JP3996336B2 - エンジンの可変バルブタイミング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの可変バルブタイミング装置に関し、電磁ブレーキを用いてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成の可変バルブタイミング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電磁ブレーキによる摩擦制動によりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅延を制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成のエンジンの可変バルブタイミング装置が知られている(特開平10−153104号公報参照)。
【0003】
前記可変バルブタイミング装置においては、電磁ブレーキの制御量を、例えば、目標の回転位相に対応する基本制御量と、目標の回転位相(目標の遅延角)と実際の回転位相との偏差に応じたフィードバック制御量とから決定し、該制御量で電磁ブレーキを構成する電磁コイルに流れる電流を制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記可変バルブタイミング装置においては、部品の製造公差等によってフリクションが大きい場合に、図9に示すように、制御量を増大又は減少制御しても当初回転位相が変化せず、ある値を超えてから回転位相が変化し始めるヒステリシス特性を示す場合があり、係るヒステリシス特性を有する場合には、前記基本制御量及びフィードバック制御量に基づく制御では、大きな応答遅れを生じる。
【0005】
そこで、本出願人は、前記電磁ブレーキの制御量に、予め定められたヒステリシス量を制御の方向に応じて付加する構成とすることで、前記応答遅れの解消を図ったが、前記ヒステリシス特性は、部品毎に異なると共に、温度条件で変化するために、予め定められたヒステリシス量に基づく制御量の補正では、応答遅れを充分に解消できなかったり、逆に、過剰な補正によってオーバーシュートが生じてしまうことがあるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、部品ばらつき又は温度条件のばらつきがあっても、実際のヒステリシス特性に対応する補正を高精度に施すことができるようにして、応答遅れ及びオーバーシュートを発生させることなく目標の回転位相に収束させることができるエンジンの可変バルブタイミング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、電磁ブレーキの制御量と回転位相との相関におけるヒステリシス量を学習し、該学習したヒステリシス量を、目標の回転位相に応じて設定される前記制御量に付加して回転位相を制御すると共に、前記ヒステリシス量の学習において、目標の回転位相付近に収束している状態から前記制御量を強制的に漸減又は漸増させ、前記回転位相が所定以上変化するまでの前記制御量の増大又は減少変化量に基づいて前記ヒステリシス量を学習させる構成とし、かつ、前記電磁ブレーキの摩擦制動力を増大させて目標の回転位相付近に収束したときには、前記摩擦制動力を減少変化させる方向に前記制御量を強制的に変化させ、前記摩擦制動力を減少させて目標の回転位相付近に収束したときには、前記摩擦制動力を増大変化させる方向に前記制御量を強制的に変化させて、前記ヒステリシス量を学習させる構成とした。
【0010】
かかる構成によると、電磁ブレーキによる摩擦制動力を増大変化させることで目標の回転位相に収束したときには、逆方向である電磁ブレーキによる摩擦制動力を減少変化させる方向に制御量を強制的に変化させてヒステリシス量を学習させ、電磁ブレーキによる摩擦制動力の減少変化させることで目標の回転位相に収束したときには、電磁ブレーキによる摩擦制動力を増大変化させる方向に制御量を強制的に変化させてヒステリシス量を学習させる。
【0011】
請求項記載の発明では、ヒステリシス量をエンジンの温度毎に学習する構成とした。かかる構成によると、エンジンの温度毎に異なるヒステリシス特定に対応して、エンジンの温度毎にヒステリシス量が学習され、そのときのエンジン温度に対応するヒステリシス量で制御量が補正される。
【0012】
尚、エンジンの温度は、エンジンの冷却水温度や油温で代表される。
【0013】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、実際のヒステリシス量を学習して電磁ブレーキの制御に反映させるので、部品ばらつき等によってヒステリシス特性が異なっても、実際のヒステリシス特性に対応する制御が行え、応答遅れの発生及びオーバーシュートの発生を回避して、目標の回転位相に対する高い収束性が得られると共に、目標に収束するまでの履歴に応じてヒステリシスを求める制御方向を決定するので、ヒステリシス量を的確に学習させることができるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の発明によると、温度条件によるヒステリシス量の変化に対応でき、温度条件に関わらずに応答遅れの発生及びオーバーシュートの発生を回避できるという効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態におけるエンジンのシステム構成図である。
この図1において、車両に搭載されるエンジン101の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ102,吸気通路103,モータ104aで開閉駆動される電子制御式スロットル弁104を介して空気が吸入される。
【0017】
各気筒の燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射する電磁式の燃料噴射弁105が設けられており、該燃料噴射弁105から噴射される燃料と吸入空気とによって燃焼室内に混合気が形成される。
燃料噴射弁105は、コントロールユニット131から出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射する。そして、噴射された燃料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓106回りに集中的に層状の混合気を形成する。燃焼室内に形成される混合気は、点火栓106により着火燃焼する。
【0018】
但し、エンジン101を上記の直接噴射式ガソリンエンジンに限定するものではなく、吸気ポートに燃料を噴射する構成のエンジンであっても良い。
エンジン101からの排気は排気通路107より排出され、該排気通路107には排気浄化用の触媒108が介装されている。
また、吸気バルブ109を駆動する吸気側カムシャフト110には、電磁ブレーキによる摩擦制動によりクランクシャフト112に対するカムシャフト110の回転遅延を制御することで、クランクシャフト112に対するカムシャフト110の回転位相を変化させ、作動角一定のまま吸気バルブ109のバルブタイミングを変更する可変バルブタイミング装置115が備えられている。
【0019】
尚、可変バルブタイミング装置115は、排気側カムシャフトに備えられる構成であっても良いし、また、排気側カムシャフトと吸気側カムシャフトの双方に備えられる構成であっても良いし、更に、シングルカムに適用される構成であっても良い。
コントロールユニット131は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイコンを備え、各種センサからの入力信号を受け、これらに基づいて演算処理して、燃料噴射弁105,点火栓106及び前記可変バルブタイミング装置115を制御する。
【0020】
前記各種センサとして、エンジン101のクランク角を検出するクランク角センサ121、カムシャフト110から気筒判別信号を取り出すカムセンサ122が設けられており、前記クランク角センサ121からの信号に基づきエンジン101の回転速度Neが算出される。
この他、吸気通路103のスロットル弁104上流側で吸入空気流量Q(質量流量)を検出するエアフローメータ123、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)APSを検出するアクセルセンサ124、スロットル弁104の開度TVOを検出するスロットルセンサ125、エンジン101の冷却水温Twを検出する水温センサ126、排気中の酸素濃度に応じて燃焼混合気の空燃比を検出する空燃比センサ127、車速VSPを検出する車速センサ128などが設けられている。
【0021】
ここで、前記可変バルブタイミング装置115の構造を、図2,3に基づいて説明する。
図2,3において、シリンダヘッド120に対して回転可能に支持されるカムシャフト110の端部111の軸周に回転可能にプーリ(又はスプロケット)2が支承される。プーリ2はカムシャフト110に対して相対回転可能に支承され、エンジン101のクランクシャフト112の回転に連動して回転する。
【0022】
カムシャフト110の端部111の延長線上には、軸周にギヤが形成される伝達部材3がボルト31により固定され、プーリ2の回転が、以下に説明する伝達機構を介して伝達部材3に伝えられる。
カムシャフト110と同軸に、フランジを有する筒状のドラム41が設けられ、このドラム41とプーリ2との間には、ドラム41の回転位相を遅らせる方向に付勢するコイルばね42が介装されている。即ち、プーリ2にはケース部材44が固定され、コイルばね42の外周側端部は、このケース部材44の内周面部分に固定され、コイルばね42の内周側端部は、ドラム41の外周面に固定されている。
【0023】
また、伝達部材3の軸周に形成されたギア32と、筒状のピストン部材43の内周に形成されたギア433とが、はす歯ギヤによるヘリカル機構により噛み合っている。
ピストン部材43の外周面の対向する2箇所に、係合部431,431が突出形成されていて、プーリ2の回転中心部分からカムシャフト110の軸方向に延出している爪部材21,21の間に前記係合部431,431が係合している。この係合によりピストン部材43とプーリ2とは同位相で回転する。
【0024】
ピストン部材43の前記係合部431,431には、ピストン部材43の軸を中心とする雄ねじ432が各々形成され、ドラム41の内周面には雌ねじ411が形成されていて、この両者はねじ作用により噛み合っている。
ドラム軸受部材45は、伝達部材3の外周とドラム41の内周との間に介装され、この両者の相対回転を軸受する。このドラム軸受部材45とドラム41の内周面との間には、爪受部材7aが介装されている。
【0025】
この爪受部材7aはドラム41の内周面に支持され、爪部材21,21の先端部の外周面側に形成されている段部22,22に当接して、カムシャフト110の径方向に爪部材21,21を係止している。
被吸引部材46は、その回転中心部分に内歯の平ギヤ461が形成され、このギヤ461には、伝達部材3の先端部に形成されている平ギヤ33に噛み合っている。
【0026】
これにより、被吸引部材46は伝達部材3に対し、その軸方向に摺動可能に構成されると共に、被吸引部材46と伝達部材3とは同位相で回転する。
ドラム41のフランジ部分412の側面にはギア413が形成され、被吸引部材46の一方の面462に形成されているギア463と対峙していて、この両ギアは噛み合うことで、ドラム41と被吸引部材46とが回転方向に係合するようにしてある。
【0027】
第1の電磁ソレノイド5bと第2の電磁ソレノイド5aは、カムシャフト110の軸芯線を囲むように、カムシャフト110の端部111に固定されている伝達部材3や、この伝達部材3を固定しているボルト31の外周面を囲むように軸受部材6を介して配置されている。
すなわち、スペーサ部材47が、ボルト31の頭部311と伝達部材3の先端部との間に嵌合固定されていて、このスペーサ部材47の外周側には、第2の電磁ソレノイド5aがスペーサ部材47との間に軸受部材6を介して配置されている。
【0028】
さらに、第2の電磁ソレノイド5aと被吸引部材46の外周側には、電磁ブレーキを構成する第1の電磁ソレノイド5bが配置されている。第2の電磁ソレノイド5aはボルト51aにより、ケース8に固定されている。
次に作用について説明する。
カムシャフト110の回転位相を進角側に変更するためには、第1の電磁ソレノイド5bが発生する磁界によりピストン部材43をカムシャフト110の軸方向に移動することにより行う。
【0029】
すなわち、まず、第2の電磁ソレノイド5aの発生磁界により、被吸引部材46が吸引されて、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とが離れ、ドラム41がプーリ2に対して相対的に回転できるようにする。
そして、第1の電磁ソレノイド5bの発生磁界により、ドラム41を吸引することで、ドラム41を第1の電磁ソレノイド5bの端面に押し付けて、摩擦制動を作用させる。
【0030】
これにより、ドラム41はコイルばね42の付勢力に抗してプーリ2に対して回転遅れを生じて相対回転し、ねじ411とねじ432とで噛み合っているピストン部材43はカムシャフト110の軸方向に移動する。
ピストン部材43と伝達部材3とは前記のヘリカル機構により噛み合っているので、ピストン部材43の移動により、伝達部材3引いてはカムシャフト110の回転位相がプーリ2に対して進角側に変わることになる。
【0031】
従って、第1の電磁ソレノイド5bへの電流値を増大させ、コイルばね42の付勢力に抗する制動力(滑り摩擦)を増大させるほど、カムシャフト110の回転位相が進角側に変更されることになる。
上記のように、電磁ブレーキによる制動力に応じて決まるドラム41の回転遅れ量によってカムシャフト110の回転位相がプーリ2(クランクシャフト112)に対して変わるものであり、前記電磁ブレーキによる制動力は、第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値をデューティ制御することで制御されるようになっており、前記デューティ比を変化させることで、回転位相の変化量(進角量)を連続的に制御できる。
【0032】
尚、本実施形態では、電磁ブレーキの制御量に相当するデューティ値(%)の増大に応じて、前記第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値が増大し、該電流値の増大に応じてカムシャフト110の回転位相が進角方向に変化するものとする。
前記コントロールユニット131は、図4のフローチャートに示すように、第1の電磁ソレノイド5bの通電をデューティ制御してカムシャフト110の回転位相を変化させ、目標回転位相に一致すると、第2の電磁ソレノイド5aへの通電を遮断することで、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とを噛み合わせ、ドラム41をプーリ2に対してそのときの位相状態で固定し、第1の電磁ソレノイド5bへの通電を遮断する。
【0033】
図4のフローチャートにおいて、ステップS1では、吸入空気量,エンジン回転速度などのエンジン運転条件を読み込む。
ステップS2では、吸入空気量(エンジン負荷)及びエンジン回転速度に基づいて目標の回転位相(目標角度)を決定する。
ステップS3では、前記クランク角センサ121及びカムセンサ122からの検出信号に基づいて実際の回転位相を検出する。
【0034】
ステップS4では、予め回転位相に応じて第2の電磁ソレノイド5aの通電を制御する基本デューティ値(基本制御量)を記憶した基本デューティテーブルを参照し、そのときの目標回転位相に対応する基本デューティ値を検索する。
ステップS5では、実際の回転位相と目標の回転位相との偏差に応じて、フィードバックデューティ値を、例えばPID(比例・積分・微分)動作により演算させる。
【0035】
尚、上記のフィードバック制御においては、偏差の絶対値が所定値以下の領域を不感帯として、フィードバックデューティ値を演算させることが好ましい。
また、PID(比例・積分・微分)動作に限定するものではなく、例えばスライディングモード制御などを用いる構成であっても良い。
ステップS6では、後述するように、エンジン温度を代表する冷却水温度Tw毎に学習される進角時ヒステリシス量及び遅角時ヒステリシス量から、そのときの制御方向(目標の回転位相と実際の回転位相との大小関係)及び水温に対応するヒステリシス量を検索する。
【0036】
尚、前記進角時ヒステリシス量はプラスの値であり、また、遅角時ヒステリシス量はマイナスの値である。
そして、ステップS7では、前記基本デューティ値,フィードバックデューティ値及びヒステリシス量を加算して、最終的なデューティ値を算出し、次のステップS8では、前記デューティ値に基づき第1の電磁ソレノイド5bへの通電を制御する。
【0037】
次に、前記進角時ヒステリシス量及び遅角時ヒステリシス量の学習の様子を、図5〜図7のフローチャートに従って説明する。
図5のフローチャートにおいて、ステップS11では、目標の回転位相(目標角度)の変化後に、実際の回転位相と目標との偏差の絶対値が所定値a以内になったか否かを判別する。
【0038】
そして、偏差の絶対値が所定値a以内になると、ステップS12へ進む。ステップS12では、そのときの実際の回転位相を記憶する。ステップS13では、前記偏差の絶対値が、前記所定値aよりも小さい所定値b以内になったか否かを判別する。偏差の絶対値が所定値b以内になると、ステップS14へ進み、偏差の絶対値が所定値b以内である状態が、所定時間c以上継続しているか否かを判別する。
【0039】
偏差の絶対値が所定値b以内である状態が所定時間c以上継続すると、ステップS15へ進み、ステップS12で記憶した実際の回転位相と、現在の実際の回転位相とを比較することで、目標の回転位相に遅角制御されて近づいたか、進角制御されて近づいたか、即ち、目標の回転位相付近に収束するまでの回転位相変化の履歴を判別する。
【0040】
尚、目標の回転位相に遅角制御されて近づいたと判断されるパターンとしては、目標の回転位相の遅角側への変化に対して、実際の回転位相が徐々に遅角側に変化する場合と(図8に示すP1のパターン)、目標の回転位相の進角側への変化に対して実際の回転位相がオーバーシュートして、実際の回転位相が目標の回転位相を超えて進角されたために、遅角側に戻すフィードバック制御が行われた場合(図8に示すP2のパターン)を含む。
【0041】
同様に、目標の回転位相に進角制御されて近づいたと判断されるパターンとしては、目標の回転位相の進角側への変化に対して、実際の回転位相が徐々に進角側に変化する場合と(図8に示すP3のパターン)、目標の回転位相の遅角側への変化に対して実際の回転位相がオーバーシュートして、実際の回転位相が目標の回転位相を超えて遅角されたために、進角側に戻すフィードバック制御が行われた場合(図8に示すP4のパターン)を含む。
【0042】
ステップS15で、目標の回転位相に遅角制御されて近づいたと判断されたときには、図9に示すヒステリシス特性上で、D点→A点の動作を行ったものと判断し、ステップS16へ進んで、デューティ値(制御量)を増大させて回転位相を進角変化させるとき(図9に示すA点→B点)のヒステリシス量を学習させ、該進角側の学習が終了すると、ステップS17へ進んでデューティ値(制御量)を減少させて回転位相を遅角変化させるとき(図9に示すC点→D点)のヒステリシス量を学習させる。
【0043】
一方、ステップS15で、目標の回転位相に進角制御されて近づいたと判断されたときには、図9に示すヒステリシス特性上で、B点→C点の動作を行ったものと判断し、ステップS18へ進んで、デューティ値(制御量)を減少させて回転位相を遅角変化させるとき(図9に示すC点→D点)のヒステリシス量を学習させ、該遅角側の学習が終了すると、ステップS19へ進んでデューティ値(制御量)を増大させて回転位相を進角変化させるとき(図9に示すA点→B点)のヒステリシス量を学習させる。
【0044】
前記ステップS16及びステップS19における進角側のヒステリシス学習は、図6のフローチャートに従って行われる。
ステップS21では、それまでの遅角制御に対応して付加されていたマイナスのヒステリシス量分だけ、フィードバックデューティ値の積分分を減少変化させると共に、ヒステリシス量を零として、最終的なデューティ値としては図9のA点のデューティ値のまま変化がないが、見掛け上ヒステリシス量が付加されない状態(ヒステリシス量=0)とする初期化を行う。
【0045】
ステップS22では、上記のようにして0に初期化されたヒステリシス量を、予め記憶された所定値ΔDutyずつ増大させる処理を行い、該増大制御されたヒステリシス量に基づいて最終的なデューティ値が演算されるようにする。
ステップS23では、前記ヒステリシス量によって増えたデューティ値による制御で、回転位相の進角変化が検出されたか否かを判別する。
【0046】
ここで、回転位相の所定以上の進角変化が検出されるようになるまで、即ち、デューティ値の増大変化に対して回転位相が変化しない状態では、ステップS22に戻って、再度ヒステリシス量を所定値ΔDutyだけ増大させる。
ヒステリシス量が、図9に示すA点→B点間のデューティ値変化に相当する値になると、実際の回転位相が進角側に変化し始めることになり、回転位相が所定以上に進角変化したことが検出されると、ステップS24へ進んでそのときのヒステリシス量に基づいて新たな進角側ヒステリシスを演算し、そのときの冷却水温度Twに対応させて記憶させ、同じ温度条件のときに記憶しておいた進角側ヒステリシス量が用いられるようにする。
【0047】
一方、前記ステップS17及びステップS18における遅角側のヒステリシス学習は、図7のフローチャートに従って行われる。
ステップS31では、それまでの進角制御に対応して付加されていたプラスのヒステリシス量分だけ、フィードバックデューティ値の積分分を増大変化させると共に、ヒステリシス量を零として、最終的なデューティ値としては図9のC点のデューティ値のまま変化がないが、見掛け上ヒステリシス量が付加されない状態(ヒステリシス量=0)とする初期化を行う。
【0048】
ステップS32では、上記のようにして0に初期化されたヒステリシス量を、予め記憶された所定値ΔDutyずつ減少させる処理を行い、該減少制御されたヒステリシス量に基づいて最終的なデューティ値が演算されるようにする。
ステップS33では、前記ヒステリシス量によって減ったデューティ値による制御で、回転位相の遅角変化が検出されたか否かを判別する。
【0049】
ここで、回転位相の所定以上の遅角変化が検出されるようになるまで、即ち、デューティ値の減少変化に対して回転位相が変化しない状態では、ステップS32に戻って、再度ヒステリシス量を所定値ΔDutyだけ減少させる。
ヒステリシス量が、図9に示すC点→D点間のデューティ値変化に相当する値になると、実際の回転位相が遅角側に変化し始めることになり、回転位相が所定以上に遅角変化したことが検出されると、ステップS34へ進んでそのときのヒステリシス量に基づいて遅角側ヒステリシスを学習し、そのときの冷却水温度Twに対応させて記憶する。
【0050】
上記のように、水温毎に学習される進角側及び遅角側ヒステリシス量は、前記ステップS6において検索され、そのときの水温に対応して学習されているヒステリシス量のうち、そのときの制御方向に対応するヒステリシス量が用いられる。
上記のようにして実際のヒステリシス量を計測して、制御量(デューティ値)の演算に用いるヒステリシス量を学習させる構成とすれば、部品ばらつきによるヒステリシス特性の違いや経時変化に対応して、適正なヒステリシス量を制御量に付加することができ、応答遅れ及びオーバーシュートを発生させることなく、目標の回転位相に収束させることができる。
【0051】
更に、水温毎にヒステリシス量を学習させる構成とすれば、エンジン温度の違いによるヒステリシス特性に違いに対応でき、温度条件が変化しても適正なヒステリシス量によって、回転位相を目標に収束させることができる
尚、上記実施の形態では、水温毎にヒステリシス量を学習させる構成としたが、エンジン温度を代表するパラメータとして油温(エンジン潤滑油の温度)を検出させ、油温毎にヒステリシス量を学習させる構成としても良いし、温度条件を省略して学習させても良い。
【0052】
また、可変バルブタイミング装置は、電磁ブレーキによる摩擦制動(滑り摩擦)によりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅延を制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成であれば良く、図2及び図3に示した構成のものに限定されない。
また、ヒステリシス量の学習は、1トリップ中に、該当した水温条件それぞれで1回だけ行わせれば良いが、一定周期毎に実行させる構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるエンジンのシステム構成図。
【図2】実施の形態における可変バルブタイミング装置の断面図。
【図3】実施の形態における可変バルブタイミング装置の分解斜視図。
【図4】実施の形態における可変バルブタイミング装置の制御を示すフローチャート。
【図5】実施の形態におけるヒステリシス量学習のメインルーチンを示すフローチャート。
【図6】実施の形態における進角側ヒステリシス量の学習サブルーチンを示すフローチャート。
【図7】実施の形態における遅角側ヒステリシス量の学習サブルーチンを示すフローチャート。
【図8】実施の形態における可変バルブタイミング装置の動作例を示すタイムチャート。
【図9】実施の形態における可変バルブタイミング装置のヒステリシス特性を示す線図。
【符号の説明】
2…プーリ
3…伝達部材
5a…第2の電磁ソレノイド
5b…第1の電磁ソレノイド
41…ドラム
42…コイルバネ
43…ピストン部材
46…被吸引部材
110…カムシャフト
101…エンジン
103…吸気通路
104…スロットル弁
105…燃料噴射弁
115…可変バルブタイミング装置
120…シリンダヘッド
121…クランク角センサ
122…カムセンサ
123…エアフローメータ
126…水温センサ
127…空燃比センサ
131…コントロールユニット

Claims (2)

  1. 電磁ブレーキによる摩擦制動によりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅延を制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を目標に制御するエンジンの可変バルブタイミング装置において、
    前記電磁ブレーキの制御量と回転位相との相関におけるヒステリシス量を学習し、該学習したヒステリシス量を、目標の回転位相に応じて設定される前記制御量に付加して回転位相を制御すると共に、
    前記ヒステリシス量の学習において、目標の回転位相付近に収束している状態から前記制御量を強制的に漸減又は漸増させ、前記回転位相が所定以上変化するまでの前記制御量の増大又は減少変化量に基づいて前記ヒステリシス量を学習させる構成とし、かつ、前記電磁ブレーキの摩擦制動力を増大させて目標の回転位相付近に収束したときには、前記摩擦制動力を減少変化させる方向に前記制御量を強制的に変化させ、前記摩擦制動力を減少させて目標の回転位相付近に収束したときには、前記摩擦制動力を増大変化させる方向に前記制御量を強制的に変化させて、前記ヒステリシス量を学習させることを特徴とするエンジンの可変バルブタイミング装置。
  2. 前記ヒステリシス量をエンジンの温度毎に学習することを特徴とする請求項記載のエンジンの可変バルブタイミング装置。
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