JP2002173406A - 抗菌性組成物及び抗菌性成形体 - Google Patents

抗菌性組成物及び抗菌性成形体

Info

Publication number
JP2002173406A
JP2002173406A JP2000369817A JP2000369817A JP2002173406A JP 2002173406 A JP2002173406 A JP 2002173406A JP 2000369817 A JP2000369817 A JP 2000369817A JP 2000369817 A JP2000369817 A JP 2000369817A JP 2002173406 A JP2002173406 A JP 2002173406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibacterial
silver
resin
binder
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000369817A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Namura
聡 名村
Kazuo Yamagoshi
和夫 山腰
Emiko Daimon
恵美子 大門
Yoshihisa Tomotaki
善久 友滝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP2000369817A priority Critical patent/JP2002173406A/ja
Publication of JP2002173406A publication Critical patent/JP2002173406A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、抗菌、抗カビ効果に優れており、
被処理体に対して着色を伴わない抗菌性組成物を提供す
ることを課題とするものである。 【解決手段】 結合剤に、固形分濃度20〜70重量%
の銀クロロ錯塩を含有する水溶液又はスラリーを噴霧乾
燥することにより得られる粉末を配合してなる抗菌性組
成物を解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性組成物及び
抗菌性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近、
環境衛生への関心が著しく高まる中、台所、浴室、洗面
所、トイレ等の水回り用の備品、家具やドア、玄関等の
把手やノブ、電子電気製品、自動車等の輸送機器類の内
装部品やハンドル、シフトレバーの把手、医療補助器具
等については、抗菌抗カビ性を有するものが強く望まれ
ている。そのため、合成樹脂に抗菌剤や抗カビ剤を配合
してなる抗菌性組成物を成形加工して各種製品のハウジ
ング又は部品を製造したり、前記抗菌性組成物に有機溶
媒等を加えて塗料化し、これを各種製品のハウジング又
は部品表面に塗布したり、化粧板や化粧紙に抗菌剤や抗
カビ剤を配合し、各種製品のハウジング表面に貼着する
ことが実施されている(例えば、特公昭63−5401
3号公報、特公平4−28646号公報、特開平1−3
13533号公報等)。
【0003】代表的な抗菌剤である銀系抗菌剤として
は、水溶性銀ガラス等の水溶性銀化合物、リン酸カルシ
ウム銀、酢酸亜鉛−銀、アルミノマグネシアケイ酸銀、
リン酸亜鉛カルシウム銀、リン酸ジルコニウム銀、ケイ
酸カルシウム銀、硝酸銀等の無機銀塩、チオ硫酸銀錯
体、アンモニウム銀錯体、チオシアン酸銀錯体、アミノ
酸銀錯体等の銀錯体、銀錯体担持シリカゲル等を挙げる
ことができる。これらのうち、水溶性銀化合物は水溶性
が高いので、物品の表面に存在すると水洗や雨等により
溶出し、抗菌効果が失われてしまうという欠点がある。
無機銀塩は、日常の環境下で普通に存在する塩化物と反
応して塩化銀を生成し、塩化銀が酸化されて黒化し、物
品表面を変色させるという欠点がある。また、銀錯体の
うち、チオ硫酸銀錯体やチオシアン酸銀錯体は2価の硫
黄イオンを含むため、酸や熱により分解して有毒ガスを
発生すると共に、次第に硫化銀に変化して抗菌性能が低
下する。アミノ酸銀錯体は錯安定度が比較的に低いた
め、塩化物と反応して塩化銀を生成し易く、抗菌性能が
著しく低下するとともに、塩化銀が酸化されることによ
る着色が問題になる。更に無機銀塩に比べて合成が困難
であり、製造コストが高くなるので、工業的にも好まし
くない。
【0004】また、塩化アンモニウム、アルカリ金属叉
はアルカリ土類金属の塩化物及び0.05mg/リット
ル以上の銀クロロ錯塩を含有する抗菌抗カビ水溶液が提
案されている(特許第2907194号及び国際公開公
報WO99/65317号)。該銀クロロ錯塩は該水溶
液中では安定で、塩化物と反応し難いため、抗菌性能の
低下や着色が少ないという好ましい特性を有する。しか
しながら、水溶液の形態であるため、例えば熱可塑性樹
脂や熱硬化性樹脂その他の結合剤に配合するのは非常に
困難であり、その使用形態が著しく制限される。更に、
上記公知文献には銀クロロ錯塩を粉末化することについ
て何らの示唆もないが、単に乾燥して粉末化するだけで
は、銀クロロ錯塩の構造が破壊され易くなり、従来の粉
末状銀系抗菌剤と同様の欠点を有する銀含有粉末が得ら
れるに過ぎない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特許第290719
4号等に開示された抗菌抗カビ水溶液中の銀クロロ錯塩
を、その構造を破壊することなく粉末化することに成功
し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記(1)〜
(5)の抗菌性組成物及び抗菌性成形体を提供するもの
である。 (1)結合剤に粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤を配合して
なる抗菌性組成物。 (2)結合剤に、固形分濃度20〜70重量%の銀クロ
ロ錯塩を含有する水溶液又はスラリーを噴霧乾燥するこ
とにより得られる粉末を配合してなる抗菌性組成物。 (3)結合剤が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機質
結合体及び含金属有機化合物から選ばれる1種又は2種
以上である前記抗菌性組成物。 (4)上記(1)〜(3)の抗菌性組成物を成形加工し
てなる抗菌性成形体。 (5)基材表面の一部又は全部に上記(1)〜(3)の
抗菌性組成物からなる抗菌層を設けてなる抗菌性成形
体。
【0006】本発明によれば、結合剤に粉末状銀クロロ
錯塩系抗菌剤を配合してなる抗菌性組成物が提供され
る。該抗菌性組成物は、高い抗菌性能を示し、日常的な
環境に長期間晒されても抗菌性能が殆ど低下することが
なく、水洗したり或いは雨水に晒されても殆ど被処理体
の着色を起こさないという、優れた特性を有する。本発
明の抗菌性組成物は、合成樹脂等の成形性を有する結合
剤を含む場合は任意形状の成形体とすることができる。
また、フィルム状又はシート状に成形し、各種基材の表
面に接着又は圧着することができる。更に、塗料、接着
剤等の形態に調製して、紙類、木質材料、金属材料、セ
ラミックス材料等の基材の表面を被覆することができ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性組成物は、結合剤
と粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤とを有効成分として含有
する。結合剤としては、マトリックスとなり得るもので
あれば特に制限されず、公知のものをいずれも使用でき
るが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機質結
合体、含金属有機化合物等を挙げることができる。これ
らの中でも、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂
を結合剤とした抗菌性樹脂組成物や無機質結合体を結合
剤とした抗菌性無機組成物等が好ましく、合成樹脂を結
合剤とした抗菌性樹脂組成物が特に好ましい。
【0008】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、塩素化ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレ
ン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−
ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メチルメタ
クリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
樹脂(MABS樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴ
ム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、アクリル樹脂、ポリ
エステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェ
ニレンエーテル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリレート、
ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリチオ
エーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベンズ
イミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリアセタール、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレ
タン等を挙げることができる。熱可塑性樹脂は1種を単
独で使用でき、又は少なくとも1種、又は必要に応じて
2種以上を混合して用いてもよい。
【0009】熱硬化性樹脂性としては、例えば、ポリウ
レタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリ
コン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂(ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系
エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素
環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、臭素化
ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)等を挙げることが
できる。熱硬化性樹脂は1種を単独で使用でき、又は少
なくとも1種、又は必要に応じて2種以上を混合して用
いることができる。
【0010】無機質結合体としては、例えば、珪酸塩、
リン酸塩、ホウ酸塩等の無機質硬化性物質等の1種又は
2種以上の混合物やこれらの前駆体物質、含水和物質等
を、熱、光、電子線、触媒等で硬化して、不溶性、不融
性又は可塑性の結合剤としたもの等を挙げることができ
る。無機質結合体は1種を単独で使用でき、又は少なく
とも1種、又は2種以上を併用できる。含金属有機化合
物としては、例えば、有機珪素化合物、有機チタン化合
物、有機リン化合物、有機ホウ素化合物等を挙げること
ができる。含金属有機化合物は1種を単独で使用でき、
又は少なくとも1種、又は2種以上を併用できる。
【0011】本発明の組成物の第二成分である粉末状銀
クロロ錯塩系抗菌剤は、例えば、水に塩化物及び銀化合
物を順次添加及び溶解して、銀クロロ錯塩を含有する水
溶液又はスラリーを得、該水溶液又はスラリーを噴霧乾
燥する方法により製造できる。本発明では、銀クロロ錯
塩の構造を壊すことなく粉末化するために、まず第一
に、銀クロロ錯塩含有水溶液又はスラリーの固形分濃度
が通常20〜70重量%、好ましくは25〜50重量
%、より好ましくは30〜45重量%となるように、塩
化物及び銀化合物を適宜使用することを必須とする。第
二に、所定の固形分濃度を有する銀クロロ錯塩含有水溶
液又はスラリーを、噴霧乾燥することを必須とする。こ
の2つの条件が満たされないと、粉末化工程の際に、銀
クロロ錯塩の構造が破壊されて単なる塩化銀等に変換さ
れ、所望の抗菌性能及びその他の効果を有する粉末状銀
クロロ錯塩系抗菌剤を得ることができなくなる。
【0012】塩化物としては公知のものを使用でき、例
えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等
のアルカリ金属塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属塩化物、塩化アンモニウム、
炭素数12〜18の長鎖アルキル基を1個又は2個有す
る脂肪族4級アンモニウムクロリド、テトラメチルアン
モニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド
等の脂肪族4級アンモニウム塩類、エチレンジアミン塩
酸塩、ヘキサメチレンジアミン塩酸塩、ヘキサメチレン
トリアミン塩酸塩等のポリアミン塩酸塩類、メチルアミ
ン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩等の1級アミン塩酸塩
類、ジメチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩等の
2級アミン塩酸塩類、トリメチルアミン塩酸塩、トリエ
チルアミン塩酸塩等の3級アミン塩酸塩類、ピリジン塩
酸塩、アニリン塩酸塩等の芳香族アミン塩酸塩類、トリ
エチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ピリジニウム、塩化
イミダゾリニウム等の芳香族4級アンモニウム塩類等を
挙げることができる。これらの中でも、アルカリ金属塩
化物、アルカリ土類金属塩化物、塩化アンモニウム等が
好ましく、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化
物等が特に好ましい。塩化物は1種を単独で使用でき、
又は少なくとも1種、又は2種以上を併用できる。尚、
銀クロロ錯塩含有水溶液又はスラリーにおける塩化物濃
度は、塩素イオン換算で、3×10-3モル/リットル以
上、好ましくは5×10-2モル/リットル以上となるよ
うに調整する。これより低い濃度では塩化銀が生成し、
銀クロロ錯塩が生成しない。
【0013】銀化合物としても公知のものを使用でき、
例えば、硫酸銀、塩化銀等の銀塩等を挙げることができ
る。
【0014】この様にして得られる銀クロロ錯塩含有水
溶液又はスラリーを噴霧乾燥することにより、粉末状銀
クロロ錯塩系抗菌剤を得ることができる。噴霧乾燥は公
知の方法に従って実施できる。例えば、一般的なスプレ
ードライヤーを用い、通常80〜300℃程度、好まし
くは150〜280℃程度に加熱した空気を通しながら
行われる。霧化は、回転ディスク方式や2流体ノズル、
加圧式高圧ノズル等を用いた方法等により行われる。得
られる粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤の粒径は、水性スラ
リーの固形分濃度、スプレードライヤーのアトマイザー
回転数などを適宜選択することにより、任意に調整で
き、通常、0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm
とすればよい。
【0015】粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤は、公知の方
法に従って、各種担体に担持してもよい。担体としては
この分野で常用されているものをいずれも使用でき、例
えば、ゼオライト、シリカゲル、アルミノシリケート、
活性炭等を挙げることができる。粉末状銀クロロ錯塩系
抗菌剤は、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤等のカップリング剤で表面処理を施してもよい。結合
剤に対する粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤の配合割合は特
に制限されず、得ようとする抗菌性組成物の用途、結合
剤の種類等の各種条件に応じて広い範囲から適宜選択で
きるが、通常結合剤100重量部に対して、0.05〜
1000重量部程度、好ましくは0.1〜400重量
部、より好ましくは0.5〜200重量部配合すればよ
い。
【0016】本発明の抗菌性組成物には、その優れた抗
菌性能を損なわない範囲で、抗菌剤、無機質充填剤、顔
料、有機溶剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型剤、潤滑
剤、熱安定剤、難燃剤やドリップ防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、遮光剤、金属不活性剤、老化防止剤、可
塑剤、衝撃強度改良剤、相溶化剤等の通常の樹脂添加剤
の1種、又は少なくとも1種、又は2種以上が含まれて
いてもよい。合成樹脂等の成形可能な結合剤を含む本発
明の抗菌性組成物は、例えば、結合剤に粉末状銀クロロ
錯塩系抗菌剤及び必要に応じて他の樹脂添加剤の所定量
又は適量を添加し、公知の方法で混合、混練することに
より製造できる。例えば、粉末、ビーズ、フレーク又は
ペレット状の各成分を、1軸押出機、2軸押出機等の押
出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、2本ロール
等の混練機を用いて混合・混練することにより、ペレッ
ト状の抗菌性樹脂組成物などの本発明の抗菌性組成物を
製造することができる。該組成物を、プレス成形、射出
成形、押出成形等の公知の成形手段により、任意形状の
抗菌性成形体とすることができる。
【0017】基材に抗菌性成形体を接着又は積層する抗
菌性成形体の製造方法としては、任意形状の抗菌性成形
体のうち、特にフィルム状又はシート状に成形された抗
菌性成形体を、合成樹脂、紙類、木質材料、金属材料、
セラミックス材料等の基材の1種又は2種以上から構成
された各種の基材の表面の一部又は全部に接着又は積層
することが好ましく例示される。該基材としては、例え
ば、平板、曲面板等の板材、シート、フィルム、立体形
状物品等を挙げることができる。より具体的には、例え
ば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度
繊維板(MDF)等の木材板、木質繊維板等の木質板、
鉄、アルミニウム等の金属からなる板材、アクリル、ポ
リカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチ
レンビニルアセテート、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂からなるフィル
ムやシート、ガラス、陶磁器等のセラミックス、ALC
(発砲軽量コンクリート)等のセメント、硅酸カルシウ
ム、石膏等の非セメント系材料等からなる板材や立体形
状物品、上質紙、和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カ
リウム、ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布や織
布等を挙げることができる。積層方法としては公知の方
法を採用でき、例えば、接着剤層を間に介して、上記抗
菌性成形体を板状基材に加圧ローラーで加圧して積層す
る方法、シート又はフィルムを射出成形の雌雄両金型間
に挿入して、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂
を射出充填した後、冷却して樹脂成形品の成形と同時に
その表面にシート又はフィルム(抗菌性成形体)を接着
積層する射出成形同時ラミネート法(特公昭50−19
132号公報、特公昭43−27488号公報等)、シ
ート又はフィルム(抗菌性成形体)を成形品の表面に接
着剤を介して対向なしいは載置し、成形品側からの真空
吸引による圧力差によりシート又はフィルムを成形品表
面に積層する真空プレス積層方法(特公昭56−457
68号公報、特公昭60−58014号公報等)、円
柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、シート又はフィ
ルム(抗菌性成形体)の間に接着剤層を介してこれを供
給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状体
を構成する複数の側面に順次シート又はフィルムを加圧
接着して積層してゆくラッピング加工方法(特公昭61
−5895号公報、特公平3−2666号公報等)、先
ずシート(抗菌性成形体)を板状基材に接着剤層を介し
て積層し、次いで板状基材のシートとは反対側の面に、
シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状、
又はU字状溝を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布し
た上で、該溝を折り曲げ、箱体又は柱状体を成形するい
わゆる、Vカット又はUカット加工方法(特開昭48−
47972号公報等)等を挙げることができる。
【0018】また、本発明の抗菌性組成物は、結合剤の
種類及びその他の成分を適宜選択することにより、接着
剤、塗料、インク又はペーストの形態に調製することも
できる。さらに、基材に上記銀系抗菌剤を塗布、接着又
は含浸などする抗菌性成形体の製造方法としては、例え
ば、接着剤、塗料、インク又はペーストの形態に調製さ
れた本発明の抗菌性組成物を、合成樹脂、紙類、木質材
料、金属材料、セラミックス材料等の基材の1種又は2
種以上から構成される任意形状の各種の基材表面の一部
又は全面に、塗布、接着又は含浸などすることにより製
造できる。かかる製法によれば、効率よく抗菌性塗膜を
形成することができる。抗菌性塗膜の形成には公知の方
法を採用でき、例えば、グラビアコート、ロールコー
ト、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、
ホイラーコート、カーテンフローコート、刷毛塗り、グ
ラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凹版印刷、シル
クスクリーン印刷等を挙げることができる。
【0019】本発明の抗菌性成形体は、上記結合剤が用
いられる実質的に全ての用途に適用できる。該用途の具
体例としては、例えば、エアコン、掃除機、電話機、携
帯端末、洗濯機、ドライヤー、換気扇、食器洗浄乾燥
器、加湿器、電気シェーバー、炊飯器、冷蔵庫、リモコ
ン等の各種家電製品のハウジングや構成部品(フィルタ
ーも含む)、電子機器やOA機器類のキーボード、シス
テムキッチン等の台所用品のハウジングや構成部品、洗
面台、浴槽、便座、便器等のサニタリー用品のハウジン
グや構成部品、壁紙、天井材、合板、床材、石膏ボード
等の建材の構成材料、窓枠、扉、手すり等の建具類の構
成材料、自動車、飛行機等の輸送機器類の構成部品や内
装部品等を挙げることができる。
【0020】
【実施例】以下に合成例、比較合成例、実施例、比較例
及び試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。合成例1 水1500ミリリットルに塩化カリウム500g(約
6.71モル)(大塚化学(株)製)及び塩化銀1.3
g(約0.009モル)(試薬、和光純薬工業(株)
製)を順次添加及び溶解し、固形分濃度25重量%、銀
含有量500ppmの銀クロロ錯塩含有水溶液を調製し
た。この銀クロロ錯塩水溶液1000ミリリットルをス
プレードライヤー(商品名:マイクロミストドライヤー
MDP−050、藤崎電機(株)製)に供給し、250
℃に加熱した乾燥空気を流しながら噴霧乾燥し、銀クロ
ロ錯塩含有粉末185gを製造した。
【0021】合成例2 水1500ミリリットルに塩化カリウム500g(約
6.71モル)及び塩化銀117g(約0.82モル)
を順次添加及び溶解し、固形分濃度29重量%、銀含有
量42000ppmの銀クロロ錯塩含有スラリーを調製
した。この銀クロロ錯塩スラリー1000ミリリットル
を合成例1と同様にして噴霧乾燥し、銀クロロ錯塩含有
粉末232gを製造した。
【0022】比較合成例1 合成例1と同様にして調製した銀クロロ錯塩含有水溶液
1000ミリリットルを400℃で強熱乾燥し、得られ
た固形物をジェットミル((株)セイシン企業製)で粉
砕し、223gの銀含有粉末を製造した。尚、比較合成
例1で得られる粉末は、銀クロロ錯塩構造が破壊され、
銀クロロ錯塩となっていなかった。比較合成例2 合成例2と同様にして調製した銀クロロ錯塩含有スラリ
ー1000ミリリットルを吸引濾過し、残渣を150℃
の恒温器に入れて2時間乾燥し、得られた固形物をジェ
ットミルで粉砕し、38gの銀含有粉末を製造した。
尚、比較合成例2で得られる粉末は、銀クロロ錯塩構造
が破壊され、銀クロロ錯塩となっていなかった。
【0023】実施例1〜2及び比較例1〜4 アクリロニトリル−スチレン樹脂100重量部と下記に
示す抗菌剤(実施例1〜2及び比較例1〜4)1重量部
とをドライブレンドした後、二軸押出機(商品名:PC
M−45、池貝鉄工(株)製)を用いて溶融混練し、ス
トランドカットしてペレットを作成した。得られたペレ
ットを、射出成形機(商品名:FN−4000、日精樹
脂工業(株)製)により、シリンダー温度220℃、金
型温度50℃で射出成形し、直径50mm、厚さ2mm
の円盤状物を製造した。得られた円盤状物を試験片と
し、25℃に保持した細菌(大腸菌)又はカビ(Asperg
illus niger)を接種したツァペック寒天培地に載置
し、48時間後の阻止円の発生状態を観察し、抗菌性及
び抗カビ性を判定した。判定基準は下記の通りである。
更に、実施例1〜2及び比較例1〜2の試験片について
は、上記抗菌性能試験実施後屋外で3ヶ月間放置し、同
様の抗菌性能試験に供した。結果を表1に示す。
【0024】[抗菌剤] 実施例1:合成例1の銀クロロ錯塩含有粉末 実施例2:合成例2の銀クロロ錯塩含有粉末 比較例1:比較合成例1の銀含有粉末 比較例2:比較合成例2の銀含有粉末 比較例3:金属系抗菌剤(商品名:ゼオミック、シナネ
ンゼオミック(株)製、ゼオライトに銀及び亜鉛を担持
させた金属系抗菌剤) 比較例4:金属系抗菌剤(商品名:ノバロンAGZ33
0、東亜合成(株)製、リン酸ジルコニウムに銀及び亜
鉛を担持させた金属系抗菌剤) [判定基準] ◎:十分な阻止円が確認できる状態 ○:若干の阻止円が確認できる状態 △:阻止円は出ないが試験片上での供試菌の繁殖がな
く、抵抗性が確認される状態 ×:供試菌が培地上に均一に繁殖し、抵抗性が確認でき
ない状態
【0025】
【表1】
【0026】以上の結果から、本発明の粉末状銀クロロ
錯塩系抗菌剤が、従来のものよりも抗菌性及び抗カビ性
の面でも同等又は以上の効果を示す、しかもその効果が
長期的に持続することが明かである。また、3ヶ月放置
後の試験片を目視で観察したところ、実施例1〜2の試
験片には変化が認められなかったが、比較例1〜2の試
験片は薄い褐変が見られた。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る抗菌性組成物は、抗菌、抗
カビ効果に優れており、かかる組成物を成形などされた
成形体は、抗菌性に優れ且つ着色を伴わないものとする
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/16 C08K 3/16 C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 大門 恵美子 徳島県徳島市川内町加賀須野463番地 大 塚化学株式会社徳島工場内 (72)発明者 友滝 善久 東京都千代田区神田司町2−9 大塚化学 株式会社東京支店内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA03 AA22 AA34 AB15 AE22 AH19 BC07 4H011 AA02 BA01 BB18 BC19 DA02 DA03 DC08 DH02 DH08 DH19 4J002 AA011 AA021 AC031 AC061 BB031 BB121 BB241 BC031 BC061 BD041 BD121 BG001 BN141 BN151 BN161 CC031 CC161 CC181 CD001 CF001 CF211 CG001 CH071 CH091 CK021 CL001 CM041 CN011 CN031 CP031 DD076 FD186 GB00 GC00 GN00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合剤に、粉末状銀クロロ錯塩系抗菌剤
    を配合してなる抗菌性組成物。
  2. 【請求項2】 結合剤に、固形分濃度20〜70重量%
    の銀クロロ錯塩を含有する水溶液又はスラリーを噴霧乾
    燥することにより得られる粉末を配合してなる抗菌性組
    成物。
  3. 【請求項3】 結合剤が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
    脂、無機質結合体及び含金属有機化合物から選ばれる1
    種又は2種以上である請求項1又は2記載の抗菌性組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の抗菌性組
    成物を成形加工してなる抗菌性成形体。
  5. 【請求項5】 基材表面の一部又は全部に、請求項1〜
    3の何れかに記載の抗菌性組成物からなる抗菌層を設け
    てなる抗菌性成形体。
JP2000369817A 2000-12-05 2000-12-05 抗菌性組成物及び抗菌性成形体 Pending JP2002173406A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000369817A JP2002173406A (ja) 2000-12-05 2000-12-05 抗菌性組成物及び抗菌性成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000369817A JP2002173406A (ja) 2000-12-05 2000-12-05 抗菌性組成物及び抗菌性成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002173406A true JP2002173406A (ja) 2002-06-21

Family

ID=18839800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000369817A Pending JP2002173406A (ja) 2000-12-05 2000-12-05 抗菌性組成物及び抗菌性成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002173406A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176376A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Takaaki Matsumoto 多孔性焼成物および製造方法
JP4768604B2 (ja) * 2003-04-23 2011-09-07 ミリケン・アンド・カンパニー 改良された高温洗濯耐久性のための架橋結合剤系を含む銀含有仕上げ剤が局所的に適用された布

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4768604B2 (ja) * 2003-04-23 2011-09-07 ミリケン・アンド・カンパニー 改良された高温洗濯耐久性のための架橋結合剤系を含む銀含有仕上げ剤が局所的に適用された布
JP2006176376A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Takaaki Matsumoto 多孔性焼成物および製造方法
JP4614327B2 (ja) * 2004-12-24 2011-01-19 松本 高明 多孔性焼成物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5319844B2 (ja) 抗菌性樹脂組成物
JPH05230325A (ja) 防菌、防カビ性ポリアセタール樹脂組成物
JP5515106B2 (ja) 抗菌性製品及び粉末抗菌剤
CN109071323B (zh) 抗微生物的可相分离玻璃/聚合物制品及其制造方法
US7521489B2 (en) Resin composition comprising antibacterial metal and utilizing the same, furniture, electrical household appliance and molding
CA2922748C (en) Biocidal resin composition including one or a plurality of resins selected from mf, uf, pf, muf and phenolic resins; and more than one soluble copper salt
TWI224083B (en) Antibacterial glass compositions, antibacterial resin compositions and a method for the preparation thereof
JP2005139292A (ja) 抗菌性樹脂組成物及び抗菌性製品
JP2002173406A (ja) 抗菌性組成物及び抗菌性成形体
CN1671356A (zh) 抗微生物蜜胺树脂和由其制备的产品
JP3563029B2 (ja) 銀系抗菌剤、抗菌性組成物及び抗菌性成形体
KR20040084571A (ko) 원적외선 및 음이온을 방출하는 기능성 아크릴 수성도료
KR100833453B1 (ko) 은나노 입자를 함유하는 인체에 유익한 몰딩 및 그제조방법
JP2000001619A (ja) 消臭機能を有する樹脂組成物及び建築内装部材
CN111500165B (zh) 一种抗菌粉末涂料及其制备方法、应用
JP3506470B2 (ja) 抗菌性能を有する間仕切用化粧材
CN113459608B (zh) 一种建筑用长效抗菌复合板材及其制备方法
JP2007056608A (ja) 壁材原料、壁材および壁材原料の製造方法
JPH11279350A (ja) 抗菌防カビ性樹脂組成物
CN111892756A (zh) 抗菌塑料制品的母料及其制备方法和抗菌垃圾桶
KR100718446B1 (ko) 은 이온 함유 열경화성수지 화장판 및 그 제조방법
KR102309458B1 (ko) 항균성 및 방염성이 우수한 목재가구 패널 및 이의 제조 방법
JP2005330331A (ja) 抗菌性樹脂組成物及び抗菌性製品
KR20110093029A (ko) 항균성 조성물, 항균성 제품 및 항균 방법
JP5111906B2 (ja) 抗菌剤を含む樹脂組成物及び成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040706

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20040910