JP6214076B2 - 二部材の取付機構 - Google Patents
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Description
加えて、仮に戸板が収縮したりしても、2つの引手部材が互いに引き寄せられる方向へ移動して引手の位置が自動調節されるので、引手部分ががたつくことがない。
このように、係止片部が係合受部を乗り越えた後にこれらが係合する構成によると、係止片部と係合受部の係合状態を解除するためには、係止片部を一時的に係合受部を乗り越える方向へと移動させる必要が生じる。換言すると、1対の取付部材を互いに離反する方向へ移動させて取付部材を取り外すとき、係止片部が取付部材の離反方向に沿って移動しただけでは、係止片部と係合受部との係合が解除されないこととなる。このため、係止片部と係合受部とが係合解除され難くなり、係合状態をより強固に維持できるので、取付部材の取付け状態がより強固に維持されることとなる。
また本発明では、一対の取付部材を被取付部材の厚さ方向で相対的に近接、離反させるとき、この厚さ方向に沿って移動しようとする係止片部を、ガイド部と連動させることで係合受部を乗り越える方向に移動させる構成となっている。このように、係止片部をガイド部と連動させて移動方向を変更する構成とすると、係止片部が係合受部を乗り越えた後で係合受部と係合する場合であっても、取付部材を被取付部材の厚さ方向で相対的に近接、離反させるだけで、係止片部と係合受部とを係脱させることができる。そのため、係止片部が係合受部を乗り越えた後で係合受部と係合する構成としても、その係脱動作が煩雑化することがない。したがって、取付部材の被取付部材への取り付け、取り外しを比較的容易に実施できる。
請求項3に記載の発明は、板状の被取付部材の厚さ方向の一側面と他側面とにそれぞれ配置された一対の取付部材を備え、一方の取付部材に設けられた係合部を他方の取付部材に設けられた被係合部に係合させることにより、前記一対の取付部材が前記厚さ方向に移動可能で且つ相互に引き寄せられるようにして前記被取付部材に取り付けられる二部材の取付機構であって、前記一方の取付部材は、前記被取付部材に隣接するフランジ板部を有しており、前記他方の取付部材は、手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記一方の取付部材側に窪む部分であって、前記係合部は、少なくとも一部が屈曲又は湾曲した状態で延在する弾性部材を備え、当該弾性部材は、連結形成される係止片部とガイド部とを有し、前記弾性部材は、前記フランジ板部から離れた位置に取り付けられ、前記被係合部は、前記係止片部と係合するための係合受部と、前記厚さ方向に対して傾斜する傾斜面部とを備え、前記傾斜面部の一部は、前記手掛部よりも前記一方の取付部材側に位置しており、前記係合受部と隣接する位置に前記取付部材の近接方向とは異なる方向に窪んだ凹部が形成されており、前記一対の取付部材を近接させることで前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動し、当該ガイド部の移動に伴って前記係止片部が前記取付部材の近接方向とは異なる方向へ移動して前記係合受部を乗り越え、前記係止片部が前記係合受部を乗り越えた後に前記係止片部と前記係合受部とが係合する係合状態となるものであり、当該係合状態では、前記凹部に面する前記係合受部の面を前記係止片部が押圧するものであり、前記係止片部が当該係合受部を押圧することで前記一対の取付部材が相互に引き寄せられることを特徴とする二部材の取付機構である。
請求項4に記載の発明は、前記一方の取付部材にもまた、手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記他方の取付部材側に窪む部分であって、前記弾性部材の一部が前記一方の取付部材の前記手掛部に接触した状態で、前記弾性部材が変形し、前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二部材の取付機構である。
請求項5に記載の発明は、前記係止片部が押圧する前記係合受部の面は鉛直面であって、前記係止片部の押圧方向は、前記一方の取付部材が前記他方の取付部材へ向かう方向と逆向きであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二部材の取付機構である。
請求項6に記載の発明は、前記被係合部は、前記厚さ方向とは異なる方向に突出する突出片部を有し、当該突出片部の一部に前記傾斜面部が形成されており、前記係合受部は、前記突出片部とつながる突起部分であり、前記突出片部の他の一部から突出するものであって、前記突出片部の突出方向とは異なる方向に延びており、前記ガイド部が前記突出片部を乗り越える移動と並行して前記係止片部が前記係合受部を乗り越えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二部材の取付機構である。
また上記した発明に関連する発明は、前記被係合部は、前記厚さ方向とは異なる方向に突出する突出片部を有し、当該突出片部の側面の少なくとも一部に前記傾斜面部が形成されており、前記突出片部の側面のうちで前記傾斜面部と対向する位置にある側面を溝壁とし、前記厚さ方向とは異なる方向に延在する溝状部を有するものであって、前記ガイド部を前記傾斜面部に当接させた状態で一対の取付部材を相対的に近接させることにより、前記ガイド部の少なくとも一部が前記傾斜面部に接触した状態を維持しつつ前記傾斜面部に沿って移動し、前記突出片部を乗り越えた後、前記溝状部に嵌入されることを特徴とする。
また本発明は、一対の取付部材を被取付部材の厚さ方向で相対的に近接、離反させるとき、この厚さ方向に沿って移動しようとする係止片部を、ガイド部と連動させることで係合受部を乗り越える方向に移動させる構造となっている。このため、取付部材を被取付部材の厚さ方向で相対的に近接、離反させるだけで、係止片部と係合受部とを係脱させることができるので、取付部材の被取付部材への取り付け、取り外しを比較的容易に実施できるという効果がある。
本実施形態では、戸板2(被取付部材)に第1引手部材3(取付部材)、第2引手部材4(取付部材)を取り付けて引戸1を形成する例について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また以下の説明において、上下左右の位置関係については特に断りのない限り通常の設置状態を基準として説明する。なお、戸板2の厚さ方向を前後方向とし、引戸1の開閉方向を左右方向とするものとする。
この引手取付用貫通孔10は、正面視した開口形状が縦長の隅丸長方形状となっている。すなわち、正面視した開口上端部が上方に丸みを帯びて凸となっており、正面視した開口下端部が下方に丸みを帯びて凸となっている。
また、戸板2の側面(左側面)には、錠前5を取り付けるための錠前取付用穴(図示せず)が設けられている。この錠前取付用穴は、戸板2の側面(左側面)に開口して左右方向で延びており、引手取付用貫通孔10と戸板2の内部で連続している。
そして、第1受台形成部24の一部と第2受台形成部25とが上下方向(天地方向)で離間する位置に配されることで、これらの間に鉤状に屈曲して延びる係合溝27が形成されている。
また、第2受台形成部25の厚さ(左右方向の長さ)は、第1受台形成部24の厚さより薄く(左右方向の長さより短く)なっており(図5参照)、第1受台形成部24の左右方向の中心と第2受台形成部25の左右方向の中心とは略同一となっている。
なお、この引掛突起部41の前端面の下側部分は、突出壁部40の上面の後端部分と丸みを帯びて連続するものであり、突出壁部40の上面から引掛突起部41の前端面の下側までの部分で円弧状の曲面を形成している。
この2つの突起26a,26bは、いずれも、側面視形状が略台形であって、左右方向に沿って延びている。そして、その上面は後方下側に向かって傾斜している。つまり、この2つの突起26a,26bの上面は、前方側が最も高くなっており、後方へ向かうにつれて低くなっていく。
さらに、この2つの突起26a,26bの前端部分と手掛部16の後端部分の間には、下側に向かって窪んだ凹部45がそれぞれ形成されている。
またこの凹部45は、断面形状略長方形状で左右方向に延びている。
換言すると、突起状部60は、外形が略角筒状でフランジ板部15の前面から前方へ突出する本体部60aと、この本体部60aの天面から上方へ突出する2つの立壁部60bとを有している。
また、図8で示されるように、本体部60aの左右端面、すなわち、突起状部60の両側面には、この面と略垂直に交わり外側へ突出する円柱突起62がそれぞれ形成されている。
なお、ガイド部69の下端部分では、これら2つの線状部分69aが間隔を空けて配されており、2つの線状部分69aと屈曲部69bによって囲繞された領域は、下方部分が開放された状態となっている。
このことにより、第1引手部材3と第2引手部材4とは、間に戸板2を挟んで対向した状態で取り付けられることとなる。
つまり、ガイド部69が後側傾斜面43に沿って上方へ移動していき、引掛突起部41の頂部を乗り越え、さらに下方へ移動して掛止溝部49に嵌入されると、ガイド部69と連動する掛止片部68もまた上方へ移動した後で下方へ移動することとなる。
このように掛止片部68が移動することで、掛止片部68は、係合突起26を乗り超えて、その後、係合突起26の前方に位置する凹部45へと嵌り込む。
このため、掛止片部68が凹部45に嵌り込んだとき、掛止片部68は係合突起26の前面に当接し、係合突起26を後方へと押圧する。すなわち、掛止片部68が凹部45に嵌り込んだ状態では、掛止片部68が係合突起26を常時後方(内側へ向かう方向)へと付勢する。このことにより、第1引手部材3が第2引手部材4側へと押圧され、第1引手部材3と第2引手部材4とが引き寄せられる状態となる。
2 戸板(被取付部材)
3 第1引手部材(取付部材)
4 第2引手部材(取付部材)
23 被係合部
26 係合突起(係合受部)
31 ガイド突起部(位置決め用突起)
41 引掛突起部(突出片部)
43 後側傾斜面(傾斜面部)
49 掛止溝部(溝状部)
55 係合部
61 バネ部材(弾性部材)
63 ガイド挿通溝(位置決め用凹部)
68 係止片部
69 ガイド部
Claims (8)
- 板状の被取付部材の厚さ方向の一側面と他側面とにそれぞれ配置された一対の取付部材を備え、一方の取付部材に設けられた係合部を他方の取付部材に設けられた被係合部に係合させることにより、前記一対の取付部材が前記厚さ方向に移動可能で且つ相互に引き寄せられるようにして前記被取付部材に取り付けられる二部材の取付機構であって、
前記一方の取付部材は、前記被取付部材に隣接するフランジ板部を有しており、
前記他方の取付部材は、手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記一方の取付部材側に窪む部分であって、
前記係合部は、少なくとも一部が屈曲又は湾曲した状態で延在する弾性部材を備え、当該弾性部材は、連結形成される係止片部とガイド部とを有し、
前記弾性部材は、前記フランジ板部から離れた位置に取り付けられ、
前記被係合部は、前記係止片部と係合するための係合受部と、前記厚さ方向に対して傾斜する傾斜面部とを備え、前記傾斜面部の一部は、前記手掛部よりも前記一方の取付部材側に位置しており、
前記一対の取付部材を近接させることで前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動し、当該ガイド部の移動に伴って前記係止片部が前記取付部材の近接方向とは異なる方向へ移動して前記係合受部を乗り越えるものであり、当該乗り越えのとき、同一の前記弾性部材に属する前記係止片部がいずれも同方向となる一方側へ移動するものであって、
前記係止片部が前記係合受部を乗り越えた後に前記係止片部と前記係合受部とが係合する係合状態となるものであり、
当該係合状態では、前記係止片部が当該係合受部を押圧することで前記一対の取付部材が相互に引き寄せられることを特徴とする二部材の取付機構。 - 板状の被取付部材の厚さ方向の一側面と他側面とにそれぞれ配置された一対の取付部材を備え、一方の取付部材に設けられた係合部を他方の取付部材に設けられた被係合部に係合させることにより、前記一対の取付部材が前記厚さ方向に移動可能で且つ相互に引き寄せられるようにして前記被取付部材に取り付けられる二部材の取付機構であって、
前記一方の取付部材は、前記被取付部材に隣接するフランジ板部を有しており、
前記他方の取付部材は、手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記一方の取付部材側に窪む部分であって、
前記係合部は、少なくとも一部が屈曲又は湾曲した状態で延在する弾性部材を備え、当該弾性部材は、連結形成される係止片部とガイド部とを有し、
前記弾性部材は、前記フランジ板部から離れた位置に取り付けられ、
前記被係合部は、前記係止片部と係合するための係合受部と、前記厚さ方向に対して傾斜する傾斜面部とを備え、前記傾斜面部の一部は、前記手掛部よりも前記一方の取付部材側に位置しており、
通常の設置状態において前記一対の取付部材を近接させることで前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動し、当該ガイド部の移動に伴って前記係止片部が前記取付部材の近接方向とは異なる方向へ移動することで前記係合受部の上側又は下側を通過して前記係合受部を乗り越え、前記係止片部が前記係合受部を乗り越えた後に前記係止片部と前記係合受部とが係合する係合状態となるものであり、
当該係合状態では、前記係止片部が当該係合受部を押圧することで前記一対の取付部材が相互に引き寄せられることを特徴とする二部材の取付機構。 - 板状の被取付部材の厚さ方向の一側面と他側面とにそれぞれ配置された一対の取付部材を備え、一方の取付部材に設けられた係合部を他方の取付部材に設けられた被係合部に係合させることにより、前記一対の取付部材が前記厚さ方向に移動可能で且つ相互に引き寄せられるようにして前記被取付部材に取り付けられる二部材の取付機構であって、
前記一方の取付部材は、前記被取付部材に隣接するフランジ板部を有しており、
前記他方の取付部材は、手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記一方の取付部材側に窪む部分であって、
前記係合部は、少なくとも一部が屈曲又は湾曲した状態で延在する弾性部材を備え、当該弾性部材は、連結形成される係止片部とガイド部とを有し、
前記弾性部材は、前記フランジ板部から離れた位置に取り付けられ、
前記被係合部は、前記係止片部と係合するための係合受部と、前記厚さ方向に対して傾斜する傾斜面部とを備え、前記傾斜面部の一部は、前記手掛部よりも前記一方の取付部材側に位置しており、
前記係合受部と隣接する位置に前記取付部材の近接方向とは異なる方向に窪んだ凹部が形成されており、
前記一対の取付部材を近接させることで前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動し、当該ガイド部の移動に伴って前記係止片部が前記取付部材の近接方向とは異なる方向へ移動して前記係合受部を乗り越え、前記係止片部が前記係合受部を乗り越えた後に前記係止片部と前記係合受部とが係合する係合状態となるものであり、
当該係合状態では、前記凹部に面する前記係合受部の面を前記係止片部が押圧するものであり、前記係止片部が当該係合受部を押圧することで前記一対の取付部材が相互に引き寄せられることを特徴とする二部材の取付機構。 - 前記一方の取付部材にもまた手掛部が形成されており、当該手掛部は、通常の設置状態において、前記他方の取付部材側に窪む部分であって、
前記一方の取付部材に形成された前記手掛部に前記弾性部材の一部が接触した状態で、前記弾性部材が変形し、前記ガイド部が前記傾斜面部に沿って移動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の二部材の取付機構。 - 前記係止片部が押圧する前記係合受部の面は鉛直面であって、前記係止片部の押圧方向は、前記一方の取付部材が前記他方の取付部材へ向かう方向と逆向きであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二部材の取付機構。
- 前記被係合部は、前記厚さ方向とは異なる方向に突出する突出片部を有し、当該突出片部の一部に前記傾斜面部が形成されており、
前記係合受部は、前記突出片部とつながる突起部分であり、前記突出片部の他の一部から突出するものであって、前記突出片部の突出方向とは異なる方向に延びており、
前記ガイド部が前記突出片部を乗り越える移動と並行して前記係止片部が前記係合受部を乗り越えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二部材の取付機構。 - 前記一対の取付部材には、一方の取付部材に設けられた位置決め用突起と、他方の取付部材に設けられた位置決め用凹部によって形成される移動規制手段が設けられており、
当該移動規制手段は、前記弾性部材及び前記係合受部とは別途形成されており、
前記位置決め用突起と前記位置決め用凹部の少なくとも一部が係合した状態では、一対の取付部材は、それぞれ、互いに近接する方向及び互いに離反する方向を除く方向への相対的な移動が制限されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の二部材の取付機構。 - 前記被取付部材が戸板であり、前記一対の取付部材が引手を形成するものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の二部材の取付機構。
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