JP2008274799A - 吸入空気量算出装置、内燃機関の制御装置及び制御システム - Google Patents

吸入空気量算出装置、内燃機関の制御装置及び制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】吸気圧センサ42よりも下流側であって且つ燃焼室24よりも上流側に配置されるタンブルジェネレーションバルブ(TGV44)の状態によって、内燃機関10の吸入空気量の算出精度が変動すること。
【解決手段】吸気圧センサ42によって検出される吸気圧及びクランク角センサ22によって検出される回転速度と吸入空気量との関係について、TGV44が全開状態であるとき及びTGV44が全閉状態であるときの2つのマップデータを用意する。TGV44の開度θに応じて、2つのマップデータによってマップ演算される吸入空気量を加重平均処理することで、最終的な吸入空気量を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路内の圧力を検出する吸気圧検出手段の検出結果に基づき吸入空気量を算出する吸入空気量算出装置に関する。また、本発明は、上記吸入空気量算出装置を備える内燃機関の制御装置及び制御システムに関する。
この種の吸入空気量算出装置としては、吸気通路に設けられたサージタンク内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサの検出結果と、内燃機関の出力軸の回転速度とに基づき、吸入空気量(質量流量)をマップ演算するものが周知である。
一方、例えば下記特許文献1に見られるように、内燃機関の吸気ポートの上流側にタンブルジェネレーションバルブ(TGV)を備えることで、タンブル流を生成し、ひいては燃焼効率の向上等を図る技術が提案されている。ここでは、内燃機関のアイドル運転状態等においては、TGVを閉弁させることで、吸入空気の流速を速め、燃焼室においてタンブル流を生成させている。一方、内燃機関の高回転運転領域や高負荷運転領域においては、TGVを閉弁させることで燃焼室に吸入される空気量を増大させている。
特開2006−170070号公報
ところで、上記TGVを備える内燃機関にあっては、回転速度及び吸気圧が同一であっても、燃焼室内に吸入される空気量は、TGVの状態に応じて変化し得る。このため、吸入空気量の算出精度がTGVの状態に依存して変化するおそれがある。
なお、上記TGVを備えるものに限らず、吸気圧検出手段よりも下流側であって且つ燃焼室よりも上流側にアクチュエータを備えるものにあっては、アクチュエータの状態に応じて吸気圧に基づく吸入空気量の算出精度が低下するこうした実情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、吸気圧検出手段よりも下流側であって且つ燃焼室よりも上流側に配置されるアクチュエータの状態にかかわらず、内燃機関の吸気通路内の圧力を検出する吸気圧検出手段の検出結果に基づき吸入空気量を高精度に算出することのできる吸入空気量算出装置を提供することにある。また、本発明の目的は、上記吸入空気量算出装置を備える内燃機関の制御装置及び制御システムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、前記吸気圧検出手段よりも下流側であって且つ前記内燃機関の燃焼室よりも上流側に配置されるアクチュエータの状態に基づき、前記吸入空気量の算出を行う算出手段を備えることを特徴とする。
吸気圧検出手段よりも下流側であって且つ内燃機関の燃焼室よりも上流側に配置されるアクチュエータは、吸気の状態を変化させ得る。このため、吸気圧検出手段に基づき算出される吸入空気量の算出精度は、上記アクチュエータの状態によって変動し得る。この点、上記発明では、上記アクチュエータの状態に基づき吸入空気量を算出することで、アクチュエータの状態にかかわらず、吸入空気量を高精度に算出することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記算出手段は、前記吸気圧検出手段の検出結果及び前記内燃機関の回転速度と吸入空気量とについての前記アクチュエータが静止状態にあるときにおける関係情報を記憶する記憶手段を備えて且つ、前記アクチュエータの操作量についての現在の値と前記関係情報とに基づき、前記吸入空気量を算出することを特徴とする。
アクチュエータの操作量についての現在の値が上記静止状態における値と等しいなら、上記関係情報から吸入空気量を直接的に算出することができる。また、アクチュエータの操作量についての現在の値が上記静止状態における値と異なる場合、現在の値に応じて関係情報を補正することで、吸入空気量を算出することができる。特に、上記検出結果及び回転速度によってはアクチュエータの操作量が一義的に定まらない場合には、上記検出結果及び回転速度と吸入空気量との関係情報を定める際にアクチュエータの操作量による影響を単一の関係情報に含めることによっては、吸入空気量を高精度に算出することができない。この点、上記発明では、上記関係情報に加えて、アクチュエータの操作量を用いることで、アクチュエータの操作量が検出結果及び回転速度から一義的に定まらない場合であっても、吸入空気量を高精度に算出することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記アクチュエータは、前記吸気通路内の流路面積を調節する絞り弁であることを特徴とする。
吸気通路内の流路面積を調節する絞り弁は、吸気圧検出手段よりも下流側且つ燃焼室や吸気バルブよりも上流側において、吸気の流動状態を変化させる。このため、絞り弁の操作量(流路面積、開度)は、燃焼室内に吸入される空気量を変化させるパラメータとなる。この点、上記発明では、絞り弁の操作量に基づき吸入空気量を算出することで、これを高精度に算出することができる。
なお、請求項3記載の発明は、請求項4記載の発明によるように、前記絞り弁は、タンブル流を調節する弁であることを特徴としてもよい。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記算出手段は、前記絞り弁の全閉状態及び全開状態のそれぞれについて、前記内燃機関の回転速度及び前記吸気圧検出手段の検出結果と吸入空気量との関係を定めるマップデータを備え、これらマップデータと前記絞り弁の操作量とに基づき前記吸入空気量を算出することを特徴とする。
上記発明では、絞り弁が全開状態であるときや全閉状態であるときには、いずれか一方のマップデータを用いることで、吸入空気量を算出することができる。また、絞り弁の開度が中間の開度であるときには、上記2つのマップデータによって定まる吸入空気量の値を加重平均処理することで、吸入空気量を算出することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記絞り弁の開度が変化していると判断される場合、その過渡的な状態を推定する推定手段を更に備え、前記算出手段は、前記2つのマップデータから算出される吸入空気量に前記推定手段の推定結果に基づく加重平均処理を施すことで吸入空気量を算出することを特徴とする。
上記発明では、絞り弁の操作量の指令に対して実際の操作量の追従遅れが生じるときであっても、推定手段により実際の操作量を推定することができるため、実際の操作量に応じて吸入空気量をより高精度に算出することができる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記推定手段は、前記絞り弁の変化の指令タイミングからの経過時間に基づき前記推定を行うことを特徴とする。
絞り弁の開度の変化の指令に伴う実際の開度の変化は、指令タイミングからの経過時間に応じて定まる。上記発明では、この点に着目し、絞り弁の過渡的な開度を、絞り弁の変化の指令タイミングからの経過時間に応じて推定しつつ吸入空気量を算出することができる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記推定手段は、前記絞り弁の変化の指令タイミングからの経過時間に加えて、前記絞り弁近傍の温度及びその相当値に基づき前記推定を行うことを特徴とする。
絞り弁の変化の応答遅れは、絞り弁の温度に依存し得る。上記発明では、この点に着目し、絞り弁近傍の温度及びその相当値に基づき絞り弁の過渡的な開度を推定することで、この推定を高精度に行うことができる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の吸入空気量算出装置と、前記算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出する手段と、前記算出される燃料噴射量に基づき前記内燃機関の燃料噴射弁を操作する手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出することで、換言すれば、アクチュエータの操作量に応じて算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出することで、燃焼室内に吸入される空気量に応じた適切な噴射量を算出することができる。このため、燃料の燃焼を安定させたり、排気特性を良好としたりすることができる。
請求項10記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の吸入空気量算出装置と、前記吸気圧検出手段と、前記絞り弁と、前記算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出する手段と、前記算出される燃料噴射量に基づき前記内燃機関の燃料噴射弁を操作する手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出することで、換言すれば、アクチュエータの操作量に応じて算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出することで、燃焼室内に吸入される空気量に応じた適切な噴射量を算出することができる。このため、燃料の燃焼を安定させたり、排気特性を良好としたりすることができる。
以下、本発明にかかる吸入空気量算出装置、内燃機関の制御装置及び制御システムを車載内燃機関の吸入空気量算出装置、制御装置及び制御システムに適用した一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。このシステムの制御対象とする内燃機関10としては、自動車用の多気筒(例えば直列4気筒)内燃機関を想定している。ただし、この図1においては、説明の便宜上、1つの気筒のみを図示している。また、同図1に示されるように、内燃機関10は、4ストロークの吸気ポート噴射式の火花点火式内燃機関である。
内燃機関10においては、シリンダブロック12によりシリンダ(気筒)が形成されている。シリンダブロック12には、冷却水が内燃機関10内を循環するための冷却水路(ウォータジャケット14)が形成されており、冷却水により内燃機関10が冷却されている。また、シリンダブロック12には、ウォータジャケット14内の冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ16が設けられている。更に、各気筒には、ピストン18が収容され、そのピストン18の往復動により、内燃機関10の出力軸(クランク軸20)が回転するようになっている。なお、クランク軸20の外周側には、所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)クランク角信号を出力するクランク角センサ22が配設され、クランク軸20の回転角度や回転速度等が検出可能とされている。
シリンダブロック12の上端面にはシリンダヘッドが固定されており、シリンダブロック12、シリンダヘッド及びピストン18上面によって、燃焼室24が区画形成されている。そして、シリンダヘッドには、燃焼室24に開口する吸気ポート(吸気口)と排気ポート(排気口)とが形成されており、これら吸気ポート及び排気ポートは、それぞれクランク軸20に連動するカム軸に取り付けられたカム(図示略)によって駆動される吸気バルブ26と排気バルブ28とにより開閉されるようになっている。また、吸気ポートには、内燃機関10の各気筒に外気(新気)を吸入するための吸気通路30が接続され、排気ポートには、内燃機関10の各気筒からの燃焼ガス(排気)を排出するための排気通路32が接続されている。
吸気通路30には、吸気通路30最上流部のエアクリーナ34を通じて外気が吸入される。そして、エアクリーナ34の下流側には、DCモータ等のアクチュエータによって電子的に開度調節される電子制御式の吸気絞り弁(スロットルバルブ36)と、スロットルバルブ36の開度や動きを検出するためのスロットルセンサ38とが設けられている。また、スロットルバルブ36の下流側には、吸気脈動や吸気干渉を防ぐ等の目的で吸気通路30の通路面積が拡大(拡径)されたサージタンク40が設けられ、このサージタンク40には吸気圧を検出するための吸気圧センサ42が設けられている。
吸気通路30のうちサージタンク40の下流側は、内燃機関10の各気筒に空気を導入するように分岐している。そして、分岐路には、吸気の流動状態を調節する吸気流調節弁としてのタンブルジェネレーションバルブ(TGV44)が、各気筒毎に設けられている。TGV44は、全閉となることで吸気通路30内の流路面積を半減させ、全開となることで吸気通路30内の流路面積を本来の流路面積とするものである。また、吸気通路30の分岐路には、各気筒の吸気ポート近傍にて燃料を噴射供給する電磁駆動式(又はピエゾ駆動式等)の燃料噴射弁46が、気筒毎に取り付けられている。内燃機関10では、これら気筒毎に設けられた各燃料噴射弁46により、吸気通路30、特に各気筒の吸気ポートに対して、燃料(ガソリン)が噴射供給(ポート噴射)されるようになっている。そして、燃料噴射弁46により噴射された燃料(厳密には吸入空気との混合気)は、点火プラグ48によって点火され、吸気と燃料との反応に基づき燃料が燃焼する。
一方、内燃機関10の排気通路32には、排気浄化を行うための排気後処理装置として、例えば排気中のCO、HC、NOx等を浄化する三元触媒からなる触媒50が設けられている。
図示しない車両には、上記センサのほかにも、同車両で行われる各種の制御に使用するために多くのセンサが設けられている。例えばアクセル操作部材(アクセルペダル)には、同ペダルの状態に応じた電気信号を出力するアクセルセンサ52が設けられている。
一方、電子制御装置(ECU60)は、中央処理装置(CPU62)や、常時記憶保持装置64を備えて構成されている。常時記憶保持装置64は、ECU60の主電源の状態にかかわらず給電状態を維持するバックアップRAMや、給電の有無にかかわらずデータを保持する不揮発性メモリ等、要は、ECU60の主電源の有無にかかわらず記憶データを保持する記憶装置である。ECU60は、上記各種センサの検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態やユーザの要求を把握し、それに応じて上記スロットルバルブ36やTGV44、燃料噴射弁46等の各種アクチュエータを操作することにより、その時々の状況に応じた最適な態様で上記内燃機関10に係る各種の制御を行っている。
図2に、本実施形態にかかるTGV44の操作態様を示す。図2(a)に示されるように、本実施形態では、低・中負荷運転時においては、TGV44を閉弁状態とすることで吸気通路30内の流路面積を半減させる。これにより、TGV44の上流側から下流側へと流動する吸気の流速が速められ、燃焼室24においてタンブル流を生成することができる。燃焼室24内では、タンブル流により混合気にタビュランスが誘発され、燃焼速度が向上する。
一方、図2(b)に示されるように、高回転速度運転時や高負荷運転時においては、TGV44を開弁状態にする。これにより、ポンピングロスが低減されるため、燃焼室24内の吸気の充填効率を向上させることができる。
上記TGV44の操作状態は、基本的には、吸気圧センサ42によって検出される吸気圧と、クランク角センサ22によって検出される回転速度とに応じて設定される。ただし、TGV44の開弁操作及び閉弁操作のハンチングを防止するため、開弁状態から閉弁状態へと移行させる条件と、閉弁状態から開弁状態へと移行させる条件とを異ならせることで、これら双方の状態間の切り替えにヒステリシスを持たせている。また、スロットルバルブ36の操作に応じて、上記切り替え操作態様を変更する処理をも行う。
上記TGV44の操作によれば、内燃機関10の運転状態に応じて吸気の流動状態を所望に制御することができる。ただし、サージタンク40から燃焼室24へと流動する吸気の状態が、TGV44によって変化させられるため、燃焼室24内に充填される吸入空気量(質量流量)を、回転速度及び吸気圧から算出する場合には、その算出精度がTGV44の状態に応じて変動し得る。すなわち、定常状態における回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係を計測するなどしてこの関係情報(マップデータ)を作成したとしても、これはTGV44の開度がある定まった値で静止状態にあるときのものとなる。
ここで、上記マップデータに、TGV44の開度の影響を適切に反映させることはできない。すなわち、TGV44の開度の影響を適切に反映させるためには、マップの入力パラメータ(回転速度及び吸気圧)によってTGV44の開度が一義的に定まることが条件となるが、上述したようにこの条件は満たされない。このため、上記マップデータを用いたのでは、吸入空気量を高精度に算出することができない。このため、こうした手法にて算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出したのでは、燃焼室24に吸入される空気量にとって適切な噴射量を算出することができず、ひいては燃焼状態の悪化や、排気特性の悪化をもたらすおそれがある。ここで排気特性の悪化とは、触媒50の浄化能力を最大限に引き出せる排気特性から離間することをいう。この場合、空燃比フィードバック制御によって最適な排気特性へとフィードバック制御されることとはなるものの、フィードバック制御による応答遅れに伴って排気特性の悪化が生じることには変わりない。
そこで本実施形態では、TGV44が所定開度で静止状態にあるときにおける回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係情報に加えて、TGV44の現在の操作量(開度)に基づき吸入空気量を算出する。詳しくは、TGV44が全開状態及び全閉状態のそれぞれで静止状態にあるときにおける回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係情報を用いて吸入空気量を算出する。以下、図3を用いてこれについて詳述する。
図3は、本実施形態にかかる吸入空気量の算出及び燃料噴射制御の処理手順を示す。この処理は、ECU60内のCPU62によって例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、吸気圧センサ42によって検出される吸気圧と、クランク角センサ22によって検出される回転速度とを取得する。続くステップS12においては、回転速度及び吸気圧と吸入空気量とについてのTGV44の全開状態におけるマップデータ(G1マップ)及び全閉状態におけるマップデータ(G2マップ)を用いて吸入空気量G1,G2を算出する。ここで、G1マップは、TGV44が全開状態で静止して且つ吸気の流動が定常状態となるときにおける回転速度及び吸気圧毎に、吸入空気量を計測することで作成される。また、G2マップは、TGV44が全閉状態で静止して且つ吸気の流動が定常状態となるときにおける回転速度及び吸気圧毎に、吸入空気量を計測することで作成される。これら計測に際しては、TGV44以外の各アクチュエータの操作についてもこれらを固定しておく。例えば吸気バルブ26や排気バルブ28を駆動するカム軸とクランク軸20との相対的な回転位相差を可変とするバルブタイミング可変装置を備える場合、回転位相差を回転速度及び吸気圧によって実際に操作される値に固定しておく。
上記吸入空気量G1は、現在の回転速度及び吸気圧において、TGV44が全開状態であるときの吸入空気量である。また、吸入空気量G2は、現在の回転速度及び吸気圧において、TGV44が全閉状態であるときの吸入空気量である。なお、上記2つのマップデータは、常時記憶保持装置64に記憶されている。
続くステップS14においては、TGV44の開度θを推定する。すなわち、本実施形態ではTGV44が全開状態及び全閉状態の2値的な状態のいずれかに操作されるものであるとはいえ、状態の変更の指令が出されてから、TGV44の開度θが実際にその状態となるまでには応答遅れが生じる。このため、この過渡的な期間においても吸入空気量を高精度に算出すべく、本実施形態では、TGV44の開度θを推定する。
詳しくは、TGV44に対する現在の指令が全開状態であるのか全閉状態であるのか(指令情報O/C)と、今回の指令へと変更されてからの経過時間Tと、TGV44の温度相当値とに基づき、開度θを推定する。ここで経過時間Tは、指令情報と実際の開度θとについての応答遅れに起因した離間度合いを定めるパラメータである。また、温度相当値は、TGV44の応答性の温度依存性を決定するパラメータである。すなわち、TGV44の温度が低温であるほど応答遅れが顕著となることに鑑み、温度相当値が低いほど指令に対する実際の開度θの応答遅れ量を大きくする。本実施形態では、温度相当値を、水温センサ16によって検出される冷却水温とする。
具体的には、例えば1次遅れモデルを用いて開度θを推定すればよい。そしてこの際、モデルを定めるパラメータを温度相当値に応じて可変設定すればよい。
続くステップS16においては、開度θに基づく重み付け係数α,βを算出する。ここで、重み付け係数α、βは、ともに「0」以上「1」以下であって且つその和が「1」に規格化されたものである。上記重み付け係数αは、G1マップによってマップ演算される吸入空気量G1に乗算される係数であり、吸入空気量の算出に際して、現在の開度θに応じたG1マップの反映比率を定めるものである。一方、重み付け係数βは、G2マップによってマップ演算される吸入空気量G2に乗算される係数であり、吸入空気量の算出に際して、現在の開度θに応じたG2マップの反映比率を定めるものである。なお、TGV44が全閉状態であると推定されるときには、重み付け係数αが「0」となり、重み付け係数βが「1」となる。一方、TGV44が全開状態であると推定されるときには、重み付け係数αが「1」となり、重み付け係数βが「0」となる。
続くステップS18では、重み付け係数α、βを用いて、吸入空気量G1,G2を加重平均処理することで、最終的な吸入空気量Gを算出する。そして、ステップS20では、吸入空気量Gに基づき、燃料噴射量を算出する。そして、ステップS22では、上記算出された燃料噴射量の燃料を噴射するように、燃料噴射弁46を操作する。なお、ステップS22の処理が完了するときには、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)吸気圧及び回転速度と吸入空気量とについてのTGV44が静止状態にあるときにおける関係情報と、TGV44の操作量についての現在の値とに基づき、吸入空気量を算出した。これにより、TGV44の開度にかかわらず、吸入空気量を高精度に算出することができる。
(2)TGV44の全閉状態及び全開状態のそれぞれについて、回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係を定めるマップデータを備え、これらマップデータから算出される吸入空気量にTGV44の開度θに基づく加重平均処理を施すことで吸入空気量を算出した。これにより、TGV44の開度θが全閉状態に対応した開度及び全開状態に対応した開度のいずれでもないときであれ、吸入空気量を算出することができる。
(3)TGV44の過渡的な開度θを推定し、推定される開度θに基づき重み付け係数α、βを決定した。これにより、TGV44の過渡的な状態においても吸入空気量を高精度に算出することができる。
(4)TGV44の変化の指令タイミングからの経過時間Tに基づき開度θを推定した。これにより、TGV44の過渡的な開度θを高精度に算出することができる。
(5)TGV44の温度相当値に基づき、開度θを推定した。これにより、TGV44の過渡的な開度θをより高精度に算出することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・TGV44の過渡的な開度θの推定を行わなくてもよい。この場合、TGV44の開度の指令に応じて、G1マップ及びG2マップのいずれか一方によるマップ演算によって吸入空気量を算出すればよい。
・上記実施形態では、重み付け係数α、βを開度θに基づき算出したが、これに限らない。例えば、回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係を定める単一のマップを備え、このマップにて算出される吸入空気量を開度θに基づき補正することで最終的な吸入空気量を算出してもよい。また、この際、回転速度に応じて空気を燃焼室24へと吸入する力が変化することに鑑み、開度θによる補正に代えて、開度θと回転速度Neとに基づき補正をしてもよい。また例えば、燃焼室24への空気の充填効率は、サージタンク40内の吸気圧PmとTGV44近傍の圧力との差に依存することに鑑み、開度θと吸気圧Pmとに基づき補正してもよい。更に、回転速度Ne、吸気圧Pm及び開度θに基づき補正してもよい。
・TGV44を開状態及び閉状態の2値的な動作で用いるものに限らない。例えば全閉状態から全開状態まで連続的な開度を実現可能なものであってもよい。この場合であれ、TGV44の開度が吸気圧及び回転速度によっては一義的に定まらない設定の場合、回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係情報を設定する際に、TGV44の影響を取り込むことが困難となる。また、TGV44の開度θ毎に3つ以上のマップを作成する場合には煩雑な処理が必要となる。しかし、こうした場合であっても、指令される開度θに応じて重み付け係数α、βを算出することで、G1マップによってマップ演算される吸入空気量G1とG2マップにてマップ演算される吸入空気量G2との加重平均処理によって吸入空気量を算出することができる。更に、開度指令値が変化する際には、過渡的な開度を上記実施形態の要領で推定することも有効である。
・TGV44近傍の温度の相当値としては、冷却水温に限らない。例えば外気温度や、吸気温、内燃機関10の作動油温度等であってもよい。また、TGV44の温度そのものを検出するセンサを備え、この検出値を用いてもよい。
・回転速度及び吸気圧と吸入空気量との関係情報(マップデータ)に基づき吸入空気量を算出するものにも限らない。例えば、吸気通路内の流体モデルを用いて、吸気圧や吸気温、TGV44の開度に基づき吸入空気量を算出してもよい。
・算出される吸入空気量の用途としては、燃料噴射量の算出に限らない。例えば排気系の排気を吸気系に還流させる排気還流通路の流路面積を調節するバルブ(EGRバルブ)の目標開度の設定に用いてもよい。また、キャニスタ内に捕集された燃料蒸気を吸気系に吸入させるためにキャニスタ及び吸気系間の流路面積を調節するパージバルブについての開度の設定や、上記吸気系に吸入される燃料蒸気の流量の設定に用いてもよい。
・吸気通路30内の流路面積を調節する絞り弁としては、TGV44に限らない。例えば、スワール流を調節する弁であるスワールコントロールバルブであってもよい。
・吸気バルブ26の上流のアクチュエータの状態に基づき吸入空気量を算出するものにも限らない。例えば、単一の気筒の燃焼室24と吸気通路30とを連通及び遮断する吸気バルブ26を複数備えるものにあっては、開弁状態となる吸気バルブ26の数に応じて吸入空気量を算出してもよい。すなわち、吸気バルブ26も吸気の流動状態を調節するアクチュエータであり、且つ開弁状態となる吸気バルブ26の数が変化する場合、燃焼室24に空気を吸入する際に吸気の流動状態が変化することとなるため、開弁する吸気バルブ26の数に基づき吸入空気量を算出することが望ましい。
一実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す図。 同実施形態におけるTGVの操作態様を示す図。 同実施形態における吸入空気量の算出及び燃料噴射制御の処理手順を示す流れ図。
符号の説明
10…内燃機関、40…サージタンク、42…吸気圧センサ、44…TGV、60…ECU(吸入空気量算出装置及び内燃機関の制御装置の一実施形態)。

Claims (10)

  1. 内燃機関の吸気通路内の圧力を検出する吸気圧検出手段の検出結果に基づき吸入空気量を算出する吸入空気量算出装置において、
    前記吸気圧検出手段よりも下流側であって且つ前記内燃機関の燃焼室よりも上流側に配置されるアクチュエータの状態に基づき、前記吸入空気量の算出を行う算出手段を備えることを特徴とする吸入空気量算出装置。
  2. 前記算出手段は、前記吸気圧検出手段の検出結果及び前記内燃機関の回転速度と吸入空気量とについての前記アクチュエータが静止状態にあるときにおける関係情報を記憶する記憶手段を備えて且つ、前記アクチュエータの操作量についての現在の値と前記関係情報とに基づき、前記吸入空気量を算出することを特徴とする請求項1記載の吸入空気量算出装置。
  3. 前記アクチュエータは、前記吸気通路内の流路面積を調節する絞り弁であることを特徴とする請求項1又は2記載の吸入空気量算出装置。
  4. 前記絞り弁は、タンブル流を調節する弁であることを特徴とする請求項3記載の吸入空気量算出装置。
  5. 前記算出手段は、前記絞り弁の全閉状態及び全開状態のそれぞれについて、前記内燃機関の回転速度及び前記吸気圧検出手段の検出結果と吸入空気量との関係を定めるマップデータを備え、これらマップデータと前記絞り弁の操作量とに基づき前記吸入空気量を算出することを特徴とする請求項3又は4記載の吸入空気量算出装置。
  6. 前記絞り弁の開度が変化していると判断される場合、その過渡的な状態を推定する推定手段を更に備え、
    前記算出手段は、前記2つのマップデータから算出される吸入空気量に前記推定手段の推定結果に基づく加重平均処理を施すことで吸入空気量を算出することを特徴とする請求項5記載の吸入空気量算出装置。
  7. 前記推定手段は、前記絞り弁の変化の指令タイミングからの経過時間に基づき前記推定を行うことを特徴とする請求項6記載の吸入空気量算出装置。
  8. 前記推定手段は、前記絞り弁の変化の指令タイミングからの経過時間に加えて、前記絞り弁近傍の温度及びその相当値に基づき前記推定を行うことを特徴とする請求項7記載の吸入空気量算出装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の吸入空気量算出装置と、
    前記算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出する手段と、
    前記算出される燃料噴射量に基づき前記内燃機関の燃料噴射弁を操作する手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の吸入空気量算出装置と、
    前記吸気圧検出手段と、
    前記絞り弁と、
    前記算出手段によって算出される吸入空気量に基づき燃料噴射量を算出する手段と、
    前記算出される燃料噴射量に基づき前記内燃機関の燃料噴射弁を操作する手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御システム。
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