JP3874986B2 - エンジンの可変バルブタイミング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの可変バルブタイミング装置に関し、電磁ブレーキを用いてクランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させる構成の可変バルブタイミング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電磁ブレーキによる摩擦制動によりクランク軸に対するカム軸の回転遅延を制御することで、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させる構成のエンジンの可変バルブタイミング装置が知られている(特開平10−153104号公報参照)。
【0003】
前記可変バルブタイミング装置においては、例えば、目標の回転位相(目標の遅延角)とエンジン回転速度とから電磁ブレーキの基本制御量を演算する一方、目標の回転位相と実際の回転位相との偏差からフィードバック制御量を演算し、前記基本制御量及びフィードバック制御量から最終的な制御量(例えばデューティ制御量)を求めて、該制御量で電磁ブレーキを構成する電磁コイルに流れる電流を制御するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電磁ブレーキの制御量を増大してカム軸の回転位相を進角(遅角)させる進角(遅角)制御時と制御量を減少して回転位相を遅角(進角)する遅角(進角)制御時とでは、同一の目標回転位相に制御するのに必要な制御量が相違し、その結果、応答性が低下していた。
【0005】
これは、電磁ブレーキの制御量を増大して進角(遅角)制御するときは、カム軸の進角(遅角)方向の回転を妨げる方向に摩擦(電磁ブレーキによる制動摩擦とは異なる)が作用するため、その分制御量をより増大する必要があり、一方、電磁ブレーキの制御量を減少して遅角(進角)制御するときは、カム軸の遅角(進角)方向の回転を妨げる方向に摩擦が作用するため、その分制御量をより減少する必要があり、これら制御量の増減補正をフィードバック制御で賄っているため応答遅れを伴なうからである。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、カム軸の進遅角制御の方向の関わりなく、目標回転位相への収束応答性を、より高めたエンジンの可変バルブタイミング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、
電磁ブレーキによる摩擦制動力を可変に制御して、クランク軸に対するカム軸の回転位相を連続的に変化させる構成のエンジンの可変バルブタイミング装置において、
前記電磁ブレーキの制御量を、前記カム軸の回転位相に応じた基本的な制御量に加えて、前記摩擦制動力を増加させて回転位相を一方向に変化させるときは、該変化を抑制する方向に作用する摩擦に見合うように設定したヒステリシスに相当する量を増加させ、前記摩擦制動力を減少させて回転位相を他方向に変化させるときは、該変化を抑制する方向に作用する摩擦に見合うように設定したヒステリシスに相当する量を減少させて設定する構成とした。
【0008】
かかる構成によると、電磁ブレーキの制御量を大きくして摩擦制動力を増大させてカム軸を進角(遅角)制御するときには、制御量をより大きくする正のヒステリシス分を与え、電磁ブレーキの制御量を小さくして摩擦制動力を減少させてカム軸を遅角(進角)制御するときには、制御量をより小さくする負のヒステリシス分を与える。
【0009】
このように、カム軸の進遅角制御方向に応じて、正負のヒステリシスをフィードフォワード制御量として持たせることにより、目標回転位相への収束応答性が高められる。
【0010】
請求項2記載の発明では、前記ヒステリシスの大きさを、エンジン回転速度に応じて可変に設定する構成とした。
かかる構成によると、例えばエンジン回転速度が低いときほど大きなヒステリシスを与える。
【0011】
このようにすれば、エンジン回転速度が低いときは、エンジン温度が低かったり潤滑油供給量が少なかったりするなどにより、カム軸の進遅角回転動作時の粘性抵抗が大きくなるので、それに見合って大きなヒステリシスを与えることで、より適切な制御量が設定され、目標回転位相への収束応答性を、エンジン回転速度によらず高めることができる。
【0012】
請求項3記載の発明では、前記ヒステリシスの大きさを、前記ヒステリシスの大きさを、エンジン温度に応じて可変に設定する構成とした。
かかる構成によると、例えばエンジン温度が低いときほど大きなヒステリシスを与える。
【0013】
このようにすれば、エンジン温度が低いときは、カム軸の進遅角回転動作時の粘性抵抗が大きくなるので、それに見合って大きなヒステリシスを与えることで、より適切な制御量が設定され、目標回転位相への収束応答性を、エンジン温度によらず高めることができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、
前記ヒステリシスの大きさを、エンジン温度及び外気温度に応じて可変に設定する構成とした。
【0015】
かかる構成によると、エンジン温度に雰囲気温度である外気温度を加味してヒステリシスの大きさが設定される。
このようにすれば、カム軸の進遅角回転動作時の粘性抵抗を、より高精度に推定して、ヒステリシスの大きさをより適切に設定することができる。
【0016】
また、請求項5に係る発明は、
前記エンジン温度を、エンジン冷却水温度又はエンジン潤滑油温度とする構成とした。
【0017】
このようにすれば、エンジン冷却水温度を用いる場合は、エンジン制御用に装着されている水温センサで簡易にエンジン温度を検出することができ、また、エンジン潤滑油温度を用いる場合は、カム軸の進遅角回転動作時の粘性抵抗をより高精度に推定することができる。
【0018】
また、請求項6に係る発明は、
前記可変バルブタイミング装置は、電磁ブレーキの制御量を増大して摩擦制動力を増大したときに、カム軸がクランク軸に対して進角方向に制御され、電磁ブレーキの制御量を減少して摩擦制動力を減少したときに、カム軸がクランク軸に対して遅角方向に制御されるように構成され、前記カム軸の進角方向の制御時は制御量を増大させる正のヒステリシスを与え、前記カム軸の遅角方向の制御時は制御量を減少させる負のヒステリシスを与える構成とした。
【0019】
かかる構成によると、電磁ブレーキの制御量を増大することによりカム軸の進角制御を行ない、電磁ブレーキの制御量を減少することによりカム軸の遅角制御を行なうので、始動時や電磁ブレーキが非作動となるフェールセーフ時は、自動的にカム軸が所望の遅角側に制御される。
【0020】
そして、かかる構成の可変バルブタイミング装置に本発明を適用して、進角制御時に正のヒステリシスを与え、遅角制御時に負のヒステリシスを与えることで、目標回転位相への収束応答性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態における電磁ブレーキを用いる可変バルブタイミング装置の断面図であり、図2は、分解斜視図である。
【0022】
図1及び図2に示す可変バルブタイミング装置1において、シリンダヘッド120に対して回転可能に支持されるカム軸110の端部111の軸周に回転可能にプーリ(又はスプロケット)2が支承される。プーリ2はカム軸110に対して相対回転可能に支承され、エンジンのクランク軸の回転に連動して回転する。
【0023】
カム軸110の端部111の延長線上には、軸周にギヤが形成される伝達部材3がボルト31により固定され、プーリ2の回転が、以下に説明する伝達機構を介して伝達部材3に伝えられる。
【0024】
カム軸110と同軸に、フランジを有する筒状のドラム41が設けられ、このドラム41とプーリ2との間には、ドラム41の回転位相を遅らせる方向に付勢するコイルばね42が介装されている。即ち、プーリ2にはケース部材44が固定され、コイルばね42の外周側端部は、このケース部材44の内周面部分に固定され、コイルばね42の内周側端部は、ドラム41の外周面に固定されている。
【0025】
また、伝達部材3の軸周に形成されたギア32と、筒状のピストン部材43の内周に形成されたギア433とが、はすばギヤによるヘリカル機構により噛み合っている。
【0026】
ピストン部材43の外周面の対向する2箇所に、係合部431,431が突出形成されていて、プーリ2の回転中心部分からカム軸110の軸方向に延出している爪部材21,21の間に前記係合部431,431が係合している。この係合によりピストン部材43とプーリ2とは同位相で回転する。
【0027】
ピストン部材43の前記係合部431,431には、ピストン部材43の軸を中心とする雄ねじ432が各々形成され、ドラム41の内周面には雌ねじ411が形成されていて、この両者はねじ作用により噛み合っている。
【0028】
ドラム軸受部材45は、伝達部材3の外周とドラム41の内周との間に介装され、この両者の相対回転を軸受する。このドラム軸受部材45とドラム41の内周面との間には、爪受部材7aが介装されている。
【0029】
この爪受部材7aはドラム41の内周面に支持され、爪部材21,21の先端部の外周面側に形成されている段部22,22に当接して、カム軸110の径方向に爪部材21,21を係止している。
【0030】
被吸引部材46は、その回転中心部分に内歯の平ギヤ461が形成され、このギヤ461には、伝達部材3の先端部に形成されている平ギヤ33に噛み合っている。これにより、被吸引部材46は伝達部材3に対し、その軸方向に摺動可能に構成されると共に、被吸引部材46と伝達部材3とは同位相で回転する。
【0031】
ドラム41のフランジ部分412の側面にはギア413が形成され、被吸引部材46の一方の面462に形成されているギア463と対峙していて、この両ギアは噛み合うことで、ドラム41と被吸引部材46とが回転方向に係合するようにしてある。
【0032】
第1の電磁ソレノイド5bと第2の電磁ソレノイド5aは、カム軸110の軸芯線を囲むように、カム軸110の端部111に固定されている伝達部材3や、この伝達部材3を固定しているボルト31の外周面を囲むように軸受部材6を介して配置されている。
【0033】
すなわち、スペーサ部材47が、ボルト31の頭部311と伝達部材3の先端部との間に嵌合固定されていて、このスペーサ部材47の外周側には、第2の電磁ソレノイド5aがスペーサ部材47との間に軸受部材6を介して配置されている。さらに第2の電磁ソレノイド5aと被吸引部材46の外周側には、電磁ブレーキを構成する第1の電磁ソレノイド5bが配置されている。第2の電磁ソレノイド5aはボルト51aにより、ケース8に固定されている。
【0034】
次に作用について説明する。
カム軸110の回転位相を進角側に変更するためには、第1の電磁ソレノイド5bが発生する磁界によりピストン部材43をカム軸110の軸方向に移動することにより行う。
【0035】
すなわち、まず、第2の電磁ソレノイド5aの発生磁界により、被吸引部材46が吸引されて、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とが離れ、ドラム41がプーリ2に対して相対的に回転できるようにする。
【0036】
そして、第1の電磁ソレノイド5bの発生磁界により、ドラム41を吸引することで、ドラム41を第1の電磁ソレノイド5bの端面に押し付けて、摩擦制動を作用させる。これにより、ドラム41はコイルばね42の付勢力に抗してプーリ2に対して回転遅れを生じて相対回転し、ねじ411とねじ432とで噛み合っているピストン部材43はカム軸110の軸方向に移動する。ピストン部材43と伝達部材3とは前記のヘリカル機構により噛み合っているので、ピストン部材43の移動により、伝達部材3引いてはカム軸110の回転位相がプーリ2に対して進角側に変わることになる。従って、第1の電磁ソレノイド5bへの電流値を増大させ、コイルばね42の付勢力に抗する制動力(滑り摩擦)を増大させるほど、カム軸110の回転位相が進角側に変更されることになる。
【0037】
上記のように、電磁ブレーキによる制動力に応じて決まるドラム41の回転遅れ量によってカム軸110の回転位相がプーリ2(クランク軸)に対して変わるものであり、前記電磁ブレーキによる制動力は、第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値をデューティ制御することで制御されるようになっており、前記デューティ比を変化させることで、回転位相の変化量(進角量)を連続的に制御できる。尚、電磁ブレーキの制御量に相当するデューティ値(%)の増大に応じて、前記第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値が増大するものとする。
【0038】
図3は、上記構成の可変バルブタイミング装置の制御系を示すブロック図であり、前記第1の電磁ソレノイド5b及び第2の電磁ソレノイド5aへの通電を制御するマイクロコンピュータを内蔵するコントロールユニット511には、エンジンの吸入空気量を検出するエアフローメータ512、クランク回転を検出するクランク角センサ513、エンジンの冷却水温度を検出する水温センサ514、外気温度を検出する外気温度センサ515、カム回転を検出するカムセンサ516等からの検出信号が入力される。
【0039】
そして、前記コントロールユニット511は、図4のフローチャートに示すようにして、第1の電磁ソレノイド5bの通電をデューティ制御してカム軸110の回転位相を変化させ、目標回転位相に一致すると、第2の電磁ソレノイド5aへの通電を遮断することで、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とを噛み合わせ、ドラム41をプーリ2に対してそのときの位相状態で固定し、第1の電磁ソレノイド5bへの通電を遮断する。
【0040】
図4のフローチャートにおいて、ステップS1では、吸入空気量、エンジン回転速度などのエンジン運転条件を読み込む。
尚、エンジン回転速度は、前記クランク角センサ513からの検出信号に基づいて算出される。
【0041】
ステップS2では、吸入空気量(エンジン負荷)及びエンジン回転速度に基づいて目標の回転位相(目標角度)を決定する。
ステップS3では、前記クランク角センサ513及びカムセンサ515からの検出信号に基づいて実際の回転位相を検出する。
【0042】
ステップS4では、前記実際の回転位相と、目標回転位相との偏差の絶対値が所定値以下であるか否かを判別する。
そして、前記偏差の絶対値が所定値以下である場合には、ステップS5へ進み、予め回転位相とエンジン回転速度に応じて第2の電磁ソレノイド5aの通電を制御する基本デューティ値(基本制御量)を記憶した基本デューティマップを参照し、実際の回転位相及びそのときのエンジン回転速度に対応するデューティ値(現在位相相当デューティ値)を検索し、これを基本デューティ値とする。
【0043】
一方、前記偏差の絶対値が所定値を超える場合には、ステップS6へ進み、前記基本デューティマップから、実際の回転位相及びそのときのエンジン回転速度に対応するデューティ値(現在位相相当デューティ値)を検索すると共に、前記基本デューティマップから、目標の回転位相及びそのときのエンジン回転速度に対応するデューティ値(目標位相相当デューティ値)を検索する。
【0044】
そして、基本デューティ値を、以下のようにして算出する。
基本デューティ値=現在位相相当デューティ値+k×(目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値)
尚、上式において、係数kは、|k|≦1.0の定数である。
【0045】
即ち、現在位相相当デューティ値を基本として、目標の回転位相への変更は、後述するフィードバック制御で行うが、例えば制動力(滑り摩擦)を増大させる進角制御においては、回転位相の変更量に略比例する温度上昇を生じ、該温度上昇に対応して摩擦係数が低下し、目標回転位相を得るのに必要となるデューティ値(制動力)が大きくなる。
【0046】
そこで、本実施の形態では、温度上昇量に相関する回転位相の変更量に相当する「目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値」に応じて進角時に基本デューティを増大補正することで、温度上昇分に対応するデューティをフィードフォワード分として付加して目標への収束性を確保するようにしてある。
【0047】
また、制動力(滑り摩擦)を減少させる遅角制御においては、回転位相の変更量に略比例する温度低下を生じ、該温度低下に対応して摩擦係数が増大し、目標回転位相を得るのに必要となるデューティ値が小さくなるので、「目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値」に応じて基本デューティを減少補正することで、温度低下分に対応するデューティをフィードフォワード分として減算して目標への収束性を確保するようにしてある。
【0048】
本実施形態では、制動力を増大させる進角時に「目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値」がプラスの値になり、デューティ値を増大させることで制動力が大きくなるので、0<k≦1.0(例えば0.9)とすることで、温度上昇に見合う制動力の増大補正がなされることになり、逆に、遅角制御時には、温度低下に見合う制動力の減少補正がなされることになる。
【0049】
尚、上記k×(目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値)なる温度補正項は、回転位相の変更に伴う温度変化分に対応するものであるが、電磁ブレーキのベース温度によっても目標回転位相を得るのに必要となるデューティ値が変化する。
【0050】
そこで、電磁ブレーキのベース温度を、エンジン温度を代表する冷却水温度から推定し、更に、外気温度に応じて推定温度を補正し、該推定した電磁ブレーキのベース温度に応じて前記係数kを変更する構成としても良い。
【0051】
また、前記推定した電磁ブレーキの温度に応じてベース温度補正デューティを求め、
基本デューティ値=現在位相相当デューティ値+k(目標位相相当デューティ値−現在位相相当デューティ値)+ベース温度補正デューティ
として、基本デューティ値を演算させるようにしても良い。
【0052】
尚、エンジン温度を代表する温度として冷却水温度の代わりに、潤滑油の温度を用いる構成としても良い。
ステップS7では、進角制御時か遅角制御時かを判別する。
【0053】
そして進角制御時と判定されたときは、ステップS8へ進んでエンジン回転速度に基づいて、テーブルから正のヒスデューティ値を演算する。ここで、該テーブルは、図5(A)に示すように、エンジン回転速度が低いときほど、一般にエンジン温度が低く、かつ潤滑油供給量が減少して、カム軸の進遅角方向回転の粘性抵抗が大きくなるので、それに見合って大きなヒスデューティ値となるように設定されている。
【0054】
また、ステップS7で遅角制御時と判定されたときは、ステップS9へ進んでエンジン回転速度に基づいて、図5(B)に示すテーブルから、負のヒスデューティ値を演算する。該テーブルも上記の理由により、エンジン回転速度が低いときほど、絶対値が大きなヒスデューティ値となるように設定されている。
【0055】
また、ステップS10では、フィードバックデューティ値をPID(比例・積分・微分)動作により演算させる。具体的には、偏差の絶対値が所定値1(比例分不感帯幅)以下となったら比例分を付加せず、また、偏差の絶対値が所定値2(微分分不感帯幅)以下となったら微分分を付加せず、更に、偏差の絶対値が所定値3(積分分不感帯幅)以下となったら、所定値3になる前の積分分の値にクランプさせる処理を行う。
【0056】
尚、前記所定値1,2,3は、ステップS4で偏差と比較させる所定値とは異なる値である。
ステップS11では、前記基本デューティ値、フィードバックデューティ値、ヒスデューティ値を加算して、最終的なデューティ値を算出し、次のステップS12で前記デューティ値に基づき第1の電磁ソレノイド5bへの通電を制御する。
【0057】
また、第2の実施の形態として、前記図4のステップS8,S9において、エンジン回転速度の代わりに、エンジン温度(エンジン冷却水温度又はエンジン潤滑油温度)に基づいてテーブル検索等によりヒスデューティ値を可変に設定するようにしてもよい。図6は、前記エンジン温度に対するヒスデューティ値のテーブルを示す。図示のように、エンジン温度が低いときほど、カム軸の進遅角方向回転の粘性抵抗が大きくなるので、それに見合って大きなヒスデューティ値となるように設定されている。
【0058】
また、第3の実施の形態として、エンジン温度(エンジン冷却水温度又はエンジン潤滑油温度)に外気温度を加味してヒスデューティ値を設定するようにしてもよい。具体的には、上記図6のテーブルからエンジン温度に基づいて検索したヒスデューティ値に、図7に示したテーブルから外気温度に基づいて検索した補正係数kを乗じた値をヒスデューティ値として設定する。該補正係数kは、外気温度が常温のときを1.0とし、常温より低いときは1.0より大きく、常温より高いときは1.0より小さく設定してある。このようにすれば、カム軸の進遅角回転動作時の粘性抵抗を、より高精度に推定して、ヒステリシスの大きさをより適切に設定することができる。
【0059】
尚、可変バルブタイミング装置は、電磁ブレーキによる摩擦制動(滑り摩擦)によりクランク軸に対するカム軸の回転遅延を制御することで、クランク軸に対するカム軸の回転位相を変化させる構成であれば良く、図1及び図2に示した構成のものに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における可変バルブタイミング装置の断面図。
【図2】実施の形態における可変バルブタイミング装置の分解斜視図。
【図3】実施の形態における可変バルブタイミング装置のブロック図。
【図4】実施の形態における位相制御を示すフローチャート。
【図5】第1の実施の形態におけるエンジン回転速度Neと制御量のヒステリシス分との関係を示す線図。
【図6】第2の実施の形態におけるエンジン温度と制御量のヒステリシス分との関係を示す線図。
【図7】第3の実施の形態における外気温度と上記ヒステリシス分の補正係数との関係を示す線図。
【符号の説明】
1…可変バルブタイミング装置
2…プーリ
3…伝達部材
5a…第2の電磁ソレノイド
5b…第1の電磁ソレノイド
41…ドラム
42…コイルバネ
43…ピストン部材
46…被吸引部材
110…カム軸
120…シリンダヘッド
511…コントロールユニット
512…エアフローメータ
513…クランク角センサ
514…水温センサ
515…外気温度センサ
516…カムセンサ
Claims (6)
- 電磁ブレーキによる摩擦制動力を可変に制御して、クランク軸に対するカム軸の回転位相を連続的に変化させる構成のエンジンの可変バルブタイミング装置において、
前記電磁ブレーキの制御量を、前記カム軸の回転位相に応じた基本的な制御量に加えて、前記摩擦制動力を増加させて回転位相を一方向に変化させるときは、該変化を抑制する方向に作用する摩擦に見合うように設定したヒステリシスに相当する量を増加させ、前記摩擦制動力を減少させて回転位相を他方向に変化させるときは、該変化を抑制する方向に作用する摩擦に見合うように設定したヒステリシスに相当する量を減少させて設定することを特徴とするエンジンの可変バルブタイミング装置。 - 前記ヒステリシスの大きさを、エンジン回転速度に応じて可変に設定することを特徴とする請求項1記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
- 前記ヒステリシスの大きさを、エンジン温度に応じて可変に設定することを特徴とする請求項1記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
- 前記ヒステリシスの大きさを、エンジン温度及び外気温度に応じて可変に設定することを特徴とする請求項1記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
- 前記エンジン温度は、エンジン冷却水温度又はエンジン潤滑油温度であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
- 前記可変バルブタイミング装置は、電磁ブレーキの制御量を増大して摩擦制動力を増大したときに、カム軸がクランク軸に対して進角方向に制御され、電磁ブレーキの制御量を減少して摩擦制動力を減少したときに、カム軸がクランク軸に対して遅角方向に制御されるように構成され、前記カム軸の進角方向の制御時は制御量を増大させる正のヒステリシスを与え、前記カム軸の遅角方向の制御時は制御量を減少させる負のヒステリシスを与えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
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