JP7075046B2 - 放電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電装置に関する。
マルクス回路を用いて、負荷にパルス電圧を供給するパルス発生装置が提案されている。このパルス発生装置は、マルクス回路における複数のコンデンサを並列接続した状態で、電源から複数のコンデンサに充電を行う。これにより、多くの電荷を低電圧にて充電できる。そして、マルクス回路に充電した電荷を負荷に供給する際には、複数のコンデンサを直列接続に繋ぎ替える。これにより、高電圧を負荷に供給することができる。
特開2008-11595号公報
しかしながら、上記パルス発生装置によってパルス放電負荷へパルス電圧を供給するにあたっては、以下の課題がある。
すなわち、パルス放電負荷において放電を生じさせた後においても、パルス放電負荷に存在する容量成分(例えば、等価電気回路として、パルス放電負荷に直列に接続される誘電体の容量成分)に電荷が残っている場合がある。この電荷を引き抜くことなく、パルス放電負荷に繰り返しパルス電圧を供給すると、パルス放電負荷端の電圧が印加電圧に近づいてしまうことで、電極間電圧が低下し、放電が生じにくくなってしまう。それゆえ、放電後にパルス放電負荷の容量成分に残った電荷を引き抜くべく、マルクス回路を短絡させて、電荷を熱として放出する。
ところが、電荷を熱として放出するということは、電気エネルギーを無駄に捨てていることにもなる。換言すると、捨てることとなる電気エネルギーを、所望の放電電力に上乗せして、パルス放電負荷に供給することが必要となる。それゆえ、エネルギー効率の点において、改善の余地がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、エネルギー効率に優れた放電装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、第1放電用電極(211)及び第2放電用電極(212)と、上記第1放電用電極及び第2放電用電極の少なくとも一方の内側面に配された誘電体層(22)と、を備えたパルス放電負荷(2)と、
上記パルス放電負荷にパルス電圧を周期的に出力するパルスパワー電源回路部(3)と、を有する放電装置(1)であって、
上記パルスパワー電源回路部(3)は、電気エネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積部(31)を有し、
上記パルスパワー電源回路部は、上記エネルギー蓄積部と上記パルス放電負荷との間において電気エネルギーを可逆的に移動させることができるよう構成されており、
上記パルスパワー電源回路部は、複数のコンデンサ(Cm)と複数のスイッチ(SW)とを有し、複数の上記スイッチのオンオフの切り替えにより、複数の上記コンデンサを互いに直列接続した直列状態と、複数の上記コンデンサを互いに並列接続した並列状態と、を切り替えることができるよう構成されており、上記直列状態にて、上記パルス放電負荷へのパルス電圧の出力を行い、上記並列状態にて、上記パルス放電負荷の上記誘電体層の容量成分(C2)から上記エネルギー蓄積部への電気エネルギーの回収を行うよう構成されている、放電装置にある。
上記放電装置において、上記パルスパワー電源回路部は、上記エネルギー蓄積部と上記パルス放電負荷との間において電気エネルギーを可逆的に移動させることができるよう構成されている。これにより、パルス放電負荷が放電を実行した後において、誘電体層に電荷が残った場合にも、この電荷による電気エネルギーをパルスパワー電源回路部のエネルギー蓄積部に回収して、蓄積することができる。
これにより、パルス放電負荷における当該放電の次の放電時に、エネルギー蓄積部に蓄積された電気エネルギーを、パルス放電負荷に供給することができる。それゆえ、パルス放電負荷に繰り返し供給する電気エネルギーを節約することができる。その結果、エネルギー効率に優れた放電装置を得ることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、エネルギー効率に優れた放電装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、放電装置の回路図。 実施形態1における、パルス放電負荷の説明図。 実施形態1における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態1における、並列状態にある放電装置の回路図。 実施形態1における、パルス放電負荷の電極間電圧及び電流の時間変化を示す線図。 実施形態2における、放電装置の回路図。 実施形態2における、並列状態にある放電装置の回路図。 実施形態2における、パルス放電負荷の両極を短絡させた状態にある放電装置の回路図。 実施形態2における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態3における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態3における、並列状態にある放電装置の回路図。 実施形態3における、並列状態後の直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態4における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態4における、並列状態にある放電装置の回路図。 実施形態4における、並列状態にある放電装置の回路図であって、コンデンサへの電荷の回収を行う状態を示す図。 実施形態5における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態5における、並列状態にある放電装置の回路図。 実施形態5における、並列状態にある放電装置の回路図であって、コンデンサへの電荷の回収を行う状態を示す図。 実施形態6における、放電装置の回路図。 実施形態6における、直列状態にある放電装置の回路図。 実施形態6における、並列状態にある放電装置の回路図。
(実施形態1)
放電装置に係る実施形態について、図1~図5を参照して説明する。
本形態の放電装置1は、図1に示すごとく、パルス放電負荷2とパルスパワー電源回路部3とを有する。
パルス放電負荷2は、図2に示すごとく、第1放電用電極211及び第2放電用電極212と誘電体層22とを備えている。誘電体層22は、第1放電用電極211及び第2放電用電極212の少なくとも一方の内側面に配されている。本形態においては、誘電体層22は、第1放電用電極211及び第2放電用電極212の双方の内側面に配されている。
パルスパワー電源回路部3は、パルス放電負荷2にパルス電圧を周期的に出力する。
図1に示すごとく、パルスパワー電源回路部3は、電気エネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積部31を有する。
パルスパワー電源回路部3は、エネルギー蓄積部31とパルス放電負荷2との間において電気エネルギーを可逆的に移動させることができるよう構成されている。
パルスパワー電源回路部3は、複数のコンデンサCmと複数のスイッチSWとを有する。パルスパワー電源回路部3は、複数のスイッチSWのオンオフの切り替えにより、直列状態と並列状態とを切り替えることができるよう構成されている。直列状態は、図3に示すごとく、複数のコンデンサCmを互いに直列接続した状態である。並列状態は、図4に示すごとく、複数のコンデンサCmを互いに並列接続した状態である。
すなわち、パルスパワー電源回路部3は、マルクス回路を形成している。
図3に示すごとく、直列状態にて、パルス放電負荷2へのパルス電圧の出力を行う。図4に示すごとく、並列状態にて、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2からエネルギー蓄積部31への電気エネルギーの回収を行う。
図3における破線矢印Ip及び図4における破線矢印Icは、それぞれの電流の流れを示す。これらの電流の流れIp、Icは、正電荷の流れでもある。他の図における、破線矢印Ip、Icも同様である。
本形態において、エネルギー蓄積部31は、複数のコンデンサCmによって構成されている。つまり、複数のコンデンサCmのそれぞれに、電荷が充電され、電気エネルギーが蓄積される。
図1に示すごとく、パルスパワー電源回路部3は、互いに接続された複数段の回路ユニット4(4A、4B、4Z)と、直流電源5と、直列スイッチユニット6とを有する。直流電源5は、1段目の回路ユニット4Aに正極が接続されている。直列スイッチユニット6は、最終段の回路ユニット4Zと直流電源5の負極との間に接続されている。
パルスパワー電源回路部3は、複数のスイッチSWとして、回路ユニット4に属する第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2と、直列スイッチユニット6に属する第3スイッチSW3とを有する。
回路ユニット4は、スイッチ直列体41とコンデンサCmとを有する。スイッチ直列体41は、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを中間接続点41Mにおいて互いに直列接続してなる。コンデンサCmは、スイッチ直列体41に並列接続されている。回路ユニット4は、スイッチ直列体41とコンデンサCmとの接続部として、第1接続部421及び第2接続部422を有する。
直列スイッチユニット6は、複数の第3スイッチSW3を互いに直列接続してなる。
最終段の回路ユニット4Zの第1接続部421が、パルス放電負荷2の第1放電用電極211に接続される。
直流電源5の負極と直列スイッチユニット6の一端とは、互いに接続されると共に、パルス放電負荷2の第2放電用電極212に接続される。
1段目の回路ユニット4Aの中間接続点41Mに、直流電源5の正極が接続されている。
k段目の回路ユニット4の中間接続点41Mに、(k-1)段目の回路ユニット4の第1接続部421が接続されている。ここで、上記kは、2以上の自然数である。なお、パルスパワー電源回路部3が備える回路ユニット4の段数をN段とする。このとき、上記kは、2~Nの自然数である。また、Nは、2以上の自然数である。
k段目の回路ユニット4の第2接続部422と、(k-1)段目の回路ユニット4の第2接続部422との間には、直列スイッチユニット6における第3スイッチSW3が介在している。
1段目の回路ユニット4Aの第2接続部422と直流電源5の負極との間にも、直列スイッチユニット6における第3スイッチSW3が介在している。
本形態において、パルスパワー電源回路部3は、回路ユニット4を3段有する。それゆえ、本形態においては、上記Nは3であり、上記kは2又は3である。そして、パルスパワー電源回路部3は、複数の回路ユニット4として、直流電源5に近い側から、1段目の回路ユニット4Aと、2段目の回路ユニット4Bと、3段目の回路ユニット4Zとを有する。3段目の回路ユニット4Zが、最終段の回路ユニット4Zとなる。なお、回路ユニット4の段数は、複数段であれば、特に限定されるものではない。
また、直列スイッチユニット6は、互いに直列接続された3個の第3スイッチSW3を有する。直列スイッチユニット6の一端が、最終段の回路ユニット4Zの第2接続部422に接続され、他端が、直流電源5の負極に接続されている。また、k段目の回路ユニット4の第2接続部422と、(k-1)段目の回路ユニット4の第2接続部422との間には、第3スイッチSW3が一つずつ介在している。また、1段目の回路ユニット4Aの第2接続部422と直流電源5の負極との間にも、一つの第3スイッチSW3が介在している。
また、各スイッチSWには、ダイオードがそれぞれ並列接続されている。第1スイッチSW1に並列接続されたダイオードは、中間接続点41M側がアノードとなる向きに接続されている。第2スイッチSW2に並列接続されたダイオードは、中間接続点41M側がカソードとなる向きに接続されている。第3スイッチSW3に並列接続されたダイオードは、直流電源5の負極に近い側がアノードとなる向きに接続されている。
また、スイッチSWは、パワー半導体素子からなる。そして、これらのパワー半導体素子からなるスイッチSWを、駆動回路からの信号によって、適宜オンオフさせることができる。スイッチSWとしては、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタの略)、MOSFET(MOS型電界効果トランジスタの略)等を用いることができる。また、パワー半導体素子としては、例えば、炭化珪素(SiC)にて形成したものや、シリコン(Si)にて形成したものを用いることができる。
図3に示すごとく、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3をオフ(すなわち開放)にすると共に第2スイッチSW2をオン(すなわち短絡)にすることにより、直列状態が形成される。また、図4に示すごとく、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3をオンにすると共に第2スイッチSW2をオフにすることにより、並列状態が形成される。
すなわち、直列状態を形成する際には、図3に示すごとく、すべての回路ユニット4において、第1スイッチSW1をオフにすると共に第2スイッチSW2をオンにする。また、直列スイッチユニット6のすべての第3スイッチSW3をオフにする。
並列状態を形成する際には、図4に示すごとく、すべての回路ユニット4において、第1スイッチSW1をオンにすると共に第2スイッチSW2をオフにする。また、直列スイッチユニット6のすべての第3スイッチSW3をオンにする。
すべての第1スイッチSW1とすべての第3スイッチSW3とは、駆動回路からの同じ信号によって、同期してオンオフするよう構成することができる。また、すべての第2スイッチSW2は、駆動回路からの同じ信号によって、同期してオンオフするよう構成することができる。ただし、第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1および第3スイッチSW3の駆動信号とは異なる駆動信号によって、オンオフする。より具体的には、第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3がオンのときにオフとする。
なお、放電装置1の起動時においては、まず最初に、パルスパワー電源回路部3のエネルギー蓄積部31に電気エネルギーを蓄積する。すなわち、このときは、パルスパワー電源回路部3を、図4に示す並列状態として、直流電源5の電源電圧Vinを各コンデンサCmに印加する。
次に、パルス放電負荷2へ、パルス電圧を出力するにあたっては、パルスパワー電源回路部3を、図3に示す直列状態に切り替える。すなわち、電荷が蓄積された複数のコンデンサCmが直列接続された状態となると共に、これらのコンデンサCmの直列回路が直流電源5とも直列接続されることとなる。これにより、パルス放電負荷2には、Vin×(N+1)の電圧が印加されることとなる。
すなわち、回路ユニット4の段数Nに1を加えた数を、電源電圧Vinに乗じた電圧が、パルス放電負荷2に印加されることとなる。これにより、パルス放電負荷2において、パルス放電が生じる。ただし、放電後においても、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2に、一部の電荷が残る。
この状態から、図4に示すごとく、パルスパワー電源回路部3を並列状態に切り替える。すると、互いに並列接続された複数のコンデンサCmが、パルス放電負荷2に接続されると共に、直流電源5にも並列接続された状態となる。これにより、パルス放電負荷2における電極間電圧が、電源電圧Vinに下がるまで、パルス放電負荷2からパルスパワー電源回路部3へ電流が流れる。すなわち、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2から電荷が引き抜かれ、マルクス回路の各コンデンサCmに、電荷が回収される。
その結果、パルス放電負荷2に残っていた電気エネルギーが、パルスパワー電源回路部3のエネルギー蓄積部31に回収され、蓄積される。それとともに、パルス放電負荷2の電極間電圧が、低減される。
回収された電気エネルギーは、放電装置1における次の放電に用いられる。次の周期のパルス放電の際には、パルスパワー電源回路部3から、パルス放電負荷2に電圧を出力する。すなわち、上記と同様に、図3に示すごとく、パルスパワー電源回路部3を直列状態とする。これにより、Vin×(N+1)の電圧がパルス放電負荷2に印加される。
このとき、前回のパルス放電の後に誘電体層22から引き抜かれてエネルギー蓄積部31に回収されていた電荷が、直流電源5からの電荷に重畳して、パルス放電負荷2へ供給される。これにより、再び、パルス放電負荷2において放電が生じる。そして、誘電体層22の容量成分C2に電荷が充電される。
以降、図4に示す並列状態と図3に示す直列状態とが、交互に繰り返される。これにより、エネルギーを節約しつつ、パルス放電負荷2におけるパルス放電が効率よく生じる。
パルス放電負荷2は、誘電体バリア放電を生じさせる構造を有する。図2に示すごとく、パルス放電負荷2は、互いに対向配置された第1放電用電極211と第2放電用電極212とを有する。そして、第1放電用電極211の内側面と第2放電用電極212の内側面とに、それぞれ誘電体層22を設けている。一対の誘電体層22の間に、放電ギャップ23が形成されている。この放電ギャップ23に放電を生じさせることで、例えば、プラズマを発生させることができる。また、例えば、放電ギャップ23に酸素を含む気体を供給しつつ、放電ギャップ23にプラズマを生じさせることによって、オゾンを発生させることができる。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
上記放電装置1において、パルスパワー電源回路部3は、エネルギー蓄積部31とパルス放電負荷2との間において電気エネルギーを可逆的に移動させることができるよう構成されている。これにより、パルス放電負荷2が放電を実行した後において、誘電体層22に電荷が残った場合にも、この電荷による電気エネルギーをパルスパワー電源回路部3のエネルギー蓄積部31に回収して、蓄積することができる。
これにより、パルス放電負荷2における当該放電の次の放電時に、エネルギー蓄積部31に蓄積された電気エネルギーを、パルス放電負荷2に供給することができる。それゆえ、パルス放電負荷2に繰り返し供給する電気エネルギーを節約することができる。その結果、エネルギー効率に優れた放電装置1を得ることができる。
パルスパワー電源回路部3は、複数のコンデンサCmと複数のスイッチSWとを有する。複数のスイッチSWのオンオフの切り替えにより、直列状態と並列状態とを切り替えることができるよう構成されている。直列状態にて、パルス放電負荷2へのパルス電圧の出力を行い、並列状態にて、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2からエネルギー蓄積部31への電気エネルギーの回収を行う。すなわち、パルスパワー電源回路部3は、マルクス回路を形成しており、その直列状態と並列状態との切り替えを繰り返すことによって、パルス放電負荷2へのパルス電圧の出力と、パルス放電負荷2からの電気エネルギーの回収とを、交互に繰り返すことができる。それゆえ、効率よく、パルス電圧の出力と電気エネルギーの回収とを行うことができる。
パルスパワー電源回路部3は、複数段の回路ユニット4と直列スイッチユニット6とを有し、図1に示すようなマルクス回路を形成している。これにより、複数のスイッチSWを適宜オンオフさせることで、容易かつ効率的に、直列状態と並列状態を実現することができる。その結果、容易に、エネルギー効率に優れた放電装置1を得ることができる。
具体的には、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3をオフにすると共に第2スイッチSW2をオンにすることにより、直列状態を形成し、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3をオンにすると共に第2スイッチSW2をオフにすることにより、並列状態を形成する。これにより、パルス放電負荷2へのパルス電圧の出力と、パルス放電負荷2からの電気エネルギーの回収を、容易かつ確実に行うことができる。
また、上述のように、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2からの電荷の引き抜きを、パルスパワー電源回路部3の並列状態にて行うため、短時間に多くの電荷を引き抜くことが可能となる。図5は、パルス放電負荷2における電流と、電極間電圧(すなわち、パルスパワー電源回路部3からパルス放電負荷2への出力電圧)の時間変化を示す線図である。ここで、パルスパワー電源回路部3からパルス放電負荷2の第1放電用電極211へ向かう出力電流をプラス(すなわち、グラフの電流0よりも上側)、その逆向きの流れをマイナス(すなわち、グラフの電流0よりも下側)として表記してある。
図5に示す時刻t1において、パルスパワー電源回路部3を直列状態に切り替えて、パルス放電負荷2への出力を開始すると、出力電圧が、Vin×(N+1)まで立ち上がる。このとき、パルス放電負荷2にプラスのパルス電流が供給される。その後、時刻t2において、パルスパワー電源回路部3を並列状態に切り替えると、印加電圧がVinまで低下すると共に、電流がマイナス方向に急峻に立ち上がる。つまり、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2から、多くの電荷が短時間の間に引き抜かれる。
このように、本形態においては、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2から、多くの電荷を短時間の間に引き抜くことができる。そのため、例えば、放電装置1をオゾナイザに適用した場合、放電電極間に存在するイオンが電極に移動する期間を短くすることができるため、イオンの発熱を抑えることができ、放電ギャップ23におけるラジカル生成率を向上させることができる。
以上のごとく、本形態によれば、エネルギー効率に優れた放電装置を提供することができる。
(実施形態2)
本形態は、図6~図9に示すごとく、最終段の回路ユニット4Zに、付属スイッチ直列体43を並列接続した、放電装置1の形態である。
すなわち、本形態の放電装置1におけるパルスパワー電源回路部3は、スイッチSWとして、互いに直列接続された第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5をさらに有する。そして、最終段の回路ユニット4Zは、スイッチ直列体41及びコンデンサCmに、付属スイッチ直列体43を、並列接続してある。付属スイッチ直列体43は、第4スイッチSW4と第5スイッチSW5との直列体である。
付属スイッチ直列体43における第4スイッチSW4と第5スイッチSW5との接続点43Mが、パルス放電負荷2の第1放電用電極211に接続されている。
パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分からエネルギー蓄積部31への電気エネルギーの回収を行う際には、図7に示すように、各スイッチSWを制御する。すなわち、第1スイッチSW1、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4をオンにすると共に第2スイッチSW2及び第5スイッチSW5をオフにして、並列状態を形成する。これにより、パルス放電負荷2の電極間電圧が低下する。
その後、パルス放電負荷2の電極間電圧が、直流電源5の電源電圧Vinまで低下したとき、図8に示すように、各スイッチSWを制御する。すなわち、第4スイッチSW4をオフに切り替えるとともに、第5スイッチSW5をオンに切り替える。なお、他のスイッチSWは切り替えない。これにより、パルス放電負荷2の第1放電用電極211と第2放電用電極212とを短絡させる。
そうすると、パルス放電負荷2の誘電体層22に残っていた電荷が引き抜かれ、第5スイッチSW5及び直列スイッチユニット6(すなわち複数の第3スイッチSW3)を含む短絡回路における抵抗成分において、熱となって放出される。そして、パルス放電負荷2の電極間電圧は、略ゼロとなる。図8における破線矢印Ieは、このときの電流の流れを示す。
その後、次の放電のタイミングにて、図9に示すごとく、パルスパワー電源回路部3を直列状態に切り替えると共に、付属スイッチ直列体43において、第4スイッチSW4をオン、第5スイッチSW5をオフに切り替える。これにより、パルスパワー電源回路部3からパルス放電負荷2に、Vin×(N+1)の高電圧が印加され、再び放電を生じさせることができる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態においては、エネルギー蓄積部31への回収後もパルス放電負荷2の容量成分C2に残る電荷を引き抜くことができ、パルス放電負荷2の電極間電圧を略ゼロに低下させることができる。すなわち、次の放電の前に、パルス放電負荷2の電極間電圧を充分に低下させ、パルスパワー電源回路部3の出力電圧との電圧差を大きくすることができる。その結果、パルス放電負荷2における放電をより生じさせやすくなる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本形態は、図10~図12に示すごとく、パルスパワー電源回路部3が、パルス放電負荷2と直列接続される誘導成分Lを有する形態である。
誘導成分Lは、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2と共振可能に構成されている。本形態においては、誘導成分Lが、エネルギー蓄積部31の少なくとも一部を構成している。なお、本形態においては、各回路ユニット4におけるコンデンサCmも、エネルギー蓄積部31の一部を構成する。
なお、誘導成分Lは、部品としてのインダクタを設けてもよいし、配線や他の部品に寄生する寄生インダクタンス等を利用してもよい。
パルスパワー電源回路部3は、エネルギー蓄積部31からパルス放電負荷2への電気エネルギーの移動と、パルス放電負荷2からエネルギー蓄積部31(すなわち誘導成分L及びコンデンサCm)への電気エネルギーの移動とを、誘導成分Lと容量成分C2との共振周期の間に実行するよう構成されている。
すなわち、誘導成分Lと誘電体層22の容量成分C2との直列共振回路における共振周期の間に、図10に示す直列状態と、図11に示す並列状態とが、1回ずつ実行されるように、スイッチSWを切り替える。
図10に示す、パルスパワー電源回路部3における直列状態においては、パルス放電負荷2に、Vin×(N+1)の電圧が印加される。そして、パルス放電負荷2における第1放電用電極211に、プラス電荷が流れ込むように、パルス電流が流れる。このパルス電流は、誘導成分Lと容量成分C2との直列共振回路に流れる。
この直列共振回路の共振周波数に近い周波数にて、パルスパワー電源回路部3を、直列状態と並列状態との間で切り替える。ここで、切り替え周波数は、直列状態から並列状態への切り替えのタイミングの間隔、又は、並列状態から直列状態への切り替えのタイミングの間隔を1周期としたときの周波数である。そして、この切り替え周波数f1が、共振周波数f0に対して、例えば、0.8×f0≦f1≦1.2×f0となるようにする。
図11に示す並列状態においては、共振回路の共振現象によって、パルス放電負荷2の第1放電用電極211から、パルスパワー電源回路部3を介して、第2放電用電極212へ向かう電流が流れる。すなわち、誘電体層22の容量成分C2における、第1放電用電極211側に溜まっていた正電荷が、パルスパワー電源回路部3を介して、容量成分C2における第2放電用電極212側に移動する。
このとき、電流は、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmに分岐して、再びパルス放電負荷2において合流し、容量成分C2の第2放電用電極212側に流れ込む。これにより、正電荷が、容量成分C2の第2放電用電極212側に充電される。
これと共に、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmにも、一部の電荷が回収される。また、この並列状態においては、直流電源5が、互いに並列接続されたコンデンサCmに接続されているため、これら複数のコンデンサCmのそれぞれには、Cm×Vinの電荷が蓄積される。ここで、Cmは、コンデンサCmの静電容量の値を示す。なお、複数のコンデンサCmの間において、静電容量は同じであってもよいし、異なっていてもよい。ただし、静電容量Cmは、パルス放電負荷2における放電電荷に対して充分な電荷量を保持できる程度であることは求められる。
このように、各部に電荷が蓄積された状態から、所定のタイミングにて、再び直列状態に切り替わる。そうすると、図12に示すごとく、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmに蓄積された電荷が、パルス放電負荷2の第1放電用電極211へ供給される(破線矢印Ip参照)。それと共に、容量成分C2の第2放電用電極212側に蓄積されていた正電荷も、共振現象によって第1放電用電極211側へ流れ込む(破線矢印Irp参照)。前者の電荷の流れ込みによる出力電圧は、実施形態1と同様に、Vin×(N+1)である。この出力電圧に重畳して、共振現象による電圧がパルス放電負荷2に加わる。
これにより、パルス放電負荷2において、放電が生じる。そして、この放電後においても、誘電体層22における容量成分C2には、第1放電用電極211側に正電荷が残る。この正電荷は、次の並列状態(図11参照)において、共振現象によって引き抜かれ、上記と同様に、マルクス回路における複数のコンデンサCm、及び誘電体層22の容量成分C2における第2放電用電極212側に、回収される。
このように、並列状態においては、マルクス回路のコンデンサCmに電荷が蓄積されると共に、誘電体層22の第2放電用電極212側に、正電荷が蓄積される。誘電体層22の第2放電用電極212側への正電荷の回収は、換言すると、電荷移動による電気エネルギーが、共振回路における誘導成分Lにおいて磁気エネルギーとして回収されることとも言える。つまり、エネルギー蓄積部31の一部としての誘導成分Lに、電気エネルギーが蓄積されていることになる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態においては、マルクス回路のコンデンサCmへの電荷の回収に加え、共振回路における誘導成分Lへの磁気エネルギーの蓄積によって、電気エネルギーを回収することができる。すなわち、より多くの電気エネルギーを次の放電の前に回収しておくことができる。そのため、直流電源5から供給する電力を、より節約することができる。また、次の放電の前に、パルス放電負荷2の電極間電圧をより低減させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本形態は、図13~図15に示すごとく、実施形態2の放電装置に、実施形態3に示した誘導成分Lを設けた、放電装置1の形態である。
すなわち、本形態の放電装置1は、パルスパワー電源回路部3における最終段の回路ユニット4Zに、付属スイッチ直列体43を設けている。そのうえで、パルスパワー電源回路部3が、パルス放電負荷2と直列接続される誘導成分Lを有する。そして、誘導成分Lは、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2と共振可能となっている。換言すると、本形態は、実施形態2と実施形態3とを組み合わせたものである。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態においても、誘導成分Lが、エネルギー蓄積部31の少なくとも一部を構成する。
本形態においては、図13に示す直列状態と、図14に示す並列状態とを繰り返す。この切り替え周波数を、誘導成分Lと容量成分C2との共振回路の共振周波数に近い周波数とする。
直列状態においては、図13に示すごとく、第1スイッチSW1をオフ、第2スイッチSW2をオン、第3スイッチSW3をオフ、第4スイッチSW4をオン、第5スイッチSW5をオフとする。これにより、実施形態3における直列状態(図10参照)と等価な回路となる。これにより、Vin×(N+1)の電圧が、パルス放電負荷2に印加される。また、このとき、パルス電流が、共振回路に流れ、誘電体層22の容量成分C2の第1放電用電極211側に正電荷が供給される。
次に、図14に示す並列状態に切り替える。同図に示すように、第4スイッチSW4をオフにするとともに、第5スイッチSW5をオンとする。その他のスイッチSWは、実施形態3における並列状態(図11参照)と同様とする。これにより、第5スイッチSW5と直列スイッチユニット6と、容量成分C2及び誘導成分Lとが直列に接続された閉回路が形成される。この状態において、共振回路の共振現象によって、容量成分C2の第1放電用電極211側に充電されていた電荷が引き抜かれ、第5スイッチSW5及び直列スイッチユニット6を介して、容量成分C2の第2放電用電極212側に移動する(破線矢印Irc参照)。
本形態においては、図14に示す並列状態において、マルクス回路のコンデンサCmを通らずに、容量成分C2の第1放電用電極211側に充電されていた電荷が、容量成分C2の第2放電用電極212側に移動する。それゆえ、容量成分C2の第1放電用電極211側に充電されていた電荷の多くを、容量成分C2の第2放電用電極212側に移すことができる。なお、このとき、電気エネルギーが、誘導成分Lにおいて磁気エネルギーに変換されて蓄積される。
また、この並列状態においては、直流電源5が、互いに並列接続されたコンデンサCmに接続されている。そのため、直流電源5から各コンデンサCmに、破線矢印Ibに示すように、電流が流れ込む。これにより、これら複数のコンデンサCmのそれぞれには、Cm×Vinの電荷が蓄積される。ここで、Cmは、コンデンサCmの静電容量の値を示す。
そして、次の直列状態(図13参照)への切り替えによって、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmに蓄積された電荷が、パルス放電負荷2の第1放電用電極211へ供給される(破線矢印Ip参照)。それと共に、容量成分C2の第2放電用電極212側に蓄積されていた正電荷も、共振現象によって第1放電用電極211側へ流れ込む(破線矢印Irp参照)。前者の電荷の流れ込みによる出力電圧は、実施形態1と同様に、Vin×(N+1)である。この出力電圧に重畳して、共振現象による電圧がパルス放電負荷2に加わる。
これにより、パルス放電負荷2において、放電が生じる。そして、この放電後においても、誘電体層22における容量成分C2には、第1放電用電極211側に正電荷が残る。この正電荷は、次の並列状態(図14参照)において、共振現象によって引き抜かれ、上記と同様に、誘電体層22の容量成分C2における第2放電用電極212側に、回収される。
上記のようなパルス放電負荷2への断続的な電力の供給動作を、一旦停止させる際には、図13の直列状態から、図15に示す状態に切り替える。図15に示す状態は、マルクス回路を並列状態としつつ、第5スイッチSW5を開放した状態である。これにより、実施形態3の並列状態(図11参照)と等価な回路となる。そして、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmに電荷が回収されると共に、誘電体層22の第2放電用電極212側に、一部の正電荷が充電される。
そして、再び放電装置1を起動する際に、これらの電荷として回収された電気エネルギーが、次の放電電力の一部として利用される。
その他の構成は、実施形態3と同様である。
本形態においては、図14に示すごとく、第2放電用電極212側に充電される正電荷を多くすることができ、次の放電の際における放電電力をより大きくすることができる。
その他、実施形態3と同様の作用効果を有する。
(実施形態5)
本形態は、図16~図18に示すごとく、パルスパワー電源回路部3がトランス32を備えた放電装置1の形態である。
本形態の放電装置1は、図16に示すごとく、実施形態4の放電装置における、マルクス回路とパルス放電負荷2との間に、トランス32を接続した回路構成を有する。
また、本形態においては、トランス32の漏れインダクタンスを、誘導成分Leとして利用している。つまり、この漏れインダクタンスからなる誘導成分Leと、パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分C2とが、共振回路を構成する。そして、パルスパワー電源回路部3の直列状態と並列状態との切り替えを、誘導成分Leと容量成分C2との共振回路が共振するような周波数、すなわち共振周波数近傍にて行う。
トランス32は、マルクス回路側の一次巻線321と、パルス放電負荷2側の二次巻線322とを有する。そして、一次巻線321と二次巻線322との巻き数比を調整することにより、マルクス回路からの出力電圧を昇圧して、パルス放電負荷2へ供給することができるよう構成されている。
本形態においても、図16に示す直列状態と図17に示す並列状態とを、所定の周波数にて切り替えることにより、共振回路の共振現象を利用しつつ、電気エネルギーの回収及び出力を行うことができる。そして、出力時においては、マルクス回路におけるVin×(N+1)という電圧が、トランス32においてさらに昇圧される。この昇圧後の電圧に、さらに、共振現象によって、第2放電用電極212側からの第1放電用電極211への正電荷供給分の電圧が重畳されて、パルス放電負荷2に印加される。
そして、パルス放電負荷2への断続的な電力の供給動作を一旦停止させる際には、図16の直列状態から、図18に示す状態に切り替える。これにより、実施形態3の並列状態(図11参照)と等価な回路となる。そして、複数段の回路ユニット4のコンデンサCmに電荷が回収されると共に、誘電体層22の第2放電用電極212側に、一部の正電荷が回収される。
その他の構成は、実施形態4と同様である。
本形態においては、トランス32によって、マルクス回路の出力電圧をさらに昇圧することができる。それゆえ、パルス放電負荷2に高電圧を容易に印加することができる。また、パルス放電負荷2への出力電圧を維持しつつ、マルクス回路の段数を低減することも可能となる。
その他、実施形態4と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本形態は、図19~図21に示すごとく、パルスパワー電源回路部3が電源保護ユニット40をさらに有する、放電装置1の形態である。
すなわち、図19に示すごとく、パルスパワー電源回路部3は、1段目の回路ユニット4Aと直流電源5の正極との間に介在した電源保護ユニット40を、さらに有する。
電源保護ユニット40は、保護用ダイオード401と、第6スイッチSW6と、コンデンサCmと、第3接続部423及び第4接続部424と、を有する。第6スイッチSW6は、保護用ダイオード401のアノードに接続されたスイッチSWである。コンデンサCmは、保護用ダイオード401と第6スイッチSW6との直列体である保護用直列体44に並列接続されている。第3接続部423及び第4接続部424は、保護用直列体44とコンデンサCmとの接続部である。
第3接続部423が、1段目の回路ユニット4Aの中間接続点41Mに接続されている。第4接続部424と、直流電源5の負極との間に、直列スイッチユニット6の第3スイッチSW3が介在している。第4接続部424と1段目の回路ユニット4Aの第2接続部422との間にも、直列スイッチユニット6の第3スイッチSW3が介在している。
本形態の放電装置1は、実施形態1の放電装置1(図1参照)における1段目の回路ユニット4Aを、電源保護ユニット40に置き換えた構成となっている。換言すると、実施形態1の放電装置1(図1参照)における1段目の回路ユニット4Aにおける第1スイッチSW1を、保護用ダイオード401に置き換えている。また、実施形態1の放電装置1(図1参照)における2段目の回路ユニット4Bを、1段目の回路ユニット4Aに置き換えている。
そして、本形態においては、回路ユニット4は2段となっている。つまり、パルスパワー電源回路部3の回路ユニット4の段数Nは2である。そして、回路ユニット4と電源保護ユニット40とを併せたマルクス回路の段数(N+1)は、3となる。この段数については、実施形態1と同様に、特に限定されるものではない。
パルス放電負荷2へパルス電圧を出力するにあたっては、パルスパワー電源回路部3を、図20に示す直列状態に切り替える。これにより、直流電源5と(N+1)個のコンデンサCmとが直列接続され、パルス放電負荷2には、Vin×(N+2)の電圧が印加されることとなる。
パルス放電負荷2の誘電体層22の容量成分から、電荷を回収する際には、図21に示すごとく、パルスパワー電源回路部3を並列状態にする。これにより、パルス放電負荷2における電極間電圧が、電源電圧Vinに下がるまで、パルス放電負荷2からパルスパワー電源回路部3へ電流が流れる(破線矢印Ic参照)。ここで、パルス放電負荷2からパルスパワー電源回路部3へリプル電流が流入することもある。この場合でも、電源保護ユニット40の保護用ダイオード401によって、リプル電流が堰き止められる。それゆえ、直流電源5へのリプル電流の流入が防がれる。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
本形態においては、上記のように、パルス放電負荷2からパルスパワー電源回路部3のエネルギー蓄積部31への電気エネルギー回収の際に、電源保護ユニット40の保護用ダイオード401によって、直流電源5への電流の逆流を防ぐことができる。これにより、直流電源5を保護することができる。また、直流電源5に接続された他の機器へのリプル電流の流入をも防ぐことができ、他の機器の保護にもつながる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 放電装置
2 パルス放電負荷
211 第1放電用電極
212 第2放電用電極
22 誘電体層
3 パルスパワー電源回路部
31 エネルギー蓄積部

Claims (8)

  1. 第1放電用電極(211)及び第2放電用電極(212)と、上記第1放電用電極及び第2放電用電極の少なくとも一方の内側面に配された誘電体層(22)と、を備えたパルス放電負荷(2)と、
    上記パルス放電負荷にパルス電圧を周期的に出力するパルスパワー電源回路部(3)と、を有する放電装置(1)であって、
    上記パルスパワー電源回路部(3)は、電気エネルギーを蓄積することができるエネルギー蓄積部(31)を有し、
    上記パルスパワー電源回路部は、上記エネルギー蓄積部と上記パルス放電負荷との間において電気エネルギーを可逆的に移動させることができるよう構成されており、
    上記パルスパワー電源回路部は、複数のコンデンサ(Cm)と複数のスイッチ(SW)とを有し、複数の上記スイッチのオンオフの切り替えにより、複数の上記コンデンサを互いに直列接続した直列状態と、複数の上記コンデンサを互いに並列接続した並列状態と、を切り替えることができるよう構成されており、上記直列状態にて、上記パルス放電負荷へのパルス電圧の出力を行い、上記並列状態にて、上記パルス放電負荷の上記誘電体層の容量成分(C2)から上記エネルギー蓄積部への電気エネルギーの回収を行うよう構成されている、放電装置。
  2. 上記パルスパワー電源回路部は、互いに接続された複数段の回路ユニット(4)と、1段目の上記回路ユニットに正極が接続された直流電源(5)と、最終段の上記回路ユニット(4、4Z)と上記直流電源の負極との間に接続された直列スイッチユニット(6)と、を有し、
    複数の上記スイッチとして、上記回路ユニットに属する第1スイッチ(SW1)及び第2スイッチ(SW2)と、上記直列スイッチユニットに属する第3スイッチ(SW3)とを有し、
    上記回路ユニットは、上記第1スイッチと上記第2スイッチとを中間接続点(41M)において互いに直列接続してなるスイッチ直列体(41)と、該スイッチ直列体に並列接続された上記コンデンサと、を有し、上記スイッチ直列体と上記コンデンサとの接続部として、第1接続部(421)及び第2接続部(422)を有し、
    上記直列スイッチユニットは、複数の上記第3スイッチを互いに直列接続してなり、
    最終段の上記回路ユニットの上記第1接続部が、上記パルス放電負荷の上記第1放電用電極に接続され、
    上記直流電源の負極と上記直列スイッチユニットの一端とは、互いに接続されると共に、上記パルス放電負荷の上記第2放電用電極に接続され、
    1段目の上記回路ユニット(4、4A)の上記中間接続点に、上記直流電源の正極が接続されており、
    k段目の上記回路ユニットの上記中間接続点に、(k-1)段目の上記回路ユニットの上記第1接続部が接続されており、
    上記kは、2以上の自然数であり、
    k段目の上記回路ユニットの上記第2接続部と、(k-1)段目の上記回路ユニットの上記第2接続部との間には、上記直列スイッチユニットにおける上記第3スイッチが介在しており、
    1段目の上記回路ユニットの上記第2接続部と上記直流電源の負極との間にも、上記直列スイッチユニットにおける上記第3スイッチが介在している、請求項1に記載の放電装置。
  3. 上記第1スイッチ及び上記第3スイッチをオフにすると共に上記第2スイッチをオンにすることにより、上記直列状態を形成し、上記第1スイッチ及び上記第3スイッチをオンにすると共に上記第2スイッチをオフにすることにより、上記並列状態を形成する、請求項2に記載の放電装置。
  4. 上記パルスパワー電源回路部は、上記スイッチとして、互いに直列接続された第4スイッチ(SW4)及び第5スイッチ(SW5)をさらに有し、最終段の上記回路ユニットは、上記スイッチ直列体及び上記コンデンサに、上記第4スイッチと上記第5スイッチとの直列体である付属スイッチ直列体(43)を、並列接続してあり、上記付属スイッチ直列体における上記第4スイッチと上記第5スイッチとの接続点(43M)が、上記パルス放電負荷の上記第1放電用電極に接続されている、請求項2又は3に記載の放電装置。
  5. 上記パルス放電負荷の上記誘電体層の容量成分から上記エネルギー蓄積部への電気エネルギーの回収を行う際には、上記第1スイッチ、上記第3スイッチ、及び上記第4スイッチをオンにすると共に上記第2スイッチ及び上記第5スイッチをオフにして、上記並列状態を形成し、その後、上記パルス放電負荷の電極間電圧が、上記直流電源の電源電圧まで低下したとき、上記第4スイッチをオフに切り替えるとともに、上記第5スイッチをオンに切り替えることで、上記パルス放電負荷の上記第1放電用電極と上記第2放電用電極とを短絡させるよう構成されている、請求項4に記載の放電装置。
  6. 上記パルスパワー電源回路部は、1段目の上記回路ユニットと上記直流電源の正極との間に介在した電源保護ユニット(40)を、さらに有し、
    上記電源保護ユニットは、保護用ダイオード(401)と、該保護用ダイオードのアノードに接続された上記スイッチである第6スイッチ(SW6)と、上記保護用ダイオードと上記第6スイッチとの直列体である保護用直列体(44)に並列接続された上記コンデンサと、上記保護用直列体と上記コンデンサとの接続部である第3接続部(423)及び第4接続部(424)と、を有し、
    上記第3接続部が、1段目の上記回路ユニットの上記中間接続点に接続され、上記第4接続部と、上記直流電源の負極との間に、上記直列スイッチユニットの上記第3スイッチが介在し、上記第4接続部と1段目の上記回路ユニットの上記第2接続部との間にも、上記直列スイッチユニットの上記第3スイッチが介在している、請求項2~5のいずれか一項に記載の放電装置。
  7. 上記パルスパワー電源回路部は、上記パルス放電負荷と直列接続される誘導成分(L)を有し、上記誘導成分は、上記パルス放電負荷の上記誘電体層の容量成分と共振可能に構成されており、上記誘導成分が、上記エネルギー蓄積部の少なくとも一部を構成している、請求項1~6のいずれか一項に記載の放電装置。
  8. 上記パルスパワー電源回路部は、上記エネルギー蓄積部から上記パルス放電負荷への電気エネルギーの移動と、上記パルス放電負荷から上記エネルギー蓄積部への電気エネルギーの移動とを、上記誘導成分と上記容量成分との共振周期の間に実行するよう構成されている、請求項7に記載の放電装置。
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