JP2002147094A - マグネットキャッチ - Google Patents

マグネットキャッチ

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JP2002147094A
JP2002147094A JP2000339360A JP2000339360A JP2002147094A JP 2002147094 A JP2002147094 A JP 2002147094A JP 2000339360 A JP2000339360 A JP 2000339360A JP 2000339360 A JP2000339360 A JP 2000339360A JP 2002147094 A JP2002147094 A JP 2002147094A
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SHIMONISHI SEISAKUSHO KK
Shimonishi Seisakusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハウジング3をプレート2の表面側から取り
外すことができるようにして、マグネットキャッチ1の
取り外し作業を容易にする。 【解決手段】 前端に鍔部3Cを有するハウジング3
と、鍔部3Cの後方側においてハウジング3の幅方向外
側に付勢された状態で同方向に出退自在となるように当
該ハウジングに設けられた左右一対の係止片6,6と、
ハウジング3の前面3Eから露出するように当該ハウジ
ング3内に収納されたマグネット部材4と、を備えてお
り、取付対象であるプレート2に形成した取付孔10に
挿入されたハウジング3の鍔部3Cが同プレート2の表
面に当接したときに係止片6が当該プレート2の裏面に
係合することにより、鍔部3Cよりも後方の大部分がプ
レート2の裏面側に隠れた状態でハウジング3がプレー
ト2に固定されるマグネットキャッチ1において、係止
片6のプレート2の裏面に対する係合を解除するための
解除部7を、プレート2の表面側に露出するようにハウ
ジング3に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、家具類や
キャビネット等の開き戸その他のウィング、或いは、そ
のウィングが取り付けられる開口部に装着して、ウィン
グを磁力によって閉塞状態に保持するためのマグネット
キャッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のマグネットキャッチは、通常、
止めねじでキャビネット等のボックス本体に固定されて
いるが、これでは、そのキャビネット等をリサイクル処
理する際に各部品を分別する必要がある場合、そのマグ
ネットキャッチの止めねじをいちいち取り外す必要があ
る。また、マグネットキャッチのハウジング全体が取付
対象であるプレートの表面側に露出していると、当該キ
ャッチによってボックス本体内の収納空間が侵されるこ
とになる。
【0003】そこで、止めねじを使用しなくてもハウジ
ングを取付孔に挿通するだけでワンタッチでプレートに
固定することができ、しかも、その取付後においてはハ
ウジングの大部分がプレートの裏面側に収納される隠し
タイプのマグネットキャッチが既に開発されており(例
えば、実公平3−15735号公報参照)、この従来の
マグネットキャッチは、前端に鍔部を有するハウジング
と、鍔部の後方側においてハウジングの幅方向外側に付
勢された状態で同方向に出退自在となるように当該ハウ
ジングに設けられた左右一対の係止片と、ハウジングの
前面から露出するように当該ハウジング内に収納された
マグネット部材と、を備えている。
【0004】そして、かかるマグネットキャッチによれ
ば、取付対象であるプレートに形成した取付孔にハウジ
ングを強制的に挿入すると、ハウジングの鍔部がそのプ
レートの表面に当接したときに係止片が当該プレートの
裏面に係合する。このため、鍔部と係止片との間でプレ
ートの取付孔側の縁部が表裏から挟持されることで、鍔
部よりも後方の大部分がプレートの裏面側に隠れた状態
となるように、ハウジングをプレートに対してワンタッ
チで固定できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した通り、キャビ
ネット等をリサイクル処理するには、金属部品(マグネ
ット部材のヨーク)を含むマグネットキャッチや金属製
の蝶番等はボックス本体から取り外す必要がある。しか
るに、上記した従来の隠しタイプのマグネットキャッチ
では、取付対象であるプレートの裏面に係合する係止片
がハウジングとともに同プレートの裏面側に隠れている
ため、そのプレートの裏面側からでないと係止片を同プ
レートの裏面から解除することができない。
【0006】従って、従来の隠しタイプのマグネットキ
ャッチでは、リサイクル処理の際にマグネットキャッチ
を取り外す場合には、取付対象であるプレートで構成さ
れるボックス本体や開き戸を取り壊さないと当該キャッ
チを取り外すことができず、そのキャッチの取り外し作
業が非常に困難であるという欠点がある。本発明は、こ
のような実情に鑑み、鍔部よりも後方の大部分がプレー
トの裏面側に隠れた状態でハウジングがプレートに固定
される隠しタイプのマグネットキャッチにおいて、その
ハウジングをプレートの表面側から取り外すことができ
るようにして、当該キャッチの取り外し作業を容易にす
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発
明は、鍔部よりも後方の大部分が取付対象であるプレー
トの裏面側に隠れた状態でハウジングがプレートに固定
される隠しタイプのマグネットキャッチにおいて、係止
片の前記プレートの裏面に対する係合を解除するための
解除部が前記プレートの表面側に露出するように前記ハ
ウジングに設けられていることを特徴とする。
【0008】この場合、係止片のプレートの裏面に対す
る係合を解除するための解除部がプレートの表面側に露
出しているので、この解除部をプレートの表面側から操
作して係止片のプレートの裏面に対する係合を解除して
からハウジングを表面側に抜き取ることにより、鍔部よ
りも後方のハウジングの大部分がプレートの裏面側に隠
れているにも拘らず、そのハウジングをプレートの表面
側から簡単に取り外すことができる。上記の本発明にお
いて、解除部はハウジングと別体の部材で構成すること
もできるが、部品点数を減少させて製造コストを低減す
るには、できるだけハウジングと一体化することが好ま
しい。
【0009】そこで、本発明は、基端部分がハウジング
の幅方向両側面に一体に連結されかつ先端部分が取付対
象であるプレートの表面側に露出するように前方に延設
された前記ハウジングの幅方向に弾性変形自在な左右一
対の係止アームを設けることを推奨する。かかる係止ア
ームを採用した場合、この各係止アームのアーム長手方
向中途部の外面側に係止片を突設し、その各係止アーム
の先端部分によって解除部を構成することにより、係止
片と解除部を当該係止アームを介してハウジングと一体
化することができるので、解除部を別部品とすることに
伴う部品点数の増加を防止することができる。
【0010】また、上記解除部として、取付対象である
プレートの表面側において係止片と同じ向きに突出する
解除片を備えたものを採用すれば、この解除片の裏側に
爪の先やマイナスドライバーの先端等を引っ掛けること
ができるので、係止アームの先端部分を解除方向に弾性
変形し易くなり、当該解除片のない場合(図6参照)と
比べて、ハウジングの取り外し作業がより簡単になる。
一方、この種のマグネットキャッチは、相手方の鋼製板
をハウジングの前面から露出しているマグネット部材で
吸着するものであるから、そのハウジングの前面よりも
前方に邪魔な部材が突出していると、そのマグネット部
材による吸着が阻害される恐れある。そこで、上記解除
部を設けたことによって却ってマグネット部材による吸
着が阻害されることのないように、当該解除部は、ハウ
ジングの前面よりは前方に突出しない形状に形成してお
くことが好ましい。
【0011】また、本発明において、ハウジングの幅方
向両側壁の前端に、ハウジングの前面よりは前方に突出
しないように取付対象であるプレートの表面側において
係止アームの解除部を取り囲む枠状に形成されたバンパ
ー部を突設するようにすれば、このバンパー部によって
係止アームの解除部に物品が当たって自然に外れるのを
防止できるようになるし、同バンパー部をプレートの表
面に当接させることで、ハウジングのプレートに対する
装着状態を安定化することができる。なお、このバンパ
ー部を設けたことによって却ってマグネット部材による
吸着が阻害されることのないように、当該バンパー部に
ついても、ハウジングの前面よりは前方に突出しない形
状に形成しておくことが好ましい。
【0012】更に、上記の本発明において、取付対象で
あるプレートの裏面に係合する各係止片の引っ掛け面
を、ハウジングの前方側に向かうに従って同ハウジング
の幅方向内側に傾斜する形状に形成しておけば、その取
付対象であるプレートの厚さが変化しても、係止アーム
の弾性変形の度合いに応じて係止片をプレートの裏面に
適切に係合させることができ、種々の厚さのプレートに
対してハウジングを固定できるようになる。そして、か
かる引っ掛け面を採用する場合において、各係止片の引
っ掛け面に、凹凸条又はシボ加工を形成しておけば、そ
の凹凸条等の滑り止め作用によって係止片の引っ掛かり
度合いを増大でき、マグネットキャッチの固定強度を高
めることができる。
【0013】また、取付対象であるプレートの裏面に係
合しない各係止片の背面側には、ハウジングの前方側に
向かうに従って同ハウジングの幅方向外側に傾斜するガ
イド面を形成することが好ましい。この場合、係止アー
ムがハウジングとともに取付孔に強制的に押し込まれる
とガイド面のガイド機能によってハウジングの幅方向内
側に自動的に弾性変形するようになるので、ハウジング
を取付孔に強制的に押し込むだけでマグネットキャッチ
をプレートに取り付けることができ、その取り付け作業
が容易になる。
【0014】更に、本発明において、各係止アームの基
端部を強化しかつその弾性復帰力を向上させるために、
各係止アームの基端部に補強リブを設けておくことが好
ましい。もっとも、かかる補強リブを係止アームの表側
又は裏側だけに設けると、係止アーム付きのハウジング
を合成樹脂で一体成形する場合において、その樹脂の引
けによって係止アームがハウジング側又はその反対側に
曲がって不良品が発生することがある。そこで、本発明
は、各係止アームの基端部の補強リブを、その表側又は
裏側若しくは表裏双方に突出させることにより、上記の
樹脂の引けに伴う係止アームの曲がりを防止することを
推奨する。
【0015】また、本発明のマグネットキャッチにおい
て、マグネット部材を挟持する相対向する一対の対向壁
を備えたハウジングを採用する場合には、この両対向壁
の内側面にマグネット部材を係止する嵌合突起を設ける
ことにより、マグネット部材をハウジングに対して離脱
しないように取り付けることができる。そして、かかる
嵌合突起を設ける場合において、その両対向壁又はいず
れか一方の対向壁における嵌合突起の周囲の一部分を切
り欠いて形成した切欠部を当該対向壁に形成しておけ
ば、その対向壁の厚さを過度に薄くしなくても、その切
欠部で囲まれた部分が対向壁の表裏方向に撓み易くな
る。
【0016】従って、ハウジングの開口部からマグネッ
ト部材を組み入れる際に、そのマグネット部材によって
嵌合突起を外方へ撓ませ易くなるので、マグネット部材
のハウジングに対する挿入作業が容易になる。また、マ
グネット部材を強制的に押し込む際に同部材によってハ
ウジング内の嵌合突起が削り取られるのが防止されるの
で、マグネット部材の固定が確実になりハウジングから
不意に脱落するのを未然に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。図1〜図5は、本発明に係るマグネ
ットキャッチ1の第一の実施形態を示している。図1に
示すように、このマグネットキャッチ1は、キャビネッ
トや機器ケースのボックス本体を構成する取付対象とな
るプレート2にその表面側から着脱自在に取り付けられ
るもので、そのボックス本体の開口部に開閉自在に設け
た開閉扉(図示省略)側の被吸着板を磁力で吸着して、
当該開閉扉を閉鎖位置に保持するものである。
【0018】本実施形態のマグネットキャッチ1は、大
部分がプレート2の裏面側に隠れた状態で同プレート2
に装着される合成樹脂よりなるハウジング3と、このハ
ウジング3の内部に収納されたマグネット部材4と、を
備えている。このハウジング3は、長辺側を構成する相
対向する一対の対向壁3A,3Aと、短辺側を構成する
幅方向両側の側壁3B,3Bとから、幅方向に長いボッ
クス枠状に形成されている。対向壁3A,3Aの前端に
は、その対向方向外側に突出する鍔部3Cが形成されて
おり、ハウジング3の前方部分(図1の上方部分)に
は、マグネット部材4を挿入するための開口部3Dが形
成されている。
【0019】なお、図例の鍔部3Cは、ハウジング3の
幅方向に沿って連続した形状に形成されているが、この
鍔部3Cは途中で分断されていてもよく、小片をハウジ
ング3の幅方向に沿って間隔をおいて並設したものであ
ってもよい。ハウジング3の幅方向両側壁3B,3Bの
各外側面には、当該ハウジング3の幅方向に弾性変形自
在な左右一対の係止アーム5,5が一体に突設されてい
る。この各係止アーム5,5は基端部分がハウジング3
側に向かって湾曲しかつ先端部分が真っ直ぐなアーム部
材よりなり、その基端部分はハウジング3の両側壁3
B,3Bの後端部に一体に連結され、その先端部分はハ
ウジング3の前方側に向けて延設されている。
【0020】各係止アーム5,5のアーム長手方向中途
部の外面側には、ハウジング3の幅方向外側に突出する
三角形状の係止片6,6が一体に形成されている。この
各係止片6,6は、ハウジング3の鍔部3Cがプレート
2の表面に当接したときにプレート2の裏面に引っ掛か
り、これによって当該ハウジング3をプレート2に固定
するためのものである。図2に示すように、各係止アー
ム5,5の先端部分は、ハウジング3をプレート2を取
り付けた状態において、その取付対象であるプレート2
の表面側に露出する程度に前方に延設されており、これ
により、プレート2の表面側から係止アーム5の先端部
分に爪の先や工具の先端等を引っ掛けてその先端部分を
ハウジングの幅方向中央側に移動させることにより、係
止片6のプレート2の裏面に対する係合を解除できるよ
うになっている。従って、プレート2の表面側に露出し
ている当該係止アーム5の先端部分により、係止片6の
プレート2の裏面に対する係合を解除するための解除部
7が構成されている。
【0021】本実施形態の解除部7は、取付対象である
プレート2の表面側において係止片6と同じ向きに突出
する小さな四角片形状に形成された解除片8を備えてい
る。この解除片8は、爪の先や工具の先端等の引っ掛か
りを容易にするためのものであり、図1に示すように、
係止アーム5の先端縁の中央部分に配置され、ハウジン
グ3の幅方向外側に向けて突設されている。なお、この
解除片8を設けたことによって成形金型からの脱型がで
きなくなるのを防止するために、係止片6は、解除片8
が配置されている部分を避けて、係止アーム5の幅方向
両端部に分断された状態で配置されている。
【0022】ところで、本実施形態のマグネットキャッ
チ1は相手方の鋼製板をハウジング3の前面3Eから露
出しているマグネット部材4で吸着するものであるか
ら、そのハウジング3の前面3Eよりも前方に邪魔な部
材が突出していると、そのマグネット部材4による吸着
が阻害される恐れある。そこで、本実施形態では、係止
アーム5の先端部分より構成される前記解除部7(解除
片8を含む。)を設けたことによって却ってマグネット
部材4による吸着が阻害されることのないように、解除
部7の先端縁がハウジング3の前面3Eとほぼ面一か又
はこの前面3Eよりも若干後方に来るように、当該係止
アーム5の延設長さを設定してある。
【0023】なお、図2及び図5に示すように、本実施
形態の解除片8は、その裏面とプレート2の表面との間
に僅かな間隙eが形成されるように、前記鍔部3Cより
もやや薄肉に形成されており、これにより、当該解除片
8の裏側に爪の先や工具の先端が引っ掛け易くなるよう
にしている。ハウジング3の幅方向両側壁3B,3Bの
前端には、ハウジング3の幅方向外方に延びるとともに
係止アーム5の先端部分(解除部7)を外側から取り囲
むようにコ字形枠状に形成されたバンパー部9が突設さ
れており、このバンパー部9はその裏面が鍔部3Cの裏
面と面一となるように配置されている。従って、このバ
ンパー部9は、これをプレート2の表面に当接させるこ
とで、ハウジング3のプレート2に対する装着状態を安
定化させる機能を有し、また、係止アーム5の解除部7
にボックス本体内の物品が当たって自然に外れるのを防
止するバンパー機能を有する。
【0024】なお、このバンパー部9を設けたことによ
って却ってマグネット部材4による吸着が阻害されるこ
とのないように、当該バンパー部9は、ハウジング1の
前面3Eよりは前方に突出しない厚さに形成されてい
る。図2に示すように、マグネット部材4を挟持する相
対向する前記一対の対向壁3A,3Aの内面には、その
マグネット部材4の挿入方向(図2の上下方向)に沿う
それぞれ2本のガイドレール11が互いに所定間隔をお
いて平行に突設されており、これにより、マグネット部
材4を当該ガイドレール11に沿って円滑に挿入できる
ようにしてある。
【0025】一方、ハウジング3内のマグネット部材4
は、異方性フェライト、等方性フェライト又はゴム磁石
などからなる横長矩形ブロック状の磁石14と、この磁
石14の表裏両側面に吸着された一対のヨーク15,1
5とからなり、この各ヨーク15,15の中央部には、
後述する嵌合突起12が嵌合する嵌合孔16が形成され
ている。図2及び図3に示すように、ハウジング3を構
成する一対の対向壁3A,3Aの内面中央部には、上記
マグネット部材4に対して表裏から係止する嵌合突起1
2,12が設けられている。この嵌合突起12,12を
有する両対向壁3A,3A(なお、片方の対向壁3Aで
もよい。)には、その対向壁3Aにおける嵌合突起12
の周囲の部分を切り欠いて形成したU字状の切欠部13
が貫通状に設けられている。
【0026】従って、ハウジング3の開口部3Aからマ
グネット部材4を強制的に挿入すると、そのマグネット
部材4を構成する各ヨーク15,15の嵌合孔16にハ
ウジング3内の各嵌合突起12が嵌合し、これによって
マグネット部材4がハウジング3から抜け止めされる。
この場合、本実施形態では、上記切欠部13によって双
方の嵌合突起12(片方でもよい。)を対向壁3Aの表
裏に撓み易くしているので、マグネット部材4の挿入が
容易であり、かつ、ヨーク15によって嵌合突起12を
削り取ることがなくなり、嵌合突起12によるマグネッ
ト部材4の固定が確実になり、ハウジング3内でマグネ
ット部材4がガタついたり、不意に抜け出したりするの
を防止することができる。
【0027】そして、かかる切欠部13で囲まれた部分
が対向壁3Aの表裏方向に撓み易くなっているので、そ
の対向壁3Aの厚さを過度に薄くしなくても、マグネッ
ト部材4を容易にハウジング3内に嵌め入れることがで
きる。図2〜図4に示すように、ハウジング3の幅方向
両側壁3B,3Bの内面後端部には、ハウジング3の内
部に向かって上向きに傾斜する左右一対の弾性受止片1
7,17が相対向状に突設されている。従って、ハウジ
ング3内に前記マグネット部材4を嵌入させると、この
各弾性受止片17,17が各ヨーク15の後端縁部によ
り押し下げられ、それによって生じる弾性力によりマグ
ネット部材4が上方に付勢されるようになっている。
【0028】この弾性受止片17により、開閉扉を繰り
返し開閉するときにマグネット部材4にかかる衝撃力を
緩衝することができ、また、マグネット部材4の姿勢を
適正な方向に修正させることができる。前記各係止アー
ム5,5は、ほぼL字形のアーム状に形成され、その基
端部分がハウジング3の側壁3Bの後端部に一体的に突
設され、その先端部分が前記バンパー部8の内部に位置
するようにハウジング3の前方に延出され、そのアーム
長手方向中途部の外面側に前記係止片6が突設されてい
る。
【0029】図2及び図5に示すように、この係止片6
のプレート2の裏面に対する引っ掛け面6Aは、ハウジ
ング3の前方側(図5の上側)に向かうに従って同ハウ
ジング3の幅方向内側に傾斜する形状に形成されてい
て、これにより、取付対象であるプレート2の厚さtが
変化しても、係止アーム5の弾性変形の度合いに応じて
係止片6をプレート2の裏面に適切に係合させることが
でき、種々の厚さのプレート2に対してハウジングを固
定できるようになっている。また、本実施形態では、上
記のように傾斜状した引っ掛け面6Aに、凹凸条又はシ
ボ加工(図示せず)が設けられており、この凹凸条当の
滑り止め作用によって係止片6の引っ掛かり度合いを増
大させ、マグネットキャッチ1の固定強度を高めるよう
にしている。
【0030】図2及び図5に示すように、取付対象であ
るプレート2の裏面に係合しない各係止片6,6の背面
側には、ハウジング3の前方側(図5の上方側)に向か
うに従って同ハウジング3の幅方向外側に傾斜するガイ
ド面6Bが形成されており、このガイド面6Bによって
係止アーム5をハウジング3の幅方向内側に自動的に弾
性変形させ、両係止アーム5,5を取付孔10に強制的
に押し込むだけでマグネットキャッチ1をプレート2に
取り付けられるようにしてある。図5において仮想線で
示すように、各係止アーム5,5の基端部に、その表側
と裏側の両方に補強リブ18,19を設けることにして
もよく、かかる補強リブ18,19を係止アーム5の表
裏両側に設けることにより、係止アーム5付きのハウジ
ング3を一体成形する際に樹脂の引け(即ち収縮)によ
って係止アーム5が内股状又は外股状に変形するのが防
止されるとともに、補強リブ18,19により十分な弾
性力を確保し、耐久性の向上を図っている。なお、表側
の補強リブ18又は裏側の補強リブ19のうちのいずれ
か一方みを設けてもよい。
【0031】次に、上記構成に係るマグネットキャッチ
1の作用を説明する。まず、本実施形態のマグネットキ
ャッチ1を取付対象であるプレート2に取り付けるに
は、ハウジング3の後端側(各係止アーム5,5の基端
側)をプレート2の取付孔10に臨ませ、同ハウジング
3を各係止アーム5,5と一緒に当該取付孔10に強制
的に押し込めばよい。すると、前記ガイド面6Bにより
係止アーム5が互いに対向内方に撓み、係止片6がプレ
ート2の取付孔10を通過した時点で係止アーム5がそ
の弾性で元の対向外方に復帰し、ハウジング3の鍔部3
Cがプレート2の裏面に当接した状態で係止片6の引っ
掛け面6Aがプレート2の裏面に当接し、これによって
ハウジング3がプレート2に対して固定されることにな
る。
【0032】このようにして、係止片6がプレート2の
裏面に引っ掛かると、ハウジング3はプレート2に対し
て確実かつ安定的に固定され、その後は人為的に係止ア
ーム5を弾性変形させない限り、係止片6をプレート2
から外すことができない。そこで、リサイクルなどのた
めにマグネットキャッチ1をプレート2から取り外す場
合には、プレート2の表面側に露出している解除部7の
解除片8に爪の先又は工具の先端等を引っ掛けて係止ア
ーム5の先端部分をハウジング3の幅方向中央側に強制
的に弾性変形させ、これによって係止片6のプレート2
の裏面に対する係合を解除してからハウジング3を手前
に抜き取るようにすればよい。
【0033】一方、本実施形態では、係止片6が各係止
アーム5,5の外面側(弾性変形の復帰側)に向けられ
ており、しかも、その係止片6の引っ掛け面6Aがハウ
ジング3の前方側に向かうに従って同ハウジング3の幅
方向内側に傾斜しているので、プレート2の板厚が多少
変化しても弾性変形している係止アーム5の各係止片
6,6の引っ掛け面6Aがプレート2の裏面に対して確
実に引っ掛かり、ハウジング3をプレート2に対して確
実かつ強固に固定することができる。すなわち、図5に
示すように、プレート2の板厚が例えばt1,t2,t
3と変化した場合でも、薄い板厚t1のとき(図5の破
線)には、係止アーム5が若干内側に倒れた状態で引っ
掛け面6Aが取付孔10の端縁に引っ掛かり、やや厚い
板厚t2のとき(図5の一点鎖線)には、係止アーム5
がそれよりやや大きく内側に倒れた状態で引っ掛け面6
Aが取付孔10の端縁に引っ掛かり、厚い板厚t3のと
き(図5の二点鎖線)には、係止アーム5が更に大きく
内側に倒れた状態で引っ掛け面6Aが取付孔10の端縁
に引っ掛かり、いずれの場合においても、係止アーム5
の弾性変形の度合いに応じて係止片6をプレート2の裏
面に適切に係合させることができ、種々の厚さのプレー
ト2に対してハウジング3を確実に固定できるようにな
る。
【0034】なお、本実施形態では、プレート2の板厚
tがt1=1.0mm、t2=1.2mm、t3=1.
6mmのいずれにも対応できるように(従って、板厚t
がt1〜t3の中間寸法であっても対応できる)、係止
片6の引っ掛け面6Aの傾斜度合いを設定してある。図
6は、本発明を採用したマグネットキャッチ1の第二の
実施形態を示している。本実施形態のマグネットキャッ
チ1が第一実施形態のものと異なる点は、係止アーム5
の解除片8、ハウジング3のバンパー部9、ハウジング
3の切欠部13をそれぞれ省略した点にあり、その他の
構成は、第一実施形態の場合と同じである。
【0035】従って、本実施形態においても、プレート
2の表面側に露出している係止アーム5の先端部分に形
成された解除部7をハウジング3の幅方向中央側に強制
的に弾性変形させることにより、係止片6のプレート2
の裏面に対する係合をプレート2の表面側から行うこと
ができ、隠しタイプのマグネットキャッチ1であるにも
拘らず、リサイクル処理等に際する当該キャッチ1の取
り外し作業を容易にすることができる。なお、本発明
は、上記した各実施形態に限定されるものではない。
【0036】例えば、係止片6の引っ掛け面6Aは、凹
状又は凸状の湾曲面で構成することもできるし、アーム
長手方向(図5の上下方向)に対して垂直な段差面で構
成することもできる。さらには、当該引っ掛け面6Aを
先端側に向かって低くなる階段状段部とすることもでき
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鍔部よりも後方の大部分がプレートの裏面側に隠れた状
態で同プレートに固定されているハウジングをプレート
の表面側から取り外すことができるので、隠しタイプの
マグネットキャッチであるにも拘らず、リサイクル処理
等に際する当該キャッチの取り外し作業を容易にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係るマグネットキャッチの全体
斜視図である。
【図2】同マグネットキャッチの取り付け状態を示す正
面断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】(a)はハウジングの正面図、(b)はハウジ
ングの平面図、(c)はハウジングの底面図である。
【図5】プレートの板厚変化に対する係止アームの曲が
り度合いを示す拡大正面図である。
【図6】第二実施形態に係るマグネットキャッチの分解
斜視図である。
【符号の説明】
1 マグネットキャッチ 2 プレート 3 ハウジング 3A 対向壁 3C 鍔部 3E 前面 4 マグネット部材 5 係止アーム 6 係止片 6A 引っ掛け面 6B ガイド面 7 解除部 8 解除片 9 パンパー部 10 取付孔 12 嵌合突起 13 切欠部 18 補強リブ 19 補強リブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月13日(2000.12.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】図2及び図5に示すように、この係止片6
のプレート2の裏面に対する引っ掛け面6Aは、ハウジ
ング3の前方側(図5の上側)に向かうに従って同ハウ
ジング3の幅方向内側に傾斜する形状に形成されてい
て、これにより、取付対象であるプレート2の厚さtが
変化しても、係止アーム5の弾性変形の度合いに応じて
係止片6をプレート2の裏面に適切に係合させることが
でき、種々の厚さのプレート2に対してハウジングを固
定できるようになっている。また、本実施形態では、上
記のように傾斜状した引っ掛け面6Aに、凹凸条又はシ
ボ加工(図示せず)が設けられており、この凹凸条等
滑り止め作用によって係止片6の引っ掛かり度合いを増
大させ、マグネットキャッチ1の固定強度を高めるよう
にしている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1 マグネットキャッチ 2 プレート 3 ハウジング 3A 対向壁 3C 鍔部 3E 前面 4 マグネット部材 5 係止アーム 6 係止片 6A 引っ掛け面 6B ガイド面 7 解除部 8 解除片 9 バンパー部 10 取付孔 12 嵌合突起 13 切欠部 18 補強リブ 19 補強リブ
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端に鍔部を有するハウジングと、前記
    鍔部の後方側において前記ハウジングの幅方向外側に付
    勢された状態で同方向に出退自在となるように当該ハウ
    ジングに設けられた左右一対の係止片と、前記ハウジン
    グの前面から露出するように当該ハウジング内に収納さ
    れたマグネット部材と、を備えており、取付対象である
    プレートに形成した取付孔に挿入された前記ハウジング
    の鍔部が同プレートの表面に当接したときに前記係止片
    が当該プレートの裏面に係合することにより、前記鍔部
    よりも後方の大部分が前記プレートの裏面側に隠れた状
    態で前記ハウジングが前記プレートに固定されるマグネ
    ットキャッチにおいて、 前記係止片の前記プレートの裏面に対する係合を解除す
    るための解除部が前記プレートの表面側に露出するよう
    に前記ハウジングに設けられていることを特徴とするマ
    グネットキャッチ。
  2. 【請求項2】 基端部分がハウジングの幅方向両側面に
    一体に連結されかつ先端部分が取付対象であるプレート
    の表面側に露出するように前方に延設された前記ハウジ
    ングの幅方向に弾性変形自在な左右一対の係止アームが
    設けられ、 この各係止アームのアーム長手方向中途部の外面側に係
    止片が突設され、その各係止アームの先端部分によって
    解除部が構成されている請求項1に記載のマグネットキ
    ャッチ。
  3. 【請求項3】 解除部は、取付対象であるプレートの表
    面側において係止片と同じ向きに突出する解除片を備え
    ている請求項2に記載のマグネットキャッチ。
  4. 【請求項4】 解除部は、ハウジングの前面よりは前方
    に突出しない形状に形成されている請求項2又は3に記
    載のマグネットキャッチ。
  5. 【請求項5】 ハウジングの幅方向両側壁の前端に、ハ
    ウジングの前面よりは前方に突出しないように取付対象
    であるプレートの表面側において係止アームの解除部を
    取り囲む枠状に形成されたバンパー部が突設されている
    請求項2〜4のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
  6. 【請求項6】 取付対象であるプレートの裏面に係合す
    る各係止片の引っ掛け面が、ハウジングの前方側に向か
    うに従って同ハウジングの幅方向内側に傾斜する形状に
    形成されている請求項2〜5のいずれかに記載のマグネ
    ットキャッチ。
  7. 【請求項7】 各係止片の引っ掛け面に、凹凸条又はシ
    ボ加工が形成されている請求項6に記載のマグネットキ
    ャッチ。
  8. 【請求項8】 取付対象であるプレートの裏面に係合し
    ない各係止片の背面側に、ハウジングの前方側に向かう
    に従って同ハウジングの幅方向外側に傾斜するガイド面
    が形成されている請求項2〜7のいずれかに記載のマグ
    ネットキャッチ。
  9. 【請求項9】 各係止アームの基端部の表側又裏側若し
    くはその表裏双方に、補強リブが設けられている請求項
    2〜8のいずれかに記載のマグネットキャッチ。
  10. 【請求項10】 ハウジングはマグネット部材を挟持す
    る相対向する一対の対向壁を備えており、この両対向壁
    の内側面にマグネット部材を係止する嵌合突起が設けら
    れ、その両対向壁又はいずれか一方の対向壁における嵌
    合突起の周囲の一部分を切り欠いて形成した切欠部が当
    該対向壁に形成されている請求項1〜9のいずれかに記
    載のマグネットキャッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012007385A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Shimonishi Giken Kogyo Kk マグネットキャッチおよびマグネットキャッチ用ケース
JP2015232648A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 株式会社リコー シート搬送装置、画像読取装置、および画像形成装置

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