JPH06279218A - 抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧 板及びその製法 - Google Patents
抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧 板及びその製法Info
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- JPH06279218A JPH06279218A JP9562793A JP9562793A JPH06279218A JP H06279218 A JPH06279218 A JP H06279218A JP 9562793 A JP9562793 A JP 9562793A JP 9562793 A JP9562793 A JP 9562793A JP H06279218 A JPH06279218 A JP H06279218A
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- thermosetting resin
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱や紫外線によって容易に変質することがな
く、且つ金属イオンの溶出の殆どない、持続的な抗菌生
ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板を得るこ
とを目的とする。 【構成】 抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミ
ックス焼成物粉末を添加、分散させた熱硬化性樹脂液化
粧紙に含浸して乾燥させ化粧板用含浸紙を得る。次に、
この化粧板用含浸紙が化粧板表面を形成するように基材
に重ね、熱圧成形する。
く、且つ金属イオンの溶出の殆どない、持続的な抗菌生
ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板を得るこ
とを目的とする。 【構成】 抗菌性金属を担持させたカルシウム系セラミ
ックス焼成物粉末を添加、分散させた熱硬化性樹脂液化
粧紙に含浸して乾燥させ化粧板用含浸紙を得る。次に、
この化粧板用含浸紙が化粧板表面を形成するように基材
に重ね、熱圧成形する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅機器、厨房、食卓
天板などに用いる抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬
化性樹脂化粧板及びその製法に関する。
天板などに用いる抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬
化性樹脂化粧板及びその製法に関する。
【０００２】
【従来の技術】熱硬化性樹脂化粧板は、耐熱性、硬度、
耐摩耗性、耐水性、耐汚染性などの物性が優れているこ
とから用途は多岐にわたっており、浴室壁面、洗面化粧
室、洗面台、厨房、流し台、食卓天板など、温暖多湿や
栄養物質の付着、汚染などにより、カビや細菌の繁殖に
適した条件で使用されることが多く、抗菌性ならびに防
カビ性の賦与が望まれていた。
耐摩耗性、耐水性、耐汚染性などの物性が優れているこ
とから用途は多岐にわたっており、浴室壁面、洗面化粧
室、洗面台、厨房、流し台、食卓天板など、温暖多湿や
栄養物質の付着、汚染などにより、カビや細菌の繁殖に
適した条件で使用されることが多く、抗菌性ならびに防
カビ性の賦与が望まれていた。
【０００３】しかしながら、一般の熱硬化性樹脂化粧板
は、天然物を材料とする化粧貼り合板などに較べ、カビ
や細菌に対して抵抗性はあるものの、使用される環境に
よってはこれらの微生物に浸されたり、繁殖されたりす
ることを防ぐことができなかった。
は、天然物を材料とする化粧貼り合板などに較べ、カビ
や細菌に対して抵抗性はあるものの、使用される環境に
よってはこれらの微生物に浸されたり、繁殖されたりす
ることを防ぐことができなかった。
【０００４】また、有機殺菌剤を合成樹脂に添加する方
法、或いは銀、銅など殺菌作用を有する金属イオンをゼ
オライトに保持させ、紙の表面に付着させる方法など、
材料の抗菌、防カビの方法が行なわれていたが、これら
の方法は熱硬化性樹脂化粧板に対して必ずしも有効では
なく、長期間の使用に対して、持続的に抗菌及び防カビ
効果を有し、且つ、一般に要求される外観、物性を兼
ね、具えた熱硬化性樹脂化粧板は得られていない。
法、或いは銀、銅など殺菌作用を有する金属イオンをゼ
オライトに保持させ、紙の表面に付着させる方法など、
材料の抗菌、防カビの方法が行なわれていたが、これら
の方法は熱硬化性樹脂化粧板に対して必ずしも有効では
なく、長期間の使用に対して、持続的に抗菌及び防カビ
効果を有し、且つ、一般に要求される外観、物性を兼
ね、具えた熱硬化性樹脂化粧板は得られていない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来、一般の熱硬化性
樹脂化粧板は高温多湿の浴室、洗面所などに使用された
場合、カビの付着、繁殖によって表面にシミを発生する
ことがあり、このシミは一般の物質の付着による汚れと
は異なり、化粧層の内部まで浸され、拭き取っても完全
に除去することは困難であった。
樹脂化粧板は高温多湿の浴室、洗面所などに使用された
場合、カビの付着、繁殖によって表面にシミを発生する
ことがあり、このシミは一般の物質の付着による汚れと
は異なり、化粧層の内部まで浸され、拭き取っても完全
に除去することは困難であった。
【０００６】また、厨房器具、食堂テーブルなどの用途
では食品、その他カビや細菌の繁殖に必要な栄養分が付
着し易く、通常の化粧板の使用は必ずしも好ましいもの
ではなかった。
では食品、その他カビや細菌の繁殖に必要な栄養分が付
着し易く、通常の化粧板の使用は必ずしも好ましいもの
ではなかった。
【０００７】熱硬化性樹脂に有機系の抗菌剤を添加する
方法では、抗菌剤は、人体に有害なものも多く、一般的
に熱に対して不安定てあり、加熱成形工程で変質し、効
果が低下し易く、また、長期間使用すると紫外線などの
影響を受け易い。更に、変色などにより化粧板の表面外
観を損なうほどの問題点を有していた。
方法では、抗菌剤は、人体に有害なものも多く、一般的
に熱に対して不安定てあり、加熱成形工程で変質し、効
果が低下し易く、また、長期間使用すると紫外線などの
影響を受け易い。更に、変色などにより化粧板の表面外
観を損なうほどの問題点を有していた。
【０００８】金属イオンをゼオライトなどに保持させて
得られた抗菌剤を紙に付着させ、化粧板材料に用いた場
合に於いても、熱硬化性樹脂層により抗菌剤が被覆され
るので効果が低減すると共に、抗菌剤が表面に露出した
場合、金属イオンが溶出し、化粧板の外観、物性の変化
を生じることがあり、これらの解決には多くの工数を要
するものである。
得られた抗菌剤を紙に付着させ、化粧板材料に用いた場
合に於いても、熱硬化性樹脂層により抗菌剤が被覆され
るので効果が低減すると共に、抗菌剤が表面に露出した
場合、金属イオンが溶出し、化粧板の外観、物性の変化
を生じることがあり、これらの解決には多くの工数を要
するものである。
【０００９】本発明は、抗菌性金属を担持させたカルシ
ウム系セラミックス焼成物粉末を添加した熱硬化性樹脂
を用いて化粧板を製作することにより、熱硬化性樹脂化
粧板に必要な外観、性能を保持し、熱や、紫外線によっ
て容易に変質することがなく、且つ、金属イオンの溶出
が殆どない、持続的な抗菌性ならびに防カビ性を有する
熱硬化性樹脂化粧板を得ることを目的とする。
ウム系セラミックス焼成物粉末を添加した熱硬化性樹脂
を用いて化粧板を製作することにより、熱硬化性樹脂化
粧板に必要な外観、性能を保持し、熱や、紫外線によっ
て容易に変質することがなく、且つ、金属イオンの溶出
が殆どない、持続的な抗菌性ならびに防カビ性を有する
熱硬化性樹脂化粧板を得ることを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌性金属を
担持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末を添加
した熱硬化性樹脂液を化粧紙に含浸、乾燥させて得た含
浸紙を該含浸紙が化粧板表面層を構成するように基材に
重ね、熱圧成形されていることを特徴とする抗菌性なら
びに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板及びその製法
であり、とりわけ、銀及び／又は亜鉛を担持させたカル
シウム系セラミックス焼成物粉末を、熱硬化性樹脂液の
不揮発分に対して、少なくとも0.05重量％の含有量にな
るように添加すると共に、このカルシウム系セラミック
ス焼成物粉末に担持される銀及び／又は亜鉛の含有量
が、カルシウム系セラミックスに対して少なくとも0.00
1重量％であることによって、優れた抗菌性ならびに防
カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板が得られるものであ
る。
担持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末を添加
した熱硬化性樹脂液を化粧紙に含浸、乾燥させて得た含
浸紙を該含浸紙が化粧板表面層を構成するように基材に
重ね、熱圧成形されていることを特徴とする抗菌性なら
びに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板及びその製法
であり、とりわけ、銀及び／又は亜鉛を担持させたカル
シウム系セラミックス焼成物粉末を、熱硬化性樹脂液の
不揮発分に対して、少なくとも0.05重量％の含有量にな
るように添加すると共に、このカルシウム系セラミック
ス焼成物粉末に担持される銀及び／又は亜鉛の含有量
が、カルシウム系セラミックスに対して少なくとも0.00
1重量％であることによって、優れた抗菌性ならびに防
カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板が得られるものであ
る。
【００１１】本発明に用いる銀及び／又は亜鉛を担持さ
せたカルシウム系セラミックス焼成物粉末は、これらの
金属塩をカルシウム系セラミックスに吸着又はイオン交
換によって担持させたものを高温、好ましくは800℃以
上で焼成した後、平均粒子径３０μｍ以下の微粉末に粉
砕したものである。
せたカルシウム系セラミックス焼成物粉末は、これらの
金属塩をカルシウム系セラミックスに吸着又はイオン交
換によって担持させたものを高温、好ましくは800℃以
上で焼成した後、平均粒子径３０μｍ以下の微粉末に粉
砕したものである。
【００１２】抗菌性金属としては銀、銅、亜鉛などを用
いることが出来るが、特に銀及び亜鉛が効果的である。
いることが出来るが、特に銀及び亜鉛が効果的である。
【００１３】カルシウム系セラミックスは、リン酸カル
シウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、珪
酸カルシウムなどが用いられるが、特に、ハイドロキシ
アパタイトの使用が適している。担持される金属の量
は、セラミックスに対して５０重量％以下が望ましい。
金属塩の吸着、或いはイオン交換によって金属が担持さ
れたセラミックスを高温焼成し、粉砕機を用いて、平均
粒子径が３０μｍ以下になるように粉砕する。
シウム、ハイドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、珪
酸カルシウムなどが用いられるが、特に、ハイドロキシ
アパタイトの使用が適している。担持される金属の量
は、セラミックスに対して５０重量％以下が望ましい。
金属塩の吸着、或いはイオン交換によって金属が担持さ
れたセラミックスを高温焼成し、粉砕機を用いて、平均
粒子径が３０μｍ以下になるように粉砕する。
【００１４】このようにして得られた抗菌性カルシウム
系セラミックス焼成物粉体は、高温で焼成されているの
で、担持された金属とセラミックスの結合が強化され、
セラミックスが安定化し、金属イオンとして水に溶出す
ることがなく、化粧板表層を構成する熱硬化性樹脂中に
分散された場合に於いても耐熱性などの性能を劣化させ
ることがない。
系セラミックス焼成物粉体は、高温で焼成されているの
で、担持された金属とセラミックスの結合が強化され、
セラミックスが安定化し、金属イオンとして水に溶出す
ることがなく、化粧板表層を構成する熱硬化性樹脂中に
分散された場合に於いても耐熱性などの性能を劣化させ
ることがない。
【００１５】この抗菌性カルシウム系セラミックス焼成
物粉末を熱硬化性樹脂液に添加し、化粧板用含浸樹脂と
して用いる。
物粉末を熱硬化性樹脂液に添加し、化粧板用含浸樹脂と
して用いる。
【００１６】本発明で用いられる化粧板表層を構成する
樹脂としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など
の熱硬化性樹脂が用いられ、これらの樹脂は水及び／又
は有機溶媒に溶解され、必要に応じて硬化剤、離型剤、
安定剤などが加えられると共に抗菌性カルシウム系セラ
ミックス焼成物粉末が樹脂液の不揮発分に対して、少な
くとも0.05重量％以上の含有量になるように添加、分散
される。この抗菌性カルシウムセラミックス焼成物粉末
の分散により、化粧板樹脂層の表面で金属と菌が接触
し、抗菌効果が得られる。
樹脂としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など
の熱硬化性樹脂が用いられ、これらの樹脂は水及び／又
は有機溶媒に溶解され、必要に応じて硬化剤、離型剤、
安定剤などが加えられると共に抗菌性カルシウム系セラ
ミックス焼成物粉末が樹脂液の不揮発分に対して、少な
くとも0.05重量％以上の含有量になるように添加、分散
される。この抗菌性カルシウムセラミックス焼成物粉末
の分散により、化粧板樹脂層の表面で金属と菌が接触
し、抗菌効果が得られる。
【００１７】抵菌性カルシウム系セラミックス焼成物粉
末の添加量が多いと、それだけ抗菌性ならびに防カビ性
は高まるが、樹脂液の不揮発分に対して１０重量％以上
になると、樹脂液の組成によって差異はあるものの、化
粧板の色彩によっては支障を来す場合があり、また経済
性からも好ましくない。
末の添加量が多いと、それだけ抗菌性ならびに防カビ性
は高まるが、樹脂液の不揮発分に対して１０重量％以上
になると、樹脂液の組成によって差異はあるものの、化
粧板の色彩によっては支障を来す場合があり、また経済
性からも好ましくない。
【００１８】抗菌性カルシウム系セラミックス焼成物粉
末は、含浸用樹脂液に分散させた後、短時間に容易に沈
降しないことが必要であり、好ましくは平均粒子径５μ
ｍ以下に粉砕されていることによって、満足すべき化粧
板の外観が得られる。
末は、含浸用樹脂液に分散させた後、短時間に容易に沈
降しないことが必要であり、好ましくは平均粒子径５μ
ｍ以下に粉砕されていることによって、満足すべき化粧
板の外観が得られる。
【００１９】化粧板表層を形成する材料の一つである化
粧紙には、樹脂の含浸成形によって透明化し、内部層を
保護する目的で使用する謂ゆるオーバーレイ紙、又は化
粧面の意匠効果をもちらすための着色や印刷の施された
化粧紙（パターン紙）があるが、これらの紙に化粧板と
して必要な樹脂付着量になるように浸漬或いは塗布など
の方法により、熱硬化性樹脂液を含浸させ、乾燥を行な
って、化粧板成形用含浸紙を得る。
粧紙には、樹脂の含浸成形によって透明化し、内部層を
保護する目的で使用する謂ゆるオーバーレイ紙、又は化
粧面の意匠効果をもちらすための着色や印刷の施された
化粧紙（パターン紙）があるが、これらの紙に化粧板と
して必要な樹脂付着量になるように浸漬或いは塗布など
の方法により、熱硬化性樹脂液を含浸させ、乾燥を行な
って、化粧板成形用含浸紙を得る。
【００２０】化粧板の基材としては、合板、パーチクル
ボードなどの木質材料、石綿セメントケイ酸カルシウム
板などの無機質板材、鋼板などの金属板、合成樹脂板、
フェノール含浸クラフト紙など熱硬化性樹脂含浸紙、そ
の他、板材やシート状物の使用が可能である。
ボードなどの木質材料、石綿セメントケイ酸カルシウム
板などの無機質板材、鋼板などの金属板、合成樹脂板、
フェノール含浸クラフト紙など熱硬化性樹脂含浸紙、そ
の他、板材やシート状物の使用が可能である。
【００２１】
【実施例】以下、実施例に記載する部及び％はそれぞれ
重量部及び重量％を表す。 実施例１〜２ ハイドロキシアパタイト１kg、純水１０リットル、硝酸
銀５０ｇを混合撹拌した後、純水で洗浄、乾燥した後、
１０００℃で焼成し、冷却してボールミル粉砕機を用い
平均粒子径が約２μｍになるように粉砕し、銀を約２％
含む抗菌性ハイドロキシアパタイト焼成粉末を得た。
重量部及び重量％を表す。 実施例１〜２ ハイドロキシアパタイト１kg、純水１０リットル、硝酸
銀５０ｇを混合撹拌した後、純水で洗浄、乾燥した後、
１０００℃で焼成し、冷却してボールミル粉砕機を用い
平均粒子径が約２μｍになるように粉砕し、銀を約２％
含む抗菌性ハイドロキシアパタイト焼成粉末を得た。
【００２２】この抗菌性ハイドロキシアパタイト焼成粉
末を、ホルムアルデヒドとメラミンのモル比が１：1.5
になるように縮合されたメラミン化粧板用樹脂液に、こ
の樹脂液の不揮発分に対し、それぞれ0.5％、1.0％添加
し、よく撹拌して分散させ、重量１２０ｇ／ｍ2白色化
粧紙に樹脂付着量が不揮発分で１４５ｇ／ｍ2になるよ
うに含浸し、１２０℃の熱風で２分間乾燥し、化粧板表
面用含浸紙を得た。
末を、ホルムアルデヒドとメラミンのモル比が１：1.5
になるように縮合されたメラミン化粧板用樹脂液に、こ
の樹脂液の不揮発分に対し、それぞれ0.5％、1.0％添加
し、よく撹拌して分散させ、重量１２０ｇ／ｍ2白色化
粧紙に樹脂付着量が不揮発分で１４５ｇ／ｍ2になるよ
うに含浸し、１２０℃の熱風で２分間乾燥し、化粧板表
面用含浸紙を得た。
【００２３】重量１８０ｇ／ｍ2のクラフト紙にフェノ
ール樹脂が樹脂付着量１１０ｇ／ｍ2になるように含浸
されたコア用含浸紙を５枚重ねたものの上に、更にこの
化粧板表面用含浸紙を重ね、光沢仕上げステンレス板に
挾んでホットプレス熱板間に挿入し、温度１４０℃、圧
力８０kg／cm2の成形条件で、４５分間熱圧成形した
後、冷却して取り出し、厚さ1.2mmの抗菌性メラミン化
粧板を得た。
ール樹脂が樹脂付着量１１０ｇ／ｍ2になるように含浸
されたコア用含浸紙を５枚重ねたものの上に、更にこの
化粧板表面用含浸紙を重ね、光沢仕上げステンレス板に
挾んでホットプレス熱板間に挿入し、温度１４０℃、圧
力８０kg／cm2の成形条件で、４５分間熱圧成形した
後、冷却して取り出し、厚さ1.2mmの抗菌性メラミン化
粧板を得た。
【００２４】尚、比較例１として、抗菌性ハイドロキシ
アパタイト焼成粉末をメラミン化粧板用樹脂液に添加し
ない他は上記のメラミン化粧板と同一の条件の化粧板を
作成した。比較例２は、銀イオンが無機イオン交換体と
結合した抗菌剤をメラミン樹脂不揮発分に対して１％添
加した他は、上記のメラミン化粧板と同一の条件で化粧
板を作成したものである。実施例１〜２及び比較例１〜
２の抗菌性試験ならびに物性評価試験結果を表１に示
す。
アパタイト焼成粉末をメラミン化粧板用樹脂液に添加し
ない他は上記のメラミン化粧板と同一の条件の化粧板を
作成した。比較例２は、銀イオンが無機イオン交換体と
結合した抗菌剤をメラミン樹脂不揮発分に対して１％添
加した他は、上記のメラミン化粧板と同一の条件で化粧
板を作成したものである。実施例１〜２及び比較例１〜
２の抗菌性試験ならびに物性評価試験結果を表１に示
す。
【００２５】実施例３ １リットルの純水にハイドロキシアパタイト１００ｇ、
硝酸銀３ｇ、硝酸亜鉛７ｇを加え撹拌した後、水洗乾燥
し、約１１００℃で焼成して、ボールミルで平均粒子径
が１μｍになるよう粉砕して、銀の量が約２％、亜鉛が
約1.5％になるように担持された抗菌性ハイドロキシア
パタイト焼成粉末を得た。
硝酸銀３ｇ、硝酸亜鉛７ｇを加え撹拌した後、水洗乾燥
し、約１１００℃で焼成して、ボールミルで平均粒子径
が１μｍになるよう粉砕して、銀の量が約２％、亜鉛が
約1.5％になるように担持された抗菌性ハイドロキシア
パタイト焼成粉末を得た。
【００２６】この抗菌性ハイドロキシアパタイト焼成粉
末を、ジアリルフタレートプレポリマー１００部、不飽
和ポリエステル樹脂１００部、メチルエチルケトン２０
０部、ベンゾイルパーオキサイド４部、ラウリン酸６部
を含む樹脂液に対して１％加え、撹拌分散させた後、重
量８０ｇ／ｍ2の木目模様を印刷した化粧紙に樹脂不揮
発分の付着量が８０ｇ／ｍ2になるように含浸し、温度
１０５℃の熱風炉で2.5分間乾燥し、化粧板表面用含浸
紙を得た。
末を、ジアリルフタレートプレポリマー１００部、不飽
和ポリエステル樹脂１００部、メチルエチルケトン２０
０部、ベンゾイルパーオキサイド４部、ラウリン酸６部
を含む樹脂液に対して１％加え、撹拌分散させた後、重
量８０ｇ／ｍ2の木目模様を印刷した化粧紙に樹脂不揮
発分の付着量が８０ｇ／ｍ2になるように含浸し、温度
１０５℃の熱風炉で2.5分間乾燥し、化粧板表面用含浸
紙を得た。
【００２７】次に、重量２００ｇ／ｍ2のクラフト紙に
上記樹脂液が不揮発分付着量で１００ｇ／ｍ2になるよ
うに含浸乾燥させたコア含浸紙上に化粧板表面用含浸紙
を重ね、硬質アルミニウム合金よりなるツヤ消し仕上げ
当板に挾んで、ホットプレス熱板間に挿入し、温度１２
５℃、圧力３０kg／cm2の加熱加圧条件で１０分間成形
し、厚さ0.5mmの抗菌性ジアリルフタレート化粧板を得
た。この抗菌性ジアリルフタレート化粧板の抗菌性試験
ならびに物性評価試験結果を表１に示す。
上記樹脂液が不揮発分付着量で１００ｇ／ｍ2になるよ
うに含浸乾燥させたコア含浸紙上に化粧板表面用含浸紙
を重ね、硬質アルミニウム合金よりなるツヤ消し仕上げ
当板に挾んで、ホットプレス熱板間に挿入し、温度１２
５℃、圧力３０kg／cm2の加熱加圧条件で１０分間成形
し、厚さ0.5mmの抗菌性ジアリルフタレート化粧板を得
た。この抗菌性ジアリルフタレート化粧板の抗菌性試験
ならびに物性評価試験結果を表１に示す。
【００２８】試験方法 抗菌性試験 プラスチックプレート抗菌力測定方法（シエイクフラス
コ法）により行なう。 １．試験菌株：大腸菌（E.coli lfo 3301） ２．抗菌力測定方法：（ａ）ＴＷＥＥＮ８０を0.2％添
加したリン酸緩衝液（ＰＨ7.0）に、大腸菌を懸濁し
て、菌数を約1.0×１０5個／mlに調整する。この菌数を
大腸菌試験液として用いる。（ｂ）キャップ付容器に、
１cm×１cmに切った試験材料を３０枚入れて、（ａ）で
調整した大腸菌試験液を１０ml加える。（ｃ）（ｂ）の
試験材料の入った大腸菌試験液を２５℃で２４時間水平
振盪培養（振盪回数約１５０回／分）する。（ｄ）試験
開始時、振盪開始２４時間後に、試験試料の入った大腸
菌試験液の菌数を混釈平板培養法により求める。（ｅ）
（ａ）の大腸菌試験液について、上記と同様の試験を行
ないコントロールとする。
コ法）により行なう。 １．試験菌株：大腸菌（E.coli lfo 3301） ２．抗菌力測定方法：（ａ）ＴＷＥＥＮ８０を0.2％添
加したリン酸緩衝液（ＰＨ7.0）に、大腸菌を懸濁し
て、菌数を約1.0×１０5個／mlに調整する。この菌数を
大腸菌試験液として用いる。（ｂ）キャップ付容器に、
１cm×１cmに切った試験材料を３０枚入れて、（ａ）で
調整した大腸菌試験液を１０ml加える。（ｃ）（ｂ）の
試験材料の入った大腸菌試験液を２５℃で２４時間水平
振盪培養（振盪回数約１５０回／分）する。（ｄ）試験
開始時、振盪開始２４時間後に、試験試料の入った大腸
菌試験液の菌数を混釈平板培養法により求める。（ｅ）
（ａ）の大腸菌試験液について、上記と同様の試験を行
ないコントロールとする。
【００２９】化粧板物性試験 熱硬化性樹脂化粧板試験法（ＪＩＳ Ｋ６９０２）に規
定する試験方法により、耐光性、耐煮沸性、耐熱性につ
いて試験を行なう。
定する試験方法により、耐光性、耐煮沸性、耐熱性につ
いて試験を行なう。
【００３０】
【表１】
【００３１】
【発明の効果】銀及び／又は亜鉛を担持させたカルシウ
ム系セラミックス焼成粉末が添加された熱硬化性樹脂液
を化粧紙に含浸し、基材に成形することによって、化粧
板表面が抗菌性樹脂と化粧紙によって構成される。化粧
板表面を構成する樹脂層に分散された銀の接触により、
抗菌及び防カビ効果が得られると共に、化粧板として必
要な耐光性、耐熱水性、耐熱性などの一般的性能を損な
うことがない。
ム系セラミックス焼成粉末が添加された熱硬化性樹脂液
を化粧紙に含浸し、基材に成形することによって、化粧
板表面が抗菌性樹脂と化粧紙によって構成される。化粧
板表面を構成する樹脂層に分散された銀の接触により、
抗菌及び防カビ効果が得られると共に、化粧板として必
要な耐光性、耐熱水性、耐熱性などの一般的性能を損な
うことがない。
【００３２】また、本発明に於いては、高温焼成によっ
て銀及び／又は亜鉛はカルシウム系セラミックスと強く
結合し、安定化しているため、イオンとして溶出するこ
とが殆どなく、化粧板の外観、品質に影響を及ぼすこと
がない。更に、有機抗菌剤などに較べ、毒性など人体に
害を及ぼすことがなく、耐久性があるので、高温多湿や
汚染し易い環境条件に於いて、長期間にわたり持続的な
抗菌及び防カビ効果を表す。
て銀及び／又は亜鉛はカルシウム系セラミックスと強く
結合し、安定化しているため、イオンとして溶出するこ
とが殆どなく、化粧板の外観、品質に影響を及ぼすこと
がない。更に、有機抗菌剤などに較べ、毒性など人体に
害を及ぼすことがなく、耐久性があるので、高温多湿や
汚染し易い環境条件に於いて、長期間にわたり持続的な
抗菌及び防カビ効果を表す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｋ 3/08 ＫＡＢ 7242−4Ｊ (72)発明者 山田 一登 愛知県海部郡甚目寺町大字上萱津字深見24 番地 アイカ工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項１】 抗菌性金属を担持させた、カルシウム系
セラミックス焼成物粉末を添加した熱硬化性樹脂液を化
粧紙に含浸、乾燥させて得た含浸紙を、該含浸紙が化粧
板表面層を構成するように基材に重ね、熱圧成形されて
いることを特徴とする抗菌性ならびに防カビ性を有する
熱硬化性樹脂化粧板。 - 【請求項２】 抗菌性金属として銀及び／又は亜鉛を担
持させたカルシウム系セラミックス焼成物粉末を熱硬化
性樹脂液の不揮発分に対して少なくとも0.05重量％の含
浸量になるように添加されている、請求項１記載の抗菌
性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧板。 - 【請求項３】 カルシウム系セラミックス焼成物粉末に
担持させる銀及び／又は亜鉛の含有量がカルシウム系セ
ラミックスに対して、少なくとも0.001重量％である、
請求項１ないし、請求項２記載の抗菌性ならびに防カビ
性を有する熱硬化性樹脂化粧板。 - 【請求項４】 担持される銀及び／又は亜鉛の含有量が
少なくとも0.001重量％であるカルシウム系セラミック
ス焼成物粉末を熱硬化性樹脂液の不揮発分に対し、少な
くとも0.5重量％添加した後、該熱硬化性樹脂液を化粧
紙に含浸、乾燥させて得た含浸紙を、該含浸紙が化粧板
表面層を構成するように基材に重ね熱圧成形することを
特徴とする抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹
脂化粧板の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9562793A JPH06279218A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧 板及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9562793A JPH06279218A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧 板及びその製法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06279218A true JPH06279218A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=14142767
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9562793A Pending JPH06279218A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 抗菌性ならびに防カビ性を有する熱硬化性樹脂化粧 板及びその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06279218A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4880844A (en) * | 1988-05-27 | 1989-11-14 | Akzo America Inc. | Flame laminatable polyether urethane foam |
| JPH08325435A (ja) * | 1995-05-31 | 1996-12-10 | Noritake Co Ltd | 抗菌性メラミン樹脂成形粉並びにその成形品 |
| JP2001097741A (ja) * | 2000-07-28 | 2001-04-10 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 抗菌・防黴・防藻性物品およびその製造方法 |
| US6248342B1 (en) | 1998-09-29 | 2001-06-19 | Agion Technologies, Llc | Antibiotic high-pressure laminates |
| JP2001220305A (ja) * | 2000-11-30 | 2001-08-14 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 抗菌・防黴・防藻性物品およびその製造方法 |
| GB2445548A (en) * | 2007-01-13 | 2008-07-16 | Philip Reed | Laminate comprising particle board, and metal in thermoset resin |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP9562793A patent/JPH06279218A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4880844A (en) * | 1988-05-27 | 1989-11-14 | Akzo America Inc. | Flame laminatable polyether urethane foam |
| JPH08325435A (ja) * | 1995-05-31 | 1996-12-10 | Noritake Co Ltd | 抗菌性メラミン樹脂成形粉並びにその成形品 |
| US6248342B1 (en) | 1998-09-29 | 2001-06-19 | Agion Technologies, Llc | Antibiotic high-pressure laminates |
| JP2001097741A (ja) * | 2000-07-28 | 2001-04-10 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 抗菌・防黴・防藻性物品およびその製造方法 |
| JP2001220305A (ja) * | 2000-11-30 | 2001-08-14 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 抗菌・防黴・防藻性物品およびその製造方法 |
| GB2445548A (en) * | 2007-01-13 | 2008-07-16 | Philip Reed | Laminate comprising particle board, and metal in thermoset resin |
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