JP2002161012A - 銀系抗菌剤、抗菌性組成物及び抗菌性成形体 - Google Patents

銀系抗菌剤、抗菌性組成物及び抗菌性成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、抗菌、抗カビ効果に優れており、
合成樹脂などに配合した際における分散に優れる銀系抗
菌剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 塩化銀の粉末とアルカリ金属塩化物の粉
末とを乾式で混合し微粉砕することにより得られる組成
物を有効成分とする銀系抗菌剤を解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀系抗菌剤、抗菌
性組成物及び抗菌成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
環境衛生への関心が著しく高まる中で、室内の水回り関
係(台所、浴室、洗面所、トイレ等)や各種備品(電気
製品、各種器具類)については、細菌やカビ等の発生を
防止できる製品が要望されている。そのため、これらの
ハウジングそのもの又はハウジングの表面被覆層やハウ
ジングに貼着される化粧紙、化粧板等に抗菌剤や抗カビ
剤を配合することが実施されている(例えば、特公昭6
3−54013号公報、特公平4−28646号公報、
特開平1−313533号公報等)。
【0003】ここで抗菌剤としては種々のものが使用さ
れるが、その代表的なものとして、銀系抗菌剤を挙げる
ことができる。銀系抗菌剤としては、水溶性銀ガラス等
の水溶性銀化合物、リン酸カルシウム銀、酢酸亜鉛−
銀、アルミノマグネシアケイ酸銀、リン酸亜鉛カルシウ
ム銀、リン酸ジルコニウム銀、ケイ酸カルシウム銀、硝
酸銀等の無機銀塩、チオ硫酸銀錯体、アンモニウム銀錯
体、チオシアン酸銀錯体、アミノ酸銀錯体等の銀錯体、
銀錯体担持シリカゲル等を挙げることができる。更に、
銀と共に亜鉛を含むものもよく知られている。これらの
うち、水溶性銀化合物は水溶性が高いので、物品の表面
に存在すると、水洗や雨等により溶出し、抗菌効果が失
われるという欠点がある。無機銀塩は、日常の環境下で
普通に存在する塩化物と反応して塩化銀を生成し、塩化
銀が還元されて黒化し、物品表面を変色させるという欠
点がある。また、銀錯体のうち、チオ硫酸銀錯体やチオ
シアン酸銀錯体は2価の硫黄イオンを含むため、酸や熱
により分解して有毒ガスを発生すると共に、次第に硫化
銀に変化して抗菌性能が低下する。アミノ酸銀錯体は錯
安定度が比較的に低いため、塩化物と反応して塩化銀を
生成し易く、抗菌性能が著しく低下するとともに、塩化
銀が還元されることによる着色が問題になる。更に無機
銀塩に比べて合成が困難であり、製造コストが高くなる
ので、工業的にも好ましくない。
【0004】上記の様な従来の銀系抗菌剤の欠点を解消
するものとして、塩化アンモニウム、アルカリ金属叉は
アルカリ土類金属の塩化物を含む水溶液に、銀又は塩化
銀等の銀塩を添加して得られる銀クロロ錯塩が提案され
ている(特許第2907194号)。
【0005】しかしながら、該銀クロロ錯塩は水溶液の
形態で使用されるため、例えば合成樹脂に配合する場合
に、分散性が不十分になる等の不都合を生じる。もっと
も、合成樹脂に配合するために、濃縮乾燥して粉末化す
ることは考えられるが、濃縮乾燥により得られる該銀ク
ロロ錯塩の粉末を合成樹脂に配合すると、従来の銀系抗
菌剤と同様に、着色を生じる虞れがある。また、該特許
公報にも記載されている様に、銀クロロ錯塩の水溶性は
従来の銀錯塩よりも高いため、その水溶液の濃度を従来
よりも高く設定することができるが、それでも濃縮乾燥
を工業的に行うには適しない濃度である。更に、該特許
公報には、塩化銀とアルカリ金属塩化物とを乾式で混合
すること、及びそれに基づく効果についての記載はな
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、新規な銀系抗菌剤を
得ることに成功し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、下記(1)〜(4)の銀系抗菌剤、抗菌性組成物及
び抗菌性成形体を提供するものである。 (1)平均粒径30μm以下に均一に微粉末化された塩
化銀とアルカリ金属塩化物の混合物を有効成分とする銀
系抗菌剤。 (2)塩化銀の粉末とアルカリ金属塩化物の粉末とを乾
式で混合し微粉砕することにより得られる組成物を有効
成分とする銀系抗菌剤。好ましくは上記アルカリ金属塩
化物として、塩化カリウムが用いられる。 (3)上記(1)又は(2)の抗菌剤を結合剤にを配合
してなる抗菌性組成物。 (4)上記(3)の抗菌性組成物を成形加工してなる抗
菌性成形体。 (5)基材表面の一部又は全部に、上記(3)の抗菌性
組成物からなる抗菌層を設けてなる抗菌性成形体。
【0007】本発明によれば、銀化合物の中では抗菌性
能があまり高くない塩化銀とアルカリ金属塩化物とを乾
式で混合して微粉砕するという非常に簡単な操作によ
り、予想外にも、状来の代表的な銀系抗菌剤と同等又は
それ以上の高い抗菌性能を示し、少ない使用量でも高い
抗菌性能を示し、該抗菌性能が日常的な環境に長期間晒
されても殆ど低下することがなく、合成樹脂等に対する
分散性が良好で、しかも結合剤に配合したり又は含浸さ
せても着色を殆ど起こさないという、優れた特性を有す
る銀系抗菌剤が得られることが判明した。
【0008】本発明の抗菌性組成物は、合成樹脂等の成
形性を有する結合剤を含む場合は任意形状の成形体とす
ることができる。また、フィルム状又はシート状に成形
し、各種基材の表面に接着又は圧着することができる。
更に、塗料、接着剤等の形態に調製して、紙類、木質材
料、金属材料、セラミックス材料等の基材の表面を被覆
することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の銀系抗菌剤は、塩化銀の
粉末とアルカリ金属塩化物の粉末とを混合し乾式で微粉
砕することにより得られる組成物を有効成分とするもの
である。かかる銀系抗菌剤は、例えば、塩化銀の粉末
に、アルカリ金属塩化物の粉末を混合し、さらに、この
粉末混合物を微粉砕する方法により製造できる。以下、
本発明の実施形態について説明する。
【0010】塩化銀は粉末の形態で使用される。塩化銀
は一般に微粉砕が困難であるが、アルカリ金属塩化物と
の混合下に微粉砕すると、均一な微粉末となることが判
明した。塩化銀の粉末としては特に制限されず、市販さ
れている試薬を使用できるが、大気雰囲気下で保存され
たものを更に乾燥した乾燥粉末を用いることが好まし
い。この乾燥粉末としては、例えば、80〜100℃程
度の温度下に1〜3時間程度予備乾燥したものが好まし
く、乾燥減量が1.0%以下程度のものが特に好まし
い。また、その粒子径も特に制限されないが、通常0.
1〜3mm程度、好ましくは0.5〜1mm程度のもの
を使用すればよい。
【0011】アルカリ金属塩化物は粉末の形態で使用さ
れる。アルカリ金属塩化物としては公知のものをいずれ
も使用でき、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、
塩化リチウム等を挙げることができる。これらの中でも
塩化カリウムが好ましい。アルカリ金属塩化物は1種を
単独で使用でき、又は少なくとも1種、又は2種以上を
併用できる。アルカリ金属塩化物の粉末としては、塩化
銀の場合と同様に、一般に市販されている試薬を使用で
きるが、大気雰囲気下で保存されたものを更に乾燥した
乾燥粉末を用いることが好ましい。この乾燥粉末として
は、例えば、150〜200℃の温度下に2〜5時間程
度予備乾燥したものが好ましく、乾燥減量が0.05%
以下のものが特に好ましい。
【0012】混合及びそれに続く微粉砕は、公知の方法
に従って実施できる。混合には、一般に使用される粉体
混合装置をいずれも使用できる。また微粉砕も、例え
ば、ジェットミル等の一般的な粉砕装置を使用できる。
混合及び微粉砕は、例えば、乾燥空気、窒素ガス等の水
分を含まない雰囲気中で実施するのが好ましい。微粉砕
条件は特に制限されないが、得られる微粉末の平均粒径
が通常30μm以下、好ましくは10μm程度になるよ
うに適宜設定すれば良い。塩化銀が均一に微粉砕された
ことを確認する方法としては、例えば、混合及び微粉砕
を行った後、得られる微粉末に水を噴霧し、目視で均一
に着色するか否かを観察すればよい。均一に着色するこ
とにより、塩化銀が微粉砕されて均一に分散しているこ
とが判る。この様に、塩化銀の粉末とアルカリ金属塩化
物の粉末とを混合し、乾式で微粉砕する製法によって得
られる混合物(組成物)が、本発明の銀系抗菌剤の有効
成分となる。得られた銀系抗菌剤は、そのまま(固体
状)の形態、又は適当な分散媒に添加することにより、
抗菌性接着剤、抗菌性塗料、インク又はペーストの形態
に調製して用いることができる。
【0013】本発明の銀系抗菌剤は、公知の方法に従っ
て、各種担体に担持してもよい。担体としてはこの分野
で常用されているものをいずれも使用でき、例えば、ゼ
オライト、シリカゲル、アルミノシリケート、活性炭等
を挙げることができる。本発明の銀系抗菌剤は、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリン
グ剤で表面処理を施してもよい。
【0014】本発明の抗菌性組成物は、結合剤に本発明
の銀系抗菌剤を配合したものである。結合剤としては、
マトリックスとなり得るものであれば特に制限されず、
公知のものをいずれも使用できるが、例えば、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、無機質結合体、含金属有機化合物
等を挙げることができる。これらの中でも、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂を結合剤とした抗菌性樹
脂組成物や、無機質担体を結合剤とした抗菌性無機組成
物等が好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、塩素
化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポ
リスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル
−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリ
レート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メ
チルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン樹脂(MABS樹脂)、アクリロニトリル−ア
クリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、アクリル樹
脂、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等)、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変
性ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリアミド、芳香族
ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリ
レート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、
ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアセタール、液晶ポリマー、熱可塑性ポ
リウレタン等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は1
種を単独で使用でき、又は少なくとも1種、又は2種以
上を混合して用いてもよい。
【0016】熱硬化性樹脂性の具体例としては、例え
ば、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿
素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジル
エステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ
樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹
脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)等を挙
げることができる。熱硬化性樹脂は1種を単独で使用で
き、又は少なくとも1種、又は2種以上を混合して用い
ることができる。
【0017】無機質結合体としては、例えば、珪酸塩、
リン酸塩、ホウ酸塩等の無機質硬化性物質等の1種又は
2種以上の混合物やこれらの前駆体物質、含水和物質等
を、熱、光、電子線、触媒等で硬化して、不溶性、不融
性又は可塑性の結合剤としたもの等を挙げることができ
る。無機質結合体は1種を単独で使用でき、又は少なく
とも1種、又は2種以上を併用できる。
【0018】含金属有機化合物の具体例としては、例え
ば、有機珪素化合物、有機チタン化合物、有機リン化合
物、有機ホウ素化合物等を挙げることができる。含金属
有機化合物は1種を単独で使用でき、又は少なくとも1
種、又は2種以上を併用できる。結合剤に対する本発明
の銀系抗菌剤の配合割合は特に制限されず、得ようとす
る抗菌性組成物の用途、結合剤の種類等の各種条件に応
じて広い範囲から適宜選択できるが、通常、結合剤10
0重量部に対して、本発明の銀系抗菌剤を0.01〜5
0重量部、好ましくは0.1〜30重量部、より好まし
くは0.5〜15重量部配合すればよい。
【0019】本発明の抗菌性組成物には、その優れた抗
菌性能を損なわない範囲で、他の抗菌剤、無機質充填
剤、顔料、有機溶剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型
剤、潤滑剤、熱安定剤、難燃剤やドリップ防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、遮光剤、金属不活性剤、老化防止
剤、可塑剤、衝撃強度改良剤、相溶化剤等の通常の樹脂
添加剤などの1種、又は少なくとも1種、又は2種以上
が含まれていてもよい。
【0020】合成樹脂等の成形可能な結合剤を含む本発
明の抗菌性組成物は、例えば、結合剤に本発明の銀系抗
菌剤及び必要に応じて他の樹脂添加剤の所定量又は適量
を添加し、公知の方法で混合、混練することにより製造
できる。例えば、粉末、ビーズ、フレーク又はペレット
状の各成分を、1軸押出機、2軸押出機等の押出機、バ
ンバリーミキサー、加圧ニーダー、2本ロール等の混練
機を用いて混合・混練することにより、ペレット状の抗
菌性樹脂組成物などの抗菌性組成物を製造することがで
きる。該組成物を、プレス成形、射出成形、押出成形等
の公知の成形手段により、任意形状の抗菌性成形体とす
ることができる。
【0021】また、該組成物を基材の表面に被覆するこ
とにより、表面の一部又は全部に本発明の銀系抗菌剤が
設けられた被覆抗菌層を有する抗菌性成形体としてもよ
い。基材に抗菌層を設ける手段は、基材に上記抗菌性成
形体を接着又は積層したり、或いは、基材に上記銀系抗
菌剤を塗布、接着又は含浸したりなど各種の手段を用い
ることができる。
【0022】基材に抗菌性成形体を接着又は積層する抗
菌性成形体の製造方法としては、任意形状の抗菌性成形
体のうち、特にフィルム状又はシート状に成形された抗
菌性成形体を、合成樹脂、紙類、木質材料、金属材料、
セラミックス材料等の基材の1種又は2種以上から構成
された各種の基材の表面の一部又は全部に接着又は積層
することが好ましく例示される。該基材としては、例え
ば、平板、曲面板等の板材、シート、フィルム、立体形
状物品等を挙げることができる。より具体的には、例え
ば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度
繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の木質板、
鉄、アルミニウム等の金属からなる板材、アクリル、ポ
リカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂からなるフィル
ムやシート、ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC
(発砲軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウ
ム、石膏等の非セメント系材料等からなる板材や立体形
状物品、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カ
リウム、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布や織
布等を挙げることができる。積層方法としては公知の方
法を採用でき、例えば、接着剤層を間に介して、上記抗
菌性成形体を板状基材に加圧ローラーで加圧して積層す
る方法、シート又はフィルムを射出成形の雌雄両金型間
に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂
を射出充填した後、冷却して樹脂成形品の成形と同時に
その表面にシート又はフィルムを接着積層する射出成形
同時ラミネート法(特公昭50−19132号公報、特
公昭43−27488号公報等)、シート又はフィルム
(抗菌性成形体)を成形品の表面に接着剤を介して対向
なしいは載置し、成形品側からの真空吸引による圧力差
によりシート又はフィルムを成形品表面に積層する真空
プレス積層方法(特公昭56−45768号公報、特公
昭60−58014号公報等)、円柱、多角柱等の柱状
基材の長軸方向に、シート又はフィルム(抗菌性成形
体)を間に接着剤層を介して供給しつつ、多数の向きの
異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に
順次シート又はフィルムを加圧接着して積層してゆくラ
ッピング加工方法(特公昭61−5895号公報、特公
平3−2666号公報等)、先ずシート(抗菌性成形
体)を板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状
基材のシートとは反対側の面に、シートと板状基材との
界面に到達する、断面がV字状、又はU字状溝を切削
し、次いで該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝を折り
曲げ、箱体又は柱状体を成形するいわゆる、Vカット又
はUカット加工方法(特開昭48−47972号公報
等)等を挙げることができる。
【0023】さらに、基材に上記銀系抗菌剤を塗布、接
着又は含浸などする抗菌性成形体の製造方法としては、
例えば、本発明の抗菌性組成物を、結合剤の種類及びそ
の他の成分を適宜選択することにより、接着剤、塗料、
インク又はペーストの形態に調製し、これを、合成樹
脂、紙類、木質材料、金属材料、セラミックス材料等の
基材の1種又は2種以上から構成される任意形状の各種
の基材表面の一部又は全部に、塗布、接着又は含浸など
することが好ましく例示される。かかる製法によれば、
効率よく抗菌性塗膜を形成することができる。抗菌性塗
膜の形成には公知の方法を採用でき、例えば、グラビア
コート、ロールコート、エアナイフコート、キスコー
ト、スプレーコート、ホイラーコート、カーテンフロー
コート、刷毛塗り、グラビア印刷、グラビアオフセット
印刷、凹版印刷、シルクスクリーン印刷等を挙げること
ができる。
【0024】本発明の抗菌性成形体は、上記結合剤が使
用される実質的に全ての用途に適用できる。該用途の具
体例としては、例えば、エアコン、掃除機、電話機、携
帯端末、洗濯機、ドライヤー、換気扇、食器洗浄乾燥
器、加湿器、電気シェーバー、炊飯器、冷蔵庫、リモコ
ン等の各種家電製品のハウジングや構成部品(フィルタ
ーも含む)、電子機器やOA機器類のキーボード、シス
テムキッチン等の台所用品のハウジングや構成部品、洗
面台、浴槽、便座、便器等のサニタリー用品のハウジン
グや構成部品、壁紙、天井材、合板、床材、石膏ボード
等の建材の構成材料、窓枠、扉、手すり等の建具類の構
成材料、自動車、飛行機等の輸送機器類の構成部品や内
装部品等を挙げることができる。
【0025】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。実施例1 塩化カリウムの粉末(大塚化学(株)製)1kgを暗所
にて150℃下で2時間予備乾燥した。これに、塩化銀
40gの粉末(試薬、和光純薬(株)製)を加えて粗混
合を行った。この粗混合物を、乾燥空気を用いたジェッ
トミル((株)セイシン企業製)で更に混合し且つ微粉
砕した。得られる微粉末の一部に水を噴霧して蛍光灯の
光を照射し、目視で均一に着色が発生するようになるま
で、ジェットミルによる混合及び微粉砕を繰り返し行
い、本発明の銀系抗菌剤を製造した。ポリプロピレン
(商品名:J−209、東燃化学(株)製)100重量
部に、上記で得られた本発明銀系抗菌剤0.1重量部を
加え、よく混合した。得られた抗菌性組成物を220℃
の温度下に風呂椅子の金型に射出成形し、100×18
0×80mmの抗菌性風呂椅子を製造した。
【0026】比較例1 実施例1の本発明銀系抗菌剤に代えて、特許第2907
194号の実施例1に従って製造した抗菌水溶液(塩化
カルシウムの3モル/リットル水溶液に塩化銀を溶解す
ることにより、0.5g/リットルの銀をクロロ錯塩と
して含む水溶液)を、400℃で強熱乾燥し、得られた
固形物をジェットミルで粉砕して得られる粉末を用いる
以外は、実施例1と同様にして、100×180×80
mmの抗菌性風呂椅子を製造した。
【0027】実施例1及び比較例1で製造した抗菌性風
呂椅子をカーボンアーク燈型サンシャインウエザメータ
ー(スガ試験機(株)製) にて100時間暴露し(ブ
ラックパネル温度63℃、降雨時間が60分中12
分)、耐候性試験を実施したところ、実施例2の抗菌性
風呂椅子には殆ど着色は認められなかったが、比較例1
の抗菌性風呂椅子は薄茶色に着色した。
【0028】実施例2及び比較例2〜4 アクリロニトリル−スチレン樹脂100重量部と、下記
に示す抗菌剤(実施例2、比較例2〜4)の1重量部と
をドライブレンドした後、二軸押出機(商品名:PCM
−45、池貝鉄工(株)製)を用いて溶融混練し、スト
ランドカットしてペレットをそれぞれ作成した。得られ
た各ペレットを、射出成形機(商品名:FN−400
0、日精樹脂工業(株)製)により、シリンダー温度2
20℃、金型温度50℃で射出成形し、直径50mm、
厚さ2mmの円盤状物を製造した。
【0029】[抗菌剤] 実施例2:実施例1の本発明銀系抗菌剤 比較例2:比較例1で噴霧乾燥により得られる粉末 比較例3:金属系抗菌剤(ゼオライトに銀及び亜鉛を担
持させた金属系抗菌剤、商品名:ゼオミック、シナネン
ゼオミック(株)製) 比較例4:金属系抗菌剤(リン酸ジルコニウムに銀及び
亜鉛を担持させた金属系抗菌剤、商品名:ノバロンAG
Z330、東亜合成(株)製)
【0030】得られた円盤状物を試験片とし、25℃に
保持した細菌(大腸菌)又はカビ(Aspergillus nige
r)を接種したツァペック寒天培地に載置し、48時間
後の阻止円の発生状態を観察し、抗菌性及び抗カビ性を
判定した。判定基準は下記の通りである。結果を表1に
示す。
【0031】[評価基準] ◎:十分な阻止円が確認できる状態。 ○:若干の阻止円が確認できる状態。 △:阻止円は出ないが試験片上での供試菌の繁殖がな
く、抵抗性が確認される状態。 ×:供試菌が培地上に均一に繁殖し、抵抗性が確認でき
ない状態。
【0032】
【表1】
【0033】以上の結果から、本発明の銀系抗菌剤が、
従来のものよりも抗菌性及び抗カビ性の面でも同等以上
の効果を示すことが明かである。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る銀系抗菌剤によれば、抗
菌、抗カビ効果に優れており、また、合成樹脂などに配
合した場合に、良好に分散させることができる。さら
に、かかる抗菌剤が結合剤に配合された抗菌性組成物を
成形することにより、抗菌性に優れ且つ職色を伴わない
成形体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 C08J 7/04 Z C08K 3/16 C08K 3/16 C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 大門 恵美子 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 友滝 善久 東京都千代田区神田司町2−9 大塚化学 株式会社東京支店内 Fターム(参考) 4F006 AA11 AA12 AA15 AA18 AA34 AA35 AA37 AB12 AB13 AB16 AB19 AB32 AB34 AB35 AB37 AB73 BA17 4F071 AA02 AA03 AA20 AA22X AA34X AA76 AB15 AE22 AF52 BB03 BB05 BB06 BC02 4H011 BA04 BB18 BC18 BC19 DA02 DC03 DC05 4J002 AC031 BB031 BB121 BB181 BB241 BC031 BC061 BD041 BG011 BN141 BN151 CF061 CG001 CH071 CK031 CL061 CM031 CN031 DD057 DD076 FD186 FD187

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径30μm以下に均一に微粉末化
    された塩化銀とアルカリ金属塩化物の混合物を有効成分
    とする銀系抗菌剤。
  2. 【請求項2】 塩化銀の粉末とアルカリ金属塩化物の粉
    末とを乾式で混合し微粉砕することにより得られる組成
    物を有効成分とする銀系抗菌剤。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属塩化物が塩化カリウム
    である請求項1又は2記載の銀系抗菌剤。
  4. 【請求項4】 結合剤に請求項1又は2記載の銀系抗菌
    剤を配合してなる抗菌性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4の抗菌性組成物を成形加工して
    なる抗菌性成形体。
  6. 【請求項6】 基材表面の一部又は全部に、請求項4記
    載の抗菌性組成物からなる抗菌層を設けてなる抗菌性成
    形体。
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