JP3421708B2 - 抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法 - Google Patents

抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築内装材、住設機器、
家具、什器などの材料として用いられる抗菌性ポリエス
テル化粧板の製造方法に関する。特に、本発明によって
得られる抗菌性ポリエステル化粧板は、病院、或いは公
共設備、調理設備など抗菌性の要求される用途に対して
有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル化粧板は、熱硬化性樹脂化
粧板のうちでは、比較的簡単な設備、工程で製造するこ
とができ、仕上り外観がよく、一般の化粧板として汎用
的な物性を具備していることから、机、キャビネット、
厨房設備をはじめとする家具、住設機器などに多く使わ
れていた。
【0003】ポリエステル化粧板は合板などの板材上
に、無地或いは図柄を印刷した化粧紙を、尿素樹脂、酢
酸ビニル樹脂、或いは不飽和ポリエステル樹脂などの接
着剤を用いて貼着し、その上から硬化剤、硬化促進剤な
どを添加した不飽和ポリエステル樹脂液を塗布した後、
枠に張った合成樹脂フィルムで被覆し、脱泡して硬化さ
せることにより製造されていた。
【0004】一般に、木目柄など、図柄、模様を有する
化粧板では、これらの模様が鮮明に表現されるように、
透明な樹脂液が用いられ、無地単色については、所望の
色彩になるように顔料を添加し隠蔽性をもたせた樹脂液
が用いられていたが、このような製造方法によって得ら
れたポリエステル化粧板は、抗菌性を有するものではな
く、抗菌性の要求される用途に対しては適していなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、ポリエステル化
粧板は耐熱性、硬度、耐摩耗性、耐汚染性などの物性の
バランスがとれているため、トイレブース、洗面台、流
し台、各種キャビネット類などの部材に多く使われてい
たが、これらの用途では温暖多湿や栄養物質の付着、汚
染によりカビや細菌の繁殖に適した条件で使用されるこ
とが多く、最近では薬剤耐性の黄色ブドウ球菌(MRS
A)による病院内感染が問題となっており、病院や公共
用途の設備機器に使用される化粧板については、抗菌性
の賦与が望まれていた。
【0006】しかしながら、抗菌剤を樹脂に添加して化
粧板を製造する場合、変色或いは物性の低下を来たし、
特に有機系の抗菌剤は人体に有害なものが多く、これら
を使用した化粧板は、耐熱性が低く、長時間使用すると
紫外線などの影響を受け易い。更に変色などにより化粧
板の表面外観が損なわれ易く、満足すべき結果が得られ
なかった。
【0007】本発明は、チオスルファイト銀錯イオンの
錯塩をシリカゲルに担持させて得られる抗菌剤を添加し
た不飽和ポリエステル樹脂を化粧板表面用樹脂として用
いることによって人体に対して安全性が高く、耐熱性に
優れ、広範囲の種類の細菌やカビに対して長期間にわた
り抗菌性を持続するポリエステル化粧板を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、接着剤を用い
て紙を貼着した後、該紙の表面にチオスルファイト銀錯
イオンの錯塩をシリカゲルに担持させて得られる抗菌剤
を添加した不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程と、
該不飽和ポリエステル樹脂塗布面を合成樹脂フィルムで
被覆し、硬化させた後、該合成樹脂フィルムを剥離する
工程からなることを特徴とする抗菌性ポリエステル化粧
板の製造方法であり、とりわけ、単色の外観を有する化
粧板に於いては、板材に貼着された紙の表面に塗布され
る不飽和ポリエステル樹脂に1〜30重量%の顔料が添
加されていることによって、下地の板材の色を隠蔽し、
所望の色彩の表現を可能にするものである。
【0009】更に、チオスルファイト銀錯イオンの錯塩
をシリカゲルに担持させて得られる抗菌剤を不飽和ポリ
エステル樹脂又は着色剤に混練して20℃に於ける粘度
が少なくとも1.5pa・sの配合物をつくり、該配合
物を所望の抗菌剤の含有量になるように不飽和ポリエス
テル樹脂に添加することによって、抗菌剤の樹脂に対す
る分散性がよくなり、化粧板製造時に、その都度添加す
ることができるようになるので、経時に於ける抗菌剤の
沈殿を防ぐことができる。
【0010】また、前記の不飽和ポリエステル樹脂に対
して1〜50重量%の含有量になるように不飽和メラミ
ン樹脂が含有されることによって化粧板の耐候性が向上
し、硬度などの物性が高められる。
【0011】本発明に用いるチオスルファイト銀錯イオ
ンの錯塩をシリカゲルに担持させて得られる抗菌剤は、
該錯塩を多孔質のシリカゲルの穴内に担持させた後、該
シリカゲルの表面をシリカで被覆したもので、極めて微
量の錯塩が表面にしみ出し、長時間にわたり抗菌効果が
持続するものである。
【0012】銀を含む抗菌剤は、紫外線による変色や水
道水に含まれる塩素イオンと反応して沈殿しやすいなど
の問題を生じることが多いが、チオスルファイトと錯イ
オン化することによって、紫外線などによる酸化を防
ぎ、且つ塩素イオンと反応しなくしたものである。
【0013】本発明に用いられる抗菌剤に於いて、シリ
カゲルに担持される銀の量は、少なくともシリカゲルに
対して0.05重量%の含有量であり、0.05重量%
以下では、不飽和ポリエステル樹脂に対する抗菌剤の添
加量が増え、樹脂液の増粘などの問題を生じ易い。
【0014】本発明に於いては、不飽和ポリエステル樹
脂に対して0.001〜0.5重量%の銀の含有量にな
るようにチオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシリカゲ
ルに担持させて得られる抗菌剤を添加するもので、不飽
和ポリエステル樹脂に対する銀の含有量が0.001重
量%以下では十分な抗菌性が得られない。また0.5重
量%以上では経済性の点で好ましくない。
【0015】本発明に用いる板材としては、合板、ハー
ドボード、中質繊維板などの木質板材が適しており、該
板材に貼着する紙は20〜200g/m2の坪量で二酸化
チタンが混抄された化粧紙の使用が好ましい。木目その
他、模様を有する化粧板に於いては、これらの模様を印
刷した原紙が用いられ、該模様が鮮明に表現されるため
には、塗布された抗菌性不飽和ポリエステル樹脂膜は透
明性を保持することが必要であり、抗菌剤の粒子径なら
びに添加量を選ぶ必要がある。
【0016】また、単色の無地化粧板では、不飽和ポリ
エステル樹脂中に顔料が添加されているので、抗菌剤は
顔料との混合分散性がよく、分離したり沈降したりする
ことがなく、所望の色彩の表現を阻害するような着色な
どがあってはならないが、本発明に於いて用いられる抗
菌剤は、平均粒子径30μm以下の白色微粉末で好まし
くは平均粒子径10μm以下に微粉砕したものを用い
る。
【0017】図柄、模様を有する化粧板では、抗菌剤の
不飽和ポリエステル樹脂に対する添加量が5重量%以下
の場合に於いては、殆ど透明性が阻害されることがな
く、下地となる紙に印刷された柄や模様を美麗に表現す
ることができる。
【0018】単色無地化粧板では、抗菌剤の添加量が樹
脂に対して10重量%以下の添加量に於いては、著しい
色彩の変化が認められない。
【0019】板材に紙を貼着するための接着剤には、尿
素樹脂、尿素メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂などの接着
剤を単体、或いは混合して用い、ロールコーターにより
板材面に塗布し、紙を載置してホットプレスで熱圧して
貼付る方法、硬化剤又は硬化促進剤を含む不飽和ポリエ
ステル樹脂をそれぞれ塗布した後、ラミネーターで紙を
貼る方法などにより行う。
【0020】ポリエステル化粧板用樹脂としては、常温
に於いて1〜4pa・sの粘度の不飽和ポリエステル樹
脂が適しているが、この樹脂液に抗菌剤を添加し、均一
に分散させても、保存中に時間の経過と共に沈殿し、均
質性が失われる。また、ポリエステル化粧板製造工程
で、その都度、添加する場合は、予め、樹脂に混練した
抗菌剤配合物を混合するように容易に分散し難く、均一
組成にするための時間と労力が嵩み、生産性が低下す
る。
【0021】このような抗菌剤の沈殿防止や、作業性を
向上させる手段として、不飽和ポリエステル樹脂又は着
色剤に混練して、粘度が少なくとも1.5pa・sの配
合物を所望の抗菌剤の含有量になるように不飽和ポリエ
ステル樹脂に添加し、混練して分散させたマスターペー
スト、マスターバッチなど高濃度混合物をつくり、この
高濃度混合物をポリエステル化粧板製造時に、必要なだ
けの量を不飽和ポリエステル樹脂に添加し分散させる。
【0022】本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は、フマル酸、無水マレイン酸などの不飽和多塩基酸
と無水フタル酸、イソフタル酸などの飽和多塩基酸とエ
チレングリコール、プロピレングリコールなどの多価ア
ルコールを縮合させて得られたポリエステルをスチレン
モノマーを溶解して得られる樹脂であり、必要に応じて
不飽和メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹
脂などで変性したものを用いることができる。
【0023】とりわけ不飽和ポリエステル樹脂に対し
て、不飽和メラミン樹脂が1〜50重量部の含有量にな
るように添加することによって、紫外線の影響や経時変
化に起因する樹脂の変色が軽減されると共に、硬度が高
められ、化粧板表面の擦傷の発生防止に役立つ。また、
塗膜の耐水性,耐食性などの物性が向上する。不飽和メ
ラミン樹脂の添加量が50重量%以上では塗膜が胞くな
り耐衝撃性,切削加工性が低下する。
【0024】本発明に用いられる不飽和メラミン樹脂は
メラミン,パラホルムアルデヒド,及び2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートから縮合反応によって合成
される平均分子量200ないし8000のプリポリマー
である。
【0025】不飽和ポリエステル樹脂に対して抗菌剤、
好ましくは、抗菌剤と樹脂又は着色剤との高濃度混合
物、硬化剤、硬化促進剤など必要な添加物が所望の配合
比になるように撹拌混合し、均一な組成物をつくり、樹
脂液がゲル化を起す以前に、板材に貼着した紙の面に塗
布し、枠に張られたビニロンフィルム、ポリエチレンテ
レフタレートフィルムなどの合成樹脂フィルムを塗膜面
に当て、その上からロールで押えながら樹脂液を紙貼面
全体に伸ばし、厚さを均一化させながら浸透させ、紙間
に含有する空気と置換させると共に空気泡を板の端部へ
押し出し、脱泡して化粧板面の樹脂層を形成させ、室温
乃至比較的低温度の加温条件下で放置して樹脂を硬化さ
せた後、フィルムを剥離して、適宜養生してアフターキ
ュアを進め、抗菌性ポリエステル化粧板を得る。
【0026】
【実施例】以下に記す部及び%はそれぞれ重量部及び重
量%を表す。 実施例1〜4 板材1である厚さ2.7mmの二類ラワン合板に接着剤
2として塩化アンモニウム0.5%含むメラミン尿素共
縮合樹脂接着剤30部、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接
着剤70部よりなる混合接着剤を90g/m2の塗布量に
なるようにロールコーターで塗布し、その上に二酸化チ
タンを混抄した60g/m2の白色化粧紙を載置し、ホッ
トプレス熱板間に挿入して温度95℃、圧力6.8×1
5paの熱圧条件で60秒間圧締して合板に化粧紙を
貼付けた。
【0027】抗菌剤は平均粒子径6μmの多孔質シリカ
ゲルの穴内部に銀の含有量が3.65重量%になるよう
にチオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシリカゲルに担
持させた白色度87.3の微粉末状のものを用いた。
【0028】不飽和ポリエステル樹脂は、フマル酸1モ
ル、無水フタル酸1モル、プロピレングリコール2モル
を縮合して得たポリエステル55部をスチレンモノマー
45部に溶解した不飽和ポリエステル樹脂95部に対し
2−ヒドロキシエチルメタアクリレートプレポリマー5
部を加えた樹脂を用い、以下に記す抗菌剤ならびに着色
用顔料のマスターバッチ、化粧板表面塗装用樹脂、それ
ぞれに使用した。
【0029】不飽和ポリエステル樹脂23部に白色顔料
である二酸化チタン粉末75部、前記の抗菌剤粉末1
部、2部をそれぞれ添加し、密閉型ニーダーで混練した
後、ミキシングロール機を用いて更に混練し、抗菌剤な
らびに顔料の高濃度含有組成物である謂ゆるマスターバ
ッチを抗菌剤の含有量を変え2種類調製した。
【0030】化粧板表面用樹脂として、前記のマスター
バッチをそれぞれ抗菌剤の濃度別にポリエステル樹脂8
0部に対して、20部添加したものをつくり、更に、そ
れぞれの樹脂にナフテン酸コバルト6%スチレンモノマ
ー溶液1部を加え撹拌混合し、均一な組成の樹脂液とし
た。不飽和ポリエステル樹脂25部に抗菌剤粉末1部を
加えて得たマスターバッチを用いたものを実施例1と
し、2部加えて得たマスターバッチを用いたものを実施
例2とした。
【0031】次に、この樹脂液を化粧板1枚を製造する
に必要な量となるように計量しメチルエチルケトンパー
オキサイド55%ジブチルフタレート溶液を1%添加混
合したものを、予め準備された前記の化粧紙貼り合板の
表面に樹脂液がゲル化しないよう、速やかに流延、塗布
し、鋼製枠に張られた厚さ25μmのツヤ消仕上げポリ
ビニルアルコールフィルムで被覆し、このフィルム上よ
りロールで押えながら樹脂液を化粧紙に浸透含浸させる
と共に、紙層中の空気を樹脂液と置換させ、樹脂を板面
全体に均一な膜厚になるように拡散させ、空気泡を板の
端部より排出させた後、30℃の室内で硬化させ、樹脂
で強化された紙層4ならびに表面に抗菌性不飽和ポリエ
ステル樹脂層5を形成させる。その後、更に2時間放置
してアフターキュアを進め、トリミングを行って、白色
ツヤ消仕上げの抗菌性ポリエステル化粧板6を得た。
【0032】実施例3は、実施例1により得られた化粧
板を、実施例4は、実施例2によって得られた化粧板を
それぞれ用いて、抗菌性試験に先だち、前処理として、
温度40℃、相対湿度90%の条件で24時間処理した
ものである。
【0033】比較例1 抗菌剤であるチオスルファイト銀錯塩を担持させたシリ
カゲルを不飽和ポリエステル樹脂液に添加しない他は、
すべて実施例1と同様の方法によりポリエステル化粧板
を製造した。このポリエステル化粧板は、実施例1によ
って得られた抗菌性ポリエステル化粧板と色彩、外観に
ついて殆ど差異が認められなかった。実施例1〜4およ
び比較例1によって得られた抗菌性ポリエステル化粧板
の抗菌性試験、ならびに物性試験の結果を表1に示す。
【0034】試験方法 (1) 抗菌性試験 各試料より50mm×50mmの試験片を切り取り検体
とした。試験菌株はStaphyococcus au
reus IFO12732(黄色ブドウ球菌)を用い
た。菌数測定用培地はSCDLP寒天培地(日本製薬)
を用いた。菌数の調製は普通寒天斜面培地で温度35℃
一夜培養した試験菌体を滅菌1/1,000濃度普通ブ
イヨンに浮遊させ、1ml当たりの菌数が約106とな
るように調製した。試験操作は以下の方法により行っ
た。
【0035】検体(約50mm×50mm)に菌液0.
5mlを接種して、ポリエチレンフィルムを密着させた
後、35℃で保存し、保存開始時、3及び6時間後にS
CDLP培地(日本製薬)10mlで生残菌を洗い出し
た。この洗い出し液の生菌数を、菌数測定用培地を用い
た寒天平板培養法(35℃ 2日間)により測定して、
検体1枚当たりの生菌数に換算した。また、検体に接種
したものと同量の菌液をシャーレに分注して、ポリエチ
レンフィルムを密着させて保存し、生菌数を測定して対
照とした。
【0036】(2) 物性評価試験 特殊合板の日本農林規格に規定される退色A試験及び湿
熱試験を行った。
【0037】退色A試験 各試料より、台板合板の表板の主繊維方向に平行に75
mm、直角に150mmの長方形状のものを2片ずつ作
成し、退色試験機の取付枠に固定し、退色試験用水銀灯
(入力400W、波長3,000A0以上)との距離を
300mmとし毎分2.5回転の速度で回転させながら
水銀灯の光に48時間さらした後、暗室中に72時間放
置してから試験片の表面の割れ、ふくれ、しわ、めや
せ、変色及びつやの変化の有無をしらべる。
【0038】湿熱試験 各試料より200mm×200mmの試験片を2片ずつ
作成し、試験片を水平に固定した後、試験片の表面に沸
とう水を滴下し、その上に0.5lの沸とう水を入れた
1l容量のアルミニウム容器を20分間放置した後、乾
燥した布で摩さつし、そのまま24時間放置し、表面の
割れ、ふくれ、変色及び著しいつやの変化をしらべる。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明によって得られる抗菌性ポリエス
テル化粧板は、化粧板表面を構成する樹脂層に分散され
た、チオスルファイト銀錯イオンの錯塩を担持させたシ
リカゲル粉末の抗菌効果により病原菌などの微生物を死
滅させることができる。また、抗菌剤は、銀錯塩をシリ
カゲルの穴内に担持させた後、表面がシリカで被覆され
ているので、極めて微量の錯塩が化粧板表面に浸み出
し、持続的な抗菌性が得られると共に、長時間使用して
も抗菌効果が低下することがない。
【0041】また、銀をチオスルファイトの錯塩にする
ことで、紫外線による酸化などに起因する変色が防止さ
れ、化粧板の外観品質に影響を及ぼすことがない。更
に、有機抗菌剤などに較べ、毒性など人体に害を及ぼす
ことがなく、耐久性があるので、高温多湿や汚染し易い
環境条件に於いて、持続的な抗菌効果をあらわす。
【0042】
【図面の簡単な説明】
図1は本発明によって得られる抗菌性ポリエステル化粧
板の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 板材 2 接着剤 3 抗菌剤 4 樹脂で強化された紙層 5 抗菌性不飽和ポリエステル樹脂層 6 抗菌性ポリエステル化粧板
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117123(JP,A) 特開 平4−163143(JP,A) 特開 平1−269510(JP,A) 特開 昭62−51601(JP,A) 特開 昭59−133235(JP,A) 特開 昭53−120780(JP,A) 特開 昭51−1605(JP,A) 特開 昭51−1604(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 33/00 B32B 21/06 B32B 27/36 A01N 59/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材に接着剤を用いて紙を貼着した後、
    該紙の表面にチオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシリ
    カゲルに担持させて得られる抗菌剤を添加した不飽和ポ
    リエステル樹脂を塗布する工程と、該不飽和ポリエステ
    ル樹脂塗布面を合成樹脂フィルムで被覆し、硬化させた
    後、該合成樹脂フィルムを剥離する工程からなることを
    特徴とする抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 チオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシ
    リカゲルに担持させて得られる抗菌剤が不飽和ポリエス
    テル樹脂に対して0.001〜0.5重量%の銀の含有
    量になるように添加されている請求項1記載の抗菌性ポ
    リエステル化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 チオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシ
    リカゲルに担持させて得られる抗菌剤の銀の含有量が少
    なくとも0.05重量%である請求項1ないし請求項2
    記載の抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 チオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシ
    リカゲルに担持させて得られる抗菌剤の平均粒子径が3
    0μm以下である請求項1ないし請求項3記載の抗菌性
    ポリエステル化粧板の製造方法。
  5. 【請求項5】 板材に貼着された紙の表面に塗布される
    不飽和ポリエステル樹脂に1〜30重量%の顔料が添加
    されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4記
    載の抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
  6. 【請求項6】 チオスルファイト銀錯イオンの錯塩をシ
    リカゲルに担持させて得られる抗菌剤をポリエステル樹
    脂又は着色剤に混練して、20℃に於ける粘度が少なく
    とも1.5pa・sの配合物をつくり、該配合物を所望
    の抗菌剤の含有量になるように不飽和ポリエステル樹脂
    に添加することを特徴とする請求項1ないし請求項5記
    載の抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記の不飽和ポリエステル樹脂に対して
    1〜50重量%の含有量になるように不飽和メラミン樹
    脂が含有されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項6記載の抗菌性ポリエステル化粧板の製造方法。
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