JP2002151174A - 端子装置 - Google Patents

端子装置

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JP2002151174A JP2000348765A JP2000348765A JP2002151174A JP 2002151174 A JP2002151174 A JP 2002151174A JP 2000348765 A JP2000348765 A JP 2000348765A JP 2000348765 A JP2000348765 A JP 2000348765A JP 2002151174 A JP2002151174 A JP 2002151174A
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直樹 金本
Masahiro Kotsuna
正浩 忽那
Yasuhiro Sumino
安弘 住野
Hiroyuki Tateishi
博之 立石
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辰也 高木
Takeshi Suzuki
健 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鎖錠ばねと電線とのかかりしろを従来構成より
も大きくし、電線に張力が作用しても電線と鎖錠ばねと
の接触状態を安定に保つ端子装置を提供する。 【解決手段】器体1に貫設した電線挿入孔12を通して
器体1に導入された電線2に接触する端子板32を備
え、端子板32の主片32aと鎖錠ばね33に設けた鎖
錠片33bとの間で電線2が挟持される。端子板32の
連結片32cには段差部32gを介して固定板32fが
形成され、連結片32cにおいて電線2の先端に対向す
る部位に対して、鎖錠ばね33が固定板32fに当接す
る部位のほうが電線挿入孔12に近い側に位置する。し
たがって、鎖錠ばね33の位置を従来構成と同じとすれ
ば、器体1への電線2の挿入量を従来構成よりも大きく
することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチ、コンセ
ント、照明器具などの電気器具の器体に収納され電線を
接続する端子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、スイッチやコンセントのよう
な配線器具あるいは照明器具などにおいて、器体に設け
た電線挿入孔を通して器体に導入された電線を接続する
ために速結端子と称する端子装置が広く用いられてい
る。この種の端子装置としては、図12に示すように、
器体1に収納され電線挿入孔12を通して器体1に導入
された電線2に接触する端子板3と、端子板3との間で
電線を挟持する鎖錠ばね33とを備えるものが知られて
いる。鎖錠ばね33は板ばねであって、鎖錠ばね33に
設けた接触片33aおよび鎖錠片33bと端子板3との
間に電線2を挟持することによって電線2を保持するよ
うに形成されている。つまり、器体1に設けた電線挿入
孔12を通して電線2を器体1に導入すると、電線2が
接触片33aおよび鎖錠片33bを端子板3から引き離
す向きに撓ませ、接触片33aおよび鎖錠片33bに生
じるばね力によって電線2が端子板3と鎖錠片33bと
の間に挟持されるように構成されている。ここに、電線
2が端子板3と接触片33aおよび鎖錠片33bとの間
に挟持された状態では、接触片33aおよび鎖錠片33
bの端縁が電線2に弾接し、電線2の一部に鎖錠片33
bが食い込むことによって電線2の抜け止めがなされ
る。このように、電線2を電線挿入孔12に挿入するだ
けで端子板3に電線2が接触した状態で保持されるか
ら、端子ねじを用いて電線2を接続する端子装置に比較
すると電線2の結線作業が容易になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、器体1の中
で鎖錠ばね33を定位置に固定するために、鎖錠ばね3
3を器体1の内側面と端子板3との間で挟持する構成が
一般に採用されている。つまり、端子板3は図13に示
すように、電線2に接触するように電線2の導入方向に
沿って形成された主片3aと、電線2の先端に対向する
ように主片3aから延長された連結片3cとを備えてお
り、連結片3cと器体1の内側面との間で鎖錠ばね33
を挟持する構成が広く採用されている。
【0004】しかして、電線2を最大に挿入したときの
電線2の先端位置は連結片3cにより規制されることに
なり、図13に示す端子板32では連結片3cが平板状
であるから、連結片3cにおいて鎖錠ばね33に当接す
る部位によって電線2の最大の挿入量が規制されること
になる。言い換えると、電線2の先端側において接触片
33aから電線2の先端までの距離(いわゆる、かかり
しろ)が小さく、電線2に張力が作用したときに接触片
33aと電線2との接触状態が不安定になる可能性が生
じる。
【0005】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、鎖錠ばねと電線とのかかりしろを従
来構成よりも大きくし、電線に張力が作用したときにも
電線と鎖錠ばねとの接触状態を安定に保つことができる
端子装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電気
器具の器体に貫設した電線挿入孔を通して器体に導入さ
れた電線に接触する端子板と、端子板に向かってばね付
勢され端縁を前記電線に弾接させることにより端子板と
の間で前記電線を挟持する鎖錠片を有した鎖錠ばねとを
備え、端子板が、前記電線の導入方向に沿って電線に接
触する主片と、前記電線の先端に一部が対向するように
主片から延長された連結片とを備え、鎖錠ばねにおける
前記電線の導入方向の一端が器体の内側面に当接すると
ともに前記電線の先端側の他端が固定部材に当接して、
鎖錠ばねが器体と固定部材との間に挟持される形で器体
内の定位置に固定され、前記固定部材における鎖錠ばね
との当接部位が連結片において前記電線の先端との対向
部位よりも鎖錠ばねの前記一端側に位置するものであ
る。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記固定部材が、前記連結片の一部であって前記電
線の先端に対向する部位とは段差部を介して連続一体に
形成された固定板であることを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記固定部材が、前記器体の内側面に突設された固
定突起であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施の形態では、
本発明の端子装置をスイッチに適用した例を示すが、他
の電気機器において同様の構成を適用するのを妨げるも
のではない。
【0010】(第1の実施の形態)まず、端子装置を適
用するスイッチについて説明する。図4ないし図6に示
すスイッチは、前面(図4の上面)が開口した直方体状
の合成樹脂成形品のボディ10と、矩形枠状に形成され
ボディ10の前面側に結合される合成樹脂成形品のカバ
ー20とにより構成される器体1を備える。ボディ10
の幅方向における両外側面にはボディ10の長手方向に
離間して各一対の組立突起11が突設され、カバー20
の後端縁からは組立舌片21が後方に延設され、組立舌
片21に設けた組立孔21aに組立突起11が係合する
ことによってボディ10とカバー20とが結合される。
【0011】ボディ10には、ボディ10の後壁に設け
た電線挿入孔12を通して器体1に挿入される電線2
(図1参照)を接続する2個の端子装置30a,30b
と、端子装置30a,30bの間の電路を開閉する接点
装置40とが収納される。一方、カバー20の中央部の
開口窓22には合成樹脂成形品の反転ハンドル50がカ
バー20に対して揺動自在に枢支された形で装着され、
この反転ハンドル50の揺動に伴って接点装置40が開
閉される。反転ハンドル50の前面側にはカバー20の
前面に重複する合成樹脂成形品の操作ハンドル60が着
脱可能に結合され、操作ハンドル60を操作部として揺
動させることにより、反転ハンドル50が揺動して接点
装置40が開閉されるようにしてある。
【0012】ボディ10の内側面には、端子装置30
a,30bおよび接点装置40を位置決めするための保
持リブ13および保持溝14がそれぞれ複数形成されて
いる。端子装置30a,30bはボディ10の長手方向
の両端部内に配置され、接点装置40はボディ10の長
手方向の中央部内に配置される。
【0013】端子装置30a,30bは、導電性の金属
板により形成された端子板31,32と、各端子板3
1,32ごとに2個ずつ設けた鎖錠ばね33と、各端子
板31,32ごとに2個ずつ設けた鎖錠ばね33に当接
する合成樹脂成形品の解除釦34とを備える。各端子板
31,32は、それぞれボディ10の長手方向の両端部
付近でボディ10の幅方向の両内側面に設けた保持溝1
4に両側部が挿入保持される主片31a,32aと、主
片31a,32aに対向する当接片31b,32bと、
主片31a,32aと当接片31b,32bとの前端縁
間を連続一体に連結するようにボディ10の開口面に沿
って延長された連結片31c,32cとを備える。当接
片31b,32bはボディ10の長手方向の中央部付近
でボディ10の幅方向の両内側面に形成された保持リブ
13に当接し、保持リブ13と保持溝14との間で端子
板31,32がボディ10に保持される。さらに、端子
板31,32の後端はボディ10に当接しており、端子
板31,32の前端(連結片31c,32c)にはカバ
ー20に突設した押さえ突起28が当接する。押さえ突
起28は連結片31c,32cにおいて主片31a,3
2aに近い部位で端子板31,32に当接する。本実施
形態においては押さえ突起28を端子板31,32に対
して点接触に近い状態で接触させている。
【0014】鎖錠ばね33は主片31a,32aと当接
片31b,32bとの間に収納される。端子板31には
連結片31cから延長されて先端部に固定接点41を備
える接点保持片31dがボディ10の長手方向の中央部
に向かって斜め後向き(図6の下向き)に延設される。
また、端子板32には当接片32bの後端縁からボディ
10の長手方向の中央部に向かってボディ10の後面に
沿う形で支持片32dが延設され、支持片32dの先端
部には前面開放された断面V字状の支点用溝32eが支
持片32dの延長方向に直交する形で形成される。
【0015】鎖錠ばね33は、帯状の板ばねの一端部を
S字状に曲成して接触片33aを形成し、他端部をJ字
状に曲成して鎖錠片33bを形成し、接触片33aと鎖
錠片33bとの間を接続片33cにより連続一体に連結
した形状に形成される。また、接触片33aおよび鎖錠
片33bは接続片33cに対して厚み方向の同じ側に突
出する。鎖錠ばね33を端子板31,32の主片31
a,32aと当接片32a,32bとの間に装着するに
際しては、接続片33cを当接片32a,32bに当接
させる形で接触片33aおよび鎖錠片33bを主片31
a,32aに対向させる。ここに、接触片33aおよび
鎖錠片33bの先端部は、先端側ほど接続片33cから
離れる向きに傾斜し、かつ互いに略平行になるように延
長されている。また、接触片33aおよび鎖錠片33b
の先端部は、先端側ほど連結片31c,32cとの距離
を小さくするように配置される。また、鎖錠ばね33
は、上述のように接続片33cを当接片31a,32a
に当接させるだけではなく、器体1において電線挿入孔
12を設けている部位の近傍の内側面と、端子板31,
32の連結片31c,32cとの間で挟持される。ただ
し、図1ないし図3に示すように、連結片31c,32
cは、主片31a,32aと当接片31b,32bとの
間の部位に段差部31g,32gを有し、段差部31
g,32gに対して当接片31b,32b寄りの部位は
主片31a,32a寄りの部位よりも後方に位置した固
定板31f,32fとなり、この固定板31f,32f
に鎖錠ばね33の一端が当接する。
【0016】上述した電線挿入孔12は、端子板31,
32の主片31a,32aと接触片33aおよび鎖錠片
33bとの間に対応する部位に形成され、電線挿入孔1
2を通して器体1に電線2を挿入すると、電線2の先端
部が主片31a,32aと接触片33aおよび鎖錠片3
3bとの間に挟持され、電線2が主片31a,32aに
接触して端子装置30a,30bと電線2とが電気的に
接続されるとともに、鎖錠片33bの先端縁が電線2に
食い込むことによって電線2が器体1から抜けないよう
に機械的に保持される。とくに、鎖錠片33bは電線挿
入孔12を通して電線2を挿入する向きにおいて主片3
1a,31bとの距離を小さくするように傾斜している
から、電線2を引き抜く向きの力に対して鎖錠片33b
が撓みにくく、電線2の引き抜きを確実に阻止すること
になる。ここに、電線2は絶縁被覆電線であって器体1
に挿入する部位は芯線が露出するように絶縁被覆が除去
される。したがって、主片31a,32aと鎖錠ばね3
3との間に電線2が挟持されるとは実際には芯線が挟持
されることを意味する。
【0017】ボディ10の後壁には解除釦34に対応す
る部位に操作孔15が貫設される。解除釦34は各端子
装置30a,30bに設けた2個ずつの鎖錠ばね33の
間に配置され、両鎖錠ばね33の鎖錠片33bの後面側
にそれぞれ当接する2個の押し片34aが側面から突出
する形状を有する。操作孔15はマイナスドライバの先
端部のような工具が挿入可能となる形状を有し、工具を
操作孔15に挿入して解除釦34を前方に押圧すると、
鎖錠片33bが押し片34aから押圧力を受けることに
より主片31a,32aから離れる向きに撓むようにし
てある。したがって、上述のようにして端子装置30
a,30bに電線2を接続した状態で操作孔15に工具
を挿入して解除釦34を押圧すれば、鎖錠片33bが電
線2から離れるように撓んで電線2の機械的保持が解除
され、電線2を器体1から引き抜くことが可能になる。
ここに、解除釦34には2個の押し片34aが設けら
れ、各端子装置30a,30bに設けた2個の鎖錠ばね
33の鎖錠片33bを同時に押圧するから、各端子装置
30a,30bに2本の電線2を接続しているときには
1個の解除釦34を押圧すれば2本の電線2の機械的保
持を同時に解除することができる。
【0018】上述したように、端子板31,32には段
差部31g,32gを介して固定板31f,32fを設
け、固定板31f,32fに鎖錠ばね33を当接させる
から、従来構成と比較すれば連結片31c,32cの一
部がボディ10の開口から突出する形になる(図1参
照)。言い換えると、他の構成および寸法が従来構成と
等しいものとすると、連結片31c,32cにおける電
線2の先端との対向部位が従来構成よりもカバー20側
に偏移していることによって、電線2の最大挿入量を従
来構成よりも大きくとることができ、結果的に接触片3
3aと電線2との接触部位から電線2の先端までの長さ
(かかりしろ)を従来構成よりも大きくとることが可能
になる。
【0019】接点装置40は、端子板32の支持片32
dに対して枢支された板状の開閉素子43を備え、開閉
素子43には端子板31の接点保持片31dに設けた固
定接点41に離接する可動接点42が設けられる。開閉
素子43の後端縁は支持片32dに設けた支点用溝32
eに挿入され、支点用溝32eを中心として開閉素子4
3が回動可能になっている。ボディ10の長手方向の中
央部であってボディ10の後部には開閉素子43の側縁
に突設された突片43aが挿入されるV字状の回動規制
溝16が形成され、回動規制溝16によって開閉素子4
3の回動範囲が規制される。開閉素子43と反転ハンド
ル50との間にはコイルスプリングからなる反転ばね4
4が保持されており、開閉素子43の前端部には反転ば
ね44の一端部内に挿入されるばね座片43bが突設さ
れる。
【0020】反転ばね44の他端部は反転ハンドル50
の後面側に設けた筒部(図示せず)に挿入される。器体
1の幅方向における反転ハンドル50の両側面には支点
突起51が突設され、各支点突起51は前端部が先細り
となる形状に形成されている。カバー20の長手方向の
中央部であって幅方向の両側部には開口窓22の周縁か
ら前方に突出する一対の軸受突片23が突設され、両軸
受突起23の対向面には反転ハンドル50の支点突起5
1が挿入される軸受凹所24が形成される。軸受凹所2
4は少なくとも前端部において支点突起51を揺動可能
に枢支する。反転ハンドル50の長手方向の一端部には
後述する位置表示灯71からの光を透過させるための透
孔52が貫設され、さらに反転ハンドル50の長手方向
の両端面には操作ハンドル60を反転ハンドル50に結
合するための結合爪53がそれぞれ突設される。
【0021】なお、カバー20の長手方向の両端部には
カバー20の両端部側縁に沿ってカバー20の前面から
突出する当てリブ25がそれぞれ突設され、各当てリブ
25の外側面には各一対の取付爪26が突設される。こ
こでは詳しく説明しないが、取付爪26は配線器具用の
取付枠に設けた取付孔に係合することによって器体1を
取付枠に保持させるために設けてあり、壁面などの施工
面に器体1の一部を埋め込む形で施工する際に、施工面
に固定される取付枠への器体1の結合作業が容易になっ
ている。また、当てリブ25は器体1を取付枠に取り付
けたときに取付枠の裏面側に当接することになる。操作
ハンドル60は両当てリブ25の間に配置され、操作ハ
ンドル60は揺動時において当てリブ25に干渉しない
ように形成される。このように当てリブ25をカバー2
0に突設し当てリブ25に取付爪26を設けたことによ
って、当てリブ25を設けない場合に比較すると操作ハ
ンドル60を後方に位置させることが可能になり、施工
状態においてカバー20と操作ハンドル60との間に形
成される隙間が外部から見えにくくなる。
【0022】操作ハンドル60は、図6に示すように、
反転ハンドル50の前面を覆い、操作ハンドル60の後
面には反転ハンドル50に設けた結合爪53に係合する
結合脚61が突設される。結合脚61の先端部(後端
部)には結合爪53の後面に係合する脚爪61aが形成
され、操作ハンドル60の後面に突設した押さえ突起6
2と脚爪61aとの間で反転ハンドル50が保持され、
結果的に操作ハンドル60が反転ハンドル50に固定さ
れることになる。さらに、操作ハンドル60の長手方向
の一端部には位置表示灯71からの光を外部に取り出す
ように導光するためのプリズム63が固着される。
【0023】ところで、反転ハンドル50の後端部には
合成樹脂成形品からなる回路基板70が保持される。回
路基板70にはネオンランプからなる位置表示灯71お
よび位置表示灯71の限流用の抵抗72が実装される。
また、回路基板70の後面であって反転ハンドル50の
長手方向の一端部に対応する部位には接点73が設けら
れている。回路基板70の中央部には円形に開口した圧
入孔74が形成され、反転ハンドル50に設けた筒部が
圧入孔74に圧入されることによって、反転ハンドル5
0に回路基板70が固定されるようにしてある。この状
態において位置表示灯71は反転ハンドル50の透孔5
2を通してプリズム63に対向するように配置される。
回路基板70に実装した回路(位置表示灯71と抵抗7
2との直列回路)の一端は接点73に接続され、他端は
反転ハンドル50の筒部を通して反転ばね44に接触す
る。つまり、回路基板70に実装した回路の上記他端は
反転ばね44を介して開閉素子43に電気的に接続され
ることになる。また、接点73は反転ハンドル50の揺
動に伴って一方の端子板31に離接するように配置され
る。すなわち、反転ハンドル70が揺動することによっ
て、接点73が離接する一方の端子装置30aと開閉素
子43に電気的に接続されている他方の端子装置30b
との間に、回路基板70に実装された回路が挿入される
状態と、回路が切り離された状態とを選択することにな
る。両端子装置30a,30bの間に回路が挿入される
状態で固定接点41から可動接点42が離れるようにし
ておけば、接点装置40の開極時に位置表示灯71に通
電され、位置表示灯71が点灯することになる。したが
って、スイッチを照明器具の点灯・消灯を指示する目的
で用いると、照明器具の消灯時において位置表示灯71
が点灯し、暗がりでもスイッチの場所を容易に見つける
ことができるようになる。この構成では、固定接点41
に可動接点42が接触した状態では接点73が端子板3
1から離れ、回路基板70に実装した回路には通電され
ない。
【0024】しかして、上述したスイッチの動作を簡単
に説明すれば、図6のように操作ハンドル60の右端部
が左端部よりも後方(図の下方)に位置するときには可
動接点42が固定接点41に接触するようにしているも
のとして、このとき接点73が左側の端子板31から離
れるように接点73を設けておく。この状態では反転ば
ね44は中間部が両端部よりも左側に膨らんだ状態にな
り、反転ばね44によって可動接点42が固定接点41
に押圧されて接点圧が付与される。一方、この状態から
操作ハンドル60の左端部を後方に押すと、反転ばね4
4の前端部が右側に移動することにより反転ばね44は
圧縮された後に急速に伸長して中間部が両端部よりも右
側に膨らんだ状態になり、このとき開閉素子43を右側
に倒して可動接点42を固定接点41から引き離す。つ
まり、反転ばね44のばね力は反転ハンドル50を左回
りに回転させる向きに作用し、接点73を端子板31に
接触させる接触圧が生じることになる。つまり、固定接
点41と可動接点42とが離れている状態で、回路基板
70に実装された回路に通電され、位置表示灯71が点
灯するのである。
【0025】ところで、上述した端子装置30a,30
bに用いる端子板31,32は、電線2の芯線が撚り線
である場合にも対応可能となるように構成してある。具
体的には、図2および図3に示すように、端子板31,
32の主片31a,32aにおいて鎖錠ばね33の鎖錠
片33bの先端部付近において、鎖錠片33bが接触可
能な部位であって電線挿入孔12を通して器体1に導入
された電線2が接触する部位の両側に一対の案内突部3
8を突設してある。両案内突部38は主片31a,32
aの幅方向に並ぶように配置され、案内突部38におい
て互いに近い端部は球面の一部となる(いわゆるSR形
状)に形成してある。したがって、電線挿入孔12から
芯線が撚り線である電線2を導入した場合に、電線2が
ばらばらに広がったとしても案内突部38に乗り上げる
形になって鎖錠片33bと案内突部38との間に電線2
が確実に挟持され、しかも案内突部38がSR形状であ
ることによって電線2はできるだけ両案内突部38の間
を通るように誘導されることになる。要するに、電線2
が撚り線であってもばらばらに広がる可能性を低減する
ことができる。さらに、案内突部38の位置が鎖錠片3
3bの先端部付近であることによって、電線2が案内突
部38に乗り上げた状態でも鎖錠片33bから比較的大
きい接触圧を電線2に作用させることができ、電線2の
電気的な接続を確実に確保することができる。
【0026】本発明における端子装置の適用例として、
単極双投型のスイッチ(いわゆる3路スイッチ)を以下
に示す。3路スイッチでは、図7ないし図9に示すよう
に、3個の端子装置30b,30c,30dを用いる。
端子装置30bは上述した単極単投スイッチと同構成で
あって、単極単投スイッチに用いた端子装置30aに代
えて2個の端子装置30c,30dを用いる。各端子装
置30c,30dはそれぞれ端子板45,46を備え、
各端子板45,46には、器体1に設けた電線挿入孔1
2を通して器体1に導入された電線2が接触する主片4
5a,46aと、それぞれボディ10に設けた保持リブ
13に当接する当接片45b,46bと、主片45a,
46aと当接片45b,46bとの間を連結する連結片
45c,46cと、連結片45c,46cから連続一体
に延長され先端部にそれぞれ固定接点41a,41bを
設けた接点保持片45d,46dとが設けられる。両端
子装置30c,30dの接点保持片45d,46dの先
端部は互いに対向するように配置され、固定接点41
a,41bは対向する。また開閉素子43は厚み方向の
両面に可動接点42a,42bを備え、開閉素子43の
回動に伴って各固定接点41a,41bに各可動接点4
2a,42bが選択的に接触するようにしてある。つま
り、固定接点41aに可動接点42aが接触している間
は可動接点42bは固定接点41bから離れ、固定接点
41bに可動接点42bが接触している間は可動接点4
2aは固定接点41aから離れる。また、各端子板4
5,46における連結片45c,46cには鎖錠ばね3
3の前端に当接する固定板45f,46fが段差部45
g,46gを介して形成されている。
【0027】端子装置30c,30dはボディ10の長
手方向における同じ側(図9における左側)に配置され
ており、各端子板45,46にはそれぞれ1個ずつの鎖
錠ばね33が収納される。ただし、両端子板45,46
の鎖錠ばね33の間に1つの解除釦34が配置される。
さらに、各端子板45,46の連結片45c,46cに
は導電性の金属板からなる接触子47がかしめ固定され
る。各接触子47は回路基板70に弾接するように弾性
が付与されており、反転ハンドル50の揺動にかかわら
ず接触子47がつねに回路基板70に弾接するようにし
てある。回路基板70には位置表示灯71と抵抗(図示
せず)との直列回路が実装され、この直列回路の各一端
にそれぞれ接触子47が接触する。この種の3路スイッ
チは階段灯の点灯・消灯に用いられることが多く、階上
と階下とにそれぞれ3路スイッチを配置して階段灯の点
灯・消灯とを階上と階下とのいずれにおいても操作可能
とすることができる。したがって、両固定接点31a,
31bの間に位置表示灯71と抵抗との直列回路を挿入
しておけば、階段灯の消灯時に位置表示灯71を点灯さ
せることができる。この種の回路の接続関係は周知であ
るから説明を省略する。また、3路スイッチの他の構成
は単極単投型のスイッチと同様である。
【0028】なお、接点装置40の構成として、上述の
例では単極単投型のスイッチ(いわゆる片切り型のスイ
ッチ)と3路スイッチとを例示したが、本発明の技術思
想はこれらのスイッチへの適用に限定されるものではな
く、たとえば2極単投型のスイッチやいわゆる4路型の
スイッチ(4端子のうちの2端子と残りの2端子とを一
対一に接続する2つの接続関係が選択可能なスイッチ)
に適用することも可能であり、さらにはスイッチだけで
はなくコンセントや照明器具などに適用することも可能
である。
【0029】(第2の実施の形態)本実施形態は、図1
0に示すように、基本的には第1の実施の形態と同様の
構成であって、第1の実施の形態では押さえ突起28が
端子板31,32に対して点接触に近い状態で接触して
いたのに対して、本実施形態では押さえ突起28が端子
板31,32が面接触に近い状態で接触しているもので
ある。この構成では第1の実施の形態に比較すると、電
線2の近傍で端子板31,32を固定する部位の面積が
大きくなるから、電線2の抜き差しの際に作用する外力
に対して端子板31,32のがたつきを抑制することが
できる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様
である。
【0030】(第3の実施の形態)本実施形態は、図1
1に示すように、第2の実施の形態に対して端子板3
1,32の形状を変更し、鎖錠ばね33の前端を端子板
31,32の連結片31c,32cに当接させるのでは
なく、カバー20から後方に突設した固定突起27を鎖
錠ばね33の前端に当接させて鎖錠ばね33をボディ1
0との間に挟持する構成としたものである。このような
構成を採用することによって、端子板31,32の連結
片31c,32cに段差部31g,32gを形成する必
要がなく、端子板31,32の加工が容易になる。ま
た、鎖錠ばね33は端子板31,32の中に収納できる
寸法であること以外には、端子板31,32による規制
を受けないから、鎖錠ばね33の設計が容易である。他
の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、電気器具の器体に貫
設した電線挿入孔を通して器体に導入された電線に接触
する端子板と、端子板に向かってばね付勢され端縁を前
記電線に弾接させることにより端子板との間で前記電線
を挟持する鎖錠片を有した鎖錠ばねとを備え、端子板
が、前記電線の導入方向に沿って電線に接触する主片
と、前記電線の先端に一部が対向するように主片から延
長された連結片とを備え、鎖錠ばねにおける前記電線の
導入方向の一端が器体の内側面に当接するとともに前記
電線の先端側の他端が固定部材に当接して、鎖錠ばねが
器体と固定部材との間に挟持される形で器体内の定位置
に固定され、前記固定部材における鎖錠ばねとの当接部
位が連結片において前記電線の先端との対向部位よりも
鎖錠ばねの前記一端側に位置するものであり、鎖錠ばね
を固定部材により固定する位置とは別に電線の挿入量を
決定することができ、とくに固定部材と鎖錠ばねとの当
接部位を電線の先端部と連結片との対向部位よりも鎖錠
ばねの一端側に位置させていることによって、他の構成
が従来構成と同様であるとすれば、従来構成よりも器体
内への電線の挿入量を大きくすることが可能であって、
結果的に鎖錠ばねと電線とのかかりしろを従来構成より
も大きくし、電線に張力が作用したときにも電線と鎖錠
ばねとの接触状態を安定に保つことが可能になる。
【0032】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記固定部材を前記連結片の一部であって前記電線
の先端に対向する部位とは段差部を介して連続一体に形
成された固定板としたものであり、端子板の形状を変更
するだけで対応することができるから、従来構成に対し
て目的の達成のために変更する箇所が少なく実現が容易
である。
【0033】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記固定部材を前記器体の内側面に突設された固定
突起としたものであり、端子板と鎖錠ばねとの寸法を個
別に設定することができ設計が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す縦断面図であ
る。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上に用いる端子板を示し、(a)は平面図、
(b)は縦断面図である。
【図4】同上を用いたスイッチを示す分解斜視図であ
る。
【図5】同上を用いたスイッチを示し、(a)は正面
図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図6】同上を用いたスイッチの縦断面図である。
【図7】同上を用いた他のスイッチを示す分解斜視図で
ある。
【図8】同上を用いた他のスイッチを示し、(a)は正
面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図9】同上を用いた他のスイッチの縦断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す縦断面図で
ある。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す縦断面図で
ある。
【図12】従来例を示す縦断面図である。
【図13】従来例に用いる端子板を示し、(a)は平面
図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 器体 2 電線 12 電線挿入孔 27 固定突起 31,32 端子板 31a,32a 主片 31c,32c 連結片 31f,32f 固定板 31g,32g 段差部 33 鎖錠ばね 33b 鎖錠片 45,46 端子板 45a,46a 主片 45c,46c 連結片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (72)発明者 忽那 正浩 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 住野 安弘 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 立石 博之 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 高木 辰也 三重県安芸郡美里村字五百野1285番地 株 式会社葉山電器製作所内 (72)発明者 鈴木 健 三重県安芸郡美里村字五百野1285番地 株 式会社葉山電器製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気器具の器体に貫設した電線挿入孔を
    通して器体に導入された電線に接触する端子板と、端子
    板に向かってばね付勢され端縁を前記電線に弾接させる
    ことにより端子板との間で前記電線を挟持する鎖錠片を
    有した鎖錠ばねとを備え、端子板が、前記電線の導入方
    向に沿って電線に接触する主片と、前記電線の先端に一
    部が対向するように主片から延長された連結片とを備
    え、鎖錠ばねにおける前記電線の導入方向の一端が器体
    の内側面に当接するとともに前記電線の先端側の他端が
    固定部材に当接して、鎖錠ばねが器体と固定部材との間
    に挟持される形で器体内の定位置に固定され、前記固定
    部材における鎖錠ばねとの当接部位が連結片において前
    記電線の先端との対向部位よりも鎖錠ばねの前記一端側
    に位置することを特徴とする端子装置。
  2. 【請求項2】 前記固定部材が、前記連結片の一部であ
    って前記電線の先端に対向する部位とは段差部を介して
    連続一体に形成された固定板であることを特徴とする請
    求項1記載の端子装置。
  3. 【請求項3】 前記固定部材が、前記器体の内側面に突
    設された固定突起であることを特徴とする請求項1記載
    の端子装置。
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