JPH07304618A - 抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法 - Google Patents

抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法

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JPH07304618A
JPH07304618A JP12305094A JP12305094A JPH07304618A JP H07304618 A JPH07304618 A JP H07304618A JP 12305094 A JP12305094 A JP 12305094A JP 12305094 A JP12305094 A JP 12305094A JP H07304618 A JPH07304618 A JP H07304618A
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resin
antibacterial
silver
paper
unsaturated polyester
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JP12305094A
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Tsuneo Mihashi
恒夫 三橋
Takamichi Sano
隆通 佐野
Takashi Kamiya
隆志 神谷
Yuten Misawa
勇典 三沢
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Aica Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に対して安全性が高く、耐熱性に優れ、
熱や紫外線によって変質したり変色することがなく、広
範囲の種類のカビや細菌に対して、長期間にわたり抗菌
性が持続するポリエステル化粧板を提供する。 【構成】 板材1に、接着剤2を用いて紙を貼着した
後、銀ゼオライト粉末よりなる抗菌剤3を含むポリエス
テル樹脂を塗布して硬化させ、樹脂で強化された紙層4
の表面に抗菌性不飽和ポリエステル樹脂層5を形成さ
せ、抗菌性ポリエステル化粧板6を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築内装材、住設機器、
家具、什器などの材料として用いられる抗菌性ポリエス
テル化粧板の製造方法に関する。特に、本発明によって
得られる抗菌性ポリエステル化粧板は病院或いは公共設
備、調理設備など抗菌性の要求される用途に対して有用
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル化粧板は、熱硬化性樹脂化
粧板のうちでは、比較的簡単な設備、工程で製造するこ
とができ、仕上り外観がよく、一般の化粧板として汎用
的な物性を具備していることから、机、キャビネット、
厨房設備をはじめとする家具、住設機器などに多く使わ
れていた。
【0003】ポリエステル化粧板は、合板などの板材上
に無地或いは図柄を印刷した化粧紙を尿素樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、或いは不飽和ポリエステル樹脂などの接着剤
を用いて貼付け、その上から硬化剤、硬化促進剤などを
添加した不飽和ポリエステル樹脂液を塗布した後、枠に
張った合成樹脂フィルムで被覆し、脱泡して硬化させる
ことにより製造されていた。
【0004】一般に木目柄など図柄、模様を有する化粧
板では、これらの模様が鮮明に表現されるように、透明
な樹脂液が用いられ、無地単色については所望の色彩に
なるように顔料を添加し隠蔽性をもたせた樹脂液が用い
られていたが、このような製造方法によって得られたポ
リエステル化粧板は、抗菌性を有するものではなく、抗
菌性の要求される用途に対しては適していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、ポリエステル化
粧板は耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐汚染性などの物性の
バランスがとれているため、トイレブース、洗面台、流
し台、各種キャビネット類などの部材に多く使われてい
たが、これらの用途では、温暖多湿や栄養物質の付着、
汚染によりカビや細菌の繁殖に適した条件で使用される
ことが多く、特に、最近では薬剤耐性の黄色ブドウ球菌
(MRSA)による病院内感染が問題となっており、病
院や公共用途の設備機器に使用される化粧板について
は、抗菌性の賦与が望まれていた。
【0006】しかしながら、抗菌剤を不飽和ポリエステ
ル樹脂に添加して化粧板を製造する場合、変色或いは物
性の低下がみられ、特に有機系の抗菌剤は人体に有害な
ものが多く、これらを使用した化粧板は、耐熱性が低
く、長時間使用すると紫外線などの影響を受け易い。更
に変色などにより化粧板の表面外観が損なわれ易く、満
足すべき結果が得られなかった。
【0007】抗菌性金属イオンをリン酸ジルコニウムに
イオン変換した抗菌剤は、粒子径が小さく、抗菌効果も
強いが使用中に変色し易く、ポリエステル化粧板用途に
適していなかった。
【0008】シリカゲルにチオスルファイト銀錯塩を担
持させた抗菌剤は、樹脂に添加した場合、不安定で変色
し易く、高温度に曝された場合、酸化銀と硫酸を発生す
る場合があった。
【0009】溶解性ガラスに酸化銀を担持させた抗菌剤
は、銀イオンと共に、硼素も溶出するので、硼素の毒性
に対してまだ十分な安全性についての確認がなされてお
らず、ポリエステル化粧板の用途についても問題を有す
るものである。
【0010】本発明は、銀ゼオライト粉末よりなる抗菌
剤を添加した不飽和ポリエステル樹脂を化粧板表面用樹
脂として用いることによって、人体に対して安全性が高
く、耐熱性に優れ、熱や紫外線によって変質したり変色
することがなく、広範囲の種類のカビや細菌に対して長
期間にわたり抗菌性が持続するポリエステル化粧板を提
供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、板材に接着剤
を用いて紙を貼着した後、該紙の表面に抗菌剤として平
均粒子径40μm以下の銀ゼオライト粉末を0.05〜
10重量%添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布する
工程と、該不飽和ポリエステル樹脂塗布面を合成樹脂フ
ィルムで被覆し、硬化させた後、該フィルムを剥離する
工程よりなる抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法であ
り、とりわけ、ゼオライト中のイオン交換可能なイオン
の一部又は全部を銀イオン及びアンモニウムイオンで置
換することによって、優れた抗菌効果と共に変色のない
ポリエステル化粧板を得ようとするものである。
【0012】また、不飽和ポリエステル樹脂に対して金
属酸化物が0.05〜20重量部添加されることによっ
て銀イオンは共存する該金属酸化物の影響によりイオン
の溶出が少なくなり、変色が改善される。
【0013】更に単色の外観を有する化粧板に於いて
は、板材に貼着した紙の表面に塗布される不飽和ポリエ
ステル樹脂に1〜30重量%の顔料が添加されているこ
とによって、下地の色を隠蔽し、所望の色彩の表現を可
能にするものである。
【0014】樹脂液に対する抗菌剤の混合分散性向上の
手段として、銀ゼオライト粉末を不飽和ポリエステル樹
脂又は着色剤に混練して、20℃に於ける粘度が少なく
とも1.5pa・sの配合物をつくり、該配合物を所望
の抗菌剤の含有量になるように不飽和ポリエステル樹脂
に添加することによって、抗菌剤の樹脂に対する分散性
がよくなり、化粧板製造時に、その都度添加することが
できるようになるので、経時に於ける抗菌剤の沈殿を防
ぐことができる。
【0015】本発明に用いる銀ゼオライト粉末は、銀イ
オン及びアンモニウムイオンをゼオライトにイオン結合
させることにより、銀イオンをゼオライトの三次元骨格
構造の内部で安定化させたものであり、ゼオライト本来
の特性を失うことなく、更に抗菌性が賦与されたもので
ある。アンモニウムイオンを結合させることによって、
銀ゼオライトの変色を防止することができる(実公平6
−068844)。ゼオライトに対する銀イオンの含有
量は0.1〜15重量%で良好な抗菌性が得られる。ま
たアンモニウムイオンは銀ゼオライトに対して0.5〜
3.0重量%の範囲で含有されていることが望ましい。
【0016】本発明に於いて抗菌剤である銀ゼオライト
粉末と共に、金属酸化物を不飽和ポリエステル樹脂に対
して0.05〜20重量部添加することによって、銀イ
オンの溶出が阻止され、変色防止に対する安全性が著し
く向上するものである。本発明に用いられる金属酸化物
としては酸化亜鉛、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、酸
化マグネシウム、酸化カルシウムなどであり、添加方法
としては銀ゼオライト粉末の表面をコーティングする方
法、或は、単に粒子同志を樹脂液中で混合分散させる方
法などがある。
【0017】銀ゼオライトの熱硬化性樹脂液に対する添
加量は、樹脂液の不揮発分に対して0.05〜10重量
%の範囲で化粧板の製造工程ならびに製品の色彩、外観
などに於いて支障を来さず、抗菌効果が得られるもので
ある。添加量が0.05重量%以下では、十分な抗菌性
が発揮されず、10重量%以上に於いては透明性の低
下、含浸用樹脂液中への抗菌剤の沈殿、粘度の上昇など
があり、好ましいものではない。
【0018】本発明に用いられる抗菌剤は、銀イオンが
ゼオライトにイオン結合しているが、ゼオライト自体の
一般的性質は失われることなく、保持されており、更に
抗菌効果が付加されたものである。銀ゼオライトは、P
H3〜PH13の範囲の耐酸性、耐アルカリ性を有し、
550℃までの温度に耐えるので、耐熱性の必要な用途
の化粧板の使用温度にも全く支障なく用いることがで
き、性能を劣化させることがない。
【0019】また、本発明では、抗菌性金属イオンに銀
イオンを用いるので、他の抗菌性金属に較べ抗菌効果が
大きく、使用中に微量溶出するイオンに毒性がなく、人
体に対して安全である。更に、銀ゼオライトは白色粉末
であり、平均粒子径40μm以下、好ましくは0.6〜
10μmの微粉末で用いることによって、樹脂液中で短
時間に沈殿することがなく、色調に対する影響が小さ
く、前記の範囲の添加量に対しては外観上支障となる色
調の変化がみられない。
【0020】本発明に用いる板材としては合板、ハード
ボード、中質繊維板などの木質板材が適しており、該板
材に貼着する紙は20〜200g/m2の坪量で、二酸化
チタンが混抄された化粧紙の使用が好ましい。木目その
他、模様を有する化粧板に於いては、これらの模様を印
刷した原紙が用いられ、該模様が鮮明に表現されるため
には、塗布された抗菌性不飽和ポリエステル樹脂膜は透
明性を保持することが必要であり、抗菌剤の粒子径なら
びに添加量を選ぶ必要がある。
【0021】また、単色の無地化粧板では、不飽和ポリ
エステル樹脂中に顔料が添加されているので、抗菌剤は
顔料との混合分散性がよく、分離したり沈降したりする
ことがなく、所望の色彩の表現を阻害するような着色な
どがあってはならないが、本発明に於いて用いられる銀
ゼオライト粉末は平均粒子径40μm以下の白色微粉末
であり、顔料の色調や、分散性を阻害することがない。
【0022】図柄、模様を有する化粧板では、銀ゼオラ
イト粉末の不飽和ポリエステル樹脂に対する添加量が5
重量%以下の場合に於いては、殆ど透明性が阻害される
ことがなく、下地となる紙に印刷された柄や模様を美麗
に表現することができる。
【0023】単色無地化粧板では、銀ゼオライト粉末の
添加量が樹脂に対して10重量%以下の添加量に於いて
は著しい色彩の変化が認められない。
【0024】板材に紙を貼着するための接着剤には尿素
樹脂、尿素メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂などの接着剤
を単体或いは混合して用い、ロールコーターにより板材
面に塗布し、紙を載置してホットプレスで熱圧して貼付
る方法、硬化剤又は硬化促進剤を含む不飽和ポリエステ
ル樹脂をそれぞれ塗布した後、ラミネーターで紙を貼着
する方法などにより行う。
【0025】ポリエステル化粧板用樹脂としては、常温
に於いて0.1〜0.4pa・sの粘度の不飽和ポリエ
ステル樹脂が適しているが、この樹脂液に銀ゼオライト
粉末を添加し、均一に分散させても、保存中に時間の経
過と共に沈殿し、均質性が失われる。また、ポリエステ
ル化粧板製造工程で、その都度、添加する場合は、予
め、樹脂に混練した抗菌剤配合物を混合する場合に較
べ、容易に分散し難く、均一組成にするための時間と労
力が嵩み、生産性が低下する。
【0026】このような銀ゼオライト粉末の沈殿防止や
作業性を向上させる手段として不飽和ポリエステル樹脂
又は着色剤に混練して、粘度が少なくとも1.5pa・
sの配合物を所望の抗菌剤の含有量になるように不飽和
ポリエステル樹脂に添加し、混練して分散させたマスタ
ーペースト、マスターバッチなど高濃度混合物をつく
り、この高濃度混合物をポリエステル化粧板製造時に必
要なだけの量を不飽和ポリエステル樹脂に添加し分散さ
せる。
【0027】銀ゼオライト粉末の添加量は不飽和ポリエ
ステル樹脂に対して0.05〜10重量%であり、これ
以上の量では価格的に有利でない。とりわけ、下地の紙
の図柄、模様を鮮明に表現する場合は0.05〜5%が
望ましく、この範囲の添加量に於いて外観を損うことな
く、抗菌性のすぐれたポリエステル化粧板を容易に且
つ、経済的に製造することが可能になる。
【0028】本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は、フマル酸、無水マレイン酸などの不飽和多塩基酸
と無水フタル酸、イソフタル酸などの飽和多塩基酸とエ
チレングリコール、プロピレングリコールなどの多価ア
ルコールを縮合させて得られたポリエステルをスチレン
モノマーに溶解して得られる樹脂であり、必要に応じて
ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などで変性したもの
を用いることができる。
【0029】不飽和ポリエステル樹脂に対して銀ゼオラ
イト粉末、好ましくは銀ゼオライト粉末と樹脂又は着色
剤との高濃度混合物、硬化剤、硬化促進剤など必要な添
加物を所望の配合比になるように撹拌混合し、均一な組
成物をつくり、樹脂液がゲル化を起す以前に、板材に貼
付られた紙の面に塗布し、枠に張られたビニロンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルムを塗膜面に当
て、その上からロールで押えながら樹脂液を紙貼面全体
に伸ばし、厚さを均一化させながら浸透させ、紙間に含
有する空気と置換させると共に空気泡を板の端部へ押し
出し、脱泡して化粧板面の樹脂層を形成させ、室温乃至
比較的低温度の加温条件下で放置して樹脂を硬化させた
後、フィルムを剥離し、適宜養生してアフターキュアを
進め、抗菌性ポリエステル化粧板を得る。
【0030】
【実施例】以下に記す部及び%はそれぞれ重量部及び重
量%を表す。 実施例1〜6 板材1である厚さ2.7mmの二類ラワン合板に塩化ア
ンモニウム0.5%含む尿素樹脂接着剤30部、酢酸ビ
ニル樹脂エマルジョン接着剤70部よりなる混合接着剤
を90g/m2の塗布量になるようにロールコーターで塗
布し、接着剤層2を設け、その上に二酸化チタンを混抄
した60g/m2の白色化粧紙を載置し、ホットプレス熱
板間に挿入して温度95℃、圧力6.8×105paの
熱圧条件で60秒間圧締して板材1に化粧紙を貼着し
た。
【0031】フマル酸1モル、無水フタル酸1モル、プ
ロピレングリコール2モルを縮合して得たポリエステル
55部をスチレンモノマー45部に溶解した不飽和ポリ
エステル樹脂に以下に記す抗菌剤ならびに着色用顔料の
マスターバッチ、化粧板表面塗装用樹脂それぞれに使用
した。
【0032】抗菌剤3としてはA型ゼオライトに銀イオ
ン及びアンモニウムイオンをイオン交換して得た銀ゼオ
ライトで、該銀ゼオライト中の銀イオンが2.5%であ
り、アンモニウムイオンが1.5%である平均粒子径
0.8μmの銀ゼオライト粉末ならびに、該銀ゼオライ
トに対し、添加量が20重量%になるように酸化亜鉛で
コーティングした酸化亜鉛被覆銀ゼオライト粉末を用い
た。
【0033】不飽和ポリエステル樹脂25部に白色顔料
である二酸化チタン粉末75部を加えた組成物に、前記
の銀ゼオライト粉末が2部、4部、8部になるように配
合したもの及び酸化亜鉛被覆銀ゼオライト粉末が2部、
4部、8部になるように配合したものそれぞれについ
て、密閉型ニーダーで混合し、その後ミキシングロール
機を用いて更に充分に混練し、抗菌剤ならびに顔料の高
濃度組成物である謂ゆるマスターバッチ6種類を得た。
【0034】化粧板表面用樹脂として不飽和ポリエステ
ル樹脂90部、前記の各抗菌剤濃度のマスターバッチ1
0部を添加し、更に、それぞれの樹脂液にナフテン酸コ
バルト6%スチレンモノマー溶液1部を加え撹拌混合
し、均一な組成の塗布用樹脂液を得た。
【0035】実施例1〜6のマスターバッチ及び塗布用
樹脂液の組成は表1の通りである。
【0036】次に、この樹脂液を化粧板1枚を製造する
に必要な量となるように計量し、樹脂液101部に対し
メチルエチルケトンパーオキサイド55%ジブチルフタ
レート溶液を1.5部添加混合したものを、予め準備さ
れた前記の化粧紙貼り合板の表面に樹脂液がゲル化しな
いよう、速やかに流延、塗布し、鋼製枠に張られた厚さ
25μmのツヤ消仕上げポリビニルアルコールフィルム
で被覆し、このフィルム上よりロールで押えながら樹脂
液を化粧紙に浸透含浸させると共に、紙層中の空気を樹
脂液と置換させ、樹脂を板面全体に均一な膜厚になるよ
うに拡散させ、空気泡を板の端部より排出させた後、3
0℃の室内で硬化させ、樹脂で強化された紙層4ならび
に表面に抗菌性不飽和ポリエステル樹脂層5を形成させ
る。その後、更に2時間放置養生してアフターキュアを
進め、トリミングを行って、白色ツヤ消仕上げの抗菌性
ポリエステル化粧板6を得た。
【0037】比較例1 抗菌剤である銀ゼオライト粉末をマスターバッチに添加
しない他はすべて実施例1と同様の方法によりポリエス
テル化粧板を製造した。このポリエステル化粧板は実施
例1によって得られた抗菌性ポリエステル化粧板と色
彩、外観について殆ど差異が認められなかった。実施例
1〜6および比較例1によって得られた化粧板の抗菌性
試験ならびに物性評価試験の結果を表2に示す。
【0038】試験方法 (1) 抗菌性試験 各試料より50mm×50mmの試験片を切り取り、エ
タノール洗浄後、化粧面にStaphyococcus
aureus ATCC6538Pの菌液1mlを滴
下し、37℃で3,6,24時間培養した。その後滅菌
済みリン酸緩衝液で試験片上の生残菌を洗い出した。こ
の洗い出した液について菌数測定用培地を用いて混釈平
板培養法により生存菌数を測定して試験片1枚当りの生
菌数に換算した。培養条件は37℃、24時間とした。
尚、対照として菌液のみの試験も同時に行った。
【0039】(2) 物性評価試験 特殊合板の日本農林規格に規定される退色A試験及び湿
熱試験を行った。
【0040】退色A試験 各試料より台板合板の表板の主繊維方向に平行に75m
m、直角に150mmの長方形状のものを2片ずつ作成
し、退色試験機の取付枠に固定し、退色試験用水銀灯
(入力400W、波長3,000A0以上)との距離を
300mmとし毎分2.5回転の速度で回転させながら
水銀灯の光に48時間さらした後、暗室中に72時間放
置してから、試験片の表面の割れ、ふくれ、しわ、めや
せ変色及びつやの変化の有無をしらべる。
【0041】湿熱試験 各試料より200mm×200mmの試験片を2片ずつ
作成し、試験片を水平に固定した後、試験片の表面に沸
とう水を滴下し、その上に0.5lの沸とう水を入れた
1l容量のアルミニウム容器を20分間放置した後、乾
燥した布で摩さつし、そのまま24時間放置し、表面の
割れ、ふくれ、変色及び著しいつやの変化をしらべる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明によって得られる抗菌性ポリエス
テル化粧板は、化粧板表面を構成する樹脂層に分散され
た銀ゼオライト粉末の抗菌効果により、付着したカビや
病原菌などの微生物を死滅させることができる。
【0045】本発明に用いる銀ゼオライト粉末は、銀イ
オン及びアンモニウムイオンが結合されており、銀イオ
ンは、ゼオライトの骨格構造内にとり込まれていること
によって、溶出は極めて微量であり、長時間にわたり抗
菌効果が低下することがない。また、アンモニウムイオ
ンの効果により、変色が軽減され、更に、酸化亜鉛で被
覆することによって、変色防止効果が著しく向上するの
で、化粧板の外観、品質に影響を及ぼすことがない。銀
ゼオライト粉末は、有機抗菌剤などに較べ、毒性など人
体に害を及ぼすことがなく、耐久性があるので、高温多
湿や汚染し易い環境条件に於いて、持続的な抗菌効果を
あらわす。
【0046】
【図面の簡単な説明】
図1は本発明によって得られる抗菌性ポリエステル化粧
板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1.板材 2.接着剤層 3.抗菌剤 4.樹脂で強化された紙層 5.抗菌性不飽和ポリエステル樹脂層 6.抗菌性ポリエステル化粧板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 また、不飽和ポリエステル樹脂に
対して金属酸化物が0.05〜20重量%添加されるこ
とによって銀イオンは共存する該金属酸化物の影響によ
りイオンの溶出が少なくなり、変色が改善される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】 本発明に於いて抗菌剤である銀ゼ
オライト粉末と共に、金属酸化物を不飽和ポリエステル
樹脂に対して0.05〜20重量%添加することによっ
て、銀イオンの溶出が阻止され、変色防止に対する安全
性が著しく向上するものである。本発明に用いられる金
属酸化物としては酸化亜鉛、アルミナ、酸化チタン、酸
化鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどであり、
添加方法としては銀ゼオライト粉末の表面をコーティン
グする方法、或は、単に粒子同志を樹脂液中で混合分散
させる方法などがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三沢 勇典 愛知県海部郡甚目寺町大字上萱津字深見24 番地 アイカ工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材に接着剤を用いて紙を貼着した後、
    該紙の表面に抗菌剤として平均粒子径40μm以下の銀
    ゼオライト粉末を0.05〜10重量%添加した不飽和
    ポリエステル樹脂を塗布する工程と、該不飽和ポリエス
    テル樹脂塗布面を合成樹脂フィルムで被覆し硬化させた
    後、該合成樹脂フィルムを剥離する工程からなることを
    特徴とする抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記の銀ゼオライト粉末よりなる抗菌剤
    が、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部、又
    は全部が銀イオン及びアンモニウムイオンで置換されて
    いることを特徴とする請求項1記載の抗菌性ポリエステ
    ル化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記の不飽和ポリエステル樹脂に対して
    金属酸化物が0.05〜20重量部添加されていること
    を特徴とする請求項1乃至2記載の抗菌性ポリエステル
    化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 板材に貼着した紙の表面に塗布される不
    飽和ポリエステル樹脂に1〜30重量部の顔料が添加さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至3記載の抗菌性
    ポリエステル化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】 銀ゼオライト及び金属酸化物を不飽和ポ
    リエステル又は/及び着色剤と混練して、20℃に於け
    る粘度が少なくとも1.5pa・sの配合物をつくり、
    該配合物を所望の抗菌剤の含有量になるように不飽和ポ
    リエステル樹脂に添加することを特徴とする請求項1乃
    至4記載の抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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