JP2002160533A - サンルーフ装置 - Google Patents

サンルーフ装置

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JP2002160533A
JP2002160533A JP2000358099A JP2000358099A JP2002160533A JP 2002160533 A JP2002160533 A JP 2002160533A JP 2000358099 A JP2000358099 A JP 2000358099A JP 2000358099 A JP2000358099 A JP 2000358099A JP 2002160533 A JP2002160533 A JP 2002160533A
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OI SEISAKUSHO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全開位置から閉じ方向でのチルトアップ位置
をなくすことができるサンルーフ装置を提供する。 【解決手段】 ガイド溝15の前端部15aと後端部1
5cとの間に、前端部15aと同じ高さのバイパス溝1
6を形成すると共に、ガイド溝15の前端部15aから
後側へ移動するガイドピン9はガイド溝15の中間部1
5bへ導き、ガイド溝15の後端部15cから前側へ移
動するガイドピン9はバイパス溝16に導くレバー(切
換手段)17を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サンルーフ装
置、特にリッドの前後移動範囲の中間にチルトアップ位
置が設定されたサンルーフ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のサンルーフ装置としては、ルー
フに形成された開口に前後移動するリッドを設け、この
リッドにより開口を開閉する構造になっている(類似技
術として、実公平8−5852号公報参照)。リッドの
前後移動中の形態としては、開口を塞いだ全閉位置と、
開口後方のルーフ内に収納されて開口を開放した状態と
なる全開位置と、後端を開口よりも上昇させたチルトア
ップ位置がある。従来は、全閉位置がリッドをコントロ
ールするスライダの前後移動範囲の中央にあり、スライ
ダが前側へ移動するとチルトアップ位置になり、後側へ
移動すると全開位置になるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、水密性の確保や、風切り音
防止のために、最も厳密な前後方向での位置保持が要求
されるリッドの全閉位置が、リッドの前後移動範囲にお
ける中央に設定されていたため、リッドの安定した状態
が得づらく、リッドの位置保持に高い精度と剛性が必要
であった。つまり、リッドの前後移動範囲における中央
位置は、前側にも、後側にも、移動可能な安定しない位
置であるため、両方向での位置保持機構が必要になり、
高い精度と剛性を備えたものとなり、構造も複雑にな
る。
【0004】そこで、全閉位置をリッドの前後移動範囲
における前端に変更し、中央にチルトアップ位置をもっ
てきて、後端に全開位置をもってくる新規な構造が考え
られる。このようにすれば、リッドを開口の前端に突き
当てるだけで、リッドの前後方向における安定した位置
保持状態が得られることになる。
【0005】ところが、このような新規な構造では、リ
ッドを開ける場合も、閉じる場合も、リッドの後端部が
対向する開口の縁部に対し強く摺動した状態(この状態
を疑似全閉という)を経てからチルトアップ位置に至る
ため、リッドの後端部に取付けられているウエザストリ
ップに対する摺動回数が増し、ウエザストリップの耐久
性を高める必要がある。
【0006】また、チルトアップ位置は、サンルーフ用
の開口を全開にするほどの必要がなく、換気のために少
しだけ開ける場合の位置であり、通常、全閉状態から開
方向に操作して得るものである。従って、開く場合のチ
ルトアップ位置は重要だが、閉じる場合のチルトアップ
位置は、一般的に重要でない。特に、全開位置から閉じ
る方向への操作は、サンルーフ用の開口を早く閉めたい
のに、途中にチルトアップ位置があると遅くなるし、そ
の直前で疑似全閉状態があるため、不要な動きとなって
いる。
【0007】この発明は、このような状況に鑑みてなさ
れたものであり、全開位置からの閉じ方向でのチルトア
ップ位置をなくすことができるサンルーフ装置を提供す
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車体のルーフに形成された開口に、該開口を覆うことを
可能なるように前後移動自在に設けられてなるリッド
と、該リッドの下部に固定されてなると共に前端部を支
点として後端部を上下に回動可能なガイド部材とより構
成されてなり、該ガイド部材に前後端部が高く中間部が
低い形状のガイド溝を形成し、該ガイド溝に駆動手段に
より前後移動するスライダのガイドピンを係合させ、該
ガイドピンを前後に移動させることにより、ガイドピン
がガイド溝の前端部に当接した状態でリッドにより開口
が塞がれた状態となる全閉位置と、ガイドピンがガイド
溝の最も低い中間部に係合することによりリッドが前端
部を中心に回動して後端部が開口よりも上昇した状態と
なるチルトアップ位置と、ガイドピンがガイド溝の後端
部に当接した状態でリッドの後端部が開口よりも下降し
たフラップ位置と、該フラップ位置を経てリッドが後方
へスライドして開口を開放した状態となる全開位置とが
得られるサンルーフ装置であって、前記ガイド溝の前端
部と後端部との間に、前端部と同じ高さのバイパス溝を
形成すると共に、ガイド溝の周辺に、ガイド溝の前端部
から後側へ移動するガイドピンはガイド溝の中間部へ導
き、ガイド溝の後端部から前側へ移動するガイドピンは
バイパス溝に導く切換手段を、設けたものである。
【0009】請求項1記載の発明によれば、リッドを開
くために、ガイドピンを後側へ移動させると、切換手段
により、通常の通り、ガイドピンはガイド溝側へ導かれ
るため、チルトアップ位置が得られる。しかし、全開位
置からリッドを閉じるために、ガイドピンを前側へ移動
させると、ガイドピンはガイド溝に戻らず、バイパス溝
に入るため、チルトアップ位置にならずに、直ちに全閉
状態となる。従って、チルトアップ位置は、開く方向で
一回だけ得られる構造になるため、リッドの後端部が開
口の前端部に対して強く摺動する回数が減り、ウエザス
トリップの耐久性が向上すると共に、リッドに不要な動
作もない。
【0010】請求項2記載の発明は、切換手段として、
中間部がガイド溝とバイパス溝との間に軸支された前後
方向に長いレバーを取付け、該レバーは、後端部を下げ
る方向に付勢された状態で、前端部の下縁でガイド溝の
上縁を形成し且つ後端部の上縁でバイパス溝の下縁を形
成した状態に支持されている。
【0011】請求項2記載の発明によれば、前後方向に
長いレバーを用いているため、ガイドピンの移動方向
を、ガイド溝の前端部や後端部からすぐにガイド溝やバ
イパス溝に導くことができるため、ガイドピンの移動方
向の切換えが確実である。
【0012】請求項3記載の発明は、ガイド部材に樹脂
製のキャップ部材を取付け、該キャップ部材に非貫通状
のガイド溝及びバイパス溝を形成した。
【0013】請求項3記載の発明によれば、樹脂製のキ
ャップ部材にガイド溝及びバイパス溝を形成しているた
め、ガイド部材に直接形成する場合に比べて加工が容易
である。また、ガイドピンが樹脂との接触になるため、
摺動抵抗が少なく、ガイドピンの移動が円滑になる。更
に、キャップ部材のガイド溝及びバイパス溝が非貫通状
のため、キャップ部材の剛性低下もない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な一実施形
態を図1乃至図9に基づいて説明する。尚、図2乃至図
7は、説明の便宜上それぞれの部品の一部を透過して示
した。
【0015】自動車のルーフ1には、サンルーフ用の開
口2が形成されている。リッド3は、前後移動自在で、
前記開口2の開閉を行うようになっている。開口2の左
右両側且つ前記ルーフ1の下側には、左右対称に形成さ
れた押出成形品のサイドレール4がそれぞれ配置されて
いる。前記開口2の前部には、「駆動手段」としてのモ
ータ5が設けられている。このモータ5から左右両側の
各サイドレール4内にケーブル6(図8・図9)が配索
されている。ケーブル6は、モータ5のギアと係合して
おり、モータ5の回転に応じて左右同時に前後方向に送
り出されるようになっている。
【0016】サイドレール4には、ケーブル6に連結さ
れた状態で、ケーブル6と一緒に前後に移動するスライ
ダ7と、フック8(図3)とが設けられている。スライ
ダ7の上端には、ガイドピン9が設けられている。
【0017】一方、前記リッド3の左右両端下面には、
前後方向に沿うガイド部材10が固定され、リッド3と
一体に前後移動するようになっている。ガイド部材10
は、サイドレール4内に前後摺動自在に係合された前側
脚部(前端部)11を中心に後側が上下に回動自在で、
後側脚部12はフック8に対して前側から係脱自在にな
っている。
【0018】ガイド部材10には、その中央部に樹脂製
のキャップ部材14が嵌め込まれている。このキャップ
部材14には、図2に示すように、ガイド溝15とバイ
パス溝16が非貫通状態で凹設されている。このガイド
溝15とバイパス溝16には、前記スライダ7の上端に
形成したガイドピン9が移動自在に係合されている。こ
のように、樹脂製のキャップ部材14にガイド溝15及
びバイパス溝16を形成すれば、金属製のガイド部材1
0に直接形成する場合に比べて加工が容易である。ま
た、ガイドピン9が樹脂との接触になるため、摺動抵抗
が少なく、ガイドピン9の移動が円滑になる。更に、キ
ャップ部材14のガイド溝15及びバイパス溝16が非
貫通状のため、キャップ部材14の剛性低下もない。
【0019】ガイド溝15は、前端部15a及び後端部
15cよりも中間部15bが低くなった概略逆「へ」の
字状をしている。前端部15aと後端部15cとでは、
後端部15cの方が若干高く設定されている。バイパス
溝16は、ガイド溝15の前端部15aと後端部15c
の間に形成され、前端部15aと同じ高さで水平に真っ
直ぐ形成されている。
【0020】キャップ部材14の内側には、「切換手
段」としてのレバー17が設けられている。レバー17
の中間部17bがピン18(図9)により軸支され、前
後を上下に回動させることができる。レバー17は、ガ
イド溝15の前端部15a付近から後端部15c付近に
至る前後長さを有し、前端部17aの下縁でガイド溝1
5の上縁を形成でき、また後端部17cの上縁でバイパ
ス溝16の下縁を形成できるようになっている。
【0021】レバー17のピン18にはバネ19が取付
けられ、その一方の脚部の先端はキャップ部材14の突
起20に係合し、他方の脚部の先端はキャップ部材14
の長孔21を貫通した状態でレバー17の孔に係止され
ている。従って、このレバー17はバネ19により、後
端部17cが下がる方向(図2反時計方向)に付勢され
ている。このようにバネ19で付勢されていることによ
り、図2のように、ガイド溝15の前側が開放されて、
レバー17の前端部17aの下縁でガイド溝15の上縁
を形成した状態となり、またバイパス溝16の後側が開
放されて、レバー17の後端部17cの上縁でバイパス
溝16の下縁を形成した状態となる。
【0022】従って、全閉の状態(図3)から、モータ
5の駆動力をケーブル6を介してスライダ7に伝達して
後退させると、スライダ7のガイドピン9がガイド溝1
5の前端部15aから中間部15bに至り、リッド3は
チルトアップ位置になる(図4)。バイパス溝16の前
側の入口はレバー17により塞がれているため、ガイド
ピン9は必ずガイド溝15側に導かれる。
【0023】ガイドピン9は、中間部15bを経て後端
部15cに至り、リッド3は、後端を開口2よりも下げ
たフラップ位置になる(図5)。ガイドピン9は、中間
部15bを越えた時にレバー17の後端部17cに下側
から当たるが、バネ19の力に抗して、レバー17の後
端部17cが上側へ回動可能なため、このレバー17を
越えて、ガイド溝15の後端部15cに至り、リッド3
の後端が下降したフラップ位置となる。尚、チルトアッ
プ位置からフラップ位置になる時に、図示されていない
が、リッド3の後端のウエザストリップ3aが、対向す
る開口2の縁部に当たり、一瞬、開口2が閉じられた状
態となる(疑似全閉)。
【0024】ガイドピン9は、ガイド溝15の後端部1
5cに係合したまま、リッド3を開口2の後側へ引き込
んで、開口2を完全に開放した全開状態にする(図
6)。
【0025】そして、全開位置からリッド3を閉めるた
めに、スライダ7を前進させると、ガイドピン9が、ガ
イド溝15の後端部15cの前側の傾斜部に当たった状
態で、リッド3が前側へ出てくる(リッド3が上に移動
できないため)。リッド3が開口2側に完全に出て、上
方への回動が自由になると、ガイドピン9がガイド溝1
5の後端部15cから更に前側へ移動しはじめる。この
時、ガイド溝15の中間部15b側がレバー17の後端
部17cにより塞がれているため、ガイドピン9は必ず
バイパス溝16に入る。
【0026】バイパス溝16は、ガイド溝15の前端部
15aと同じ高さであるため、図3に示す全閉状態と同
様に、リッド3の後端のウエザストリップ3aは対向す
る開口2の縁部に当接した状態で停止する。そして、ガ
イドピン9だけがバイパス溝16内を前側へ移動し、レ
バー17の前端部17aをバネ19に抗して押し下げ
て、そのままガイド溝15の前端部15aに至り、完全
な全閉状態となる。この間、リッド3の後端のウエザス
トリップ3aが開口2の縁部に当接した状態に変化はな
く、ウエザストリップ3aに負荷が加わらない。
【0027】以上のように、レバー17の切換作用によ
り、ガイドピン9はガイド溝15及びバイパス溝16内
を、図中における反時計方向にのみ回転するようにな
り、開く方向では、通常の通り、チルトアップ位置が得
られるものの、全開位置からの閉じ方向ではチルトアッ
プ位置がない。このように、チルトアップ位置は、開く
方向で一回だけ得られる構造になるため、リッド3の後
端のウエザストリップ3aが開口2前端に対して強く摺
動する回数が減り、ウエザストリップ3aの耐久性が向
上する。また、閉じ方向では疑似全閉状態もなくなるた
め、リッド3を閉じる際の不要な動きもない。
【0028】
【発明の効果】この発明によれば、リッドを開くため
に、ガイドピンを後側へ移動させると、切換手段によ
り、通常の通り、ガイドピンはガイド溝側へ導かれるた
め、チルトアップ位置が得られる。しかし、全開位置か
らリッドを閉じるために、ガイドピンを前側へ移動させ
ると、ガイドピンはガイド溝に戻らず、バイパス溝に入
るため、チルトアップ位置にならずに、直ちに全閉状態
となる。従って、チルトアップ位置は、開く方向で一回
だけ得られる構造になるため、リッドの後端部が開口の
縁部に対して強く摺動する回数が減り、ウエザストリッ
プの耐久性が向上すると共に、リッドを閉じる際の不要
な動きもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るサンルーフ装置の
平面図。
【図2】図3のガイド溝及びバイパス溝を示す拡大図。
【図3】図1のリッドが全閉位置にある状態を示す概略
断面図。
【図4】図1のリッドがチルトアップ位置にある状態を
示す概略断面図。
【図5】図1のリッドがフラップ位置にある状態を示す
概略断面図。
【図6】図1のリッドが全開位置にある状態を示す概略
断面図。
【図7】図1のリッドの閉じ方向におけるチルトアップ
位置が空振りしている状態を示す概略断面図。
【図8】図3中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図9】図3中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ルーフ 2 開口 3 リッド 3a ウエザストリップ 5 モータ(駆動手段) 7 スライダ 9 ガイドピン 10 ガイド部材 14 キャップ部材 15 ガイド溝 15a 前端部 15b 中間部 15c 後端部 16 バイパス溝 17 レバー(切換手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体のルーフに形成された開口に、該開
    口を覆うことを可能なるように前後移動自在に設けられ
    てなるリッドと、該リッドの下部に固定されてなると共
    に前端部を支点として後端部を上下に回動可能なガイド
    部材とより構成されてなり、 該ガイド部材には、前後端部が高く中間部が低い形状の
    ガイド溝を形成し、該ガイド溝に駆動手段により前後移
    動するスライダのガイドピンを係合させ、 該ガイドピンを前後に移動させることにより、ガイドピ
    ンがガイド溝の前端部に当接した状態でリッドにより開
    口が塞がれた状態となる全閉位置と、ガイドピンがガイ
    ド溝の最も低い中間部に係合することによりリッドが前
    端部を中心に回動して後端部が開口よりも上昇した状態
    となるチルトアップ位置と、ガイドピンがガイド溝の後
    端部に当接した状態でリッドの後端部が開口よりも下降
    したフラップ位置と、該フラップ位置を経てリッドが後
    方へスライドして開口を開放した状態となる全開位置と
    が得られるサンルーフ装置であって、 前記ガイド溝の前端部と後端部との間に、前端部と同じ
    高さのバイパス溝を形成すると共に、 ガイド溝の周辺に、ガイド溝の前端部から後側へ移動す
    るガイドピンはガイド溝の中間部へ導き、ガイド溝の後
    端部から前側へ移動するガイドピンはバイパス溝に導く
    切換手段を、設けたことを特徴とするサンルーフ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサンルーフ装置であっ
    て、 切換手段として、中間部がガイド溝とバイパス溝との間
    に軸支された前後方向に長いレバーを取付け、 該レバーは、後端部を下げる方向に付勢された状態で、
    前端部の下縁でガイド溝の上縁を形成し且つ後端部の上
    縁でバイパス溝の下縁を形成した状態に支持されている
    ことを特徴とするサンルーフ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のサンルーフ
    装置であって、 ガイド部材に樹脂製のキャップ部材を取付け、該キャッ
    プ部材に非貫通状のガイド溝及びバイパス溝を形成した
    ことを特徴とするサンルーフ装置。
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