
角量)を連続的に制御できる。尚、電磁ブレーキの制御
量に相当するデューティ値(%)の増大に応じて、前記
第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値が増大す
るものとする。
装置の制御系を示すブロック図であり、前記第1の電磁
ソレノイド5b及び第2の電磁ソレノイド5aへの通電
を制御するマイクロコンピュータを内蔵するコントロー
ルユニット511には、エンジンの吸入空気量を検出す
るエアフローメータ512、クランク回転を検出するク
ランク角センサ513、エンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサ514、外気温度を検出する外気温度セン
サ515、カム回転を検出するカムセンサ516等から
の検出信号が入力される。
は、第1の電磁ソレノイド5bの通電をデューティ制御
してカム軸110の回転位相を変化させ、目標回転位相
に一致すると、第2の電磁ソレノイド5aへの通電を遮
断することで、被吸引部材46のギア463と、ドラム
41のギア413とを噛み合わせ、ドラム41をプーリ
2に対してそのときの位相状態で固定し、第1の電磁ソ
レノイド5bへの通電を遮断する。
ング装置の異常診断が以下のように実行される。図4、
図5は、異常診断実行許可条件の成否を判別する本発明
に係るルーチンのフローチャートである。図において、
ステップ1では、前記各センサにより検出される各種運
転条件を読み込む。
定範囲にあるか(NeL≦Ne≦NeH)を判定し、所定範囲に
あるときは、ステップ3へ進む。ステップ3では、エン
ジン冷却水温度(水温)Twが所定範囲にあるか(TwL≦T
w≦TwH)を判定し、所定範囲にあるときは、ステップ4
へ進む。ステップ4では、バッテリ電圧VBが所定範囲に
あるか(VBL≦VB≦VBH)を判定し、所定範囲にあるとき
は、ステップ5へ進む。
信号の断線、ショート診断における診断結果がOKであ
るかを判定し、OKのときはステップ6へ進む。ステッ
プ6では、目標角度VTCTRGが、ストッパによって
規制される基準位置、具体的には0(最大遅角位置)で
ないか否かを判定し、基準位置でないときは、ステップ
8へ進む。
Gの変化率TRGCHGを次式のように算出する。 TRGCHG=|VTCTRG−VTCTRGz| VTCTRGz:10ms前の目標角度VTCTRG ステップ8では、水温Twとエンジン回転速度Neとに
基づいて、目標角度変化率TRGCHGの診断許可条件
のしきい値となるリミット値VTRLIMを設定する。
れた目標角度VTCTRGの変化率TRGCHGの絶対
値が、前記リミット値VTRLIM以下であるかを判定
し、リミット値VTRLIM以下のときは、ステップ1
0へ進んで、タイマをカウントアップする。ステップ1
1では、前記タイマカウント値が、所定値CLERTI
Mに達したかを判定する。
ERTIMに達するまでは、ステップ13で異常診断の
実行を不許可とし、所定値CLERTIMに達したと
き、つまり、所定時間以上目標角度VTCTRGの変化
率TRGCHGの絶対値が、前記リミット値VTRLI
M以下に維持されたときは、ステップ12へ進んで、異
常診断の実行を許可する。
され、運転状態のわずかな変化で目標角度が変化した場
合でも、目標角度の変化率が所定時間以上、所定値以下
に維持されていれば、診断が許可され診断機会を確保で
きる。上記診断許可条件が成立したときは、異常診断を
実行する。図6は、異常診断ルーチンのフローチャート
である。
回転速度Neと負荷の代表値である基本燃料噴射量Tp
とに基づいて設定される目標角度VTCTRGを読み込
む。ステップ22では、前記カムセンサ516の信号に
基づいて、実角度(カム軸の実際の回転位相)VTCN
OWを読み込む。ステップ23では、目標角度VTCT
GRと実角度VTCNOWとの偏差ERROR(エラー
量)を次式のように算出する。
(OFAGB≦ERROR≦OFAGF)にあるか否か
を判定する。偏差ERRORが所定範囲内にあるとき
は、ステップ25で診断結果をOKとするが、所定範囲
から外れたときはステップ26でタイマをカウントアッ
プし、ステップ27で該カウント値が所定値CNGDL
Yに達したかを判定する。
に達したとき、つまり、偏差ERRORが所定範囲から
外れた状態が、所定時間以上となったときは、ステップ
28へ進んで診断結果をNG(異常あり)とする。な
お、電磁ブレーキ式の可変バルブタイミング制御装置と
して、上記のような第2の電磁ソレノイドによるロック
機構を備えず、常時電磁ブレーキを通電してデューティ
制御する構成のものもあり、本発明は、かかる構成のも
のにも適用できる。また、油圧式の可変バルブタイミン
グ制御装置にも適用できる。
の断面図。
の分解斜視図。
のブロック図。
否を判別する本発明に係るルーチンの前段を示すフロー
チャート。
否を判別する本発明に係るルーチンの後段を示すフロー
チャート。
チャート。
Claims (7)
- 【請求項1】クランク軸に対する回転位相を変化させる
構成のエンジンの可変バルブタイミング装置において、 前記回転位相の目標値の単位時間あたり変化量が所定の
リミット値以下である状態が、所定時間継続したことを
条件として、本装置の異常診断を行うことを特徴とする
可変バルブタイミング装置の診断装置。 - 【請求項2】前記所定のリミット値又は所定時間の少な
くとも一方が、エンジン温度に応じて可変に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の可変バルブタイミン
グ装置の診断装置。 - 【請求項3】前記所定のリミット値又は所定時間の少な
くとも一方が、エンジン回転速度に応じて可変に設定さ
れることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可
変バルブタイミング装置の診断装置。 - 【請求項4】エンジン運転状態および環境状態が所定条
件を満たしていることを、本装置の異常診断条件として
含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1
つに記載の可変バルブタイミング装置の診断装置。 - 【請求項5】前記目標値が、ストッパにより規制される
基準値でないことを、本装置の異常診断条件として含む
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに
記載の可変バルブタイミング装置の診断装置。 - 【請求項6】前記回転位相の目標値と実際値との偏差が
所定範囲から外れた状態が所定時間以上継続したときに
異常があると診断することを特徴とする請求項1〜請求
項5のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング装置
の診断装置。 - 【請求項7】電磁ブレーキによる摩擦制動により、クラ
ンク軸に対する回転位相を変化させる構成であることを
特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の
可変バルブタイミング装置の診断装置。
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