JP4956454B2 - 可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸・排気バルブのバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構の制御装置に関する。
特許文献1には、バルブタイミングを変更する可変バルブタイミング機構の制御において、進角方向と遅角方向とで制御応答が異なるのを防止すべく、進角方向、遅角方向それぞれで制御ゲインを設定することが開示されている。
特開2003−206711号
しかしながら、可変バルブタイミング機構の制御応答は、可変バルブタイミング機構の動作速度に応じて摩擦係数が変化することによって相違し、特許文献1では、該動作速度に応じた制御応答の相違を考慮していないため、制御応答性を十分に安定できていなかった。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、可変バルブタイミング機構の制御装置において、可変バルブタイミング機構の動作速度によらず安定した制御応答性を得られるようにすることを目的とする。
このため、請求項1に係る発明は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを可変な可変バルブタイミング機構であって、前記バルブタイミングの進角方向または遅角方向のいずれか一方への変更を電磁アクチュエータを用いて行い、他方への変更を反力源を用いて行う可変バルブタイミング機構の制御装置において、機関運転状態に基づいて、目標バルブタイミングを設定する目標バルブタイミング設定手段と、実際のバルブタイミングを検出するバルブタイミング検出手段と、前記目標バルブタイミングおよび実際のバルブタイミングに基づいて、制御の操作量を設定する操作量設定手段と、を備え、前記可変バルブタイミング機構の制御中の動作速度を検出する速度検出手段と、前記可変動弁機構によるフィードバック制御における制御ゲインを、検出された動作速度が小さいほど大きくなるように、バルブタイミングを進角方向に変更するときと、遅角方向に変更するときとで別々に設定し、かつ、前記電磁アクチュエータを用いる方向へ変更するときは、前記反力源を用いる方向へ変更するときより大きい値に設定する制御ゲイン設定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によると、動作速度に応じて変化する可変バルブタイミング機構の摩擦係数特性に適合させて制御ゲインを設定することにより、摩擦係数変化による制御応答の変化を抑制でき、安定した制御応答性を得られる。
また、バルブタイミングを進角方向に変更するときと、遅角方向に変更するときとで、異なる種類の駆動源によって駆動されることにより、同一の操作量を与えても駆動力が相違するので、制御方向によって制御ゲインの大きさを異ならせて設定することにより、同等の制御応答とすることができる。
請求項2に係る発明は、前記制御ゲイン設定手段は、バルブタイミングを進角方向に変更するときと、遅角方向に変更するときとで、別々に制御ゲインを設定することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
摩擦係数を、機関の潤滑油温度に応じて可変に設定することを特徴とする。
請求項2に係る発明によると、潤滑油温度に影響されず、より高精度な制御を行うことができる。
また、請求項3に係る発明は、
前記操作量設定手段は、可変バルブタイミング機構を運動方程式によってモデル化した特性を用い、前記目標バルブタイミングに対し、所望の遅れを有した応答(規範応答)で変化する規範バルブタイミングを演算し、該規範バルブタイミングを得られるフィードフォワード操作量を演算することを特徴とする。
請求項3に係る発明によると、所望の規範応答特性に制御しつつ、摩擦係数変化に対して、良好な制御性能を維持できる。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
燃焼排気は燃焼室106から排気バルブ107を介して排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ排気側カムシャフト110,吸気側カムシャフト134に設けられたカムによって開閉駆動されるが、吸気側カムシャフト134側には、クランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の相対位相を変化させることで、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変化させる可変バルブタイミング機構(以下、VTCと略す)113が設けられている。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131が設けられる。
前記燃料噴射弁131は、エンジンコントロールユニット(以下、ECUと略す)114からの噴射パルス信号Tiによって開弁駆動されると、所定圧力に調整された燃料を吸気バルブ105に向けて噴射する。
前記ECU114は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサからの検出信号に基づく演算処理によって、前記電子制御スロットル104,VTC113及び燃料噴射弁131などを制御する。
前記各種センサとしては、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ116、機関101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、クランクシャフト120から基準クランク角位置毎(4気筒でクランク角180°毎)の基準クランク角信号REF及び単位クランク角毎の単位角度信号POSを取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、機関101の冷却水温度TWを検出する水温センサ119、機関101の潤滑油温度TOを検出する油温センサ120、吸気側カムシャフト134から基準カム角毎(クランク角180°に相当するカム角で90°毎)のカム信号CAMを取り出すカムセンサ132などが設けられている。
尚、前記クランク角センサ117から出力される回転信号に基づいてECU114において機関回転速度Neが算出される。
次に、前記VTC113の構成を、図2〜図8に基づいて説明する。
図2に示すように、前記VTC113は、前記吸気側のカムシャフト134と、このカムシャフト134の前端部に必要に応じて相対回動できるように組み付けられ、チェーン(図示せず)を介してクランクシャフト120に連係されるタイミングスプロケット302を外周に有する駆動リング303と、この駆動リング303とカムシャフト134の前方側(図2中左側)に配置されて、両者303,301の組付角を操作する組付角操作機構304と、この組付角操作機構304のさらに前方側に配置されて、同機構304を駆動する操作力付与手段305と、内燃機関の図外のシリンダヘッドとヘッドカバーの前面に跨って取り付けられて組付角操作機構304と操作力付与手段305の前面と周域を覆う図外のVTCカバーと、を備えている。
駆動リング303は、段差状の挿通孔306を備えた短軸円筒状に形成され、この挿通孔306部分が、カムシャフト134の前端部に結合された従動軸部材307に回転可能に組み付けられている。
そして、駆動リング303の前面(カムシャフト134と逆側の面)には、図3に示すように、対面する平行な側壁を有する3個の径方向溝308(径方向ガイド)が駆動リング303のほぼ半径方向に沿うように形成されている。
また、従動軸部材307は、図2に示すように、カムシャフト134の前端部に突き合わされる基部側外周に拡径部が形成されると共に、その拡径部よりも前方側の外周面に放射状に突出する3個のレバー309が一体に形成され、軸芯部を貫通するボルト310によってカムシャフト134に結合されている。
各レバー309には、リンク311の基端がピン312によって軸支連結され、各リンク311の先端には前記各径方向溝308に摺動自由に係合する円柱状の突出部313が一体に形成されている。
各リンク311は、突出部313が対応する径方向溝308に係合した状態において、ピン312を介して従動軸部材307に連結されているため、リンク311の先端側が外力を受けて径方向溝308に沿って変位すると、駆動リング303と従動軸部材307とはリンク311の作用によって突出部313の変位に応じた方向及び角度だけ相対回動する。
また、各リンク311の先端部には、軸方向前方側に開口する収容穴314が形成され、この収容穴314に、後述する渦巻き溝315(渦巻き状ガイド)に係合する球面突起316aを有する係合ピン316(転動部材)と、この係合ピン316を前方側(渦巻き溝315側)に付勢するコイルばね317とが収容されている。
なお、この実施形態においては、リンク311の先端の突出部313と係合ピン316、コイルばね317等とによって径方向に変位可能な可動案内部が構成されている。
一方、従動軸部材307のレバー309の突設位置よりも前方側には、円板状のフランジ壁318aを有する中間回転体318が、軸受331を介して回転自在に支持されている。
この中間回転体318のフランジ壁318aの後面側には、断面半円状の前述の渦巻き溝315が形成され、この渦巻き溝315に、前記各リンク311の先端の係合ピン316が転動自在に案内係合されている。
渦巻き溝315の渦巻きは、駆動リング303の回転方向に沿って次第に縮径するように形成されている。
従って、各リンク311先端の係合ピン316が渦巻き溝315に係合した状態において、中間回転体318が駆動リング303に対して遅れ方向に相対回転すると、リンク311の先端部は径方向溝308に案内されつつ、渦巻き溝315の渦巻き形状に誘導されて半径方向内側に移動し、逆に、中間回転体318が進み方向に相対変位すると、半径方向外側に移動する。
この実施形態の組付角操作機構304は、以上説明した駆動リング303の径方向溝308、リンク311、突出部313、係合ピン316、レバー309、中間回転体318、渦巻き溝315等によって構成されている。
この組付角操作機構304は、操作力付与手段305から中間回転体318にカムシャフト134に対する相対的な回動操作力が入力されると、その操作力が渦巻き溝315と係合ピン316の係合部を通してリンク311の先端を径方向に変位させ、このときリンク311とレバー309の作用によって駆動リンク303と従動軸部材307に相対的な回動力を伝達する。
一方、操作力付与手段305は、中間回転体318を駆動リング303の回転方向に付勢するゼンマイばね319と、中間回転体318を駆動リング303の回転方向と逆方向に付勢すべく制動する機構であるヒステリシスブレーキ320と、を備えてなり、内燃機関の運転状態に応じてヒステリシスブレーキ320の制動力を適宜制御することにより、中間回転体318を駆動リング303に対して相対回動させ、或いは、この両者の回動位置を維持するようになっている。
ゼンマイばね319は、駆動リング303に一体に取り付けられた円筒部材321にその外周端部が結合される一方で、内周端部が中間回転体318の円筒状の基部に結合され、全体が中間回転体318のフランジ壁318aの前方側スペースに配置されている。
一方、ヒステリシスブレーキ320は、中間回転体318の前端部にリテーナプレート322を介して取り付けられた有底円筒状のヒステリシスリング323と、非回転部材である図外のVTCカバーに回転を規制される状態で取り付けられた磁界制御手段としての電磁コイル324(アクチュエータ)と、電磁コイル324の磁気を誘導する磁気誘導部材であるコイルヨーク325と、を備え、電磁コイル324が機関の運転状態に応じて前記ECU114によって通電制御されるようになっている。
ヒステリシスリング323は、図6に示すように、外部の磁界の変化に対して位相遅れをもって磁束力が変化する特性(磁気的ヒステリシス特性)を持つヒステリシス材(半硬質材)によって形成され、外周側の円筒壁323a部分が前記コイルヨーク325によって制動作用を受けるようになっている。
コイルヨーク325は、電磁コイル324を取り囲むように全体が略円筒形状に形成され、その内周面が軸受328を介して従動軸部材307の先端部に回転可能に支持されている。
そして、コイルヨーク325の後部面側(中間回転体318側)には、磁気入出部分が円筒状の隙間をもって向かい合うように周面状の一対の対向面326,327が形成されている。
また、図4に示すように、コイルヨーク325の両対向面326,327には夫々円周方向に沿って複数の凹凸が連続して形成され、これら凹凸のうちの凸部326a,327aが磁極(磁界発生部)を成すようになっている。
そして、一方の対向面326の凸部326aと他方の対向面327の凸部327aは円周方向に交互に配置され、対向面326,327相互の近接する凸部326a,327aがすべて円周方向にずれている。
従って、両対向面326,327の近接する凸部326a,327a間には、電磁コイル24の励磁によって図7に示すような円周方向に傾きをもった向きの磁界が発生する。
そして、両対向面326,327間の隙間には前記ヒステリシスリング323の円筒壁323aが非接触状態で介装されている。
ここで、このヒステリシスブレーキ320の作動原理を図8によって説明する。
尚、図8(a)は、ヒステリシスリング323(ヒステリシス材)に最初に磁界をかけた状態を示し、図8(b)は、上記(a)の状態からヒステリシスリング323を変位(回転)させた状態を示す。
図8(a)の状態においては、コイルヨーク325の対向面326,327間の磁界の向き(対向面27の凸部327aから他方の対向面326の凸部327aに向かう磁界の向き)に沿うようにヒステリシスリング323内に磁束の流れが生じる。
この状態からヒステリシスリング323が図8(b)に示すように外力Fを受けて移動すると、外部磁界内をヒステリシスリング323が変位することになるため、このときヒステリシスリング323の内部の磁束は位相遅れをもち、ヒステリシスリング323の内部の磁束の向きは対向面326,327間の磁界の向きに対してずれる(傾斜する)ことになる。
従って、対向面327の凸部327aからヒステリシスリング323に入る磁束の流れ(磁力線)と、ヒステリシスリング323から他方の対向面326の凸部326aに向かう磁束の流れ(磁力線)が歪められ、このとき、この磁束の流れの歪みを矯正するような引き合い力が対向面326,327とヒステリシスリング323の間に作用し、その引き合い力がヒステリシスリング323を制動する抗力F’として働く。
前記ヒステリシスブレーキ320は、以上のようにヒステリシスリング323が対向面326,327間の磁界内を変位するときに、ヒステリシスリング323の内部の磁束の向きと磁界の向きのずれによって制動力を発生するものであるが、その制動力は、ヒステリシスリング323の回転速度(対向面326,327とヒステリシスリング323の相対速度)に関係なく、磁界の強さ、即ち、電磁コイル324の励磁電流の大きさに略比例した一定の値となる。
本実施形態に係るVTC113は以上のような構成となっており、ヒステリシスブレーキ320の電磁コイル324の励磁をオフにすると、ゼンマイばね319の付勢力によって中間回転体318が駆動リング303に対して機関回転方向に最大限回転し、係合ピン316が渦巻き溝315の外周側端面315aに突き当たる位置で規制され、この位置がVTC113の機構上で変更し得る相対位相の最遅角位置となる(図3参照)。
この状態から電磁コイル324の励磁をオンとすると、ゼンマイばね319の力に抗する制動力が中間回転体318に付与されて、中間回転体318が駆動リング303に対して逆方向に回転し、それによってリンク311の先端の係合ピン316が渦巻き溝315に誘導されることでリンク311の先端部が径方向溝308に沿って変位し、リンク11の作用によって駆動リング303と従動軸部材307の組付角が進角側に変更される。
そして、前記電磁コイル324の励磁電流を増大して制動力を増大していくと、ついには係合ピン316が渦巻き溝315の内周側端面315bに突き当たる位置で規制され、この位置がVTC113の機構上で変更し得る相対位相の最進角位置となる(図5参照)。
この状態から電磁コイル324の励磁電流が減少して制動力が減少すると、ゼンマイばね319の付勢力によって中間回転体318が正方向に戻り回転し、渦巻き溝315による係合ピン316の誘導によってリンク311が上記と逆方向に揺動し、駆動リング303と従動軸部材307の組付角が遅角側に変更される。
このように、このVTC113によって可変されるクランクシャフト120に対するカムシャフト134の相対位相(吸気バルブ105の作動角の中心位相)は、電磁コイル324の励磁電流値を制御してヒステリシスブレーキ320の制動力を制御することによって任意に変更され、ゼンマイばね319の力とヒステリシスブレーキ320の制動力のバランスによってその位相を保持することができる。
更に、本実施形態のVTC113には、駆動リング303側に支持されるロックピン351を、渦巻き溝315が形成される中間回転体318に設けられたピン穴352に嵌合させることで、駆動リング303に対する中間回転体318の相対回転を制限して、係合ピン316の径方向溝308における位置を固定し、以って、ロックピン351とピン穴352との嵌合位置で決められる中間位相にロックするロック機構が設けられている。
前記中間位相とは最遅角位置よりも進角される始動時に要求される相対位相である。
前記ロックピン351は、ばね力によって中間回転体318に向けて突出する方向に付勢されており、ECU114で制御される電磁アクチュエータ353(又は電磁弁で供給油圧が制御される油圧アクチュエータ)により、前記ばね力に抗して駆動リング303側に引き戻されるようになっている。
中間回転体318がゼンマイばね319によって最遅角側に付勢されていることから、前記ロック機構による非ロック状態で、かつ、ヒステリシスブレーキ320の制動力が働かない機関の停止時(キースイッチのOFF時)であるときには、最遅角位置に戻ることになる。
しかし、前記ロック機構によってロックを行えば、機関の停止中に、始動時に要求される相対位相に対応する位置に固定されることになり、次回の始動時には、ロック状態のまま始動させれば、始動時に要求される相対位相(バルブタイミング)での機関運転を始動開始時から実現できることになる。
次に、上記VTC113のフィードバック制御について説明する。
図9は、制御全体のブロック線図を示す。
VTC目標回転角度演算部Aは、機関運転状態(機関回転速度Ne、負荷Te等)に基づいて、VTC113の目標回転角度θm、つまり吸気バルブ105の目標バルブタイミングを演算する。
フィードフォワード操作量演算部Bは、前記VTC113の目標回転角度θmに基づいて、VTC113のフィードフォワード操作量FFを演算する。
制御ゲイン演算部Cは、VTC113の回転角度、つまり、カムセンサによって検出されるクランクシャフト120に対する吸気側カムシャフト134の相対回転角度(相対位相)を入力して、該VTC回転角度θの変化量であるVTC回転角速度dθ/dt(VTC113の動作速度)を演算し、該VTC回転角速度dθ/dtに応じて制御ゲインを算出する。
フィードバック操作量演算部Dは、前記VTC113の目標回転角度θmと、実回転角度θと、の偏差に基づいて、フィードバック操作量FBを演算する。
そして、上記フィードフォワード操作量FFとフィードバック操作量FBとを加算したトータル操作量が、VTC113に出力され、バルブタイミングが制御される。
図10は、本発明に係る上記制御ゲイン演算部Cの一実施の形態の詳細を示す。
まず、VTC回転角度θを、離散時間微分処理(最新値から前回値を減算)によって、VTC回転角速度dθ/dtに変換する(C1)。
VTC113の摩擦係数は、進角方向へ制御するときと、遅角方向へ制御するときとで相違する。これは、制御方向によって、係合ピン316が渦巻き溝315の内周面側を摺動するか、外周面側を摺動するかが切り換えられ、これらを摺動するときの摩擦係数が相違することに起因する。なお、他の渦巻き溝を有しない形式の電磁VTCや、電動VTCにおいても、摩擦摺動面の状態等で摩擦係数は、進角方向へ制御するときと、遅角方向へ制御するときとで相違することがあり、したがって、本発明は、これら他の電磁VTCや電動VTCにも適用できるものである。
また、フィードバック制御を行う駆動源が、進角方向制御時と遅角方向制御時とで相違することにより、見かけ上の摩擦係数が相違する。すなわち、進行方向制御時は、VTC113の電磁アクチュエータ353の駆動力が駆動源であり、摩擦抵抗にゼンマイばね319(リターンスプリング)の反力Frを加えた駆動力Fが必要となる。
したがって、
F=Fr+μ
ただし、μは、進角方向制御時の真の摩擦係数、Mは、可動部の質量
ここで、フィードバック制御の操作量で可変とされる駆動力Fと摩擦抵抗とが、見かけ上の摩擦係数μ’を用いて釣り合うように書き直すと、
F=μ’M
μ’=(Fr+μM)/M=Fr/M+μ
となって、見かけ上の摩擦係数μ’は、真の摩擦係数μよりFr/Mだけ増大する。
同様に、遅角方向制御時は、ゼンマイばね319(リターンスプリング)の反力Frが駆動源であり、該反力Frから電磁アクチュエータ353の駆動力Fを差し引いた力が、摩擦抵抗と釣り合うこととなる。
すなわち、
Fr−F=μ
ただし、μは、遅角方向制御時の真の摩擦係数
そして、駆動力Fと摩擦抵抗とが、見かけ上の摩擦係数μ’を用いて釣り合うように書き直すと、
F=μ’M
μ’=(Fr−μM)/M=−(μ−Fr/M)
摩擦係数の正負は、制御方向によるものであり、大きさについて絶対値で比較すると、見かけ上の摩擦係数|μ’|は、真の摩擦係数|μ|よりFr/Mだけ減少する。
となって、見かけ上の摩擦係数μ’は、真の摩擦係数μよりFr/Mだけ増大する。
そこで、本実施形態では、制御ゲインを、進角方向制御時と遅角方向制御時とで別々に設定することで、制御方向の相違による制御応答の相違を吸収する構成とする。
上述のように演算されたVTC回転角速度dθ/dtに対する制御ゲイン特性を設定したマップテーブルを、進角方向制御時と、遅角方向制御時とで、別々に設ける(C2,C3)。
ここで、本発明に係る構成として、各マップテーブルは、共にVTC回転角速度dθ/dtが小さいほど、摩擦係数が大きくなることを考慮し、制御ゲインが大きくなるように設定している。
また、上述した制御方向による相違を考慮し、進角用ゲインは、遅角用ゲインより大きい値に設定されている。
なお、PID制御の制御ゲインは、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインがあり、簡易的には共通としてもよいが、精度を高めるためには別々に設定する。
そして、前記VTC回転角速度dθ/dtが正(進角方向制御時)であるか否(遅角方向制御時)かを判別し(C4)、進角方向制御時と判定されたときは、前記進角方向制御時用のマップテーブルから検索した摩擦係数Dを選択し、遅角方向制御時と判定されたときは、前記遅角方向制御時用のマップテーブルから検索した摩擦係数μを選択して出力する(C5)。
図11は、フィードバック操作量演算部Dの詳細を示す。
VTC規範回転角度θkと、検出されたVTC回転角度θとの偏差Δθ(=θk−θ)を算出する(D1)。
前記偏差Δθに、比例ゲインpを乗じてフィードバック比例分FBpを算出する。
前記偏差Δθに積分ゲインiを乗じた後、離散時間積分処理(最新値に前回値を積算)して、フィードバック積分分FBiを算出する。
前記偏差Δθに微分分dを乗じた後、離散時間微分処理(最新値から前回値を減算)して、フィードバック微分分FBdを算出する。
そして、これら各フィードバック操作量FBp、FBi、FBdを加算し、トータルのフィードバック操作量FBを演算する(D2)。
図13は、上記制御ゲイン演算部Cの別の実施形態の詳細を示す。
本実施形態では、前記実施形態と同様、進角方向制御時と遅角方向制御時とで別々にVTC回転角速度に応じた摩擦係数特性のマップテーブルを設定すると共に、潤滑油温度毎に複数のマップテーブルを設定し、潤滑油温度に応じてマップテーブルを選択する構成としたものである(C2’、C3’)。
すなわち、摩擦係数は、潤滑油温度によっても変化する。具体的には、潤滑油はVTC各部の摺動摩擦面に供給され、潤滑油温度が増大すると潤滑油の粘度が小さくなって摩擦係数が減少するが、所定温度より増大すると、今度は、潤滑油膜が薄くなることなどによって摩擦係数は増加に転じる。
そこで、上記潤滑油温度による摩擦係数特性の変化に合わせて複数のマップテーブルを設定する。具体的には、潤滑油温度が前記所定温度以下のときは、潤滑油温度の増大に応じて摩擦係数が減少するので、ゲインを減少補正し、潤滑油温度が所定温度を超えるときは、潤滑油温度の増大に応じて摩擦係数が増大するので、ゲインを増大補正する。このようにすれば、潤滑油温度に影響されず、より高精度な制御を行うことができる。
また、フィードフォワード操作量演算手段として、VTC目標回転角度θmに対し、所望の遅れを有した応答(規範応答)で変化するVTC規範回転角度θkを演算し、VTC113の動特性(運動方程式)モデルを逆変換したモデルにより、上記VTC規範回転角度を得られるフィードフォワード操作量FFを演算し、フィードバック操作量演算部は、前記VTC規範回転角度とVTC113の実回転角度との偏差に基づいて、フィードバック操作量FBを演算するような構成とすることもできる。このようにすれば、所望の規範応答特性に制御しつつ、摩擦係数変化に対して、良好な制御性能を維持できる。
実施形態における内燃機関のシステム構成図。 可変バルブタイミング機構を示す断面図。 図2のA−A線に沿う断面図。 図2のB−B線に沿う断面図。 上記VTC機構の作動状態を示す図3と同様の断面図。 ヒステリシス材の磁束密度−磁界特性を示すグラフ。 図4の部分拡大断面図。 図7の部品を直線状に展開した模式図であり、初期状態(a)とヒステリシスリングが回転したとき(b)の磁束の流れを示す図。 制御全体を示すブロック線図。 制御ゲイン演算部の一実施の形態の詳細を示すブロック線図。 フィードバック操作量演算部の詳細を示すブロック線図。 制御ゲイン演算部の別の実施形態の詳細を示すブロック線図。
符号の説明
101…内燃機関、105…吸気バルブ、113…可変バルブタイミング機構(VTC)、114…エンジンコントロールユニット(ECU)、117…クランク角センサ、119…水温センサ、120…クランクシャフト、132…カムセンサ、134…カムシャフト、303…駆動リング、318…中間回転体、351…ロックピン、352…ピン穴、353…電磁アクチュエータ、C…制御ゲイン演算部、D…フィードバック操作量演算部

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブのバルブタイミングを可変な可変バルブタイミング機構であって、前記バルブタイミングの進角方向または遅角方向のいずれか一方への変更を電磁アクチュエータを用いて行い、他方への変更を反力源を用いて行う可変バルブタイミング機構の制御装置において、
    機関運転状態に基づいて、目標バルブタイミングを設定する目標バルブタイミング設定手段と、
    実際のバルブタイミングを検出するバルブタイミング検出手段と、
    前記目標バルブタイミングおよび実際のバルブタイミングに基づいて、制御の操作量を設定する操作量設定手段と、を備え、
    前記可変バルブタイミング機構の制御中の動作速度を検出する速度検出手段と、
    前記可変動弁機構によるフィードバック制御における制御ゲインを、検出された動作速度が小さいほど大きくなるように、バルブタイミングを進角方向に変更するときと、遅角方向に変更するときとで別々に設定し、かつ、前記電磁アクチュエータを用いる方向へ変更するときは、前記反力源を用いる方向へ変更するときより大きい値に設定する制御ゲイン設定手段と、
    を含んで構成したことを特徴とする可変バルブタイミング機構の制御装置。
  2. 摩擦係数を、機関の潤滑油温度に応じて可変に設定することを特徴とする請求項1に記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
  3. 前記操作量設定手段は、可変バルブタイミング機構を運動方程式によってモデル化した特性を用い、前記目標バルブタイミングに対し、所望の遅れを有した応答(規範応答)で変化する規範バルブタイミングを演算し、該規範バルブタイミングを得られるフィードフォワード操作量を演算することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
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