JP3982988B2 - 電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置 - Google Patents

電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置に関し、詳しくは、電磁ブレーキを用いてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電磁ブレーキの摩擦制動によりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅延を制御することで、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成のエンジンの電磁式可変バルブタイミング装置が知られている(特開平10−153104号公報参照)。
【0003】
前記可変バルブタイミング装置においては、電磁ブレーキの制御量を、例えば、目標の回転位相に対応する基本制御量と、目標の回転位相と実際の回転位相との偏差に応じたフィードバック制御量とから決定し、該制御量で電磁ブレーキを構成する電磁コイルに流れる電流を制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の電磁式可変バルブタイミング装置においては、温度条件や経時変化などによって、電磁コイルに流す電流の制御信号と実際の回転位相との相関が大きくばらつくため、予め使用環境や使用時間の条件毎に最適な制御ゲインを求めておいて、これをマップに割り付けて記憶させ、そのときの環境条件・使用時間に対応する制御ゲインを前記マップから検索し、該検索した制御ゲインを用いて前記電磁コイルの制御信号を演算するようにしていた。
【0005】
例えば、電磁コイルの抵抗値が、油温,通電による発熱,ブレーキ部からの熱伝達などにより変化したり、ブレーキ部の特性が、油温,すべり速度の変化,振動などで変化したり、更には、ギヤ機構部の特性がバックラッシの変化や寸法公差変化により変化すると、制御信号と回転位相との相関が変化することになる。このため、油温などの使用環境や使用時間など複数の条件毎に、最適な制御ゲインを実験的に求めて、これをマップ化して記憶させる必要があったものである。
【0006】
また、前記マップに割り付けることができないばらつき要因に対しては、制御のロバスト性で補償するようにしていた。
従って、従来装置では、制御ゲインのマップを記憶するために多くのメモリ容量を必要とする共に、マップに記憶させる制御ゲインを適合するために多くの工数を要するという問題があると共に、マップに記憶させた制御ゲインが不適切であったり、マップに割り付けることができないばらつき要因に対するロバスト性が確保できないと、目標回転位相の変化に対して実際の回転位相がオーバーシュートしたり、目標の回転位相への追従性が悪化することがあるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、予め制御ゲインを適合させる必要なく、そのときの使用環境や使用時間の条件毎に適合する制御ゲインを設定して制御に反映させることができる電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、電磁ソレノイドに供給する電流値の大きさに応じて電磁ブレーキの摩擦制動力を制御し、前記摩擦制動力の大きさに応じてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅れ量を制御して、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる電磁式可変バルブタイミング装置において、前記電磁ソレノイドに供給する電流値の大きさを制御する制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量を求め、該回転位相の変化量に基づいて前記電磁式可変バルブタイミング装置の制御ゲインを変更する構成とした。かかる構成によると、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)が求められ、使用環境や使用時間の影響で動作感度が変化すると、この動作温度の変化に対応して制御ゲインが変更される。
【0011】
請求項記載の発明では、前記制御信号が基準値であるときの基準回転位相を予め記憶し、これらと現在の制御信号及び実際の回転位相から前記変化量を求める構成とした。かかる構成によると、現在の制御信号と基準値との偏差に対する、現在の実回転位相と基準回転位相との偏差から、制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(傾き)が求められる。
【0012】
請求項記載の発明では、少なくとも2つの異なる制御信号それぞれに対応する実際の回転位相を検出し、これらに基づいて前記変化量を求める構成とした。かかる構成によると、ある制御信号を与えたときに得られた実際の回転位相のデータを前記制御信号に対応させて記憶させ、異なる制御信号を与えたときの実際の回転位相と、前記記憶しておいた制御信号及び対応する回転位相のデータから、制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(傾き)が求められる。
【0013】
請求項記載の発明では、前記変化量の基準値を予め記憶し、該基準値と実際に求められた変化量との比に基づいて前記制御ゲインを補正する構成とした。かかる構成によると、制御ゲインの初期値を適合させたときの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(傾き)と、実際に検出された変化量(傾き)との比から、前記制御ゲインの初期値を、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量に対応する値に補正する。
【0014】
請求項記載の発明では、実際の回転位相と目標値との偏差に基づいて前記制御信号をフィードバック制御する構成であって、前記変更される制御ゲインを、前記偏差に対するフィードバックゲインとする構成とした。かかる構成によると、例えば、実際の回転位相と目標値との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって制御信号を決定する構成において、比例ゲイン・積分ゲイン・微分ゲインなどのフィードバックゲインが、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量に応じて変更される。
【0015】
尚、フィードバック制御には、比例・積分・微分動作の他、スライディングモード制御が含まれる。請求項記載の発明では、前記変更される制御ゲインを、目標の回転位相に応じて設定される制御信号を最終的な制御信号に変換するゲインとする構成とした。
【0016】
かかる構成によると、例えば、実際の回転位相と目標値との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって決定された制御信号を最終的な制御信号に変換するときに用いるゲインが、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量に応じて変更される。
【0017】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)が、使用環境や使用時間の影響で変化すると、前記変化量に応じて制御ゲインが変更されるので、予め使用環境や使用時間毎に最適な制御ゲインを求める工数が不要で、かつ、条件毎の最適ゲインを記憶したマップを記憶させる必要がなく、種々の条件変化に対応して常に最適なゲインで回転位相を制御することができ、目標の回転位相への収束性を常に高い状態に維持できるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の発明によると、制御信号の変化に対する回転位相の変化量(動作感度)を、簡便に求めることができるという効果がある。
【0019】
請求項記載の発明によると、予め基準とする制御信号及び回転位相のデータを記憶する必要がなく、かつ、そのときの制御信号の変化に対する回転位相の変化量(動作感度)を精度良く求めることができるという効果がある。請求項記載の発明によると、制御信号の変化に対する回転位相の変化量(動作感度)が基準値である状態に適合する制御ゲインから、前記変化量(動作感度)が変化した状態に適合する制御ゲインを簡便に求めることができるという効果がある。
【0020】
請求項記載の発明によると、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)に対応するフィードバックゲインが設定されるので、目標の回転位相に収束させるのに最適なゲインでフィードバック制御を行わせることができるという効果がある。請求項記載の発明によると、電磁式可変バルブタイミング装置に出力される直前での制御信号の変換ゲインを、電磁ソレノイドの制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)に対応して変更するので、例えば目標の回転位相に対応するフィードフォワード制御信号(基本分)とフィードバック制御信号と(フィードバック補正分)とで制御信号が設定される構成であれば、それぞれの制御信号が適正に変換されることになり、より目標回転位相への収束性を向上させることができるという効果がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態におけるエンジンのシステム構成図である。
この図1において、車両に搭載されるエンジン101の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ102,吸気通路103,モータ104aで開閉駆動される電子制御式スロットル弁104を介して空気が吸入される。
【0022】
各気筒の燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射する電磁式の燃料噴射弁105が設けられており、該燃料噴射弁105から噴射される燃料と吸入空気とによって燃焼室内に混合気が形成される。
燃料噴射弁105は、コントロールユニット131から出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射する。
【0023】
そして、噴射された燃料は、吸気行程噴射の場合は燃焼室内に拡散して均質な混合気を形成し、また圧縮行程噴射の場合は点火栓106回りに集中的に層状の混合気を形成する。燃焼室内に形成される混合気は、点火栓106により着火燃焼する。
但し、エンジン101を上記の直接噴射式ガソリンエンジンに限定するものではなく、吸気ポートに燃料を噴射する構成のエンジンであっても良い。
【0024】
エンジン101からの排気は排気通路107より排出され、該排気通路107には排気浄化用の触媒108が介装されている。
また、吸気バルブ109を駆動する吸気側カムシャフト110には、電磁ブレーキの摩擦制動によりクランクシャフト112に対するカムシャフト110の回転遅延を制御することで、クランクシャフト112に対するカムシャフト110の回転位相を変化させ、作動角一定のまま吸気バルブ109のバルブタイミングを変更する電磁式可変バルブタイミング装置115が備えられている。
【0025】
尚、電磁式可変バルブタイミング装置115は、排気側カムシャフトに備えられる構成であっても良いし、また、排気側カムシャフトと吸気側カムシャフトの双方に備えられる構成であっても良いし、更に、シングルカムに適用される構成であっても良い。
コントロールユニット131は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイコンを備え、各種センサからの入力信号を受け、これらに基づいて演算処理して、燃料噴射弁105,点火栓106及び前記電磁式可変バルブタイミング装置115を制御する。
【0026】
前記各種センサとして、エンジン101のクランク角を検出するクランク角センサ121、カムシャフト110から気筒判別信号を取り出すカムセンサ122が設けられており、前記クランク角センサ121からの信号に基づきエンジン101の回転速度Neが算出される。
この他、吸気通路103のスロットル弁104上流側で吸入空気流量Q(質量流量)を検出するエアフローメータ123、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)APSを検出するアクセルセンサ124、スロットル弁104の開度TVOを検出するスロットルセンサ125、エンジン101の冷却水温Twを検出する水温センサ126、排気中の酸素濃度に応じて燃焼混合気の空燃比を検出する空燃比センサ127、車速VSPを検出する車速センサ128などが設けられている。
【0027】
ここで、前記電磁式可変バルブタイミング装置115の構造を、図2,3に基づいて説明する。
図2,3において、シリンダヘッド120に対して回転可能に支持されるカムシャフト110の端部111の軸周に回転可能にプーリ(又はスプロケット)2が支承される。プーリ2はカムシャフト110に対して相対回転可能に支承され、エンジン101のクランクシャフト112の回転に連動して回転する。
【0028】
カムシャフト110の端部111の延長線上には、軸周にギヤが形成される伝達部材3がボルト31により固定され、プーリ2の回転が、以下に説明する伝達機構を介して伝達部材3に伝えられる。
カムシャフト110と同軸に、フランジを有する筒状のドラム41が設けられ、このドラム41とプーリ2との間には、ドラム41の回転位相を遅らせる方向に付勢するコイルばね42が介装されている。
【0029】
即ち、プーリ2にはケース部材44が固定され、コイルばね42の外周側端部は、このケース部材44の内周面部分に固定され、コイルばね42の内周側端部は、ドラム41の外周面に固定されている。
また、伝達部材3の軸周に形成されたギア32と、筒状のピストン部材43の内周に形成されたギア433とが、はす歯ギヤによるヘリカル機構により噛み合っている。
【0030】
ピストン部材43の外周面の対向する2箇所に、係合部431,431が突出形成されていて、プーリ2の回転中心部分からカムシャフト110の軸方向に延出している爪部材21,21の間に前記係合部431,431が係合している。この係合によりピストン部材43とプーリ2とは同位相で回転する。
ピストン部材43の前記係合部431,431には、ピストン部材43の軸を中心とする雄ねじ432が各々形成され、ドラム41の内周面には雌ねじ411が形成されていて、この両者はねじ作用により噛み合っている。
【0031】
ドラム軸受部材45は、伝達部材3の外周とドラム41の内周との間に介装され、この両者の相対回転を軸受する。このドラム軸受部材45とドラム41の内周面との間には、爪受部材7aが介装されている。
この爪受部材7aはドラム41の内周面に支持され、爪部材21,21の先端部の外周面側に形成されている段部22,22に当接して、カムシャフト110の径方向に爪部材21,21を係止している。
【0032】
被吸引部材46は、その回転中心部分に内歯の平ギヤ461が形成され、このギヤ461には、伝達部材3の先端部に形成されている平ギヤ33に噛み合っている。
これにより、被吸引部材46は伝達部材3に対し、その軸方向に摺動可能に構成されると共に、被吸引部材46と伝達部材3とは同位相で回転する。
【0033】
ドラム41のフランジ部分412の側面にはギア413が形成され、被吸引部材46の一方の面462に形成されているギア463と対峙していて、この両ギアは噛み合うことで、ドラム41と被吸引部材46とが回転方向に係合するようにしてある。
第1の電磁ソレノイド5bと第2の電磁ソレノイド5aは、カムシャフト110の軸芯線を囲むように、カムシャフト110の端部111に固定されている伝達部材3や、この伝達部材3を固定しているボルト31の外周面を囲むように軸受部材6を介して配置されている。
【0034】
すなわち、スペーサ部材47が、ボルト31の頭部311と伝達部材3の先端部との間に嵌合固定されていて、このスペーサ部材47の外周側には、第2の電磁ソレノイド5aがスペーサ部材47との間に軸受部材6を介して配置されている。
さらに、第2の電磁ソレノイド5aと被吸引部材46の外周側には、電磁ブレーキを構成する第1の電磁ソレノイド5bが配置されている。第2の電磁ソレノイド5aはボルト51aにより、ケース8に固定されている。
【0035】
次に作用について説明する。
カムシャフト110の回転位相を進角側に変更するためには、第1の電磁ソレノイド5bが発生する磁界によりピストン部材43をカムシャフト110の軸方向に移動することにより行う。
すなわち、まず、第2の電磁ソレノイド5aの発生磁界により、被吸引部材46が吸引されて、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とが離れ、ドラム41がプーリ2に対して相対的に回転できるようにする。
【0036】
そして、第1の電磁ソレノイド5bの発生磁界により、ドラム41を吸引することで、ドラム41を第1の電磁ソレノイド5bの端面に押し付けて、摩擦制動を作用させる。
これにより、ドラム41はコイルばね42の付勢力に抗してプーリ2に対して回転遅れを生じて相対回転し、ねじ411とねじ432とで噛み合っているピストン部材43はカムシャフト110の軸方向に移動する。
【0037】
ピストン部材43と伝達部材3とは前記のヘリカル機構により噛み合っているので、ピストン部材43の移動により、伝達部材3引いてはカムシャフト110の回転位相がプーリ2に対して進角側に変わることになる。
従って、第1の電磁ソレノイド5bへの電流値を増大させ、コイルばね42の付勢力に抗する制動力(滑り摩擦)を増大させるほど、カムシャフト110の回転位相が進角側に変更されることになる。
【0038】
上記のように、電磁ブレーキによる制動力に応じて決まるドラム41の回転遅れ量によってカムシャフト110の回転位相がプーリ2(クランクシャフト112)に対して変わるものであり、前記電磁ブレーキによる制動力は、第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値をデューティ制御することで制御されるようになっており、前記電流値の制御デューティDutyを変化させることで、回転位相の変化量(進角量)を連続的に制御できる。
【0039】
尚、本実施形態では、電磁ブレーキの制御信号に相当する制御デューティDuty(%)の増大に応じて、前記第1の電磁ソレノイド5bに供給される電流値が増大し、該電流値の増大に応じてカムシャフト110の回転位相が進角方向に変化するものとする。
前記コントロールユニット131は、後述するようにして、第1の電磁ソレノイド5bの通電をフィードバック制御してカムシャフト110の回転位相を変化させ、目標回転位相に一致すると、第2の電磁ソレノイド5aへの通電を遮断することで、被吸引部材46のギア463と、ドラム41のギア413とを噛み合わせ、ドラム41をプーリ2に対してそのときの位相状態で固定し、第1の電磁ソレノイド5bへの通電を遮断する。
【0040】
図4は、コントロールユニット131による前記フィードバック制御を示す機能ブロック図である。
図4において、制御コントローラ201には、エンジン負荷やエンジン回転速度などの運転条件に応じて設定される目標の回転位相が入力されると共に、前記クランク角センサ121及びカムセンサ122からの検出信号に基づいて検出される実際の回転位相θが入力される。
【0041】
そして、前記制御コントローラ201は、目標の回転位相に応じて基本デューティを演算する一方、目標の回転位相と実際の回転位相との偏差に基づく比例・積分・微分動作によってフィードバックデューティを演算し、前記基本デューティとフィードバックデューティとの加算値を制御デューティDutyとして出力する。
【0042】
尚、前記フィードバックデューティの演算を、比例・積分・微分動作の組み合わせではなく、比例・積分動作で行わせる構成としても良く、また、スライディングモードを用いて行わせる構成としても良い。
前記制御コントローラ201から出力される制御デューティDutyは、変換器202においてゲインGにより最終的な制御デューティDutyに変換され、該最終的な制御デューティDutyにより前記第1の電磁ソレノイド5bの電流値が制御される。
【0043】
一方、動作感度検出部203には、前記クランク角センサ121及びカムセンサ122からの検出信号に基づいて検出される実際の回転位相θ、そのときの最終制御デューティDuty、及び、予め記憶されている基準回転位相θiが入力され、これらに基づいて動作感度を示す単位デューティ当たりの回転位相の変化量を演算する。
【0044】
電磁ソレノイド5bに出力される最終的な制御デューティDutyと回転位相との相関は、図5に示すように、制御デューティDutyが閾値Duty−s以下ではばねの付勢力に対抗できず、回転位相を進角変化させることができないが、制御デューティDutyが閾値Duty−sを超えると、制御デューティDuty(通電量)の増大に比例して回転位相が進角変化する。
【0045】
そこで、制御デューティDutyと回転位相との基本の相関において、制御デューティDutyが閾値Duty−sを超える領域での傾きで、閾値Duty−s以下の領域も制御デューティDutyの変化に対して回転位相が変化するものとし、制御デューティDuty=0(基準の制御信号)における回転位相θ(基準回転位相)を、閾値Duty−sにおける回転位相を0とする遅角変化量として求め、該回転位相θを前記基準回転位相θiとして記憶させるようにしてある。
【0046】
従って、閾値Duty−sを超える制御デューティDutyが出力されている状態では、(θ+θi)/(Duty−0)が、単位デューティ当たりの回転位相の変化量(制御デューティと回転位相との相関関数における傾き)を示すことになる。
そこで、前記動作感度検出部203では、閾値Duty−sを超える制御デューティDutyが出力されている状態において、(θ+θi)/Dutyとして単位デューティ当たりの回転位相の変化量(動作感度)を演算する。
【0047】
尚、図5に示す制御デューティDutyと回転位相との基本の相関は、前記変換器202における基準ゲインGや、制御コントローラ201におけるフィードバックゲインや基本デューティの適合に用いた相関である。
前記動作感度検出部203で演算された単位デューティ当たりの回転位相の変化量(動作感度)は、ゲイン補正係数演算部204に出力される。
【0048】
前記ゲイン補正係数演算部204では、前記動作感度検出部203で演算された変化量と、基準値記憶部205に予め記憶されている変化量の基準値との比(=演算値/基準値)を演算し、これを補正係数Kとして出力する。
前記ゲイン補正係数演算部204から出力される補正係数Kは、遅延部206で遅延されることで、次回の最終的な制御デューティDutyの演算が、今回演算された補正係数Kで補正されるようにする。
【0049】
前記遅延部206で遅延された補正係数Kzは前記変換器202に出力され、予め記憶された基準ゲインG/補正係数Kzが、変換器202で用いられるゲインGに設定される。
例えば、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量が増大変化すると、前記補正係数Kは1よりも大きな値となり、結果、前記ゲインGが減少補正され、回転位相に向けて変化させるときにオーバーシュートすることが回避される。
【0050】
逆に、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量が減少変化すると、前記補正係数Kは1よりも小さい値となり、結果、前記ゲインGが増大補正され、回転位相に向けて変化させるときに応答遅れを回避する。
ところで、上記図4のブロック図に示す実施形態では、変換器202で用いられるゲインGを補正する構成としたが、前記制御コントローラ201におけるフィードバックゲインを補正する構成としても良い。
【0051】
図6は、前記制御コントローラ201におけるフィードバックゲインを補正する構成とした第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
図6において、前記遅延部206で遅延された補正係数Kzが、前記変換器202ではなく、前記制御コントローラ201に出力される構成とした点のみが、図4に示した第1実施形態と異なる。
【0052】
前記遅延部206で遅延された補正係数Kzが入力される前記制御コントローラ201では、比例ゲイン・積分ゲイン・微分ゲインの基準値を前記補正係数Kzで除算して補正設定する。
この場合も、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量が増大変化すると、前記補正係数Kは1よりも大きな値となり、結果、前記フィードバックゲイン(比例ゲイン・積分ゲイン・微分ゲイン)が減少補正され、回転位相に向けて変化させるときにオーバーシュートすることが回避される。
【0053】
逆に、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量が減少変化すると、前記補正係数Kは1よりも小さい値となり、結果、前記フィードバックゲイン(比例ゲイン・積分ゲイン・微分ゲイン)が増大補正され、回転位相に向けて変化させるときに応答遅れを回避する。
また、上記第1,第2の実施形態では、制御デューティDuty=0での回転位相θiを基準として、動作感度を演算させる構成としたが、図7のブロック図に示す第3実施形態のように、閾値Duty−sを超える制御デューティDuty領域で、制御デューティDutyと回転位相との相関を少なくとも2点で求めて、これらのデータに基づいて、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)を求めるようにしても良い。
【0054】
図7に示す第3の実施形態では、前記基準値記憶部205に代えて、最終制御デューティDutyと該最終制御デューティDutyを与えたときの実際の回転位相とを対として記憶するDuty&位相記憶部207を備える。
そして、閾値Duty−sを超える制御デューティDutyが出力されたときに検出された回転位相の検出値を、制御デューティDutyと共に、このDuty&位相記憶部207に記憶させる。
【0055】
次いで、この記憶されている制御デューティDutyと所定以上離れていてかつ閾値Duty−sを超える制御デューティDutyが出力されたときに、Duty&位相記憶部207に記憶されているデータ(制御デューティDuty1,回転位相θ1)と、そのときの制御デューティDuty2及び回転位相θ2とに基づき、動作感度検出部203において、(θ1−θ2)/(Duty1−Duty2)として、制御デューティDutyの単位変化量に対する回転位相の変化量(動作感度)を演算させる。
【0056】
尚、電磁式可変バルブタイミング装置115は、電磁ブレーキの摩擦制動によりクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅延を制御して、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる構成であれば良く、図2,3に示した構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるエンジンのシステム構成図。
【図2】実施の形態における電磁式可変バルブタイミング装置の断面図。
【図3】実施の形態における電磁式可変バルブタイミング装置の分解斜視図。
【図4】実施の形態における電磁式可変バルブタイミング装置のフィードバック制御の第1実施形態を示すブロック図。
【図5】実施の形態における制御デューティと回転位相との相関を示す線図。
【図6】実施の形態における電磁式可変バルブタイミング装置のフィードバック制御の第2実施形態を示すブロック図。
【図7】実施の形態における電磁式可変バルブタイミング装置のフィードバック制御の第3実施形態を示すブロック図。
【符号の説明】
2…プーリ
3…伝達部材
5a…第2の電磁ソレノイド
5b…第1の電磁ソレノイド
41…ドラム
42…コイルバネ
43…ピストン部材
46…被吸引部材
110…カムシャフト
101…エンジン
103…吸気通路
104…スロットル弁
105…燃料噴射弁
115…電磁式可変バルブタイミング装置
120…シリンダヘッド
121…クランク角センサ
122…カムセンサ
123…エアフローメータ
126…水温センサ
127…空燃比センサ
131…コントロールユニット
201…制御コントローラ
202…変換器
203…動作感度検出部
204…ゲイン補正係数演算部
205…基準値記憶部
206…遅延部
207…Duty&位相記憶部

Claims (6)

  1. 電磁ソレノイドに供給する電流値の大きさに応じて電磁ブレーキの摩擦制動力を制御し、前記摩擦制動力の大きさに応じてクランクシャフトに対するカムシャフトの回転遅れ量を制御して、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変化させる電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置であって、
    前記電磁ソレノイドに供給する電流値の大きさを制御する制御信号の単位変化量に対する回転位相の変化量を求め、該回転位相の変化量に基づいて前記電磁式可変バルブタイミング装置の制御ゲインを変更することを特徴とする電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
  2. 前記制御信号が基準値であるときの基準回転位相を予め記憶し、これらと現在の制御信号及び実際の回転位相から前記変化量を求めることを特徴とする請求項記載の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
  3. 少なくとも2つの異なる制御信号それぞれに対応する実際の回転位相を検出し、これらに基づいて前記変化量を求めることを特徴とする請求項記載の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
  4. 前記変化量の基準値を予め記憶し、該基準値と実際に求められた変化量との比に基づいて前記制御ゲインを補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
  5. 実際の回転位相と目標値との偏差に基づいて前記制御信号をフィードバック制御する構成であって、前記変更される制御ゲインが、前記偏差に対するフィードバックゲインであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
  6. 前記変更される制御ゲインが、目標の回転位相に応じて設定される制御信号を最終的な制御信号に変換するゲインであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電磁式可変バルブタイミング装置の制御装置。
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