JP2002146624A - 原着極細繊維及びその製造方法 - Google Patents

原着極細繊維及びその製造方法

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JP2002146624A
JP2002146624A JP2000337063A JP2000337063A JP2002146624A JP 2002146624 A JP2002146624 A JP 2002146624A JP 2000337063 A JP2000337063 A JP 2000337063A JP 2000337063 A JP2000337063 A JP 2000337063A JP 2002146624 A JP2002146624 A JP 2002146624A
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carbon black
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fibers
ultrafine
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Hironori Aida
裕憲 合田
Mikio Tashiro
幹雄 田代
Masahisa Mimura
正久 三村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンブラックの含有率が多く濃色性であ
るにもかかわらず、高い強度を有する極細繊維とその製
造方法を提供する。 【解決手段】 分散成分と分散媒成分とからなる混合紡
糸繊維の該分散媒成分を抽出除去してなる平均単糸繊度
が0.6dtex以下の極細繊維で、平均1次粒径が1
0〜50nm、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が
30〜600cm 3/100gであるカーボンブラック
が該繊維重量に対して1〜30重量%含有した極細繊維
とする。上記極細繊維を製造する際、上記の分散成分と
分散媒成分をなる樹脂ペレットのいずれの体積も、カー
ボンブラックを含有するマスターバッチペレットの体積
以上とし、これらを混合紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
により着色された、濃色性と高強度を同時に兼ね備えた
原着極細繊維とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極細繊維は、眼鏡拭きや家庭清掃用のワ
イパーをはじめ、フィルター用途、スエード調やヌバッ
ク調の、天然皮革に近い優れた風合いをもつ人工皮革な
どの用途で、近年広く用いられるようになってきている
(例えば、特開昭49−539号広報、特開昭54−7
3921号広報など)。特に人工皮革といった用途で
は、衣料、靴、家具の素材として用いるため、染料ある
いは顔料を繊維に含有させる、いわゆる原着により繊維
に着色する方法がとられている。
【0003】かかる原着極細繊維では、特に単糸繊度が
0.6dtexを下回るとより淡色となり、濃色の極細
繊維を得るためには、染料あるいは顔料の極細繊維に対
する含有率を通常繊度、つまり1dtex以上の着色繊
維と比べて相当大きくする必要がある。例えば、0.1
dtexの極細繊維が1dtexの染色または原着繊維
と同等の明度(L値)を得るには、染料または顔料含有
率を約3〜4倍と多くする必要がある。しかしながら、
極細繊維において上記のように染料または顔料の含有率
を増やすと、1dtex以上の繊度を有する繊維と比べ
て強度が極端に低下し、用途によっては実用に十分耐え
られないという問題がある。
【0004】上記のように強度が極端に低下した原着極
細繊維を人工皮革に用いる場合、例えば、繊維に含浸す
る高分子弾性体を多くし、人工皮革に占める該高分子弾
性体の割合を大きくすることによって人工皮革の強度を
向上することが考えられるが、こんどは極細繊維が呈す
る天然皮革に近い優れた触感や、柔軟性が損なわれるこ
とになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
を背景になされたものであり、その目的は、カーボンブ
ラックの含有率が多く濃色性であるにもかかわらず、高
い強度を有する原着極細繊維とその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、
【0007】(1)平均1次粒径が10〜50nm、ジ
ブチルフタレート(DBP)吸油量が30〜600cm
3/100gであるカーボンブラックが繊維重量に対し
て1〜30重量%含有されていることを特徴とする原着
極細繊維。
【0008】(2)極細繊維が、ポリエステル系ポリマ
ーまたはポリアミド系ポリマーからなる(1)記載の原
着極細繊維。
【0009】(3)互いに非相溶である2種類の樹脂
(A及びB)の各ペレットと、平均1次粒径が10〜5
0nm、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が30〜
600cm3/100gであるカーボンブラックを5〜
50%含有するマスターバッチのペレットとを溶融混合
紡糸して海島型混合紡糸繊維とした後、次いで該混合紡
糸繊維の海成分を抽出して極細繊維を製造するに際し、
該樹脂(A及びB)のそれぞれのペレットの体積(Va
及びVb)と該マスターバッチのペレットの体積(V
m)において下記式を同時に満足させることを特徴とす
る原着極細繊維の製造方法。 Vm/Va<1、Vm/Vb<1
【0010】(4)マスターバッチのペレットの体積
(Vm)が0.1〜10mm3の範囲である(3)記載
の原着極細繊維の製造方法。
【0011】(5)極細繊維中のカーボンブラックの含
有率が1〜30重量%の範囲である(3)または(4)
記載の原着極細繊維の製造方法。
【0012】(6)構成繊維の少なくとも80重量%
が、(1)または(2)記載の原着極細繊維であること
を特徴とする人工皮革、により達成できることがわかっ
た。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする極細繊維は、
2種類以上の成分を繊維断面形状において海島型、放射
型あるいは多層型などに複合化した複合紡糸繊維を、分
割あるいは構成成分のうち少なくとも1成分を抽出除去
して得られる極細繊維、海島型混合紡糸繊維の海成分を
抽出除去して得られる極細繊維、または、直接紡糸によ
り得られる極細繊維などがあげられる。
【0014】本発明においては、上記極細繊維のうち、
カーボンブラックの含有率を多くして強度の低下が大き
い、混合紡糸繊維の少なくとも1成分を抽出除去して得
られる極細繊維においてより顕著な効果を発揮する。
【0015】この際、抽出処理後極細繊維となる成分、
例えば海島型混合紡糸繊維の場合島成分としては、例え
ば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−61
0、ナイロン−12等のポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、エチレンテレフタレートを80モル%以上
含む共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリウレタンエラストマー、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー、等があげられ
る。このうち、分散成分としてはポリアミドまたはポリ
エステルが製糸性などの点で好ましいが、かかるポリマ
ーを選択した場合でも、次の点でさらに改善が望まれて
いる。すなわち、上記成分をポリアミドとした場合は、
得られる極細繊維がポリアミドとなり、濃色性は発現し
やすいものの強度が劣るものとなる。また、上記成分
を、ポリエステルとした場合は、得られる極細繊維がポ
リエステルとなり、強度は優れているものの濃色性があ
まり高くない。本発明においては、特に、かかるポリア
ミドまたはポリエステルの極細繊維において、両者がも
つ欠点を補完する効果的な技術を提供するものである。
【0016】一方、抽出除去される成分、例えば海島型
混合紡糸繊維の場合海成分は、単独で紡糸性が悪くて
も、上記の抽出処理後極細繊維となる成分との混合状態
において紡糸可能な高流動性樹脂あるいは選択した繊維
形成性樹脂と混合して海成分となる熱可塑性樹脂であれ
ばよく、好ましくは、熱トルエン、ハロゲン化炭化水素
から選ばれた溶剤に可溶な樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル等が好ましくあげられる。
【0017】さらに、本発明においては、濃色性とし難
く、さらにカーボンブラックを高含有率で添加して強度
低下の大きい、平均単糸繊度が0.6dtex以下であ
る極細繊維においてより顕著な効果を発揮できる。特に
好ましい平均単糸繊度の範囲は0.0001〜0.06
dtexの範囲である。
【0018】本発明においては、極細繊維に含有されて
いるカーボンブラックの平均1次粒径及びDBP吸油
量、カーボンブラックの極細繊維重量に対する含有率
が、以下の要件を同時に満足していることが肝要であ
り、これにより濃色性に優れ、かつ強度の高い極細繊維
が得られるのである。
【0019】すなわち、平均一次粒径は10〜50nm
の範囲とする必要がある。平均一次粒径が10nm未満
であると、現在知られているカーボンブラックでは2次
凝集を阻止することが困難であり、結果として極細繊維
の強力を向上できない。一方、平均一次粒径が50nm
以上になると、2次凝集の形成が少なく強力の低下は少
ないが、極細繊維の濃色性は低くなる。より好ましい平
均一次粒径の範囲は、15〜30nmである。
【0020】また、DBP吸油量は30〜600cm3
/100gとする必要がある。DBP吸油量が30cm
3/100g未満であると、極細繊維の濃色性が低下す
る。一方、DBP吸油量が600cm3/100gを超
えると、極細繊維の強度は小さくなる。より好ましいD
BP吸油量の範囲は、50〜400cm3/100gで
ある。ここでDBP吸油量とは、ASTM−D2414
−88に規定された吸油量をいう。
【0021】さらに、カーボンブラックの極細繊維に対
する含有率は1〜30重量%の範囲とする必要がある。
カーボンブラック含有率が1重量%未満では十分な濃色
性を得られず、30重量%を超えると極細繊維の強度が
製品としたとき使用に耐えないほど低下する。より好ま
しい含有率の範囲は、3〜15重量%である。
【0022】本発明においては、上記の効果により、カ
ーボンブラックの分散化が均一であるため、高い濃色性
を発揮でき、しかも同じカーボンブラックの含有率を有
する従来の極細繊維と比較してより高強度の繊維を得る
ことができるのである。
【0023】なお、本発明の極細繊維には、本発明の目
的を阻害しない範囲内で、上記カーボンブラックの他に
必要に応じて、防炎剤、制電剤、易染色剤、滑剤、艶消
し剤、カーボンブラック以外の顔料、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、減粘剤、増粘剤等の改質剤や、抗菌剤、消臭
剤、防黴剤等の機能剤が添加されていてもよい。
【0024】次に本発明の極細繊維を製造する方法につ
いて説明する。
【0025】本発明の極細繊維は、例えば、前述のよう
に2種類以上の成分を繊維断面形状において海島型、放
射型、多層型などに複合化した複合紡糸繊維を、分割あ
るいは構成成分のうち少なくとも1成分を抽出除去する
方法、または、海島型混合紡糸繊維の海成分を抽出除去
する方法によって製造することができる。
【0026】また、カーボンブラックを、上記の複合紡
糸繊維または混合紡糸繊維に混合させる方法としては、
極細繊維となる樹脂ペレットに直接カーボンブラックを
含有させる方法、樹脂ペレットとカーボンブラック粉体
とを混合しこれを紡糸する方法、さらに、カーボンブラ
ックを高濃度で含有するマスターバッチを、樹脂ペレッ
トとを混合し紡糸する方法などがあげられる。
【0027】このうち、製造コスト、銘柄変更の容易
性、作業性などを総合的に判断した場合、マスターバッ
チによりカーボンブラックを混合する方法がより望まし
く、特に混合紡糸繊維から極細繊維を製造する場合、以
下の紡糸方法が好ましい。
【0028】すなわち、互いに非相溶である2種類の樹
脂(A及びB)の各ペレットと、前述のカーボンブラッ
クを5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%含有す
るマスターバッチのペレットとを溶融混合紡糸して海島
型混合紡糸繊維とした後、次いで該混合紡糸繊維の海成
分を抽出して極細繊維を製造する方法である。
【0029】この際、前述した一次粒径およびDBP吸
油量を有するカーボンブラックを5〜50重量%含有さ
せたマスターバッチでは、その溶融粘度がこれと溶融混
合紡糸する樹脂の溶融粘度よりも高くなり、該樹脂中へ
のカーボンブラックの分散性が低下する傾向がある。こ
れに対して、本発明においては、2種類の樹脂(A及び
B)のそれぞれのペレットの体積(Va及びVb)と、
マスターバッチペレットの体積(Vm)について下記式
を同時に満足させることによりカーボンブラックの分散
均一性を向上させることができ、濃色性でありながら、
同じカーボンブラック含有率を有する従来の極細繊維よ
り高強度である極細繊維を容易に製造することができ
る。 Vm/Va<1、Vm/Vb<1
【0030】上記式において、カーボンブラックの分散
性及び紡糸性などの点でより好ましい範囲は、それぞれ
0.01≦Vm/Va≦0.8、0.01≦Vm/Vb
≦0.8の範囲である。
【0031】また、マスターバッチペレットの体積自体
が小さい方がカーボンブラックの分散にとって好まし
く、該体積が10mm3以下であることが好ましい。一
方、マスターバッチペレットの体積があまり小さすぎる
と、マスターバッチが粉体に近くなり、従来のスクリュ
ー型溶融押出機やスタティックミキサーでの溶融前に分
級しやすくなる傾向があり、0.1mm3以上が好まし
い。なお、ここでいう分級とは、体積、形状などの異な
る混合ペレットの分布状態の一様性に乱れを生じ、偏倚
した部分を生じることをいう。
【0032】ここで、互いに非相溶である2種類の樹脂
A及びBは、それぞれ、前述の海島型混合紡糸繊維の海
成分及び島成分となる樹脂成分を指すが、マスターバッ
チペレットのベース樹脂、すなわちカーボンブラックを
含有させる樹脂は、上記島成分と同種類の樹脂であるこ
とが好ましい。
【0033】なお、本発明で使用するマスターバッチペ
レットには、カーボンブラックの分散性をよくするた
め、従来知られている分散剤、樹脂減粘剤等が含まれて
いても差し支えない。
【0034】マスターバッチペレットと樹脂ペレットを
溶融混練する方法をさらに詳述すると、ナウターミキサ
ー、ダブルコーン式ブレンダー等の回分式混合装置で予
めマスターバッチペレットと樹脂ペレットを混合してお
き、溶融押出機で混練する方法や、マスターバッチペレ
ットと各樹脂ペレットを所定の混率となるよう別々の計
量機で連続的に溶融押出機に供給し混練する方法などを
用いることができる。この際、回分式混合装置で溶融前
に混合する場合は、溶融押出機の直上に近い位置で混合
ペレットを供給するなど、分級による分散斑の影響を低
減する工夫を盛り込むことが好ましい。
【0035】本発明においては、紡糸は従来公知の方法
を用いることができ、必要に応じて、さらに延伸、熱処
理などを施して混合紡糸繊維とすることができる。得ら
れた混合紡糸繊維は、例えば、織編物、不織布などとし
た後、溶剤あるいはアルカリ処理などによりこれを構成
する樹脂成分のうち少なくとも1成分を抽出して、本発
明の極細繊維で構成される繊維製品とすることができ
る。
【0036】本発明の極細繊維は、例えば、眼鏡拭き、
家庭用ワイパー、フィルターなどとして用いることがで
きるが、特に、高強度と濃色性の両方が要求される人工
皮革に好適に用いられる。
【0037】本発明の人工皮革は、以上に説明した極細
繊維が構成繊維の少なくとも80重量%を占める人工皮
革であり、必要に応じて他の繊維を20重量%未満で含
んでいてもよい。ここでいう他の繊維としては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロ
ン66などのポリアミドなどからなる合成繊維、アセテ
ート、レーヨンなどの化学繊維、ウール、綿などの天然
繊維などがあげられる。
【0038】本発明の人工皮革は、例えば、前述の極細
繊維からなる絡合体、あるいは該極細繊維に上記他の繊
維を混綿した絡合体に高分子弾性体を付与してシートを
形成し、染色、立毛仕上げ等の工程を経て製造すること
ができる。
【0039】本発明においては、人工皮革を構成する極
細繊維が、該繊維中に含有されるカーボンブラック中の
割合が多く濃色性であるにもかかわらず十分な強度を維
持しているため、人工皮革中の高分子弾性体の含有量を
少なくすることが可能であり、より柔軟な風合いを有す
る濃色性のスエード調あるいはヌバック調の人工皮革を
得ることができる。
【0040】また、本発明の人工皮革は、例えば次の方
法により製造することができる。
【0041】例えば、前述の海島型混合紡糸繊維の場合
は、海成分を抽出する前の混合紡糸繊維を短繊維化し、
カードクロスラッパーもしくはランダムウェッバーなど
常法によりウェッブを作り、その後ニードルパンチある
いはウォータージェットパンチを施すことにより絡合シ
ートを形成する。この絡合シートを必要に応じて高密度
化処理あるいはポリビニルアルコール等の糊剤を付与し
た後、さらに高分子弾性体を付与し、次いで海成分を除
去する。これをさらに必要に応じて半裁し、少なくとも
一面を起毛処理し、これを染色することにより、本発明
の人工皮革を得ることができる。
【0042】上記の高分子弾性体としては、例えば、ポ
リエステル系、ポリエステル・ポリエーテルジオール
系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系ポリウレタ
ン、あるいはアクリル樹脂、硬化シリコーンゴム、アク
リロニトリルブタジエンラバー、ブタジエンラバー、天
然ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどがあげられる
が、製品の風合い、品位、タッチなどを考慮すると、特
にポリウレタン類が好ましい。これらの高分子弾性体中
には必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、顔料などの着色剤、制電剤、難燃剤、柔軟剤、凝固
調整剤などの添加剤を配合してもよい。
【0043】また、上記の染色において染色機は従来公
知のものを使用することができるが、サーキュラー、ユ
ニエースなどの液流染色機が好ましく用いられる。ま
た、染料は分散染料、酸性染料、含金染料などから必要
に応じて選択すればよい。
【0044】
【実施例】以下に本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、ここに記載する物性について、下記に詳述す
る。
【0045】1)固有粘度 ・ナイロン−6(NY−6) 35℃のメタクレゾール溶液により、常法に従って求め
た。 ・ポリエチレンテレフタレート(PET) 35℃のオルトクロロフェノール溶液により、常法に従
って求めた。
【0046】2)低密度ポリエチレンのMFR(メルト
フローレイト) JIS−K 7210記載の方法により、測定温度19
0℃、試験荷重を21.18Nの条件で測定した。
【0047】3)極細繊維平均単糸繊度 熱トルエンで完全に海島型混合紡糸繊維の海成分を抽出
した後の極細繊維束の繊度をJIS−L1015に記載
の方法に準拠して測定し、これを抽出前の混合紡糸繊維
の断面を電子顕微鏡で拡大して測定した極細繊維の本数
で除して求めた。
【0048】4)極細繊維強度 JIS−L1015に記載の方法に準拠して測定した。
具体的には、海島型混合紡糸繊維の単繊維に相当する海
成分抽出後極細繊維束について強力を測定し、上記に求
めた海成分抽出後極細繊維束の繊度で除して求めた。
【0049】5)極細繊維濃色度 ハンター形色差計を用いて、検出部を十分覆うだけの極
細繊維束とし、該繊維束のL値を測定した。L値が小さ
いほど濃色性が大きい。
【0050】6)人工皮革強度 JIS−K6552に記載の方法に準拠して測定した。
【0051】7)人工皮革濃色度 ハンター型色差計を用いてL値を測定することにより判
定した。L値が小さいほど濃色性が大きい。
【0052】[実施例1]平均一次粒径が13nm、D
BP吸油量190cm3/100gを有するファーネス
法カーボンブラック(CB)を25重量%含み、ベース
樹脂がNY−6(固有粘度1.3)であるCBマスター
バッチペレット17.6重量%、NY−6(固有粘度
1.3)ペレット37.4重量%、及び低密度ポリエチ
レン(PE:MFRは50g/10分)ペレット45重
量%を同時にスクリュー型溶融押出機(エクストルーダ
ー)へ供給し、260℃で溶融混練して、0.3mm径
のノズルより単孔当り0.70g/分で押出し、巻取速
度850m/分として得た原糸を、70℃温水浴中で
2.0倍に延伸することにより、海島型混合紡糸繊維を
得た。NY−6とPEの重量比率は各々55と45と
し、NY−6極細繊維中のCB含有率を8重量%とし
た。使用したマスターバッチペレットの体積Vmは4.
3mm3、NY−6ペレットの体積VNYは11mm3、P
Eペレットの体積VPEは13mm3であり、Vm/VNY
0.39、Vm/VPE=0.33であった。この混合紡
糸繊維を75℃の熱トルエンでPEを完全に抽出し、平
均単糸繊度0.0053dtexのNY−6の原着極細
繊維を得た。極細繊維の強度は2.11cN/dte
x、L値は20.2であった。
【0053】[実施例2〜4、比較例1〜4]カーボン
ブラックの平均一次粒径、DBP吸油量、マスターバッ
チペレットの体積Vm、NY−6ペレットの体積VNY
PEペレットの体積VPEを表1に示すように変更した以
外は、実施例1と同様にして極細繊維を得た。結果を表
1に示す。
【0054】[実施例5]平均一次粒径が17nm、D
BP吸油量80cm3/100gを有するファーネス法
カーボンブラック(CB)を25重量%含み、ベース樹
脂がPET(固有粘度0.60)であるCBマスターバ
ッチペレット16重量%、PET(固有粘度0.60)
ペレット34重量%、及び低密度ポリエチレン(PE:
MFRは50g/10分)ペレット50重量%を同時に
スクリュー型溶融押出機(エクストルーダー)へ供給
し、275℃で溶融混練して、0.3mm径のノズルよ
り単孔当り1.0g/分で押出し、巻取速度1000m
/分として得た原糸を、70℃温水浴中で3.0倍に延
伸することにより、海島型混合紡糸繊維を得た。PET
とPEの重量比率は各々50と50とし、PET極細繊
維中のCB含有率を8重量%とした。使用したマスター
バッチペレットの体積Vmは4.1mm3、PETペレッ
トの体積VPETは63mm3、PEペレットの体積VPE
13mm3であり、Vm/VPET=0.07、Vm/VPE
0.32であった。この混合紡糸繊維を75℃の熱トル
エンでPEを完全に抽出し、平均繊度0.0042dt
exのPETの原着極細繊維を得た。極細繊維の平均強
度は3.21cN/dtex、L値は23.1であっ
た。
【0055】[実施例6、比較例5〜6]カーボンブラ
ックの平均一次粒径、DBP吸油量、マスターバッチペ
レットの体積Vm、NY−6ペレットの体積VNY、PE
Tペレットの体積VPETを表1に示すように変更した以
外は、実施例5と同様にして極細繊維を得た。結果を表
1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】[実施例7〜12、比較例7〜12]それ
ぞれの実施例1〜6、比較例1〜6で得られた海成分抽
出前の海島型混合紡糸繊維をカードウェブとした後、該
ウェブを積層し、ニードルパンチによる絡合処理を施し
て不織布とし、これにポリウレタンを含浸させた後、熱
トルエンでPEを抽出して、人工皮革用基布を得た。こ
の際、極細繊維とポリウレタンの重量比は50/50と
した。さらに、上記人工皮革基布をサンドペーパーで起
毛処理し、人工皮革を得た。この人工皮革の濃色度、引
張強度を表2に示す。また、得られた人工皮革は柔軟で
いずれも柔軟な風合いを呈していた。
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、濃色性に優れ、かつ強
度の高いカーボンブラックを含有する極細繊維を提供す
ることができる。また、本発明の製造方法によれば、カ
ーボンブラックを極細繊維中に均一分散させることがで
き、上記極細繊維を容易に製造することが可能である。
さらに本発明の極細繊維は、ワイパー、フィルター、人
工皮革などの用途に幅広く用いることができるが、特に
人工皮革に用いた場合は、高強度であるため高分子弾性
体の付与率を少なくでき、非常に柔軟な風合の人工皮革
を得ることができるといった効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/00 D06M 11/00 13/07 13/07 D06N 3/00 DAB D06N 3/00 DAB D06M 3/38 9/02 A (72)発明者 三村 正久 島根県大田市長久町長久イ446 コードレ 化成株式会社内 Fターム(参考) 4F055 AA02 BA11 DA07 EA04 EA05 EA12 EA24 EA30 FA15 GA01 HA03 4L031 AA14 AA18 AA20 AB34 BA32 CA15 4L033 AA05 AA07 AA08 AB07 AC15 BA04 4L035 DD13 EE08 EE20 FF07 JJ03 JJ10 KK01 4L041 AA07 BA04 BA06 BA17 BA48 BD15 CA06 CA21 CA36 CB02 DD01 DD11 DD21 EE07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均1次粒径が10〜50nm、ジブチ
    ルフタレート(DBP)吸油量が30〜600cm3
    100gであるカーボンブラックが繊維重量に対して1
    〜30重量%含有されていることを特徴とする原着極細
    繊維。
  2. 【請求項2】 極細繊維が、ポリエステルまたはポリア
    ミドからなる請求項1記載の原着極細繊維。
  3. 【請求項3】 互いに非相溶である2種類の樹脂(A及
    びB)の各ペレットと、平均1次粒径が10〜50n
    m、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が30〜60
    0cm3/100gであるカーボンブラックを5〜50
    %含有するマスターバッチのペレットとを溶融混合紡糸
    して海島型混合紡糸繊維とした後、次いで該混合紡糸繊
    維の海成分を抽出して極細繊維を製造するに際し、該樹
    脂(A及びB)のそれぞれのペレットの体積(Va及び
    Vb)と該マスターバッチのペレットの体積(Vm)に
    おいて下記式を同時に満足させることを特徴とする原着
    極細繊維の製造方法。 Vm/Va<1、Vm/Vb<1
  4. 【請求項4】 マスターバッチのペレットの体積(V
    m)が0.1〜10mm3の範囲である請求項3記載の
    原着極細繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 極細繊維中のカーボンブラックの含有率
    が1〜30重量%の範囲である請求項3または4記載の
    原着極細繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 構成繊維の少なくとも80重量%が、請
    求項1または2記載の原着極細繊維であることを特徴と
    する人工皮革。
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