JP2002153406A - ワイピングクロスおよびその製造方法 - Google Patents

ワイピングクロスおよびその製造方法

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JP2002153406A JP2000350669A JP2000350669A JP2002153406A JP 2002153406 A JP2002153406 A JP 2002153406A JP 2000350669 A JP2000350669 A JP 2000350669A JP 2000350669 A JP2000350669 A JP 2000350669A JP 2002153406 A JP2002153406 A JP 2002153406A
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wiping
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Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Kazuo Umeda
和生 梅田
Toshiaki Shimizu
敏昭 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】拭き取り性、手持ち感、風合い、クッション
性、地厚感などに優れた工業用高級ワイピングクロスお
よびその製造方法を提供すること。 【解決手段】タテ糸およびヨコ糸は単繊維フィラメント
繊度が0.001〜0.1dtexの生糸とケン縮糸の
複合加工糸を用いた織物からなることを特徴とするワイ
ピングクロス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイピング機能性が
高く、手持ち感、風合い、クッション性などに優れ、工
業用に適したワイピングクロスおよびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来のワイピングクロスには、特公昭6
1−58573号公報に提案されているように、超極細
編織物や、ナイロンとポリエステル系ポリマーとの分割
型繊維からなる布帛が用いられてきた。また、実開平7
−24984号公報に提案されているように、畝状ある
いは格子状に浮いている組織の極細編織物が用いられて
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる従来の
ワイピングクロスはワイピング機能としてはあるレベル
に達しているものの、布帛の表面構成が平滑であるた
め、高級品や超精密品など拭き取る物によっては、満足
すべきワイピング性能を得られない場合があった。
【0004】特に布帛の表面構成において、タテ糸ある
いはヨコ糸の一方が0.001〜0.5デニールの超極
細合成繊維を用い、他方が1デニール以上の比較的太い
繊度の合成繊維や天然繊維を用い、超極細繊維が布帛の
表面に浮かないような織物組織では、充分なワイピング
性能が得られない場合が多い。
【0005】このような問題点を改善するため、特公昭
61−58573号公報に提案されているように、液体
ジェットパンチ加工を施し単繊維間を開繊し、交絡さ
せ、嵩高性を付与する方法も採用されていたが、工業用
の高級品を磨くには地薄でありボリューム感やクッショ
ン性が不十分であった。また、織物組織においては平織
が主体であり、斜文織や朱子織など組織の浮き糸を工夫
した織物は見受けられなかった。
【0006】そのため、一般のメガネレンズを保護する
ためのセリート用として使用されたが、高級品や工業用
などに適用するには難点があった。
【0007】さらに、このような難点を改善するため、
実開平7−24984号公報に記載されているように、
畝状あるいは格子状に浮いている組織の極細編織物があ
ったが、ヨコ糸には通常DTYと呼ばれる仮ヨリ加工糸
を用いるので、地薄感やボリューム感あるいはクッショ
ン性は改善されるものの、拭き取り性の低下とふかつき
による手持ち感には方向性があり充分ではなかった。
【0008】本発明はかかる従来技術に鑑み、拭き取り
性、手持ち感、風合い、クッション性、地厚感などに優
れた工業用に適した高級感あふれる、ワイピングクロス
およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解
決するために次の構成を有する。すなわち、 (1)タテ糸およびヨコ糸は単繊維フィラメント繊度が
0.001〜0.1dtexの生糸とケン縮糸の複合加
工糸を用いた織物からなることを特徴とするワイピング
クロス。
【0010】(2)組織点が布面に斜めに走る畝線を形
成する組織の斜文織物であることを特徴とする前記
(1)に記載のワイピングクロス。
【0011】(3)海島型あるいは分割型の複合繊維の
生糸と該複合繊維の仮ヨリケン縮糸とを交絡処理した複
合加工糸を、タテ糸とヨコ糸に用いて織物とし、該織物
を脱海または分割処理することを特徴とするワイピング
クロスの製造方法。
【0012】(4)該織物を脱海または分割処理した
後、ウオータージェットパンチ加工を施すことを特徴と
する前記(3)に記載のワイピングクロスの製造方法。
【0013】(5)織物が斜文織物であることを特徴と
する前記(3)または(4)に記載のワイピングクロス
の製造方法。
【0014】このように、超極細繊維の生糸と仮ヨリ糸
を交絡させた複合加工糸をタテ糸とヨコ糸に用いた織物
とすることにより、好ましくは斜文織物とすることによ
り、特に拭き取り性と手持ち感に優れた工業用に適した
ワイピングクロスを得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のワイピングクロスは、超
極細繊維の生糸と仮ヨリ糸を交絡させた複合加工糸をタ
テ糸とヨコ糸に用いた織物であって、該組織点が布面に
斜めに走る畝線を形成する組織の斜文織物であることが
好ましい。
【0016】織物の組織において、平織物は丈夫な組織
ではあるが手触りが堅くなったり、地薄であることや組
織点にすきまを作りやすいので、手持ち感やふき取り性
は低く工業用や高級品用としての、ワイピングクロスに
は不向きである。
【0017】また、朱子織物はタテ糸とヨコ糸がそれぞ
れ4本以上浮く組織であるが、光沢やソフト風合い感が
優れているものの摩擦に弱いので、ワイピングクロスに
はやはり不向きである。
【0018】本発明において斜文織物は、組織点が布面
に斜めに走る畝線を形成することにより、地厚になり拭
き取りの平滑性や性能を向上させることができるので好
ましい。織物組織図において表される1/2、2/2、
1/3 などと呼ばれる組織が好ましいが、2/2が織
物の表・裏の特性差が生じにくく、ワイピングクロスに
は最も適した組織である。
【0019】本発明に用いられるタテ糸およびヨコ糸を
構成する複合糸の単繊維フィラメント繊度は生糸および
仮ヨリケン縮糸とも、0.001〜0.1dtexの範
囲にあるものであり、該超極細繊維の生糸と仮ヨリケン
縮糸の複合加工糸からなる。なお、これらの単繊維フィ
ラメント繊度は0.005〜0.01dtexであるこ
とが好ましい範囲である。
【0020】なお、複合形態としては、流体交絡処理に
よるものが好ましいが、流体撹乱処理によるものであっ
てもよい。
【0021】単繊維フィラメント繊度が0.1dtex
より太くなる場合には、工業用としてのワイピングクロ
ス性能が不十分となり、一方0.001dtexより細
くなると合成繊維を製造することが困難であることや、
単糸切れによる毛羽立ちがワイピングクロスとしての耐
久性を低下させるなどの問題がある。
【0022】本発明を構成する織物の合成繊維は、たと
えばスーパードロー方式による方法や、2種以上のポリ
マー成分からなる海島型複合繊維または分割型複合繊維
などを脱海または分割する方法によって得ることができ
る。
【0023】上記の合成繊維を構成するポリマーとして
は、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニールアルコー
ル、ポリオレフィン、ポリスチレンなどがあげられる。
複合繊維を脱海または分割する場合において、特にポリ
エステルとポリスチレン、ポリエステルとスルホイソフ
タル酸を共重合したコポリエステル、ポリアミドとポリ
エステルの組み合わせが好ましく適用できる。
【0024】例えば、多芯状の海島型複合繊維を用いる
場合には、通常、ポリエステルを島成分に、ポリスチレ
ンまたはスルホイソフタル酸を共重合したコポリエステ
ルを海成分に配置した例が好ましく、また分割型複合繊
維では、ポリアミドを中心から放射状に配置して、この
ポリアミド相でポリエステル成分を複数相に分割あるい
は割繊して複合化した断面形状のものが好ましく用いら
れる。
【0025】本発明では、かかる合成繊維の中でも細い
ほど、また異形断面でそれも鋭角を有するほど、ワイピ
ング効果が優れるのである。かかる異形断面繊維は単独
でも丸断面繊維と混用しても、ワイピング効果は向上す
るので好ましい用い方である。
【0026】織物内において単繊維フィラメント糸の繊
度を0.001〜0.1dtexに超極細化するには、
元々海島型あるいは分割型の複合繊維を用いるものであ
り、このような、タテ糸とヨコ糸を用いると、拭き取り
性能はタテ・ヨコ方向とも4.5級以上のほぼ最高値
(5級が最高)のワイピングクロスを得ることができる
のである。
【0027】拭き取りにあたって、拭き取り作業性は手
持ち感や地厚感が大きく影響する。例えば、該超極細繊
維の生糸100%ではぬめり感が強すぎて平滑性が劣る
ので好ましくなく、また逆に該超極細繊維の仮ヨリケン
縮糸100%ではふかつき感があり平滑性が大きすぎ
て、好ましくない。
【0028】本発明は該超極細繊維の生糸と該超極細繊
維の仮ヨリケン縮糸を複合化し、両繊維がこなれた糸構
造を形成するので、適度な拭き取り作業性と高い拭き取
り性能を有することができるのである。
【0029】さらに、手持ち感や嵩高性あるいは地厚感
を付与するために、織物の目付を150〜300g/m
2 とすることが好ましい。より好ましい範囲は170〜
250g/m2 である。150g/m2 未満であるとク
ッション性に乏しく、手持ち感や風合いが満足できるレ
ベルでなく、ボリューム感に欠ける。また、300g/
2 を越えるとワイピングクロスとして使用するには地
厚過ぎるので、拭き取り作業性が低下しやすくなり、手
持ち感や風合いが好ましくないのである。
【0030】この範囲の目付の織物を得るには、繊度が
220〜350dtex使いの複合加工糸をタテ糸とヨ
コ糸に用いた織物設計が適している。
【0031】該ワイピングクロスの品質をさらに改善す
るために、ウオーター・ジェット・パンチ加工が施され
ると、嵩高性やハリ・腰の風合い向上、厚地感等に優れ
た手持ち感が得られ、該超極細繊維が無秩序に配列する
ことから、拭き取りの方向性は全くなくなり性能もさら
に向上するのである。
【0032】次に製造方法について説明する。
【0033】図1は本発明にかかるワイピングクロスの
織物に用いるタテ糸とヨコ糸の複合加工糸の糸形態の一
例を示す概略図である。Aは仮ヨリ加工が施されていな
い合成繊維マルチフィラメント糸、Bは仮ヨリ加工が施
されたケン縮を有した合成繊維マルチフィラメント糸で
ある。Cは鞘糸状のAと芯糸状のBが交絡した部分であ
る。このように、AとBの糸は空気交絡により混繊され
た構造の複合加工糸である。
【0034】本発明の複合加工糸の製造方法について説
明する。図2は該複合加工糸を製造する糸加工工程図で
ある。図面に従い詳細に説明するならば、脱海あるいは
分割前の合成繊維マルチフィラメント糸1をパッケージ
より解じょし、コンペンセータ3を経て交絡ノズル8へ
生糸の状態で供給する。コンペンセータ3は張力を制御
できる装置であって、通常用いられるデスク型ワッシャ
ーやマグネットテンサー型などである。該マルチフィラ
メント糸1は通常のフィードローラを介することなく直
接、交絡ノズル8へ生糸の状態で供給するものである。
【0035】一方の脱海あるいは分割前の合成繊維マル
チフィラメント糸2をパッケージより解じょし、フィー
ドローラ4から仮ヨリ加工域に供給する。スピンドル型
ヨリ掛け具6にて仮ヨリ加ネンを行い、ヒータ5で熱セ
ットし、解ネン後デリベリーローラ7から仮ヨリ加工さ
れたケン縮糸を引き出す。
【0036】該ケン縮糸と前記の生糸とを引き揃えて交
絡ノズル8にて交絡処理を施し、リラックスローラ9を
介して巻き取りローラ10によりチーズに巻き上げ複合
加工糸を製造するものである。
【0037】複合加工糸の製造方法の特徴は前記した合
成繊維マルチフィラメント糸1を解じょ後、コンペンセ
ータ3で張力制御しながら給糸することである。通常の
仮撚り加工工程管理や操業性および製造コストからいえ
ば、一般的にはフィードローラによる給糸方式が採用さ
れる。しかし、フィードローラ方式を使用すると該複合
加工糸の交絡数のバラツキが多くなり、後工程において
交絡外れや扱きネップが発生しやすくなるので好ましく
ないのである。
【0038】これは、脱海あるいは分割前の合成繊維マ
ルチフィラメント糸1の単繊維フィラメント繊度が5〜
10dtexと太いことや、単繊維フィラメント本数が
20本以下と少ないことなどから剛直化した様なフィラ
メント糸を一定速度で供給されるので、もし交絡されに
くい部分が存在すると、その部分の糸長さが飛び出し、
絡み不良による交絡ムラが起こり結局バラツキとなって
表れるのである。
【0039】コンペンセータ3を使用すると、必要な糸
長さのみ交絡されるので、これらの現象は比較的起こり
にくく、したがて交絡のバラツキは少なくなると思われ
る。
【0040】本発明の施撚具としてはスピンドル型ヨリ
掛け具を用いることが好ましい。これは、剛直化した様
なフィラメント糸に設定通りの仮ヨリ加ネンヨリ数を施
すことに最適である。通常使用されるフリクション型や
ベルトニップ型のヨリ掛け具では、高仮ヨリ数が入りに
くく、またディスクやベルトの摩耗が激しくなるので、
工程通過性に問題が生じたり、品質バラツキも多くなり
好ましくない。
【0041】仮ヨリ加工温度については毛羽や未解ネン
などが発生しやすいので、通常のポリエチレンテレフタ
レートより40〜50℃低い165〜175℃が適して
いる。
【0042】鞘糸状のBは一定過剰供給状態で交絡処理
を施し、芯糸状のAは一定張力状態を有しているので、
若干の緊張状態つまり一定過少供給状態にある。この状
態で両糸(A,B)に交絡処理を施すので、フィード量
としては差を有している。フィード量差は鞘糸状のBが
芯糸状のAと同等もしくは10%以下が好ましい範囲で
ある。
【0043】次に製織工程について説明する。本発明に
用いる織物はタテ糸およびヨコ糸の両方に前記した複合
加工糸を用いて製織するのである。タテ糸あるいはヨコ
糸の一方を別の太い繊度の繊維フィラメント糸を用いる
と製造コスト的には有利であるが、拭き取り性能の低下
が大きくなるという問題がある。
【0044】織物の組織は従来変化組織が多く、タテ糸
またはヨコ糸が畝状または格子状に浮いている織物が多
いが、工業用などでは斜文織が適している。中でも裏表
が同じように使用でき、タテ糸またはヨコ糸が同じ比率
で浮いている2/2ツイルの織物組織が操作性や拭き取
り性あるいは風合いなどが好ましい。
【0045】このように、最もバランスのとれた織物構
造は表裏が同じ構造であって、ワイピング特性も同一で
あり、意匠面においても好ましい商品が得られるのであ
る。図3は2/2ツイルの織物組織を示した。ヨコ糸が
浮いた部分を白く、ヨコ糸が沈んだ部分を黒く示した織
物である。表地の畝線は右上がりに、裏地の畝線は左上
がりに形成する組織である。
【0046】次に製織した生機を染色工程において極細
化の後加工を行うのである。生機を精練後、酸処理を行
い溶出する海成分を脆化させ、続いて苛性ソーダで処理
することにより海成分を溶出するのである。酸処理を施
さなくても溶出は可能であるが、効果的な溶出を行うに
は酸処理を行うことが好ましい方法である。 続いて染
色仕上げセット工程を通し製品に仕上げるのである。
【0047】溶出処理後あるいは染色後に例えば100
kg/cm2 の高圧力のウオータージェットパンチ加工を
施し、ハリ・腰および嵩高性の風合い改善を行うことが
できる。
【0048】本発明のワイピングクロスの用途は、主に
工業用途に適しており、例えばVTRやコンパクト・デ
ィスクのクリーニング布、ディスクの研磨、ろ過布、一
般消費材としてはグラス、貴金属、高級置物品、窓ガラ
ス、OA機器、自動車などのウインド、楽器、鏡などの
汚れ落としや油膜取りなどに極めて有効である。
【0049】なお、ワイピング特性は次のようにして評
価した。
【0050】シリコーンオイルSH200(東レ・ダウ
コーニング・シリコーン(株)製)を注射針で約5mg
ガラス板に滴下し、径450mm、重さ1kgの円柱状
の重りの一端に厚さ約1mm相当の織物(クッション
材)を介して輪ゴムにより固定したワイピングクロス試
料をガラス板上に乗せて、1m/分の速度で移動させ、
シリコーンをふき取る。乾式複写機用トナーをガラス板
上に振りかけ、圧縮空気で飛ばした後のガラス板面にセ
ロハンテープを貼り付けてガラス板状の残留トナーを剥
ぎ取り、これを白紙上で肉眼観察により判定する。トナ
ーがほとんど観察されないもの(レンズ上の油膜をほぼ
完全に拭き取ったもの)を5級、トナーが極めて多量に
観察されるもの(レンズ上の油膜がほとんど残るもの)
を1級として5段階に評価した。
【0051】風合い、クッション性は触感による官能評
価を行った。意匠は視覚による官能評価を行った。
【0052】
【実施例】実施例1 海成分としてスルホイソフタール酸を5%共重合したポ
リエステル、島成分としてレギュラーポリエステルを用
い、海/島比を10/90とする。溶出前の1本のフィ
ラメントの島数を70島とし、総繊度135dtexフ
ィラメント数18本を用いる。これは、海成分を溶出し
島成分を取り出したと仮定した場合の単繊維フィラメン
ト総本数は1260本(18本×70島=1260
本)、単繊維フィラメント繊度は0.006dtex
(135dtex/18本=7.5dtex、7.5d
tex/1260本=0.006dtex)になる糸構
成である。
【0053】このポリエステルフィラメント糸(135
dtex−18フィラメント)1糸条を用いて仮撚り加
工温度170℃、仮撚り数2400t/m、フィード率
−1.2%、で仮撚り加工を施し芯糸を製造する。一方
同ポリエステルフィラメント糸(135dtex−18
フィラメント)1糸条を用いて給糸張力2〜3gにて鞘
糸とする。両該糸条を引き揃えて空気交絡圧力0.4M
P、オーバフィード率+12.1%にて交絡処理を施
す。しかる後、ワインドローラにてチーズに巻き上げる
ことによって、図1のような複合加工糸を製造した。
【0054】該複合加工糸(135dtex/2−18
フィラメント)をタテ糸とヨコ糸に使用し、2/2ツイ
ルにて織り上げ密度がタテ・ヨコ(本/インチ)107
×54の生機を得た。
【0055】この、生機を精練後、マレイン酸処理によ
り海成分を脆化させ、次いで苛性ソーダで処理すること
により海成分を溶出した。
【0056】さらに、染色後に100kg/cm2 の圧力
のウオータージェットパンチ加工を実施し、仕上げセッ
トなど通常の工程を通し、製品として仕上げた。製品の
密度タテ・ヨコ(本/インチ)が127×67、目付1
95g/m2 であった。
【0057】この生地を15cm×12cmに裁断し、
ワイピング特性を評価した結果、タテ・ヨコ方向とも
4.5級の良好な拭き取り性を得た。
【0058】
【発明の効果】本発明のワイピングクロスは、タテ方向
およびヨコ方向、あるいは裏表に拭き取り性能に違いが
なく、どの面・方向においても容易に使用できる。
【0059】特に工業用の超精密部品や超高級品の拭き
取り性には、超微細なほこりも拭き取る優れた機能を有
しているのである。これは、溶出後の単繊維フィラメン
ト繊度が0.001〜0.1dtexの超極細繊維から
構成された布帛であるため、この繊度の糸径レベルに相
当するほこりを容易に拭き取ることができるのである。
【0060】手触り感は肉厚で嵩高く、目付も重く手応
え滑り感のある生地であり、拭き取り操作性に優れてい
るのである。
【0061】風合いはクッション性がありしっかりした
生地構成であり、繰り返し使用による耐久性にも優れて
いるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する複合加工糸の一例を示す糸形
態概略図である。
【図2】本発明の加工糸の製造工程一例を示す工程図で
ある。
【図3】本発明のワイピングクロスの織物組織の一態様
である、2/2ツイルの模式図である。
【符号の説明】
A:鞘糸(生糸) B:芯糸(仮撚り加工糸) C:交絡部 1:脱海あるいは分割前の合成繊維マルチフィラメント
糸 2:脱海あるいは分割前の合成繊維マルチフィラメント
糸 3:コンペンセータ 4:フィードローラ 5:ヒータ 6:スピンドル型ヨリ掛け具 7:デリベリーローラ 8:交絡ノズルラ 9:リラックスローラ 10:巻き取りローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06B 19/00 D06B 19/00 Z D06C 11/00 D06C 11/00 Z D06M 11/38 D06M 5/02 E Fターム(参考) 3B074 AA02 AA07 AB01 3B154 AA07 AA08 AA09 AA17 AA18 AB20 BA23 BA25 BB35 BF07 DA09 DA30 4L031 AA18 AB32 BA11 BA33 CA01 CA17 4L036 MA05 MA16 MA24 MA33 MA39 PA33 PA42 PA46 RA05 RA25 UA25 4L048 AA21 AA29 AA35 AB08 AB18 AB21 BA01 BA05 CA09 CA13 CA15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タテ糸およびヨコ糸は単繊維フィラメント
    繊度が0.001〜0.1dtexの生糸とケン縮糸の
    複合加工糸を用いた織物からなることを特徴とするワイ
    ピングクロス。
  2. 【請求項2】組織点が布面に斜めに走る畝線を形成する
    組織の斜文織物であることを特徴とする請求項1に記載
    のワイピングクロス。
  3. 【請求項3】海島型あるいは分割型の複合繊維の生糸と
    該複合繊維の仮ヨリケン縮糸とを交絡処理した複合加工
    糸を、タテ糸とヨコ糸に用いて織物とし、該織物を脱海
    または分割処理することを特徴とするワイピングクロス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】該織物を脱海または分割処理した後、ウオ
    ータージェットパンチ加工を施すことを特徴とする請求
    項3に記載のワイピングクロスの製造方法。
  5. 【請求項5】織物が斜文織物であることを特徴とする請
    求項3または4に記載のワイピングクロスの製造方法。
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