JP2002158386A - パルス電源装置 - Google Patents

パルス電源装置

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JP2002158386A
JP2002158386A JP2000353390A JP2000353390A JP2002158386A JP 2002158386 A JP2002158386 A JP 2002158386A JP 2000353390 A JP2000353390 A JP 2000353390A JP 2000353390 A JP2000353390 A JP 2000353390A JP 2002158386 A JP2002158386 A JP 2002158386A
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charge
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pulse power
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Hitoshi Mori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇圧およびパルス時間幅圧縮の複合機能を有
し、かつ単純な構造で絶縁の容易な、可飽和リアクトル
によるパルス電源装置を提供する。 【解決手段】 複数の充放電コンデンサ1a、1b、1
cを有し、これらを並列に充電する手段として、隣り合
う2台の充放電コンデンサ1aと1b、1bと1cとの
各々の高電圧端子の間A−A、A−Aに差動変
圧器3a、3bの第一の巻線31a、31bを接続し、
各々の低電圧端子の間B−B、B−Bに上記差
動変圧器3a、3bの第二の巻線32a、32bを接続
し、充放電コンデンサ1a、1b、1cを直列に放電す
る手段として、充放電コンデンサ1a、1bの高電圧端
子と該充放電コンデンサの一方の側に隣り合う充放電コ
ンデンサ1b、1cの低電圧端子との間A−B、A
−Bに可飽和リアクトル2a、2bを接続したこと
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に繰り返し運転
を行うパルス放電励起レーザ装置に適した、繰り返しパ
ルス高電圧を発生するパルス電源装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】パルス放電励起レーザ装置のうち、特に
エキシマレーザ装置は、数十nsの短時間で主放電電流
を立ち上げる必要があり、従来はサイラトロンを主放電
スイッチとしていたが寿命が短いという問題があった。
近年では半導体スイッチング素子の進歩に伴い、半導体
スイッチング素子による初期パルス生成と、変圧器によ
る昇圧と、可飽和リアクトルによる磁気パルス圧縮とを
組み合わせる方法が一般的となってきた。
【0003】特開平06−061802(米国特許5,
315,611)には、図10に示す磁気変調回路の例
が示されている。この例では変圧器150は電圧を負荷
に適した値に昇圧するための機能だけを有しており、パ
ルス電力の時間幅を圧縮する機能は有していない。
【0004】特開平06−165534には、図11に
示すパルス電源の例が示されている。この例では可飽和
変圧器STは電圧を負荷に適した値に昇圧するための
機能とパルス電力の時間幅を圧縮する機能とを有してい
るが、高電圧コンデンサC が充電するまでの間、こ
の充電電流を流すための補助的な可飽和リアクトルSI
を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10の従来例におい
ては変圧器が昇圧の単機能しか持たず、パルス電力の時
間幅の圧縮のためには別個の可飽和リアクトル40、1
40が必要であった。また図11の従来例においては可
飽和変圧器STの他に可飽和リアクトルSIを必要
とし、装置の小形軽量化の障害となっていた。
【0006】さらに、変圧器は一次、二次の2つの巻線
導体を有し、その絶縁も含めて構造が複雑となり、かつ
寸法が大きくなるため、特にパルス高電圧発生の繰り返
し周波数を高くする場合に、主に磁芯で生じる損失によ
る発熱に対して十分な冷却を行うのが困難であるという
欠点があった。
【0007】一方パルス高電圧発生手段として、いわゆ
るマルクス回路方式が知られている。「現代電気工学講
座 高電圧工学」(中野 他、オーム社、昭和41年)
pp196−199には多段式衝撃電圧発生器の回路図
が示されており、一例を図12に示す。主放電スイッチ
としてギャップスイッチを用いた例が示されているが、
ギャップスイッチやサイラトロンのような放電現象を利
用したものでは動作寿命が短く、また抵抗を介した充電
では電力損失が多く、繰り返し頻度の高いレーザ等の用
途には適用できなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
しようとなされたもので、図1のように複数の充放電コ
ンデンサ1a、1b、1cを有し、これらを並列に充電
する手段として、隣り合う2台の充放電コンデンサ1a
と1b、1bと1cとの各々の高電圧端子の間A−A
、A−Aに差動変圧器3a、3bの第一の巻線3
1a、31bを接続し、各々の低電圧端子の間B−B
、B−Bに差動変圧器3a、3bの第二の巻線3
2a、32bを接続し、充放電コンデンサ1a、1b、
1cを直列に放電する手段として、充放電コンデンサ1
a、1bの高電圧端子と該充放電コンデンサの一方の側
に隣り合う充放電コンデンサ1b、1cの低電圧端子と
の間A−B、A−Bに可飽和リアクトル2a、
2bを接続したことを特徴とするパルス電源装置であ
る。
【0009】また、図3のように正極性に充電される正
極充放電コンデンサ11a、11b、11cと負極性に
充電される負極充放電コンデンサ12a、12b、12
cの低電圧端子を各々接続するコンデンサ段101a、
101b、101cを複数有し、該各コンデンサ段10
1a、101b、101cを並列に充電する手段とし
て、隣り合う2つのコンデンサ段101aと101b、
101bと101cの各々の正極充放電コンデンサ11
aと11b、11bと11cの各々の高電圧端子の間A
11−A12、A12−A13に差動変圧器3a、3b
の第一の巻線31a、31bを接続し、各々の負極充放
電コンデンサ12aと12b、12bと12cの各々の
高電圧端子の間A21−A22、A22−A23に前記
差動変圧器3a、3bの第二の巻線32a、32bを接
続し、コンデンサ段101a、101b、101cを直
列に放電する手段として、コンデンサ段101a、10
1bの正極充放電コンデンサ11a、11bの高電圧端
子と、該コンデンサ段の一方の側に隣り合うコンデンサ
段101b、101cの負極充放電コンデンサ12b、
12cの高電圧端子との間A11−A22、A12−A
23に可飽和リアクトル2a、2bを設けたことを特徴
とするパルス電源装置である。
【0010】さらに、上記複数個の可飽和リアクトル2
a、2bが1個の磁芯を共有することを特徴とするパル
ス電源装置である。
【0011】さらに、上記複数個の差動変圧器3a、3
bが1個の磁芯を共有することを特徴とするパルス電源
装置である。
【0012】また、上記充放電コンデンサ1aの高電圧
端子に接続される、充電スイッチ5と充電リアクトル6
との直列回路(図6)とを有することを特徴とするパル
ス電源装置である。
【0013】さらに上記充電スイッチ5に充電コンデン
サ4を接続し、該充電コンデンサ4の両端に接続される
反転リアクトル9と反転整流器8との直列回路(図6)
を有することを特徴とするパルス電源装置である。
【0014】また、図7のように充放電コンデンサ1a
の高電圧端子に充電リアクトル6の一端を接続し、他端
と充放電コンデンサ1aの低電圧端子との間に、充電コ
ンデンサ4と整流ブリッジ50とを接続し、上記整流ブ
リッジ50が、正極側入力端子Xに第一のスイッチン
グ素子51の陽極と第二の整流器54の陰極を接続し、
負極側入力端子Yに第二のスイッチング素子52の陰
極と第一の整流器53の陽極を接続し、正極側出力端子
に第一のスイッチング素子51の陰極と第一の整流
器53の陰極を接続し、負極側出力端子Yに第二のス
イッチング素子52の陽極と第二の整流器54の陽極を
接続してなることを特徴とするパルス電源装置である。
【0015】さらに、負荷回路7が磁気パルス圧縮回路
および/または放電励起レーザ74であることを特徴と
するパルス電源装置である(図8、図9)。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、パルス電圧の昇圧手段
が変圧器ではなく、主放電スイッチに可飽和リアクトル
を用いた多段式衝撃電圧発生器に類似した回路によるも
のであり、さらに各充放電コンデンサの充電の高速化と
損失低減のため、抵抗の代わりに差動変圧器を採用した
ことを主な特徴とする。
【0017】図1は、本発明によるパルス電源装置の第
一の実施例の回路図であるが、図4〜7の基本回路構成
は共通しているので、以下、図1により本発明の実施の
形態を説明する。初期には充放電コンデンサ1a、1
b、1cは充電されておらず、また可飽和リアクトル2
a、2b、2cは充放電コンデンサ1a、1b、1cか
ら負荷回路7へ放電する電流の方向とは逆向きに励磁さ
れている。充電スイッチ5が閉じられると、充電リアク
トル6を通じて充放電コンデンサ1a、1b、1cへの
充電が行われる。ここで、充電リアクトル6のインダク
タンス値は、差動変圧器3a、3bの漏れインダクタン
スの合計値以上の値に設定する。この充電動作時には、
上記差動変圧器3a、3bの第一の巻線31a、31b
と、第二の巻線32a、32bとに、互いに逆方向の電
流が流れるので、いわゆるノーマルモードとなって磁芯
は励磁されない。
【0018】可飽和リアクトル2a、2b、2cの放電
方向への励磁が進んで飽和に至り、導通状態になると充
放電コンデンサ1a、1b、1cは可飽和リアクトル2
a、2b、2cを通じて直列の放電路を形成し、負荷回
路7に急速に高電圧を放電する。このようにして、理想
的には電圧を充放電コンデンサの段数分だけ昇圧するこ
とができる。上記の放電時には、上記差動変圧器3a、
3bの第一の巻線31a、31bと第二の巻線32a、
32bとに共通方向の電圧が印加され、いわゆるコモン
モードとなって磁芯が励磁される。
【0019】
【実施例】図1は、本発明の第一の実施例の回路図であ
る。図1において、初期には充放電コンデンサ1a、1
b、1cは充電されておらず、また可飽和リアクトル2
a、2b、2cは充放電コンデンサ1a、1b、1cか
ら負荷回路7へ放電する電流の方向とは逆向きに励磁さ
れている。この励磁の手段は図示していないが、例えば
可飽和リアクトルに初期励磁用の巻線を設け、ここにパ
ルス電流阻止のためのチョークコイルを介して直流電源
を接続して直流電流を流すか、または、可飽和リアクト
ルの端子にパルス電流阻止のためのチョークコイルを介
して直流電源を接続して直流電流を流すことによって行
われる。
【0020】ここで充電スイッチ5が閉じられると、充
電リアクトル6を通じて充放電コンデンサ1a、1b、
1cへの充電が行われる。充電スイッチ5としてはGT
OやIGBT等の自己消弧型のスイッチング素子が好ま
しく、必要に応じて整流器を直列接続して用いる。ここ
で、充電リアクトル6のインダクタンス値は、差動変圧
器3a、3bの漏れインダクタンスの合計値以上の値に
しておく。この条件で、充電は充電リアクトル6と差動
変圧器3a、3bによって並列接続された複数の充放電
コンデンサ1a、1b、1cとの共振により行われ、効
率の良いエネルギー伝達が実現される。
【0021】この充電動作時には、上記差動変圧器3
a、3bの第一の巻線31a、31bと、第二の巻線3
2a、32bとに、互いに逆方向の電流が流れるので、
いわゆるノーマルモードとなって磁芯は励磁されない。
差動変圧器3a、3bの漏れインダクタンスが充電速度
を支配する要因となる。
【0022】可飽和リアクトル2a、2b、2cの放電
方向への励磁が進んで飽和に至り、導通状態になると充
放電コンデンサ1a、1b、1cは可飽和リアクトル2
a、2b、2cを通じて直列の放電路を形成し、負荷回
路7に急速に高電圧を放電する。このようにして、理想
的には電圧を充放電コンデンサの段数分だけ昇圧するこ
とができる。図1においては簡略化のため充放電コンデ
ンサ1a、1b、1cの数を3としているのでその動作
電圧は数千ボルトが上限である。しかし、負荷回路7が
放電励起レーザの放電管を含む場合には数万ボルトの放
電電圧が必要となるので、充放電コンデンサの数を10
程度とすることが必要となる。ただし、本発明は充放電
コンデンサの数を限定するものではなく、必要な放電電
圧に応じて、充放電コンデンサ、過飽和リアクトル、差
動変圧器を追加することができる。
【0023】上記の放電時には、上記差動変圧器3a、
3bの第一の巻線31a、31bと第二の巻線32a、
32bとには共通方向の電圧が印加され、いわゆるコモ
ンモードとなって磁芯が励磁される。可飽和リアクトル
によるパルス電力の時間幅圧縮の効果は通常、充電時間
と放電時間との比として5:1程度の値が得られる。可
飽和リアクトルの飽和までの電圧・時間積は充電時間
に、差動変圧器の飽和までの電圧・時間積は放電時間に
よってその下限値が支配されるので、差動変圧器の電圧
・時間積は、可飽和リアクトルの電圧時間積の1/4程
度で良く、比較的断面積の小さな磁芯を用いて小形に作
ることが可能である。
【0024】図2に、充放電動作時の各部の電圧電流波
形例を示す。(a)は各部電圧波形、(b)は各部電流
波形であり、v1は充放電コンデンサ1aの端子間電
圧、v7は負荷回路7の端子間電圧、i6は充電リアク
トルの電流、i7は負荷電流の波形例である。時刻t0
の充電開始時点において充電スイッチ5を閉じ、時刻t
1の充電終了時点において充電スイッチ5を開く。時刻
t2の主放電開始時点において可飽和リアクトル2a、
2b、2cが飽和して導通状態となり、負荷回路7に時
間幅が圧縮された高電圧のパルス電力を供給する。
【0025】図3は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。本例では、倍電圧充電方式の多段式衝撃電圧発生器
に相当する回路構成として、正極性に充電される正極充
放電コンデンサ11a、11b、11cと負極性に充電
される負極充放電コンデンサ12a、12b、12cの
各々の低電圧端子を接続してコンデンサ段101a、1
01b、101cとし、正・負両極性の充電を行うこと
で、同じ出力電圧に対し主放電スイッチとなる可飽和リ
アクトル2a、2bや差動変圧器3a、3bの個数を減
ずることができる。本実施例の動作については図1およ
び図2に示す実施例に対し、充電は正・負両極性で行わ
れ、放電時は各コンデンサ段101a、101b、10
1cを2倍の充電電圧を有するコンデンサと等価とみな
すことができ、同様に考えることができる。さらに、本
実施例においては前記充放電コンデンサの低電圧端子の
各コンデンサ段間を接続する、差動変圧器3a、3bの
第三の巻線33a、33bを設けて正極充放電コンデン
サ11a、11b、11cと負極充放電コンデンサ12
a、12b、12cとの充電電圧を平衡させている。
【0026】図4は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。複数の可飽和リアクトル2a、2b、2cの動作を
同期化する調整を不要にするため、1個の磁芯を共有さ
せている。
【0027】図5は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。複数の差動変圧器3a、3bの磁芯を共有させて上
記の磁芯を共有した可飽和リアクトルと類似の構成と
し、装置の構造を単純化することができる。
【0028】図6は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。負荷回路7にインダクタンスを含む場合など、負荷
回路7への放電の後、充放電コンデンサ1a、1b、1
cの電圧が逆極性で残ることが多いが、この逆極性の電
荷は、可飽和リアクトル2a、2bが逆方向に飽和する
まで流れないので、差動変圧器3a、3bと充電リアク
トル6を介して充電コンデンサ4へ回生することができ
る。この時、充電コンデンサ4も最初の充電とは逆極性
に充電されるので、その両端に反転リアクトル9と反転
整流器8との直列回路を接続することで、充電スイッチ
5を開いた後に充電コンデンサ4と、反転リアクトル9
と反転整流器8とからなる反転用共振回路により極性を
反転させて元の充電電圧と同じにし、エネルギーを次回
の充電のために再利用することができる。
【0029】図7は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。上記の図6に示す実施例と同様、放電後に充放電コ
ンデンサ1a、1b、1cに残る逆極性電荷のエネルギ
ーを回生することを目的としたもので、充電時には、充
電リアクトル6、第一のスイッチング素子51、充電コ
ンデンサ4、第二のスイッチング素子52の電流路で各
充放電コンデンサ1a、1b、1cを充電する。回生時
には、第一のスイッチング素子51および第二のスイッ
チング素子52を消弧しておくことにより、充電リアク
トル6、第二の整流器54、充電コンデンサ4、第一の
整流器53の電流路で、充放電コンデンサ1a、1b、
1cに残った逆極性電荷のエネルギーを充電コンデンサ
4に元の極性で回生することができる。ここで、上記の
第一および第2のスイッチング素子としては、バイポー
ラトランジスタ、FET、IGBT、サイリスタ、GT
Oまたはサイラトロンを用いることができる。
【0030】図8は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。本実施例は図1の回路図の負荷回路7に高電圧コン
デンサ71、72と可飽和リアクトル73からなる磁気
パルス圧縮回路を設けて、負荷70に与えるパルス高電
圧の立ち上がり時間およびパルス幅を短縮したものであ
る。磁気パルス圧縮回路の段数を増やしてパルス高電圧
の立ち上がり時間およびパルス幅をさらに短縮すること
もできる。
【0031】図9は、本発明の他の実施例の回路図であ
る。本実施例は図8の回路図の負荷回路において負荷7
0をパルス放電励起レーザ74に置き換えたもので、数
十ns以下の短時間でパルス放電を起こして放電管中の
レーザ媒質を急速に励起状態にし、強力なレーザの発振
を可能にする。
【0032】図10の従来例は、特開平06−0618
02(米国特許5,315,611)に示す磁気変調回
路の回路図であり、変圧器150は電圧を負荷に適した
値に昇圧するための機能しか持たず、パルス電力の時間
幅の圧縮のためには、別個の可飽和リアクトル140が
必要である。さらに、変圧器150は一次、二次の2つ
の巻線導体を有し、その絶縁も含めて構造が複雑とな
り、かつ寸法が大きくなるため、特にパルス高電圧発生
の繰り返し周波数を高くする場合に、主に磁芯で生じる
損失による発熱に対して十分な冷却を行うのが困難であ
るという欠点を有する。
【0033】図11の従来例は、特開平06−1655
34に示すパルス電源の回路図であり、可飽和変圧器S
は電圧を負荷に適した値に昇圧するための機能とパ
ルス電力の時間幅を圧縮する機能とを有しているが、高
電圧コンデンサC12が充電するまでの間、この充電電
流を流すための補助的な可飽和リアクトルSIを必要
とする。このため、装置を小型軽量化する上で、支障が
ある。
【0034】図12は、パルス高電圧発生手段として知
られる、いわゆるマルクス回路であって、「現代電気工
学講座 高電圧工学」(中野 他、オーム社、昭和41
年)pp196−199に示されている、多段式衝撃電
圧発生器の回路図である。主放電スイッチとしてギャッ
プスイッチを用いた例が示されているが、ギャップスイ
ッチやサイラトロンのような放電現象を利用したもので
は動作寿命が短く、また抵抗を介した充電では電力損失
が多く、繰り返し頻度の高いレーザ等の用途には適用で
きない。
【0035】
【発明の効果】本発明のパルス電源装置は、差動変圧器
を介し複数の充放電コンデンサを並列にパルス的に充電
し、これらを可飽和リアクトルを用いて直列に接続する
放電回路を形成して、高電圧・短時間パルスに変換する
機能を有するので、従来の変圧器を用いた電圧変換によ
る場合と比較して、初期充電パルスを生成する充電スイ
ッチの動作責務が軽減され、電流容量や高速動作性能に
対する要求が緩和される。よって、比較的小型の半導体
素子を使用でき、装置全体を従来例と比較して60〜8
0%に小型化し部材コストを低減できるという効果があ
る。
【0036】また、従来の変圧器を用いた電圧変換によ
る場合には、変圧器が一次および二次の2つの巻線を有
していたために構造が複雑となり、特にパルス動作の繰
り返し周波数を高くしたい場合には変圧器の磁芯の損失
および巻線導体の抵抗分による発熱の冷却が問題となっ
たが、本発明においては、主放電スイッチとしての機能
を有する可飽和リアクトルが基本的には単導体の構造の
ため冷却が容易となる。また、充電に用いる差動変圧器
は、2個の巻線間および各巻線の端子間にかかる電圧が
充放電コンデンサの充電電圧と等しくなるよう分圧さ
れ、小型化を図ることができ、従来例における昇圧変圧
器が全出力電圧を絶縁するため、絶縁物の寸法および重
量が大となったのに対し、小型化、軽量化の面で有利で
あり、これに伴って磁芯の放熱も比較的容易となる。
【0037】図3の回路図に示す実施例においては、正
極性に充電される正極充放電コンデンサと負極性に充電
される負極充放電コンデンサの低電圧端子を各々接続し
てコンデンサ段とし、正負両極性の充電を行う。図1の
回路に比較して、充放電コンデンサの数を同一とした場
合、主放電スイッチとなる可飽和リアクトルや差動変圧
器の個数を減ずることができるので、特に負荷回路に与
える電圧を高くする必要がある場合に装置全体を小型化
かつ低コスト化することができるという効果がある。
【0038】図4の回路図に示す実施例においては、複
数の可飽和リアクトルに1個の磁芯を共有させているの
で、飽和による導通は原理的に同時となり、個々の磁心
を有している場合に必要であった飽和を同期化する調整
が不要になり、装置全体の調整に要する時間を大幅に短
縮できるという効果がある。
【0039】図5の回路図に示す実施例においては、複
数の差動変圧器に1個の磁芯を共有させているので、上
記の磁芯を共有した可飽和リアクトルと類似の構成とし
て装置の構造を単純化することができ、装置全体が小型
化できるという効果がある。
【0040】図6の回路図に示す実施例においては、負
荷回路への放電の後、充放電コンデンサに残る逆極性電
荷のエネルギーを差動変圧器と充電リアクトルを介して
充電コンデンサへ回生し、これを反転リアクトルと反転
整流器とからなる反転用共振回路の作用で元の極性に戻
すことができ、次回の充電のエネルギーが節約され、装
置の効率が上昇するという効果がある。
【0041】図7の回路図に示す実施例においては、整
流ブリッジの整流作用により、放電後に充放電コンデン
サに残る逆極性電荷のエネルギーを充電コンデンサに元
の極性で戻すことができ、次回の充電のエネルギーが節
約され、装置の効率が上昇するという効果がある。
【0042】図8の回路図に示す実施例においては、磁
気パルス圧縮回路を付加して、負荷に与えるパルス高電
圧の立ち上がり時間およびパルス幅をさらに短縮し、高
性能で小型化されたパルス電源を実現できるという効果
がある。
【0043】図9の回路図に示す実施例においては、本
発明による小型化されたパルス電源部と放電励起レーザ
の組み合わせにより、高性能で小型化されたレーザ装置
を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパルス電源装置の実施例の回路図
である。
【図2】本発明によるパルス電源装置の図1の実施例に
おける各部の電圧・電流波形を示した図である。
【図3】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図4】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図5】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図6】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図7】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図8】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図9】本発明によるパルス電源装置の他の実施例の回
路図である。
【図10】従来例によるパルス電源装置の回路図であ
る。
【図11】従来例による他のパルス電源装置の回路図で
ある。
【図12】従来例による多段式衝撃電圧発生装置の回路
図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 充放電コンデンサ 2a、2b、2c 可飽和リアクトル 3a、3b 差動変圧器 4 充電コンデンサ 5 充電スイッチ 5a メインスイッチ 6 充電リアクトル 7 負荷回路 8 反転整流器 9 反転リアクトル 10 直流電源 11a、11b、11c 正極充放電コンデンサ 12a、12b、12c 負極充放電コンデンサ 20 マグネチックアシスト 30 充放電コンデンサ 31a、31b、31c 第一の巻線 32a、32b、32c 第二の巻線 33a、33b、33c 第三の巻線 40、140、210 可飽和リアクトル 50 整流ブリッジ 51 第一のスイッチング素子 52 第二のスイッチング素子 53 第一の整流器 54 第二の整流器 60、130 磁気パルス圧縮用コンデンサ 70 負荷 71、72 高電圧コンデンサ 73 可飽和リアクトル 74 放電励起レーザ 150 変圧器 200 高電圧コンデンサ 215 ピーキングコンデンサ v1 充放電コンデンサ電圧 v7 負荷回路電圧 i6 充電リアクトル電流 i7 負荷回路電流 t 時刻 t0 充電開始時点 t1 充電終了時点 t2 主放電開始時点 A、A、A 高電圧端子 A11、A12、A13 (正極充放電コンデンサの)
高電圧端子 A21、A22、A23 (負極充放電コンデンサの)
高電圧端子 B、B、B 低電圧端子 X 正極側入力端子 Y 負極側入力端子 X 正極側出力端子 Y 負極側出力端子 ST、ST 可飽和変圧器 SI、SI 可飽和リアクトル DT 放電管 C 充放電コンデンサ C11、C12 磁気パルス圧縮用コンデンサ R 放電抵抗 R 充電抵抗 r 制動抵抗 G、G、・・・、G ギャップスイッチ G 始動ギャップスイッチ C、C、C、・・・、C2n−1、C2n 充放
電コンデンサ K 二極管 C ピーキングコンデンサ DC 直流電源 SW メインスイッチ HV 充電スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の充放電コンデンサを有し、これら
    を並列に充電する手段として、隣り合う2台の充放電コ
    ンデンサの各々の高電圧端子の間に差動変圧器の第一の
    巻線を接続し、各々の低電圧端子の間に上記差動変圧器
    の第二の巻線を接続し、充放電コンデンサを直列に放電
    する手段として、充放電コンデンサの高電圧端子と該充
    放電コンデンサの一方の側に隣り合う充放電コンデンサ
    の低電圧端子との間に可飽和リアクトルを接続したこと
    を特徴とするパルス電源装置。
  2. 【請求項2】 正極性に充電される正極充放電コンデン
    サと負極性に充電される負極充放電コンデンサの低電圧
    端子を各々接続するコンデンサ段を複数有し、該各コン
    デンサ段を並列に充電する手段として、隣り合う2つの
    コンデンサ段の各々の正極充放電コンデンサの高電圧端
    子の間に差動変圧器の第一の巻線を接続し、各々の負極
    充放電コンデンサの高電圧端子の間に上記差動変圧器の
    第二の巻線を接続し、コンデンサ段を直列に放電する手
    段として、コンデンサ段の正極充放電コンデンサの高電
    圧端子と、該コンデンサ段の一方の側に隣り合うコンデ
    ンサ段の負極充放電コンデンサの高電圧端子との間に可
    飽和リアクトルを設けたことを特徴とするパルス電源装
    置。
  3. 【請求項3】 上記複数個の可飽和リアクトルが1個の
    磁芯を共有することを特徴とする請求項1〜2記載のパ
    ルス電源装置。
  4. 【請求項4】 上記複数個の差動変圧器が1個の磁芯を
    共有することを特徴とする請求項1〜2記載のパルス電
    源装置。
  5. 【請求項5】 上記充放電コンデンサの高電圧端子に接
    続される、充電スイッチと充電リアクトルとの直列回路
    とを有することを特徴とする請求項1〜2記載のパルス
    電源装置。
  6. 【請求項6】 上記充電スイッチに充電コンデンサを接
    続し、該充電コンデンサの両端に接続される反転リアク
    トルと反転整流器との直列回路を有することを特徴とし
    た請求項5記載のパルス電源装置。
  7. 【請求項7】 充放電コンデンサの高電圧端子に充電リ
    アクトルの一端を接続し、他端と充放電コンデンサの低
    電圧端子との間に、充電コンデンサと整流ブリッジとを
    接続し、上記整流ブリッジが、正極側入力端子に第一の
    スイッチング素子の陽極と第二の整流器の陰極を接続
    し、負極側入力端子に第二のスイッチング素子の陰極と
    第一の整流器の陽極を接続し、正極側出力端子に第一の
    スイッチング素子の陰極と第一の整流器の陰極を接続
    し、負極側出力端子に第二のスイッチング素子の陽極と
    第二の整流器の陽極を接続してなることを特徴とする請
    求項1〜2記載のパルス電源装置。
  8. 【請求項8】 負荷回路が、磁気パルス圧縮回路および
    /または放電励起レーザであることを特徴とする請求項
    1〜2記載のパルス電源装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101633748B1 (ko) * 2015-07-09 2016-06-27 (주)테크베이스 펄스발생장치
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