JP2002161765A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP2002161765A
JP2002161765A JP2000364588A JP2000364588A JP2002161765A JP 2002161765 A JP2002161765 A JP 2002161765A JP 2000364588 A JP2000364588 A JP 2000364588A JP 2000364588 A JP2000364588 A JP 2000364588A JP 2002161765 A JP2002161765 A JP 2002161765A
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pressure
lock
lock mechanism
camshaft
pressure chamber
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JP2000364588A
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Hironobu Makino
博信 牧野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロック機構に作用する無理な力を極力抑えつ
つ、カムシャフトの相対回転位相を目標とする位相にま
で速やかに移行させることのできる内燃機関のバルブタ
イミング制御装置を提供する。 【解決手段】バルブタイミング制御装置は、進角側圧力
室及び遅角側圧力室の油圧の圧力状態に基づいてクラン
クシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更
する。同装置は、カムシャフトの相対回転位相を中間位
置にロックする一方、遅角側圧力室の油圧に基づいて同
ロックを解除するロック機構を備える。ロック機構のロ
ックを解除して相対回転位相を変更する際に、目標とす
る位相(目標進角値)を中間位置に所定時間Ta維持し
た後、機関運転状態に応じた要求進角値に徐々に移行さ
せる。これにより、両圧力室の油圧を、ロック機構のロ
ックを解除可能な第1の圧力状態から相対回転位相を変
更するための第2の圧力状態に徐々に移行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムシャフトの回
転位相に応じて開閉する機関バルブの開閉時期(バルブ
タイミング)を可変制御する内燃機関のバルブタイミン
グ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用エンジン等の内燃機関にあって
は、出力の向上やエミッションの改善等を図るために同
機関のバルブタイミングを適宜に変更するバルブタイミ
ング制御装置が設けられたものがある。こうしたバルブ
タイミング制御装置では、例えば内燃機関のカムシャフ
トに連結された可動部材と、可動部材を挟むように設け
られる進角側圧力室及び遅角側圧力室とを備えている。
そして、それら各圧力室に選択的に作動油を供給し、こ
れにより生じる各圧力室の圧力差によって可動部材を移
動させることで、同機関のクランクシャフトに対するカ
ムシャフトの相対回転位相を進角側又は遅角側に変更す
る。このようにカムシャフトの相対回転位相を変更する
ことにより、同機関のバルブタイミングが変更されるよ
うになる。
【0003】従来、こうしたバルブタイミング制御装置
として、内燃機関の始動開始時におけるバルブタイミン
グを機関始動に適したバルブタイミング(以下、始動タ
イミングという)にて固定すべく、カムシャフトの相対
回転位相を上記始動タイミングに対応する位相となる位
置にてロックするロック機構を備えたものが提案されて
いる(例えば、特開平11−132013号公報)。
【0004】こうしたロック機構は、例えばカムシャフ
ト側に設けられるロック穴と、ばね等によって同ロック
穴方向に付勢された状態で上記可動部材に設けられるロ
ックピンとを備えている。そして、ロック機構によって
バルブタイミングを上記始動タイミングにロックした状
態からロックピンとロック穴との係合を解除して同バル
ブタイミングを変更する際には、以下の(イ)〜(ハ)
に示される態様をもって上記各圧力室のそれぞれに供給
される作動油の圧力が制御されるようになっている。 (イ)ロック機構によってバルブタイミングを上記始動
タイミングに固定する際には、各圧力室の作動油圧がロ
ックピンとロック穴との係合を保持し得る値に調整され
る。従ってこの場合には、ばねの付勢力によってロック
ピンがロック穴に係合され、カムシャフトの相対回転位
相が上記始動タイミングに対応する位相にロックされ
る。 (ロ)次に、このロック機構による相対回転位相のロッ
クを解除する際には、各圧力室の作動油圧がロックピン
をロック穴から離脱させ得る値に調整され、その状態の
まま所定時間維持される。その結果、ロックピンがロッ
ク穴から離脱する方向に移動してその係合が解除され、
カムシャフトの相対回転位相が各圧力室の圧力差に応じ
て変更可能な状態となる。 (ハ)上記(ロ)の後、各圧力室に選択的に作動油を供
給してこれら各圧力室の圧力状態を変更する。これによ
り、カムシャフトの相対回転位相が所定の位相に変更さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロックピン
をロック穴から完全に離脱させるのに要する時間は、オ
イルポンプの作動状態や作動油の粘度等々に応じて変化
し一定とはならない。
【0006】このため、上記所定時間が、ロックピンを
ロック穴から完全に離脱させるのに要する時間よりも短
く設定されている場合には、ロックピンがロック穴から
完全に離脱しないまま、カムシャフトの相対回転位相が
変更されてしまうことがある。こうした場合には、ロッ
ク機構に無理な力が作用して、その損傷を招くおそれが
ある。
【0007】一方、上記所定時間が十分に長い時間に設
定されている場合には、カムシャフトの相対回転位相を
変更するタイミングが遅れ、同相対回転位相を目標とす
る位相にまで移行するのに要する時間が長くなってしま
う。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ロック機構に作用する無理
な力を極力抑えつつ、カムシャフトの相対回転位相を目
標とする位相にまで速やかに移行させることのできる内
燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、進角側圧力室及び遅角側
圧力室の流体圧に基づいてクランクシャフトに対するカ
ムシャフトの相対回転位相を変更する内燃機関のバルブ
タイミング制御装置において、前記カムシャフトの相対
回転位相を所定の位相にロックする一方、前記進角側圧
力室及び遅角側圧力室のうち少なくとも一方の流体圧に
基づいて同ロックを解除するロック機構と、前記ロック
機構のロックを解除して前記カムシャフトの相対回転位
相を変更するに際し、前記進角側圧力室及び遅角側圧力
室の流体圧を、同ロック機構のロックを解除可能な第1
の圧力状態に設定した後、同第1の圧力状態から前記カ
ムシャフトの相対回転位相を変更するための第2の圧力
状態に徐々に移行させる流体圧制御手段とを備えること
をその要旨とする。
【0010】上記構成では、進角側圧力室及び遅角側圧
力室の各流体圧が第1の圧力状態に設定されることによ
り、ロック機構のロックが解除されるようになる。そし
てその後、両圧力室の流体圧を第1の圧力状態から第2
の圧力状態に移行させることにより、カムシャフトの相
対回転位相が目標とする位相に変更される。
【0011】ここで、ロック機構のロックを解除するの
が遅れ、両圧力室の流体圧を第1の圧力状態から第2の
圧力状態に移行させる際に同ロックが完全に解除されて
いない場合には、カムシャフトの相対回転位相の変更に
伴う無理な力がロック機構に対して作用するようにな
る。
【0012】しかしながら、上記構成によれば、第2の
圧力状態への移行を徐々に行うようにしているため、こ
うしたロック機構に作用する無理な力を極力小さく抑え
つつ、同ロック機構のロックを完全に解除させることが
できるようになる。
【0013】また、両圧力室の流体圧を第1の圧力状態
から第2の圧力状態に移行させる際にロック機構のロッ
クが完全に解除されている場合には、カムシャフトの相
対回転位相を徐々にではあるが変更させることができ
る。このため、ロック機構のロックが確実に解除される
ようになるまでカムシャフトの相対回転位相の変更を長
期間にわたって停止するようにした場合とは異なり、同
相対回転位相の変更をより早期に開始することができる
ようになる。
【0014】従って、請求項1記載の発明によれば、ロ
ック機構に作用する無理な力を極力抑えつつ、カムシャ
フトの相対回転位相を目標とする位相にまで速やかに移
行させることができるようになる。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前
記第1の圧力状態は、前記ロック機構のロックを解除可
能であり且つ前記カムシャフトの相対回転位相を前記所
定の位相に保持可能な圧力状態であることをその要旨と
する。
【0016】上記構成によれば、両圧力室の流体圧を上
記第1の圧力状態に設定することにより、カムシャフト
の相対回転を確実に停止させ、ロック機構に無理な力を
作用させることなく同ロック機構のロックを速やかに解
除することができるようになる。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
て、前記流体圧制御手段は、前記進角側圧力室及び遅角
側圧力室の流体圧を前記第1の圧力状態に設定した後の
経過時間を計時し、同計時時間に基づいて前記両圧力室
の流体圧を前記第1の圧力状態から前記第2の圧力状態
に徐々に移行させる際の状態変化量を設定することをそ
の要旨とする。
【0018】上記構成によれば、上記状態変化量をロッ
ク機構のロックを解除する際の応答遅れ等に合わせて正
確に設定することができ、請求項1記載の発明の作用効
果を一層好適に奏することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態について、詳細に説明する。図1は、本実施の形
態のバルブタイミング制御装置の側部断面構造と、同制
御装置の油圧回路構造とを併せて示している。また、図
2は、同制御装置の正面断面構造を示している。
【0020】先ず、図1に示すように、機関バルブ(例
えば吸気バルブ)を開閉駆動するカムシャフト11は、
シリンダヘッド23の上端部及びベアリングキャップ2
4によって回転可能に支持されている。このカムシャフ
ト11の先端には、内部ロータ12がボルト14により
一体回転可能に固定されている。
【0021】このカムシャフト11の先端部には、機関
出力軸であるクランクシャフト(図示略)と駆動連結さ
れ、これと同期して回転するカムスプロケット15が相
対回転可能に装着されている。このカムスプロケット1
5には、ハウジング16及びカバー17がボルト18に
より、一体回転可能に取り付けられている。ハウジング
16は円環形状をなしており、その内周部に上記内部ロ
ータ12を内包するように設けられている。また、カバ
ー17は、これらハウジング16及び内部ロータ12の
先端面を覆っている。
【0022】一方、図2に示すように、内部ロータ12
の外周には、複数の(ここでは4つの)ベーン13が設
けられている。このベーン13は、ハウジング16の内
周に形成された溝状の凹部19内に収容されている。こ
の凹部19は、ベーン13によって2つの圧力室21,
22に区画されている。なお以下では、これら圧力室2
1,22のうち、ベーン13から見てカムシャフト11
の回転方向側(同図2では時計回り方向側)に形成され
る圧力室22を「遅角側圧力室」、またその反対側に形
成される圧力室21を「進角側圧力室」という。
【0023】内部ロータ12の各ベーン13の先端及び
ハウジング16の凹部19同士を区画する凸状の部分2
0の先端には、シール部材28が装着されている。この
シール部材28は、図1に示すように、板ばね29によ
って上記各凹部19の内壁面及び内部ロータ12の外周
面にそれぞれ圧接されている。そのため、このシール部
材28によって、上記進角側圧力室21及び遅角側圧力
室22の間がシールされる。また、こうして進角側圧力
室21及び遅角側圧力室22の間がシールされること
で、これら両圧力室21,22内に作動油が充填された
状態では、それら作動油を介して内部ロータ12とハウ
ジング16とが連結され、ハウジング16に固定された
カムスプロケット15の回転がカムシャフト11へと伝
達されるようになる。
【0024】また、このバルブタイミング制御装置で
は、これら圧力室21,22の油圧によって内部ロータ
12をハウジング16に対して相対回転させるようにし
ている。
【0025】すなわち、進角側圧力室21の作動油圧を
遅角側圧力室22の油圧に対して高くした場合、内部ロ
ータ12はハウジング16に対してカムシャフト11の
回転方向に相対回転する。このとき、内部ロータ12に
固定されたカムシャフト11の回転位相は、ハウジング
16に固定されたカムスプロケット15と同期回転する
クランクシャフトの回転位相に対して進角されるように
なる。
【0026】一方、遅角側圧力室22の作動油圧を進角
側圧力室21の油圧に対して高くした場合、内部ロータ
12はハウジング16に対してカムシャフト11の回転
方向と逆方向に相対回転され、カムシャフト11の回転
位相はクランクシャフトの回転位相に対して遅角される
ようになる。
【0027】なお、このバルブタイミング制御装置で
は、内部ロータ12は、ベーン13が凹部19の一方の
側壁に当接する位相から同凹部19の反対側の側壁に当
接する位相までの範囲で相対回転できるようになってい
る。すなわち、この相対回転可能な位相の範囲が、この
バルブタイミング制御装置における回転位相の制御範囲
となる。以下では、内部ロータ12が最も遅角方向(カ
ムシャフト11の回転方向とは逆方向)に相対回転した
ときの位置、すなわち上記制御範囲の遅角側の最大制御
位置を「最遅角位置」といい、最も進角方向(カムシャ
フト11の回転方向)に相対回転したときの位置、すな
わち上記制御範囲の進角側の最大制御位置を「最進角位
置」という。
【0028】このように本実施の形態のバルブタイミン
グ制御装置では、上記各圧力室21,22の圧力制御に
基づき、内部ロータ12を上記「最遅角位置」から「最
進角位置」までの範囲で相対回転させている。そしてこ
の相対回転によって、クランクシャフトに対するカムシ
ャフト11の相対回転位相を変更し、同カムシャフト1
1の回転に伴い開閉駆動される吸気バルブのバルブタイ
ミングを可変としている。
【0029】続いて、上記両圧力室21,22内の作動
油圧を調整するための油圧回路構成について、図1を参
照して説明する。図1に示すように、進角側圧力室21
及び遅角側圧力室22は、カムシャフト11の内部やシ
リンダヘッド23の内部などに形成された進角側油通路
44及び遅角側油通路45を通じて、それぞれ油圧制御
弁42に接続されている。この油圧制御弁42は、給油
通路46を介してオイルパン40に接続されている。こ
の給油通路46の途中にはクランクシャフトの回転力に
より駆動されるオイルポンプ41が設けられている。オ
イルパン40の潤滑油はこのオイルポンプ41により上
記両圧力室21,22に作動油として供給され、油圧制
御弁42に接続されたドレイン通路47を通じてオイル
パン40に戻される。
【0030】この油圧制御弁42は、例えばマイクロコ
ンピュータを有して構成される電子制御装置50のデュ
ーティ制御に基づき作動する。この電子制御装置50に
は、図1に示すように、クランクシャフトの回転位相を
検出するクランク角センサ51、カムシャフト11の回
転位相を検出するカム角センサ52などの各種センサの
検出信号が入力される。そして、上記電子制御装置50
は、両圧力室21,22の油圧を以下に示す態様で制御
する。
【0031】先ず、電子制御装置50は、機関回転速度
やスロットルバルブ(図示略)の開度等といった現在の
機関運転状態に応じたバルブタイミング(内部ロータ1
2の最遅角位置からの進角量)となる要求進角値をマッ
プに基づき算出するとともに、この要求進角値を目標進
角値として設定する。なお、このマップには、予め実験
等によって求められた適切な要求進角値と機関運転状態
との関係が記憶されている。
【0032】また、電子制御装置50は、上記クランク
角センサ51にて検出されるクランクシャフトの回転位
相と、カム角センサ52にて検出されるカムシャフト1
1の回転位相とに基づいてこのときのバルブタイミング
(検出値)を検出する。
【0033】そして、電子制御装置50は、これら目標
進角値と検出値との偏差に応じたデューティ信号を油圧
制御弁42に出力し、油圧制御弁42は、このデューテ
ィ信号に基づき以下のように作動する。
【0034】上記検出値が目標進角値と一致する場合、
電子制御装置50は、油圧制御弁42に対して出力する
デューティ信号のデューティ比を「保持デューティ比
(例えば「50%」)」に設定する。このとき、油圧制
御弁42により、進角側油通路44及び遅角側油通路4
5の双方が給油通路46に接続されるようになる。これ
により、上記両圧力室21,22の油圧が等しくなり内
部ロータ12の相対回転が停止されるため、カムシャフ
ト11の相対回転位相は現状に保持されるようになる。
【0035】一方、上記検出値が目標進角値よりも遅角
側にある場合、電子制御装置50は、上限を「100
%」、下限を「保持デューティ比」として、上記偏差が
大きいほどデューティ比を「100%」に近い値に設定
する。
【0036】これにより、油圧制御弁42により、進角
側油通路44が給油通路46に接続されるとともに、遅
角側油通路45がドレイン通路47に接続される。すな
わち、進角側圧力室21には作動油が供給されるととも
に遅角側圧力室22からは作動油が排出され、遅角側圧
力室22の油圧と比較して進角側圧力室21の油圧が高
められる。これにより、内部ロータ12がカムスプロケ
ット15に対して相対回転し、クランクシャフトに対す
るカムシャフト11の相対回転位相が進角されるように
なる。また、上記デューティ比が「100%」に近づく
ほど、進角側圧力室21に供給される作動油の量及び遅
角側圧力室22から排出される作動油の量が多くなるよ
うに設定されている。従って、上記検出値と目標進角値
との偏差が大きいほど、両圧力室21,22内の油圧差
が増大し、カムシャフト11の相対回転位相がより速や
かに進角されるようになる。
【0037】一方、上記検出値が目標進角値よりも進角
側にある場合、電子制御装置50は、上限を「保持デュ
ーティ比」、下限を「0%」として、上記偏差が大きい
ほどデューティ比を「0%」に近い値に設定する。
【0038】これにより、油圧制御弁42により、遅角
側油通路45が給油通路46に接続されるとともに進角
側油通路44がドレイン通路47に接続される。すなわ
ち、遅角側圧力室22には作動油が供給されるとともに
進角側圧力室21からは作動油が排出され、進角側圧力
室21の油圧と比較して遅角側圧力室22の油圧が高め
られる。これにより、カムシャフト11の相対回転位相
が遅角されるようになる。また、上記デューティ比が
「0%」に近づくほど、遅角側圧力室22に供給される
作動油の量及び進角側圧力室21から排出される作動油
の量が多くなるように設定されている。従って、上記検
出値と目標進角値との偏差が大きいほど、両圧力室2
1,22内の油圧差が増大し、カムシャフト11の相対
回転位相がより速やかに遅角されるようになる。
【0039】こうした油圧制御弁42の制御を通じて、
バルブタイミングを目標進角値に近づけ、一致させるよ
うなフィードバック制御が行われる。なお、本実施の形
態にあっては、こうしたカムシャフト11の相対回転位
相を変更可能な上記両圧力室21,22の作動油の圧力
状態を、前記第2の圧力状態としている。
【0040】更に、本実施の形態のバルブタイミング制
御装置では、機関始動時に、カムスプロケット15に対
する内部ロータ12の相対回転をロックするロック機構
30が設けられている。
【0041】図1及び図2に示すように、ベーン13の
一つには、カムシャフト11の軸方向と平行に延びる収
容孔31が形成されており、この収容孔31には、有底
円筒状のロックピン32が往復摺動可能に配設されてい
る。このロックピン31は、コイルばね34によってカ
ムスプロケット15側に向けて付勢されている。
【0042】収容孔31は、図3にその断面構造を示す
ように、その軸方向における中間部分が拡径され、ベー
ン13とロックピン32との間に円筒状の空間31aが
区画形成されている。また、この空間31aはその軸方
向における中間部分が、上記ベーン13に形成された油
通路36を通じて上記進角側圧力室21に接続されてお
り、同圧力室21の作動油圧が伝達されるようになって
いる。
【0043】上記ロックピン32の外周壁には、カムシ
ャフト11の軸方向における中間部位にフランジ32a
が形成されている。このフランジ32aによって上記空
間31aはカムシャフト11の軸方向において2つの空
間に区画形成されている。
【0044】上記カムスプロケット15には、内部ロー
タ12が前記始動タイミングに対応する所定の位相(こ
こでは、上記最遅角位置から所定位相だけ進角した位
置:以下「中間位置」)になったときに、上記ロックピ
ン32が挿入可能なロック穴33が形成されている。ま
た、このロック穴33とロックピン32との間に区画形
成される空間33aは、上記ベーン13とカムスプロケ
ット15との摺接面に形成された溝35を通じて上記遅
角側圧力室22と接続されており、同圧力室22の作動
油圧が伝達されるようになっている。
【0045】こうしたロック機構30にあっては、機関
停止に際して、ロックピン32がロック穴33よりも進
角側の位置になるように油圧制御弁42が制御される。
そして、オイルポンプ41の停止により、上記両圧力室
21,22の油圧が徐々に低下し、上記内部ロータ12
が遅角側に回転してロックピン32とロック穴33との
位置が合うと、同ロックピン32がコイルばね34の付
勢力によってロック穴33内に挿入される。その結果、
これらロックピン32とロック穴33との係合を通じて
内部ロータ12はカムスプロケット15に機械的に連結
され、その相対回転位相が上記中間位置にてロックされ
る。機関始動直後にあって上記両圧力室21,22の作
動油圧が十分に高まっていないときには、このコイルば
ね34の付勢力により、ロックピン32とロック穴33
との係合が維持され、ロック機構30のロック状態が維
持される。
【0046】一方、機関始動後において両圧力室21,
22の作動油圧が十分に高められた後において上記ロッ
ク状態を維持する場合には、ロック機構30は以下のよ
うに動作する。
【0047】上記電子制御装置50は油圧制御弁42に
対するデューティ信号のデューティ比を「100%」に
設定する。この際、コイルばね34の付勢力によりロッ
クピン32がロック穴33側に付勢されており、フラン
ジ32aは上記空間31a内において油通路36の開口
よりもロック穴33側に位置している(図3(a)参
照)。このため、同空間31a内に導入される進角側圧
力室21の油圧により、フランジ32aはロック穴33
側に付勢される。このときには、進角側圧力室21の油
圧による付勢力とコイルばね34の付勢力とによってロ
ック機構30のロック状態が維持される。
【0048】これに対して、ロック機構30のロックを
解除する場合には、同ロック機構30は以下のように動
作する。上記電子制御装置50は油圧制御弁42に対し
て出力するデューティ信号のデューティ比を「保持デュ
ーティ比」に設定する。これにより、上記空間33aの
作動油圧が高められ、その結果上記コイルばね34及び
進角側圧力室21の作動油圧によるロックピン32のロ
ック穴33方向への付勢力に抗して、遅角側圧力室22
の作動油圧が、ロックピン31をロック穴33から離脱
させるように作用するようになる。これにより、ロック
ピン32が図3(a)に示す位置から図3(c)に示す
位置へと徐々に移動して、ロック機構30のロックが解
除されるようになる。なお、本実施の形態にあっては、
この「保持デューティ比」により油圧制御弁42が作動
しているときにおける上記両圧力室21,22の作動油
の圧力状態であって、ロック機構30のロックを解除可
能な圧力状態が前記第1の圧力状態である。
【0049】また、この場合にあって、一旦上記フラン
ジ32aが上記油通路36よりもロック穴33方向側と
反対方向側に位置するようになると(図3(c)参
照)、上記空間31aに伝達される進角側圧力室21の
油圧は、上記フランジ32aをロック穴33方向側と反
対方向側に付勢するようになる。このため、その後は上
記遅角側圧力室22の油圧に加えて、進角側圧力室21
の油圧が、ロックピン32をロック穴33から離脱させ
るように作用するようになる。すなわちこの状態にあっ
ては、これら両圧力室21,22の作動油圧がともにロ
ックピン32をロック穴33から離脱させるように作用
することとなり、その後は両圧力室21,22の作動油
圧のうち、何れか一方が高められている限り、ロック機
構30のロックの解除が維持されるようになる。
【0050】ところで、こうしたロック機構30を備え
るバルブタイミング制御装置では、両圧力室21,22
の圧力状態を上記第1の圧力状態に所定時間維持してロ
ック機構30のロックを解除した後に、カムシャフト1
1の相対回転位相を変更されバルブタイミングのフィー
ドバック制御が開始されるが、上記所定時間が短いと、
ロック機構30のロックが完全に解除されないまま上記
フィードバック制御が開始されてしまうようになる。
【0051】特に、図3(b)に示されるように、ロッ
クピン32が移動してそのフランジ32aが通路36の
開口よりもカバー17側に位置する前に、上記フィード
バック制御を行うべく進角側圧力室21の油圧が高めら
れると、一旦カバー17側に移動したロックピン32が
再びロック穴33に挿入されてしまうようになる。
【0052】このようにロック機構30のロックが解除
されないままフィードバック制御が開始されカムシャフ
ト11の相対回転位相を変更されると、ロックピン32
がロック穴33の内壁に対して無理な力で押し付けら
れ、同ロックピン32やロック穴33の損傷を招くおそ
れがある。
【0053】一方、両圧力室21,22の圧力状態を上
記第1の圧力状態に維持する時間を必要以上に長く設定
すると、フィードバック制御の開始が遅れるようにな
り、運転状態に即したバルブタイミングの制御が困難に
なる。
【0054】そこで、本実施の形態のバルブタイミング
制御装置では、ロック機構30の損傷を回避しつつ、そ
の制御応答性を高めるべく、ロック機構30のロックを
解除して上記フィードバック制御を開始するに際し、上
記両圧力室21,22の油圧を同ロック機構30のロッ
クを解除可能な圧力状態、すなわち上記第1の圧力状態
に設定した後、この第1の圧力状態から上記カムシャフ
ト11の相対回転位相を変更するための圧力状態、すな
わち第2の圧力状態に徐々に移行させるようにしてい
る。
【0055】以下、ロック機構30のロックを解除して
フィードバック制御を開始する際の処理手順について、
図4及び図5を参照して説明する。なお、この処理は、
所定クランク角毎の割り込み処理として上記電子制御装
置50により実行される。
【0056】この処理においては先ず、図4に示す処理
を通じて、上記フィードバック制御の開始に際し、同制
御が開始された後の経過時間を計時するカウンタのカウ
ント値がクリアされる。
【0057】すなわち先ず、今回の処理において、ロッ
ク機構30のロックを維持する制御(強制中間位置制
御)からカムシャフト11の相対回転位相を可変とする
制御(上記フィードバック制御)に移行したか否かが判
断される(ステップS10)。具体的には、機関始動時
から所定時間が経過したときに上記強制中間位置制御か
らフィードバック制御に移行したと判断される。フィー
ドバック制御の開始時である旨判断された場合には(ス
テップS10;YES)、カウンタのカウント値をクリ
アした後(ステップS11)、本処理が一旦終了され
る。なお、このカウンタは、そのカウント値が所定時間
毎にインクリメントされるカウンタである。一方、フィ
ードバック制御が未だ開始されていない場合、あるいは
フィードバック制御が既に開始されている場合には(ス
テップS10;NO)、本処理が一旦終了される。
【0058】そして、こうしたカウンタの計時時間に基
づいて目標進角値を算出する処理が実行される。この目
標進角値算出処理では先ず、図5に示すように、上記フ
ィードバック制御が開始された後の経過時間が所定時間
Ta未満であるか否かが判断される(ステップS2
0)。具体的には、上記カウンタの計時時間が所定時間
Ta未満であるか否かが判断され、所定時間Ta未満で
あると判断される場合には(ステップS20;YE
S)、目標進角値が上記中間値に設定された後(ステッ
プS21)、本処理が一旦終了される。なお、上記所定
時間Taは、ロック機構30のロックを完全に解除する
のに要する時間として必ず必要となる時間に設定されて
いる。すなわち、ロックを解除するのに要する時間が短
くなってもこの所定時間Taより短くならないように同
所定時間Taは設定されている。
【0059】一方、上記フィードバック制御が開始され
てから所定時間Ta以上経過したと判断される場合には
(ステップS20;NO)、更に同制御が開始された後
の経過時間が所定時間Tb未満であるか否かが判断され
る(ステップS22)。具体的には、上記カウンタの計
時時間が所定時間Tb未満であるか否かが判断され、所
定時間Tb未満であると判断される場合には(ステップ
S22;YES)、目標進角値が 「目標進角値」=「要求進角値」×1/α +「前回の処理における目標進角値」×(1−1/α) …(1) といった関係式(1)に基づき算出された後(ステップ
S23)、本処理が一旦終了される。なお、ロック機構
30のロックを解除するのに要する時間が長くなった場
合でもこの所定時間Tbよりも短くならないように、同
所定時間Tbは設定されている。また、上記係数「α」
は、任意の定数(例えば、64)に設定される。
【0060】他方、上記フィードバック制御が開始され
てから所定時間Tb以上経過したと判断される場合には
(ステップS22;NO)、目標進角値が上記要求進角
値に設定された後(ステップS24)、本処理が一旦終
了される。
【0061】以下、本実施の形態にかかるバルブタイミ
ング制御装置の動作態様の一例について、図6に示すタ
イミングチャートを参照して説明する。なお、同図6
(a)はバルブタイミング制御装置の制御状態を示し、
同図6(b)〜(f)は目標進角値、デューティ信号の
デューティ比、カムシャフト11の相対回転位相、ロッ
ク機構30の作動状態、カウンタの計時時間の各推移を
それぞれ示している。
【0062】機関始動後、所定時間が経過し、バルブタ
イミング制御装置の制御状態が強制中間位置制御からフ
ィードバック制御に移行すると(タイミングt10:同
図6(a))、カウンタによる計時が開始される(同図
(f))。また、このときデューティ信号のデューティ
比が「保持デューティ比」に設定される(同図
(c))。そしてその後、カウンタの計時時間が所定時
間Taになるまでの期間(タイミングt10〜t1
1)、デューティ信号がこの「保持デューティ比」のま
ま維持される。これにより、この期間においては上記両
圧力室21,22の作動油圧が、ロック機構を解除可能
な圧力状態であり、且つカムシャフト11の相対回転位
相を中間位置に保持可能な圧力状態、すなわち上記第1
の圧力状態に維持される。このため、同期間において
は、カムシャフト11の相対回転を確実に停止させ(同
図(d))、ロック機構30に無理な力を作用させるこ
となく同ロック機構30のロックを速やかに解除状態に
移行させることができる(同図(e))。
【0063】そして、カウンタの計時時間が所定時間T
aになると(同図(f))、その後において目標進角値
が中間値から要求進角値に徐々に移行するようになる
(タイミングt11〜t13、同図(b))。また、こ
の目標進角値と検出値との偏差に基づいてデューティ信
号のデューティ比が設定され(同図(c))、この「デ
ューティ信号」に基づき油圧制御弁42が作動する。す
なわち、このとき各圧力室21,22の油圧が、上記第
1の圧力状態からカムシャフト11の相対回転位相を変
更可能な圧力状態、すなわち上記第2の圧力状態へと徐
々に移行するようになる。
【0064】このため、ロック機構30のロックの解除
が遅れ、所定時間Taが経過した後において同ロック機
構が完全解除状態にならないときでも(同図(e))、
目標進角値が要求進角値に設定されて上記デューティ信
号のデューティ比が「100%」に設定される場合(同
図6(b)及び(c)中の二点鎖線参照)と比較して、
カムシャフト11の相対回転位相の変更に伴って同ロッ
ク機構30に作用する無理な力を極力小さく抑えつつ、
同ロック機構30のロックを完全に解除することができ
る(タイミングt12)。
【0065】そして、ロック機構30が完全解除状態と
なった後には(タイミングt12〜t13)、カムシャ
フト11の相対回転位相が目標進角値に対応する位相に
変更されるようになる。すなわち、同相対回転位相を、
要求進角値に応じた位相に徐々にではあるが変更させる
ことができる。このため、ロック機構30のロックが確
実に解除されるようになるまでカムシャフト11の相対
回転位相の変更を長期間にわたって停止するようにした
場合(同図6(b)及び(c)の一点鎖線部参照)とは
異なり、同相対回転位相の変更をより早期に開始するこ
とができるようになる。
【0066】その後、カウンタの計時時間が所定時間T
bになると(タイミングt13、同図(f))、目標進
角値が要求進角値に設定され、この目標進角値に基づき
フィードバック制御が実行されるようになる。
【0067】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (イ)ロック機構30のロックを解除してカムシャフト
11の相対回転位相を変更するに際し、各圧力室21,
22の油圧を、ロック機構30のロックを解除可能な第
1の圧力状態に設定した後、カムシャフト11の相対回
転位相を変更するための第2の圧力状態に徐々に移行さ
せるようにした。このため、ロック機構30に作用する
無理な力を極力抑えつつ、カムシャフト11の相対回転
位相を目標とする位相にまで速やかに移行させることが
できるようになる。
【0068】(ロ)また、上記第1の圧力状態を、カム
シャフト11の相対回転位相を保持可能な圧力状態とし
た。このため、カムシャフト11の相対回転を確実に停
止させ、ロック機構30に無理な力を作用させることな
く同ロック機構30のロックを解除することができる。
【0069】(ハ)また、ロック機構30のロックを速
やかに解除するうえでは、デューティ信号のデューティ
比を「保持デューティ比」ではなく例えば「0%」に設
定し、遅角側圧力室22の油圧をより早期に高めること
も考えられる。しかしながら、こうした構成では、ロッ
ク機構30のロックが短時間で解除された場合に、その
解除と同時にカムシャフト11の相対回転位相が、高め
られた遅角側圧力室22の油圧によって遅角側に変更さ
れてしまうようになるため、同ロックの解除後にカムシ
ャフト11の相対回転位相を進角側に制御する場合にそ
の応答性の低下を招くようになる。しかしながら、本実
施の形態では、ロック機構30のロックを解除する際
に、デューティ信号のデューティ比を「保持デューティ
比」に設定するようにしたために、同ロックが短時間で
解除された場合であっても、その後においてカムシャフ
ト11の相対回転位相を中間位置に保持することがで
き、上記応答性の低下を防止することができる。
【0070】(ニ)両圧力室21,22の油圧を第1の
圧力状態から第2の圧力状態に徐々に移行させる際の状
態変化、すなわち目標進角値の変化量を、両圧力室2
1,22の油圧を第1の圧力状態に移行させた後の経過
時間に基づいて設定することで、同目標進角値の変化量
をロック機構30のロックを解除する際の応答遅れ等に
合わせて正確に設定することができ、上記(1)記載の
効果を一層好適に奏することができるようになる。
【0071】なお、上記実施の形態は、以下のように変
更して実施してもよい。 ・上記実施の形態では、ロック機構として、遅角側圧力
室22の作動油圧に基づいて完全ロック状態からそのロ
ックを解除するものを採用したが、これに限られない。
進角側圧力室21の作動油圧、若しくは両圧力室21,
22の作動油圧に基づいて上記ロックを解除するロック
機構を採用するようにしてもよい。
【0072】・また、上記実施の形態では、ロック機構
として、カムシャフト11の相対回転位相を中間位置に
ロックするものを採用したが、これに代えて、最遅角位
置や最進角位置等、任意の位置にて上記相対回転位相を
ロックするロック機構を採用することができる。
【0073】・上記実施の形態では、デューティ比を
「保持デューティ比」に設定し、その状態を所定時間T
a維持するようにしたが、この所定時間Taを「0」に
設定してもよい。こうした構成によっても、例えばロッ
ク機構が、両圧力室21,22の油圧をごく短時間第1
の圧力状態とすることにより解除可能な構造のものであ
れば、カムシャフトの相対回転位相の変更に伴って同ロ
ック機構に作用する無理な力を極力小さく抑えつつ、同
ロック機構のロックを完全に解除することができる。
【0074】・上記実施の形態では、目標進角値を関係
式(1)に基づいて算出するようにしたが、これに限ら
れない。例えば、図7に示されるように、目標進角値を
中間値から要求進角値へ移行させる際の速度をフィード
バック制御開始時から時間が経過するほど増大させるよ
うにしてもよい。
【0075】・上記実施の形態では、ロック機構30の
ロックを解除可能な第1の圧力状態を、カムシャフト1
1の相対回転位相を保持可能な圧力状態としたが、これ
を単にロック機構30を解除可能な圧力状態としてもよ
い。例えば、図8(c)に示されるように、短時間であ
れば、デューティ信号のデューティ比を「0%」に設定
するようにしてもよい。こうした構成によれば、同ロッ
ク機構30のロックをより短時間で解除することができ
るようになる。
【0076】・上記実施の形態では、吸気バルブを開閉
駆動するカムシャフト11にロック機構30を設けてこ
れに本発明を適用するようにしたが、これに代えて、排
気バルブを開閉駆動するカムシャフトに同様のロック機
構を設けた上で、本発明にかかるバルブタイミング制御
装置を適用するようにしてもよい。
【0077】・また、これらカムシャフトの双方につい
て同様のロック機構を設けて、これら双方に本発明を適
用するようにしてもよい。以上、本発明の実施の形態に
ついて説明したが、本発明の実施の形態には、次のよう
な各種の形態を含むものであることを付記しておく。
【0078】・前記流体圧制御手段は、前記進角側圧力
室及び遅角側圧力室への流体供給量の割合の変化量を前
記状態変化量として設定する請求項3記載の内燃機関の
バルブタイミング制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブタイミング制御装置の一実施の
形態についてその側部断面構造を示す断面図。
【図2】同バルブタイミング制御装置の正面断面構造を
示す断面図。
【図3】同バルブタイミング制御装置のロック機構の断
面構造を示す部分断面図。
【図4】カウンタ処理の手順を示すフローチャート。
【図5】目標進角値を算出する際の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図6】同実施の形態によるバルブタイミング制御装置
の動作態様の一例を示すタイミングチャート。
【図7】本発明の他の実施の形態によるバルブタイミン
グ制御装置の動作態様の一例を示すタイミングチャー
ト。
【図8】本発明の他の実施の形態によるバルブタイミン
グ制御装置の動作態様の一例を示すタイミングチャー
ト。
【符号の説明】
11…カムシャフト、12…内部ロータ、13…ベー
ン、14,18…ボルト、15…カムスプロケット、1
6…ハウジング、17…カバー、19…凹部、20…凸
状の部分、21…進角側圧力室、22…遅角側圧力室、
23…シリンダヘッド、24…ベアリングキャップ、2
8…シール部材、29…板ばね、30…ロック機構、3
1…収納孔、31a…空間、32…ロックピン、32a
…フランジ、33…ロック穴、34…コイルばね、35
…溝、36…油通路、40…オイルパン、41…オイル
ポンプ、42…油圧制御弁、44…進角側油通路、45
…遅角側油通路、46…給油通路、47…ドレイン通
路、50…電子制御装置、51…クランク角センサ、5
2…カム角センサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】進角側圧力室及び遅角側圧力室の流体圧に
    基づいてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対
    回転位相を変更する内燃機関のバルブタイミング制御装
    置において、 前記カムシャフトの相対回転位相を所定の位相にロック
    する一方、前記進角側圧力室及び遅角側圧力室のうち少
    なくとも一方の流体圧に基づいて同ロックを解除するロ
    ック機構と、 前記ロック機構のロックを解除して前記カムシャフトの
    相対回転位相を変更するに際し、前記進角側圧力室及び
    遅角側圧力室の流体圧を、同ロック機構のロックを解除
    可能な第1の圧力状態に設定した後、同第1の圧力状態
    から前記カムシャフトの相対回転位相を変更するための
    第2の圧力状態に徐々に移行させる流体圧制御手段とを
    備えることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記第1の圧力状態は、前記ロック機構の
    ロックを解除可能であり且つ前記カムシャフトの相対回
    転位相を前記所定の位相に保持可能な圧力状態である請
    求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】前記流体圧制御手段は、前記進角側圧力室
    及び遅角側圧力室の流体圧を前記第1の圧力状態に設定
    した後の経過時間を計時し、同計時時間に基づいて前記
    両圧力室の流体圧を前記第1の圧力状態から前記第2の
    圧力状態に徐々に移行させる際の状態変化量を設定する
    請求項1又は2記載の内燃機関のバルブタイミング制御
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6968817B2 (en) 2003-11-12 2005-11-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Valve timing controller for internal combustion engine
JP2010138699A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Denso Corp 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置

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